JP5825732B1 - 縦型のセラミック押出成形装置 - Google Patents
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Abstract
Description
横型押出方式のものは押出成形された成形体が自重によって変形(撓み等)するという問題があるが、縦型押出方式のものにはそのような問題がない。また、プランジャー式のものは押出シリンダーの構造が簡単で廉価であり大型製品の押出成形を比較的容易に行うことができるが、しかし、押出成形が間欠的であるので効率的でなく、また押出成形品の品質の均一性、品質の安定性に問題がある。
そして、成形品の構造、要求される成形精度、成形能率、さらに押出成形装置の製造コスト等を勘案して、縦型か横型か、プランジャー式かスクリュー式かの選択がなされる。
一軸型と二軸型は、混練供給装置で混練し加圧されたセラミック坏土を押出成形装置に連続供給し、これを押出成形装置でさらに攪拌混練しながら加圧して金型を通して押し出す点で違いはないが、二軸型の方が混練供給装置と押出成形装置によって2段階で加圧して金型から押し出すことができるので、無停止の高圧押出によって、複雑で精密な構造の成形品を高品質、高寸法精度で成形するのが容易である。また、一軸型に比して二軸型の方が押出成形装置の機構構造が複雑で大型になり製造コストが高くまた運転コストが高いが、設計の自由度は高い。このように一軸型と二軸型はその得失においていろいろの違いがある。
なお、上記のセラミック押出成形装置は押出成形装置と、当該押出成形装置にセラミック坏土を混練調整して供給する混練供給装置によるものであり、押出成形装置は下端に金型を備えた押出成型機と駆動装置によるものであり、さらに混練供給装置は混練供給機と真空脱気装置とセラミック坏土調整装置によるものである。したがって、連続して押出成形される成形体を切り出し搬送し収納する受取等付属装置は、本明細書における「セラミック押出成形装置」に含まれない。
この出願の発明はスクリュー式で二軸型で縦型のセラミック押出成形装置であるが、この発明に関連するプランジャー式押出成型機による従来技術として特開平7−32335号公報(特許文献1)のものがあり(図4参照)、また、スクリュー式押出成型機による従来技術として特許第5578696号公報(特許文献2)のものがある(図5参照)。
特許文献1のもの(図4)は、混練供給装置41をプランジャー式押出成型機42の横方向の供給口に接続してある(以下、これを「従来技術1」という)。
上記の混練供給装置41は、スクリュー式の混練供給機41bと真空脱気装置41cとセラミック坏土調整装置41aによるものである。そして、押出成型機42は押出シリンダー421、プランジャー422、油圧シリンダー423、さらに金型42dによるものである。このものでは、押出成型機42のプランジャー422の1ストローク毎に押出成形が中断され、またセラミック坏土が間欠的に供給されるので、セラミック坏土の混練供給、押出成形が断続して繰り返されることになり、そのために成形品の品質の均一性が損なわれ、また品質の安定性が損なわれる可能性が大きい。
縦型の押出成型機をスクリュー式にして無停止連続で押出成形を行えるようにしたものが特許文献2に記載されている(従来技術2)。
この従来技術2のもの(図5)は、従来技術1のものと同様の混練供給装置56を備えている。混練供給装置56は上段のセラミック坏土調整装置56a、下段の混練供給機56b、及び真空脱気装置56cによるものであり、押出成型機57はシリンダー57aとスクリュー57bによるものである。そして、この押出成型機57は下端に金型57cを備え、その上端に電動モーター57dと変速機57eによる駆動装置がある。
従来技術2のものの押出成型機57はスクリュー式であるので、セラミック坏土はシリンダー57a内でスクリュー57bで攪拌されながら加圧される。このために、スクリュー57bとの強い摩擦によりセラミック坏土に大きな残留応力を生じ、また、スクリュー57bとの摩擦による摩擦熱の影響を強く受け、この熱的影響による成形品の品質への影響が大きく、残留応力、残留歪などが残るという問題があり、また、混練供給機56bのスクリューによって加圧され、さらに押出成型機57のスクリュー57bによって加圧されるので、当該押出成型機57が高圧高負荷になり、従来技術1の縦型のプランジャー式押出成型機に比して押出成形装置(押出成型機とその駆動装置によるもの)の製造コストが高く、またメンテナンスコストが高くなるという問題がある。
以上のことから、上記の2段階加圧方式による高圧押出成形の問題を低減するために、混練供給機のスクリューに加圧作用を分担させ、押出成型機のスクリューに加圧作用を分担させない方式を採用することが想到される(以下これを本発明の「前提技術」という)。
そこで、上記問題を効果的に解消することを目的とし、スクリュー式の混練供給装置と縦型のスクリュー式押出成形装置によるセラミック押出成形装置を前提として、押出成型機のスクリュー(押出スクリュー)による加圧作用を可及的に低減するについて、当該スクリューによるセラミック坏土の攪拌作用を大幅に向上させて、攪拌不足によるセラミック坏土の密度不均一や、物性不均一を可及的に低減できるように、押出成型機のスクリューの構造を工夫すること、これが本発明の技術的課題である。
上記課題を解決するための技術手段は、縦型の押出成型機上部の供給口に混練供給機が接続されていて、当該混練供給機のスクリューに加圧作用を分担させ、押出成型機のスクリューに加圧作用を分担させないセラミック押出成形装置を前提として、次の(イ)(ロ)(ハ)によるものである。
(イ)押出成型機のスクリュー上部においてそのネジ山(リード)に欠損部を設けたこと、
(ロ)上記欠損部の数をn、一つの欠損部の螺旋方向幅をwとするとき、w×nが20〜80mmであること。
(ハ)上記欠損部が複数であるとき、欠損部が上記押出成型機のスクリューの回転軸に対して反対側に配置されていること。
なお、「スクリュー上部」はスクリューの中間部よりも上方部分を意味し、セラミック坏土供給口に近い部分を意味する。
押出成型機のスクリュー11aの上部においてそのネジ山11arに欠損部11gが設けられているので、混練供給機から押し込まれたセラミック坏土が、上記スクリューの上部に取り込まれてスクリューのネジ溝11agを下方に流れる。そして、その流れf2の一部が上記欠損部11gを通って上記ネジ山11arの上方に抜ける流れf3になり、このネジ山の上方への流れf3が当該ネジ山の上方のネジ溝11agを流れる流れf1と合流し、そしてまたセラミック坏土が欠損部11gに絡んで引きずられるので、スクリュー上部において攪拌作用が高められる。
したがって、押出成型機のスクリュー11aがほとんど加圧作用を生じないものでも、所要の攪拌作用を奏することができる。
他方、上記幅w×数nが上記(ロ)の範囲の未満であるとネジ山の上方に抜ける流れf3が不足し、逆に範囲以上であると同流れf3が過剰になって順方向への送り作用が大きく低下し、また不安定になる。しかし、上記のw×nが上記範囲内にあることで、実際上必要な送り作用と攪拌作用が得られる。
したがって、個々の機械設計においては、上記範囲内において上記w×nを適宜選択すればよい。
また、欠損部11gが複数であるときはこれがスクリューの回転軸に対して反対側に配置されることで、攪拌抵抗、押出抵抗がスクリューの全周においてバランスし、スクリューによる攪拌作用と送り作用が円滑になされる。
なお、上記作用の説明における符号(f1,f2,f3,11g等)については図3を参照されたい。
(2)−1.実施態様1
実施態様1は上記解決手段を前提として次の(ニ)(ホ)によるものである。
(ニ)上記押出成型機のスクリューのネジ山の高さをHとするとき、上記欠損部の深さhをh=0.5〜1.0Hとすること、
(ホ)1つの欠損部のネジ山の切断面が押出成型機のスクリューの回転軸に対して直角方向の切断面であること。
実施態様2は上記解決手段又は実施態様1を前提として次の(ヘ)(ト)によるものである。
(ヘ)上記押出成型機のスクリューのネジ山が当該スクリューの回転軸に対称の2条ネジであること、
(ト)上記欠損部による流路の形状が四角形であること。
上記欠損部はスクリューの上部に設けられるので、セラミック坏土を金型に所定速さで安定的に送るスクリューの計量作用に支障を生じることはなく、スクリューの回転速度を加減することで押出速度が加減される。
なお、ネジ山の高さHに対する欠損部11gの深さhが浅いほど欠損部による上記作用、すなわち、上記ネジ山の上方へ抜ける流れとセラミック坏土の絡みつきによる攪拌作用(ネジ溝に沿うセラミック坏土の流れの上層部及び下層部に対する攪拌作用)が低いが、同高さHに対する深さhが50%以上であれば、相当に有効である。
さらに、上記(ホ)によって欠損部11gによる流路が回転軸に対して直角の平面で回転するので、セラミック坏土がネジ山の欠損部にスムーズに流入し、したがって、当該流れf3によって効果的に攪拌作用を奏する。
以上の解決手段、実施態様の記載における「欠損部」については、スクリューのネジ山を旋盤で切削加工したほぼ四角形の流路形状を想定しているが、この欠損部はスクリューのネジ溝を下方に流れるセラミック坏土に所要の上方への分流f3を生じさせるものであり、このことからすれば四角形状の流路でなければならないものではなく、逆三角形、台形でも所期の作用効果を奏することができる。したがって、欠損部による流路の形状については逆三角形、台形でもよいが、この場合は分流f3の流路面積が四角形状のものとほぼ同等であればよい。
上記のとおりであるが、ネジ溝に沿って流れるセラミック坏土の流れの上層から下層までの広い範囲で均等に分流させるのが望ましいので、この意味においても流路の形状は四角形状が望ましく、また、旋盤による切削加工による場合は四角形状の方が加工が容易であり、上記欠損部への流入がスムーズであるので好ましい。
そしてまた、この発明による押出成型機はその押出スクリューが加圧作用を負担せず、攪拌と押出作用を負担するものであるから、スクリュー長さが極めて短くてすみ(例えば1.25〜2.0のピッチ数)、低速で回転制御することができるから、駆動用電動モーター、減速機等も小型にすることができ、さらに、押出成型機内のセラミック坏土と押出スクリューとの摩擦熱の発生が抑制されるので押出成形のための消費電力が低減され、また、押出シリンダー冷却のための負荷が低減される。
以上のことから、縦型のセラミック押出成形装置の製造コストを大幅に低減することでき、またその運転コストを大幅に低減することができる。
したがって、押出スクリューと別個に特別の攪拌手段を付設するものではなく、したがって、そのために押出スクリューの軸を長くする必要はないから、軸が長くなることによって押出シリンダーが大きくなるという問題はない。
また、ネジ山の一部を旋盤加工によって切除することで欠損部を形成できるのでその成形加工が極めて容易である。
この実施例は、縦型でスクリュー式の押出成形装置1と、セラミック坏土を混練調整して連続供給する混練供給装置2による、外径300mmのハニカム構造体(例えば、DPF(デイーゼル微粒子捕集フィルター)を無停止連続で押出成形する押出成形装置にこの発明を適用した例である。
この実施例における「押出成形装置」、「受取等付属装置」、「スクリューの構造」等について順次説明する。
1−1.機構
セラミック押出成形装置は1本の押出スクリューによる縦型の押出成形装置1と、混練供給装置2によるものである。当該混練供給装置2は、上記押出成形装置1のシリンダー11c上部の供給口に接続されている混練供給機21と、真空脱気装置22と、セラミック坏土調整装置23によるものであり、上記シリンダーの下端に成形金型Dを備えている。
押出成形装置1は、押出成型機11と駆動装置12から成る。
上記押出成形装置1の押出成型機11は内径256mmのシリンダー11c、延長管11d、抵抗管11eを備え、長さ約430mmの1本のスクリュー11aを備えているもので、上記抵抗管11eの下端に成形金型Dが取り付けられている。そして、スクリューの毎分回転数(仕様)は1〜11回であり、押出圧力(仕様)は200kg/cm2 以下であるが、実際の押出圧力は押出成形される成形体pの大きさ及び構造、セラミック坏土の物性(硬さや粘性度等)、成形速度の如何等によって異なり、スクリュー11aの回転速度はセラミック坏土の物性と必要な成形速度の如何等によって異なる。
なお、金型Dは成形体pの形状構造に応じて取り替えられるものであり、金型ケーシング11fに内装されており、当該金型ケーシング11fは上記抵抗管11eの下端に着脱自在に取り付けられている。そして、金型Dとスクリュー11aとのほぼ中間部に抵抗板11bを備えている。この抵抗板11bは多数の小孔を有するステンレス鋼板である。そして上記小孔の直径はシリンダー11cの内面に近いほど大きく中心に近いほど小さく、これによってシリンダー11c内のセラミック坏土の流れを均一にする作用を奏する。
混練供給装置2は、混練供給機21と真空脱気装置22とセラミック坏土調整装置23から成る。
上記混練供給装置2の混練供給機21は内径101.5mmのシリンダーと長さ1400mmの一本のスクリュー21aによるものであり、押出成型機11のシリンダー11cの供給口と上記スクリュー21a先端との間に抵抗板21bとフィルター21cとがある。
上記スクリュー21aは毎分3〜33回(仕様)で回転して、これによってセラミック坏土を混練しながら加圧して一定の速度で押出成型機11に送り出す。上記フィルター21cはステンレス鋼製のフィルタ−であり、抵抗板21bは多数の小孔(例えば直径5mm)を有するステンレス鋼製の円板である。そして抵抗板21bはフィルター21cに対する支持板であり、また、セラミック坏土の流れを均一にする作用を奏する。セラミック坏土は当該混練供給機21のフィルター21cによって100μm以上の異物が捕捉され、また、抵抗板21bを経て押出成型機11のシリンダー11c上部の供給口に送り込まれる。
上記混練供給装置2のセラミック坏土調整装置23は、内径60mmのシリンダーと1本のスクリューによるものであり、セラミック素材と添加材等を攪拌してセラミック坏土を調整し、真空脱気装置22によって脱気するものである。
そしてこれは、混練供給機21の上方に配置され、真空脱気装置22を介して混練供給機21の後部に接続されており、また、その後部にセラミック素材等を供給するホッパー23aが設けられている。そして、ホッパー23aからセラミック坏土調整装置23に投入されたセラミック素材及び添加材等はそのスクリューによって攪拌され、真空脱気装置22に送られて脱気され、混練供給機21に取込まれて混練調整され加圧されて押出成型機11に送り込まれる。
セラミック坏土はセラミック坏土調整装置23で調整され真空脱気装置22で脱気されて混練供給機21に供給される。そして、混練供給機21のスクリュー21aで混練されながら加圧され、フィルター21cで100μm以上の異物が捕捉され、抵抗板21bの小孔を通過して押出成型機11のシリンダー11cの上部(スクリュー11aの上部)に押し込まれる。
そして押出成型機11のシリンダー11cの上部に供給されたセラミック坏土は、その後、押出成型機11のスクリュー11aに取り込まれ、そして下方に押され成形金型Dから押し出されてセラミック成形体pが成形される。
押出成型機11のスクリュー11aは大径であり低速で回転し、混練供給機21のスクリュー21aは小径であり押出成型機11のスクリュー11aよりも高速で回転する。そして、このスクリュー21aはセラミック坏土を混練し加圧して押出成型機11のシリンダー11cに送り込み、押出成型機11のスクリュー11aはセラミック坏土を攪拌しながら金型Dから押し出す。このときの金型Dからの押出速度(成形速度)はスクリュー11aの回転速度を制御することによって加減される。
また、上記のように、押出成型機11のスクリュー11aは攪拌を目的とするものであるから当該スクリュー11aとの摩擦でセラミック坏土の一部が著しく加熱されてしまうことはなく、したがって、局部的な著しい加熱による影響は大きく低減される。
押出成型機11の押出速度はそのスクリュー11aの回転速度にほぼ比例するので(ただし高圧領域では直線的な比例関係にはない)、スクリュー11aの回転速度を制御し、また、所要圧力で押し出されるように混練供給機21のスクリュー21aの回転速度を制御する。
セラミック坏土の物性(可塑性、流動性、粘性等)は成形精度に大きく影響するので、この物性は安定していなければならない。このために、セラミック坏土がセラミック坏土調整装置23で攪拌され、混練供給機21によって混練されてその物性が適切に調整される。
そしてまた、セラミック坏土の押出速度(押出圧力)は成形精度に大きく影響するので、これらは安定して制御されなければならず、また、セラミック坏土の押出速度が安定するように押出成型機11のスクリュー11aと混練供給機21のスクリュー21aの回転速度が制御される。
押出成型機11のスクリュー11aの回転速度は、セラミックス坏土の物性が所定レベルに調整されて押出成形装置1に供給されることを前提として個々の成形品に応じて制御される。
セラミック坏土がセラミック坏土調整装置23で攪拌され、混練供給機21のスクリュー21aによって混練加圧されて押出成型機11に供給される。そして押出成型機11に供給されたセラミック坏土はそのスクリュー11aによって攪拌されて密度が均一化され、また抵抗板11bでその流れ(シリンダー内における外周部と内部の流れ)が均一化されて金型Dに送られる。
2−1.機構
縦型の押出成形装置では成形体pは下方に伸長するので、横型の押出成形装置のように伸長した成形体pが自重で変形(湾曲等)することはなく、当該変形に伴う内部歪みを生じることもない。しかし、縦型の押出成形装置の場合は、伸長した成形体pに自重による下方への引っ張り力がかかり、そのために垂直方向への内部歪みを生じる。したがって、成形体pの下端を受け皿等の成形体保持手段で支承し、成形体が伸長するのに同調して保持装置を下降させて自重による歪みを防止し、成形体pが所定長さに伸長したとき成形金型Dの直ぐ下方位置で切断して所定高さの成形品p1(例えば、上記DPFやDOP(ディーゼル用酸化触媒)等の、例えば直径300mmの大型ハニカム構造体)を切り取ってこれを安全に収容する必要がある。受取等付属装置4はこのためのものである。
受取等付属装置4は前後左右4本の支柱4pに昇降自在に支持されたセッターテーブル10を有しており、当該セッターテーブル10の支持フレームに切断機4aが取り付けられている。
セッターテーブル10にセッター(受け皿等)10aが装着され、この状態でセッターテーブル10及び切断装置4aが上昇し(図2(a))、伸長する成形体pの下端をセッター10aで支承する。
上記セッターテーブル10が供給コンベアC1まで降下したとき(図2(c))、成形品p1を載せたセッター10aが受取りコンベアC2に送り出されて新たなセッター10aに入れ替えられる。
上記セッターテーブル10は負荷センサーsを備えていて当該負荷センサーでセッター10a上の成形体pによる負荷(重さ)を検知し、その負荷の大きさに応じた負荷信号を制御装置に送信する。そして、制御装置は負荷信号によってセッターテーブル10の下降及び下降速度を制御する。
また上記切断装置4aは従来周知のものであって、種々の機構のものが知られている(このことは例示するまでもなく従来周知慣用のことであり、当業者の常識であるが、必要なら一例として上記周知例を参照されたい)。そして、この切断装置4aの詳細は本発明の要旨外のことであるから、その詳細についての説明は省略し、その概要を説明する。
切断装置4aはワイヤーカッターcによってセラミック成形体pを水平方向に繰り返し切断して切り出すものであり、ワイヤーをリールに巻き取ってこれを長手方向に走らせるワイヤ駆動装置を有し、当該ワイヤー及び駆動装置を水平方向に往復動させる往復駆動機構を備えている。ワイヤを長手方向に走らせながら水平面内で移動させることによって当該ワイヤーで成形体pが水平に切断され、所定高さの成形品p1が切り出される(図2(b))。
なお、このワイヤーカッターcによる切断装置4aは従来周知のものであるから、その詳細の説明は省略する。必要なら上記特許文献1,2、上記周知文献等を参照されたい。
コンベアは、セッター10aをセッターテーブル10に供給する供給コンベアC1と、セッター10aとともに成形品p1を受取る受取コンベアC2によるものであって、一般的なベルトコンベア及びローラーコンベアによるものである。そしてこれらは、受取等付属装置4の昇降動作に連動してその動作が制御される。
金型Dによる押出成形が連続的になされている状態で、セッター10aを装着したセッターデーブル10が所定位置まで上昇し、セッター10aによって成形体pの下端を支承する。そして、成形体pによるセッター10aにかかる負荷が所定以上になると、これがセッターテーブル10の負荷センサーsによって検知され、その検知信号によって昇降装置が作動し、セッターテーブル10が降下する。このときの降下速度は負荷センサーsによる上記負荷信号(負荷センサーの押し込み量と同じ)の大きさに応じて制御され、上記負荷が一定に維持されるようにセッターテーブル10の降下が制御される。これによって、自重による歪みが成形体pに生じることは防止される。
そして、成形体pが伸長するに伴ってセッターテーブル10が所定の位置まで降下するとこれが適宜の位置センサーによって検知され、その検知信号によって切断装置4aが作動して所定高さで切断する(図2(b))。そして、成形品p1が切り取られると、セッターテーブル10が所定位置まで速やかに降下される
以上の動作が繰り返されるので、セラミック成形体pの成形及び成形品p1の切り取りは無停止で連続的になされる。
以上がこの発明の実施例の全体である。次いで、この発明の特徴について説明する。
本発明の特徴は、縦型の押出成型機(単に「縦型押出成型機」ともいう)におけるスクリュー(縦型スクリュー)11aの構造である。そしてそのスクリュー11aの構造は図3に示すとおりであり、軸心対称の2条のネジ山11arによるもの(2条ネジ)であり、その外径が250mm、ネジ山の高さHが50mm、ネジ山の厚さが22mm、ネジ山のピッチが120mmである。そしてまた、スクリュー11aの有効長Lは310mmであり、ピッチ数は1.75である。
スクリュー11aは反時計方向に回転し、この回転によりネジ山11arで下方に押されてセラミック坏土がネジ溝11ag内を螺旋状に下方に流れる(この流れが主流f1,f2である。図3参照)。このとき、欠損部11gは水平方向に回転するので、ネジ山11arの下側のネジ溝11agの流れf2の一部が欠損部11gに流入して上方のネジ溝11agへ分流される。この分流f3が上側の主流f1への流れとなり当該主流f1に合流して混合される。
例えば、直径290mm、壁厚0.16mmの上記PDFのハニカム構造体を押出成形する場合、このスクリュー11aによれば、押出成型機11のシリンダー11cの入口側圧(混練供給機21による供給圧力と同じ)が58kg/cm2で、出口側圧(押出圧)が53kg/cm2のとき、回転数1rpmで、例えば、硬さ12(日本硝子(株)の硬度計による)のセラミックを毎分50mmの速さで押し出すことができる。そして、金型Dから押出された成形体pの硬さのバラツキ及び密度のバラツキは、欠損部11gがない従来のスクリューによる場合に比して極めて小さい。
なお、スクリュー11aは1条のネジ山でも3条のネジ山でも実施可能であるが、ネジ山の条数が多いほどネジ溝の幅が狭く、このためにセラミック坏土取り込み能力、搬送能力が低下する。したがって、3条以上であることによる格別の利点はない。
本発明は、二軸型の押出成形装置の加圧作用を奏しない押出スクリューに適用することで以上の通りの作用効果を奏するものであり最も有効であるが、加圧作用を奏するものであっても欠損部11gによる攪拌手段を設けることによって同様に攪拌作用を奏する。なぜなら、ネジ溝に取り込まれると直ぐにセラミックが緩やかに攪拌され、その後に混練、加圧されて金型に送られるからである。
また、同様の理由で、混練供給機21のスクリュー21aについても適用可能であり、有効である。
11:押出成型機
11a:スクリュー(押出スクリュー)
11ar:ネジ山
11ag:ネジ溝
11b:抵抗板
11c:シリンダー
11d:延長管
11e:抵抗管
11f:金型ケーシング
11g:欠損部
2:混練供給装置
21:混練供給機
21a:スクリュー(混練スクリュー)
21b:抵抗板
21c:フィルター
22:真空脱気装置
23:セラミック坏土調整装置
23a:ホッパー
4:受取等付属装置
4a:切断装置
4p:支柱
10:セッターテーブル
10a:セッター
c:ワイヤーカッター
C1:供給コンベア
C2:受取コンベア
D:金型(成形金型)
f1,f2:セラミック坏土の主流(ネジ溝に沿う流れ)
f3:セラミック坏土の欠損部への分流
H:ネジ山の高さ
h:欠損部の深さ
L:スクリューの有効長
p:成形体
p1:成形品
s:負荷センサー
w:欠損部の幅(螺旋方向の幅)
Claims (4)
- 縦型の押出成型機上部の供給口に混練供給機が接続されていているセラミック押出成形装置において、
上記縦型の押出成型機のスクリュー上部のネジ山(リード)に欠損部が設けられてあり、
上記欠損部の数をn、一つの欠損部の螺旋方向幅をwとするとき、w×nが20〜80mmであり、これによりスクリューのネジ溝11agを下方に流れるセラミック坏土の流れf2の一部が上記欠損部11gを通ってねじ山の上方に抜ける流れf3となり、当該流れf3が上記ネジ山の上方のネジ溝11agを流れるセラミック坏土の流れf1と合流するようになっており、
上記欠損部が複数であるとき、欠損部が上記押出成型機のスクリューの回転軸に対して反対側に配置されていることを特徴とするセラミック押出成形装置。 - 縦型の押出成型機上部の供給口に混練供給機が接続されていて、当該混練供給機のスクリューに加圧作用を分担させ、縦型の押出成型機のスクリューに加圧作用を分担させないセラミック押出成形装置において、
上記縦型の押出成型機のスクリュー上部のネジ山(リード)に欠損部が設けられてあり、
上記欠損部の数をn、一つの欠損部の螺旋方向幅をwとするとき、w×nが20〜80mmであり、これによりスクリューのネジ溝11agを下方に流れるセラミック坏土の流れf2の一部が上記欠損部11gを通ってねじ山の上方に抜ける流れf3となり、当該流れf3が上記ネジ山の上方のネジ溝11agを流れるセラミック坏土の流れf1と合流するようになっており、
上記欠損部が複数であるとき、欠損部が上記押出成型機のスクリューの回転軸に対して反対側に配置されていることを特徴とするセラミック押出成形装置。 - 上記ネジ山の高さをHとするとき、上記欠損部の深さhがh=0.5H〜1.0Hであり、
上記欠損部のネジ山の切断面がスクリューの回転軸に対して直角方向の切断面であることを特徴とする請求項1のセラミック押出成形装置。 - 上記ネジ山が上記スクリューの回転軸に対称の2条ねじであり、
上記欠損部による流路の形状が四角形であることを特徴とする請求項1のセラミック押出成形装置。
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