JP5825614B2 - 切花の保存方法 - Google Patents
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Description
切花は、蕾が形成された出蕾期であって、特にその破蕾期(花弁の一部が見える時期)の午前中の気温が低い涼しい頃に収穫する。破蕾期で収穫する理由としては、その後の開花が容易且つ確実となる段階であり、また花の老化を促進するエチレンガスを発生させないためである。さらに蕾の状態は耐圧性に富み、後述する脱気による密封包装に耐えることができるからである。
ボタンは、切り取った後すぐに低温遮光下で、切花の鮮度保持剤である市販のSTS剤溶液(チオ硫酸銀溶液)に所定の時間浸す。これによりエチレンの発生を抑制することができる。また、本処理は、少なくとも花弁が展開開始するまでに終える必要がある。
密封に用いる袋(袋体)は、透光性を有し、ガス交換可能で真空度を保てる袋であるポリエチレン等のプラスチックフィルム製のものを使用し、該袋は切花より長さ10cm、幅10cm以上大きく、厚さ0.05mm以上のものが望ましい。前処理が終了した切花は、切口方向から上記袋に入れられる(収容工程)。
フィルムが密着状態になった袋入りの切花を冷蔵庫内に保存する(保管工程)。このときの保存温度は切花が凍らない範囲で低くするため、−1℃〜3℃(特に1℃)程度が好ましいが、−1℃〜5℃程度であっても略同様な傾向の結果を得ることができる。
脱気、密封包装された切花の厚みは花蕾の幅であるため、一般的な冷蔵輸送可能な包装により全国各地あるいは世界各国に輸送される。脱気、密封包装により従来の縦箱出荷に比して、容積が減少するため航空便等によっても効率的に発送可能であるほか、ボタンやシャクヤク等の切花の持つ柔軟性を利用して花を内向き或いは外向きに収束させたまま筒状容器等に入れて輸送することもできる。また従来の縦箱湿式方式に比して、本発明の方式は乾式状態で減圧密封されており、開花が進むことなく、市場出荷時の状態を維持することができる。
問屋、小売店等を介して消費者(購入者)の手元に届けられた減圧密封包装された切花は、切花の切口の方から開封し、ゆっくりと切花を取出す。その後、取出した切花を水切りし、例えば「美咲」(大塚アグリテクノ株式会社製)の50倍溶液等の切花栄養剤を活水として花を活ける。また開封後(出庫後)にSTS剤入りの鮮度保持剤で処理することによって、花弁の成長を促進させ、開花後の花弁落下を遅延させることができる。
図2乃至4に示すように、ボタン切花「連鶴」について本発明による冷蔵保存の実験を行った。図2は、ボタン切花「連鶴」を3週間・6週間・9週間保存した際における評価を示した表図であり、図3(A)は、6週間冷蔵保存したボタン切花の開封2日目を示した写真であり、図3(B)は、同ボタン切花の開封5日目を示した写真であり、図4(A)は、9週間冷蔵保存したボタン切花の開封1日目を示した写真であり、図4(B)は、同ボタン切花の開封6日目を示した写真である。
図5乃至7に示すように、シャクヤクの切花について本発明による冷蔵保存の実験を行った。図5は、シャクヤク切花「春の粧」,「ラテンドール」,「滝の粧」を4週間・8週間・12週間保存した際における葉腐敗度を保存方法毎に比較して示した表である。図6は、シャクヤク切花の開花率、花径、日持ち日数を保存方法で比較した表である。図7(A)は、8週間保存したシャクヤク「春の粧」の切花の開封10日目を示した写真、図7(B)は、4週間保存したシャクヤク「ラテンドール」の切花の開封1日目を示した写真、図7(C)は、12週間保存したシャクヤク「滝の粧」の開封9日目を示した写真をそれぞれ示す。
図8に示すように、キクの切花について本発明による冷蔵保存実験を行った。図8は、連続又は間欠的に光を照射して9週間保存したキク切花の開封1日目の状態を示した写真である。
図9乃至図12に示すように、ボタン切花「連鶴」について本発明による冷蔵保存の実験を行った。実験の各種条件は上記ボタンの冷蔵保存の実験と同様であり、上記実験と異なる点について、以下説明する。
図13乃至16に示すように、シャクヤクについて本発明による冷蔵保存の実験を行った。実験の各種条件は上記シャクヤクの冷蔵保存実験と同様であり、上記実験と異なる点について、以下説明する。
図17及び図18に示すように、キクについて本発明による冷蔵保存の実験を行った。以下、上記のキクの実験結果と異なる点について説明する。図17は、キクの長期保存における評価を示した表図であり、図18(A)は、9週間冷蔵保存したキクの開封4日目を示した写真であり、図18(B)は、同キクの開封14日目を示した写真である。
図19乃至図21に示すように、秋色アジサイの切花について本発明による冷蔵保存の実験を行った。図19は、秋色アジサイ(切花)を4週間・8週間保存した際における評価を示した表図であり、図20(A)は、4週間冷蔵保存したアジサイの開封1日目を示した写真であり、図20(B)は、同アジサイの開封5日目を示した写真であり、図21(A)は、8週間冷蔵保存したアジサイの開封1日目を示した写真であり、図21(B)は、同アジサイの開封3日目を示した写真である。
図22乃至図25に示すように、カーネーション切花「ミューズ」について本発明による冷蔵保存の実験を行った。図22は、カーネーション切花「ミューズ」を4週間・8週間・12週間保存した際における評価を示した表図であり、図23(A)は、4週間冷蔵保存したカーネーションの開封1日目を示した写真であり、図23(B)は、同カーネーションの開封8日目を示した写真であり、図24(A)は、8週間冷蔵保存したカーネーションの開封1日目を示した写真であり、図24(B)は、同カーネーションの開封5日目を示した写真であり、図25(A)は、12週間冷蔵保存したカーネーションの開封1日目を示した写真であり、図25(B)は、同カーネーションの開封2日目を示した写真である。
Claims (9)
- 出蕾期で満開前の切花を、フレキシブルで透光性を有する変形可能な袋体内に収容する収容工程と、収容した切花の表面と袋体とが密着状態となるよう且つ切花の姿勢を押圧固定する程度に袋体内部を脱気して密封する密閉工程と、切花が収容されて密閉された袋体を低温下の室内で保管する保管工程とを有し、前記保管工程時に袋体に光を照射することにより、切花の乾燥と腐敗を抑制する切花の保存方法。
- 前記保管工程時に連続的に袋体に光を照射する請求項1に記載の切花の保存方法。
- 前記保管工程時に間欠的に袋体に光を照射することにより、1日あたり24時間よりも短い時間光を照射する請求項1に記載の切花の保存方法。
- 袋体に照射する光として、蛍光灯又は赤光を用いた請求項1乃至3の何れかに記載の切花の保存方法。
- 前記保管工程時に−1〜3℃の室内で、切花が収容された袋体を保管する請求項1乃至4の何れかに記載の切花の保存方法。
- 前記保管工程時に0〜2℃の室内で、切花が収容された袋体を保管する請求項1乃至5の何れかに記載の切花の保存方法。
- 前記収容工程の前に切花を鮮度保持剤で処理する前処理工程を含む請求項1乃至6の何れかに記載の切花の保存方法。
- 前記切花が、ボタン、シャクヤク又はキクである請求項1乃至7の何れかに記載の切花の保存方法。
- 前記切花が、カーネーション又はアジサイである請求項1乃至7の何れかに記載の切花の保存方法。
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