JP2014150792A - 植物の鮮度保持方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 操作が容易で、植物の鮮度を長期間維持することの出来る方法を提供する。
【解決手段】 野菜、果物、あるいは花卉を採取し、茎の切断面に蝋などを塗り、ポリ袋あるいは発泡スチロール箱、もしくは内部がコーティングされた段ボール箱に入れ、活性炭などの多孔質素材に担持させたパラジウムおよび銅からなる触媒を入れ、さらに二酸化炭素を封入することを特徴とする植物の鮮度保持方法。
【選択図】図1
【解決手段】 野菜、果物、あるいは花卉を採取し、茎の切断面に蝋などを塗り、ポリ袋あるいは発泡スチロール箱、もしくは内部がコーティングされた段ボール箱に入れ、活性炭などの多孔質素材に担持させたパラジウムおよび銅からなる触媒を入れ、さらに二酸化炭素を封入することを特徴とする植物の鮮度保持方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、植物の鮮度を保持する方法に関する。
青果物や花卉は栽培された後、収果され出荷される。旬の時期には農家から出荷された野菜や果物は、当日あるいは遅くとも翌日店頭に並び、消費者に届く。従って、地産地消の場合には鮮度は大筋で保証されていた。
しかしながら、温室栽培が一般化され、季節にあまり依存しない農法が確立して以来、全国の農家はその土地の特性を活かし、一年を通じて生産するため、流通は全国規模となっている。
このため、植物の鮮度維持の方法は大きな課題となっている。特に多く行なわれているのは低温での保存、輸送であり、植物の代謝を低温にして抑えることでそれなりの成果を上げている。具体例としてはブロッコリーなどがある。砕氷を入れた箱にブロッコリーを詰め、出荷する方法であり、現在では広く用いられている方法である。一定時間の保存には有効であるが、氷冷詰めの作業は、人手が多く必要であること、大型製氷機が必要であること、重量があり作業員の負担が大きいこと、輸送コストが高いことなどが発送側の負担であり、一方、受け取った側では、氷の詰め替え作業の手間とコストは大きい。
しかしながら、温室栽培が一般化され、季節にあまり依存しない農法が確立して以来、全国の農家はその土地の特性を活かし、一年を通じて生産するため、流通は全国規模となっている。
このため、植物の鮮度維持の方法は大きな課題となっている。特に多く行なわれているのは低温での保存、輸送であり、植物の代謝を低温にして抑えることでそれなりの成果を上げている。具体例としてはブロッコリーなどがある。砕氷を入れた箱にブロッコリーを詰め、出荷する方法であり、現在では広く用いられている方法である。一定時間の保存には有効であるが、氷冷詰めの作業は、人手が多く必要であること、大型製氷機が必要であること、重量があり作業員の負担が大きいこと、輸送コストが高いことなどが発送側の負担であり、一方、受け取った側では、氷の詰め替え作業の手間とコストは大きい。
植物では動物と異なり、その部位により老化の程度が異なっている。古い葉の光合成能力は新しい葉と比べ劣っており、古い順に枯れ落ちて行く。果実では成熟に伴い、果皮のクロロフィル分解、アントシアニン、カロテノイドの生成が顕著であり、果肉硬度の低下、芳香の生成、でんぷん分解と糖度の上昇、糖の多様化、酸含量の低下などの変化が表われる。
老化・果実成熟は呼吸量を指標として、呼吸量が増加するクライマクテリック型と、増加しないノンクライマクテリック型とに大別される。前者にはバナナ、トマト、リンゴ、モモ、ブロッコリーなどがあり、後者にはイチゴ、柑橘類、ブドウなどがある。従来、クライマクテリック型の植物では成熟に伴いエチレンガスが産出され、これによりさらに加速されていく。植物の細胞から放出されるエチレンガスは、隣接する植物にも影響を与えるため、果物や野菜の中に盛んにエチレンを発生するものがあると(傷んだ植物から発生する)、他の植物にも多大な影響を与え、追熟が進む。
老化・果実成熟は呼吸量を指標として、呼吸量が増加するクライマクテリック型と、増加しないノンクライマクテリック型とに大別される。前者にはバナナ、トマト、リンゴ、モモ、ブロッコリーなどがあり、後者にはイチゴ、柑橘類、ブドウなどがある。従来、クライマクテリック型の植物では成熟に伴いエチレンガスが産出され、これによりさらに加速されていく。植物の細胞から放出されるエチレンガスは、隣接する植物にも影響を与えるため、果物や野菜の中に盛んにエチレンを発生するものがあると(傷んだ植物から発生する)、他の植物にも多大な影響を与え、追熟が進む。
植物の鮮度を保持するには、エチレンガスを除去することが肝要であり、この思想に基づくエチレンガス吸着剤などは市販されいる。しかし、吸着剤は吸着の限度があり、大量に使うか、短時間の保存にのみ有効である。
一方、植物の代謝を阻害し、エチレンガスの発生を抑える方法として二酸化炭素ガスを用いる方法もある。濃度は植物の種類や使用例によって様々だが、一般に5〜20%の範囲で試みられている。しかし、一般的に広く行なわれている方法ではない。1−MCP(メチルシクロプロペン)はエチレンの生成を抑制する物質であり、近年その利用が期待されているが、その効果はエチレン生成量が多いと低下する。収穫適期にエチレン生成量が多くなるリンゴの品種もあり、使用には特別の注意が必要である。
一方、植物の代謝を阻害し、エチレンガスの発生を抑える方法として二酸化炭素ガスを用いる方法もある。濃度は植物の種類や使用例によって様々だが、一般に5〜20%の範囲で試みられている。しかし、一般的に広く行なわれている方法ではない。1−MCP(メチルシクロプロペン)はエチレンの生成を抑制する物質であり、近年その利用が期待されているが、その効果はエチレン生成量が多いと低下する。収穫適期にエチレン生成量が多くなるリンゴの品種もあり、使用には特別の注意が必要である。
本発明の目的は、一般の植物の鮮度を保持する、簡便で、安価で、かつ操作性に優れた技術を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、エチレン除去にパラジウム系触媒を使用することで、上記の問題を解決できるとの知見を得た。
本発明は、この知見に基づいて、
1.野菜、果物、あるいは花卉の収穫時に、茎の切断面に対し、切断後数時間内に、好ましくは切断と同時に、蝋もしくは蝋成分油脂を塗り、水分の乾燥を防ぐことを特徴とする、植物の鮮度保持方法、
2.野菜、果物、あるいは花卉の保存に、蝋で処理した後、氷水で冷却し、気密性の高いポリ袋または発泡スチロール製の箱に入れ、パラジウム系触媒を入れ、次いで5%から30%の二酸化炭素を封入し、2〜7℃で保存することを特徴とする、1に記載の植物の鮮度保持方法、
3.蝋が高級脂肪酸と一価または二価の高級アルコールとのエステルであること、好ましくは蜜蝋であることを特徴とする、1および2に記載の植物の鮮度保持方法、
4.パラジウム系触媒が、パラジウムと銅から成り、その構成重量比がパラジウムで40〜60%であり、活性炭など多孔質素材に担持したものであることを特徴とする、1〜3のそれぞれに記載の植物の鮮度保持方法、
を提供する。
本発明は、この知見に基づいて、
1.野菜、果物、あるいは花卉の収穫時に、茎の切断面に対し、切断後数時間内に、好ましくは切断と同時に、蝋もしくは蝋成分油脂を塗り、水分の乾燥を防ぐことを特徴とする、植物の鮮度保持方法、
2.野菜、果物、あるいは花卉の保存に、蝋で処理した後、氷水で冷却し、気密性の高いポリ袋または発泡スチロール製の箱に入れ、パラジウム系触媒を入れ、次いで5%から30%の二酸化炭素を封入し、2〜7℃で保存することを特徴とする、1に記載の植物の鮮度保持方法、
3.蝋が高級脂肪酸と一価または二価の高級アルコールとのエステルであること、好ましくは蜜蝋であることを特徴とする、1および2に記載の植物の鮮度保持方法、
4.パラジウム系触媒が、パラジウムと銅から成り、その構成重量比がパラジウムで40〜60%であり、活性炭など多孔質素材に担持したものであることを特徴とする、1〜3のそれぞれに記載の植物の鮮度保持方法、
を提供する。
本発明者は、パラジウム系触媒が、一酸化炭素、NOx、その他悪臭成分の除去に優れており、潰瘍性大腸炎の疾患の特徴である大量のNO発生に対し、除去する医学的用途を見いだしていた(特許文献1)。本発明者は、同触媒がエチレンガスにも分解触媒能力があると仮定し、それを検証する目的で以下の実験を行なった。
特願2012−118018
(実験1)触媒によるエチレンガスの分解
エチレン発生源にはリンゴ(約300g)を用い、1.67Lのガラス製デシケーターに入れた。デシケーター中のガス濃度を一定にするため、内部にファンを取り付け、常時撹拌した。18時間後、ガス検知管により、デシケーター内に発生するエチレン量を測定し、触媒の有無で比較した。触媒は特許文献1に記載の方法で調製し、活性炭に担持した。パラジウムおよび銅の重量比をそれぞれ20%および14%とした。触媒は重量で10gを封入した。
結果は次の通りである。リンゴから発生するエチレンは時間と共に増加し、18時間後には約5ppmになった。一方、触媒を入れた場合にはエチレンはガス検知管では検出出来ない濃度であった。つまり、触媒は常時発生しているエチレン濃度上昇を抑制していることが判明した。従って、本触媒を植物の鮮度保持に用いることが可能であることが検証された。
エチレン発生源にはリンゴ(約300g)を用い、1.67Lのガラス製デシケーターに入れた。デシケーター中のガス濃度を一定にするため、内部にファンを取り付け、常時撹拌した。18時間後、ガス検知管により、デシケーター内に発生するエチレン量を測定し、触媒の有無で比較した。触媒は特許文献1に記載の方法で調製し、活性炭に担持した。パラジウムおよび銅の重量比をそれぞれ20%および14%とした。触媒は重量で10gを封入した。
結果は次の通りである。リンゴから発生するエチレンは時間と共に増加し、18時間後には約5ppmになった。一方、触媒を入れた場合にはエチレンはガス検知管では検出出来ない濃度であった。つまり、触媒は常時発生しているエチレン濃度上昇を抑制していることが判明した。従って、本触媒を植物の鮮度保持に用いることが可能であることが検証された。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づく、他の例又は変形は、当然本発明に包含されるものである。
本発明は植物の鮮度を保持するために、4つの条件を満たすことで達成される。すなわち、1)保存温度、2)切り口の保護、3)触媒の封入、4)二酸化炭素の充填、である。しかしながら、実際に適用するに当たっては、植物の特性を考慮しながら、適用可能な条件を適宜選択する必要がある。低い保存温度と二酸化炭素の充填は、代謝を低下させるための方策であるので、全ての事例に用いることが出来る。切り口を保護して乾燥を防ぐ技法は、切り口が水分蒸発に大きく寄与する場合(切り口が大きいもの)には必須であるが、リンゴ、ナシ、サクランボなどの果実(切り口が小さく、採果時にはほとんど乾燥している)では、ほとんど水分蒸発に寄与していないと考えられ、この技法の適用は必要がないと考えられる。
触媒はエチレン分解のための方策であるが、エチレンがあまり発生しないノンクライマクテリック植物では必須ではないと考えられる。しかし、近年の研究ではノンクライマクテリック植物においてもエチレンが寄与する場合があることが判明している。従って、触媒はどの植物においても使用する方が良いと思われる。
次に適用した植物についての例を記述する。
本発明は植物の鮮度を保持するために、4つの条件を満たすことで達成される。すなわち、1)保存温度、2)切り口の保護、3)触媒の封入、4)二酸化炭素の充填、である。しかしながら、実際に適用するに当たっては、植物の特性を考慮しながら、適用可能な条件を適宜選択する必要がある。低い保存温度と二酸化炭素の充填は、代謝を低下させるための方策であるので、全ての事例に用いることが出来る。切り口を保護して乾燥を防ぐ技法は、切り口が水分蒸発に大きく寄与する場合(切り口が大きいもの)には必須であるが、リンゴ、ナシ、サクランボなどの果実(切り口が小さく、採果時にはほとんど乾燥している)では、ほとんど水分蒸発に寄与していないと考えられ、この技法の適用は必要がないと考えられる。
触媒はエチレン分解のための方策であるが、エチレンがあまり発生しないノンクライマクテリック植物では必須ではないと考えられる。しかし、近年の研究ではノンクライマクテリック植物においてもエチレンが寄与する場合があることが判明している。従って、触媒はどの植物においても使用する方が良いと思われる。
次に適用した植物についての例を記述する。
[イチゴ]
イチゴはノンクライマクテリック型の果実であるので、エチレン発生はないと考えられる。従って、低温保存、切り口の保護、二酸化炭素の封入について比較実験を行なった。イチゴはイチゴ栽培専用農家の栽培しているものを使用した。十分に成熟したイチゴ果実(約10g)を収穫し、すぐに切り口(果柄)に蝋を塗った。蝋はステアリン酸を容器に入れ、ホットプレートで溶かし、50℃に保温した。これにイチゴの果柄を浸けるか、もしくは筆で塗った。次いで、イチゴをポリ袋に入れ、手動ポンプで空気を封入、もしくは空気を封入した後、ボンベから二酸化炭素を封入し(約7%)、熱シールして密閉した。イチゴは冷蔵庫(4℃)にて3日間保存した。保存後は袋から取り出し、それぞれを乳鉢で潰し、抽出した溶液について、pH、酸度、ビタミンC、中性糖、タンパク質を測定した。また、抽出液1mLにアセトン10mLを加え、アセトンに一晩抽出した液の吸光度を測定し、クロロフィル量およびアントシアニン量を測定した。結果は表1に示している。
イチゴは保存すると甘くなり、同時に酸味が薄くなるが、結果からも、pHが無処理の対照では上がっているのに対し、処理したものでは採果時とほぼ同じであり、酸度ではよりこの差が明らかである。すなわち、対照では酸度が下がっているが、処理したものでは、採果時とほぼ同じであった。栄養価の指標であるビタミンCも、対照では相対値が下がっていたが、処理したものでは採果時と同じか、寧ろ高い数値を示していた。
甘さのより直接的な指標である中性糖(ブドウ糖など)を見ると、対照では採果時と比べ大きく増加していたが、処理したものでは採果時とほぼ同じであった。
タンパク質量の変化は少なかったが、クロロフィル量を比較すると、対照は、クロロフィルaおよびbとも低下していたが、処理したものでは採果時とほぼ同じであった。アントシアニンでも同様であった。
従って、イチゴの保存実験では、蝋による水分保護、二酸化炭素の充填、および低温保存を行なうことにより、ほぼ採果時と同様の鮮度を保つことが実証された。
イチゴはノンクライマクテリック型の果実であるので、エチレン発生はないと考えられる。従って、低温保存、切り口の保護、二酸化炭素の封入について比較実験を行なった。イチゴはイチゴ栽培専用農家の栽培しているものを使用した。十分に成熟したイチゴ果実(約10g)を収穫し、すぐに切り口(果柄)に蝋を塗った。蝋はステアリン酸を容器に入れ、ホットプレートで溶かし、50℃に保温した。これにイチゴの果柄を浸けるか、もしくは筆で塗った。次いで、イチゴをポリ袋に入れ、手動ポンプで空気を封入、もしくは空気を封入した後、ボンベから二酸化炭素を封入し(約7%)、熱シールして密閉した。イチゴは冷蔵庫(4℃)にて3日間保存した。保存後は袋から取り出し、それぞれを乳鉢で潰し、抽出した溶液について、pH、酸度、ビタミンC、中性糖、タンパク質を測定した。また、抽出液1mLにアセトン10mLを加え、アセトンに一晩抽出した液の吸光度を測定し、クロロフィル量およびアントシアニン量を測定した。結果は表1に示している。
イチゴは保存すると甘くなり、同時に酸味が薄くなるが、結果からも、pHが無処理の対照では上がっているのに対し、処理したものでは採果時とほぼ同じであり、酸度ではよりこの差が明らかである。すなわち、対照では酸度が下がっているが、処理したものでは、採果時とほぼ同じであった。栄養価の指標であるビタミンCも、対照では相対値が下がっていたが、処理したものでは採果時と同じか、寧ろ高い数値を示していた。
甘さのより直接的な指標である中性糖(ブドウ糖など)を見ると、対照では採果時と比べ大きく増加していたが、処理したものでは採果時とほぼ同じであった。
タンパク質量の変化は少なかったが、クロロフィル量を比較すると、対照は、クロロフィルaおよびbとも低下していたが、処理したものでは採果時とほぼ同じであった。アントシアニンでも同様であった。
従って、イチゴの保存実験では、蝋による水分保護、二酸化炭素の充填、および低温保存を行なうことにより、ほぼ採果時と同様の鮮度を保つことが実証された。
[トウモロコシの保存]
トウモロコシは朝6時頃に収穫したものを用い、朝8時に保存を開始した。トウモロコシはノンクライマクテリック型であるので、低温保存、切り口の保護、二酸化炭素の封入について検討を行なった。収穫したトウモロコシは、実を被っている葉を残したまま、ポリ袋に入れ、室温(24℃)あるいは冷蔵(4℃)で5日間保存した。鮮度は葉のクロロフィル量、実のpH、実の中性糖、実のタンパク質量、および実のビタミンCの定量を行ない比較した。また、実際にトウモロコシを茹でて、その日の朝収穫したものと食味比較を行なった。結果は表2に示してある。
トウモロコシを包む葉は、何もしない状態で5日間保存すると褐色になっていた。葉の緑色の程度はクロロフィルの量で評価出来る。従って、一定の大きさの葉(パンチで径5mmに打ち抜いたもの)からクロロフィルを抽出して定量した。クロロフィルは、無処理の対照では全く検出されなかったが、処理を行なったものでは、採果時と変わらなかった。
実の中性糖は、乾燥状態と関わっていることが判った。何もしない対照が最も糖度が高く、これは保存中の乾燥により、水分が抜けて糖が濃縮されて糖度が高く出ていると考えられる。タンパク質量も対照では大きく低下していたが、処理したものでは採果時とほとんど変化が見られなかった。pHは様々な変化の総合的な結果であると思われるが、無処理対照では低下の傾向が見られた。食味では明らかに対照の食感が悪く、ボサボサした感じがあり、かつ臭いがあったが、処理したものでは当日採果したものと区別がつかなった。従って、蝋による切り口の保護と、炭酸ガス処理を行なうことで鮮度が保持されたことが判った。
さらに室温で3日間同様の保存実験を行なったが、無処理対照のクロロフィルは40%程度に低下していたが、処理したものでは冷蔵保存と同様の保存が出来た。当技術の有効性が実証された。
トウモロコシは朝6時頃に収穫したものを用い、朝8時に保存を開始した。トウモロコシはノンクライマクテリック型であるので、低温保存、切り口の保護、二酸化炭素の封入について検討を行なった。収穫したトウモロコシは、実を被っている葉を残したまま、ポリ袋に入れ、室温(24℃)あるいは冷蔵(4℃)で5日間保存した。鮮度は葉のクロロフィル量、実のpH、実の中性糖、実のタンパク質量、および実のビタミンCの定量を行ない比較した。また、実際にトウモロコシを茹でて、その日の朝収穫したものと食味比較を行なった。結果は表2に示してある。
トウモロコシを包む葉は、何もしない状態で5日間保存すると褐色になっていた。葉の緑色の程度はクロロフィルの量で評価出来る。従って、一定の大きさの葉(パンチで径5mmに打ち抜いたもの)からクロロフィルを抽出して定量した。クロロフィルは、無処理の対照では全く検出されなかったが、処理を行なったものでは、採果時と変わらなかった。
実の中性糖は、乾燥状態と関わっていることが判った。何もしない対照が最も糖度が高く、これは保存中の乾燥により、水分が抜けて糖が濃縮されて糖度が高く出ていると考えられる。タンパク質量も対照では大きく低下していたが、処理したものでは採果時とほとんど変化が見られなかった。pHは様々な変化の総合的な結果であると思われるが、無処理対照では低下の傾向が見られた。食味では明らかに対照の食感が悪く、ボサボサした感じがあり、かつ臭いがあったが、処理したものでは当日採果したものと区別がつかなった。従って、蝋による切り口の保護と、炭酸ガス処理を行なうことで鮮度が保持されたことが判った。
さらに室温で3日間同様の保存実験を行なったが、無処理対照のクロロフィルは40%程度に低下していたが、処理したものでは冷蔵保存と同様の保存が出来た。当技術の有効性が実証された。
[ブロッコリーの保存]
ブロッコリーは野菜のうちで特に呼吸が活発であり、収穫後の追熟も激しく、花蕾の黄化が始まる。追熟は、エチレンにより引き起こされるが、ブロッコリーは、クライマクテリック型であり、特にエチレンの生成量が比較的多く、かつエチレンに対する感受性が非常に高いことから、他の農産物と比較しても追熟が早いといわれている。
このブロッコリーの黄化を抑制する方法として、従来では、断熱効果のある発泡スチロール等を包材として使用し、これに氷詰めして低温を保ち、追熟を遅れさせることにより黄化を防止したり、エチレン除去剤等を使用して生成するエチレンを除去し、追熟を遅れさせることにより黄化を防止する等の方法がとられてきた。
しかし、氷詰めの場合、その分の包装重量が増加するばかりか、輸送中に氷解水がブロッコリーにかかるため、商品価値を落すという問題点も指摘されている。さらに、氷詰め作業の煩雑さも指摘されている。
エチレン除去剤を用いた場合、その成分が、臭素酸カリウム、過マンガン酸カリ等、食用に適さない化学物質であるため、これらの化学物質をブロッコリーに直接接触した場合の人体への有害性が問題となっている。一部アルコールガスを用いて鮮度保持技術も提案されているが、アルコールガスは取扱いが煩雑であるとともに、アルコールに感受性の高い人には不適切な方法である。
そこで、冷蔵、切り口の保護、二酸化炭素の封入、および触媒を併用して、鮮度保持実験を行なった。
ブロッコリーは当日の朝収穫し、氷冷保存されているものを農家から直接入手し、実験を行なった。ブロッコリーは2個ずつ発泡スチロールの箱に入れ、それぞれペーパータオルで巻いた。発泡スチロール箱はテープでしっかりと蓋を留め、二カ所に穴を開けて二酸化炭素を封入した。封入の穴はテープで留めた。箱のまま冷蔵庫に入れ、2〜3週間保存を行なった。
14日経過後、それぞれ開封して外観を記録し、縦半分に切断後、半分の重量の半量の純水を入れて粉砕し、ペースト状にした。直ちにpH、中性糖、タンパク質濃度、クロロフィル量を測定した。また、残り半分は区別が付くように印を付け、茹でて食味比較を行なった。結果は表3に示してある。
pHは、処理したものでは採果時とほぼ同じ状態を保持していたが、対照では上昇していた。中性糖でも、処理したものでは採果時の状態を保持していたが、無処理対照では上昇していた。採果した後、熟化が進んで糖度が上がることを、処理により防止出来ることを示している。タンパク質においては、対照では極めて増加していたが、処理したものでは採果時とほぼ同じ濃度を保っていた。
緑色の指標となるクロロフィルについても、対照では濃度が低下する傾向があったが、処理したものではほぼ採果時の状態を保っていた。また、ブロッコリーに特徴的な花蕾は、対照では開花し、黄色に色づいていたのに対し、処理したものでは採果当時のまま蕾の状態を維持し、緑色を保持していた。食味でも、対照では臭いがあり、強い繊維質の食感があったが、処理したものでは臭いは無く、味も採果時と区別が出来なかった。
以上の実験結果から、本技術がブロッコリーにおいても有効に作用することが実証された。
ブロッコリーは野菜のうちで特に呼吸が活発であり、収穫後の追熟も激しく、花蕾の黄化が始まる。追熟は、エチレンにより引き起こされるが、ブロッコリーは、クライマクテリック型であり、特にエチレンの生成量が比較的多く、かつエチレンに対する感受性が非常に高いことから、他の農産物と比較しても追熟が早いといわれている。
このブロッコリーの黄化を抑制する方法として、従来では、断熱効果のある発泡スチロール等を包材として使用し、これに氷詰めして低温を保ち、追熟を遅れさせることにより黄化を防止したり、エチレン除去剤等を使用して生成するエチレンを除去し、追熟を遅れさせることにより黄化を防止する等の方法がとられてきた。
しかし、氷詰めの場合、その分の包装重量が増加するばかりか、輸送中に氷解水がブロッコリーにかかるため、商品価値を落すという問題点も指摘されている。さらに、氷詰め作業の煩雑さも指摘されている。
エチレン除去剤を用いた場合、その成分が、臭素酸カリウム、過マンガン酸カリ等、食用に適さない化学物質であるため、これらの化学物質をブロッコリーに直接接触した場合の人体への有害性が問題となっている。一部アルコールガスを用いて鮮度保持技術も提案されているが、アルコールガスは取扱いが煩雑であるとともに、アルコールに感受性の高い人には不適切な方法である。
そこで、冷蔵、切り口の保護、二酸化炭素の封入、および触媒を併用して、鮮度保持実験を行なった。
ブロッコリーは当日の朝収穫し、氷冷保存されているものを農家から直接入手し、実験を行なった。ブロッコリーは2個ずつ発泡スチロールの箱に入れ、それぞれペーパータオルで巻いた。発泡スチロール箱はテープでしっかりと蓋を留め、二カ所に穴を開けて二酸化炭素を封入した。封入の穴はテープで留めた。箱のまま冷蔵庫に入れ、2〜3週間保存を行なった。
14日経過後、それぞれ開封して外観を記録し、縦半分に切断後、半分の重量の半量の純水を入れて粉砕し、ペースト状にした。直ちにpH、中性糖、タンパク質濃度、クロロフィル量を測定した。また、残り半分は区別が付くように印を付け、茹でて食味比較を行なった。結果は表3に示してある。
pHは、処理したものでは採果時とほぼ同じ状態を保持していたが、対照では上昇していた。中性糖でも、処理したものでは採果時の状態を保持していたが、無処理対照では上昇していた。採果した後、熟化が進んで糖度が上がることを、処理により防止出来ることを示している。タンパク質においては、対照では極めて増加していたが、処理したものでは採果時とほぼ同じ濃度を保っていた。
緑色の指標となるクロロフィルについても、対照では濃度が低下する傾向があったが、処理したものではほぼ採果時の状態を保っていた。また、ブロッコリーに特徴的な花蕾は、対照では開花し、黄色に色づいていたのに対し、処理したものでは採果当時のまま蕾の状態を維持し、緑色を保持していた。食味でも、対照では臭いがあり、強い繊維質の食感があったが、処理したものでは臭いは無く、味も採果時と区別が出来なかった。
以上の実験結果から、本技術がブロッコリーにおいても有効に作用することが実証された。
[リンゴの保存]
リンゴは代表的なクライマクテリック型であり、またエチレン発生が最も多い果実である。従来は低温で保存して来た。比較的果実の鮮度が長く保たれるが、リンゴの需要は大きいため、一度収穫したリンゴは翌年の収穫までの長期間保存が余儀なくされている。
触媒を用いてエチレン除去がリンゴ鮮度に影響するかどうかを検証した。リンゴは代表的な品種であるサンフジおよび王林を用い、それぞれをポリ袋に入れ、二酸化炭素の存在下で、触媒の有無について比較を行なった。保存は室温(25℃)で行なった。冷蔵で保存すると、数ヶ月経ってもリンゴの鮮度が落ちないため、実験的な悪条件を設定したためである。
測定はリンゴをミキサーにかけ、その果汁についてpH、酸度、タンパク質、および中性糖について行なった。結果は図1に示してある。
pHはサンフジ、王林とも無処理対照では高くなっているが、処理した方は低くなっている。これは処理を行なった場合、各種有機酸がよく保存されていることを示している。このことは酸度でも同様であり、サンフジおよび王林両者とも、処理を行なった方が対照と比べ、高い数値を示している。すなわち、リンゴの酸っぱさは鮮度保持されているとよく保存されることを意味している。
甘さについては、中性糖で示されているように、サンフジおよび王林とも処理した方は低い糖量を示しているのに対し、対照では糖度が上がっている。リンゴの老化が進むに連れ、糖度が上がり甘くなることに対応している。
同様の傾向がタンパク質量にも見られた。サンフジおよび王林ともに処理した方は、対照と比べ高いタンパク質量を示し、老化が進むと減少している。この傾向はサンフジの方が高い。
以上から、リンゴは本技術により採果時の状態がよく保持されていることが実証された。
リンゴは代表的なクライマクテリック型であり、またエチレン発生が最も多い果実である。従来は低温で保存して来た。比較的果実の鮮度が長く保たれるが、リンゴの需要は大きいため、一度収穫したリンゴは翌年の収穫までの長期間保存が余儀なくされている。
触媒を用いてエチレン除去がリンゴ鮮度に影響するかどうかを検証した。リンゴは代表的な品種であるサンフジおよび王林を用い、それぞれをポリ袋に入れ、二酸化炭素の存在下で、触媒の有無について比較を行なった。保存は室温(25℃)で行なった。冷蔵で保存すると、数ヶ月経ってもリンゴの鮮度が落ちないため、実験的な悪条件を設定したためである。
測定はリンゴをミキサーにかけ、その果汁についてpH、酸度、タンパク質、および中性糖について行なった。結果は図1に示してある。
pHはサンフジ、王林とも無処理対照では高くなっているが、処理した方は低くなっている。これは処理を行なった場合、各種有機酸がよく保存されていることを示している。このことは酸度でも同様であり、サンフジおよび王林両者とも、処理を行なった方が対照と比べ、高い数値を示している。すなわち、リンゴの酸っぱさは鮮度保持されているとよく保存されることを意味している。
甘さについては、中性糖で示されているように、サンフジおよび王林とも処理した方は低い糖量を示しているのに対し、対照では糖度が上がっている。リンゴの老化が進むに連れ、糖度が上がり甘くなることに対応している。
同様の傾向がタンパク質量にも見られた。サンフジおよび王林ともに処理した方は、対照と比べ高いタンパク質量を示し、老化が進むと減少している。この傾向はサンフジの方が高い。
以上から、リンゴは本技術により採果時の状態がよく保持されていることが実証された。
[花卉の保存]
花卉に対するエチレンの影響は、開花促進、花および葉の老化促進がある。触媒を使うことで開花を抑制し、開花した花を長期間保持することが可能であるか、それぞれについて触媒の効果の検証を行なった。
開花の抑制に関しては、カーネーションの蕾に対し、触媒の有無ついて比較を行なった。カーネーションはそれぞれ水を入れた花瓶に挿し、花瓶ごとポリ袋を被せ、室温で保存し観察した。触媒を入れない対照区では3日目に全て開花したが、触媒を入れたものでは5日目に開花が始まり、7日目で全開した。すなわち、触媒が開花を抑制したことが実証された。
開花した花の鮮度保持については、小菊を用いて触媒の有無で比較を行なった。開花したての小菊を切り、切り口を蝋で塞ぎ、ポリ袋に触媒と共に入れ、二酸化炭素を充填し、30℃に設定した恒温機内で保存を行なった。高温で保存を行なったのは、花農家が夏場の出荷では、切り花が高温に曝されるため、ごく短時間しか鮮度を保持出来ないためである。これを再現するため、夏場の気温に設定して比較を行なった。対照には無処理でポリ袋に入れたものを用いた。4日後、ポリ袋から取り出して観察を行なった。どちらも花はほとんど変化が見られず、差はなかったが、無処理の対照では、葉が黄変し、枯れていた。一方、処理した方は緑が濃く、袋に入れた時とほとんど変化が見られなかった。すなわち、触媒の封入、および切り口の蝋による保護、二酸化炭素の充填により、花全体を長期に渡って保存出来ることが実証された。
ポリ袋の他、発泡スチロール箱や、内側をコーティングした段ボール箱も用いることが出来る。
花卉に対するエチレンの影響は、開花促進、花および葉の老化促進がある。触媒を使うことで開花を抑制し、開花した花を長期間保持することが可能であるか、それぞれについて触媒の効果の検証を行なった。
開花の抑制に関しては、カーネーションの蕾に対し、触媒の有無ついて比較を行なった。カーネーションはそれぞれ水を入れた花瓶に挿し、花瓶ごとポリ袋を被せ、室温で保存し観察した。触媒を入れない対照区では3日目に全て開花したが、触媒を入れたものでは5日目に開花が始まり、7日目で全開した。すなわち、触媒が開花を抑制したことが実証された。
開花した花の鮮度保持については、小菊を用いて触媒の有無で比較を行なった。開花したての小菊を切り、切り口を蝋で塞ぎ、ポリ袋に触媒と共に入れ、二酸化炭素を充填し、30℃に設定した恒温機内で保存を行なった。高温で保存を行なったのは、花農家が夏場の出荷では、切り花が高温に曝されるため、ごく短時間しか鮮度を保持出来ないためである。これを再現するため、夏場の気温に設定して比較を行なった。対照には無処理でポリ袋に入れたものを用いた。4日後、ポリ袋から取り出して観察を行なった。どちらも花はほとんど変化が見られず、差はなかったが、無処理の対照では、葉が黄変し、枯れていた。一方、処理した方は緑が濃く、袋に入れた時とほとんど変化が見られなかった。すなわち、触媒の封入、および切り口の蝋による保護、二酸化炭素の充填により、花全体を長期に渡って保存出来ることが実証された。
ポリ袋の他、発泡スチロール箱や、内側をコーティングした段ボール箱も用いることが出来る。
本発明の植物の鮮度保持方法は、採果された野菜、果物、および花卉を長時間鮮度保持することが可能である。
イチゴの成分変化例
保存後のイチゴの成分変化例を示した表である。
保存後のイチゴの成分変化例を示した表である。
トウモロコシの成分変化例
保存後のトウモロコシの成分変化例を示した表である。
保存後のトウモロコシの成分変化例を示した表である。
ブロッコリーの成分変化例
保存後のブロッコリーの成分変化例を示した表である。
保存後のブロッコリーの成分変化例を示した表である。
[表1]ビタミンCおよびアントシアニンは三者の比較を行なった相対比を示しており、+の数が多い程、より多く含まれていることを示している。
[表2]食感は採果したてのものを基準とし、+++とした。悪い食感であったものは+の数が少ないことを表わしている。
[図1]横軸はリンゴの種類と触媒の量を表わし、A:サンフジ、無処理対照、B:サンフジ、触媒5g使用、C:サンフジ、触媒10g使用、D:王林、無処理対照、E:王林、触媒5g使用、F:王林、触媒10g使用、をそれぞれ表わす。
[表2]食感は採果したてのものを基準とし、+++とした。悪い食感であったものは+の数が少ないことを表わしている。
[図1]横軸はリンゴの種類と触媒の量を表わし、A:サンフジ、無処理対照、B:サンフジ、触媒5g使用、C:サンフジ、触媒10g使用、D:王林、無処理対照、E:王林、触媒5g使用、F:王林、触媒10g使用、をそれぞれ表わす。
Claims (4)
- 野菜、果物、あるいは花卉の収穫時に、茎の切断面に対し、切断後数時間内に、好ましくは切断と同時に、蝋もしくは蝋成分油脂を塗り、水分の乾燥を防ぐことを特徴とする、植物の鮮度保持方法。
- 野菜、果物、あるいは花卉の保存に、蝋で処理した後、氷水で冷却し、気密性の高いポリ袋または発泡スチロール製の箱に入れ、パラジウム系触媒を入れ、次いで5%から30%の二酸化炭素を封入し、2〜7℃で保存することを特徴とする、請求項1に記載の植物の鮮度保持方法。
- 蝋が高級脂肪酸と一価または二価の高級アルコールとのエステルであること、好ましくは蜜蝋であることを特徴とする、請求項1および2に記載の植物の鮮度保持方法。
- パラジウム系触媒が、パラジウムと銅から成り、その構成重量比がパラジウムで40〜60%であり、活性炭など多孔質素材に担持したものであることを特徴とする、請求項1〜3のそれぞれに記載の植物の鮮度保持方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013033830A JP2014150792A (ja) | 2013-02-05 | 2013-02-05 | 植物の鮮度保持方法 |
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JP2014150792A true JP2014150792A (ja) | 2014-08-25 |
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ID=51573313
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JP (1) | JP2014150792A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112205180A (zh) * | 2020-11-03 | 2021-01-12 | 广西壮族自治区农业科学院 | 木薯种茎越冬贮藏方法 |
-
2013
- 2013-02-05 JP JP2013033830A patent/JP2014150792A/ja active Pending
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