JP5825069B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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本発明は、無線通信を行うアンテナ装置に関する。
近年、RFID(Radio Frequency-Identification)と呼ばれる自動認識技術が注目されている。RFIDは、無線タグを物体に付けて、無線により非接触で物体を自動識別する無線通信技術である。
利用される電波の周波数帯は、主に、13.56MHz帯、950MHz帯、2.45GHz帯であり、近年では950MHz帯のRFIDが普及しつつある。
RFIDシステムは、リーダ/ライタ(Reader/Writer)と無線タグとを備え、無線通信によってそれぞれのアンテナを介して、リーダ/ライタから無線タグへ情報を書き込んだり、無線タグに記憶されている情報を読み出したりする。
リーダ/ライタ側のアンテナは主に、パッチアンテナが用いられており、無線タグ側のアンテナは主に、ダイポールアンテナやループアンテナ等が用いられている。
また、通常、無線タグは、電源部(電池)を持たないので、リーダ/ライタと無線タグが通信を行うときには、リーダ/ライタから発せられた高周波信号の電波または磁界によって電源を誘電することで、無線タグへ電力を供給して通信を行っている。
従来技術として、放射電力の低下抑制を図ったリーダ/ライタに接続されるアンテナが提案されている。
特開2010−87885号公報
しかし、従来のRFIDシステムでは、無線タグに対して電力を安定的に供給することが困難な場合があるといった問題があった。無線タグに電力を安定供給できないと、リーダ/ライタと無線タグとの通信が不可能になる。
例えば、リーダ/ライタと、複数個の無線タグとの間で通信を実行する際に、リーダ/ライタと無線タグとの間の距離等によって、すべての無線タグに対して一定の電力を供給できない場合は、各無線タグに供給される電力にばらつき(偏り)が生じる。このような現象が生じると、供給電力が小さな無線タグは、リーダ/ライタと通信が不可能になるといった不具合が発生してしまう。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、無線タグに対して電力を安定的に供給するアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、アンテナ装置が提供される。アンテナ装置は、リーダ/ライタが接続された給電線路と、前記給電線路と電磁界結合する所定の長さを有した結合部と、無線タグに電力を供給するスパイラル形状の電力供給部と、前記結合部と前記電力供給部とを結ぶ所定の長さを有した線路と、を備えた複数のアンテナ部とを備え、前記給電線路と、前記アンテナ部の前記結合部との間隔は、前記給電線路に前記リーダ/ライタが接続する接続ポートとの距離に応じて変化する
電力の安定供給が可能になる。
アンテナ装置の構成例を示す図である。 アンテナ装置の適用例を示す図である。 アンテナ装置の構成例を示す図である。 アンテナ部を示す図である。 アンテナ装置の構成例を示す図である。 アンテナ装置の構成例を示す図である。 タグに供給される電力を示す図である。 通過損失を示す図である。 反射係数を示す図である。 タグに供給される電力を示す図である。 通過損失を示す図である。 反射係数を示す図である。 タグに供給される電力を示す図である。 通過損失を示す図である。 反射係数を示す図である。 タグに供給される電力を示す図である。 通過損失を示す図である。 反射係数を示す図である。 アンテナ装置の構成例を示す図である。 給電線路とアンテナ部との間隔を示す図である。 アンテナ装置の構成例を示す図である。 アンテナ装置の構成例を示す図である。 タグへの供給電力を示す図である。 間隔の具体的計算値を示す図である。 タグへの供給電力を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はアンテナ装置の構成例を示す図である。アンテナ装置1は、基板10、給電線路11およびアンテナ部20を備え、基板10上に給電線路11およびアンテナ部20が形成されている。
また、アンテナ部20は、結合部2a、電力供給部2bおよび線路2cを備える。結合部2aは、給電線路11と電磁界結合する所定の長さを有しているマイクロストリップライン(MSL: Microstrip Line)である。
電力供給部2bは、無線タグ3に電力を供給するスパイラル形状を有しているMSLである。線路2cは、結合部2aと電力供給部2bとを結ぶ所定の長さを有しているMSLである。
ここで、結合部2aおよび線路2cの所定の長さの合計は、線路2cと電力供給部2bとの接続点の電界(漏れ電界)が最大となる値になるように決められている。
したがって、アンテナ装置1の給電線路11の一端にリーダ/ライタ5が接続して、リーダ/ライタ5から給電が行われた際、電力供給部2bから発せられる漏れ電界が最大となる。このため、電力供給部2bの近傍に置かれた無線タグ3に対して、電力供給部2bから電力を安定供給することが可能になる。
次にアンテナ装置1の適用例について説明する。図2はアンテナ装置の適用例を示す図である。適用例として、RFIDを利用して鍵の管理(図では1つの鍵の管理)を行う鍵管理システムを示している。
アンテナ装置1Aは、基板10の表面上に、給電線路11およびアンテナ部20を含む信号線路パターンであるMSLが形成されており、基板10の裏面には、GND(べた金属グランド)14が形成されている。
また、基板10の表面には、給電線路11およびアンテナ部20の錆止め用としての保護カバー(アクリル基板等)12と、鍵4を引っ掛けるためのフック13とが設けられている。
給電線路11の両端部は、ポートp1、p2となっており、一方のポートにリーダ/ライタが接続する。ここでは、ポートp1にリーダ/ライタが接続している。
無線タグ(以下、単にタグと呼ぶ)3には、鍵4およびフック13と接続する2本の紐s1、s2が設けられ、紐s2で鍵4と接続し、紐s1をフック13に引っ掛けることで、アンテナ装置1Aに対して鍵4はぶら下がった状態になる。この場合、タグ3がアンテナ部20の後述のスパイラル線路22の上部に位置するように紐s1、s2の寸法が決められる。
タグ3の内部には、アンテナおよびLSI(Large Scale Integration)チップが備えられている。鍵4がフック13に引っかけられたときに、タグ3がアンテナ部20のスパイラル線路22の上部に位置することで、タグ3に電力が供給され、アンテナ装置1Aを通じて、リーダ/ライタと電波の送受信が行われる。そして、例えば、LSIチップ内の情報が、リーダ/ライタ側へ送信されることになる。
(第1の実施の形態のアンテナ装置)
以下、アンテナ装置の実施の形態について説明する。図3はアンテナ装置の構成例を示す図である。第1の実施の形態のアンテナ装置1aは、基板10、給電線路11およびアンテナ部20aを備え、基板10上に給電線路11およびアンテナ部20aが形成されている。
アンテナ部20aは、L型線路21aと、L型線路21aと連接するスパイラル線路22aとを有し、スパイラル線路22aは、一本の連続する線状導体を複数回屈曲させることにより形成されている。
給電線路11の一端のポートp1は、リーダ/ライタに接続される。また、L型線路21aの端部21a−1から屈曲部21a−2までは(図1の結合部2aに該当)、給電線路11に対して、間隔dを置いて形成される。
また、L型線路21aの屈曲部21a−2から直線状に所定の距離だけ導体が伸延し(図1の線路2cに該当)、伸延した先からL型線路21aの導体が直角に折り曲げられ(直角でなくてもよい)、スパイラル線路22a(図1の電力供給部2bに該当)が形成されている。
ここで、L型線路21aの端部21a−1から屈曲部21a−2までの間の給電線路11とカップリング(高周波結合)する部分の長さをLaとする。また、L型線路21aの屈曲部21a−2から伸延している導体の長さをLbとする。
このとき、La+Lbの長さを、アンテナ部20aが使用する電波の波長λのλ/2長となるように形成する。
ただし、波長λは、空気中の波長λ0ではなく、基板10の誘電率や、基板10を保護する保護カバー12等の誘電率によって、波長短縮が生じた場合を考慮したときの波長である。
具体的には、例えば、基板10の誘電率εr=3.0、厚さt=1.6mmとし、保護カバー12の厚さを1mmとしたときの波長短縮について考慮すると、λ/2長は、約100mm(@953MHz)である(空気中ではλ0/2=157mm)。
図3の場合では、La+Lb=100mm=λ/2となるように、La=30mm、Lb=70mmと形成している。また、間隔dだけ離れて、給電線路11とL型線路21aがカップリングし、リーダ/ライタから給電線路11を通じて送られてくる高周波信号がL型線路21aにも流れる。この間隔dについては、用途に応じて適度に決定される(後述)。
L型線路21aにはスパイラル線路22aが接続され、スパイラル線路22a上には、図2で上述したようなタグ3が置かれる。このとき、スパイラル線路22aの漏れ電界によってタグ3が動作可能になる。
なお、基板10上の給電線路11やアンテナ部20aを形成するMSLは、基板10裏側のGND14に向かって非常に大きな電界が発生しながら高周波信号が伝送していく伝送線路となっている。
この場合、基板10上のアンテナ部20aの信号線路の上側にもわずかながら電界が漏れているので、タグ3をこの信号線路の上に置くと、その漏れ電界を受けて動作させることができる。
漏れ電界は、距離に対する減衰が激しいので、タグ3をアンテナ部20aの信号線路から離していくと、タグ3への供給電力は急激に小さくなり、タグ3が動作しなくなる。したがって、タグ3は、スパイラル線路22aの上に置くと動作するが、数cm以上離すとタグ3は応答しなくなる。
一方、スパイラル線路22aの略1周は、λ/2長である(この場合の波長λについても、基板10や保護カバー12の誘電率によって、波長短縮が生じた場合を考慮したものである)。
図4はアンテナ部を示す図である。アンテナ部20aにおいて、L型線路21aの端部21a−1から給電すると、スパイラル線路22aの開放端22a−1の近傍における電流はゼロとなる。
このため、開放端22a−1側に電流がゼロとなる点Aが生成する。ここで、点Aを通過し、L型線路21aの伸延部分に対して垂直となる直線V(図の点線)を定義する。
直線VとL型線路21aの伸延部分との交点をBとすると、点Aと点Bとのスパイラル線路22aの導体パターンの長さ方向に沿った距離Lcが、スパイラル線路22aにおける使用電波の波長λの1/2に設定される。なお、上述のLbについては、L型線路21aの屈曲部21a−2と、屈曲部21a−2から伸延している導体の長さ方向に沿った点Bまでの距離となる。
また、スパイラル線路22aは、スパイラル形状として図のような四角形状でなくてもよく、タグ3に漏れ電界を供給しうる形状であれば他の形状でもよい(例えば、三角形状等の多角形状や円形状など)。
ここで、L型線路21aのLa+Lbの長さがλ/2であると、L型線路21aは動作周波数(ここでは953MHz)で共振していることになるので、そのλ/2の両端付近に発生する電界は最大となり、λ/2の中心付近に発生する電流も最大となる。
すると、スパイラル線路22aは、L型線路21aのλ/2の先端に接続されているので、スパイラル線路22aの両端付近の電界も最大となり、スパイラル線路22aに供給される電力も最大となる。
したがって、タグ3が、アンテナ部20aのスパイラル線路22aの上部に位置することで、タグ3に供給される電力も最大となり、タグ3に対して安定した電力を供給することが可能になる。
(第2の実施の形態のアンテナ装置)
第1の実施の形態のアンテナ装置1aでは、La=30mm、Lb=70mmとしたが、第2の実施の形態のアンテナ装置は、La=70mm、Lb=30mmとしたものである。
図5はアンテナ装置の構成例を示す図である。第2の実施の形態のアンテナ装置1bは、基板10、給電線路11およびアンテナ部20bを備える。アンテナ部20bは、L型線路21bと、L型線路21bと連接するスパイラル線路22bとを有する。
L型線路21bは、La=70mm、Lb=30mmである(La+Lb=100mm=(λ/2))。La=70mm、Lb=30mmとした場合でも、第1の実施の形態と同様に、スパイラル線路22bからの漏れ電界は最大となる。
したがって、タグ3がアンテナ部20bのスパイラル線路22bの上部に位置することで、タグ3に供給される電力も最大となり、タグ3に対して安定した電力を供給することが可能になる。
(第3の実施の形態のアンテナ装置)
第3の実施の形態のアンテナ装置は、La=Lb=50mm(La+Lb=100mm)とした場合である。La+Lbがλ/2である条件を満たす場合、最もタグ3に供給される電力が最大となる好ましい条件は、La=Lb=50mm(=λ/4)のときである。
図6はアンテナ装置の構成例を示す図である。第3の実施の形態のアンテナ装置1cは、基板10、給電線路11およびアンテナ部20cを備える。アンテナ部20cは、L型線路21cと、L型線路21cと連接するスパイラル線路22cとを有する。L型線路21cは、La=50mm、Lb=50mmであり、線路幅w=3mmである。
スパイラル線路22cは、スパイラル部分の各辺をh1〜h4とすると、例えば、h1=17mm、h2=22mm、h3=12mm、h4=17mmとし、h1+h2+h3+h4=68mmとする(図2に示したタグ3の樹脂による波長短縮を考慮してλ/2としているので100mmよりさらに短くなっている)。
一方、スパイラル線路22cに置かれる、図2に示したタグ3は、樹脂(εr=3)が25×25×1mm(縦×横×厚み)とする。
上記のアンテナ装置1cに対して、漏れ電界の分布としては、L型線路21cの両端で電界が大きくなって共振状態となる。また、スパイラル線路22cは、L型線路21cのλ/2の先端に接続されているので、スパイラル線路22cの両端付近の電界も最大となり、スパイラル線路22cに供給される電力も最大となる。したがって、タグ3に供給される電力も最大となる。
ここで、間隔dを変えたときのタグ3に供給される電力(電力Ptagとする)と、給電線路11のポートp1からポートp2への通過損失S21と、ポートp1における反射係数S11とについて説明する。
図7は間隔dを変えたときのタグ3に供給される電力を示す図である。縦軸は電力Ptag(dBm)、横軸は間隔d(mm)である。図8はポートp1からポートp2への通過損失S21を示す図である。縦軸は通過損失S21(dB)、横軸は間隔d(mm)である。図9はポートp1での反射係数S11を示す図である。縦軸は反射係数S11(dB)、横軸は間隔d(mm)である。
なお、L型線路21cへのリーダ/ライタからの入力電力をPinしたとき、Pin=24dBmとする。
この場合、間隔dが小さいほど、給電線路11と、L型線路21cとのカップリングが大きくなるので、グラフg1に示されるように、タグ3に供給される電力Ptagは大きくなる(図7)。
一方、タグ3に供給される電力Ptagが大きくなれば、その分、給電線路11のポートp2に通過していく電力は小さくなるので、グラフg2に示されるように、ポートp1からポートp2への通過損失S21は大きくなる(図8)。
また、ポートp1での反射係数S11は、グラフg3に示されるように、間隔dを変えても十分低いままであり、ポートp1で電力が反射されてリーダ/ライタ側に戻っていくことがない。このため、ポートp1に供給された電力は、タグ3への供給電力か、またはポートp2への通過電力となる(図9)。
なお、市販のRFIDのタグ最小動作電力は、およそPmin=−14dBmである。その値を上回っていれば、タグ3は動作し、タグ3内の情報を読み取ることができる。
次にLa+Lb=λ/2であれば、タグ3に対して大きな電力を供給できることについて、図10〜図18の裏付けデータを用いて説明する。なお、間隔dはすべて1mmに固定している。
図10はLbを変化させたときのタグ3に供給される電力を示す図である。縦軸は電力Ptag(dBm)、横軸はLb(mm)である。図11はポートp1からポートp2への通過損失S21を示す図である。縦軸は通過損失S21(dB)、横軸はLb(mm)である。図12はポートp1での反射係数S11を示す図である。縦軸は反射係数S11(dB)、横軸はLb(mm)である。
図10〜図12では、La=50mmに固定しておき、Lbを30mmから70mmまで変化させている。すると、図10のグラフg4から、Lb=50mmのとき、電力Ptagは最大値となり、図11のグラフg5から通過損失S21は最小値となっていることがわかる。なお、図12のグラフg6が示す反射係数S11は、Lbが変わっても常に十分低い値を保っているので、リーダ/ライタ側に電力が反射していくものではない。
図13はLaを変化させたときのタグ3に供給される電力を示す図である。縦軸は電力Ptag(dBm)、横軸はLa(mm)である。図14はポートp1からポートp2への通過損失S21を示す図である。縦軸は通過損失S21(dB)、横軸はLa(mm)である。図15はポートp1での反射係数S11を示す図である。縦軸は反射係数S11(dB)、横軸はLa(mm)である。
図13〜図15では、Lb=50mmに固定しておき、Laを30mmから70mmまで変化させている。すると、図13のグラフg7からLa=50のとき、電力Ptagは最大値となり、図14のグラフg8から通過損失S21は最小値となっていることがわかる。なお、図15のグラフg9から、反射係数S11は、Laが変わっても常に十分低い値を保っているので、リーダ/ライタ側に電力が反射していくものではない。
上記のシミュレーション結果から、La+Lb=100mm(=λ/2)のときが最もタグ3への供給電力Ptagが大きいことがわかる。
図16はLa、Lbを変化させたときのタグ3に供給される電力を示す図である。縦軸は電力Ptag(dBm)、横軸はLa(mm)である。図17はポートp1からポートp2への通過損失S21を示す図である。縦軸は通過損失S21(dB)、横軸はLa(mm)である。図18はポートp1での反射係数S11を示す図である。縦軸は反射係数S11(dB)、横軸はLa(mm)である。
図16〜図18では、La+Lb=100mm(=λ/2)としておき、Laを30mmから70mmまで変化させ、それに応じてLb=70mmから30mmまで変化させている。
図16、図17のグラフg10、g11から、La、Lbが変わっても、電力Ptagおよび通過損失S21はそれほど変化していないので、La+Lb=100mm(=λ/2)という条件を満たしていればよいことがわかる(上述の第1、2の実施の形態が該当する)。その中でも最も電力Ptagの大きくなる条件が、第3の実施の形態のLa=Lb=50mm=(λ/4)である。
なお、図18のグラフg12から、反射係数S11は、La、Lbが変わっても常に十分低い値を保っているので、リーダ/ライタ側に電力が反射していくものではない。
ここで、La+Lb=λ/2は、必ずしもλ/2ちょうどである必要はなく、RFIDシステムを用いる環境に応じて、電力Ptagの値が所定レベル以上になるような寸法で有ればよい。
例えば、図10では、La=50mm、Lb=30mmとしても、Pmin=−14dBmを十分上回っているので計算上、タグ3は十分に動作しうる。しかし、RFIDシステムの実際の環境では、リーダ/ライタと接続するケーブルや切り替えスイッチ、または分配器等で信号分配されることによる電力損失や、タグ3のさらなる小型化によって、タグ3がMSLから受ける電力が低下し、電力Ptagの全体波形が下がることがある。
また、タグ3内のLSIチップは、例えば、Pmin=−4dBmのものもあり、この場合はPmin=−14dBmのラインが上に上がってくる。また、Pmin=10dBmという特定小電力のシステムに用いる場合もあり、入力電力が下がれば、電力Ptagもその分下がってしまう。
そこで、図10において、Ptag−Lbグラフg4はそのままにしておき、相対的にPmin=−14dBmというラインが、Pmin=10dBmのラインkに上がってきたとする。
すると、Lbが40mm以上60mm以下であれば、タグ3は動作可能であり、Lbが40mm未満または60mmより大きければ、タグ3は動作しなくなる。
したがって、RFIDの使用環境に応じて、あらかじめ電力PtagとPminとの具体的数値関係を求めておき、電力PtagがPminを上回るような関係、つまりタグ供給電力が所定のレベル以上となるようなLa、Lb値であることが構成条件となる。
したがって、ちょうどLa+Lb=100mm(=λ/2)であることが望ましいが、製造ばらつきや環境変化を考えると、必ずしもLa+Lb=λ/2でなくてもよい。
(第4の実施の形態のアンテナ装置)
図19はアンテナ装置の構成例を示す図である。第4の実施の形態のアンテナ装置1dは、図2で上述した単一の基本構成要素のアンテナ装置を複数個(図では6個)並べ、間隔dをリーダ/ライタ5に近い側ほど広くしているものである。
アンテナ装置1dは、基板10の表面上に、給電線路11およびアンテナ部20d−1〜20d−6が形成されており、基板10の裏面には、GND14が形成されている。
また、基板10の表面には、保護カバー12と、鍵4−1〜4−6を引っ掛けるためのフック13−1〜13−6とが設けられている。さらに、リーダ/ライタ5が給電線路11のポートp1に接続する。
タグ3−1〜3−6には、鍵4−1〜4−6およびフック13−1〜13−6と接続する2本の紐が設けられ、一方の紐で鍵4−1〜4−6と接続し、他方の紐をフック13−1〜13−6に引っ掛けることで、アンテナ装置1dに対して鍵4−1〜4−6はぶら下がった状態になる。この場合、タグ3−1〜3−6がアンテナ部20d−1〜20d−6のスパイラル線路の上部に位置するように紐の寸法が決められる。
鍵4−1〜4−6がフック13−1〜13−6に引っかけられたときに、タグ3−1〜3−6がアンテナ部20d−1〜20d−6のスパイラル線路の上部に位置することで、タグ3−1〜3−6に電力が供給され、リーダ/ライタ5からアンテナ装置1dを通じて電波の送受信が行われる。
図20は給電線路とアンテナ部との間隔を示す図である。給電線路11と、アンテナ部20d−1〜20d−6のL型線路21d−1〜21d−6とがカップリングしている部分において、給電線路11とL型線路21d−1〜21d−6とのそれぞれの間隔をd1〜d6とする。
また、ポートp1側にリーダ/ライタ5が接続し、ポートp1に近い方からアンテナ部20d−1〜20d−6が若番順に配置している。したがって、d6<d5<d4<d3<d2<d1となるように、アンテナ部20d−1〜20d−6を給電線路11に対して配置する。
仮に、間隔d1〜d6がすべて同じだとすると、図8から明らかなように、ポートp1からポートp2に通過する電力が一定で小さくなっていくので、リーダ/ライタから遠い側のタグほど、供給電力が少なくなることがわかる。
そこで、上述の図20に示したアンテナ装置1dのように、リーダ/ライタ5側に近いアンテナ部ほど間隔dを大きくし、リーダ/ライタ5側に遠いアンテナ部ほど間隔dを狭くする。
すると、リーダ/ライタ5に近いタグほど電力Ptagが小さいが、隣接への通過電力が大きく、リーダ/ライタ5に遠いタグほど電力Ptagが大きいが、隣接への通過電力が小さくなる。このため、複数のアンテナ部20d−1〜20d−6に対して、電力Ptagが一定になるので、供給電力に偏りのない安定した一定電力を供給することができる。
なお、図20では、La=30mm、Lb=70mmとしているので、鍵同士(タグ同士)の間隔を狭くできるメリットがあり、装置の小型化にもなる。
(第5の実施の形態のアンテナ装置)
第5の実施の形態のアンテナ装置は、第4の実施の形態に対して、La=70mm、Lb=30mmとしたものである。
図21はアンテナ装置の構成例を示す図である。第5の実施の形態のアンテナ装置1eは、基板10、給電線路11およびアンテナ部20e−1〜20e−6を備える。
アンテナ部20e−1〜20e−6はそれぞれ、L型線路と、L型線路と連接するスパイラル線路とを有し、L型線路は、La=70mm、Lb=30mmである(La+Lb=100mm=(λ/2))。その他の構成は第4の実施の形態と同じである。
なお、第5の実施の形態のアンテナ装置1eでは、例えば、高誘電率の基板を用いた場合では、λ/2長が短くなるので、Laを伸ばすことで、鍵同士の間隔を適度に保つことができるというメリットがある。また、鍵が大きい場合もLa=70mm、Lb=30mmとすれば、鍵同士の間隔を適度に保つこともできる。
(第6の実施の形態のアンテナ装置)
図22はアンテナ装置の構成例を示す図である。第6の実施の形態のアンテナ装置1fは、図2で上述した単一の基本構成要素のアンテナ装置を複数個(図では12個)並べ、間隔dをリーダ/ライタに近い側ほど広くしているものである。また、La=Lb=50mmとしており、その他の構成は第4の実施の形態と同じである。
アンテナ装置1fは、基板10、給電線路11およびアンテナ部20f−1〜20f−12を備える。
アンテナ部20f−1〜20f−12はそれぞれ、L型線路と、L型線路と連接するスパイラル線路とを有し、L型線路は、La=50mm、Lb=50mmである(La+Lb=100mm=(λ/2))。
La=Lb=50mmとしているので、タグ#1〜#12への供給電力は、第4、第5の実施の形態よりも大きくなるメリットを有している。
図23はタグへの供給電力を示す図である。タグ#1〜#12を横一列に12個並べた場合のそれぞれのタグへの供給電力Ptagの具体的な値を示しており、縦軸は電力Ptag、横軸はタグNo.である。
図7、図8で示した単一の基本構成要素のアンテナ装置のデータを用いて、間隔dに応じて電力Ptagを算出する。リーダ/ライタからの入力電力Pin=24dBmとする。
まず、タグ#1〜#12まですべて同じ間隔d=0.5mmとすると、タグ#nの電力Ptag#nは、図8のS21(@間隔d)×(n−1)+図7のPtag(@間隔d)で計算される。
例えば、Ptag#1=16dBm、Ptag#2=−1.5+16=14.5dBm、Ptag#3=−1.5−1.5+16=13dBm、Ptag#4=−1.5−1.5−1.5+16=11.5dBm、・・・である。
図23では、それらの値をプロットしている。これにより、間隔dが同じであれば、リーダ/ライタに近い側の電力Ptagは大きくなるが、リーダ/ライタに遠い側の電力Ptagは小さくなるという傾向があることが具体的に示されている。また、間隔dが狭いほどその傾きは大きくなることがわかる。
図23から、どの間隔dの場合もLSIチップの最小動作電力Pmin=−14dBmを上回っているので、タグ#1〜#12まですべて動作可能であるが、リーダ/ライタに近い側のタグほど読みやすく、遠い側のタグほど読みにくくなる。
例えば、鍵をフックにかけようとする際に、リーダ/ライタに近いタグ#1は基板10から例えば5cm離しても読めるが、リーダ/ライタに遠いタグ#12は、例えば、1cm離したところで読めるという感度の違いが発生する。このため、ユーザーが鍵管理を行う場合には違和感を与えてしまう。
また、図23では、Pmin=−14dBmを十分上回っているが、実際には、リーダ/ライタと接続するケーブルや切り替えスイッチ、または分配器等で信号分配されることによる電力損失や、タグ3のさらなる小型化によって、タグ3がMSLから受ける電力が低下し、電力Ptagの全体波形が下がることがある。
また、タグ内のLSIチップは、Pmin=−4dBmのものもある。また、Pin=10dBmという特定小電力のシステムに用いる場合もある。すると、電力Ptagに傾きが有る場合、電力Ptagラインが相対的に下がり、Pminとクロスしてしまうと、例えば、タグ#1〜#9までは読めるが、タグ#10〜#12まではタグが読めないという不具合が発生してしまう。
そこで、リーダ/ライタに近い側の間隔dほど広くし、リーダ/ライタに遠い側の間隔dほど狭くすることで、電力Ptagをタグ#1〜#12まで一定にできる。
図24は間隔dの具体的計算値を示す図である。給電線路11とアンテナ部20f−1のL型線路とのカップリング部分の間隔をd1とし、給電線路11とアンテナ部20f−2のL型線路とのカップリング部分の間隔をd2とする。
また、給電線路11とアンテナ部20f−3のL型線路とのカップリング部分の間隔をd3とし、以降同様に、給電線路11とアンテナ部20f−12のL型線路とのカップリング部分の間隔をd12とする。図24では、給電線路11と、アンテナ部20f−1〜20f−12との間隔d1〜d12の具体的な数値を示している。
このような間隔d1〜12によって、タグ#1〜#12まで電力Ptag=8〜9dBmとほぼ一定にできた例を図23に「optimized」として示している。なお、間隔d1〜d12は、図7、図8の基本構成要素の数値データにもとづき決定することができる。
図25はタグへの供給電力を示す図である。図25は、上記の計算値の証明として、実際に電磁界シミュレータを用いて、上記の寸法で解析させた値を示している。
シミュレータの性能の都合上、タグ#1〜タグ#6までとしているが、図23の単品特性から計算された値とほぼ同じ値を示していることがわかる。なお、タグ#7〜#12は予測ラインを点線で示している。
以上説明したように、アンテナ装置1において、MSLからの漏れ電界を利用して、タグに供給される電力を大きくすることにより、タグ情報の安定した通信を可能とする。また、タグを複数個並べた際には、複数個のタグに供給される電力に偏りがなく、どのタグに対しても一定の電力が供給されるため、複数個のタグすべてに対して、高精度に通信を行うことが可能になる。
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
1 アンテナ装置
3 無線タグ
5 リーダ/ライタ
10 基板
11 給電線路
20 アンテナ部
2a 結合部
2b 電力供給部
2c 線路

Claims (5)

  1. リーダ/ライタが接続された給電線路と、
    前記給電線路と電磁界結合する所定の長さを有した結合部と、無線タグに電力を供給するスパイラル形状の電力供給部と、前記結合部と前記電力供給部とを結ぶ所定の長さを有した線路と、を備えた複数のアンテナ部と、
    を備え、
    前記給電線路と、前記アンテナ部の前記結合部との間隔は、前記給電線路に前記リーダ/ライタが接続する接続ポートとの距離に応じて変化する、
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記結合部および前記線路の所定の長さの合計は、前記線路と前記電力供給部との接続点の電界が最大となる値である請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記結合部および前記線路の所定の長さの合計は、前記無線タグと無線通信する信号の波長の半分である請求項2記載のアンテナ装置。
  4. 前記電力供給部の前記スパイラル形状の長さは、前記アンテナ部が敷設される基板の誘電率、または前記基板に近接する樹脂の誘電率によって波長短縮が生じた際の前記波長である請求項3記載のアンテナ装置。
  5. 前記給電線路と、前記アンテナ部の前記結合部との間隔は、前記接続ポートとの距離が近いほど広く、前記接続ポートとの距離が遠いほど狭くなる請求項記載のアンテナ装置。
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