JP5824952B2 - 洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水質検出器のセンサに付着した汚濁物質を圧縮気体の作用によって除去するための洗浄装置に関するものである。
河川水や湖沼水、工業用水の水質を連続的に測定するpH計、ORP計等の水質検出器において、試料水に浸漬されているセンサに試料水中の各種汚濁物質が付着すると、検出能力が低下し、分析精度が低下してくる。
このため、例えば特許文献1や特許文献2には、試料水に浸漬された洗浄エア噴出口からセンサに向けて圧縮気体を間欠的に噴射させることにより、圧縮気体を試料水中で急激に膨張させて気泡を含んだ高速水流を発生させ、この水流の勢いと、センサに付着した汚濁物質に試料水及び気泡の境界部が無秩序に接触されることによる汚濁物質自体の振動との相乗作用により、汚濁物質を効率よく除去してセンサが洗浄される洗浄装置が開示されている。
実公昭61−16523 特開2007−190535
ところが、試料水には砂や結晶等の固形物が含まれていることがしばしばあり、また、従来の洗浄装置は、多くの水質センサの感応面が下向きであるため、感応面全体を効率よく洗浄することができるように洗浄部の開口部(洗浄エア噴出口)が感応面に対向して真上を向くように構成されている。このため、試料水中の砂や結晶等の固形物がエア流路内に落ちて、そこに滞留し、洗浄時に洗浄エア噴出口から圧縮気体と共に噴射されてセンサに高速で衝突してセンサを破損してしまうという問題があった。
一方、従来から、洗浄動作を行っていない期間に洗浄エア噴出口から微量の空気を流出させてエア流路内に上記固形物を溜めない工夫も行われてきたが、センサの真下に配置されている洗浄エア噴出口から常に空気が流出しているため、センサが常に空気に曝されて、指示がふらつくなど測定値に影響を与えるという問題があった。
そこで、本発明の解決課題は、簡易な構成で測定値に影響を与えることなく、洗浄時に砂や結晶等の固形物がセンサに衝突するのを防いで、その破損を防止することができる水質検出器の洗浄装置を提供することにある。
上記課題を達成するため、本発明は以下の構成を採用した。
[1]水質検出器の、試料水に接触する洗浄対象部位に付着した汚濁物質を、試料水中の洗浄部に設けられた洗浄エア噴出口から噴射させた圧縮気体の作用により除去する洗浄装置であって、
前記洗浄部は、一端から圧縮気体が供給される第1のエア流路と、
前記第1のエア流路の他端に連通し、前記洗浄対象部位の下方に該部位と対向して配置される前記洗浄エア噴出口を有する第2のエア流路と、
前記第1のエア流路と前記第2のエア流路の連接部位近傍に連通し、洗浄部内の異物を排出するための異物排出口を有する第3のエア流路と、
を備え
前記異物排出口の直径は、前記洗浄エア噴出口の直径よりも小径であることを特徴とする洗浄装置。
[2]前記第3のエア流路の内径は、
前記第2のエア流路の内径よりも小径であることを特徴とする[1]に記載の洗浄装置。
[3]前記第3のエア流路は、
前記第2のエア流路よりも長いことを特徴とする[1]または[2]に記載の洗浄装置。

本発明によれば、洗浄エア噴出口の他に、洗浄部内の異物を排出するための異物排出口を備えたので、試料水中の砂や結晶等の固形物(異物)が洗浄エア噴出口に落ちるなどして洗浄部内に入り込んだとしても、異物排出口から排出される。このため、固形物の衝突による洗浄対象部位(センサ)の破損を防止することができる。
また、エア流路内への固形物の侵入を防止するために行われる洗浄動作を行っていない期間にエア流路から微量の空気を流出させ、センサを常に空気に曝す動作をする必要がなくなる。これにより、簡易な構成にすることができ、また、指示のふらつきなど測定値に影響を与えることもなくなる。
本発明の実施形態が適用される水質検出器の主要部を示す斜視図である。 本発明の実施形態における保護筒、洗浄部等の縦断面図及び底面図である。 本発明の実施形態における保護筒、洗浄部等の構成を模式的に示す要部断面図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態が適用される水質検出器としてのpH検出器の主要部を示す斜視図である。図1において、10は試料水に浸漬される水質検出器、11は円筒状のセンサホルダ、12はセンサホルダ11の下端部に連結された保護筒、13は保護筒12内に配置されたガラス電極、比較電極等からなるセンサ、14は後述するエア流路15,16,17、洗浄エア噴出口18および異物排出口19等が形成されたセンサ13を洗浄するための洗浄部、20は洗浄部14に圧縮気体を供給するための気体供給チューブである。
気体供給チューブ20は、図示しない圧縮気体供給部と接続され、圧縮気体が供給されている。この圧縮気体供給部は、例えば、エアタンクと、エアタンクに接続された気体供給チューブ接続口と、エアタンクと気体供給チューブ接続口の間に位置する電磁弁からなるものである。気体供給チューブ接続口は、気体供給チューブ20と接続され、電磁弁が開くことにより圧縮気体が、気体供給チューブ20を介して、洗浄部14に供給される。
図2(a)は保護筒12、洗浄部14等の縦断面図、図2(b)は同じく底面図である。これらの図において、14aは気体供給チューブ20の下端部が連結される連結部、15は連結部14aに連通して圧縮気体が供給される第1のエア流路、16は第1のエア流路15に連通して圧縮気体が供給される第2のエア流路、17は第1のエア流路15と第2のエア流路16の連接部位近傍に連通して圧縮気体が供給される第3のエア流路、18は第2のエア流路16に連通してセンサ13方向に開口された圧縮気体が噴出される洗浄エア噴出口、19は第3のエア流路17に連通して洗浄部14内の固形物等の異物を排出する異物排出口を示している。
保護筒12は円筒状の部材からなり、複数の切り欠き部分が設けられることにより、試料水の置き換わりが容易に行われるようになっている。そして、センサを囲むように配置された切り欠き部分以外の部分がセンサの保護部であり、設置時や保守点検時の取り扱いミスにより何かにぶつかるなどしてセンサが破損することを防止できるようになっている。
保護筒12の保護部のうち強度のある幅広部分に洗浄部14である略L字形のブロック状の部材が溶接されて固定されている。洗浄部14の内部にはエア流路15,16および17が形成されている。第1のエア流路15の一端は、連結部14aに連通しており、他端は第2のエア流路16と連通している。第2のエア流路16の他端には洗浄エア噴出口18が形成されている。そして洗浄エア噴出口18は、センサ13の下方にセンサ13と対向するように配置されている。また、第3のエア流路17の一端は、第1のエア流路と第2のエア流路の連接部位近傍に連通し、他端には異物排出口19が形成されている。
エア流路15と連通する連結部14aは、気体供給チューブ20の下端部と連結されており、気体供給チューブ20を介して洗浄部14に供給される圧縮気体は、連結部14aから第1のエア流路15および第2のエア流路16を介して洗浄エア噴出口18に供給され、洗浄エア噴出口18からセンサ13に向けて噴出される。また、第1のエア流路15に供給される圧縮気体は、同時に第3のエア流路17にも供給され、洗浄部14内の固形物等の異物を異物排出口19から排出する。
洗浄部14は、例えば、保護筒12にブロック状の部材を溶接した後に、ブロック状の部材の上部から穴をあけ、連結部14aを形成し、ブロック状の部材の側面から連結部14aと略垂直に穴あけ加工をすることにより、第1のエア流路15を形成する。さらに、センサ13の下方に位置するブロック状の部材に連結部14aと略平行に穴あけ加工をすることにより、洗浄エア噴出口18、第2のエア流路16、第3のエア流路17および異物排出口19を形成して作製することができる。ブロック状の部材の側面から第1のエア流路15を形成するために加工をした部分のうち、ブロック状の部材の側面側(洗浄エア噴出口18とは反対側)に開いた穴は、穴埋め加工がされ、洗浄部14に供給される圧縮気体の全てが、第2および第3のエア流路を介して外部に噴出されるようになっている。
なお、洗浄部14は、ブロック状の部材に限られるものではなく、例えば、T字形の継手とチューブとから構成することもできる。
図3は保護筒12、センサ13および洗浄部14の構成を模式的に示す要部断面図である。図3の(a)と(b)とでは、第3のエア流路17の配置が異なる。図3(a)の構成は第3のエア流路17が第1のエア流路15と第2のエア流路16の連接部位の外側角部近傍から斜め下方に向かって伸びているため、後述する図3(b)に比べて第3のエア流路17が長くなっている。
一方、図3(b)の構成は、第3のエア流路17が第1のエア流路15と第2のエア流路16の連接部位の外側角部から洗浄エア噴出口18とは逆方向の真下の方向に伸びている。
図3(a)および(b)はともに、洗浄エア噴出口18の直径に比べて、異物排出口19の直径は小さくなっている。
また、第3のエア流路の内径は、第2のエア流路の内径よりも小径であることが好ましい。
なお、第1のエア流路15、第2のエア流路16および第3のエア流路17は、それぞれ全長を通して同一の内径である必要はない。
次に、本実施形態の動作を説明する。
図1、2および3に示すように、圧縮気体は、気体供給チューブ20を介して、洗浄部14および第1、第2のエア流路15,16に供給され、洗浄エア噴出口18からセンサ13(洗浄対象部位)に向けて噴出される。
また、第1のエア流路15に供給された圧縮気体は、第3のエア流路17を介して異物排出口19から、固形物等の異物とともに排出される。
圧縮気体は、試料水中で急激に膨張し、気泡を含んだ高速水流を発生させる。この高速水流の勢いと、センサ13に付着した汚濁物質に試料水および気泡の境界部が無秩序に接触することによる汚濁物質自体の振動との相乗作用により、汚濁物質が効率よく除去され、センサ13が洗浄される。
なお、圧縮気体は、試料水に比べて非常に軽く大きな浮力を持っているので、ほとんどは上方向に開口している洗浄エア噴出口18から噴出され、下方向に開口している異物排出口19からの噴出は少ない。このため、洗浄力の低下はほとんどない。
圧縮気体は、エアタンクに充填された空気や計装エアが所定の圧力となるように調整されたものである。洗浄動作は、圧縮気体の供給が所定のシーケンスに従って電磁弁等の開閉を行うタイマ機能を有するコントローラーにより制御されることによって、所定の洗浄周期で行われるようになっている。
図3(a)に示すように、洗浄部14内に固形物等の異物が侵入し、溜ったとしても、異物排出口19は洗浄エア噴出口18の下方に位置しているため、洗浄エア噴出口18から圧縮気体が噴出されるのと同時に、固形物等の異物は異物排出口19から圧縮気体により押し出される。
これにより、洗浄部14内に侵入している固形物等の異物が高速でセンサ13に向けて直接、噴射されることがなく、固形物等の異物の衝突によるセンサ13の破損を防止することができる。
さらに、図3(b)に示す実施形態では、第3のエア流路が、洗浄エア噴出口18の真下に、第2のエア流路から延在するように形成されているので、試料水中の固形物等の異物が洗浄エア噴出口18に落ちて、洗浄部14内に侵入したとしても、第3のエア流路17を介して、そのまま自然に異物排出口19から排出される。
また、固形物等の異物が第3のエア流路17に留まったとしても、圧縮気体が供給される際に、異物排出口19から排出される。
したがって、図3(b)の実施形態は、固形物がセンサ13に向けて噴射される確率をより減少させ、センサ13の破損を防止することができる。
図3(a)および(b)の実施形態はともに、洗浄エア噴出口18の直径に比べて、異物排出口19は固形物等の異物の排出を妨げない範囲で小径にすることができる。
これにより、異物排出口19から固形物を排出しつつ、洗浄エア噴出口18から噴出される圧縮気体の勢いと洗浄力の低下をより抑えることができる。
また、図3(a)の実施形態は、第2のエア流路16に比べて第3のエア流路17が長い。
これにより、異物排出口19側の噴出抵抗(経路の配管抵抗)が大きくなっているため、洗浄エア噴出口18から噴出される圧縮気体の勢いと洗浄力の低下をより抑えることができる。
また、図3(b)に示すように、第3のエア流路17の内径を第2のエア流路16の内径よりも小径にすることにより、同様の効果が得られる。
上述のような態様によれば、従来方式の保護筒や洗浄部等の部分を交換するだけで、本発明の方式に置き換えることができる。
10:水質検出器
11:センサホルダ
12:保護筒
13:センサ
14:洗浄部
14a:連結部
15,16,17:エア流路
18:洗浄エア噴出口
19:異物排出口
20:気体供給チューブ

Claims (3)

  1. 水質検出器の、試料水に接触する洗浄対象部位に付着した汚濁物質を、試料水中の洗浄部に設けられた洗浄エア噴出口から噴射させた圧縮気体の作用により除去する洗浄装置であって、
    前記洗浄部は、一端から圧縮気体が供給される第1のエア流路と、
    前記第1のエア流路の他端に連通し、前記洗浄対象部位の下方に該部位と対向して配置される前記洗浄エア噴出口を有する第2のエア流路と、
    前記第1のエア流路と前記第2のエア流路の連接部位近傍に連通し、洗浄部内の異物を排出するための異物排出口を有する第3のエア流路と、
    を備え
    前記異物排出口の直径は、前記洗浄エア噴出口の直径よりも小径であることを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記第3のエア流路の内径は、
    前記第2のエア流路の内径よりも小径であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記第3のエア流路は、
    前記第2のエア流路よりも長いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄装置。
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