JP5824625B2 - スピーカ用ダストキャップおよびこれを用いたスピーカならびにこのスピーカを用いた電子機器および装置 - Google Patents

スピーカ用ダストキャップおよびこれを用いたスピーカならびにこのスピーカを用いた電子機器および装置 Download PDF

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Description

近年、音響機器や映像機器などの電子機器において、デジタル技術の普及により、これらの電子機器に使用されるスピーカについて、性能の向上が強く要請されている。
その中でもダストキャップの性能は、スピーカの高域再生に影響を及ぼし、軽量かつ高剛性であるダストキャップが求められている。
また、一方では低価格化や環境対応化等、高性能化への妨げとなる要求も市場より強く要請されているのが実情である。
従って、今後は高音質、高性能で、かつ低価格化や環境対応化に優れたスピーカ用ダストキャップの開発が必要不可欠となる。
従来のスピーカ用ダストキャップの材料は、針葉樹を叩解して得られた材料が主流である。
また補強剤として、炭素繊維やガラス繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等を使用しているものもある。
これらの抄紙という工程を経て生産されたダストキャップは、生産性が低く、ばらつきが大きいという課題を有している。
一方、樹脂製では、あらかじめダストキャップ形状に設定された金型に、樹脂ペレットを熱溶解させて射出成形して得ているため生産性が高い。
これらの射出成形による樹脂材料の種類としては、ポリプロピレン等の単一材料が一般的によく使用されている。
さらに、これら樹脂では調整が難しい物性値の調整については、マイカ等の強化材を混入して物性値の調整、スピーカとしての特性や音質の調整を実施していた。
尚、これらの出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平3−289298号公報
従来、ダストキャップは、磁気ギャップに埃などが入らないようにするための防塵が目的であったが、近年のスピーカでは、音響機器や映像機器の発達により、スピーカの広帯域化の役目を果たすために、軽量で剛性の高い材料が求められている。
一般に、樹脂製のダストキャップはポリプロピレン樹脂を射出成形して形成することが多く、これにより、生産性が高く、防水性や防湿性に優れたダストキャップを得ていた。
しかしながら、このダストキャップを使用したスピーカは、ダストキャップ材料の剛性が低いため、高音質化の1つである高明瞭度再生化や、大出力化に不利であるという課題を有するものであった。
本発明は前記課題を解決し、ダストキャップの材料剛性を向上させ、スピーカとして高音質化を図り、大出力化、高信頼性化を可能とし、なおかつ環境負荷の小さいスピーカ用ダストキャップおよびこれを用いたスピーカを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、樹脂と、ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料とを含んで射出成形あるいはシート成形され、炭化させた材料は、叩解度を37cc以下にするとともに、500℃以上の温度で炭化させ、平均繊維径が5μmより小さく、さらにL/D(平均繊維長/平均繊維径)が10以上とし、その混入量を3重量%以上で、かつ30重量%以下としてスピーカ用ダストキャップを構成している。
この構成とすることにより、ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料により、ダストキャップの高剛性化を図り、音質を向上させることができ、また、スピーカとしての特性、音質の調整の自由度が大きく、耐湿信頼性や強度を確保することができ、外観も優れたものとすることができ、生産性も向上できるスピーカ用ダストキャップを得ることができる。
以上のように本発明は、樹脂と、ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料とを含んで射出成形またはシート成形され、炭化させた材料は、叩解度を37cc以下にするとともに、500℃以上の温度で炭化させ、平均繊維径が5μmより小さく、さらにL/D(平均繊維長/平均繊維径)が10以上とし、その混入量を3重量%以上で、かつ30重量%以下としてスピーカ用ダストキャップを構成したものであり、この構成により、ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料を樹脂に混入することで、ダストキャップに十分な剛性や強度を与え、ダストキャップの高剛性化を図り、高域の音圧レベル向上や高域限界周波数の拡大等の音質向上を図ることができる。
そして、樹脂材料の特徴でもある耐湿、耐水信頼性を保持したまま、ダストキャップの物性値設定の自由度が大きくなり、スピーカとしての特性、音質の調整の自由度を大きくすることができる。
すなわち、竹繊維をミクロフィブリル状態まで微細にしたことによる効果と、竹繊維を炭化させたことによる効果の相乗効果が発揮され、従来にない音質向上と、特性および音質の調整の自由度を拡大することができる。
また、ダストキャップの強度や信頼性の向上によるスピーカの大出力対応化や外観も優れたものとすることができ、生産性も向上できるスピーカ用ダストキャップを得ることができる。
さらに、本発明は竹繊維を使用していることから、安価で地球環境に優しいスピーカ用ダストキャップを提供することができる。
本発明の一実施の形態におけるスピーカ用ダストキャップの断面図 本発明の一実施の形態におけるスピーカの断面図 本発明の一実施の形態における電子機器の外観図 本発明の一実施の形態における装置の断面図 本発明の一実施の形態におけるミクロフィブリル状態を示すSEM写真
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明について説明する。
図1は、本発明の一実施形態のダストキャップの構成を示した断面図である。
図1に示すように、ダストキャップ30は、樹脂と、ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料とを混入した材料を射出成形またはシート成形して構成している。
ここで示すミクロフィブリル状態は、叩解度が37cc以下まで進んでいることが望ましい。
竹繊維の叩解度と叩解処理した竹繊維を抄紙した材料の引張強度との関係を(表1)に示す。
(表1)より、叩解処理を施し竹繊維を微細化することで繊維同士の絡み合いが促進され、強度が向上していることが分かる。
叩解処理が進んでいない550ccの状態から、叩解処理が進んだ80ccまで徐々に引張強度が上昇する。
竹繊維の叩解度が80ccを越えると、引張強度が向上する度合いは、更に著しくなり、37cc以降で飽和する傾向にある。
材料バラツキを考慮して、安定した特性を得るには37cc以下まで微細化すれば良い。
以上の結果より、37cc以下まで微細化すれば、ミクロフィブリル化材料の補強効果が安定する。
さらに、ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料は、平均繊維径が5μmより小さく、さらにL/D(平均繊維長/平均繊維径)が10以上であることが好ましい。
ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料は、より小さいことが好ましく、小さくすることで、繊維の絡み合いを良好化させることが可能となる。
また、L/D(平均繊維長/平均繊維径)に関しても、より大きいことが好ましく、大きくすることで、繊維の絡み合いを良好化させることが可能となる。
平均繊維径が、5μmより大きい場合は、スピーカ用ダストキャップに竹繊維としての特長を出すことは可能であるが、繊維の絡み合いを強化させるという力は不足する傾向にある。
また、このミクロフィブリル状態まで微細化した竹繊維の製造については、ミキサー、ビーター、リファイナー、圧力式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ガラスやジルコニアなどを原料としたビーズを媒体とした粉砕機や一軸もしくは多軸押出機などが用いられる。
更に、炭化する温度は500℃以上であることが望ましく、500℃以下であれば、繊維の炭化が不十分となり、硬質な炭化材料を得ることができない。
ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料の混入量は、3重量%以上で、かつ30重量%以下が望ましく、この混入量とすることにより、効果的に性能を発揮することができる。
ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料が、3重量%未満の場合は曲げ弾性率を向上させる働きが少なく、効果的ではない。
一方、ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料が、30重量%を超えると樹脂に均一に分散するのが困難になり、また、流動性の低下により射出成形での薄肉成形が困難になる。
ここでいう竹繊維は、竹科の植物であれば特に制約はなく、竹齢1年以内の筍や幼稈レベルのものを除く竹齢1年以上経過、成長した竹であれば良い。
そして竹齢については、1年以上の経過で、本発明に必要な剛性や強靭性を最低限確保できるが、2年以上の経過であればさらに剛性や強靭性が向上し、さらに3年以上の経過であればそれ以上に剛性や強靭性が向上する。
このミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料は曲げ弾性率を向上させる働きがあり、振動板の剛性と音速が向上し、歪みを低減して、再生帯域を拡大することが可能となる。
次に、炭化による効果とミクロフィブリル化による効果の相乗効果について説明する。
まず、竹繊維をミクロフィブリル状態まで微細化することで、図5に示すような枝状に繊維が分岐した構造が得られ、この分岐構造により樹脂やその他のフィラーとの絡み合いが向上する。
さらに、炭化させることで竹繊維自体の弾性率と内部損失が向上するため、絡み合いの向上との相乗効果により、樹脂に混入することで、ダストキャップに十分な剛性や強度を与え、ダストキャップの高剛性化を図り、音速を向上させ、高域の音圧レベル向上や高域限界周波数の拡大等のスピーカの高音質化を実現することができる。
すなわち、炭化させることで竹繊維自体の弾性率と内部損失が向上して相乗的に効果を発揮させることができ、スピーカの高音質化である高明瞭度再生化や、締りのある音響再生、高音域特有のダストキャップの剛性不足に起因する共振を低減した低歪でクリアな音質再生、高音域での音圧向上や再生帯域の拡大を実現することができ、良好な音質を提供することができる。
ミクロフィブリル化などの微細化処理を施していない材料を炭化することで、材料自身の高剛性化は可能となるが、この場合、樹脂材料との親和性が低いため効果的に補強材として作用することが困難である。
そのため、改善策として従来技術では、シラン処理などの表面処理を行い樹脂とフィラーとの接着性を向上させてきた。
今回の発明では、ミクロフィブリル状態まで竹繊維を微細化しているため、アンカー効果による機械的な接着性も向上しており、よって、必要最低限の表面処理で樹脂とフィラーとの親和性を得られるため、コストの低下も期待できる。
また、上記ダストキャップを射出成形またはシート成形により得ることで生産性や寸法安定性が向上したダストキャップを得ることができる。
そして、これらの樹脂、さらには、混入材である強化材料を多岐にわたる材料の中から、選定し適切に配合比率を設定していくことで、従来では不可能であった精度の高い特性や音質の調整が可能となる。
さらに、色彩等の意匠上も、その組合せにより多岐にわたるデザインが可能となる。
そして、その組合せによるバリエーションについても多岐に設定でき、特性づくり、音づくり、デザイン上において、所望の要求を満足させることができる。
以上のように、竹繊維をミクロフィブリル状態まで微細にしたことによる効果と、竹繊維を炭化させたことによる効果の相乗効果が発揮され、従来にない音質向上と、特性および音質の調整の自由度を拡大することができる。
そして、樹脂材料の特徴でもある耐湿、耐水信頼性を保持したまま、ダストキャップの物性値設定の自由度が大きくなり、スピーカとしての特性、音質の調整の自由度を大きくすることができる。
また、ダストキャップの強度や信頼性の向上によるスピーカの大出力対応化や外観も優れたものとすることができ、生産性も向上できるスピーカ用ダストキャップを得ることができる。
さらに、本発明は竹繊維を使用していることから、安価で地球環境に優しいスピーカ用ダストキャップを提供することができる。
さらに天然繊維を混入すると自然で明るい音色を再生することができ、樹脂特有の暗くて画一的な音色を抑えることができる。
天然繊維は針葉樹、広葉樹を原料とした木材繊維、竹、ケナフ、ジュート、マニラ麻、ガンピなどの非木材繊維を利用することができる。
針葉樹や広葉樹を原料とした木材パルプを用いることで、内部損失が高く、ぬくもりのある音質を得ることができる。
一方で、針葉樹や広葉樹などの木材は成長するのに40年以上かかるため、一度伐採すると復帰に時間がかかり、環境に及ぼす負荷が非常に大きい。
そのため、竹、ケナフ、ジュート、マニラ麻、ガンピなどの非木材繊維は、木材繊維に比べ、成長速度が速く環境に及ぼす負荷も小さいため、限られた資源を活用するうえで有効な材料である。
一般的に非木材繊維は、木材繊維に比べて、靱性があり、剛直であるためダストキャップの高剛性化に適している。
ダストキャップの剛性が向上することで、音速が向上しクリアな音質と、高明瞭度再生が可能となる。
数ある非木材繊維のなかでも、竹は剛性が高く、軽いため竹を材料として用いることが望ましい。
混入する竹繊維は3重量%以上で、かつ60重量%以下が望ましい。
この配合比率範囲とすることにより、樹脂と、ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料とを混練したときの効果が効率よく発揮され、かつ生産性と品質とが向上する。
竹繊維の混入比率が3重量%に満たない場合は、竹繊維の効果がほとんど現れない。
一方、60重量%より多い場合は樹脂との混練に長時間必要となり、さらに、射出成形が困難となることから生産性と寸法安定性が低下し形状の自由度が小さくなる。
その中でも竹繊維の混入量が51重量%を越えると樹脂とは違い、竹繊維のように焼却廃棄することができる。
また、混入する竹繊維の一部は叩解度が37cc以下のミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維とすることで、竹繊維自体が通常の竹繊維より高弾性率であるのと、部分的にミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維が存在することで、繊維間の結合がより強固になるという効果もあり、これらが相乗して通常の竹繊維よりも弾性率が高くなるために、より音速を向上させることができる。
また、竹繊維を多くして、より自然で明るい音色にしたい場合は、竹繊維の一部またはすべてに竹粉を使用しても良い。
さらに、竹繊維の一部または全部を竹炭状態にすることで弾性率と内部損失を向上させることができ、ダストキャップとしての性能を一層向上させることができる。
また、顔料などの着色剤を混入しても良いが、炭化状態の竹繊維を使用すれば黒系色等の着色剤を混入する必要もない。
炭化させた竹材料である竹炭は、樹脂に混入する際には粒径が150μm以下であることが望ましく、150μmより大きくなると分散が困難となり、外観不良や品質バラツキを発生しやすくなる。
また、竹炭の粒径は、ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料に近づけた方が分散性が向上し、より効果的に機能する。
ここでの炭化させた竹材料の炭化工程は、竹材料の形態は限定されず500℃以上の温度で焼成する工程をいう。
さらに、ダストキャップ30の強化や、音に多少のアクセントを付けたり、音圧周波数特性にピークを持たせて音質調整したい場合には、強化材を混入してもよい。
このような強化材としてマイカ、グラファイト、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、さらには炭素繊維、アラミド繊維を用いることができる。
強化材にマイカを混入すると弾性率を高くすることができ、グラファイトを混入すると弾性率と内部損失を上げることができる。
タルク、炭酸カルシウム、クレイを混入すると内部損失を上げることができる。
アラミド繊維を使用すると、竹繊維とアラミド繊維が絡み合い弾性率を下げずに内部損失を上げることができる。
また、ミクロフィブリル状態まで微細化したアラミド繊維を使用すると、より繊維間の絡み合いが強くなるため、高弾性率、高内部損失が可能となる。
また、アラミド繊維に限らず化学繊維として炭素繊維のような高強度、高弾性率繊維を使用しても良い。
また、相溶化剤を使用することで、ポリプロピレンのような非極性樹脂とミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料の相溶性を良化させることで弾性率や耐熱性を向上させることが可能となる。
特に、前記相溶化剤には、ビニル基やメタクリロキシ基、メルカプト基を有するシランを用いることが望ましい。
具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
また、相溶化剤はこれに限定されることなく、その他のシランカップリング剤や、非極性の樹脂は無水マイレン酸などで変性し、極性を持たせて用いても良い。
このダストキャップ30について樹脂にはポリプロピレンを使用することが望ましい。
ポリプロピレンは結晶性で比較的、耐熱性が高く、成形性も良好であり、また、比重が小さい樹脂であるのでダストキャップの軽量化にも効果がある。
また、ポリプロピレン以外のオレフィン樹脂でポリメチルペンテンを使用しても軽量化に有効である。
また、結晶性の樹脂と非晶性の樹脂を用途に応じて使い分けすることで、樹脂材料としての最適な物性値を満足させることが可能となる。
その他にも、エンジニアリングプラスチックや、環境配慮のためにポリ乳酸に代表される植物由来樹脂を使用しても良い。
なお、これらの材料をそれぞれ組合せることで、ダストキャップ30の物性値を自由に、しかも高精度に調整することができ、所定の特性と音質を実現することが可能となる。
また、ポリプロピレンは一般的に入手しやすく、射出成形も容易であるが、本発明は当樹脂材料に限定されることなく、その所望の特性値に応じて使い分けすることができる。
例えば、高い耐熱性や、高い耐溶剤性が必要な場合は、その用途に合致したエンジニアリングプラスチックを使用することも可能である。
また、環境配慮のために植物由来樹脂、特にポリ乳酸を使用することも可能である。
ポリ乳酸はポリプロピレンよりも竹材料との相溶性が比較的良く、さらにタンニンなどを相溶化剤に用いることで、相溶性がさらに向上する。
以上のように本発明は、樹脂とミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料とを混入した材料を、射出成形またはシート成形してスピーカ用ダストキャップを構成することにより、ダストキャップの物性値設定の自由度が大きくなり、特に竹繊維の特徴である高弾性率を生かしながら、樹脂の高内部損失、耐湿信頼性を確保し、外観に優れ、生産性や寸法安定性も向上できるダストキャップを得ることができる。
そして、このミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維と、これをさらに炭化させた材料については、スピーカの再生帯域の中でも特にダストキャップが受持つ再生帯域、すなわち中高音域から高音域にかけて良好な特性と音質をもたらすものであり、これらの意味からも、本願の材料はダストキャップを構成する上において最適な材料であり、大きな効果を奏するものである。
以上、ダストキャップの内容について説明したが、ダストキャップと同程度の再生帯域を受持つ他のスピーカ用の構成部品として、サブコーンが存在し、本発明は、ダストキャップのみならず、このサブコーンに適用しても、ダストキャップ同様に最適な材料であり、大きな効果を奏するものである。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明について説明する。
図2は、本発明の一実施の形態のスピーカの断面図を示したものである。
図2に示すように、着磁されたマグネット21を上部プレート22およびヨーク23により挟み込んで内磁型の磁気回路24を構成している。
この磁気回路24のヨーク23にフレーム26を結合している。
このフレーム26の周縁部に、振動板27をエッジ29を介して接着している。
そして、この振動板27の中心部にボイスコイル28の一端を結合するとともに、反対の一端を上記磁気回路24の磁気ギャップ25にはまり込むように結合して構成している。
そして、振動板27の前面に請求項1記載のダストキャップ30を結合して構成している。
以上は、内磁型の磁気回路を有するスピーカについて説明したが、これに限定されず、外磁型の磁気回路を有するスピーカに適用しても良い。
この構成により、実施の形態1において説明したように、スピーカの高音質化すなわち高明瞭度再生化や、締りのある音響再生、高音域特有のダストキャップの剛性不足に起因する共振を低減したクリアな音質再生、高音域での音圧向上や再生帯域の拡大を実現することができ、良好な音質を提供することができる。
また、スピーカの大出力対応化、高信頼性化も実現することができる。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明について説明する。
図3は、本発明の一実施の形態の電子機器であるオーディオ用のミニコンポシステムの外観図を示したものである。
スピーカ31は、エンクロジャー41に組込まれてスピーカシステムが構成されている。
アンプ42はスピーカシステムに入力する電気信号の増幅回路を含み、プレーヤ等の操作部43はアンプ42に入力されるソースを出力する。
電子機器であるオーディオ用のミニコンポシステム44は、このようにアンプ42、操作部43、スピーカシステムを有する。
アンプ42、操作部43、エンクロジャー41は、ミニコンポシステム44の本体部であり、スピーカ31のボイスコイルは、本体部のアンプ42から給電されて振動板から音を発する。
この構成により、従来では実現できなかった高音質化、すなわち高明瞭度再生化や、締りのある音響再生、高音域特有のダストキャップの剛性不足に起因する共振を低減したクリアな音質再生、高音域での音圧向上や再生帯域の拡大を実現することができ、良好な音質を可能としたミニコンポシステム44が得られる。
尚、スピーカ31の機器への応用として、オーディオ用のミニコンポシステム44について説明したが、これに限定されることなく持運び可能なポータブル用のオーディオ機器等への応用も可能であり、さらに、液晶テレビやプラズマディスプレイテレビ等の映像機器、携帯電話等の情報通信機器、コンピュータ関連機器等の電子機器に広く応用、展開が可能である。
(実施の形態4)
以下、実施の形態4を用いて、本発明について説明する。
図4は、本発明の一実施の形態の装置である自動車50の断面図を示したものである。
図4に示すように、本発明のスピーカ31をリアトレイやフロントパネルに組込んで、カーナビゲーションやカーオーディオの一部として使用して自動車50を構成したものである。
この構成とすることにより、スピーカ31の特徴を生かした高音質化、すなわち高明瞭度再生化や、締りのある音響再生、高音域特有のダストキャップの剛性不足に起因する共振を低減したクリアな音質再生、高音域での音圧向上や再生帯域の拡大を実現することができ、このスピーカ31を搭載した自動車等の装置の音質を向上させることができる。
本発明にかかるスピーカ用ダストキャップ、スピーカ、電子機器および装置は、精度の高い特性づくり、音づくりが必要な映像音響機器や情報通信機器等の電子機器、さらには自動車等の装置に適用できる。
21 マグネット
22 上部プレート
23 ヨーク
24 磁気回路
25 磁気ギャップ
26 フレーム
27 振動板
28 ボイスコイル
29 エッジ
30 ダストキャップ
31 スピーカ
41 エンクロジャー
42 アンプ
43 操作部
44 ミニコンポシステム
50 自動車

Claims (15)

  1. 樹脂と、ミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維を炭化させた材料とを含んで射出成形またはシート成形されたスピーカ用ダストキャップであって、前記炭化させた材料は、叩解度を37cc以下にするとともに、500℃以上の温度で炭化させ、平均繊維径が5μmより小さく、さらにL/D(平均繊維長/平均繊維径)が10以上とし、その混入量を3重量%以上で、かつ30重量%以下としたスピーカ用ダストキャップ。
  2. 天然繊維をさらに含む請求項1記載のスピーカ用ダストキャップ。
  3. 天然繊維は竹繊維とした請求項記載のスピーカ用ダストキャップ。
  4. 竹繊維は3重量%以上で、かつ60重量%以下とした請求項記載のスピーカ用ダストキャップ。
  5. 竹繊維の一部は叩解度が37cc以下のミクロフィブリル状態まで微細にした竹繊維とした請求項記載のスピーカ用ダストキャップ。
  6. 竹繊維の一部または全部を竹粉とした請求項記載のスピーカ用ダストキャップ。
  7. 竹繊維の一部または全部を竹炭とした請求項記載のスピーカ用ダストキャップ。
  8. マイカ、タルク、グラファイト、クレイ、炭酸カルシウム、アラミド繊維のうちの少なくともいずれか1つを強化材として含む請求項1から請求項に記載のスピーカ用ダストキャップ。
  9. ビニル基を有するシラン化合物からなる相溶化剤をさらに含む請求項1から請求項に記載のスピーカ用ダストキャップ。
  10. 樹脂はポリプロピレンとした請求項1記載のスピーカ用ダストキャップ。
  11. 樹脂は、エンジニアリングプラスチックとした請求項1記載のスピーカ用ダストキャップ。
  12. 樹脂は、植物由来のポリ乳酸とした請求項1記載のスピーカ用ダストキャップ。
  13. 磁気回路と、前記磁気回路に結合されたフレームと、このフレームの外周部に結合されたスピーカ用振動板と、前記振動板に結合されるとともに、その一部が前記磁気回路から発生する磁束の作用範囲内に配置されたボイスコイルと、請求項1記載のスピーカ用ダストキャップを備えたスピーカ。
  14. 本体部と、磁気回路と、前記磁気回路に結合されたフレームと、このフレームの外周部に結合されたスピーカ用振動板と、前記振動板に結合されるとともに、その一部が前記磁気回路から発生する磁束の作用範囲内に配置されたボイスコイルとを有し、請求項1記載のスピーカ用ダストキャップを備え、前記本体部から給電されるスピーカとを備えた電子機器。
  15. 磁気回路と、前記磁気回路に結合されたフレームと、このフレームの外周部に結合されたスピーカ用振動板と、前記振動板に結合されるとともに、その一部が前記磁気回路の磁気ギャップに配置されたボイスコイルと、請求項1記載のスピーカ用ダストキャップからなるスピーカを移動手段に備えた装置。
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