JP5823575B1 - 封止部材、封止構造及び遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】不正アクセスの痕跡が確実に残るようにしながらも、それを封止対象箇所に装着する際には破損しにくい構造の封止部材を提供する。【解決手段】座ぐり面21aが形成された封止穴21に嵌め込むことにより、封止穴21の奥部に位置する封止対象箇所を封止する封止部材1を、封止穴21に対して下端側から挿入することにより封止対象箇所を塞ぐ封止穴挿入部11と、封止穴挿入部11の上端外周部から外方に突出して設けられたフランジ部12と、封止穴挿入部11の外周部におけるフランジ部12が設けられた箇所よりも下側に所定間隔を隔てた箇所から外方に突出して設けられたストッパー用突起13とを備えたものとした。ストッパー用突起13は、フランジ部12よりも、上下方向の外力に対して強靭に形成されており、封止穴挿入部11を封止穴21に挿入した際に座ぐり面21aに当接する部分となっている。【選択図】図3

Description

本発明は、封止対象箇所を封止するための封止部材と、この封止部材を用いて封止対象箇所を封止する封止構造と、この封止部材を用いて封止対象箇所を封止した遊技機とに関する。
遊技機は、様々な不正行為の対象となりうる。例えば、遊技機の筺体の内部には、基板ユニットが収容されており、この基板ユニットには、遊技機を制御するためのプログラムが記録された記憶装置(通常はROM)が装着されているが、この記憶装置を偽造されたもの(いわゆる偽造ROM)に差し替えるという不正行為が知られている。この種の不正行為を防止するため、遊技機の各メーカーは、基板ユニット等、不正行為の対象となる機器を、カバーで覆った構造とするとともに、そのカバーを閉じるためにネジ留めした箇所を封止部材で封止し、そのネジ留めした箇所にアクセスしにくくする対策を行っている。この対策に用いられる封止部材としては、これまでにいくつか提案されている。なかには、ネジ留めした箇所へのアクセスを許したとしても、その痕跡が封止部材自体に残るように工夫を施したものも提案されている。
例えば、特許文献1の図6には、樹脂材料からなる遮蔽キャップ50(封止部材)であって、円筒部51と、円筒部51の上端に形成されたフランジ部52と、円筒部51の外周面から外方に突出する係合突起53とで構成されるとともに、フランジ部52に矩形開口54を設けて、その内側に蓋部55を配し、蓋部55とフランジ部52とを薄肉連結部56a及び連結部56bとで連結したものが記載されている(同文献の段落0025〜0026)。これにより、同文献の図11に示すように、蓋部55を下側に押し込んで連結部56bを破断させ、薄肉連結部56aが折れ曲がってその周辺を白化させないかぎりは、ネジ留めした箇所へアクセスできないようにすることが可能になるとされている(同文献の段落0032)。
しかし、特許文献1の遮蔽キャップ50は、係合突起53を内側に押し込んでその係合を解除することにより、遮蔽キャップ50に殆ど痕跡を残すことなく、それを嵌め込んだ箇所から取り外すことが可能になるという欠点を有している。すなわち、同文献の図10に示すように、カバー30に設けた座ぐり部35に遮蔽キャップ50を嵌め込んで封止した場合について考えると、座ぐり部35の内周面とフランジ部52の外周面との隙間にマイナスドライバを挿し込んで、マイナスドライバの先端で係合突起53を内側に押し込むことで、遮蔽キャップ50自体が取り外される可能性がある。この場合、フランジ部52の外周部に多少の傷は残るものの、連結部56b(同文献の図6及び図10)が破断することはない。したがって、上記方法によって遮蔽キャップ50を取り外し、ネジ留めを解除してカバー30を開け、ROMを差し替える等の不正行為を行った後、再度、カバー30を閉じてネジ留めし、そのネジ留めした箇所を同じ遮蔽キャップ50で封止を行った場合には、不正行為を発見しにくくなるという問題がある。
また、特許文献2の図5には、それをこじ開けようとした痕跡が残るようにしたカバー50(封止部材)であって、その裏面側に、固定側部品40の当接面404aに当接するための突片502を有し、カバー50における突片502の根元502aの周辺を透明に形成するとともに、その根元502a付近に脆弱部505を形成したものが記載されている(同文献の段落0033〜0043)。これにより、固定側部品40に固定されたカバー50をこじ開けようとした際には、固定側部品40の当接面404aからカバー50の突片502に外力が加わるようになり、その外力が集中する突片502の根元502a付近に設けられた脆弱部505に破壊痕や破断痕が残るようにすることが可能になるとされている(同文献の段落0010)。
しかし、特許文献2のカバー50は、それを固定側部材40に対して嵌め込む際に、突片502の付根502a付近から外方に突出して設けられた部分(封印片511)が固定側部材40等に強く当たってしまうと、そのときの衝撃で脆弱部505が破損するおそれがある。このため、同文献のカバー50を固定側部材40に嵌め込む際には、封印片511が固定側部材40に強く当たらないように細心の注意を払いながら行う必要があるところ、そのような注意を払っていたとしても、封印片511が固定側部材40に強く当たるのを完全に防ぐことは、必ずしも容易ではないと考えられる。というのも、同文献のカバー50は、同文献の図2に示すように、その裏面側に設けられた爪部501を、固定側部材40に設けられた爪係止孔403に係止させることにより、固定側部材40に固定される構造となっているが(同文献の段落0031)、爪部501を爪係止孔401にしっかりと係止させるためには、カバー50をある程度強い力で押し込む必要があるからである。
特開2003−340092号公報 特開2012−178273号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、遊技機等の封止対象箇所(ネジ留めした箇所等)を封止して封止対象箇所に不正アクセスしにくくするだけでなく、仮に封止対象箇所への不正アクセスを許した場合であっても、その痕跡が確実に残るようにし、不正アクセスがあったことを容易に発見することができるようにしながらも、それを封止対象箇所に装着する際には破損しにくい構造の封止部材を提供するものである。また、この封止部材によって封止対象箇所を封止する封止構造を提供することも本発明の目的である。さらに、この封止部材によって封止対象箇所が封止された遊技機を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
座ぐり面が形成された封止穴に嵌め込むことにより、前記封止穴の奥部に位置する封止対象箇所を封止する封止部材であって、
前記封止穴に対して下端側から挿入することにより、封止対象箇所を塞ぐ封止穴挿入部と、
封止穴挿入部の上端外周部から外方に突出して設けられたフランジ部と、
封止穴挿入部の外周部におけるフランジ部の付根が設けられた箇所よりも下側に所定間隔を隔てた箇所を付根として外方に突出して設けられたストッパー用突起と、
を備え、
封止穴挿入部を前記封止穴に挿入した際に、フランジ部よりも上下方向の外力に対して強靭に形成されたストッパー用突起が前記座ぐり面に当接することにより、フランジ部が前記座ぐり面に当接しないようにしたことを特徴とする封止部材
を提供することによって解決される。
ここで、「封止対象箇所」とは、それに対するアクセスを制限するために封止を行う必要がある箇所のことを云う。具体的には、上述した遊技機を例に挙げれば、遊技機を制御するためのプログラムが記録された記憶装置等、不正行為の対象となる機器を覆うカバーを閉じるためにネジ留めした箇所等が例示される。遊技機以外の例を挙げれば、車のナンバープレートを車体に取り付けるためにネジ留めした箇所等が例示される。また、「封止穴」とは、その入口となる開口部分を有し、その奥部に封止対象箇所が設けられた穴状の部分のことを云う。封止穴の内周面は、必ずしも、封止穴の入口から奥部にかけて連続して形成されている必要はない。
さらに、「封止穴に対して下端側から挿入」、「封止穴挿入部の上端外周部」、「フランジ部が設けられた箇所よりも下側」又は「上下方向の外力」における「上」又は「下」という語は、封止穴に対して封止部材を挿入する向き(封止穴の入口から奥部に向かう向き。図3におけるy軸方向正側。)を「下向き」とし、それとは逆向き(封止穴の奥部から入口に向かう向き。図3におけるy軸方向負側。)を「上向き」とした場合において、封止部材の各部の位置関係を相対的に表現するために便宜的に用いたものであり、封止部材を使用する向きを限定するものではない。「上」又は「下」という語が、封止部材を挿入する向きとの関係で各部の位置関係を相対的に表現するものであることについては、特に断りのない限り、以下においても同様である。
本発明の封止部材は、封止対象箇所に不正アクセスがあったことを容易に発見することができるものとなっている。すなわち、本発明の封止部材が嵌め込まれた封止穴の奥部に位置する封止対象箇所にアクセスするためには、ドリル等で封止穴挿入部やフランジ部に穴をあけるか、若しくは、封止部材のフランジ部の外周面と封止穴の内周面との隙間に不正挿入具(マイナスドライバや角キリ等、その先端部を狭い隙間に挿入することができる器具であって、封止対象箇所に不正アクセスすることを目的として使用されるもの。)を挿し込んで封止部材を封止穴から引き抜くかしなければならない。しかし、前者の場合には、封止穴挿入部やフランジ部に不正アクセスの痕跡(穴)が視認可能な状態で残る。一方、後者の場合には、前記隙間に不正挿入具を挿し込んだ際にフランジ部がそれに加えられた外力によって塑性変形(破断、ヒビ割れ又は白化等)するため、フランジ部周辺に不正アクセスの痕跡が視認可能な状態で残る。特に、後述するように、封止部材を合成樹脂で形成した場合には、それが塑性変形する箇所が顕著に白化するようになり、不正アクセスの痕跡をさらに視認しやすくすることができる。このように、本発明の封止部材は、それに痕跡を残すことなく、封止対象箇所にアクセスすることが非常に困難なものとなっている。
また、本発明の封止部材では、封止穴挿入部を封止穴に挿入した際に封止穴の座ぐり面に当接するストッパー用突起を設けているため、封止部材を封止穴に嵌め込む際には、フランジ部が封止穴の座ぐり面に当接しない構造となっている。このため、破断等の塑性変形がフランジ部に生じやすい(フランジ部に不正アクセスの痕跡が残りやすい)ように、フランジ部を脆弱に形成していても、封止部材を封止穴に嵌め込む際に、フランジ部が破損しないようにすることが可能となっている。すなわち、本発明の封止部材は、不正アクセスがあったときには、フランジ部が破損しやすく、封止部材を封止穴に嵌め込むときには、フランジ部が破損しにくい、という一見矛盾する2つの要求を同時に満たすことができるものとなっている。本発明の構成は、封止穴に挿入された封止穴挿入部を封止穴が設けられた側の部材に係合させるための係合部が封止穴挿入部に設けられた構造の封止部材において採用すると特に好ましい。この種の封止部材は、封止穴が設けられた側の部材に係合部をしっかりと係合させるために、封止部材をある程度強い力で押し込む必要があり、封止穴が設けられた側の部材に強く当たりやすいため、本発明の構成を採用する意義が高まるからである。
本発明の封止部材において、ストッパー用突起をフランジ部よりも上下方向の外力に対して強靭に形成する方法、換言すると、フランジ部をストッパー用突起よりも上下方向の外力に対して脆弱に形成する方法は、特に限定されない。例えば、フランジ部をストッパー用突起よりも脆弱な(強度が低い)素材で形成する方法等が挙げられる。しかし、この場合には、フランジ部とストッパー用突起とで使用する素材を切り替える必要が生じるため、封止部材の一体成形が困難になり、封止部材の製造コストが増大するおそれがある。このため、フランジ部を、ストッパー用突起よりも薄く(上下方向の厚さが小さくなるように)形成すると好ましい。ここで、「フランジ部を、ストッパー用突起よりも薄く形成する」とは、「フランジ部の上下方向の厚さ(フランジ部の厚さが場所によって異なる場合には、その厚さが最小となる部分の厚さ。)が、ストッパー用突起における封止穴の座ぐり面に当接する部分の上下方向の厚さ(当該部分の厚さが場所によって異なる場合には、その厚さが最小となる部分の厚さ。)よりも薄くなるように形成する。」という意味である。
フランジ部におけるストッパー用突起よりも薄く形成する場所や方法は、特に限定されない。例えば、フランジ部の先端部分(外縁部)のみがストッパー用突起よりも薄くなるようにしてもよい。しかし、この場合には、封止部材のフランジ部の外周面と封止穴の内周面との隙間に不正挿入具が挿し込まれた場合に、フランジ部の先端部分のみの僅かな範囲しか破損せず、不正アクセスの痕跡が目立ちにくくなるおそれがある。このため、フランジ部の前記付根がストッパー用突起よりも薄くなるようにすると好ましい。具体的には、フランジ部の前記付根に沿って、フランジ部に上下方向の外力が所定以上の強さで加えられた際にフランジ部を封止穴挿入部から破断させるための破断溝を環状に形成すると好ましい。これにより、前記隙間に不正挿入具が挿し込まれた場合に、フランジ部が前記付根を起点として大きく破損するようにして、不正アクセスの痕跡をより目立ちやすくすることが可能になる。前記隙間に挿し込まれた不正挿入具からフランジ部に加えられる力のモーメントは、フランジ部の前記付根で最も大きくなるからである。
このとき、破断溝は、フランジ部の下面側に形成してもよいが、フランジ部の上面側に形成すると好ましい。これにより、封止部材のフランジ部の外周面と封止穴の内周面との隙間に不正挿入具が挿し込まれた際に、フランジ部の前記付根をより確実に破断させることが可能になる。というのも、前記隙間に不正挿入具を挿し込むと、フランジ部は、その先端部分(外縁部)が下側に押し込まれた状態となるため、フランジ部の前記付根の下面側が圧縮され、フランジ部の前記付根の上面側が引っ張られた状態となりやすいが、引っ張られた状態となる上面側に破断溝を形成しておくと、その破断溝を起点としてフランジ部の前記付根が破断しやすくなるからである。破断溝は、その断面形状(破断溝の延びる方向に垂直な断面の形状。以下同じ。)を特に限定されるものではないが、断面V字状に形成すると好ましい。これによっても、前記隙間に不正挿入具が挿し込まれた際に、破断溝を起点としてフランジ部の前記付根をさらに破断させやすくすることが可能になる。
本発明の封止部材において、ストッパー用突起は、封止穴挿入部の外周部全周に連続して形成してもよい。しかし、この場合には、上述したように、封止部材を射出成形しようとすると、射出金型におけるフランジ部とストッパー用突起との隙間を形成する部分を長く設ける必要があり、射出金型にトラブルが生じやすくなるおそれがある。というのも、射出金型におけるフランジ部とストッパー用突起との隙間を形成する部分の厚さは、薄くなりがちで、当該部分が長く設けられると、当該部分が破損等するトラブルが生じやすくなるからである。このため、ストッパー用突起は、封止穴挿入部の外周部における複数箇所に分断して形成すると好ましい。これにより、射出金型に薄くなる部分を長く連続して形成する必要がなくなり、射出金型にトラブルが生じにくくすることが可能になる。
また、上記課題は、上記の封止部材(本発明の封止部材)によって封止対象箇所を封止する封止構造を提供することによっても解決される。本発明の封止構造においては、封止部材を、封止穴が形成された部材よりも強度(特に曲げ強度)の低い材料によって形成すると好ましい。これにより、封止穴の内周面と封止部材のフランジ部の外周面との隙間に不正挿入具が挿入された場合などには、封止穴が形成された部材よりも先に封止部材が破損するようにすることが可能になる。したがって、不正アクセスの痕跡が封止部材のみに残るようにして、封止穴が形成された部材に被害が及ぶのを防ぐことが可能になる。
以上のように、本発明によって、遊技機等の封止対象箇所(ネジ留めした箇所等)を封止して封止対象箇所に不正アクセスしにくくするだけでなく、仮に封止対象箇所への不正アクセスを許した場合であっても、その痕跡が確実に残るようにし、不正アクセスがあったことを容易に発見することができるようにしながらも、それを封止対象箇所に装着する際には破損しにくい構造の封止部材を提供することが可能になる。また、この封止部材によって封止対象箇所を封止する封止構造を提供することも可能になる。さらに、この封止部材によって封止対象箇所が封止された遊技機を提供することも可能になる。
回胴式遊技機の全体を示した斜視図である。 図1の回胴式遊技機における基板ユニットを拡大して示した斜視図である。 第一実施態様の封止部材を封止穴に嵌め込んでいる様子を示した斜視図である。 第一実施態様の封止部材を封止穴に嵌め込んだ状態を示した斜視図である。 第一実施態様の封止部材を封止穴に嵌め込んだ状態をx−y面に平行でストッパー用突起を通る平面で切断して示した断面斜視図である。 第一実施態様の封止部材を封止穴に嵌め込んだ状態をx−y面に平行でストッパー用突起を通る平面で切断して示した断面図である。 第一実施態様の封止部材をその一部を切除して示した斜視図である。 第一実施態様の封止部材をz軸方向正側から見た状態を示した平面図である。 第一実施態様の封止部材をx軸方向正側から見た状態を示した側面図である。 係合部を区画する離間溝を「コ」の字形状に設けた封止部材の一例を示した側面図である。 係合部を区画する離間溝を「コ」の字形状に設けた封止部材の他例を示した側面図である。 第二実施態様の封止部材を示した斜視図である。 第二実施態様の封止部材をy−z平面に平行で封止穴挿入部の中心線を通る平面で切断して示した断面斜視図である。 第三実施態様の封止部材を示した斜視図である。 第三実施態様の封止部材をy−z平面に平行で封止穴挿入部の中心線を通る平面で切断して示した断面斜視図である。 第三実施態様の封止部材を封止穴に嵌め込んだ状態をy軸方向正側から見た状態を示した背面図である。
[1] 本発明の概要
本発明の封止部材、封止構造及び遊技機の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。本発明の封止部材は、その用途を特に限定されるものではなく、その奥部に封止対象箇所が設けられた封止穴を有する各種のものに使用することができる。具体的には、遊技機における不正行為を防止するために封止する必要のある箇所や、改造が禁止された機器や装置の改造を防止するために封止する必要のある箇所や、車両のナンバープレートの付け替えを防止するために封止する必要のある箇所等が例示される。以下においては、説明の便宜上、本発明の封止部材を回胴式遊技機(スロットマシン)に使用する場合を例に挙げて説明する。
図1は、回胴式遊技機5の全体を示した斜視図である。図2は、図1の回胴式遊技機5における基板ユニット55を拡大して示した斜視図である。図1及び図2においては、x−y平面が水平面となっており、z軸方向正側が鉛直方向上側となり、z軸方向負側が鉛直方向下側となるように描いている。この点については、後述する図3以降の図面においても同様である。
回胴式遊技機5は、図1に示すように、本体51a及び前扉51bからなる筺体51の内部に、リール52や、ホッパー装置53や、電源ユニット54や、基板ユニット55や、液晶ユニット56や、コネクタユニット57等の各種機器が収容されたものとなっている。これらの機器のうち、基板ユニット55は、回胴式遊技機5を制御するためのプログラムが記録された記憶装置(ROM)が搭載された基板を有している。この記憶装置が偽造されたものに交換されると、特定の操作を行うと必ず大当たりになるようにする等、悪意のある遊技者に不正な遊技を許してしまう。このため、基板ユニット55は、その記憶装置の交換ができないように、封をする必要がある。したがって、基板ユニット55は、図2に示すように、記憶装置が搭載された基板が基板カバー55cを介して収容されたユニットホルダ55aを、ユニットカバー55bで覆った構造とすることが多い。このユニットカバー55bは、その所定箇所に設けたネジ穴55bにネジを螺合することにより、ユニットホルダ55aに対して固定することができるようになっている。
本発明の封止部材1は、図2に示すように、上記のユニットカバー55bに設けられたネジ穴55bを封止するものとして好適に使用することができる。後述する図3以降の図面も、ユニットカバー55b(カバー2)に設けたネジ穴55b(封止穴21)に封止部材1を嵌め込んだ場合(図2における破線部で囲まれたネジ穴55bに封止部材1を嵌め込んだ場合)を想定して図示したものとなっている。これにより、ユニットホルダ55aからユニットカバー55bを取り外すことができないようにすることが可能になる。ところで、図1に示す回胴式遊技機5では、液晶ユニット56や、コネクタユニット57等も不正行為の対象となる。このため、これら液晶ユニット56や、コネクタユニット57等においても、基板ユニット55と同様の構成を採用することができる。
以上のように、本発明の封止部材1は、回胴式遊技機5におけるユニットカバー55bに設けられたネジ穴55b等の封止穴を封止することにより、当該封止穴の奥部にあるネジが不正に取り外されないようにする等、封止対象箇所への不正アクセスを防止するものとなっている。また、本発明の封止部材1は、そのような不正アクセスが試みられた際には、破断等の塑性変形を生ずることで、不正アクセスの痕跡を残し、不正アクセスがあったことを容易に発見することができるものとなっている。
封止部材1を形成する材料の種類は、特に限定されないが、樹脂を採用すると好ましい。これにより、射出成形等によって、封止穴挿入部11とフランジ部12とを一体的に成形することが可能になり、封止部材1の成形性を高めることができる。加えて、樹脂は、折曲げや破断等の塑性変形が生じた場合には、その塑性変形が生じた部分が白くなる、いわゆる「白化」という現象が生じる。このため、不正アクセスによってフランジ部12が破断するまでは至らなかった場合であっても、その不正アクセスの痕跡が白化という形で封止部材1に残るようにすることが可能になる。白化を目立ちやすくして、不正アクセスの痕跡をより発見しやすくするためには、封止部材1は、透光性(透明を含む。)を有する合成樹脂で成形するとより好ましい。透光性を有する合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートや、ポリスチレンや、ABS樹脂や、アクリル等が例示される。
一方、封止穴21が形成された側の部材(カバー2)を形成する材料の種類も、特に限定されないが、封止部材1よりも強度の高い材料によって形成すると好ましい。これにより、封止穴21の内周面とフランジ部12の外周面との隙間にマイナスドライバ等の工具を挿し込むこと等により、封止穴21から封止部材1を無理矢理取り外して、封止対象箇所Aに不正アクセスを試みる者があった場合には、封止穴21が形成された部材(カバー2)よりも先に封止部材1が破損するようにすることが可能になる。したがって、不正アクセスの痕跡が封止部材1のみに残るようにして、封止穴21が形成された部材(カバー2)に被害が及ぶのを防ぐことが可能になる。封止穴21が形成された部材(カバー2)を形成する材料としては、各種の合成樹脂や金属等が例示される。第一実施態様において、封止部材1は、その全体を透明なABS樹脂によって一体成形(射出成形)しているのに対し、カバー2は、ABS樹脂よりも機械的強度に優れているポリカーボネートによって一体成形(射出成形)したものとなっている。
以下においては、2つの実施態様(第一実施態様及び第二実施態様)を例に挙げて本発明の封止部材1等を説明するが、本発明の技術的範囲は、これらに実施態様に限定されるものではなく、適宜変更を施すことができる。
[2] 第一実施態様の封止部材
まず、第一実施態様の封止部材について説明する。図3は、第一実施態様の封止部材1を封止穴21に嵌め込んでいる様子を示した斜視図である。図4は、第一実施態様の封止部材1を封止穴21に嵌め込んだ状態を示した斜視図である。図5は、第一実施態様の封止部材1を封止穴21に嵌め込んだ状態をx−y面に平行でストッパー用突起13を通る平面で切断して示した断面斜視図である。図6は、第一実施態様の封止部材1を封止穴21に嵌め込んだ状態をx−y面に平行でストッパー用突起13を通る平面で切断して示した断面図である。図7は、第一実施態様の封止部材1をその一部を切除して示した斜視図である。図8は、第一実施態様の封止部材1をz軸方向正側から見た状態を示した平面図である。図9は、第一実施態様の封止部材1をx軸方向正側から見た状態を示した側面図である。
第一実施態様の封止部材1は、図3〜6に示すように、座ぐり面21a(図3、図5及び図6)が形成された封止穴21に嵌め込むことにより、封止穴21の奥部に位置する封止対象箇所A(図5及び図6)を封止するためのものとなっており、図7に示すように、封止穴挿入部11と、フランジ部12と、ストッパー用突起13と、係合部14と、邪魔用突起15とで構成されたものとなっている。以下、第一実施態様の封止部材1を構成する各部について、詳しく説明する。
(1) 封止穴挿入部
封止穴挿入部11は、図5及び図6に示すように、封止穴21に対して下端側から挿入されることにより、封止対象箇所Aを塞ぐための部分となっている。このため、封止穴挿入部11は、封止穴21を閉塞できる形態とされる。第一実施態様の封止部材1において、封止穴挿入部11は、略筒状の本体部11aと、本体部11aの上端側を閉塞する閉塞部11bとで構成されている。
封止穴挿入部11の本体部11aを、空洞部を有さない中実な構造とはせず、空洞部を有する略筒状に形成したことにより、封止部材1を封止穴21に嵌め込んだ際に、上述したネジ(ユニットカバー55bをユニットホルダ55aに固定するネジ)の頭部が収まる空間を本体部11aの内側に確保することができるようになっており、本体部11aを中実な構造とした場合と比べて、封止穴挿入部11の上下方向の長さを長く確保することが可能となっている。また、封止部材1を成形する材料の使用量を削減し、封止部材1の製造コストを抑えることも可能となっている。
封止穴挿入部11の本体部11aの外面形状は、封止穴21の内面形状等に応じて適宜決定される。本体部11aの外面形状としては、円筒や楕円筒のように、曲面のみからなる形状や、多角筒のように、平面のみからなる形状のほか、曲面と平面とが混在する形状等が例示される。第一実施態様の封止部材1において、本体部11aの外面形状は、図3に示すように、一対の平面部11aと一対の曲面部11aとを有する形状となっており、封止穴21の内面形状に対応したものとなっている。本体部11a下端近傍の外周面は、テーパー状に形成しており、封止穴挿入部11を封止穴21に挿入しやすくしている。
これに対し、封止穴挿入部11の閉塞部11bは、ワイヤ等の侵入を防ぐため、通常、開口部等を有さない連続面状に形成される。
封止穴挿入部11の寸法は、封止穴21の寸法等に応じて適宜決定される。封止部材1が、図2に示すユニットカバー55bのネジ穴55bを封止するものである場合には、封止穴挿入部11の長さ(上下方向の長さ)は、通常、5〜20mm程度とされ、より好適には、8〜15mm程度とされる。第一実施態様の封止部材1において、封止穴挿入部11の長さは、11mmとなっている。また、封止穴挿入部11の外径は、通常、5〜20mm程度とされ、より好適には、8〜15mm程度とされる。第一実施態様の封止部材1において、封止穴挿入部11の外径は、長軸方向で12mm、短軸方向で11mmとなっている。
(2) フランジ部
フランジ部12は、図3に示すように、封止穴挿入部11の上端外周部から外方に突出して設けられた部分となっている。このフランジ部12は、封止穴21の上端開口における座ぐり面21aの上側に位置する部分を塞ぐことで、封止穴21の内周面と封止穴挿入部11の外周面との隙間S(図4)に不正挿入具が挿入されないようにするとともに、万が一、その隙間Sに不正挿入具が挿入された際には、その痕跡が残される部分となっている。フランジ部12は、封止穴挿入部11とは異なる別の部材としてもよいが、第一実施態様の封止部材1においては、封止穴挿入部11に連続した形で一体的に設けている。
フランジ部12は、封止穴21の上端開口における座ぐり面21aの上側に位置する部分を塞ぐことができる形状に形成される。このため、フランジ部12は、通常、封止穴挿入部11の上端外周部における全周部に連続して形成される。フランジ部12の突出長さL(図6)は、封止部材1を嵌め込む封止穴21の寸法等に応じて適宜決定される。封止部材1が、図2に示すユニットカバー55bのネジ穴55bを封止するものである場合には、フランジ部12の突出長さL(図6)は、通常、1mm以上とされ、より好適には、2mm以上とされる。フランジ部12の突出長さL(図6)に特に上限はないが、通常、10mm程度までである。第一実施態様の封止部材1において、フランジ部12の突出長さL(図6)は、2.65mmとなっている。
ところで、このフランジ部12は、後述するストッパー用突起13よりも、上下方向の外力に対して脆弱に形成される。これにより、封止穴21の内周面と封止穴挿入部11の外周面との隙間S(図6)に不正挿入具が挿入された際に、フランジ部12が破断等の塑性変形を行い、不正アクセスの痕跡が残りやすくすることができる。
フランジ部12をストッパー用突起13よりも脆弱に形成する方法は、特に限定されない。第一実施態様の封止部材1においては、図7に示すように、フランジ部12の付根部分に沿って、破断溝12aを環状に形成し、フランジ部12の付根部分をストッパー用突起13よりも薄く形成することで、フランジ部12をストッパー用突起13よりも脆弱に形成している。破断溝12aは、図6に示すように、フランジ部12の上面側に断面V字状に形成しており、隙間Sに不正挿入具が挿し込まれた際に、破断溝12aの底部(V字の頂点)を起点として破断しやすくしている。破断溝12aは、フランジ部12の付根部分に沿って断続的に設けてもよいが、付根部分に沿った全周部に連続的に形成すると好ましい。これにより、フランジ部12をより脆弱に形成することが可能になる。
破断溝12aの深さ(最も深くなる部分の深さ)は、フランジ部12における破断溝12aが設けられた付根部分(厚さが最小となる部分)の厚さT(図6)が、ストッパー用突起13における先端部(厚さが最小となる部分)の厚さT(図6)よりも小さくなる範囲であれば、特に限定されない。しかし、破断溝12aを浅くしすぎる(厚さTと厚さTとの差を小さくしすぎる)と、上下方向の外力に対するフランジ部12とストッパー用突起13との破断強度の差が小さくなってしまう。このため、破断溝12aの深さは、通常、厚さTに対する厚さTの比T/Tが0.9以下となる範囲で設定される。比T/Tは、0.7以下であると好ましく、0.5以下であるとより好ましい。フランジ部12の付根部分の厚さTの具体的な値(上限値)は、封止部材1の寸法等によっても異なり、特に限定されない。封止部材1が、図2に示すユニットカバー55bのネジ穴55bを封止するものである場合には、フランジ部12の付根部分の厚さTは、通常、1.5mm以下、好ましくは、1mm以下、より好ましくは、0.7mm以下とされる。
これに対し、破断溝12aを深くしすぎる(厚さTを薄くしすぎる)と、フランジ部12が上下方向の外力に対して脆弱になりすぎてしまい、封止部材1を取り扱う際に、フランジ部12が意図せず破断してしまいやすくなる。このため、破断溝12aの深さは、通常、厚さTに対する厚さTの比T/Tが0.05以上となる範囲で設定される。比T/Tは、0.1以上であると好ましく、0.15以上であるとより好ましい。フランジ部12の付根部分の厚さTの具体的な値(下限値)は、封止部材1の寸法等によっても異なり、特に限定されない。封止部材1が、図2に示すユニットカバー55bのネジ穴55bを封止するものである場合には、フランジ部12の付根部分の厚さTは、通常、0.1mm以上、好ましくは、0.15mm以上、より好ましくは、0.2mm以上とされる。第一実施態様の封止部材1において、破断溝12aの深さは、0.4mmとなっており、フランジ部12の付根部分における厚さTは、0.5mmとなっている。
(3) ストッパー用突起
ストッパー用突起13は、図5及び図6に示すように、封止穴挿入部11の外周部におけるフランジ部12が設けられた箇所よりも下側に所定間隔を隔てた箇所から外方に突出して設けられている。このストッパー用突起13は、封止部材1を封止穴21に嵌め込んだ際に、封止穴21の座ぐり面21aに当接し、封止部材1が封止穴21の奥部にそれ以上移動しないようにするためのストッパーとして機能する部分となっている。このため、ストッパー用突起13は、座ぐり面21aから受ける押圧力に耐え得るように、上下方向の外力に対して強靭に形成されている。ストッパー用突起13は、封止穴挿入部11とは異なる別の部材としてもよいが、第一実施態様の封止部材1においては、封止穴挿入部11の周壁に連続した形で一体的に設けている。
ストッパー用突起13は、封止穴挿入部11の外周部における全周部に連続して形成してもよいが、この場合には、封止部材1を射出成形する際の射出金型に薄い部分が広範囲に形成され、射出金型にトラブルが生じやすくなるおそれがある。このため、第一実施態様の封止部材1において、ストッパー用突起13は、図7〜9に示すように、封止穴挿入部11における一対の平面部11aに1箇所ずつ、一対の曲面部11aに2箇所ずつの合計6箇所に分断して設けている。
ストッパー用突起13の厚さは、それが最小となる部分(第一実施態様の封止部材1ではストッパー用突起13の先端部)における厚さT(図6)が、フランジ部12における厚さが最小となる部分における厚さT(図6)よりも厚くなる範囲で適宜決定される。具体的には、上記「(2) フランジ部」で述べた厚さTと厚さTとの関係を満たすように決定すると好ましい。第一実施態様の封止部材1において、ストッパー用突起13は、その先端部から付根部分にかけて厚さが徐々に増加するように形成されており、その先端部の厚さTは、0.8mmとなっている。
ストッパー用突起13の突出長さL(図6)は、フランジ部12の突出長さL(図6)と同程度かそれよりも短く、かつ、封止穴21の座ぐり面21aに掛止できるのであれば、特に限定されない。ただし、ストッパー用突起13の突出長さLを長くしすぎると、封止部材1を射出成形する際の射出金型における薄く突き出た部分(射出金型におけるフランジ部12とストッパー用突起13との隙間を形成する部分)の突出量を大きくする必要が生じ、射出金型にトラブルが生じやすくなるおそれがある。このため、ストッパー用突起13の突出長さLは、フランジ部12の突出長さLよりも短く形成すると好ましい。具体的には、ストッパー用突起13の突出長さLは、フランジ部12の突出長さLに対するその比L/Lが0.7以下となるように設定すると好ましい。比L/Lは、0.5以下であるとより好ましく、0.3以下であるとさらに好ましい。第一実施態様の封止部材1において、ストッパー用突起13の突出長さLは、1mm程度となっている。
(4) 係合部
係合部14は、図7〜9に示すように、封止穴挿入部11の外周部から外方に突出して設けられている。この係合部14は、封止穴21に挿入された封止穴挿入部11を封止穴21から引き抜くことができないように、封止穴挿入部11をカバー2(封止穴21が設けられた側の部材)に係合させるための部分となっている。係合部14の上下位置は、特に限定されないが、第一実施態様の封止部材1においては、封止穴挿入部11の下端近傍の外周部に設けている。これにより、封止穴21の内周面とフランジ部12の外周面との隙間S(図6)に不正挿入具が挿入されたとしても、その不正挿入具が係合部14まで到達しにくくすることが可能になる。係合部14は、封止穴挿入部11とは異なる別の部材としてもよいが、第一実施態様の封止部材1においては、封止穴挿入部11の周壁に連続した形で一体的に設けている。
係合部14の具体的な形態は、特に限定されず、封止穴21の内周部に形成された凸部に係合可能な凹部としてもよいが、第一実施態様の封止部材1においては、図7及び図8に示すように、封止穴挿入部11の外周面から外方に突出する凸部を係合部14としている。この凸部(係合部14)は、封止部材1を封止穴21に嵌め込んだ際に、当該凸部の上面が封止穴21に設けられた係合面21b(図6)に係合するものとなっている。凸部(係合部14)の外周面は、その下端から上端にかけて径が大きくなるテーパー状に形成されている。このため、封止穴21に封止部材1を嵌め込む際には、封止穴21の内周部に凸部(係合部14)が引っ掛かることなく封止穴挿入部11を滑らかに挿入することできるようになっている。
封止穴挿入部11の周壁における係合区画(封止穴挿入部11の周壁における係合部14が設けられた区画のこと。以下同じ。)の側縁には、図9に示すように、封止穴挿入部11の周壁の下端に達する一対の離間溝11cを設けている。このため、係合部14は、その上縁に沿った箇所(接続部11d)を除いて、封止穴挿入部11の周壁における他の部分から離間された構造となっている。換言すると、係合部14は、接続部11dのみで、封止穴挿入部11の周壁における他の部分と繋がった構造となっている。これにより、係合部14に内向きの外力が加えられた際には、接続部11dの周辺が弾性変形し、係合部14が封止穴挿入部11の周壁における他の部分に対して相対的に内側へ押し込まれるようになっている。したがって、封止穴21に封止部材1を嵌め込む際に、封止穴21の内周部から封止穴挿入部11の外周部に加えられる摩擦抵抗を小さくすることが可能となっている。また、その一方で、封止部材1を封止穴21に嵌め込んで、係合部14が係合位置(係合面21b(図6)に係合する位置)に達した際には、それまで内側に押し込まれていた係合部14が外側に復帰する際の弾性力によって、その係合力を高めることが可能となっている。
これと同様の効果は、封止穴挿入部11の周壁における係合区画を囲むように離間溝を「コ」の字形状に設けることによっても実現できる。すなわち、図10に示すように、封止穴挿入部11の周壁における係合区画(係合部14)の側縁に、一対の離間溝11cを設けるとともに、封止穴挿入部11の周壁における係合区画(係合部14)の下縁に、一対の離間溝11cの下端同士を結ぶ離間溝11eを設けることによっても実現できる。また、図11に示すように、封止穴挿入部11の周壁における係合区画(係合部14)の側縁に、一対の離間溝11cを設けるとともに、封止穴挿入部11の周壁における係合区画(係合部14)の上縁に、一対の離間溝11cの上端同士を結ぶ離間溝11fを設けることによっても実現できる。これらの構成は、封止穴挿入部11の周壁の下端から離れた位置に係合部14を設ける場合に好適に採用することができる。
係合部111は、1つの封止部材1に対して少なくとも1箇所に設けられていればよいが、複数箇所に設けられていると好ましい。これにより、封止穴21の内周面とフランジ部12の外周面との隙間S(図6)に不正挿入具を挿入して係合部114の係合を解除しようとした際に、複数の係合部14を解除しなければならなくなり、手間が掛かるようにすることが可能になる。係合部14の個数に、特に上限はないが、多くしすぎると、封止部材1の形態が複雑になりすぎて、その初期投資費用が嵩むばかりか、その製造自体が困難になるおそれもある。このため、係合部14の個数は、通常、10個以下、好ましくは、6個以下、より好ましくは、4個以下とされる。
複数箇所に係合部14を設ける場合には、それぞれの係合部14を、封止穴挿入部11の中心線に対して回転対称となるように配置すると好ましい。このように、係合部14をバランスよく配置することで、封止穴21に対して封止部材1を嵌め込む際に、封止部材1が傾かないようにすることが可能になる。したがって、封止作業の際に封止部材1におけるフランジ部12が、カバー2における封止穴21の上端開口周辺に衝突しないようにすることが可能になる。第一実施態様の封止部材1においても、2つの係合部14を、封止穴挿入部11の中心線に対して回転対称(180°の回転対称)となるように配置している。
このとき、係合部14は、封止穴挿入部11の周壁における平面部11aに設けてもよいが、第一実施態様の封止部材1においては、封止穴挿入部11の周壁における曲面部11bに設けている。これにより、マイナスドライバのようにその先端部が板状に形成された不正挿入具を用いた不正行為をさらに行いにくくすることが可能になる。というのも、その先端部が板状に形成された不正挿入具は、湾曲した隙間には挿し込みにくいからである。
(5) 邪魔用突起
邪魔用突起15は、図7〜9に示すように、封止穴挿入部11の外周部におけるストッパー用突起13よりも下側であって係合部14よりも上側となる位置から外方に突出して設けられている。第一実施態様の封止部材1においては、上述したように、ストッパー用突起13が複数箇所に分断して設けられており、封止穴挿入部11の外周部には、ストッパー用突起13のない区間が存在しているが、邪魔用突起15は、封止部材1を上下方向(y軸方向)から見た際に、前記区間及び係合部14に重なる位置に設けられる。これにより、万が一、不正挿入具が、前記区間を通じて封止穴21の内周面と封止穴挿入部11の外周面との隙間に到達できたとしても、この邪魔用突起15によって、不正挿入具が封止穴21の奥部にそれ以上に侵入できないようにし、不正挿入具によって係合部14が解除されないようにすることが可能となっている。第一実施態様の封止部材1において、邪魔用突起15は、上述した係合部14とともに、封止穴21の内周部に設けられた一対の凸条21c(図3)間に挿入されるようになっており、凸条21cか邪魔用突起15を破壊しない限りは、カバー2の表側からは、係合部14を解除できないようになっている。
[3] 第二実施態様の封止部材
続いて、第二実施態様の封止部材1について説明する。図12は、第二実施態様の封止部材1を示した斜視図である。図13は、第二実施態様の封止部材1をy−z平面に平行で封止穴挿入部11の中心線を通る平面で切断して示した断面斜視図である。
第一実施態様の封止部材1(図3〜9)では、ストッパー用突起13が封止穴挿入部11の外周部に分断して形成されていたが、第二実施態様の封止部材1では、図12及び図13に示すように、ストッパー用突起13が封止穴挿入部11の外周部における全周に亘って連続して形成されている。第二実施態様の封止部材1において、フランジ部12は、その全体がストッパー用突起13よりも薄く形成されており、第一実施態様の封止部材1における破断溝12aを有さなくとも、フランジ部12の周辺に破損や破断等の塑性変形が生じやすくなっている。また、第一実施態様の封止部材1では、封止穴挿入部11の外周部に邪魔用突起15が設けられていたが、第二実施態様の封止部材1では、ストッパー用突起13のない区間が存在せず、ストッパー用突起13自体が邪魔用突起の機能をも発揮するため、ストッパー用突起13とは別個の邪魔用突起を設けていない。第二実施態様の封止部材1における他の構成については、上述した第一実施態様の封止部材1と略同様であるため、詳しい説明を割愛する。
[4] 第三実施態様の封止部材
続いて、第三実施態様の封止部材1について説明する。図14は、第三実施態様の封止部材1を示した斜視図である。図15は、第三実施態様の封止部材1をy−z平面に平行で封止穴挿入部11の中心線を通る平面で切断して示した断面斜視図である。図16は、第三実施態様の封止部材1を封止穴21に嵌め込んだ状態をy軸方向正側から見た状態を示した背面図である。
第一実施態様の封止部材1(図3〜9)では、封止穴挿入部11の外周部に一対の係合部14が設けられていたが、第三実施態様の封止部材1では、図14〜16に示すように、係合部14は、封止穴挿入部11の外周部における片側のみに設けられ、係合部14と反対側の外周部には、リブ16が上下方向に沿って設けられている。このリブ16は、図15に示すように、その上端がストッパー用突起13の下面に突き当たる位置まで延在されており、ストッパー用突起13を下側から支えて補強する機能を有している。このため、例えば、ストッパー用突起13の下面が座ぐり面21a(図3)に突き当たった際には、リブ16によって、ストッパー用突起13がより変形しにくいようになっており、ストッパー用突起13を上下方向の外力に対してより強靭な構造とすることが可能となっている。加えて、このリブ16は、封止穴挿入部11を封止穴21に挿入する際に、封止穴21の内周部に設けられた案内溝21d(図16)に案内されるガイドとしての機能をも有している。このため、封止部材1を封止穴21に対して真っ直ぐに挿入し、ストッパー用突起13の下面を座ぐり面(図3)に均等に当接させることが可能となっている。第二実施態様の封止部材1における他の構成については、上述した第一実施態様の封止部材1と略同様であるため、詳しい説明を割愛する。
1 封止部材
11 封止穴挿入部
11a 本体部
11a 平面部
11a 曲面部
11b 閉塞部
11c 離間溝
11d 接続部
11e 離間溝
11f 離間溝
12 フランジ部
12a 破断溝
13 ストッパー用突起
14 係合部
15 邪魔用突起
16 リブ
2 カバー
21 封止穴
21a 座ぐり面
21b 係合面
21c 凸条
21d 案内溝
5 回胴式遊技機
51 筺体
51a 本体
51b 前扉
52 リール
53 ホッパー装置
54 電源ユニット
55 基板ユニット
55a ユニットホルダ
55b ユニットカバー
55b ネジ穴
55c 基板カバー
56 液晶ユニット
57 コネクタユニット
フランジ部の突出長さ
ストッパー用突起の突出長さ
S 封止穴の内周面と封止穴挿入部の外周面との隙間
フランジ部の付根部分の厚さ
ストッパー用突起の付根部分の厚さ

Claims (9)

  1. 座ぐり面が形成された封止穴に嵌め込むことにより、前記封止穴の奥部に位置する封止対象箇所を封止する封止部材であって、
    前記封止穴に対して下端側から挿入することにより、封止対象箇所を塞ぐ封止穴挿入部と、
    封止穴挿入部の上端外周部から外方に突出して設けられたフランジ部と、
    封止穴挿入部の外周部におけるフランジ部の付根が設けられた箇所よりも下側に所定間隔を隔てた箇所を付根として外方に突出して設けられたストッパー用突起と、
    を備え、
    封止穴挿入部を前記封止穴に挿入した際に、フランジ部よりも上下方向の外力に対して強靭に形成されたストッパー用突起が前記座ぐり面に当接することにより、フランジ部が前記座ぐり面に当接しないようにしたことを特徴とする封止部材。
  2. フランジ部が、ストッパー用突起よりも薄く形成された請求項1記載の封止部材。
  3. フランジ部に上下方向の外力が所定以上の強さで加えられた際にフランジ部を封止穴挿入部から破断させるための破断溝が、フランジ部の前記付根に沿って環状に形成された請求項2記載の封止部材。
  4. 破断溝が、フランジ部の上面側に形成された請求項3記載の封止部材。
  5. 破断溝が、断面V字状に形成された請求項3又は4記載の封止部材。
  6. ストッパー用突起が、封止穴挿入部の外周部における複数箇所に分断して形成された請求項1〜5いずれか1つに記載の封止部材。
  7. 前記封止穴に挿入された封止穴挿入部を前記封止穴が設けられた側の部材に係合させるための係合部が、封止穴挿入部に設けられた請求項1〜6いずれか1つに記載の封止部材。
  8. 請求項1〜7いずれか1つに記載の封止部材によって封止対象箇所を封止する封止構造。
  9. 請求項1〜7いずれか1つに記載の封止部材によって封止対象箇所が封止された遊技機。
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