JP5823285B2 - 固体高分子形燃料電池用の触媒及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用の触媒に関する。特に、固体高分子形燃料電池の空気極での使用に有用な触媒に関する。
燃料電池、特に、固体高分子形燃料電池は、次世代の発電システムとして大いに期待されるものであり、他形式の燃料電池と比較して動作温度が低く、かつコンパクトであるという利点がある。そして、これらのメリットから、家庭用、自動車用の電源として有望視されている。固体高分子形燃料電池は、水素極及び空気極と、これらの電極に挟持される固体高分子電解質膜とからなる積層構造を有する。そして、水素極へは水素を含む燃料が、空気極へは酸素又は空気がそれぞれ供給され、各電極で生じる酸化、還元反応により電力を取り出すようにしている。また両電極は、電気化学的反応を促進させるための触媒と固体電解質との混合体が一般に適用されている。
電極を構成する触媒としては、触媒金属として貴金属、特に、白金を担持させた白金触媒が広く用いられている。白金触媒が燃料電池用の触媒として使用されている理由は、その活性にある。即ち、白金触媒は、燃料極及び水素極の双方の電極反応を促進させる上で高い活性を有することによるものである。
そして、近年の燃料電池の普及が現実的なものとなっていることに伴い、固体高分子形燃料電池用触媒に対しても、単に活性に優れていることのみならず、様々な特性の改善が求められている。
触媒特性の改良に対する要求として、耐久性、即ち、触媒活性の持続特性の改善が挙げられる。触媒は、時間経過と共に生じる活性低下(失活)を避けることができないが、失活までの時間を増大させることは燃料電池の実用化に向けて必須といえる。ここで、この燃料電池用触媒の耐久性向上の方法として、特許文献1記載のものがある。この触媒は、白金担持された白金触媒を熱処理(アニール処理)して、白金粒子径を所定の粒子径に調整したものである。
特表2009−500789号公報
上記従来の白金触媒は、比較的簡易な方法で白金触媒の耐久性向上を図ることができる。しかしながら、本発明者等によると、このアニール処理された従来の触媒は、初期における活性(初期発電特性)が劣ることが確認されている。初期活性の低い触媒からなる電極を適用する場合、燃料電池に対し十分な時間をかけた発電前処理が必要となり、効率的な運用が望めなくなる。
そこで本発明は、初期活性(初期発電特性)に優れ、かつ、耐久性も良好な固体高分子形燃料電池用触媒を提供する。また、その製造方法についても詳細に説明する。
本発明者等は、上記目的を達成すべく、アニール処理を受けた白金触媒の初期活性が低い要因を検討した。その結果、アニール後の白金触媒は、アニール前の状態(白金担持後の状態)に対して、親水性(濡れ性)が低下しているとの考察に至った。固体高分子形燃料電池用触媒で構成される電極は、触媒表面での反応で生じるプロトンが水分及び電解質を介して伝導することで発電するものであるため、上記水分等に対する親水性(濡れ性)が触媒には必要であり、親水性は反応初期において特に要求される。
本発明者等は、アニール処理による白金触媒の親水性低下の一因として、触媒表面(担体表面)における水分の吸着能の消失にあると考えた。白金触媒の担体である炭素微粉末には、水分(水蒸気)の吸着サイトが存在している。この吸着サイトは、通常の触媒製造工程では失われることはないが、アニール処理の高温加熱では容易に消失すると想定される。そして、触媒の親水性はその表面の吸着サイト由来の水分吸着能に影響を受けるため、アニール処理後の触媒は親水性を失い初期活性に乏しいものとなると考えられる。そこで、本発明者等は、この検討結果を基にアニール処理された白金触媒に、消失した吸着サイトを発現させて水分吸着能を改良し、アニール処理前に近いものとすることで初期活性を確保できると考え本発明を想到した。
即ち、本発明は、炭素粉末担体上に、白金からなる触媒粒子が担持されてなる固体高分子形燃料電池用触媒において、前記炭素粉末担体は、25℃で測定される水蒸気吸着等温線における最大水蒸気吸着量が、触媒質量基準で150〜250cm /g(STP換算)であり、前記白金粒子は、平均粒径3.5〜8.0nmであり、CO吸着による白金比表面積(COMSA)が40〜100m/gであることを特徴とする固体高分子形燃料電池用触媒である。
本発明に係る触媒は、アニール処理によって白金粒子の平均粒径が調整された状態にあり、その上で水蒸気吸着等温線における最大水蒸気吸着量から規定される水分の吸着能が所定範囲にあることを特徴とする。以下、これら2つの特徴について説明する。
白金粒子について、平均粒径3.5〜8.0nmとするのは、3.5nm未満は長時間の活性持続特性が明確に得られなくなるからであり、8.0nmを超えると触媒の初期質量活性が十分に得られなくなるからである。また、本発明では白金粒子について、CO吸着による白金比表面積(COMSA)を規定し、その範囲を40〜100m/gとする。この構成は、それ自体が触媒の性能を大きく作用させるものではないが、耐久性向上のためのアニール処理を受けた履歴を明確にするものである。即ち、担体に白金粒子を担持させた状態のアニール処理のない従来の触媒との区別を明確にするためのものである。尚、従来のアニール処理のない、担体(比表面積250〜1200m/g)に担持させただけの白金触媒における白金粒子の白金比表面積は、100〜150m/gであるのが一般的である。
そして、本発明に係る固体高分子形燃料電池用触媒は、25℃で測定される水蒸気吸着等温線における最大吸着量が触媒質量基準で150〜250cm /g(STP換算)となるように水分の吸着能を備える。150cm/g未満の吸着量では、アニール処理された白金触媒と実質的に変らず、親水性が不足し初期活性が不十分となる。一方、水分の吸着能も上限なしに高ければ良いというわけではなく、250cm/gを超えると吸着する水分が触媒活性を阻害するおそれがある。
触媒の水分吸着能について、水蒸気吸着等温線の測定結果における最大吸着量により規定するのは、この測定方法が簡便性を有することに加えて再現性のある物性評価手段だからである。本発明に係る触媒では、25℃での水蒸気吸着等温線における最大吸着量を採用する。尚、本発明に係る触媒の水蒸気吸着等温線における最大吸着量は、相対圧(P/P)85%以上で見られ上記範囲内の値となる。水蒸気吸着等温線の測定にあたっては、一般のガス/蒸気吸着量測定装置を使用することができる。
また、本発明においては、上記水分吸着能の改良に加えて、親水基が所定範囲で付加されているものがより好ましい。この親水基は水分吸着サイトと同様、アニール処理を受ける前の触媒表面に存在するものであり、アニール処理の熱により消失する。そして、親水基もまた触媒の親水性に影響を及ぼすものと考えられることから、アニール処理後に親水基を付加することで触媒の初期活性を向上することができる。
ここで、親水基とは、広くは親水性の官能基であり、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等に可溶な官能基を示す。より具体的には、ヒドロキシル基、ラクトン基、カルボキシル基等が挙げられる。担体に結合する官能基は、前記の1種のみからなっても良いが、複数種が結合していても良い。この官能基の結合量は、担体重量を基準として0.7〜3.0mmol/gとする。0.7mmol/g未満は、アニール処理前と同等である。また、3.0mmol/gを上限とするのは、これを超えても活性の向上は認められないだけでなく触媒の親水性が高くなり過ぎ取り扱い性が悪化するためである。
尚、担体である炭素粉末は、比表面積が250〜1200m/gの炭素粉末を適用するのが好ましい。250m/g以上とすることで、触媒が付着する面積を増加させることができるので触媒粒子を高い状態で分散させ有効表面積を高くすることができる一方、1200m/gを超えると、電極を形成する際にイオン交換樹脂の浸入しにくい超微細孔(約20Å未満)の存在割合が高くなり触媒粒子の利用効率が低くなるからである。
また、本発明に係る触媒は、固体高分子形燃料電池の電極としての性能を考慮し、触媒粒子の担持密度を30〜70%とするのが好ましい。ここでの担持密度とは、担体に担持させる触媒粒子質量(本発明においては、白金質量)の触媒全体の質量に対する比をいう。
本発明に係る固体高分子形燃料電池の触媒の製造方法について説明する。本発明に係る固体高分子形燃料電池は、その特徴に基づき、白金触媒について、アニール処理を行う工程と、アニール処理後の触媒について水分吸着能を改良する工程とを有するものである。即ち、炭素粉末担体上に白金粒子が担持されてなる白金触媒を600〜1180℃で1時間以下熱処理する工程と、前記熱処理後の白金触媒を少なくとも1回酸化性溶液に接触させる工程と、を備える。
アニール処理前の白金触媒の調整については、従来の白金触媒と同様に製造する。白金触媒の製造法は、白金塩溶液に炭素粉末を浸漬し還元処理をすることで白金粒子が担持された白金触媒を得ることができる。
白金触媒の熱処理は、600〜1180℃で1時間以下加熱する。600℃未満では、平均白金粒子径3.5nm以上とならず長時間の活性持続特性が得られないからであり、1180℃を超えると平均白金粒子径が8.0nmより大きくなり、触媒の初期質量活性低下が顕著となるからである。
そして、アニール処理後の触媒の水分吸着能の改良は、所定の溶存酸素量の酸化性溶液を触媒に接触させることで行う。酸化性溶液としては、硫酸、硝酸、亜リン酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、塩酸、塩素酸、次亜塩素酸、クロム酸等の溶液が好ましい。これらの酸化性溶液の濃度は、0.1〜10.0mol/Lとするのが好ましく、溶液に触媒を浸漬するのが好ましい。そして、酸化性溶液中の溶存酸素量については、酸素溶解度の温度依存性と、下記の好適な処理温度(50〜90℃)とを考慮すると、0.01〜0.02cm/cm(酸化性溶液1cm当たりの酸素容積(STP換算))とすることが好ましい。尚、この溶存酸素量は、例えば、処理前の酸化性溶液に酸素等の酸素含有ガスを吹き込む等により調整することができる。
酸化性溶液処理の条件としては、接触時間は、0.5〜3時間が好ましく、処理温度は、50〜90℃が好ましい。尚、酸化性溶液処理は、触媒を酸化性溶液に1回接触させる場合のみならず、複数回繰り返し行っても良い。また、複数回の酸処理を行う場合には、処理ごとに溶液の種類を変更しても良い。
上記の触媒に対する酸化性溶液処理は、吸着能の改良に加えて親水基結合処理を兼ねることができる。この場合、接触処理の回数を複数とすると、最大水蒸気吸着量の向上と親水基結合の双方を同時に効果的に行うことができる。また、過マンガン酸カリウムを酸化性溶液として適用すると、水酸基の結合を効率的に行うことができる。
以上説明したように本発明に係る触媒は、熱処理による耐久性向上に加えて、初期発電特性にも優れた触媒である。この触媒の製造方法は、酸化性溶液処理により簡易に特性改善が可能である。
第1実施形態で製造した各種触媒の水蒸気吸着等温線を示す図。
第1実施形態:本実施形態では、白金触媒を製造してアニール処理を行い、更に、水分吸着能の改良処理を行った。以下に詳しく説明する。
[白金触媒の調整] 本実施形態で使用した担体は、炭素微粉末(商品名:ケッチェンブラックEC)である。この担体の比表面積は、BET1点法にて測定したところ、902m/gであった。白金溶液として、白金濃度4.6質量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液を1000g(白金含有量:46g)に前記炭素粉末を46g浸漬させ攪拌後、還元剤として100%エタノールを100ml添加した。この溶液を沸点で7時間、攪拌、混合し、白金を炭素粉末に担持させた。そして、濾過、乾燥後、担持密度が50%の白金触媒とした。
[アニール処理]
上記工程により製造した白金触媒を100%水素ガス中で、1時間、900℃に保持することにより行った。
[酸化性溶液処理]
そして上記の熱処理を行った白金触媒につき、水分吸着能の改良処のための酸化性溶液処理を行った。熱処理した触媒を1.0mol/Lの硝酸水溶液(溶存酸素量0.01cm/cm(STP換算))中80℃にて2時間処理した後、濾過、乾燥した。
以上の触媒製造工程に関し、白金担持から熱処理及び酸処理後の各段階における白金粒子径、白金比表面積、水蒸気吸着量を検討した。白金粒子径の測定はX線回折分析により行い、白金の比表面積はCOMSAを用いた。また、触媒の水蒸気吸着量の測定方法は水蒸気吸着等温線の測定に基づいた。水蒸気吸着等温線の測定は、0.100gの触媒をサンプル管に量りとってガス/蒸気吸着量測定装置にセットし、150℃で30分、真空下で前処理(乾燥処理)を行った。その後、測定装置で25℃における水蒸気吸着等温線を測定して最大値水蒸気吸着量を求めた。
次に、製造した触媒についての発電特性の評価を行った。この評価は、触媒から電極(空気極)を製造して燃料電池を構成し、その発電特性を検討するものである。空気極の製造では、イオン交換樹脂(商品名:ナフィオン(登録商標)Dupont社製)の5%溶液をスプレードライにより製造した樹脂粉末0.5gと、触媒0.8gとを水4mlで濡らし処理をした後、2−プロパノール/n−プロパノールの混合水溶液8mlに入れ、これをボールミルにて50分間混合させて触媒ペーストを製造した。そして、カーボンペーパーにカーボンとFEP、さらにカーボンとナフィオンとを表層へコーティングして製造したガス拡散層に、前記触媒ペーストを白金量が0.5mg/cmとなるように塗布印刷した。更に、これを100℃で乾燥させた後、130℃、20kg/cmで1分間ホットプレスして電極とした。そして、この空気極を用いて燃料電池を構成し、その初期発電特性及び耐久性を評価した。
初期発電特性は、下記の測定条件で、所定の電流密度(0.5A/cm)におけるセル電圧を基に評価した。
電極面積:25cm
設定利用効率:40%
温度:80℃
圧力:大気圧
アノードガス:純水素
カソードガス:酸素
加湿条件:アノード 湿度100%
カソード 加湿なし
また、耐久性に関する特性評価は、カソードのセル電位を三角波で掃引する加速劣化試験を行い、劣化後の発電特性を測定した。加速劣化は、650−1050mVの間を掃引速度40mV/sで3600サイクルし、さらに掃引速度を100mV/sに上げ 21600サイクルさせて劣化させた。測定条件は、上記初期特性と同様とした。
以上説明した触媒の各段階の白金粒子径、白金比表面積、水蒸気吸着量の測定結果、及び、発電特性の評価結果を表1に示す。また、図1は、各触媒の水蒸気吸着等温線を示す。
Figure 0005823285
表1及び図1からわかるように、熱処理により白金粒子径が増大し白金比表面積が低下することがわかる。その一方、水蒸気吸着量は著しく減少している。そして、続いて実施した酸化性溶液処理により、熱処理によって減少した水蒸気吸着量が増加していることがわかる。
そして、発電特性の評価結果から、白金担持直後の触媒と熱処理のみを行った触媒について初期のセル電圧を対比すると、熱処理により初期発電特性が低下することがわかる。そして、熱処理後の触媒に酸化性溶液処理を行い、水分吸着能を改良した本実施形態の触媒は、初期発電特性が改善され、白金担持直後のものと同等となることがわかる。
また、耐久性に関してみると、白金担持触媒は、耐久試験による劣化によりセル電圧が低下する一方、熱処理のみの触媒は初期電圧が低くとも、その水準をキープしており、耐久性の観点のみからでは熱処理触媒の方が白金担持触媒よりも優れているといえる。これに対して、酸化性溶液処理を加えた本実施形態の触媒は、初期電圧も高く、劣化後もこの水準をキープしており、初期特性及び耐久性の双方で優れていることがわかる。
第2実施形態:次に、酸化性溶液の濃度、種類を変更して、アニール処理後の触媒に水分吸着能の改良及び水酸基結合の処理を行った。この検討は、基本的に第1実施形態と内容を同じとし、酸化性溶液として、第1実施形態とは濃度の異なる硝酸と過マンガン酸カリウム溶液(溶存酸素量はいずれも0.01cm/cm(STP換算))を用い、触媒と酸化性溶液との接触回数(処理回数)を2回に増やして水分吸着能の改良と同時に親水基結合させて触媒を製造した。また、白金担持触媒製造、熱処理等の工程は、第1実施形態と同様とした。更に、その発電特性の評価も第1実施形態と同様の方法で電極を作製して、初期のセル電圧を測定した。
尚、親水基結合量の測定は、まず、2.5gの触媒を1Lの温純水にて洗浄、乾燥した。乾燥後触媒に含まれるカーボン量が0.25gとなるよう計量し、55mlの水と10分間攪拌後、2分間超音波分散を行った。次に、この触媒分散液を窒素ガスにてパージしたグローブボックスへ移動させ、窒素ガスを10分間バブリングした。そして、触媒分散液に0.1Mの塩基水溶液を過剰に投入し、この塩基性溶液に対して0.1Mの塩酸にて中和滴定を行ない、中和点から官能基量を定量した。ここで、塩基水溶液は、NaOH、NaCO、NaHCOの3種類を用い、それぞれについて中和滴定作業を行っている。これは使用する塩基毎に中和される官能基の種類が異なるからであり、NaOHの場合はカルボキシル基、ラクトン基、ヒドロキシル基と、NaCOの場合はカルボキシル基、ラクトン基と、NaHCOの場合はカルボキシル基と中和反応するからである。そして、これら滴定で投入した3種類の塩基種類と量、および消費した塩酸量の結果により、触媒表面官能基量を算出した。尚、中和点の確認には、pHメーターを使用し、NaOHの場合はpH7.0、NaCOの場合はpH8.5、NaHCOの場合はpH4.5を中和点とした。
Figure 0005823285
表2から、水分吸着能の改良に加えて親水基を補填した触媒でも初期セル電圧の改善が見られた。但し、最大水蒸気吸着量に関しては、酸化性溶液の種類、濃度で大きな差は生じなかった。一方、親水基結合量に関しては、過マンガン酸カリウムによる結合量が高くなっている。本実施形態では、酸化性溶液による処理を2回繰り返して行ったが、例えば、処理回数を1回にする等処理を簡略化する場合、水分吸着能改良と親水基の双方を効率的に補充するには酸化性溶液の種類、濃度を調整するのが好ましいと考えられる。
本発明によれば、固体高分子形燃料電池の電極として、耐久性の改善と初期発電特性の改善の双方を達成することができる。本発明は、燃料電池の普及に資するものであり、ひいては環境問題解決の基礎となるものである。

Claims (6)

  1. 炭素粉末担体上に、白金からなる触媒粒子が担持されてなる固体高分子形燃料電池用触媒において、
    前記炭素粉末担体は、25℃で測定される水蒸気吸着等温線における最大水蒸気吸着量が、触媒質量基準で150〜250cm /g(STP換算)であり、
    前記白金粒子は、平均粒径3.5〜8.0nmであり、CO吸着による白金比表面積(COMSA)が40〜100m/gであることを特徴とする固体高分子形燃料電池用触媒。
  2. 炭素粉末担体は、更に、0.7〜3.0mmol/g(担体重量基準)の親水基が結合された請求項1記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  3. 親水基は、少なくともヒドロキシル基、ラクトン基、カルボキシル基のいずれかである請求項2記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  4. 触媒粒子の担持密度は、30〜70%である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用の触媒。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池用触媒の製造方法であって、
    炭素粉末担体上に白金粒子が担持されてなる白金触媒を600〜1180℃で1時間以下熱処理する工程と、
    前記熱処理後の白金触媒を少なくとも1回酸化性溶液に接触させ、担体表面の水分の吸着能を改良する工程と、を備え、
    前記酸化性溶液は、その溶存酸素量が0.01〜0.02cm/cm(STP換算)である固体高分子形燃料電池用触媒の製造方法。
  6. 酸化性溶液は、硫酸、硝酸、亜リン酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、塩酸、塩素酸、次亜塩素酸、クロム酸である請求項5記載の固体高分子形燃料電池用触媒の製造方法。
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