JP5823154B2 - 粘着剤層付き偏光板 - Google Patents
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Description
R1−R0≧2.3
を満たす粘着剤層付き偏光板を提供する。
偏光フィルム10としては、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂等からなるフィルムに二色性色素を吸着配向させたもの、分子的に配向したポリビニルアルコールフィルム中に、ポリビニルアルコールの二色性脱水生成物(ポリビニレン)の配向した分子鎖を含有するポリビニルアルコール/ポリビニレンコポリマー等が挙げられる。特に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものが好適に用いられる。
保護フィルム20としては、シクロオレフィン系樹脂フィルム;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのような酢酸セルロース系樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂フィルム;ポリカーボネート系樹脂フィルム;アクリル系樹脂フィルム、ポリプロピレンのような鎖状オレフィン系樹脂フィルムなどを用いることができる。保護フィルム20は、所定の位相差特性を有する位相差フィルムであってもよい。
粘着剤層30としては、その温度23℃、相対湿度55%における飽和水分率をR0(%)とし、温度60℃、相対湿度90%における飽和水分率をR1(%)とするとき、下記式:
R1−R0≧2.3
の関係を満たすものが用いられる。このような粘着剤層を偏光フィルム10に積層することにより、粘着剤層付き偏光板を高温多湿環境下に晒したときのカール量を抑制することができる。これにより、輸送・保管が高温多湿条件下でなされることになっても、上述した気泡の問題を生じにくくすることができる。また、上記関係式を満たす粘着剤層を備える粘着剤層付き偏光板によれば、高温多湿環境下に晒したときのカール量と通常条件下(たとえば23℃、相対湿度55%)でのカール量との差を抑制することができる。このことは、液晶セルに貼合された粘着剤層付き偏光板が高温多湿条件下に晒された際に、液晶セルからの偏光板の剥離を防止する点において有効である。前述したカール防止の観点から、R1−R0の値は、5.0以下であることが好ましい。
B:乾燥後の両面剥離フィルム付き粘着剤層の総重量、
C:乾燥後の剥離フィルムの総重量、
D:所定条件保持後の剥離フィルムの総重量。
粘着剤層の飽和水分率(%)=[{(A−D)−(B−C)}/(B−C)]×100
により算出される。
本発明の粘着剤層付き偏光板は、粘着剤層30の偏光フィルム10とは反対側の面に積層される剥離フィルム40をさらに備えることができる。剥離フィルム40は、離型処理されたプラスチックフィルムであれば特に限定されず、たとえば、ポリエチレンテレフタレートなどの透明樹脂からなるフィルムに、シリコーン樹脂などによる離型処理を施したものを用いることができる。粘着剤層30はこの離型処理面上に積層される。
本発明の粘着剤層付き偏光板には、その保護フィルム側に他の光学層が積層されていてもよい。他の光学層は、上記したように、たとえば、保護フィルム20の表面に直接形成される防眩層、光拡散層、反射防止層、ハードコート層、帯電防止層、防汚層などであることができる。
アクリル酸ブチルとアクリル酸メチルとアクリル酸との共重合体にイソシアネート系架橋剤を添加してなるアクリル系粘着剤の有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム)の離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後の厚みが15μmとなるように塗工してなる剥離フィルム付きシート状粘着剤である。剥離フィルム付きシート状粘着剤aが有する粘着剤層の、後述する測定方法に従う飽和水分率R0は1.0%であり、飽和水分率R1は5.8%であった。
アクリル酸ブチルとアクリル酸との共重合体にイソシアネート系架橋剤を添加してなるアクリル系粘着剤の有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム)の離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工してなる剥離フィルム付きシート状粘着剤である。剥離フィルム付きシート状粘着剤bが有する粘着剤層の、後述する測定方法に従う飽和水分率R0は1.3%であり、飽和水分率R1は3.6%であった。
アクリル酸ブチルとアクリル酸メチルと2−フェノキシエチルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの共重合体にイソシアネート系架橋剤を添加してなるアクリル系粘着剤の有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム)の離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工してなる剥離フィルム付きシート状粘着剤である。剥離フィルム付きシート状粘着剤cが有する粘着剤層の、後述する測定方法に従う飽和水分率R0は1.9%であり、飽和水分率R1は3.8%であった。
アクリル酸ブチルと酢酸ビニルとの共重合体、および、アクリル酸ブチルとメタクリル酸ブチルとアクリル酸メチルとアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体の混合物にイソシアネート系架橋剤を添加してなるアクリル系粘着剤の有機溶剤溶液を、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(剥離フィルム)の離型処理面に、ダイコーターにて乾燥後の厚みが25μmとなるように塗工してなる剥離フィルム付きシート状粘着剤である。剥離フィルム付きシート状粘着剤dが有する粘着剤層の、後述する測定方法に従う飽和水分率R0は1.5%であり、飽和水分率R1は2.4%であった。
上記剥離フィルム付きシート状粘着剤が有する粘着剤層の飽和水分率R0、R1は次のようにして測定した。剥離フィルム付きシート状粘着剤の粘着剤層側の面に、さらに剥離フィルムを貼合し、両面剥離フィルム付きシート状粘着剤を作製した。当該両面剥離フィルム付きシート状粘着剤を幅100mm×長さ100mmのサイズに切り出し、サンプルを得た。このサンプルを用いて、上述の方法により重量A〜Dを測定し、前述の式に基づき飽和水分率R0、R1(%)を算出した。
(1)偏光フィルムの作製
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、乾式で約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.1/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が10.5/7.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き10℃の純水で5秒間洗浄した後、95℃で152秒乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。
100重量部の水に、ポリビニルアルコール樹脂〔(株)クラレ製の「クラレポバール117H」〕3重量部、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業(株)製の「ゴーセファイマーZ−200」〕3重量部、塩化亜鉛〔ナカライテスク(株)より販売〕0.18重量部、グリオキサール〔ナカライテスク(株)より販売〕1.4重量部を溶解させて、ポリビニルアルコール系接着剤を調製した。
先に得られた偏光フィルムの一方の面に、ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースからなる厚さ40μmの保護フィルム(コニカミノルタオプト(株)製の「KC4UY」)を上記接着剤を介して、ニップロールを用いて貼合した。また、先に得られた剥離フィルム付シート状粘着剤a〜dのいずれかを、偏光フィルムの他方の面に粘着剤層側で、貼合ローラーを用いて貼合し、粘着剤層付き偏光板を得た。
得られた粘着剤層付き偏光板から幅50mm×長さ50mmのサイズのサンプルを切り出し、所定環境下(温度23℃、相対湿度55%または温度60℃、相対湿度90%)で3時間保持した。3時間保持後のサンプルを、凹面が上を向くように平面台の上に置き、サンプルの4つの角の平面台からの距離を測定し、その最大値をカール量とした。このとき、保護フィルム面が凹面となる場合は正カール(カールの値を正)、保護フィルム面が凸面(剥離フィルム側が凹面)となる場合は逆カール(カールの値を負)と区別してカールを測定した。上記実施例および比較例では、いずれも逆カールであった。
Claims (6)
- ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素が吸着配向している厚み5〜50μmの偏光フィルムと、
前記偏光フィルムの一方の面に積層され、酢酸セルロース系樹脂で構成される厚み10〜60μmの保護フィルムと、
前記偏光フィルムの他方の面に積層される粘着剤層と、
を備え、
前記粘着剤層は、温度23℃、相対湿度55%における飽和水分率をR0(%)とし、温度60℃、相対湿度90%における飽和水分率をR1(%)とするとき、下記式:
5.0≧R1−R0≧2.3
を満たし、
前記飽和水分率R 0 は、1.0%以上である粘着剤層付き偏光板。 - 前記飽和水分率R0が1.0%以上1.5%未満の範囲内である請求項1に記載の粘着剤層付き偏光板。
- 前記粘着剤層の前記偏光フィルムとは反対側の面に積層される剥離フィルムをさらに備える請求項1または2に記載の粘着剤層付き偏光板。
- 前記粘着剤層の厚みが1〜40μmの範囲内である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤層付き偏光板。
- 前記粘着剤層を構成する粘着剤は、(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含む共重合体を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤層付き偏光板。
- 前記共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルをモノマー単位としてさらに含む請求項5に記載の粘着剤層付き偏光板。
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