JP5822860B2 - 塗布フィルム - Google Patents
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Description
(A):チオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物に、他の陰イオン化合物によりドーピングされた重合体、またはチオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物中に陰イオン基を持ち自己ドープされた重合体
(B):グリセリン(b1)、ポリグリセリン(b2)、グリセリンまたはポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物(b3)、およびポリアルキレンオキサイド(b4)の群から選ばれる1種以上の化合物
(C):ポリオール成分がポリエステルポリオールよりなるポリウレタン樹脂
例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
グリセリン(b1)、ポリグリセリン(b2)とは、下記一般式(3)で表される化合物である。
本発明におけるポリウレタン樹脂(C)とはウレタン結合を分子内に有する高分子化合物で、水分散性または水溶性のものが好ましい。本発明では単独でも2種以上を併用しても良い。
JIS−K7136に準じて、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−2000によりフィルムのヘーズを測定した。塗布層を設けていないフィルムと塗布層を設けたフィルムのヘーズの差を計算し、塗布層を設けることによるヘーズの上昇を求め、塗布層の透明性として評価した。かかるヘーズの上昇が小さいほど、塗布層の透明性が優れるといえる。本方法においてヘーズの差が0.5%以下であれば透明性に優れ、0.3%以下であれば特に優れているといえる。一方、0.5%を超える場合は塗布層の透明性がやや劣り、1.0%を超える場合は特に劣るといえる。
下記(2−1)の方法に基づき、フィルム塗布層の表面抵抗率を測定した。(2−1)の方法では、1×108Ωより高い表面抵抗率は測定できないため、(2−1)で測定できなかったサンプルについては(2−2)の方法を用いた。
(2−1)三菱化学社製低抵抗率計:ロレスタGP MCP−T600を使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気でサンプルを30分間調湿後、表面抵抗率を測定した。
(2−2)日本ヒューレット・パッカード社製高抵抗測定器:HP4339Bおよび測定電極:HP16008Bを使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気でサンプルを30分間調湿後、表面抵抗率を測定した。
太平理化工業社ラビングテスター専用治具(5cm×7cm,500g)にシート状コットン(旭化成社製ベンコット)を巻き付け、そこに溶剤を2ml染みこませて、帯電防止性塗布層の表面を5往復(15cm長の範囲)拭いてサンプルを調整した。風乾後、擦った箇所の表面抵抗率を測定し、処理前後で比較した。
○:処理後の表面抵抗率の増大が2倍未満
△:処理後の表面抵抗率の増大が2倍以上10倍未満
×:処理後の表面抵抗率の増大が10倍以上
溶剤としては、エタノールおよびトルエンで評価した。
フィルムを40℃の温水に24時間浸漬した後、表面抵抗率を測定し、浸漬前後で比較した。
○:処理後の表面抵抗率の増大が2倍未満
△:処理後の表面抵抗率の増大が2倍以上10倍未満
×:処理後の表面抵抗率の増大が10倍以上
気温23℃、相対湿度50%に調整された恒温恒湿室の壁面に供試フィルムを測定面が壁と反対側(室内側)になるように貼り付け、所定日数経過後に表面抵抗率を測定し、貼り付け前と比較した。尚この壁面には屋外光はあたらず、1日あたりおよそ10時間、白色蛍光灯による約500ルクスの照明を受けていた。
28日後で表面抵抗率の増大が暴露前の20倍以内が好ましく、10倍以内がさらに好ましい。
(ポリエステル1):実質的に粒子を含有しない、極限粘度0.64のポリエチレンテレフタレート
(A1):ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸からなる導電剤、アグファゲバルト社製 Orgacon ICP1010を濃アンモニア水で中和してpH=9とした物。
(B12):前記式(3)で平均n=4であるポリグリセリン
(B13):前記式(3)で平均n=10であるポリグリセリン
(B21):前記式(3)でn=2であるポリグリセリン骨格へ、ポリエチレンオキサイドが平均4分子付加した化合物。
(B22):前記式(3)でn=2であるポリグリセリン骨格へ、ポリエチレンオキサイドが平均13分子付加した化合物。
(B23):前記式(3)でn=2であるポリグリセリン骨格へ、ポリエチレンオキサイドが平均40分子付加した化合物。
(B31):ポリエチレンオキサイド、重量平均分子量400。
(C2):テレフタル酸315重量部、イソフタル酸299重量部、エチレングリコール74重量部、およびジエチレングリコール265重量部を成分とするポリエステルポリオールを(B2a)としたとき、(B2a)953重量部、イソホロンジイソシアネート267重量部、エチレングリコール56重量部、およびジメチロールプロピオン酸67重量部を構成成分としたポリエステルポリウレタンをアンモニアで中和して水分散させたもの(濃度23%、25℃での粘度30mPa・s)
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(重量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)。
ポリエステル1とポリエステル2とを重量比92/8でブレンドし、十分に乾燥した後、280〜300℃に加熱溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら長手方向に3.7倍延伸し、一軸配向フィルムとした。この一軸配向フィルムをテンター延伸機に導き、100℃で幅方向に4.3倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施し、フィルム厚みが50μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。この時のフィルムヘーズ値は0.7%であった。比較例1においては帯電防止性塗布層を設けていないため、表2に示す結果は、ポリエステルフィルム表面について直接評価を行ったものである。
上記比較例1と同様の工程の中で、長手方向への延伸後の一軸配向フィルムの片面に下記表1に示すとおりの塗布組成物を塗布した。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、その熱を利用して塗布組成物の乾燥を行い、以降は比較例1と同様にし、フィルム厚みが50μmの基材フィルムの上に0.03g/m2の量の帯電防止性塗布層を積層した塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。なお、塗布層透明性を評価する際、塗布層を設けていないフィルムのヘーズ値としては、比較例1のフィルムヘーズ0.7%を用いた(以下の実施例、比較例においても同様)。
実施例1と同様の工程において、塗布液を表1に示すように変更し、フィルム厚みが50μmの基材フィルムの上に表1に示した量の帯電防止性塗布層を積層した塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。
実施例1と同様の工程において、塗布液を表1に示すように変更し、フィルム厚みが50μmの基材フィルムの上に表1に示した量の帯電防止性塗布層を積層した塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。
前記大気暴露試験の結果を表3に示す。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、下記の化合物(A)、(B)、および重量比率10〜55%の(C)を含有する塗布液から形成された帯電防止性塗布層を有することを特徴とする塗布フィルム。
(A):チオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物に、他の陰イオン化合物によりドーピングされた重合体、またはチオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物中に陰イオン基を持ち自己ドープされた重合体
(B):グリセリン(b1)、ポリグリセリン(b2)、グリセリンまたはポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物(b3)、およびポリアルキレンオキサイド(b4)の群から選ばれる1種以上の化合物
(C):ポリオール成分がポリエステルポリオールよりなるポリウレタン樹脂
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