以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図13は、本発明の実施の形態に係る伝熱管挿入治具により伝熱管が挿入される蒸気発生器の構成を示す説明図である。蒸気発生器101は、例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に用いられる。加圧水型原子炉は、原子炉冷却材および中性子減速材として軽水を使用している。加圧水型原子炉は、軽水を炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水としての一次冷却水を蒸気発生器101に送る。蒸気発生器101では、高温高圧の一次冷却水の熱を二次冷却水に伝え、二次冷却水に水蒸気を発生させる。そして、この水蒸気によりタービン発電機が回されて発電する。
蒸気発生器101は、胴部102を有している。胴部102は、上下方向に延在され、かつ密閉された中空円筒形状をなし、上半部に対して下半部が若干小径とされている。胴部102は、その下半部内に、当該胴部102の内壁面と所定間隔をもって配置された円筒形状をなす管群外筒103が設けられている。この管群外筒103は、その下端部が、胴部102の下半部内の下方に配置された管板104近傍まで延設されている。管群外筒103内には、伝熱管群105Aが設けられている。伝熱管群105Aは、逆U字形状をなす複数の伝熱管105からなる。伝熱管群105Aは、その上端部に、伝熱管105の上述した逆U字形状の円弧部が配置されている。伝熱管105は、中央から外側に向けて円弧部の径が大きなものを配列した伝熱管層を構成し、この伝熱管層を、重ねつつ径を変えることで、伝熱管群105Aの上端部を半球形状に形成している。この伝熱管群105Aの半球形状部分は、各伝熱管層の円弧部の間に、一次冷却水が各伝熱管105内を通過する際に発生し得る流体励起振動を抑制するための振止部材105aが設けられている。そして、各伝熱管105は、U字形状の円弧部を上方に向け、下端部が管板104の管穴104aに挿通支持されているとともに、中間部が複数の管支持板106を介して管群外筒103に支持されている。管支持板106は、多数の管穴106aが形成されており、この管穴106aに各伝熱管105が挿通されることで各伝熱管105を支持する。
胴部102は、その下端部に水室107が設けられている。水室107は、内部が隔壁108により入室107Aと出室107Bとに区画されている。入室107Aは、各伝熱管105の一端部が連通され、出室107Bは、各伝熱管105の他端部が連通されている。また、入室107Aは、胴部102の外部に通じる入口ノズル107Aaが形成され、出室107Bは、胴部102の外部に通じる出口ノズル107Baが形成されている。そして、入口ノズル107Aaは、加圧水型原子炉から一次冷却水が送られる冷却水配管(図示せず)が連結され、出口ノズル107Baは、熱交換された後の一次冷却水を加圧水型原子炉に送る冷却水配管(図示せず)が連結される。
胴部102は、その上半部内に、給水を蒸気と熱水とに分離する気水分離器109、および分離された蒸気の湿分を除去して乾き蒸気に近い状態とする湿分分離器110が設けられている。気水分離器109と伝熱管群105Aとの間には、外部から胴部102内に二次冷却水の給水を行う給水管111が挿入されている。さらに、胴部102は、その上端部に、蒸気排出口112が形成されている。また、胴部102は、その下半部内に、給水管111からこの胴部102内に給水された二次冷却水を、胴部102と管群外筒103との間を流下させて管板104にて折り返させ、伝熱管群105Aに沿って上昇させる給水路113が形成されている。なお、蒸気排出口112は、タービンに蒸気を送る冷却水配管(図示せず)が連結され、給水管111は、タービンで使用された蒸気が復水器(図示せず)で冷却された二次冷却水を供給するための冷却水配管(図示せず)が連結される。
このような蒸気発生器101では、加圧水型原子炉で加熱された一次冷却水は、入室107Aに送られ、多数の伝熱管105内を通って循環して出室107Bに至る。一方、復水器で冷却された二次冷却水は、給水管111に送られ、胴部102内の給水路113を通って伝熱管群105Aに沿って上昇する。このとき、胴部102内で、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われる。そして、冷やされた一次冷却水は出室107Bから加圧水型原子炉に戻される。一方、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行った二次冷却水は、胴部102内を上昇し、気水分離器109で蒸気と熱水とに分離される。そして、分離された蒸気は、湿分分離器110で湿分が除去されてからタービンに送られる。
図14は、伝熱管の挿入について示す説明図であり、図15は、伝熱管の挿入手順を示すフローチャートである。
上述した蒸気発生器101を製造するにあたり、伝熱管105は、胴部102の上半部や、当該上半部に設けられる気水分離器109、湿分分離器110および給水管111が配置される以前の胴部102の下半部に取り付けられる。図14に示すように、胴部102の下半部は、管群外筒103、管板104および各管支持板106が既に取り付けられ、架台120の上に横置きされる。管板104および管支持板106は、伝熱管105の端部を挿入するための管穴104a,106aが設けられている。
この胴部102の下半部に伝熱管105が取り付けられる。伝熱管105は、胴部102の下半部における上側(図14では横置きのため左側)から、両端部を各管支持板106の管穴106aに挿入され、かつ管板104の管穴104aに挿入されて、U字形状に形成された円弧部が、胴部102の下半部における上側にて半球形状に配置されることになる。
管支持板106および管板104の管穴106a,104aに挿入される伝熱管105は、U字形状に形成された円弧部の径が最も小さいものを中央から外側に向けて順次大きなものを水平に複数配列してなる1層の伝熱管層が基準とされる。そして、この伝熱管層が最下層から積層されつつ、各伝熱管層の間の所定位置に振止部材105aが配置される。これにより、伝熱管105の円弧部の部分が半球形状に形成される。
なお、各伝熱管層は、最下層から積層される順番を逆に重ねられた状態で、上から順に取り出せるように箱105Bに収容され、係る箱105Bが所定数の伝熱管層を1単位として複数用意されている。また、箱105Bに収容されている伝熱管層は、その上下間隔が所定間隔とされている。例えば、伝熱管層の上下間隔は、管支持板106および管板104の管穴106a,104aの上下間隔と同じ間隔とされている。このような伝熱管層を収容する箱105Bは、胴部102の下半部における上側(図14の左側)において、第一昇降装置121の昇降台121aの上に置かれる。第一昇降装置121は、昇降台121aを水平に支持しつつ上下に移動させる。また、昇降台121aに載置される箱105Bに収容されている伝熱管層は、各伝熱管105の端部が各管支持板106および管板104の各管穴106a,104aへの挿入方向に向けて配置される。また、第一昇降装置121と胴部102の下半部との間には、伝熱管105を管支持板106および管板104の管穴106a,104aに挿入する作業を行う作業者Hが乗るための第二昇降装置122が設けられる。第二昇降装置122は、作業者Hが乗る昇降台122aを水平に支持しつつ上下に移動させる。
よって、伝熱管105を管支持板106および管板104の管穴106a,104aに挿入する場合、第一昇降装置121の昇降台121aの上に伝熱管層を収容する箱105Bを載せ、最上層の伝熱管層の高さを、挿入すべき管穴106a,104aの高さに合うように昇降台121aの高さを調整する。そして、最上層の伝熱管層において円弧部の小さい中央の伝熱管105から作業者Hが水平方向にスライド移動させることで、伝熱管105の各端部を管穴106a,104aに挿入する。そして、1層の伝熱管層の挿入を終える。続いて、次に最上層となる伝熱管層の高さを、次に挿入すべき管穴106a,104aの高さに合うように昇降台121aの高さを調整し、同様に作業者Hが、最上層の伝熱管層において円弧部の小さい中央の伝熱管105から水平方向にスライド移動させることで、伝熱管105の各端部を管穴106a,104aに挿入し、1層の伝熱管層を挿入する。この作業を繰り返し、1単位の箱105Bの全ての伝熱管層の挿入が終わったら、次の1単位の箱105Bを第一昇降装置121の昇降台121aの上に同様に載置し、同様に伝熱管105の挿入を行う。また、第二昇降装置122では、作業者Hが上記作業を行い易い体勢となるように、昇降台122aの高さを調整する。
このように、第一昇降装置121によって、最上層の伝熱管層の高さを挿入すべき管穴106a,104aの高さに合うように昇降台121aの高さを調整し、そのまま伝熱管層の伝熱管105を水平方向にスライド移動させて1層の伝熱管層の挿入を行い、これを積層された伝熱管層について続けて行う。伝熱管105を個々に吊り上げてからスライド移動させる従来の作業では、伝熱管105を個々に吊り上げることから伝熱管105を落下させるおそれがあるが、本実施の形態の上述した作業においては、そのような事象を防ぐことが可能になる。
続いて、伝熱管層(伝熱管105)を管支持板106および管板104の管穴106a,104aに挿入する詳細な手順について、図15を参照して説明する。
まず、上述した管支持板106および管板104の管穴106a,104aへの伝熱管105の挿入を行うにあたり、第一昇降装置121および第二昇降装置122が配置された胴部102の下半部における挿入側(図14の左側)は、胴部102の挿入側の開口部と、第一昇降装置121および第二昇降装置122とを覆う挿入側クリーンルーム123が設置される。また、胴部102の下半部における管板104側(図14の右側)は、当該管板104側を覆う管板側クリーンルーム124が設置される。
その後、図15に示すように、管板104の全ての管穴104aおよび管板104の一次側面(図14の右側の面)の洗浄を行う(ステップS1)。管板104の一次側面も、ウエスで汚れを拭き取る。
その後、これから挿入する1箱分の伝熱管105が挿入される管穴104aに対し、目視検査および清浄度検査を行う(ステップS2)。すなわち、油、汚れ、切削屑、磨き屑、およびその他の異物が付着していないかを確認する。
その後、第一昇降装置121の昇降台121aに載置された1箱分の伝熱管層(伝熱管105)を、管支持板106および管板104の管穴106a,104aに挿入する。そして、挿入後は、後述する伝熱管挿入治具1を取り外し、伝熱管105の端部を仮拡管し、管板104の管穴104aに取り付ける。また、仮拡管においては、後述の伝熱管挿入治具1を取り外した伝熱管105の先端の内側縁および外側縁を洗浄する(ステップS3)。
その後、管板104の一次側面と伝熱管105の先端との開先合わせ検査を行う(ステップS4)。
その後、管板104の一次側面に対して伝熱管105の先端をシール溶接する(ステップS5)。
その後、シール溶接部の品質確認のため、1箱分または複数箱分の伝熱管層(伝熱管105)のうちの任意数をサンプリングしてシール溶接部の体積検査を行う(ステップS6)。
ステップS6のサンプリング体積検査においてシール溶接部に不具合が発見された場合、例えば、溶接条件などを改善し、これを次に挿入する他の箱の伝熱管層(伝熱管105)についてタイムリーに反映させる。これにより、品質を確保することが可能になる。
その後、他の箱の伝熱管層(伝熱管105)をステップS2〜ステップS6の手順に従って挿入する。
そして、全ての伝熱管層(伝熱管105)の挿入が終了した後、全ての伝熱管105のシール溶接部に対してヘリウムリークテストを行う(ステップS7)。すなわち、管板104の二次側面側(図14の左側)にヘリウムガスを充填し、シール溶接部からヘリウムガスの漏れがないことを確認する。
その後、全ての伝熱管105に対してPT検査を行う(ステップS8)。すなわち、シール溶接部に検査用の浸透液を塗布して所定時間経過後、浸透液を除去して現像液を塗布することで、シール溶接部に欠陥がないことを確認する。
その後、伝熱管層の間に配置された振止部材105aを固定する(ステップS9)。振止部材105aは、ステップS2〜ステップS5の手順において、1層の伝熱管層の挿入毎に伝熱管層の上に配置され、その上にさらに1層の伝熱管層が配置されることで、伝熱管層の間に配置される。また、振止部材105aは、ステップS2〜ステップS6の手順において、伝熱管105に仮固定され、本ステップS9にて、本固定される。
その後、伝熱管105の端部を本拡管し、管板104の管穴104aに固定する(ステップS10)。ステップS10の拡管では、液圧による拡管を行い、次にローラによる拡管を行う。
以上で、伝熱管層(伝熱管105)を管支持板106および管板104の管穴106a,104aに挿入する作業が終了する。
このように、1箱単位または複数箱単位で、かつ伝熱管層の挿入途中において、ステップS6のサンプリング体積検査を行うことで、シール溶接部に不具合が発見された場合、当該不具合を是正するための手だてを次に挿入する他の箱の伝熱管層(伝熱管105)について反映させることができる。この結果、シール溶接部の不具合を伝熱管105の挿入過程において早期に発見して対処することが可能である。また、1つの蒸気発生器を製造するにあたり、ステップS6のサンプリング体積検査を行うことで、シール溶接部に不具合が発見された場合、当該不具合を是正するための手だてを他の蒸気発生器の製造時に反映させることが可能であり、この場合、既に不具合が是正されるため、ステップS6のサンプリング体積検査を行わなくてもよい。
図16は、伝熱管の他の挿入手順を示すフローチャートである。図15に示す伝熱管105の挿入手順は、所定単位である1箱単位に伝熱管105を挿入するものであるが、図16に示す伝熱管105の他の挿入手順では、全箱(全て)の伝熱管105を一括して挿入するものである。
この挿入手順は、まず、上述した管支持板106および管板104の管穴106a,104aへの伝熱管105の挿入を行うにあたり、第一昇降装置121および第二昇降装置122が配置された胴部102の下半部における挿入側(図14の左側)は、胴部102の挿入側の開口部と、第一昇降装置121および第二昇降装置122とを覆う挿入側クリーンルーム123が設置される。また、胴部102の下半部における管板104側(図14の右側)は、当該管板104側を覆う管板側クリーンルーム124が設置される。
その後、図16に示すように、管板104の全ての管穴104aおよび管板104の一次側面(図14の右側の面)の洗浄を行う(ステップS11)。管板104の一次側面も、ウエスで汚れを拭き取る。
その後、これから挿入する全数の伝熱管105が挿入される管穴104aに対し、目視検査および清浄度検査を行う(ステップS12)。すなわち、油、汚れ、切削屑、磨き屑、およびその他の異物が付着していないかを確認する。
その後、第一昇降装置121の昇降台121aに載置された全数(各箱)の伝熱管層(伝熱管105)を、管支持板106および管板104の管穴106a,104aに挿入する。そして、挿入後は、後述する伝熱管挿入治具1を取り外し、伝熱管105の端部を仮拡管し、管板104の管穴104aに取り付ける。また、仮拡管においては、後述の伝熱管挿入治具1を取り外した伝熱管105の先端の内側縁および外側縁を洗浄する(ステップS13)。
その後、管板104の一次側面と伝熱管105の先端との開先合わせ検査を行う(ステップS14)。
その後、管板104の一次側面に対して伝熱管105の先端をシール溶接する(ステップS15)。
その後、伝熱管層の間に配置された振止部材105aを固定する(ステップS16)。振止部材105aは、ステップS13において、1層の伝熱管層の挿入毎に伝熱管層の上に配置され、その上にさらに1層の伝熱管層が配置されることで、伝熱管層の間に配置される。また、振止部材105aは、ステップS13において、伝熱管105に仮固定され、本ステップS16にて、本固定される。なお、ステップS16は、ステップS15と並行して作業してもよい。
そして、全ての伝熱管層(伝熱管105)の挿入が終了した後、全ての伝熱管105のシール溶接部に対してヘリウムリークテストを行う(ステップS17)。すなわち、管板104の二次側面側(図14の左側)にヘリウムガスを充填し、シール溶接部からヘリウムガスの漏れがないことを確認する。
その後、全ての伝熱管105に対してPT検査を行う(ステップS18)。すなわち、シール溶接部に検査用の浸透液を塗布して所定時間経過後、浸透液を除去して現像液を塗布することで、シール溶接部に欠陥がないことを確認する。
その後、伝熱管105の端部を本拡管し、管板104の管穴104aに固定する(ステップS19)。ステップS10の拡管では、液圧による拡管を行い、次にローラによる拡管を行う。
以上で、伝熱管層(伝熱管105)を管支持板106および管板104の管穴106a,104aに挿入する作業が終了する。
上述したように、図15に示す伝熱管105の挿入手順において、ステップS6のサンプリング体積検査を行うことで、シール溶接部に不具合が発見された場合、当該不具合を是正するための手だてを他の蒸気発生器の製造時に反映させることが可能である。この場合、既に不具合が是正されるため、図16に示す伝熱管105の他の挿入手順に示すように、サンプリング体積検査を行わず、一括して全ての伝熱管105を挿入することが可能になる。
次に、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具1について説明する。図1は、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具の側断面図であり、図2は、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具の側面図であり、図3は、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具の底面図であり、図4は、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具の正面図である。
本実施の形態の伝熱管挿入治具1は、上述したように伝熱管105を管支持板106および管板104の管穴106a,104aに挿入する際、当該伝熱管105の端部に取り付けられるものである。この伝熱管挿入治具1は、図1〜図4に示すように、本体部2と、移動部3と、弾性部4と、回転部5と、先端部6と、嵌合部7とを含み構成されている。
本体部2は、伝熱管挿入治具1の本体をなし、中心線Cを中心とする円柱形状に形成されている。中心線Cは、伝熱管105への挿入方向に沿って延在している。ここで、中心線Cの延在する一方(図1〜図3中左側)を挿入側とし、中心線Cの延在する他方(図1から図3中右側)を先端側とする。本体部2は、挿入側に挿入部2aを有し、先端側に基部2bを有している。挿入部2aは、伝熱管105の端部に挿入される外径を有するとともに、移動部3を中心線Cに沿って移動可能に挿入する内径を有する。基部2bは、伝熱管105の外径と同一径の外径を有し、先端部6を嵌入して固定する内径を有する。挿入部2aの外径は、基部2bの外径よりも小さく形成され、挿入部2aの外周と基部2bの外周との間には、伝熱管105の端部を当接させる段部2cが設けられている。挿入部2aの内径は、基部2bの内径よりも大きく形成され、挿入部2aの内周と基部2bの内周との間には、移動部3の先端側への移動を規制する段部2dが設けられている。また、挿入部2aは、挿入側の端面が挿入側に向かって漸次細くなる楔状のテーパー面2eが形成されている。
移動部3は、中心線Cを中心とする円柱形状に形成されている。移動部3は、本体部2における挿入部2aの挿入側から挿入され、中心線Cの延在方向である本体部2の伝熱管105への挿入方向に沿って移動可能に設けられる。移動部3は、その先端側に、回転部5が係合される係合部として雌ネジ穴3aを有する。また、移動部3は、その移動に際し本体部2における挿入部2aから常に外部に延出する挿入側の端部外周に、外側に突出するフランジ部3bが形成されている。フランジ部3bは、先端側の面が先端側に向かって漸次細くなる楔状のテーパー面3cが形成されている。また、移動部3は、その移動に際し本体部2における挿入部2aに対して常に挿入される中央部分に、中心線Cに直交する方向に貫通する貫通穴3dが形成され、当該貫通穴3dに係止ピン8が嵌入されている。係止ピン8は、その両端部が移動部3の外周から外側に突出して設けられ、当該両端部が本体部2における挿入部2aに対して中心線Cに沿って形成された長穴2fに挿通し係合されている。この係止ピン8と長穴2fとの係合により、移動部3と本体部2との相対移動が許容され、かつ移動部3と本体部2との分離が阻害される。また、移動部3は、軽量化のため、挿入側に減肉穴3eが形成されている。
弾性部4は、ゴム材などの弾性部材がリング状に形成されたOリングとして構成されている。弾性部4は、移動部3に対し、移動部3の移動に際し本体部2における挿入部2aから常に外部に延出する挿入側の外周に設けられている。本実施の形態において、弾性部4は、中心線Cの延在方向に沿って2つ設けられており、その間に押圧部9が介在されている。押圧部9は、本体部2における挿入部2aと同等の外径を有して移動部3の挿入側に挿入され、移動部3に対して中心線Cの延在方向に沿ってスライド移動が可能に設けられている。このため、弾性部4は、本体部2における挿入部2aのテーパー面2eと押圧部9との間、および移動部3におけるフランジ部3bのテーパー面3cと押圧部9との間に配置される。この弾性部4は、本体部2に対する移動部3の一方向(先端側)への移動に伴い、本体部2における挿入部2aのテーパー面2eと押圧部9との間では、テーパー面2eにより径外方向に拡げられつつ押圧部9に押圧されることで本体部2における挿入部2aの外径よりも外側に拡径変形し、移動部3におけるフランジ部3bのテーパー面3cと押圧部9との間では、テーパー面3cにより径外方向に拡げられつつ押圧部9に押圧されることで本体部2における挿入部2aの外径よりも外側に拡径変形する。一方、弾性部4は、本体部2に対する移動部3の他方向(挿入側)への移動に伴い、本体部2における挿入部2aのテーパー面2eと押圧部9との間では、押圧状態が解かれて本体部2における挿入部2aの外径以下に縮径変形し、移動部3におけるフランジ部3bのテーパー面3cと押圧部9との間では、押圧状態が解かれて本体部2における挿入部2aの外径以下に縮径変形する。なお、弾性部4は、上述した2つ以上あってもよく、図には明示しないが、例えば、弾性部4を3つとした場合、押圧部9が2つとなり、当該2つの押圧部9の間に弾性部4が設けられる。そして、各押圧部9の対向する端面の少なくとも一方にテーパー面を有することが好ましい。
回転部5は、本体部2の内部に設けられており、本体部2における基部2b側において中心線Cを中心に回転可能に設けられ、本体部2における挿入部2a側において移動部3の雌ネジ穴3aに螺合する雄ネジ部5aを有して設けられている。本実施の形態の回転部5は、ボルトとして構成されており、その頭部5bにおいて、当該頭部5bより小径の工具L(図9参照)が嵌合する嵌合凹部5cが形成されている。例えば、図4に示すように、嵌合凹部5cを六角穴として構成した場合、工具Lは六角レンチとなる。
先端部6は、中心線Cを中心とする円柱形状に形成され、本体部2の先端側に一体に設けられている。先端部6は、本体部2おける基部2bに対して嵌入され、当該基部2bの外径と同一の外径とされて先端側に延出して設けられている。また、先端部6は、その先端側の端面が中心線Cに対して斜めに形成されたテーパー面6aを有している。また、先端部6は、中心線Cの延在方向に沿ってテーパー面6aから本体部2内に貫通する貫通穴6bが形成されている。貫通穴6bは、本体部2内に通じる挿入側からテーパー面6aを有する先端側に至り、回転支持穴6c、回転部規制穴6d、嵌合穴6eを含む。回転支持穴6cは、回転部5が挿入されて当該回転部5を回転可能に挿入する。回転支持穴6cに挿入された回転部5は、その雄ネジ部5aが本体部2における挿入部2a内に至り、移動部3の雌ネジ穴3aに螺合される。回転部規制穴6dは、回転支持穴6cよりも内径が大きく形成され、回転部5の頭部5bを収容し、回転支持穴6cへの回転部5の挿入側への位置を規制する。嵌合穴6eは、回転部規制穴6dよりも内径が大きく形成され、回転部5を先端部6の先端側から挿入するものであり、かつ嵌合部7が嵌入される。回転部規制穴6dと嵌合穴6eとの間は、その内径の異なりにより段部6fが形成されている。この段部6fは、嵌合穴6eに嵌合された嵌合部7が当接する部分であり、嵌合部7の位置を規制するとともに、嵌合部7が回転部5に当接することを防止する。本実施の形態では、嵌合穴6eは、雌ネジ穴として形成されている。なお、本実施の形態において、先端部6は、本体部2に対して嵌入されることで本体部2と一体に設けられているが、本体部2と一塊の材料で構成されていてもよい。
嵌合部7は、円柱形状に形成されて先端部6の嵌合穴6eに嵌合されるもので、本実施の形態では外周面にネジ部が形成され、雌ネジ穴である嵌合穴6eに螺合される雄ネジ部材として構成されている。嵌合部7は、その先端側の端面が、先端部6のテーパー面6aの一部をなしてテーパー面6aに面一となるテーパー面7aを有している。また、嵌合部7は、中心線Cの延在方向に沿ってテーパー面7aから先端部6における回転部規制穴6dに貫通する操作穴7bが形成されている。操作穴7bは、図4に示すように、回転部5の頭部5bの外径よりも小さい内径に形成され、かつテーパー面7aから回転部5の嵌合凹部5cを臨んで工具L(図9参照)を挿通することのできる内径に形成されている。すなわち、操作穴7bは、回転部5の挿通を拒む一方で回転部5を回転操作するための工具Lを挿通し得る内径に形成されている。また、嵌合部7と先端部6とが嵌合する境目に固定穴10aが形成されており、当該固定穴10aに固定ピン10bが嵌入されることで、嵌合部7が先端部6から嵌合部7が抜けないように固定されている。
図5および図6は、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具の製造方法の説明図である。上述した伝熱管挿入治具1の製造方法は、図5に示すように、各部2,3,4,5,6,7,9をそれぞれ用意する。ここで、嵌合部7は、操作穴7bが形成されているがテーパー面7aはまだ形成されておらず、中心線Cの延在方向に長く形成された円柱形状として用意される。
まず、移動部3に対して先端側から弾性部4および押圧部9を装着する。次に、弾性部4および押圧部9を介して本体部2に挿入側から移動部3を挿入する。次に、移動部3の貫通穴3dと本体部2の長穴2fに係止ピン8を通し、貫通穴3dに嵌入する。そして、これまでの工程に前後し、本体部2に先端側から先端部6を嵌合する。次に、先端部6の先端側において嵌合穴6eから回転部5の雄ネジ部5aを挿入して回転支持穴6cを貫通させ、当該雄ネジ部5aを移動部3の雌ネジ穴3aに螺合させる。次に、先端部6の先端側において嵌合穴6eに嵌合部7を嵌合(螺合)させる。ここで、嵌合穴6eに嵌合部7を嵌合(螺合)させた状態では、図6に示すように、嵌合部7が嵌合穴6eから突出した形態となる。よって、次に、先端部6の先端面から突出する嵌合部7の一部を切削してテーパー面6aと面一にテーパー面7aを形成する。このテーパー面7aの形成に前後し、嵌合部7と先端部6とが嵌合する境目に固定穴10aを形成し、当該固定穴10aに固定ピン10bを嵌入する。
図7および図8は、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具の他の製造方法の説明図である。上述した伝熱管挿入治具1の他の製造方法は、図7に示すように、各部2,3,4,5,6,7,9をそれぞれ用意する。ここで、先端部6および嵌合部7は、操作穴7bが形成されているがテーパー面6a,7aはまだ形成されておらず、中心線Cの延在方向に長く形成された円柱形状として用意される。
まず、移動部3に対して先端側から弾性部4および押圧部9を装着する。次に、弾性部4および押圧部9を介して本体部2に挿入側から移動部3を挿入する。次に、移動部3の貫通穴3dと本体部2の長穴2fに係止ピン8を通し、貫通穴3dに嵌入する。そして、これまでの工程に前後し、本体部2に先端側から先端部6を嵌合する。次に、先端部6の先端側において嵌合穴6eから回転部5の雄ネジ部5aを挿入して回転支持穴6cを貫通させ、当該雄ネジ部5aを移動部3の雌ネジ穴3aに螺合させる。次に、先端部6の先端側において嵌合穴6eに嵌合部7を嵌合(螺合)させる。ここで、嵌合穴6eに嵌合部7を嵌合(螺合)させた状態では、図8に示すように、嵌合部7が嵌合穴6eから突出した形態(または突出しない形態であってもよい)となる。次に、先端部6の一部および嵌合部7の一部をともに切削して面一なテーパー面6a,7aを形成する。このテーパー面6a,7aの形成に前後し、嵌合部7と先端部6とが嵌合する境目に固定穴10aを形成し、当該固定穴10aに固定ピン10bを嵌入する。
このように製造された伝熱管挿入治具1は、上述した伝熱管105を管穴106a,104aに挿入する以前に、伝熱管105に対して、その端部に取り付けられる。図9は、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具の使用における側断面図である。
伝熱管105の端部に伝熱管挿入治具1を取り付けるには、図9に示すように、伝熱管105の端部に伝熱管挿入治具1を挿入側から挿入する。そして、本体部2の段部2cに伝熱管105の端部を突き当てる。この状態で、先端側から嵌合部7の操作穴7bに工具Lを挿入し、回転部5の嵌合凹部5cに嵌合させ、当該工具Lにより回転部5を回転させる。すると、移動部3が先端側(一方向)に移動し、弾性部4が拡径変形する。そして、拡径変形した弾性部4が、伝熱管105の内周面に当接することで、伝熱管105に伝熱管挿入治具1が固定される。この状態において、伝熱管105の端部から突出する本体部2および先端部6は、伝熱管105の外径と同一の外径で突出する。
図10は、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具により挿入される伝熱管および管穴の説明図である。図10に示すように、伝熱管105は、円柱形状に形成されている。一方、管支持板106の管穴106aは、伝熱管105が挿入される内径で、略四辺形に形成されており、その四辺に伝熱管105を支持する支持突起106bが設けられている。
図11は、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具による伝熱管の挿入形態を示す側断面図であり、図12は、本実施の形態に係る伝熱管挿入治具による伝熱管の挿入形態を示す底面図である。図10に示すように形成された管穴106aに対して伝熱管105を挿入する場合、伝熱管挿入治具1を先頭にして挿入する。この場合、図11に示すように、伝熱管105が下方に撓み、伝熱管105の端部がやや下向きとなって進行する。そこで、伝熱管挿入治具1は、テーパー面6a,7aを下側に向けて伝熱管105に取り付けることで、このテーパー面6a,7aが管穴106aの下方の開口縁に沿って管穴106a内に進入するため、テーパー面6a,7aにより伝熱管105の端部が上昇しながら管穴106aに対して円滑に挿入される。ここで、管穴106aの支持突起106bが、管穴106aの下方の開口縁に設けられている場合、この支持突起106bに対してテーパー面6a,7aが摺接することになる。本実施の形態においては、先端部6の嵌合穴6eに嵌合部7が嵌合され、この嵌合部7の操作穴7bがテーパー面7aに開口している。この操作穴7bは、工具Lを挿入し得る内径であり、図10および図12に示すように、支持突起106bの先端の幅Wに対して同等以下に形成されている。このため、操作穴7bに支持突起106bが進入することがないことから、当該支持突起106bに対して操作穴7bが引っ掛かることがなく、支持突起106bにテーパー面6a,7aが円滑に摺接することになる。なお、伝熱管挿入治具1は、図15に示す伝熱管105の挿入手順のステップS3の工程の際、または図16に示す伝熱管105の他の挿入手順のステップS13の工程の際、伝熱管105を管支持板106および管板104の管穴106a,104aに挿入した後に取り外される。
なお、本実施の形態の伝熱管挿入治具1は、伝熱管105の撓みを招来しないように、極力軽量にすることが必要である。そのため、移動部3に減肉穴3eが形成されている。
このように、本実施の形態の伝熱管挿入治具1は、伝熱管105の端部に挿入される本体部2と、本体部2に設けられており当該本体部2における伝熱管105への挿入方向(中心線Cの延在方向)に沿って移動可能に設けられた移動部3と、移動部3の一方向への移動に伴って本体部2の外径よりも外側に拡径変形する一方、移動部3の他方向への移動に伴って本体部2の外径以下に縮径変形する弾性部4と、本体部2の内部に設けられて移動部3に係合されており自身の回転により移動部3を移動させる回転部5と、本体部2に一体に設けられて伝熱管105の端部から外部に延出される先端面がテーパー面6aとして形成された先端部6と、先端部6の先端面に形成された嵌合穴6e内に嵌合されてテーパー面6aの一部を形成しており、回転部5の挿通を拒む一方で回転部5を回転操作するための工具Lを挿通し得る内径に形成された操作穴7bを有する嵌合部7とを備える。
この伝熱管挿入治具1によれば、伝熱管105への取り付けにおいて、伝熱管105の端部に本体部2を挿入し、伝熱管105の端部から外部に延出される先端部6の先端面に嵌合された嵌合部7の操作穴7bに工具Lを挿入して回転部5を回転させることで弾性部4を拡径変形させ、この弾性部4を伝熱管105の内周面に当接させる。このため、伝熱管105への取り付けの際、テーパー面6aを有する先端部6を回転させることなく取り付けを行うことが可能である。この結果、テーパー面6aによって下方に撓んだ伝熱管105を管穴106a,104a内に案内するために、テーパー面6aを下方に向けた形態を容易に得ることができ、管穴106a,104aへの伝熱管105の挿入作業を容易に行うことが可能になる。
しかも、この伝熱管挿入治具1によれば、工具Lを挿入する操作穴7bは、先端部6の先端面に形成された嵌合穴6e内に嵌合されてテーパー面6aの一部をなす嵌合部7に形成され、この嵌合部7によって回転部5の挿通を拒むように内径が小さく形成されている。このため、管穴106aの内周に伝熱管105を支持する支持突起106bが設けられ、この支持突起106bが管穴106aの下方の縁に位置していても、小さい内径の操作穴7bが支持突起106bに引っ掛かることがない。この結果、管穴106a,104aへの伝熱管105の挿入を円滑に行うことが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管挿入治具1は、嵌合部7を先端部6に対して固定する固定ピン10bを備える。
この伝熱管挿入治具1によれば、嵌合部7を先端部6に対して抜け止めすることができ、伝熱管105を管穴106a,104aに挿入する際に、先端部6からの嵌合部7の分離を防止することが可能になる。
また、本実施の形態の伝熱管挿入治具1は、移動部3に嵌挿される係止ピン8と、本体部2に設けられており移動部3の移動方向に延在して形成されて係止ピン8に係合する長穴2fとを備える。
この伝熱管挿入治具1によれば、移動部3の移動を許容する一方で、移動部3と本体部2とを分離させないことで、伝熱管105への取り付けまたは取り外しにおいて作業を容易に行うことが可能である。しかも、係止ピン8と長穴2fとの係合により回転部5を回転させるときに移動部3の連れ回りを防ぐことが可能である。
また、本実施の形態の伝熱管挿入治具1の製造方法は、伝熱管105の端部に挿入される本体部2と、本体部2に設けられており当該本体部2における伝熱管105への挿入方向(中心線Cの延在方向)に沿って移動可能に設けられた移動部3と、移動部3の一方向への移動に伴って本体部2の外径よりも外側に拡径変形する一方、移動部3の他方向への移動に伴って本体部2の外径以下に縮径変形する弾性部4と、本体部2の内部に設けられて移動部3に係合されており自身の回転により移動部3を移動させる回転部5と、本体部2に一体に設けられて伝熱管105の端部から外部に延出される先端面がテーパー面6aとして形成された先端部6と、先端部6の先端面に形成された嵌合穴6e内に嵌合されてテーパー面6aの一部を形成しており、回転部5の挿通を拒む一方で回転部5を回転操作するための工具Lを挿通し得る内径に形成された操作穴7bを有する嵌合部7とを備える伝熱管挿入治具1の製造方法であって、弾性部4を介在して本体部2に移動部3を挿入する工程と、次に、先端部6の嵌合穴6eから回転部5を挿入し、移動部3に係合する工程と、次に、予めテーパー面6aが形成された先端部6の嵌合穴6eに嵌合部7を嵌合した後、先端部6の先端面から突出する嵌合部7の一部を切削してテーパー面6aと面一に形成する工程とを含む。
この伝熱管挿入治具1の製造方法によれば、管穴106a,104aへの伝熱管105の挿入を円滑に行うことが可能な伝熱管挿入治具1を製造することが可能である。
また、本実施の形態の伝熱管挿入治具1の製造方法は、伝熱管105の端部に挿入される本体部2と、本体部2に設けられており当該本体部2における伝熱管105への挿入方向(中心線Cの延在方向)に沿って移動可能に設けられた移動部3と、移動部3の一方向への移動に伴って本体部2の外径よりも外側に拡径変形する一方、移動部3の他方向への移動に伴って本体部2の外径以下に縮径変形する弾性部4と、本体部2の内部に設けられて移動部3に係合されており自身の回転により移動部3を移動させる回転部5と、本体部2に一体に設けられて伝熱管105の端部から外部に延出される先端面がテーパー面6aとして形成された先端部6と、先端部6の先端面に形成された嵌合穴6e内に嵌合されてテーパー面6aの一部を形成しており、回転部5の挿通を拒む一方で回転部5を回転操作するための工具Lを挿通し得る内径に形成された操作穴7bを有する嵌合部7とを備える伝熱管挿入治具1の製造方法であって、弾性部4を介在して本体部2に移動部3を挿入する工程と、次に、先端部6の嵌合穴6eから回転部5を挿入し、移動部3に係合する工程と、次に、先端部6の嵌合穴6eに嵌合部7を嵌合した後、先端部6の一部および嵌合部7の一部をともに切削して面一なテーパー面6aを形成する工程とを含む。
この伝熱管挿入治具1の製造方法によれば、管穴106a,104aへの伝熱管105の挿入を円滑に行うことが可能な伝熱管挿入治具1を製造することが可能である。