JP5822074B2 - 揺動鍛造装置 - Google Patents

揺動鍛造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5822074B2
JP5822074B2 JP2012016506A JP2012016506A JP5822074B2 JP 5822074 B2 JP5822074 B2 JP 5822074B2 JP 2012016506 A JP2012016506 A JP 2012016506A JP 2012016506 A JP2012016506 A JP 2012016506A JP 5822074 B2 JP5822074 B2 JP 5822074B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
mandrel
hole
workpiece
upper mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012016506A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013154371A (ja
Inventor
直樹 平位
直樹 平位
寛史 井下
寛史 井下
拓也 助田
拓也 助田
宏典 青山
宏典 青山
稔明 増井
稔明 増井
晃徳 富岡
晃徳 富岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012016506A priority Critical patent/JP5822074B2/ja
Publication of JP2013154371A publication Critical patent/JP2013154371A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5822074B2 publication Critical patent/JP5822074B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、揺動鍛造装置に関するものである。
従来から、中心部に筒状部を有する円盤状の部品、例えばCVTシーブ等を成形する手法として、熱間鍛造法が広く用いられている。熱間鍛造法においては、図7(d)に示される円柱状の素材から、図7(e)に示される円盤状の一次中間品、図7(f)に示される二次中間品、図7(g)に示される三次中間品を、順次別工程で成形し、最終的に図7(h)に示されるような円盤状の部品100を成形する手順が取られている。
一方、円盤状の部品100を成形するための手法として、揺動鍛造方法が採用される場合もある。この揺動鍛造方法は冷間成形の一種であり、以下に説明するように、揺動部と昇降部とを備える揺動鍛造装置によって実現されるものである。ここで、揺動鍛造装置の揺動部は、例えば円錐状に角度を持った上型を有し、この上型を所定の中心点を基準に揺動回転駆動(いわゆる「すりこぎ運動」)させるものである。又、昇降部は上型と対向する下型を有し、この下型を上型に対し昇降させるものである。
揺動鍛造装置を用いた具体的な成形手順は、まず、円盤状又は円柱状のワークを下型にセットし、下型を上昇させて、揺動回転運動する上型に対しワークを当接させる。そして、上型の揺動回転運動に伴い、ワークの成形が円周方向に逐次進行していく。ワークの成形が進行するに従い、上型と下型との上下方向の距離が接近し、一定距離に保持される。そして、上型と下型とが一定距離に保持された状態で、上型の揺動回転運動を継続しつつワークを所定時間保持した後に、下型を下降させて成形を完了するものである。かかる揺動鍛造方法によれば、一般的な鍛造方法に比べ衝撃や振動の発生が少なく、又、ワークの内部応力も少なくすることが出来るので、最終的な製品形状へと、1サイクルで鍛造することも可能となる(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平11−182641号公報 特開平7−51787号公報
ところで、従来の熱間鍛造による円盤状の部品100の成形方法は、加熱工程が必要であることや、成形時に大荷重が必要であることから、設備コストの高騰を招くものである。又、ワークを加熱することで生じる酸化スケール、熱膨張、熱収縮等により寸法精度の管理が困難で、所望の寸法精度を得るために、多くの機械加工工程が必要となる。更に、高い設備コストを回収するために、製造サイクルタイムを短くする必要があるが、機械加工工程とのタイムサイクルの同期が困難であり、大量の中間品の在庫管理も必要となる。このため、高コスト体質の改善を図ることが困難である。
一方、揺動鍛造方法は冷間成形の一種であることから、上記のような熱間鍛造方法の課題は解決されるが、従来の揺動鍛造方法により円盤状の部品100を成形する際には、次のような問題が生じる。
図8(a)には、従来の揺動鍛造装置の上型12及び下型14と共に、仮想線で筒状部Waを有するワークWが示されている。図中の符号Cで示される軸線は、鉛直軸(下型14の鉛直方向中心軸)を表し、同図に符号C12で示される軸線は、上型12の揺動回転軸を示している。ところで、図示のような、筒状部Waを有する円盤状のワークWを対象として、揺動鍛造を行うために、ワークWの筒状部Waの内周面Wbに、図8(a)に示されるような、上型12の円錐台状の突起部12pを当接させると、突起部12pによる内周面Wbの拘束が不十分となる。その結果、突起部12pに拘束されない部分が、本来必要な形状の内周面Wcを損なうように、余肉部Wdが発生してしまうこととなる。よって、余肉部Wdを除去する後工程が必要不可欠となる。
これに対し、図8(b)に示されるように、上型12に、ワークWの筒状部Waの内周面Wbを、より広範囲に拘束することが可能な、円柱状突起部であるマンドレル12p’を設けて、揺動鍛造を実施することとすれば、マンドレル12p’による内周面Wbの拘束が十分となる。しかしながら、揺動鍛造工法は一般的な鍛造方法と異なり、上型12が、鉛直軸Cvに対して傾斜する揺動回転軸C12を以って揺動運動を行うものである。このため、上型12の揺動回転運動に伴い、ワークWに生じる素材流動を受けて、円柱状突起部12p’には大きな曲げモーメントMが生じる。そして、上型12のマンドレル12p’が、弾性変形可能な範囲を超えて変形することで、特にマンドレル12p’の基端部付近に破損を生じるおそれがある。又、揺動鍛造工法を採用しても、最終的には、ワークWの筒状部Waの穴抜き工程が必要であり、製造コストの増大につながるものである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筒状部を有するワークを対象として揺動鍛造を行うにあたり、金型の破損を招くことなく、所望の形状へと成形することを可能とすることにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)所定の中心点を基準に揺動回転する第1型と、該第1型の揺動運動と同期するように前記第1型の中心軸上に設けられたマンドレルと、
筒状部を有するワークをセットした状態で前記第1型に対し離間接近し、前記ワークを前記第1型及び前記マンドレルに当接させる第2型とを含み、
前記マンドレルは、前記第1型と別体をなし、かつ、前記第1型の揺動運動時に前記ワークからの負荷によって生じる曲げモーメントを打ち消す方向へと、前記第1型の中心軸に対する相対角度を所定範囲内で変更可能に、前記第1型に支持されている揺動鍛造装置。
本項に記載の揺動鍛造装置は、第1型が所定の中心点を基準として揺動回転駆動された状態で、例えば、第2型が第1型に対し昇降することにより、第2型と第1型とを離間接近させるものである。又、ワークを第2型にセットした状態で第2型を上昇させて、揺動回転運動する第1型に対しワークを当接させることで、第1型の揺動回転運動に伴い、第2型にセットされたワークの成形が円周方向に逐次進行していくものである。
又、本項の発明においては、第1型の揺動運動と同期するように第1型の中心軸上に設けられたマンドレルを含んでおり、このマンドレルによりワークの筒状部の内周面を成形するものである。しかも、このマンドレルが第1型とは別体をなし、その中心軸が、第1型の揺動運動時にワークからの負荷、より具体的には、第1型の揺動運動に伴いワークに生じる素材流動に起因する曲げモーメントを打ち消す方向へと、第1型の中心軸に対する相対角度を所定範囲内で変更可能に、第1型に支持されている。すなわち、マンドレルは第1型に強固に拘束されることなく、第1型の揺動回転運動に伴いワークに生じる素材流動を受けて、マンドレルは適宜第1型に対する相対的な位置を変えて行くものである。このように、マンドレルが、第1型との相対角度を変えることから、ワークに生じる素材流動を受けても、マンドレルに大きな曲げモーメントが生じることもない。
しかも、成形中、ワークに生じる素材流動は、第1型の継続的な揺動運動により、ワークの円周方向に逐次移動していくものである。このため、マンドレルに生じる曲げモーメントを減少させるための、マンドレルの角度変化は、製品の精度に影響を及ぼさない限定的な範囲にのみ生じるものであっても十分となる。かかるマンドレルによりワークの筒状部の内周面を成形することで、マンドレルによるワークの筒状部の内周面の拘束は十分となり、かつ、マンドレルが第1型との相対角度を変えることによる精度悪化を来たすこともなく、必要な製品形状が得られることとなる。
(2)上記(1)項において、前記マンドレルは、前記第1型に形成された貫通穴から突出して前記ワークの筒状部の内周面に当接する成形部と、前記第1型の貫通穴内に留まる保持部とを含み、
前記第1型の前記貫通穴及び前記マンドレルの前記保持部に、前記第1型に対する前記マンドレルの、前記成形部方向への抜け止めとなる相補的な段差形状部と、前記第1型に対する前記マンドレルの相対的な角度変更の基点となる環状拘束部と、が形成されている揺動鍛造装置。
本項に記載の揺動鍛造装置は、マンドレルに、第1型に形成された貫通穴から突出してワークの筒状部の内周面に当接する成形部と、第1型の貫通穴内に留まる保持部とを含み、第1型の貫通穴及びマンドレルの保持部に、第1型に対するマンドレルの、成形部方向の抜け止めとなる相補的な段差形状部を含むことで、マンドレルは第1型から脱落することなく支持されるものである。
しかも、第1型の貫通穴及びマンドレルの保持部に形成された環状拘束部が、第1型に対するマンドレルの相対的な角度変更の基点になることで、マンドレルは、第1型の揺動運動に伴いワークに生じる素材流動を受けて、第1型の中心軸に対する相対角度を所定範囲内で変更可能となる。
(3)上記(2)項において、前記マンドレルの前記保持部は、その基端側から大径部、直径徐変部及び小径部の順でつながり、該小径部の先端側に前記成形部が構成されており、
前記第1型の貫通穴は、前記第2型に対向する端面とは反対側の端面から、前記マンドレルの前記保持部に対して、前記マンドレルの相対的な角度変更を許容する寸法を有する、大径部、直径徐変部及び小径部の順でつながり、該小径部が前記第2型と対向する端面へと至る揺動鍛造装置(請求項1)。
本項に記載の揺動鍛造装置は、マンドレルの保持部が、その基端側から大径部、直径徐変部及び小径部の順でつながる形状を有している。又、第1型の貫通穴は、第2型に対向する端面とは反対側の端面から第2型と対向する端面へと至るものであり、マンドレルの相対的な角度変更を許容する寸法を有している。
(4)上記(3)項において、前記マンドレルの前記保持部と前記第1型の前記貫通穴との、前記各小径部の軸方向の所定範囲のはめあいが、しまりばめとなるように設定されて、前記環状拘束部が形成されている揺動鍛造装置(請求項2)。
本項に記載の揺動鍛造装置は、マンドレルの保持部と第1型の貫通穴との、各小径部の軸方向の所定範囲のはめあいが、しまりばめとなるように設定され、このしまりばめによって環状拘束部が構成されることで、マンドレルは、環状拘束部を基点として、第1型の中心軸に対する相対角度を所定範囲内で変更可能となる。そして、マンドレルの保持部の、小径部の先端側の成形部により、ワークの筒状部の内周面の拘束は十分となり、かつ、マンドレルが第1型との相対角度を変えることによる精度悪化を来たすこともなく、必要な製品形状が得られることとなる。
なお、環状拘束部を構成する、マンドレルの保持部と第1型の貫通穴との、各小径部の軸方向の所定範囲に設定される、しまりばめとなる寸法公差については、両者の相対的な寸法関係によるものであることから、第1型の貫通穴側を、小径寄りの寸法公差に設定しても、マンドレルの保持部側を大径寄りの寸法公差に設定してもよいものである。又、環状拘束部の所定幅についても、第1型に対するマンドレルの相対的な角度変更が、必要な角度範囲に収まる幅に設定されるものである。又、環状拘束部を構成する軸方向の所定範囲については、例えば、第1型に対するマンドレルの相対的な角度変更の基点をどの位置にするかにより、適切に設定されるものである。
)上記()項において、前記環状拘束部が、前記第1型の貫通穴の、前記第2型と対向する端面から所定幅の範囲に形成されている揺動鍛造装置(請求項)。
本項に記載の揺動鍛造装置は、環状拘束部が、第1型の貫通穴の、第2型と対向する端面から所定幅の範囲に形成されていることで、ワークの素材流動が第1型の貫通穴及びマンドレルの保持部の間の隙間へと侵入して、バリを生じることを阻止するものとなる。
本発明はこのように構成したので、筒状部を有するワークを対象として揺動鍛造を行うにあたり、金型の破損を招くことなく、所望の形状へと成形することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る揺動鍛造装置の要部断面図である。 本発明の実施の形態に係る揺動鍛造装置の上型を示すものであり、(a)は成形面が構成された下面図、(b)は縦段面図及び一部拡大図である。 本発明の実施の形態に係る揺動鍛造装置のマンドレルを示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る揺動鍛造装置の、上型及びマンドレルの環状拘束部を示す模式断面図である。 本発明の実施の形態に係る、揺動鍛造装置を用いワークを成形する様子を示す模式段面図である。 図5に示されるワークの成形時に、上型とマンドレルとの間にできる隙間を誇張して示す、模式断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る揺動鍛造方法の手順を示すものであり、(d)〜(h)は、比較例として、従来の熱間鍛造方法の手順を示すものである。 (a)、(b)は、従来の揺動鍛造装置を一部断面図で示した図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて説明する。なお、以下の説明において、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
図1には、本発明の実施の形態に係る揺動鍛造装置の、揺動部及び昇降部の要部を断面で示している。揺動鍛造装置10は、揺動部16及び昇降部18を含むものであり、揺動部16は、第1型として、本実施の形態では上型12を保持して、上型12を所定の中心点Pを基準に揺動回転させるものである。又、昇降部18は、筒状部Wa(図8参照)を有するワークWをセットする第2型として、本実施の形態では下型14を、上型12に対し昇降させて、ワークWを上型12に当接させるものである。更に、本発明の実施の形態では、ワークWの筒状部Waの内周面Wb(図8参照)を成形するための、上型12の揺動運動と同期するように、上型12の中心軸C12上に設けられたマンドレル20を有している。
このマンドレル20は、後述の如く上型12とは別体をなすものであり、上型12に形成された貫通穴12aに対して上方から挿入されている。そして、貫通穴12aの上端側開口が板状のスペーサ19によって閉じられることで、マンドレル20の基端20aが、貫通穴12aの上方へと脱落することを防いでいる。又、マンドレル20の基端20aとスペーサ19との間には、必要に応じ、後述する上型12の中心軸に対する相対角度を所定範囲内で変更可能とするために必要なだけの、隙間が設けられている。そして、図示の例では、マンドレル20の先端20bに、揺動回転の中心点Pが位置している。
なお、図1には、揺動部16と昇降部18の、2つの状態(成形開始前及び成形中)を示している。又、便宜上、鉛直軸Cの左半分にのみ、揺動部16と昇降部18の成形中の状態を示している。更に、図示の様に、昇降部18に対して揺動部16が昇降するように構成しても良く、上述の如く昇降部18の方が、揺動部16に対して昇降するように動作することで、下型14を上昇させて、揺動回転運動する上型12に対しワークWを当接させる構成を採用してもよい。本実施の形態では、後者を例に挙げて以下の説明を行う。
図2には本発明の実施の形態に係る上型12を、図3には本発明の実施の形態に係るマンドレル20を示している。
図3に示される、マンドレル20は上型12と別体をなし、その中心軸C20が、上型12の揺動運動時にワークWからの負荷F(図5参照)によって生じる曲げモーメントM(図8(b)参照)を打ち消す方向へと、上型12の中心軸C12に対する相対角度を所定範囲内で変更可能に、上型12に支持されている。ここで、マンドレル20は、上型12に形成された貫通穴12aから突出してワークWの筒状部Waの内周面に当接する成形部20fと、上型12の貫通穴12a内に留まる保持部20mとを含むものである。より具体的には、保持部20mは、マンドレル20の基端20a側から大径部20mL、直径徐変部20mM及び小径部20mSの順でつながり、更に、これら各部がアール形状Rによってなだらかにつながっている。そして、小径部20mMの先端20b側によって、成形部20fが構成されている。図示の例では、直径徐変部20mMは円錐台状をなしているが、例えば、球面状に直径が徐変する形状を採用することも可能である。
一方、上型12の貫通穴12aは、図2(b)に示されるように、下型14に対向する端面(下端面)12bとは反対側の端面(上端面)12cに開口する大径部12aLから、直径徐変部12aM及び小径部12aSの順でつながり、更に、直径徐変部12aM及び小径部12aSは、アール形状Rによってなだらかにつながっている。そして、小径部12aSが下型14と対向する端面12bへと至る形状を有している。
このような各部直径寸法により、上型12の貫通穴12a及びマンドレル20の保持部20mには、上型12に対するマンドレル20の、成形部20f方向への抜け止めとなる相補的な段差形状部が形成されているものである。なお、大径部12aL、直径徐変部12aM及び小径部12aSは、マンドレル20の相対的な角度変更を許容するための、隙間が生じる寸法を有するものである。
加えて、上型12の貫通穴12aと、マンドレル20の保持部20mの小径部20mSとによって、図2(b)及び図4に符号22で示される、環状拘束部22が構成されている。この環状拘束部22は、上型12に対するマンドレル20の相対的な角度変更の基点となるべく、マンドレル20の保持部20mと上型12の貫通穴12aとの、各小径部20mS、12aSの軸方向の所定範囲のはめあいが、しまりばめとなるように設定されることにより、形成されている。
ここで、環状拘束部22を構成する、マンドレル20の保持部20mと上型12の貫通穴12aとの、各小径部20mS、12aSのしまりばめとなるはめあいは、本実施の形態では、図2(b)に拡大図示されるように、上型12の貫通穴12aに帯状小径部12gを形成し、ここに小径寄りの寸法公差が設定されている。しかしながら、しまりばめとなる寸法公差については、両者の相対的な寸法関係によるものであることから、マンドレル20の保持部側20mに、大径寄りの寸法公差に設定することとしてもよいものである。
又、環状拘束部22を構成する軸方向の所定範囲については、上型12に対するマンドレル20の相対的な角度変更の基点をどの位置にするかにより定まるものである。図示の例では、上型12の貫通穴12aの、下型14と対向する端面12bから所定幅の範囲に、帯状小径部12gが設定されている。又、環状拘束部22の所定幅についても、上型12に対するマンドレル20の相対的な角度変更が、必要な角度範囲となるように設定されるものである。
そして、本発明の実施の形態に係る揺動鍛造方法は、図7(a)に示されるように、筒状部12aに予め内径穴12dを貫通させたワークWを、図7(b)に示されるように、上述の揺動鍛造装置10へとセットして揺動鍛造を行う。そして、図7(b)に示される1サイクルの揺動鍛造工程にて、図7(c)に示される、円盤状の部品100を成形するものである。なお、図7(c)の円盤状の部品100は、図7(h)に示される、熱間鍛造により得られる円盤状の部品100と同等のものである。
さて、上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。
まず、本発明の実施の形態によれば、ワークWを揺動鍛造装置10の下型14にセットした状態で、下型14を上昇させて、揺動回転運動する上型12に対しワークWを当接させることで、上型12の揺動回転運動に伴い、下型14にセットされたワークWの成形が円周方向に逐次進行していくものである。
又、本項の発明においては、上型12の揺動運動と同期するように上型12の中心軸C12上に設けられたマンドレル20を含んでおり、このマンドレル20によりワークWの筒状部Waの内周面Wbを成形するものである。しかも、このマンドレル20が上型12とは別体をなし、その中心軸C20(図3参照)が、上型12の揺動運動時にワークWからの負荷F、すなわち、上型12の揺動運動に伴いワークWに生じる素材流動に起因する曲げモーメントM(図8(b)参照)を、打ち消す方向へと、上型12の中心軸C12に対する相対角度を所定範囲内で変更可能に、上型12に支持されている。
すなわち、マンドレル20は上型12に強固に拘束されることなく、上型12の揺動回転運動に伴いワークWに生じる素材流動を受けて、図5に点線で示されるように、マンドレル20は適宜上型12に対する相対的な位置を変えて行くものである。そして、マンドレル20が、上型12との相対角度を変えることから、ワークWに生じる素材流動を受けても、マンドレル20に大きな曲げモーメントMが生じることもなく、上型12又はマンドレル20の破損を防ぐことができる。なお、図5には、参考として、従来の上型12に固定されたマンドレル12p’が実線で示されている。又、便宜上、図5では、マンドレル20の上型12との相対角度の変化を、誇張して示している。
しかも、成形中、ワークWに生じる素材流動は、上型12の継続的な揺動運動により、ワークWの円周方向に逐次移動していくものである。このため、マンドレル20に生じる曲げモーメントMを減少させるための、マンドレル20の角度変化は、製品の精度に影響を及ぼさない限定的な範囲にのみ生じるものであっても十分となる。かかるマンドレル20によりワークWの筒状部Waの内周面Wbを成形することで、マンドレル20によるワークWの筒状部Waの内周面Wbの拘束は十分となり、かつ、マンドレル20が上型12との相対角度を変えることによる精度悪化を来たすこともなく、必要な製品形状が得られることとなる。
又、本発明の実施の形態に係る揺動鍛造装置10は、マンドレル20に、上型12に形成された貫通穴12aから突出してワークWの筒状部Waの内周面Wbに当接する成形部20fと、上型12の貫通穴内に留まる保持部20mとを含んでいる。そして、上型12の貫通穴及びマンドレル20の保持部に、上型12に対するマンドレル20の、成形部20f方向の抜け止めとなる、相補的な段差形状部を含むことで、マンドレル20は上型12から脱落することなく支持されるものである。
しかも、上型12の貫通穴12a及びマンドレル20の保持部20mに形成された環状拘束部22(図2(b)、図4参照)が、上型12に対するマンドレル20の相対的な角度変更の基点になることで、マンドレル20は、上型12の揺動運動に伴いワークWに生じる素材流動を受けて、上型12の中心軸に対する相対角度を所定範囲内で変更することを可能とするものである。
又、本発明の実施の形態に係る揺動鍛造装置10の、マンドレル20の保持部20mは、その基端20a側から大径部20mL、直径徐変部20mM及び小径部20mSの順でつながっている。又、上型12の貫通穴12aは、下型14に対向する端面12bとは反対側の端面12cから下型14と対向する端面12bへと至るものであり、マンドレル20の保持部20mと相補的な凹凸形状を有する段差形状部として、大径部12aL、直径徐変部12aM及び小径部12aSを有している。しかもこれらは、マンドレル20の相対的な角度変更を許容する寸法を有している。
そして、マンドレル20の保持部20mと上型12の貫通穴12aとの、各小径部20mS、12mSの軸方向の所定範囲のはめあいが、しまりばめとなるように設定され、このしまりばめによって環状拘束部22が構成されることで、マンドレル20は、上型12の揺動運動に伴いワークWに生じる素材流動を受けて、上型12の中心軸に対する相対角度を所定範囲内で変更することが可能となるものである。
しかも、環状拘束部22が、上型12の貫通穴12aの、下型14と対向する端面12bから所定幅の範囲に形成されていることで、図6に模式的に示される、ワークWの素材流動が上型12の貫通穴12a及びマンドレル20の保持部20mの間の隙間Gの発生が、可能な限り抑えられる。そして、この隙間Gへと素材が侵入して、バリを生じることを阻止することが可能となる。そして、マンドレル20の保持部20mの、小径部20mSの先端側に構成される成形部20fにより、ワークWの筒状部Waの内周面Wbの拘束は十分となり、かつ、マンドレル20が上型12との相対角度を変えることによる精度悪化を来たすこともなく、必要な製品形状が得られることとなる。
しかも、本発明の実施の形態に係る揺動鍛造方法では、図7(a)に示されるように、揺動鍛造装置10にセットする前の段階で、予めワークWの筒状部Waに内径穴Wdを貫通させ、かかるワークWに対して、揺動鍛造装置10によって揺動鍛造を行うことで、筒状部Waの最終的な穴抜き工程を不要とし、製造コストを低減させることができる。
10:揺動鍛造装置、12:上型、12a:貫通穴、12aL:大径部、12aM:直径徐変部、12aS:小径部、12b:下型に対向する端面、12c:下型に対向する端面とは反対側の端面、14:下型、20:マンドレル、20a:基端、20b:先端、20f:成形部、20m:保持部、20mL:大径部、20mM:直径徐変部、20mS:小径部、22:環状拘束部、F:ワークからの負荷、W:ワーク、Wa:筒状部、Wb:内周面

Claims (3)

  1. 所定の中心点を基準に揺動回転する第1型と、該第1型の揺動運動と同期するように前記第1型の中心軸上に設けられたマンドレルと、
    筒状部を有するワークをセットした状態で前記第1型に対し離間接近し、前記ワークを前記第1型及び前記マンドレルに当接させる第2型とを含み、
    前記マンドレルは、前記第1型と別体をなし、かつ、
    前記第1型に形成された貫通穴から突出して前記ワークの筒状部の内周面に当接する成形部と、前記第1型の貫通穴内に留まる保持部とを含み、
    前記第1型の前記貫通穴及び前記マンドレルの前記保持部に、前記第1型に対する前記マンドレルの、前記成形部方向への抜け止めとなる相補的な段差形状部と、前記第1型に対する前記マンドレルの相対的な角度変更の基点となる環状拘束部と、が形成されており、
    前記マンドレルの前記保持部は、その基端側から大径部、直径徐変部及び小径部の順でつながり、該小径部の先端側に前記成形部が構成されており、
    前記第1型の貫通穴は、前記第2型に対向する端面とは反対側の端面から、前記マンドレルの前記保持部に対して、前記マンドレルの相対的な角度変更を許容する寸法を有する、大径部、直径徐変部及び小径部の順でつながり、該小径部が前記第2型と対向する端面へと至り、
    前記第1型の揺動運動時に前記ワークからの負荷によって生じる曲げモーメントを打ち消す方向へと、前記第1型の中心軸に対する相対角度を所定範囲内で変更可能に、前記第1型に支持されていることを特徴とする揺動鍛造装置。
  2. 前記マンドレルの前記保持部と前記第1型の前記貫通穴との、前記各小径部の軸方向の所定範囲のはめあいが、しまりばめとなるように設定されて、前記環状拘束部が形成されていることを特徴とする請求項記載の揺動鍛造装置。
  3. 前記環状拘束部が、前記第1型の貫通穴の、前記第2型と対向する端面から所定幅の範囲に形成されていることを特徴とする請求項記載の揺動鍛造装置。
JP2012016506A 2012-01-30 2012-01-30 揺動鍛造装置 Active JP5822074B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012016506A JP5822074B2 (ja) 2012-01-30 2012-01-30 揺動鍛造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012016506A JP5822074B2 (ja) 2012-01-30 2012-01-30 揺動鍛造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013154371A JP2013154371A (ja) 2013-08-15
JP5822074B2 true JP5822074B2 (ja) 2015-11-24

Family

ID=49050094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012016506A Active JP5822074B2 (ja) 2012-01-30 2012-01-30 揺動鍛造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5822074B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103736825A (zh) * 2013-12-26 2014-04-23 柳州正菱集团有限公司 一种带法兰盘的半轴冲孔摆辗模具
CN105268894B (zh) * 2015-11-11 2018-06-22 重庆荆江汽车半轴股份有限公司 汽车半轴摆碾成型模具
CN105910880B (zh) * 2016-04-18 2018-07-03 河海大学 一种在类岩石试件中精确制备裂隙的模具
WO2018012500A1 (ja) 2016-07-12 2018-01-18 日本精工株式会社 揺動鍛造装置の検査装置、検査用ツール、検査方法、軸受ユニットの製造装置、及び軸受ユニットの製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1850395A (en) * 1927-10-05 1932-03-22 Budd Wheel Co Method of making integral hubs and flange disks
JPH0245531B2 (ja) * 1982-10-18 1990-10-09 Musashi Seimitsu Kogyo Kk Kaitentanzonyorufuranjitsukichukuhinnoseikeihohooyobikaitentanzokinowagataatsushi
JPS60170550A (ja) * 1984-02-13 1985-09-04 Musashi Seimitsu Kogyo Kk 回転鍛造機の上型圧子装置
WO2003008129A1 (fr) * 2001-07-11 2003-01-30 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. Douille antivibrations, et procede de fabrication correspondant

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013154371A (ja) 2013-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5822074B2 (ja) 揺動鍛造装置
JP5895111B1 (ja) リング成形体の製造方法
JP5855529B2 (ja) リング材の熱間圧延方法
JP6067352B2 (ja) 管体製造装置及び管体製造方法
US9751125B2 (en) Method of manufacturing a gear
CN105328109A (zh) 大型盘轴一体件局部连续加载成形方法
JP6395040B2 (ja) 圧延ロール及びリング圧延方法
JP5795838B2 (ja) リング状成形体の製造方法
WO2017175471A1 (ja) 焼結体及び焼結体の製造方法、並びに燃焼器パネル及び燃焼器パネルの製造方法
JP5239933B2 (ja) 金属製リング状部品の製造方法
JP5451059B2 (ja) 金型機構及び製造方法並びに多方軸部品
JP5794424B2 (ja) 揺動鍛造装置及び揺動鍛造方法
JP6704584B2 (ja) フローフォーミング成形方法及びフローフォーミング成形装置
JP5545350B2 (ja) 金属製部品の塑性加工装置
KR101341122B1 (ko) 금속링 제조장치 및 방법
WO2015050013A1 (ja) タービンブレード用予備成形体及びタービンブレードの製造方法
WO2018090989A1 (zh) 压力成型装置及压力成型方法
JP2016131999A (ja) ヘリカルギヤの成形方法
JP5932181B1 (ja) リング成形体の製造方法、及びリング素材
JP6992321B2 (ja) 中空シャフトの製造方法
JP4951394B2 (ja) 光学素子の成形方法
JP2008245433A (ja) 回転電機のロータシャフトおよびその製造方法
CN220612035U (zh) 一种环件外径收缩装置
JP2019089078A (ja) 歯車の鍛造方法
JP4474911B2 (ja) ボス付カップ形状の部品の製造方法及びその成形装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150423

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150604

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150909

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150922

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5822074

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151