JP5821404B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
ところが、シール部に塗布するシール剤の量が多く、シール剤が厚塗り状態になると、有機溶剤の量も多くなるため、乾燥工程において有機溶剤を揮発させる際に、シール剤の内部にボイドが発生する虞がある。シール剤の内部にボイドが発生すると、導電体とコネクタハウジングとの間のシール性を十分確保することができず、防水性が低下してしまう。
このような構成によると、分割シール部がシール部内において間隔を空けて複数条に分かれて形成されているので、シール部に付着させるシール剤の量を低減することができ、有機溶剤の量も低減させることができる。これにより、シール剤によって形成された分割シール部の内部にボイドが発生することを抑制し、導電体とコネクタハウジングとの間のシール性を十分確保することができる。
また、シール部には、複数の分割シール部が同分割シール部の周方向と交差する方向に並んで形成されているので、例えば、水や油などの液体が一つ目の分割シール部を乗り越えたとしても、二つ目の分割シール部によって液体の浸入を阻止するなど、複数の分割シール部で液体の浸入を阻止することができるので、シール部全体を一括してシール剤で覆うことで一箇所のシールにより液体の浸入を阻止するものに比べて、導電体とコネクタハウジングとの隙間から液体が浸入することを確実に防止することができる。これにより、導電体とコネクタハウジングとの間のシール性を更に向上させることができる。
また、目印が形成されているから、シール部におけるシール剤の付着状態を目視検査する際に、シール部の場所を容易に認識することができ、目視検査の作業効率を向上させることができる。
前記シール部における隣り合う前記分割シール部の間には、前記コネクタハウジングを成形する成形金型内に射出された樹脂を逃がす溝状の凹溝が形成されている構成としてもよい。
コネクタハウジングを成形金型内で成形する際には、シール剤を付着させた状態の導電体を成形金型内にセットして、成形金型内に樹脂を射出することで、コネクタハウジングを成形するが、樹脂の射出圧の影響で導電体から接着剤が剥離してしまう虞がある。ところが、上記の構成によると、シール部における分割シール部の間には、溝状の凹溝が形成されているので、成形金型内に射出された樹脂が凹溝を通過することで、樹脂の流れに対するシール部の抵抗を低減させることができる。これにより、シール部に凹溝が形成されていない場合に比べて、樹脂の射出圧によってシール部の接着剤が剥離することを抑制する事ができる。
本発明の実施形態について、図1乃至図12の図面を参照して説明する。
本実施形態は、コネクタの一例として、モータを内部に収容した金属製のモータケース(図示せず)に取り付けられる端子台10を例示している。
端子台10は、図1に示すように、モータケースに取り付け固定される金属板30と、この金属板30に一体に成形されたコネクタハウジング50と、金属板30をその板厚方向に貫通した状態でコネクタハウジング50に保持された三本の導電板(本発明の「導電体」の一例)20とを備えている。なお、以下の説明において、上下方向とは図2における上下方向を基準とし、左右方向とは図2における左右方向を基準とし、前後方向とは図7における左右方向を基準とし、図示左側を前側として説明する。
シール部80は、図2及び図9に示すように、導電板20の延びる方向と交差するように導電板20に全周に亘って形成されており、端子主体部21におけるクランク状に屈曲した部分の上下方向略中央部に配されている。また、シール部80の周縁には、図9及び図10に示すように、導電板20の表面を全周に亘って切り欠いた二本の目印ライン81が形成されている。すなわち、シール部80は、二本の目印ライン81における内側の領域に形成されている。
まず、三本の導電板20を樹脂によって埋設した一次成形体60が用意され、シール部80に接着剤が塗布されることで、シール部80に接着層82が形成される。
そして、シール部80に接着層82が形成された後、シール部80における接着剤の付着状態が目視検査によってチェックされる。この時、シール部80は、二本の目印ライン81における内側の領域とされているので、シール部80の場所を容易に認識することができ、目視検査の作業性を向上させることができる。
そして、この成形金型内に樹脂を射出することで、コネクタハウジング50を成形する。この時、シール部80に形成された接着層82は、樹脂の射出圧の影響で剥離してしまうことが懸念される。ところが、本実施形態によると、シール部80における接着層82の間には、図9に示すように、樹脂の射出方向X1(左右方向)と同一方向に延びる凹溝83が形成されているので、シール部80に射出された樹脂は凹溝83を通過してシール部80を通過することができ、樹脂の射出圧に対するシール部80の抵抗を低減させることができる。これにより、シール部全体に接着層が形成されている場合に比べて、接着層82が剥離することを抑制する事ができるようになっている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)上記実施形態では、一次インサート成形により一次成形体60を構成し、二次インサート成形を行うことで、端子台10を構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、一回のインサート成形によって端子台を成形してもよい。
(3)上記実施形態では、導電板20がインサート成形された端子台10を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、電線の端末に接続された端子金具がインサート成形されたワイヤーハーネス用のコネクタなどに適用してもよい。
(4)上記実施形態では、平板状の導電板20にシール部80を構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、丸ピン状の導電体にシール部を構成してもよい。
20:導電板(導電体)
50:コネクタハウジング
80:シール部
81:目印ライン(目印)
82:接着層(分割シール部)
83:凹溝
Claims (2)
- 金属製の導電体と樹脂製のコネクタハウジングとが一体に成形されたコネクタであって、
前記導電体における前記コネクタハウジングに埋設された部分で、かつ前記導電体に形成された目印の内側に設けられ、前記導電体と前記コネクタハウジングとを接着するシール部を備え、
前記シール部が設けられた部分の前記導電体の断面形状は、前記目印を挟んで隣り合う前記導電体の断面形状と同じ高さとなるように形成されており、
前記目印の内側における前記シール部には、シール剤からなる分割シール部が、前記導電体と前記コネクタハウジングとを全周に亘って接着した状態で複数条に分かれて形成されており、
前記分割シール部は、同分割シール部の周方向と交差する方向に間隔を空けて並んで配されていることを特徴とすることを特徴とするコネクタ。 - 前記シール部における隣り合う前記分割シール部の間には、前記コネクタハウジングを成形する成形金型内に射出された樹脂を逃がす溝状の凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
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