JP5820982B2 - ハブユニットおよび電動自転車 - Google Patents

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Description

この発明は、電動自転車の車輪に取り付けられるハブユニット、および、これを備える電動自転車に関する。
モータを内蔵したハブユニットが車輪に取り付けられた電動自転車が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の電動アシスト自転車では、前輪のハブがハブユニットを構成している。ハブにはモータが内蔵されている。このモータでは、ステータが自転車のフロントフォークに固定されていて、ロータがワンウェイクラッチを介して前輪に連結されている。
上り坂等、乗り手にとって人力でペダルを漕いで進むには負担が大きい路面では、モータが、乗り手がペダルを漕ぐ強さ(トルク)に応じた駆動力を発生して、ロータを回転させる。ロータの回転速度(換言すれば、角速度)が前輪の回転速度を超えると、ワンウェイクラッチがつながって、ロータの回転力がワンウェイクラッチを介して前輪に伝達される。これにより、前輪がモータの駆動力にアシストされることで力強く回転するので、上り坂等において乗り手がペダルを漕ぐ負担を低減することができる。
一方、電動自転車の走行スピードにある程度の勢いがつくと、モータによるアシストが不要になることからモータの駆動が停止するので、前輪の回転速度がロータの回転速度を上回った状態になるのだが、この場合には、ワンウェイクラッチが切れているので、ロータと前輪とが遮断されている。これにより、乗り手は、ペダルを漕いで車輪を回転させる際に、ロータを空転させる負担を負わずに済むので、その分、軽い力でペダルを漕ぐことができる。
特開2009−12627号公報
特許文献1に記載のハブにおいてワンウェイクラッチを省略した構成が想定される。この場合、ロータと前輪とが常につながった状態となる。そのため、前輪が回転している最中に、モータによるアシストが不要になったことによってモータの駆動が停止すると、今度は、前輪につながったロータが前輪の回転に伴って従動回転し、これによって、モータが回生電力を発生する。発生した回生電力は、電動自転車に設けられたバッテリーの充電に利用される。
しかし、この構成では、常にロータと車輪とがつながっているので、回生電力を発生させる必要がない状態、たとえば、電動自転車の電源を切っている状態等であっても、乗り手は、ペダルを漕ぐ際に常にロータを空転させねばならず、このことが、ペダルを漕ぐ乗り手にとって負担となる。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、回生電力を発生できる構成において、乗り手に対する負担を軽減することができるハブユニット、および、これを備える電動自転車を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、電動自転車の車輪に取り付けられるハブユニットであって、回転軸を有するロータを備え、電力で前記ロータを回転させることによって補助駆動力を発生することができ、前記ロータが電力で回転される回転速度で回転されることによって回生電力を発生することができるモータと、前記モータを収容し、前記車輪と一体回転するハブケースと、前記ロータの回転を減速する減速機構と、前記減速機構を介して前記ロータに連結され、前記ハブケースと同心状で回転可能な出力軸と、前記出力軸と前記ハブケースとの間に介在され、前記出力軸に対して前記ハブケースが一方側へ回転するときは、前記ハブケースと前記出力軸とを一体回転させ、前記出力軸に対して前記ハブケースが他方側へ回転するときは、前記ハブケースのみを自由回転状態とするワンウェイクラッチと、前記モータが回生電力を発生するときは前記ハブケースと前記出力軸とを連結し、前記モータが回生電力を発生しないときは前記ハブケースと前記出力軸との連結を解除する連結解除機構とを有することを特徴とする、ハブユニットである。
また、請求項2記載の発明は、前記ハブユニットは、電動自転車の前輪に取り付けられることを特徴とする、ハブユニットである。
請求項記載の発明は、前記連結解除機構は、前記ハブケースに設けられた溝と、前記出力軸に設けられ、前記溝に対して進退可能な爪とを含み、前記爪が進出して前記溝に嵌まり込むことで前記ハブケースと前記出力軸とが連結され、前記爪が退避して前記溝から外れることで前記ハブケースと前記出力軸との連結が解除されることを特徴とする、請求項1記載のハブユニットである。
請求項記載の発明は、前記連結解除機構は、前記出力軸に設けられ、前記ハブケースに対して進退可能なブレーキ部材を含み、前記ブレーキ部材が進出して前記ハブケースとの間で摩擦力を発生させることで前記ハブケースと前記出力軸とが連結され、前記ブレーキ部材が退避して前記ハブケースから離間することで前記ハブケースと前記出力軸との連結が解除されることを特徴とする、請求項1記載のハブユニットである。
請求項記載の発明は、請求項記載のハブユニットと、回生電力の発生が必要であるか否かを判別する第1判別手段と、回生電力の発生が必要であると前記第1判別手段が判別したのに応じて、前記ハブケースの回転と前記出力軸の回転とが同期しているか否かを判別する第2判別手段と、前記ハブケースの回転と前記出力軸の回転とが同期していないと前記第2判別手段が判別したのに応じて、前記ハブケースの回転と前記出力軸の回転とが同期するように前記モータの駆動を制御する駆動制御手段と、前記ハブケースの回転と前記出力軸の回転とが同期していると前記第2判別手段が判別したのに応じて、前記出力軸側の爪を進出させることで前記ハブケースと前記出力軸とを連結させる連結制御手段とを有することを特徴とする、電動自転車である。
請求項記載の発明は、請求項記載のハブユニットと、回生電力の発生が必要であるか否かを判別する第1判別手段と、回生電力の発生が必要であると前記第1判別手段が判別したのに応じて、前記出力軸側のブレーキ部材を進出させることで前記ハブケースと前記出力軸とを連結させる連結制御手段とを有することを特徴とする、電動自転車である。
請求項記載の発明は、前記連結制御手段は、回生電力の発生が不要であると前記第1判別手段が判別したのに応じて、前記連結解除機構による前記ハブケースと前記出力軸との連結を解除させることを特徴とする、請求項または記載の電動自転車である。
請求項1記載の発明によれば、ハブユニットは、電動自転車の車輪に取り付けられるものであり、モータと、ハブケースと、減速機構と、出力軸と、ワンウェイクラッチと、連結解除機構とを有している。
ハブケースは、モータを収容し、車輪と一体回転する。減速機構は、モータのロータの回転を減速する。出力軸は、減速機構を介してロータに連結され、ハブケースと同心状で回転可能である。
ワンウェイクラッチは、出力軸とハブケースとの間に介在され、出力軸に対してハブケースが一方側へ回転するときは、ハブケースと出力軸とを一体回転させる。そのため、この場合には、モータが発生した補助駆動力が、一体回転するハブケースおよび出力軸によって、出力軸からハブケースに伝達されて、車輪の回転をアシストする。
一方、ワンウェイクラッチは、出力軸に対してハブケースが他方側へ回転するときは、ハブケースのみを自由回転状態とする。そのため、モータの補助駆動力によるアシストが不要な場合には、車輪が引き続き回転することで(車輪と一体回転する)ハブケースが出力軸に対して他方側へ回転しようとしても、ハブケースと出力軸側のロータとが遮断される。これにより、乗り手は、電動自転車のペダルを漕いで車輪を回転させる際に、ロータを空転させる負担を負わずに済むので、その分、軽い力でペダルを漕ぐことができる。
そして、連結解除機構は、モータが回生電力を発生するときはハブケースと出力軸とを連結するので、ハブユニットではワンウェイクラッチが省略された状態となり、車輪が回転すると、ハブケースと出力軸側のロータとが一体回転することで、モータが回生電力を発生することができる。
一方、連結解除機構は、モータが回生電力を発生しないときはハブケースと出力軸との連結を解除する。そのため、モータが回生電力を発生しないときには、出力軸とハブケースとの間に介在されたワンウェイクラッチが、その機能を発揮できる状態となるので、モータの補助駆動力によるアシストが不要な場合には、乗り手は、ロータを空転させる負担を負わずに、軽い力でペダルを漕ぐことができる。
その結果、回生電力を発生できる構成において、乗り手に対する負担を軽減することができる。
請求項記載の発明によれば、連結解除機構は、ハブケースに設けられた溝と、出力軸に設けられ、溝に対して進退可能な爪とを含む構成であってもよい。この場合、爪が進出して溝に嵌まり込むことでハブケースと出力軸とが連結され、爪が退避して溝から外れることでハブケースと出力軸との連結が解除される。
請求項記載の発明によれば、連結解除機構は、出力軸に設けられ、ハブケースに対して進退可能なブレーキ部材を含む構成であってもよい。この場合、ブレーキ部材が進出してハブケースとの間で摩擦力を発生させることでハブケースと出力軸とが連結され、ブレーキ部材が退避してハブケースから離間することでハブケースと出力軸との連結が解除される。
請求項記載の発明によれば、請求項記載のハブユニットを有する電動自転車は、第1判別手段と、第2判別手段と、駆動制御手段と、連結制御手段とを有している。
第1判別手段は、回生電力の発生が必要であるか否かを判別する。第2判別手段は、回生電力の発生が必要であると第1判別手段が判別したのに応じて、ハブケースの回転と出力軸の回転とが同期しているか否かを判別する。
駆動制御手段は、ハブケースの回転と出力軸の回転とが同期していないと第2判別手段が判別したのに応じて、ハブケースの回転と出力軸の回転とが同期するようにモータの駆動を制御する。
連結制御手段は、ハブケースの回転と出力軸の回転とが同期していると第2判別手段が判別したのに応じて、出力軸側の爪を進出させることでハブケースと出力軸とを連結させる。
そのため、連結解除機構では、ハブケースの回転と出力軸の回転とが同期していることによってこれらの回転方向における溝および爪のそれぞれの位置がある程度一致している状態で、爪が進出して溝に確実に嵌まり込むので、回生電力の発生が必要であるときにハブケースと出力軸とを確実に連結できる。
請求項記載の発明によれば、請求項記載のハブユニットを有する電動自転車は、第1判別手段と、連結制御手段とを有している。第1判別手段は、回生電力の発生が必要であるか否かを判別する。連結制御手段は、回生電力の発生が必要であると第1判別手段が判別したのに応じて、出力軸側のブレーキ部材を進出させることでハブケースと出力軸とを連結させる。
そのため、連結解除機構では、回生電力の発生が必要であるときに、ハブケースの回転と出力軸の回転とが同期していなくても、ブレーキ部材を進出させれば、ブレーキ部材とハブケースとの間で摩擦力が発生することによって、ハブケースと出力軸とを確実に連結できる。
請求項記載の発明によれば、連結制御手段は、回生電力の発生が不要であると第1判別手段が判別したのに応じて、連結解除機構によるハブケースと出力軸との連結を解除させる。そのため、回生電力の発生が必要でないときには、出力軸とハブケースとの間に介在されたワンウェイクラッチが、その機能を発揮できる状態となるので、モータの補助駆動力によるアシストが不要な場合には、乗り手は、モータのロータを空転させる負担を負わずに、軽い力でペダルを漕ぐことができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動自転車1の右側面図である。 図2は、ハブユニット4の正断面図である。 図3(a)は、図2の要部拡大図であって、図3(b)は、図3(a)においてアクチュエータ62がOFFになっている状態を示す。 図4は、電動自転車1の制御回路ブロック図である。 図5は、電動自転車1において行われる制御動作の一例を示すフローチャートである。 図6は、変形例に係るハブユニット4の正断面図である。 図7(a)は、図6の要部拡大図であって、図7(b)は、図7(a)においてアクチュエータ62がOFFになっている状態を示す。 図8は、電動自転車1において行われる制御動作の変形例を示すフローチャートである。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動自転車1の右側面図である。
なお、以下では、電動自転車1を正面側(図1における左側)から見たときを基準として、電動自転車1の方向を規定する。そのため、図1では、紙面左側が前側で、紙面右側が後側で、紙面手前側が右側で、紙面奥側が左側である。
図1を参照して、電動自転車1では、フロントフォーク2の先端(下端)に、モータ3を内蔵したハブユニット4が取り付けられていて、前側の車輪(前輪)5のリム6とハブユニット4とをスポーク7でつないでいる。また、電動自転車1では、シートポスト8と後輪9との間にバッテリー10が搭載されている。そして、電動自転車1では、ペダル11を踏み込む力(踏力)が作用する位置に、ペダル11に与えられる踏力を検出するセンサー12が設けられていて、センサー12が、踏力が所定以上であることを検出すると、バッテリー10からハブユニット4のモータ3に通電がなされ、モータ3が前輪5に駆動力(「補助駆動力」という)を発生させる。この補助駆動力によって前輪5が回転されることによって、小さい踏力でも電動自転車1を前進させることができる。つまり、この電動自転車1では、ペダル11を人力回転することにより生じる駆動力が、モータ3による補助駆動力でアシストされる。
ここで、この電動自転車1では、前輪5にハブユニット4が取り付けられていて、前輪5の回転がハブユニット4からの補助駆動力でアシストされる。そのため、電動自転車1の進行方向における先頭側の前輪5が力強く回転するので、電動自転車1は、進行方向へ向けて先頭側から引っ張られることで、円滑に加速することができる。また、前輪5にハブユニット4といった重量物が取り付けられていれば、下り坂等で電動自転車1が惰性走行している場合に、前輪5の回転に対する抵抗を低減して、前輪5を円滑に回転させることができる。
図2は、ハブユニット4の正断面図である。
図2を参照して、ハブユニット4は、その外郭をなすハブケース20と、前述したモータ3と、減速機構21と、出力軸60と、ワンウェイクラッチ22と、連結解除機構61とを含んでいる。
ハブケース20は、左右方向に延びる中心軸を有する中空円筒状である。ハブケース20の外周面において、左右方向に間隔を隔て、かつ、周方向に間隔を隔てた複数の位置に、ハブケース20から径方向外側へ突出した突出部23が一体的に設けられている。各突出部23には、貫通穴24が形成されていて、貫通穴24にスポーク7(図1参照)が係止される。ハブケース20は、右側の突出部23の位置において、左右に分割可能であり、ハブケース20の左側部分と右側部分とは、ねじ25によって組み付けることができる。ハブケース20の左右の側壁は、円板形状であり、それぞれの円中心位置には、これらの側壁を左右に貫通する丸い挿通穴26が形成されている。ハブケース20の右側壁の左側面において、挿通穴26よりも径方向外側の位置には、挿通穴26(挿通穴26の円中心)を円中心とする環状のリング部材30がハブケース20に対して一体的に設けられている。つまり、リング部材30は、ハブケース20の一部である。リング部材30は、ハブケース20の右側壁の左側面からハブケース20の内部へ向けて左側へ突き出ている。
モータ3は、ハブケース20内において、左寄りの位置に配置されている。モータ3は、その外郭をなすモータケース27と、ステータ28と、ロータ29とを含んでいる。モータケース27は、左右方向に延びる中心軸を有する中空円筒状であり、ハブケース20と同心状に配置されている。モータケース27では、その左端部27Aが縮径されていて、ハブケース20の左側壁の挿通穴26に対して右側から挿通されている。モータケース27の左端部27Aと、ハブケース20の左側壁において挿通穴26を縁取る部分との間には、環状の軸受31が介在されている。そのため、ハブケース20とモータケース27とは相対回転可能に連結されている。
モータケース27の左端部27Aの左端面は、ハブケース20の左側壁の挿通穴26から左側へ露出されており、左端部27Aの左端面には、バッテリー10(図1参照)側から延びてきた配線57がつながっている。
モータケース27の左端部27Aには、左端部27Aの円中心位置から左外側へ突出する支持軸32が一体的に設けられている。支持軸32の右端面は、モータケース27の内部に臨んでいて、この右端面には、左側へ窪む凹部33が形成されている。凹部33には、環状の軸受34が嵌め込まれている。モータケース27の右側壁は、円板形状であり、その円中心位置には、この右側壁を左右に貫通する貫通穴35が形成されている。貫通穴35には、環状の軸受36が嵌め込まれている。そして、この右側壁において貫通穴35よりの径方向外側の位置には、右方向外側へ突出する軸37が、貫通穴35を中心とする周方向に等間隔を隔てて3つ設けられている。
ステータ28は、左右方向に延びる中心軸を有する環状であり、モータケース27の内部に収容されている。ステータ28は、ねじ(図示せず)によってモータケース27に固定されている。ステータ28の中空部分には、ロータ29がステータ28と同心状に配置されている。ロータ29では、ステータ28の円中心位置に一致する位置に、左右両側へ突出する回転軸39が一体的に設けられている。回転軸39は、モータケース27の右側壁の貫通穴35の軸受36の中空部分と、モータケース27の左端部27A側の支持軸32の軸受34の中空部分とに挿通されている。これにより、ロータ29は、軸受36および軸受34を介してモータケース27によって回転可能に支持されている。回転軸39の右端部は、モータケース27の右側壁から右外側へはみ出ていて、その外周面には、ギヤ歯40が形成されている。
前述した配線57は、ステータ28に対して電気的に接続されている。これにより、バッテリー10(図1参照)からモータ3に対する電力の供給が可能となっている。
減速機構21は、ハブケース20内において、モータ3の右隣に配置されている。減速機構21は、3つの歯車45と、回転盤46と、ホルダ44とを含んでいる。なお、図2では、歯車45が1つだけ図示されている。
各歯車45は、左右に延びる中心軸を有する円筒状であって、その円中心部分に、モータケース27の右側壁におけるいずれかの軸37が左側から挿通されていて、各歯車45は、対応する軸37によって回転可能に支持されている。各歯車45は、左側の大径部45Aと、大径部45Aより右側において大径部45Aよりも縮径された小径部45Bとを一体的に有している。大径部45Aおよび小径部45Bのそれぞれの外周面には、ギヤ歯47が形成されている。各歯車45の大径部45Aのギヤ歯47は、ロータ29の回転軸39の右端部のギヤ歯40に噛み合っている。
回転盤46は、各歯車45の小径部45Bと左右方向でほぼ一致する位置に配置されている。回転盤46は、左右方向から見てリング部材30とほぼ同じ外径の円板形状であり、その外側周縁部は、全周に亘って左側へ折り曲げられており、この折り曲げられた部分の内周面には、ギヤ歯48が形成されている。ギヤ歯48は、各歯車45の小径部45Bのギヤ歯47に噛み合っている。そのため、回転軸39のギヤ歯40を太陽歯車とし、3つの歯車45を遊星歯車とする遊星歯車減速機構が構成されている。
ホルダ44は、左右方向から見て回転盤46よりも小径の円板形状であり、3つの歯車45の右隣の位置において、各歯車45および回転盤46と非接触の状態で配置されている。ホルダ44は、モータケース27の右側壁に対して3つの歯車45を挟んだ状態で右側から対向配置されており、当該右側壁の各軸37の右端部を支持している。ホルダ44は、ねじ(図示せず)によってモータケース27の右側壁に固定されている。ホルダ44の円中心位置には、左右に延びる支持軸50が挿通されていて、ホルダ44に固定されている。支持軸50は、ホルダ44から右外側へ突出している。ホルダ44の右端面には、給電端子49が設けられている。給電端子49は、ホルダ44の右端面における周上1箇所(複数箇所でも構わない)の位置に設けられていて、右側へ突出している。給電端子49は、図示しない中継配線を介して、前述した配線57に対して電気的に接続されている。
出力軸60は、ハブケース20内において、減速機構21の右隣かつリング部材30の左隣に配置されている。出力軸60は、左右方向に延びる中心軸を有する円環状であり、その外周部分が、ねじ(図示せず)によって減速機構21の回転盤46に固定されている。そのため、出力軸60は、減速機構21を介してモータ3のロータ29に連結されている。
出力軸60の外径は、リング部材30および回転盤46のそれぞれの外径とほぼ同じである。出力軸60の内周部分60Aは、右側へ筒状に突出している。内周部分60Aの外径は、前述したリング部材30の内径よりも小さく、内周部分60Aは、リング部材30と左右方向で同じ位置にあって、リング部材30に対して内嵌された状態になっている。出力軸60の中空部分(内周部分60Aの中空部分でもある)には、環状の軸受55が嵌め込まれていて、軸受55の中空部分には、ホルダ44の支持軸50が左から挿通されている。支持軸50は、軸受55を介して、出力軸60および回転盤46を回転可能に支持している。この状態で、出力軸60および回転盤46は、ハブケース20と同心状になっており、ハブケース20と同心状で回転可能である。
ワンウェイクラッチ22は、ハブケース20内において、出力軸60とリング部材30(ハブケース20)との間に介在されている。具体的には、ワンウェイクラッチ22は、ハブケース20の径方向における出力軸60の内周部分60Aとリング部材30との間に介在されている。ワンウェイクラッチ22は、第1回転盤51と、第2回転盤52とを含んでいる。
第1回転盤51は、左右方向に延びる中心軸を有する円環状であり、出力軸60の内周部分60Aに対して右側から外嵌されており、この状態で、内周部分60Aに固定されている。第1回転盤51の外周面には、複数のラチェット爪54が設けられている。各ラチェット爪54は、第1回転盤51の周方向における一方向(詳しくは、電動自転車1が前進しているときの前輪5の回転方向に一致する方向)へ向かいつつ、径方向外側へ弾性的に突出している。
第2回転盤52は、左右方向に延びる中心軸を有する円環状であり、その外径は、リング部材30の内径とほぼ同じであり、その内径は、第1回転盤51の外径より大きい。第2回転盤52は、リング部材30に対して内嵌されていて、リング部材30に対して固定されている。第2回転盤52の内周面には、全周に亘って多数のラチェット溝58が形成されている。各ラチェット溝58は、第2回転盤52の周方向における一方向(詳しくは、電動自転車1が前進しているときの前輪5の回転方向に一致する方向)へ向かいつつ、径方向外側へ向かって窪んでいる。なお、第2回転盤52とリング部材30とは別体であってもよいし、一体であってもよい。
ここで、ハブケース20の右側壁の円中心位置における挿通穴26には、環状の軸受56が嵌め込まれていて、軸受56の中空部分には支持軸50が左から挿通されている。支持軸50は、軸受56を介して、ハブケース20(リング部材30も含む)および第2回転盤52を回転可能に支持している。支持軸50の右端部は、ハブケース20の右側壁から右外側へはみ出ている。
第1回転盤51のラチェット爪54は、第2回転盤52のラチェット溝58と左右方向で同じ位置にあり、ラチェット溝58に対して径方向内側に位置にしている。右側面視において、第1回転盤51および第2回転盤52が、反時計回り(前輪5の回転方向)に回転している場合において、第1回転盤51の回転速度が第2回転盤52の回転速度を上回ると、ラチェット爪54がラチェット溝58に食い込んで第1回転盤51および第2回転盤52が一体化される。この状態が、ワンウェイクラッチ22がつながった状態である。
これにより、つながった状態のワンウェイクラッチ22は、第1回転盤51側の出力軸60に対して第2回転盤52側のリング部材30(ハブケース20)が一方側(右側面視における時計回りの方向)へ回転するときは、出力軸60とハブケース20とを一体回転させる。換言すれば、つながった状態のワンウェイクラッチ22は、第2回転盤52側のリング部材30(ハブケース20)に対して第1回転盤51側の出力軸60が他方側(右側面視における反時計回りの方向)へ回転するときは、出力軸60とハブケース20とを一体回転させる。そのため、この場合には、モータ3が発生した補助駆動力が、一体回転するハブケース20および出力軸60によって、出力軸60からハブケース20に伝達されて、前輪5の回転をアシストする。
一方、前輪5の回転方向における第1回転盤51の回転速度が第2回転盤52の回転速度を下回ると、ラチェット爪54がラチェット溝58から外れて第1回転盤51および第2回転盤52が分離される。この状態が、ワンウェイクラッチ22が切れた状態である。第1回転盤51および第2回転盤52が回転中にワンウェイクラッチ22が切れた状態では、ラチェット爪54が弾性的に第1回転盤51の径方向内側へ引っ込むことから各ラチェット溝58に対して回転方向において引っ掛からないので、第1回転盤51と第2回転盤52とは、引っ掛からずに相対回転できる。
つまり、切れた状態のワンウェイクラッチ22は、第1回転盤51側の出力軸60に対して第2回転盤52側のリング部材30(ハブケース20)が前記他方側(右側面視における反時計回りの方向)へ回転するときは、ハブケース20のみを自由回転状態とする。
このようなハブユニット4では、モータケース27側の支持軸32,50がフロントフォーク2(図2参照)の先端に固定されている。そして、ハブケース20の外周面の各突出部23の貫通穴24に前輪5のスポーク7(図2参照)が係止されている。そのため、ハブユニット4では、少なくとも、モータケース27と、ステータ28と、減速機構21において回転盤46以外の部分とがフロントフォーク2に固定されていて、ハブケース20および第2回転盤52が前輪5に固定されている。そのため、前輪5の回転速度は、ハブケース20および第2回転盤52の回転速度と同じである。つまり、ハブケース20および第2回転盤52は、前輪5と一体回転する。
そして、モータ3が、配線57を介してバッテリー10(図1参照)から電力を受けると、この電力でロータ29を右側面視で前輪5と同心状に時計回りに回転させて、前述した補助駆動力を発生する。この補助駆動力は、ロータ29の回転軸39から、減速機構21の各歯車45を介して回転盤46に伝達され、回転盤46が、出力軸60とワンウェイクラッチ22の第1回転盤51とを伴って、右側面視で反時計回りに回転する。
減速機構21が存在することにより、第1回転盤51の回転速度は、ロータ29の回転速度よりも低くなっている。つまり、減速機構21は、ロータ29の回転を減速する。また、減速機構21が存在することにより、第1回転盤51の回転方向とロータ29の回転方向とが逆になっている。
ここで、第1回転盤51の回転速度が第2回転盤52(前輪5)の回転速度と同じ(ともに零の場合もある)か、第2回転盤52の回転速度以上の場合には、第1回転盤51と第2回転盤52とが共回りすることで、ワンウェイクラッチ22がつながる。すると、第2回転盤52が固定されたハブケース20が、第1回転盤51と同じ方向(右側面視で反時計回りの方向)へ回転し、前輪5(図1参照)を同じ方向へ回転させる。
一方、第1回転盤51の回転速度が第2回転盤52(前輪5)の回転速度未満になれば、ワンウェイクラッチ22は切れる。
つまり、ワンウェイクラッチ22は、ロータ29(厳密には、第1回転盤51)の回転速度が前輪5(第2回転盤52)の回転速度未満のときには切れていてロータ29と前輪5との間の力の伝達を遮断し、ロータ29の回転速度が前輪5の回転速度まで上昇すると、つながってロータ29から前輪5に補助駆動力を伝達する。なお、ワンウェイクラッチ22についての詳細は、前述した特許文献1(特開2009−12627号公報)に開示されている。
前述したように、切れた状態のワンウェイクラッチ22は、第1回転盤51側の出力軸60に対して第2回転盤52側のリング部材30(ハブケース20)が前記他方側(右側面視における反時計回りの方向)へ回転するときは、ハブケース20のみを自由回転状態とする。そのため、モータ3の補助駆動力によるアシストが不要な場合には、前輪5が引き続き回転することで(前輪5と一体回転する)ハブケース20が出力軸60に対して他方側へ回転しようとしても、ハブケース20と出力軸60側のロータ29とが遮断される。これにより、乗り手は、電動自転車1のペダル11を漕いで前輪5を回転させる際に、ロータ29を空転させる負担を負わずに済むので、その分、軽い力でペダルを漕ぐことができる。
なお、ロータ29を空転させると、ロータ29を空転させるために減速機構21内の歯車等を回転させることで生じる機械的抵抗や、ロータ29の回転に伴う鉄損抵抗が、前述した負担となる。
連結解除機構61は、出力軸60(回転盤46の一部も含まれる)とハブケース20のリング部材30とに跨って設けられている。連結解除機構61は、アクチュエータ62と、リンク部材63と、リターンスプリング64と、溝65とを含んでいる。
図3(a)は、図2の要部拡大図であって、図3(b)は、図3(a)においてアクチュエータ62がOFFになっている状態を示す。
図3(a)を参照して、アクチュエータ62は、出力軸60の外周部分に設けられて出力軸60(回転盤46の一部も含まれる)に固定されている。出力軸60の外周部分には、出力軸60の右端面から右側へ露出される切欠き70が形成されていて、切欠き70内にアクチュエータ62が収容されている。なお、アクチュエータ62は、出力軸60の周方向1箇所に1つだけ設けられていてもよく、複数のアクチュエータ62が、出力軸60の周方向において等しい間隔を隔てて配置されていてもよい。ただし、ここでは、アクチュエータ62は、1つだけあるものとして説明する。
アクチュエータ62は、左右方向に延びる中心軸を有する中空円筒状のホルダ66と、ホルダ66の中空部分に挿通されるアーム67とを含んでいる。ホルダ66の中空部分では、左端が塞がれていて、右端が右側へ開放されている。アーム67は、左右方向に延びる円柱の軸であり、ホルダ66の中空部分に対して右側から挿通されており、アーム67の右端部は、ホルダ66の中空部分の右端(開放された部分)から右側へはみ出ている。アーム67は、この状態で左右方向へスライドできるように、ホルダ66によって保持されている。左側へ目一杯スライドしたアーム67は、「左位置」にあり(図3(a)参照)、右側へ目一杯スライドしたアーム67は、「右位置」にある(図3(b)参照)。アーム67は、左位置、右位置およびこれらの間の位置のいずれにあっても、出力軸60の切欠き70から外へはみ出ることはない。アーム67の右端部には、挿通穴71が形成されている。挿通穴71は、アーム67をその径方向において貫通する丸穴である。
ホルダ66は、図示しないソレノイドで構成されていて、アクチュエータ62がONになると、このソレノイドが駆動(ON)されることによってアーム67は左位置までスライドさせられて左位置で位置決めされる。一方、アクチュエータ62がOFFになると、ソレノイドの駆動が停止(OFF)されることによって、アーム67は左位置で位置決めされなくなる。
ここで、アクチュエータ62が設けられる出力軸60の左側面には、出力軸60と同心状の環状をなす金属製のリング端子72が取り付けられている。リング端子72は、出力軸60内において、図示しない中継配線を介してアクチュエータ62に対して電気的に接続されている。また、支持軸50(図2参照)を中心とする径方向において、リング端子72と、ホルダ44の給電端子49とは同じ位置にあり、給電端子49は、リング端子72の周上におけるいずれかの部分に対して左側から接触している。
配線57(図2参照)からの電力を受けてモータ3が駆動されている際、モータケース27やステータ28は回転しないので、モータケース27に固定されたホルダ44も回転しない。その一方で、出力軸60は回転するのだが、その際、ホルダ44の給電端子49と、出力軸60のリング端子72とはスリップリングを構成して常に摺接しており、給電端子49とリング端子72との電気的接続関係は維持されている。そのため、配線57からの電力が、給電端子49およびリング端子72を介してアクチュエータ62に供給されるようになっている。これにより、モータ3の駆動中に、アクチュエータ62の駆動が可能になっており、アクチュエータ62をON/OFFすることができる。
前述したリターンスプリング64は、左右に延びるコイルばねであり、ホルダ66の中空部分においてアーム67の左側の領域に配置されている。この状態で、リターンスプリング64は、左右に伸縮でき、アーム67を右位置へ向けて常に付勢している。そのため、アクチュエータ62がONからOFFに切り換わると、今まで左位置にあったアーム67は、リターンスプリング64によって、右位置までスライドさせられる(図3(b)参照)。
リンク部材63は、正面視で略V字形状をなすように途中で折り曲げられている。リンク部材63の折れ曲った途中部分には、支持軸68が挿通されている。支持軸68は、出力軸60の周方向(回転方向)に対する接線方向に沿って延びていて、出力軸60に固定されている。リンク部材63は、支持軸68を中心として回動可能である。リンク部材63は、支持軸68を挟む1対の端部を有しており、一方の端部を、爪63Aといい、他方の端部を、連結部63Bということにする。図3(a)において、爪63Aは、支持軸68から右側へ延びている端部であり、連結部63Bは、支持軸68から左下側へ延びている端部である。爪63Aは、支持軸68から離れるに従って細くなっているが、その角は丸められていて尖っていない。
連結部63Bには、支持軸68と平行に延びる支持軸69が一体的に設けられている。支持軸69は、アーム67の右端部の挿通穴71に挿通されている。これにより、リンク部材63とアーム67とが連結されている。
図3(a)に示す状態では、リンク部材63の爪63Aは、出力軸60の切欠き70から右側へはみ出ており、出力軸60の右側面から右側へ突出している。このときの爪63Aの左右方向における位置を「進出位置」という。爪63Aが進出位置にある状態では、アクチュエータ62のアーム67が左位置にある。この状態で、アーム67を右位置へ向けてスライドさせると、爪63Aが左側へ退避し、かつ、連結部63Bが右側へ移動するようにリンク部材63が回動する。
アーム67が右位置に配置されると、図3(b)に示すように、爪63Aは、出力軸60の切欠き70内に収まり、リンク部材63全体が切欠き70内に完全に収まる。このときの爪63Aの左右方向における位置を「退避位置」という。この状態でアーム67を左位置までスライドさせると、リンク部材63が逆向きに回動し、その結果、図3(a)に示すように爪63Aが進出位置に配置される。
溝65は、リング部材30において出力軸60の右側面に対向する左側面に形成されていて、右側へ窪んでいる。溝65は、多数形成されており、これらの溝65は、支持軸50(図2参照)を中心とする径方向で爪63Aと同じ位置にあり、周方向で所定の間隔を隔てて並んでいる。
アクチュエータ62をONにすると、図3(a)に示すように、アーム67が左位置までスライドし、これに連動して爪63Aが進出位置まで進出する。このとき、爪63Aは、リング部材30のいずれかの溝65に対しても進出して、当該いずれかの溝65に対して左側から嵌まり込む。これにより、爪63Aを有する出力軸60と、溝65を有するリング部材30(ハブケース20)とが直接連結されて一体化される。そのため、出力軸60とハブケース20とは、相対回転不能になる。そして、出力軸60とハブケース20とが連結されているので、ワンウェイクラッチ22が機能できない状態(「ロック」された状態ということにする)にある。
この場合、図2を参照して、たとえば、配線57からモータ3への電力供給を停止した状態で、ペダル11を漕いだり、下り坂を走行したりすることで車輪(前輪5および後輪9)を回転させると(図1参照)、前輪5に固定されたハブケース20とともに、出力軸60が回転する。これにより、出力軸60の回転力が減速機構21を介してロータ29に伝達されてロータ29が従動回転し、モータ3が発電機となって回生電力を発生する。ロータ29が従動回転する(回転される)ときのロータ29の回転速度は、モータ3が電力を受けたときにロータ29が当該電力で回転されるときの回転速度になっている。
このように、モータ3が回生電力を発生するときは、連結解除機構61は、ハブケース20と出力軸60とを連結する。この場合、ハブユニット4ではワンウェイクラッチ22が省略された状態となり、前輪5が回転すると、ハブケース20と出力軸60側のロータ29とが一体回転することで、モータ3が回生電力を発生することができる。
一方で、アクチュエータ62をOFFにすると、図3(b)に示すように、アーム67がリターンスプリング64に付勢されることで右位置までスライドし、これに連動して爪63Aが退避位置まで退避し、今まで嵌まり込んでいた溝65から退避して完全に外れる。これにより、出力軸60とリング部材30(ハブケース20)との直接の連結が解除される。そのため、今までロックされていたワンウェイクラッチ22は、機能できる状態(「フリー」の状態)にある。このときは、前輪5に固定されたハブケース20が出力軸60よりも高速回転しようとしても、ワンウェイクラッチ22が切れていてロータ29が回転しないので、モータ3は回生電力を発生しない。
このように、モータ3が回生電力を発生しないときには、連結解除機構61は、ハブケース20と出力軸60との連結を解除する。これにより、出力軸60とハブケース20との間に介在されたワンウェイクラッチ22が、その機能を発揮できるフリーの状態となるので、モータ3の補助駆動力によるアシストが不要な場合には、乗り手は、ロータ29を空転させる負担を負わずに、軽い力でペダル11を漕ぐことができる。つまり、回生電力を発生できる構成のハブユニット4を有する電動自転車1において、乗り手に対する負担を軽減することができる。
また、図1を参照して、電動自転車1のハンドル80には、手元操作部81が取り付けられている。ユーザは、手元操作部81を操作することによって、平坦面を走行するときのモードや、坂道を走行するときのモード等の複数の走行モードに応じて、モータ3の補助駆動力の大きさや出力特性等を設定することができる。
図4は、電動自転車1の制御回路ブロック図である。
図4を参照して、手元操作部81には、電源スイッチ82、モード設定スイッチ83、ライト点灯スイッチ84、ブレーキ検出部85、車輪回転情報部86、バッテリー残量表示部87およびモード表示部88が設けられている。
電源スイッチ82は、電動自転車1の電源をON/OFFするためのスイッチである。モード設定スイッチ83は、前述した走行モードを設定するためのスイッチである。ライト点灯スイッチ84は、ライト74(図1参照)を点灯または消灯するためのスイッチである。ブレーキ検出部85は、ハンドル80に取り付けられたブレーキレバー75(図1参照)が操作されてブレーキ(図示せず)が作動中であるか否かを検出する。ブレーキが作動中であるときには、手元操作部81の表示ランプ(図示せず)を点灯させるなどで、その旨を報知してもよい。車輪回転情報部86は、前輪5(換言すれば、前述した第2回転盤52およびハブケース20)の回転速度を検出する部分である。厳密には、車輪回転情報部86において、実際に前輪5の回転速度を検出する部分は、前輪5の近傍に取り付けられている。車輪回転情報部86は、前輪5の回転速度から電動自転車1の走行速度も検出できる。バッテリー残量表示部87は、バッテリー10の残量を表示するものである。モード表示部88は、現在の走行モードを表示する。
また、電動自転車1には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部89(第1判別手段、第2判別手段、駆動制御手段、連結制御手段)が備えられている。電動自転車1において、制御部89には、手元操作部81(手元操作部81内の車輪回転情報部86等の各部品)、速度検出部90、前述したセンサー12、アクチュエータ62、バッテリー10およびモータ3が電気的に接続されている。バッテリー10およびモータ3は、充放電回路91を介して制御部89に接続されている。
速度検出部90は、出力軸60(図2参照)の回転速度を検出する。制御部89の制御により、バッテリー10の電力が充放電回路91を介してモータ3に供給されたり、モータ3が発生した回生電力が充放電回路91を介してバッテリー10に供給されることでバッテリー10が充電されたりする。
図5は、電動自転車1において行われる制御動作の一例を示すフローチャートである。
図5を参照して、電源スイッチ82(図4参照)がONになった直後に、制御部89は、アクチュエータ62をOFFにして、ワンウェイクラッチ22をフリーにする(ステップS1)。なお、電源スイッチ82をONにする以前(OFFの状態)では、アクチュエータ62(ホルダ66のソレノイド)が常にOFFになっているので、ステップS1の処理は省略される。
次いで、制御部89は、乗り手によるペダル11(図1参照)の踏力(入力トルク)についてのセンサー12(図4参照)による検出結果を参照し、踏力が所定の閾値以上であるか否かを確認する(ステップS2)。補助駆動力が必要な路面を走行する場合、ユーザは、前記所定の閾値(たとえば、14N・m)以上の踏力でペダル11を漕ぐ。つまり、ステップS2では、制御部89は、ペダル11の踏力に基づいて、補助駆動力が必要か否かを判断する。
踏力が所定の閾値以上であれば(ステップS2でYES)、補助駆動力が必要なので、制御部89は、モータ3をONにして補助駆動力を発生させる運転(「アシスト運転」ということにする)を開始する(ステップS3)。アシスト運転により、電動自転車1の走行速度が徐々に上昇していくのだが、電動自転車1の走行速度の上昇に応じて、段階的に補助駆動力を小さくすることでアシストを減らしていってもよい。たとえば、走行速度が0km/hから10km/hの間で上昇しているときは、補助駆動力を最大値で一定とし、走行速度が10km/hから24km/hの間で上昇しているときは、補助駆動力を最大値から徐々に(段階的でもよい)小さくする。
アシスト運転中、制御部89は、電動自転車1の走行速度が、所定速度(ここでは、24km/h)以上まで上昇したか否かを監視している(ステップS4)。当該所定速度になると、電動自転車1が高速走行しているので、補助駆動力が不要となる。
電動自転車1の走行速度が前記所定速度以上まで上昇すると(ステップS4でYES)、制御部89は、モータ3をOFFにしてアシスト運転を停止する(ステップS5)。このように電動自転車1が高速走行している際、ワンウェイクラッチ22がステップS1(後述するステップS13も含む)でフリーになっていて切れているので、乗り手は、停止したモータ3のロータ29を空転させる負担を負わずに、ペダル11を軽い踏力で円滑に漕ぐことができる。
そして、電源スイッチ82がOFFになるまでの間(ステップS7でNO)、制御部89は、ステップS2以降の処理を繰り返す。
なお、電源スイッチ82がOFFになったときには(ステップS7でYES)、ワンウェイクラッチ22は必ずフリーになっている。そのため、乗り手は、この状態で、ハンドル80を握って電動自転車1を手押ししたり、電動自転車1が補助駆動力の無いただの自転車となった状態でペダル11を漕いだりしても、ロータ29を空転させる負担を負わなくてもよいので、電動自転車1を円滑に手押ししたり、ペダル11を円滑に漕いだりできる。
また、アシスト運転中において、電動自転車1の走行速度が前記所定速度以上まで上昇していないが(ステップS4でNO)、電源スイッチ82がOFFになったのであれば(ステップS6でYES)、制御部89は、モータ3をOFFにしてアシスト運転を停止する(ステップS5)。たとえば、電動自転車1の走行速度が前記所定速度以上まで上昇していないものの、乗り手が、これ以上のアシスト運転は不要と考えて、電源スイッチ82を手動でOFFにすることが考えられる。
一方、アシスト運転中において、電動自転車1の走行速度が前記所定速度以上まで上昇しておらず(ステップS4でNO)、電源スイッチ82が引き続きONである場合(ステップS6でNO)、制御部89は、ペダル11の踏力が前記所定の閾値以上であるか否かを確認する(ステップS8)。ステップS8では、制御部89は、回生電力を発生させる運転(「回生運転」ということにする)を行うか否か(回生電力の発生が必要であるか否か)を判別する。
つまり、踏力が所定の閾値以上であれば(ステップS8でYES)、補助駆動力が引き続き必要なので、制御部89は、ステップS4以降の処理を行ってアシスト運転を継続する。一方、踏力が所定の閾値未満であれば(ステップS8でNO)、電動自転車1の走行速度がある程度上昇してきて補助駆動力が不要となったので、制御部89は、回生運転を行う(回生電力の発生が必要である)と判別する。
制御部89は、回生運転を行うと判別したのに応じて、車輪回転情報部86および速度検出部90(図4参照)のそれぞれの検出結果に基づいて、出力軸60の回転とハブケース20の回転とが同期しているか否かを判別する(ステップS9)。つまり、ここでは、制御部89は、出力軸60の回転速度とハブケース20の回転速度とが同じになっているか否かを判別する。
なお、ここでは、制御部89は、車輪回転情報部86および速度検出部90のそれぞれの検出結果に基づいて判別しているが、別の方法で判別してもよい。具体的には、出力軸60の回転とハブケース20の回転とが同期していない場合には、必ずハブケース20(前輪5)が出力軸60よりも勢いよく(速く)回転しているので、出力軸60からハブケース20に補助駆動力が伝達されておらず、出力軸60側のモータ3には、負荷がかかっていない。逆に、出力軸60の回転とハブケース20の回転とが同期している場合には、出力軸60からハブケース20に補助駆動力が伝達されているので、モータ3には、所定の負荷がかかっている。そこで、制御部89は、モータ3の負荷を監視していて、モータ3の負荷の有無に応じて、出力軸60の回転速度とハブケース20の回転速度とが同じになっているか否かを判別してもよい。
出力軸60の回転とハブケース20の回転とが同期していないと判別した場合には(ステップS9でNO)、前述したようにハブケース20(前輪5)が出力軸60よりも勢いよく(速く)回転しているので、制御部89は、モータ3(ロータ29)の回転数を上昇させて、出力軸60の回転速度を上げる(ステップS10)。つまり、制御部89は、出力軸60の回転とハブケース20の回転とが同期するようにモータ3の駆動を制御する。
その結果、出力軸60の回転とハブケース20の回転とが同期すれば、つまり、これらの回転が同期していると制御部89が判別したのに応じて(ステップS9でYES)、制御部89は、モータ3をOFFにしてアシスト運転を停止するとともに、アクチュエータ62をONにしてワンウェイクラッチ22をロックする(ステップS11)。すると、出力軸60側の爪65Aが進出することで出力軸60とハブケース20とが連結されるので(図2および図3(a)参照)、前輪5の回転に伴ってロータ29が従動回転され、モータ3が回生電力を発生する。つまり、回生運転が実施される。
ここで、連結解除機構61では、ハブケース20の回転と出力軸60の回転とが同期していることによってこれらの回転方向における溝65および爪63Aのそれぞれの位置がある程度一致している状態で、爪63Aが進出して溝65に確実に嵌まり込むので、回生電力の発生が必要であるときにハブケース20と出力軸60とを確実に連結できる(図3(a)参照)。
なお、厳密には、ハブケース20の回転と出力軸60の回転とが同期していても、これらの回転方向における溝65および爪63Aのそれぞれの位置が多少ずれている場合が想定されるので、溝65および爪63Aの位置合わせを行なう処理が制御部89によって別途行われてもよい。もちろん、溝65において、入口側を広げることで誘い込みが設けられていれば(図3参照)、溝65および爪63Aのそれぞれの位置が多少ずれていても、ハブケース20の回転と出力軸60の回転とが同期すれば、進出した爪65Aがいずれかの溝65に確実に嵌まり込むので、ハブケース20と出力軸60との確実な連結を達成できる(図3(a)参照)。
回生運転中、ペダル11の踏力が所定の閾値以上になれば(ステップS12でYES)、補助駆動力(アシスト運転の開始)が必要となったので、制御部89は、回生電力の発生が不要であると判別する。これに応じて、制御部89は、アクチュエータ62をOFFにして、連結解除機構61による出力軸60とハブケース20との連結を解除させ、ワンウェイクラッチ22をフリーにすることで回生運転を停止する(ステップS13)。これにより、回生電力の発生が必要でないときには、出力軸60とハブケース20との間に介在されたワンウェイクラッチ22が、その機能を発揮できる状態となるので(図3(b)参照)、モータ3の補助駆動力によるアシストが不要な場合には、乗り手は、モータ3のロータ29を空転させる負担を負わずに、軽い力でペダル11を漕ぐことができる。
ステップS13の後、制御部89は、ステップS3に戻ってアシスト運転を開始する。
次に、変形例について説明する。
図6は、変形例に係るハブユニット4の正断面図である。図7(a)は、図6の要部拡大図であって、図7(b)は、図7(a)においてアクチュエータ62がOFFになっている状態を示す。
なお、図6および図7において、図2や図3と重複する部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。
変形例では、連結解除機構61の構成だけが、前述した実施例(図2〜図5参照)と異なる。ただし、変形例に係る連結解除機構61の役割は、前述した実施例に係る連結解除機構61の役割と同じである。
変形例に係る連結解除機構61は、アクチュエータ62と、リンク部材95と、リターンスプリング64と、ブレーキ部材96とを含んでいる。
アクチュエータ62およびリターンスプリング64の構成は、前述した実施例と同じである。つまり、アクチュエータ62がONになると、アクチュエータ62のホルダ66を構成するソレノイド(図示せず)が駆動(ON)されることによってアーム67は左位置までスライドさせられて左位置で位置決めされる(図7(a)参照)。一方、アクチュエータ62がOFFになると、ソレノイド(図示せず)の駆動が停止(OFF)されることによって、アーム67は、左位置で位置決めされなくなり、リターンスプリング64によって、右位置までスライドさせられる(図7(b)参照)。
リンク部材95は、正面視でハブケース20の中心軸側へ向って左右に幅広となる略三角形状をなすブロック形状である。リンク部材95においてハブケース20の中心軸側へ偏った部分には、支持軸97が挿通されている。支持軸97は、出力軸60の周方向(回転方向)に対する接線方向に沿って延びていて、出力軸60に固定されている。リンク部材95は、支持軸97を中心として回動可能である。リンク部材95は、支持軸97を挟む1対の端部を有しており、一方の端部を、押圧部95Aといい、他方の端部を、連結部95Bということにする。図7(a)において、押圧部95Aは、支持軸97からハブケース20の中心軸側かつ右側へ延びている端部であり、連結部95Bは、支持軸97から下側(ハブケース20の径方向外側)へ延びている端部である。押圧部95Aの右側面は、押圧面95Cとされ、右側へ向って円弧状に膨出する滑らかな湾曲面である。
連結部95Bには、支持軸97と平行に延びる支持軸98が一体的に設けられている。支持軸98は、アーム67の右端部の挿通穴71に挿通されている。これにより、リンク部材95とアーム67とが連結されている。
図7(a)に示す状態では、リンク部材95の押圧部95Aは、出力軸60の切欠き70内において目一杯右側に位置している。このときの押圧部95Aの左右方向における位置を「進出位置」という。押圧部95Aが進出位置にある状態では、アクチュエータ62のアーム67が左位置にある。この状態で、アーム67を右位置へ向けてスライドさせると、押圧部95Aが左側へ退避し、かつ、連結部95Bが右側へ移動するようにリンク部材95が回動する。アーム67が右位置に配置されると、図7(b)に示すように、押圧部95Aは、切欠き70内において目一杯左側へ移動する。このときの押圧部95Aの左右方向における位置を「退避位置」という。この状態でアーム67を左位置までスライドさせると、リンク部材63が逆向きに回動し、その結果、図7(a)に示すように押圧部95Aが進出位置に配置される。
ブレーキ部材96は、左右方向に延びる中心軸を有する円板形状あり、保持プレート99とブレーキパッド100(図7において黒く塗り潰した部分)とを左右に重ね合わせることで構成されている。保持プレート99およびブレーキパッド100は、ともに円板形状であり、ブレーキパッド100が、保持プレート99の右側にあって、出力軸60の切欠き70から右側へ露出されており、出力軸60の右側面から右側へはみ出ている。ブレーキパッド100は、接触した物との間で摩擦力を発生させる材料で形成されている。ブレーキ部材96は、ばね等の付勢部材(図示せず)によって、左側(切欠き70の内側)へ向けて付勢されていて、この状態で、出力軸60によって左右にスライド可能に支持されている。なお、切欠き70において出力軸60の右側面に形成された部分は、ブレーキ部材96がちょうど嵌まり込める丸穴になっていて、これにより、ブレーキ部材96の左右への円滑なスライドが確保されている。
リンク部材95の押圧部95Aの押圧面95Cは、出力軸60の切欠き70内において、ブレーキ部材96の保持プレート99の左側面に対して左側から対向している。ブレーキ部材96は、前述したように左側へ向けて付勢されていることから、押圧部95Aが図7(b)に示すように退避位置にあるときには、退避位置にある押圧部95Aの押圧面95Cに対して右側から当接している。このときのブレーキ部材96は、目一杯左側の位置(「退避位置」という)にある。
押圧部95Aおよびブレーキ部材96がいずれも退避位置にある状態で、押圧部95Aを右側の進出位置へ向けて移動させると、押圧部95Aは、押圧面95Cにおいて、ブレーキ部材96の保持プレート99を左側から押圧する。この際、押圧面95Cが湾曲面であることから、押圧部95Aは、保持プレート99に対して引っ掛かることなく円滑に押圧できる。押圧部95Aが保持プレート99を押圧することによって、ブレーキ部材96は、自身を左側へ付勢する付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、右側へスライドする。押圧部95Aが進出位置までスライドすると、図7(a)に示すように、ブレーキ部材96は、目一杯右側の位置(「進出位置」という)までスライドする。進出位置にあるブレーキ部材96は、退避位置(図7(b)参照)にあったときよりも右側へずれており、ハブケース20のリング部材30の左側面に対して進出して左側から圧接している。このとき、ブレーキ部材96のブレーキパッド100がリング部材30の左側面に対して面接触している。
一方、押圧部95Aおよびブレーキ部材96がいずれも進出位置にある状態で、押圧部95Aを左側の退避位置へ向けて移動させると、ブレーキ部材96の保持プレート99に対する押圧部95Aの押圧力が弱まり、図7(b)に示すように、ブレーキ部材96は、自身を左側へ付勢する付勢部材(図示せず)の付勢力によって、左側の退避位置までスライドする。これにより、ブレーキパッド100(ブレーキ部材96全体)は、ハブケース20のリング部材30の左側面から左側へ退避して離間する。
なお、押圧部95Aが退避位置側へ移動してブレーキ部材96の保持プレート99に対する押圧部95Aの押圧力が弱まるのに応じて、ブレーキ部材96が押圧部95Aに対する反力で退避位置までスライドできるのであれば、ブレーキ部材96を左側へ付勢する前述した付勢部材(図示せず)を省略しても構わない。
以上の構成の連結解除機構61において、アクチュエータ62をONにすると、図7(a)に示すように、アーム67が左位置までスライドし、これに連動して押圧部95Aおよびブレーキ部材96が進出位置まで進出して、ブレーキ部材96のブレーキパッド100がハブケース20のリング部材30の左側面に対して左側から圧接する。これにより、ブレーキパッド100とリング部材30の左側面との間に摩擦力が発生するので、ブレーキパッド100(ブレーキ部材96)を有する出力軸60と、リング部材30(ハブケース20)とが連結されて一体化される。そのため、出力軸60とハブケース20とは、相対回転不能になり、ワンウェイクラッチ22がロックされて機能できない状態になる。なお、ブレーキパッド100がリング部材30の左側面に対して効果的に圧接できるようにするために、リング部材30の左側面においてブレーキパッド100と接触する部分は、平坦面であることが好ましい。
一方で、アクチュエータ62をOFFにすると、図7(b)に示すように、アーム67がリターンスプリング64に付勢されることで右位置までスライドし、これに連動して押圧部95Aおよびブレーキ部材96が退避位置まで退避して、今までリング部材30に圧接していたブレーキパッド100がリング部材30から完全に離間し、ブレーキ部材96とリング部材30とが非接触状態となる。これにより、出力軸60とリング部材30(ハブケース20)との連結が解除される。そのため、今までロックされていたワンウェイクラッチ22は、機能できるフリーの状態になる。
図8は、電動自転車1において行われる制御動作の変形例を示すフローチャートである。
図8を参照して、電源スイッチ82(図4参照)がONになった直後に、制御部89は、アクチュエータ62をOFFにして、ワンウェイクラッチ22をフリーにする(ステップS21)。なお、電源スイッチ82をONにする以前(OFFの状態)では、アクチュエータ62(ホルダ66のソレノイド)が常にOFFになっているので、ステップS1の処理は省略される。
次いで、制御部89は、前述したステップS2と同様に、ペダル11(図1参照)の踏力が所定の閾値以上であるか否かを確認する(ステップS22)。つまり、ステップS22では、制御部89は、ペダル11の踏力に基づいて、補助駆動力が必要か否かを判断する。
踏力が所定の閾値以上であれば(ステップS22でYES)、補助駆動力が必要なので、制御部89は、モータ3をONにしてアシスト運転を開始する(ステップS23)。アシスト運転開始後、前述した実施例と同様に、アシスト運転に伴う電動自転車1の走行速度の上昇に応じて、段階的に補助駆動力を小さくすることでアシストを減らしていってもよい。
アシスト運転中、制御部89は、前述したステップS4と同様に、電動自転車1の走行速度が、所定速度(ここでは、24km/h)以上まで上昇したか否かを監視している(ステップS24)。当該所定速度になると、電動自転車1の走行速度にある程度の勢いが付いたので、補助駆動力が不要となる。
電動自転車1の走行速度が前記所定速度以上まで上昇して電動自転車1が高速走行状態になると(ステップS24でYES)、制御部89は、前述したステップS5と同様に、モータ3をOFFにしてアシスト運転を停止する(ステップS25)。このように電動自転車1が高速走行している際、ワンウェイクラッチ22がステップS21(後述するステップS31も含む)でフリーになっていて切れているので、乗り手は、停止したモータ3のロータ29を空転させる負担を負わずに、ペダル11を軽い踏力で円滑に漕ぐことができる。
そして、電源スイッチ82がOFFになるまでの間(ステップS27でNO)、制御部89は、ステップS22以降の処理を繰り返す。
なお、電源スイッチ82がOFFになったときには(ステップS27でYES)、ワンウェイクラッチ22は必ずフリーになっている。そのため、乗り手は、この状態で、ハンドル80を握って電動自転車1を手押ししたり、電動自転車1が補助駆動力の無いただの自転車となった状態でペダル11を漕いだりしても、ロータ29を空転させる負担を負わずに済むので、電動自転車1を円滑に手押ししたり、ペダル11を円滑に漕いだりできる。
また、アシスト運転中において、電動自転車1の走行速度が前記所定速度以上まで上昇していないが(ステップS24でNO)、アシストが不要と判断した乗り手の操作によって電源スイッチ82がOFFになったのであれば(ステップS26でYES)、制御部89は、モータ3をOFFにしてアシスト運転を停止する(ステップS25)。
一方、アシスト運転中において、電動自転車1の走行速度が前記所定速度以上まで上昇しておらず(ステップS24でNO)、電源スイッチ82が引き続きONである場合(ステップS26でNO)、制御部89は、ペダル11の踏力が前記所定の閾値以上であるか否かを確認する(ステップS28)。ステップS28では、ステップS8と同様に、制御部89は、回生運転を行うか否か(回生電力の発生が必要であるか否か)を判別する。
つまり、踏力が所定の閾値以上であれば(ステップS28でYES)、補助駆動力が引き続き必要なので、制御部89は、ステップS24以降の処理を行ってアシスト運転を継続する。一方、踏力が所定の閾値未満であれば(ステップS28でNO)、電動自転車1の走行速度がある程度上昇してきて補助駆動力が不要となったので、制御部89は、回生運転を行うと判別する。
制御部89は、回生運転を行う(回生電力の発生が必要である)と判別したのに応じて(ステップS28でNO)、モータ3をOFFにしてアシスト運転を停止するとともに、アクチュエータ62をONにしてワンウェイクラッチ22をロックする(ステップS29)。すると、出力軸60側のブレーキ部材96がハブケース20まで進出するので、連結解除機構61によって出力軸60とハブケース20とが連結され(図7(a)参照)、これによって、前輪5の回転に伴ってロータ29が従動回転されて、モータ3が回生電力を発生する。つまり、回生運転が実施される。
ここで、連結解除機構61では、回生電力の発生が必要であるときに、ハブケース20の回転と出力軸60の回転とが同期していなくても、ブレーキ部材96を進出させれば、ブレーキ部材96とハブケース20との間で摩擦力が発生することによって、ハブケース20と出力軸60とを確実に連結できる(図7(a)参照)。
回生運転中、ペダル11の踏力が所定の閾値以上になれば(ステップS30でYES)、補助駆動力(アシスト運転の開始)が必要となったので、制御部89は、回生電力の発生が不要であると判別する。これに応じて、制御部89は、アクチュエータ62をOFFにして、連結解除機構61による出力軸60とハブケース20との連結を解除させ、ワンウェイクラッチ22をフリーにすることで回生運転を停止する(ステップS31)。これにより、回生電力の発生が必要でないときには、出力軸60とハブケース20との間に介在されたワンウェイクラッチ22が、その機能を発揮できる状態となるので、モータ3の補助駆動力によるアシストが不要な場合には、乗り手は、モータ3のロータ29を空転させる負担を負わずに、軽い力でペダルを漕ぐことができる(図7(b)参照)。
ステップS31の後、制御部89は、ステップS23に戻ってアシスト運転を開始する。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、バッテリー10(図1参照)の残量がなくなった場合にはハブユニット4によるアシストが不可能になるので、バッテリー10の残量が所定量まで低下すると、連結解除機構61による出力軸60とハブケース20との連結が解除されるようになっていてもよい(図3(b)および図7(b)参照)。そうすれば、ハブユニット4によるアシストが無い状態でペダル11を漕ぐ乗り手に対して、モータ3のロータ29を空回りさせる負担をかけずに済む。
一方、バッテリー10の残量がなくなった電動自転車1が下り坂を走行している間は、乗り手がペダル11を漕がなくても電動自転車1が走行できるので、出力軸60とハブケース20とを連結して回生運転を実施して(図3(a)および図7(a)参照)、バッテリー10を充電してもよい。なお、センサー12が検出するペダル11の踏力が前述した所定の閾値以上ないにもかかわらず、車輪回転情報部86(図4参照)が検出した電動自転車1の走行速度が上昇している場合には、制御部89は、電動自転車1が下り坂を走行していると判断する。
1 電動自転車
3 モータ
4 ハブユニット
5 前輪
20 ハブケース
21 減速機構
22 ワンウェイクラッチ
29 ロータ
39 回転軸
60 出力軸
61 連結解除機構
63A 爪
65 溝
89 制御部
96 ブレーキ部材

Claims (7)

  1. 電動自転車の車輪に取り付けられるハブユニットであって、
    回転軸を有するロータを備え、電力で前記ロータを回転させることによって補助駆動力を発生することができ、前記ロータが電力で回転される回転速度で回転されることによって回生電力を発生することができるモータと、
    前記モータを収容し、前記車輪と一体回転するハブケースと、
    前記ロータの回転を減速する減速機構と、
    前記減速機構を介して前記ロータに連結され、前記ハブケースと同心状で回転可能な出力軸と、
    前記出力軸と前記ハブケースとの間に介在され、前記出力軸に対して前記ハブケースが一方側へ回転するときは、前記ハブケースと前記出力軸とを一体回転させ、前記出力軸に対して前記ハブケースが他方側へ回転するときは、前記ハブケースのみを自由回転状態とするワンウェイクラッチと、
    前記モータが回生電力を発生するときは前記ハブケースと前記出力軸とを連結し、前記モータが回生電力を発生しないときは前記ハブケースと前記出力軸との連結を解除する連結解除機構とを有することを特徴とする、ハブユニット。
  2. 前記ハブユニットは、電動自転車の前輪に取り付けられることを特徴とする、請求項1記載のハブユニット。
  3. 前記連結解除機構は、前記ハブケースに設けられた溝と、前記出力軸に設けられ、前記溝に対して進退可能な爪とを含み、
    前記爪が進出して前記溝に嵌まり込むことで前記ハブケースと前記出力軸とが連結され、前記爪が退避して前記溝から外れることで前記ハブケースと前記出力軸との連結が解除されることを特徴とする、請求項1記載のハブユニット。
  4. 前記連結解除機構は、前記出力軸に設けられ、前記ハブケースに対して進退可能なブレーキ部材を含み、
    前記ブレーキ部材が進出して前記ハブケースとの間で摩擦力を発生させることで前記ハブケースと前記出力軸とが連結され、前記ブレーキ部材が退避して前記ハブケースから離間することで前記ハブケースと前記出力軸との連結が解除されることを特徴とする、請求項1記載のハブユニット。
  5. 請求項記載のハブユニットと、
    回生電力の発生が必要であるか否かを判別する第1判別手段と、
    回生電力の発生が必要であると前記第1判別手段が判別したのに応じて、前記ハブケースの回転と前記出力軸の回転とが同期しているか否かを判別する第2判別手段と、
    前記ハブケースの回転と前記出力軸の回転とが同期していないと前記第2判別手段が判別したのに応じて、前記ハブケースの回転と前記出力軸の回転とが同期するように前記モータの駆動を制御する駆動制御手段と、
    前記ハブケースの回転と前記出力軸の回転とが同期していると前記第2判別手段が判別したのに応じて、前記出力軸側の爪を進出させることで前記ハブケースと前記出力軸とを連結させる連結制御手段とを有することを特徴とする、電動自転車。
  6. 請求項記載のハブユニットと、
    回生電力の発生が必要であるか否かを判別する第1判別手段と、
    回生電力の発生が必要であると前記第1判別手段が判別したのに応じて、前記出力軸側のブレーキ部材を進出させることで前記ハブケースと前記出力軸とを連結させる連結制御手段とを有することを特徴とする、電動自転車。
  7. 前記連結制御手段は、回生電力の発生が不要であると前記第1判別手段が判別したのに応じて、前記連結解除機構による前記ハブケースと前記出力軸との連結を解除させることを特徴とする、請求項または記載の電動自転車。
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