JP5819113B2 - コア用板製造方法 - Google Patents
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Description
第Y打ち抜き線PYは、ロータコア用板の鍔部22の第C縁線Lcを通る線であって、最外周縁線Lxを通る線である(図16参照)。
第Z打ち抜き線PZは、ステータコア用板の最内周縁線Lyを通る線である。
したがって、図17に示すように、第Z打ち抜き線PZで打ち抜く際、第X打ち抜き線PXが最外周縁線Lxからはみ出ている分(Δd3)、第Z打ち抜き線PZを、はみ出し位置から前記限界値Δd4の分、さらに、径方向外側に設定する必要があった。
これにより、ステータコア用板の最内周縁線を形成するための打ち抜き線を、鍔部打ち抜き線のはみ出しのために、径方向外側に移動させる必要はない。したがって、ロータコア用板とステータコア用板とのギャップを小さくできる。そして、このようなロータコア用板を積層して構成されたロータコアと、ステータコア用板を積層して構成されたステータコアとを備えるモータでは、その駆動効率及び回生効率が高まる。
これにより、ステータコア打ち抜工程におけるステータコア打ち抜き線を、ティース部本体打ち抜き線のはみ出しのために、径方向外側に移動させる必要はない。
これにより、ロータコア用板の最外周縁線を形成するための打ち抜き線を、鍔部打ち抜き線のはみ出しのために、径方向内側に移動させる必要はない。したがって、ロータコア用板とステータコア用板とのギャップを小さくできる。そして、このようなロータコア用板を積層して構成されたロータコアと、ステータコア用板を積層して構成されたステータコアとを備えるモータでは、その駆動効率及び回生効率が高まる。
これにより、ロータコア打ち抜きにおけるロータコア打ち抜き線を、ティース部本体打ち抜き線のはみ出しのために、径方向内側に移動させる必要はない。
本発明の第1実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
なお、分かりやすくするため、図1〜図10において、ロータコア用板10、ステータコア用板30は、厚めに記載している。また、モータ100(ロータ101、ステータ102)の厚さ、ロータコア用板10、ステータコア用板30の厚さ・積層枚数、周方向におけるティース112、132、2次導体121及びコイル141の数は、後記する形態に限定されず、適宜変更自由である。さらに、図6〜図10では、ロータコア用板10のティース部20等に模様を記載している。
図1、図2に示すように、モータ100は、略円柱状のロータ101(回転子)と、略円筒状のステータ102(固定子)とを備えており、ステータ102の内側に配置されたロータ101が回転するインナーロータ型の誘導モータ(インダクションモータ)である。ただし、モータ100の種類は、その他に例えば、永久磁石を備える同期モータでもよい。
ロータ101は、円柱状のロータコア110(ロータ鉄心)と、8個の2次導体121と、を備えている。なお、図2では、2個の2次導体121のみを記載している。
ロータコア110は、中心部分のヨーク111と、ヨーク111の外周面から径方向外向きに突出すると共に、周方向において等間隔で配置された8本のティース112と、を備えている。そして、ヨーク111(ロータコア110)の中心軸線上には、シャフト(図示しない)が挿通・固定されるシャフト孔111aが形成されている。
2次導体121は、後記するコイル141によって磁界が生起した場合、その磁界変化を打ち消すように渦電流を生起させる導体であり、例えば、アルミニウム合金で形成される。そして、このように生起する渦電流と前記磁界とによって力(電磁力)が発生し、この力によってロータ101が回転するようになっている。
ロータコア用板10は、図3、図5、図6に示すように、薄円板状を呈しており、円形状のヨーク部11と、ヨーク部11の外周縁から径方向外向きに突出すると共に、周方向において等間隔で配置された8本のティース部20と、を備えている。
第B縁線Lbは周方向に対してやや斜め方向で延びており、第B縁線Lbと第A縁線Laとのなす角度は鈍角(120°程度)となっている。
ステータ102は、図1、図2に示すように、ステータコア130(ステータ鉄心)と、後記する各ティース132に装着された12個のコイル141と、を備えている。なお、図1、図2では、4個のコイル141のみを記載している。
ステータコア130は、円筒状のヨーク131と、ヨーク131の内周面から径方向内向きに突出すると共に、周方向において等間隔で配置された12本のティース132と、を備えている。
コイル141は、表面が絶縁材料で被覆された金属線(例えば銅線)がティース132にそれぞれ巻回されることで構成されている。
そして、12個のコイル141は、U相の交流が通流する4個のU相用コイルと、V相の交流が通流する4個のV相用コイルと、W相の交流が通流する4個のW相用コイルと、とに割り振られ、周方向において、U相用コイル、V相用コイル、W相用コイル、U相用コイル、…、の順で配列している。
ステータコア用板30は、図4、図5、図6に示すように、薄リング板状を呈しており、リング状のヨーク部31と、ヨーク部31の内周縁から径方向内向きに突出すると共に、周方向において等間隔で配置された12本のティース部40と、を備えている。
第Q縁線Lqは第P縁線Lpから略半円弧状で延びている。
径方向において、ロータコア用板10とステータコア用板30との距離(ロータ101とステータ102との距離)、つまり、ロータコア用板10の鍔部22とステータコア用板30の鍔部42との距離Δd1(エアギャップ、図6参照)は、後記する打ち抜き工程で使用する打ち抜き装置(プレス装置)の限界値Δd4(最小値)に設定されている。
打ち抜き装置の限界値Δd4とは、打ち抜き対象の材質(硬さ等)、厚さ等にも依存するが、クラック等を発生させずに打ち抜き可能とする打ち抜き型(刃)の片側に配置すべき打ち抜き対象の最小幅(打ち抜き刃の直交方向における長さ)である。
図6〜図10を参照して、コア用板製造方法の製造方法を説明する。
コア板用製造方法は、公知の打ち抜き装置(プレス装置)を使用して、1枚の鋼板W(電磁鋼板)から、不要部分(廃棄部分)を少なくするため、円状のロータコア用板10と、リング状のステータコア用板30と同中心的に打ち抜く方法である。
なお、打ち抜き対象(鋼板W等)は、打ち抜き位置がずれないように、下型等に適宜な固定手段(クランプ等)で着脱自在に固定される。
図7に示すように、第1打ち抜き線P1は、第A縁線Laと第B縁線Lbとを通り、ロータコア用板10の最外周を通る円周状(環状)の最外周縁線Lxよりも径方向内側を通るように設定される。つまり、第1打ち抜き線P1は、最外周縁線Lxを径方向外側に超えてはみ出ず、最外周縁線Lxと交差しないように設定される。
図8に示すように、第2打ち抜き線P2は、第C縁線Lcと第D縁線Ldとを通り、かつ、最外周縁線Lxよりも径方向内側を通り、そして、第1打ち抜き線P1と交差するように(重なるように)設定される。
このような第2打ち抜き線P2で打ち抜くと、鋼板Wが、ロータ101側(径方向内側)とステータ102側(径方向外側)とに分割されると同時に、ロータコア用板10のティース部20が成型される(図9参照)。
図9に示すように、第3打ち抜き線P3は、第R縁線Lr(ステータコア用板30の環状の最内周縁線Ly)と第S縁線Lsとを通り、かつ、最内周縁線Lyよりも径方向外側を通り、後記する第4打ち抜き線P4と交差するように設定される。
図10に示すように、第4打ち抜き線P4は、第P縁線Lpと第Q縁線Lqとを通り、ステータコア用板30の最内周を通る円周状(環状)の最内周縁線Lyよりも径方向外側を通るように設定される。つまり、第4打ち抜き線P4は、最内周縁線Lyと交差しないように設定される。
鋼板Wの径方向内側の円状の分割片については、シャフト孔111aに対応した打ち抜き線で打ち抜くことにより、ロータコア用板10を得る。
鋼板Wの径方向外側のリング状の分割片については、ステータコア用板30の最外周縁線に対応した打ち抜き線で打ち抜くことにより、ステータコア用板30を得る。
このようなコア用板製造方法によれば、鋼板Wの廃棄部分を少なくしつつ、ロータコア用板10とステータコア用板30との間の距離Δd1を小さくできる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、後記する形態の構成と適宜に組み合わせてもよいし、また、次のように変更してもよい。
例えば、最初に、第2打ち抜き線P2で打ち抜いてもよい。
また、第1打ち抜き線P1、第2打ち抜き線P2、第4打ち抜き線P4、第3打ち抜き線P3、の順でもよい。
本発明の第2実施形態について、図11〜図14を参照して説明する。なお、第1実施形態と異なる部分を説明する。
コア板用製造方法は、第1実施形態に対して、ステータコア用板30側から打ち抜いていく点が異なる。
コア板用製造方法は、第A打ち抜き線PA(ステータ側のティース部本体打ち抜き線)で打ち抜く第A工程(ステータ側のティース部本体打ち抜き工程、図11参照)と、第B打ち抜き線PB(ステータ側の鍔部打ち抜き線)で打ち抜く第B工程(ステータ側の鍔部打ち抜き工程、図12参照)と、第C打ち抜き線PC(ロータコア打ち抜き線、ロータ側の鍔部打ち抜き線)で打ち抜く第C工程(ロータコア打ち抜き工程、図13参照)と、第D打ち抜き線PD(ロータ側のティース部本体打ち抜き線)で打ち抜く第D工程(ロータ側のティース部本体打ち抜き工程、図14参照)と、を含んでいる。
第A打ち抜き線PAは、第1実施形態に係る第4打ち抜き線P4(図10参照)と同一の線であり、その機能・効果も同様である。
第B打ち抜き線PBは、第1実施形態に係る第3打ち抜き線P3(図9参照)と同一の線であり、その機能・効果も同様である。
第C打ち抜き線PCは、第1実施形態に係る第2打ち抜き線P2(図8参照)と同一の線であり、その機能・効果も同様である。
第D打ち抜き線PDは、第1実施形態に係る第1打ち抜き線P1(図7参照)と同一の線であり、その機能・効果も同様である
例えば、最初に、第B打ち抜き線PBで打ち抜いてもよい。また、第A打ち抜き線PA、第B打ち抜き線PB、第D打ち抜き線PD、第C打ち抜き線PC、の順でもよい。
20 ティース部
21 ティース部本体
22 鍔部
30 ステータコア用板
40 ティース部
41 ティース部本体
42 鍔部
100 モータ
110 ロータコア
130 ステータコア
La 第A縁線
Lb 第B縁線
Lc 第C縁線
Ld 第D縁線
Lp 第P縁線
Lq 第Q縁線
Lr 第R縁線
Ls 第S縁線
Lx ロータコア用板の最外周縁線
Ly ステータコア用板の最内周縁線
P1 第1打ち抜き線(ロータ側のティース部本体打ち抜き線)
P2 第2打ち抜き線(ロータ側の鍔部打ち抜き線)
P3 第3打ち抜き線(ステータコア打ち抜き線、ステータ側の鍔部打ち抜き線)
P4 第4打ち抜き線(ステータ側のティース部本体打ち抜き線)
PA 第A打ち抜き線(ステータ側のティース部本体打ち抜き線)
PB 第B打ち抜き線(ステータ側の鍔部打ち抜き線)
PC 第C打ち抜き線(ロータコア打ち抜き線、ロータ側の鍔部打ち抜き線)
PD 第D打ち抜き線(ロータ側のティース部本体打ち抜き線)
W 鋼板
Claims (7)
- 複数のロータコア用板が積層されることで構成されたロータコアと、複数のステータコア用板が積層されることで構成されたステータコアとを備え、前記ロータコアが前記ステータコアの内側に配置されたモータの前記ロータコア用板及び前記ステータコア用板を、鋼板を同中心的に打ち抜いて製造するコア用板製造方法であって、
前記ロータコア用板は、径方向に延びると共に周方向に所定間隔で配置された複数のティース部本体と、前記各ティース部本体の径方向外側先端に形成され周方向に延出する鍔部と、を備え、
前記ティース部本体は、その周方向両側で径方向に延びる第A縁線で囲まれており、
前記鍔部は、その径方向内側の第B縁線と、その径方向外側の第C縁線と、その周方向両側で径方向に延びる第D縁線とで囲まれており、
前記第C縁線及び前記第D縁線を通り、前記ロータコア用板の最外周縁線よりも径方向内側の鍔部打ち抜き線で打ち抜く鍔部打ち抜き工程を含む
ことを特徴とするコア用板製造方法。 - 前記第A縁線及び前記第B縁線を通り、前記最外周縁線よりも径方向内側のティース部本体打ち抜き線で打ち抜くティース部本体打ち抜き工程と、
前記ステータコア用板の最内周縁線を通るステータコア打ち抜き線で打ち抜くステータコア打ち抜き工程と、
を含み、
前記ティース部本体打ち抜き工程、前記鍔部打ち抜き工程、前記ステータコア打ち抜き工程、の順で実行し、
前記鍔部打ち抜き線は、前記ティース部本体打ち抜き線と交差するように設定される
ことを特徴とする請求項1に記載のコア用板製造方法。 - 径方向において、前記鍔部打ち抜き線と前記ステータコア打ち抜き線との距離は、打ち抜き装置の限界値である
ことを特徴とする請求項2に記載のコア用板製造方法。 - 前記鍔部の径方向外側の角はR形状である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコア用板製造方法。 - 複数のロータコア用板が積層されることで構成されたロータコアと、複数のステータコア用板が積層されることで構成されたステータコアとを備え、前記ロータコアが前記ステータコアの内側に配置されたモータの前記ロータコア用板及び前記ステータコア用板を、鋼板を同中心的に打ち抜いて製造するコア用板製造方法であって、
前記ステータコア用板は、径方向に延びると共に周方向に所定間隔で配置された複数のティース部本体と、前記各ティース部本体の径方向内側先端に形成され周方向に延出する鍔部と、を備え、
前記ティース部本体は、その周方向両側で径方向に延びる第P縁線で囲まれており、
前記鍔部は、その径方向外側の第Q縁線と、その径方向内側の第R縁線と、その周方向両側で径方向に延びる第S縁線とで囲まれており、
前記第R縁線及び前記第S縁線を通り、前記ステータコア用板の最内周縁線よりも径方向外側の鍔部打ち抜き線で打ち抜く鍔部打ち抜き工程と、
前記第P縁線と前記第Q縁線とを通り、前記最内周縁線よりも径方向外側のティース部本体打ち抜き線で打ち抜くティース部本体打ち抜き工程と、
前記ロータコア用板の最外周縁線を通るロータコア打ち抜き線で打ち抜くロータコア打ち抜き工程と、
を含み、
前記ティース部本体打ち抜き工程、前記鍔部打ち抜き工程、前記ロータコア打ち抜き工程、の順で実行し、
前記鍔部打ち抜き線は、前記ティース部本体打ち抜き線と交差するように設定される
ことを特徴とするコア用板製造方法。 - 径方向において、前記鍔部打ち抜き線と前記ロータコア打ち抜き線との距離は、打ち抜き装置の限界値である
ことを特徴とする請求項5に記載のコア用板製造方法。 - 前記鍔部の径方向内側の角はR形状である
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のコア用板製造方法。
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