JP5817677B2 - 連続鋳造機の設定状態の検知装置および検知方法 - Google Patents

連続鋳造機の設定状態の検知装置および検知方法 Download PDF

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本発明は、連続鋳造機の設定状態の検知装置および検知方法に関し、特に、鋳片案内ロール群のロール間隔、ロールアライメントおよびロール回転ならびに冷却スプレーの噴射の設定状態を一度に検知可能であり、ローラーエプロンセグメントを一部外した状態でも検知可能な検知装置および検知方法に関する。
連続鋳造機の鋳片案内ロール群において、ロール間隔またはロールアライメントに異常がある場合には、鋳造される鋳片に歪みが生じ、内部割れ等の内部欠陥が生じる可能性が高い。また、ロールの回転に異常がある場合には、鋳片の表面に擦り傷等が生じ、擦り傷等の生じた鋳片を圧延して得られた鋼片は、表面品質が不良となる可能性がある。さらに、鋳片を二次冷却する冷却スプレーの噴射に異常がある場合には、鋳片の不均一凝固に起因して、内部割れと表面割れの両方が生じる可能性がある。
これらの鋳片の品質不良の発生は操業中には検知することが困難であり、連続鋳造機が停止している間にロール群および冷却スプレー装置が正常であることを確認すること以外には、このような鋳片の品質不良の発生を防止する方法がないのが現状である。
そのため、連続鋳造機の鋳片案内ロール群および冷却スプレーの噴射の設定状態を迅速に検知することは、鋳片の品質不良の発生を低減するとともに、連続鋳造機の稼働率を向上させるために非常に有効である。
従来の連続鋳造機の鋳片案内ロール群および冷却スプレーの設定状態の検知方法には、手動による方法と、自動で行う方法とがある。
手動により、鋳片案内ロール群および冷却スプレー装置の噴射の設定状態を検知する場合、測定者がローラーエプロンセグメント内に入ってロール間隔等を測定しなければならないという問題に加え、測定者によって精度にばらつきがあるという問題がある。
自動で行う方法としては、図1に示すように、検知装置を組み込んだダミーバーを使用する方法がある。この場合、手動の場合のような、測定者がローラーエプロンセグメント内に入らなければならないという問題や、測定者による精度のばらつきといった問題はない。
図1は、検知装置を組み込んだダミーバーを使用して連続鋳造機の設定状態を検知する様子を示す模式図である。同図に示す連続鋳造機は湾曲型であり、鋳型1の下方には、鋳片案内ロール群を構成する複数のロール2が配置されている。また、鋳型1の下方には、図示しない二次冷却スプレーノズル群が配置されており、ロール2によって案内される鋳片を冷却する冷却スプレーを噴射する。ロール2は、複数組を一群として、図示しないローラーエプロンセグメントに組み込まれている。
ダミーバー11は、素片がリンク12で接続されており、湾曲して配置されたロール2に沿って湾曲することができる。同図に示すダミーバー11は、素片の途中にロール2の回転の設定状態を検知する検知装置13が組み込まれている。ダミーバー11は、ダミーバーカー14によって、鋳型1の上部から連続鋳造機内に供給され、ロール2に案内されて鋳造方向下流部に向けて移動する。そして、連続鋳造機内を移動しながら、検知装置13によってロール2の回転の設定状態を検知する。
このような、検知装置を組み込んだダミーバーを使用する方法は、例えば特許文献1および2に開示されている。特許文献1には、鋳片案内ロールの回転を検査するロール回転検出器を設けたダミーバーを用いてロール回転の異常を検出する方法が開示されている。特許文献2には、ロール回転異常検出装置を、ロールによって形成された鋳片通路にダミーバーと一体的に通過させて、ロール回転の異常を検出する方法が開示されている。
しかし、特許文献1および2のいずれに開示された方法とも、ロールの回転異常しか検出することができず、ロール回転の設定状態の他に、ロール間隔、ロールアライメントおよび冷却スプレーの噴射の設定状態を同一のタイミングで検知することはできない。そのため、ロール間隔、ロールアライメントおよび冷却スプレーの噴射の設定状態は、それぞれ別の方法で検知する必要があり、検知作業を複数回行わなければならず、連続鋳造機の停止時間が必然的に長くなる。
さらに、これらの方法では、ダミーバーを使用するため、ダミーバーを連続鋳造機に挿入するためのダミーバーカーが必要であるとともに、ダミーバーを鋳造方向に移動させるためのドライブロール回転電力や、ダミーバーを保持するためのピンチロール加圧に必要な油圧装置等のマシンユーティリティの使用も必要である。
また、ダミーバーを連続鋳造機に挿入するには、下部(鋳造方向下流側)のローラーエプロンセグメントから鋳型まで、全てのローラーエプロンセグメントを連続鋳造機に組み込んだ状態としなければならない。そのため、下部ローラーエプロンセグメントを交換した直後の、上部(鋳造方向上流側)のローラーエプロンセグメントを取り外した状態では、下部ローラーエプロンセグメントにおけるロールの設定状態等を検知することはできない。万が一、下部ローラーエプロンセグメントから鋳型までの全てのローラーエプロンセグメントを連続鋳造機に組み込んだ後、下部ローラーエプロンセグメントにおいてロールアライメントの不良等の不具合を検知した場合には、そのローラーエプロンセグメントよりも上部のローラーエプロンセグメントを取り外して不具合を是正することが必要となり、連続鋳造機の停止時間をさらに延長することが余儀なくされ、連続鋳造機の稼働率の低下が避けられないという問題が発生する。
特開2002−178119号公報 特開2008−246494号公報
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、鋳片案内ロール群のロール間隔、ロールアライメントおよびロール回転ならびに冷却スプレーの噴射の各項目の設定状態を1回の操作で高い精度で検知可能であり、かつ、ダミーバーカーやマシンユーティリティを必要とせず、上部ローラーエプロンセグメントを取り外した状態でも下部ローラーエプロンセグメントにおける上記各項目を検知可能な検知装置および検知方法を提供することを目的とする。
本発明者が検討した結果、1個の検知部材に鋳片案内ロール群のロール間隔、ロールアライメントおよびロール回転ならびに冷却スプレーの噴射の各項目の設定状態の検知機能を付与するとともに、この検知装置に、鋳片案内ロール群の湾曲に沿って移動可能な誘導治具を連結させ、連続鋳造機の上方から吊り下げることによって、連続鋳造機の設定状態についての上記各項目を1回の操作で高い精度で検知可能であり、ダミーバーカーやマシンユーティリティを必要とせず、上部ローラーエプロンセグメントを取り外した状態でも下部ローラーエプロンセグメントにおける上記各項目を検知可能であることを知見した。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、下記の(1)に示す連続鋳造機の設定状態の検知装置および(2)に示す連続鋳造機の設定状態の検知方法にある。
(1)連続鋳造機の備える鋳片案内ロール群のロール間隔、ロールアライメント、ロール回転および冷却スプレーの噴射の設定状態を検知する、連続鋳造機の設定状態の検知装置であって、前記ロール間隔、ロールアライメント、ロール回転および冷却スプレーの噴射の設定状態を検知する検知部材と、前記検知部材の鋳造方向上流側と下流側に、前記検知部材を連続鋳造機内に誘導する誘導部材を備え、前記検知部材と前記誘導部材が、湾曲して配置された前記鋳片案内ロール群に沿って湾曲可能に接続され、連続鋳造機の上方からチェーンまたはワイヤにより吊り下げ可能であり、全体の長さが連続鋳造機のローラーエプロンセグメントのうち鋳造方向の長さが最も長いものよりも長いことを特徴とする連続鋳造機の設定状態の検知装置。
(2)前記(1)に記載の検知装置を、連続鋳造機の上方から吊り下げて連続鋳造機内に挿入し、連続鋳造機のロール間隔、ロールアライメント、ロール回転および冷却スプレーの噴射の設定状態を検知することを特徴とする、連続鋳造機の設定状態の検知方法。
本発明の連続鋳造機の設定状態の検知装置および検知方法によれば、鋳片案内ロール群のロール間隔、ロールアライメントおよびロール回転ならびに冷却スプレーの噴射の各項目の設定状態を1回の操作で高い精度で検知することができるため、連続鋳造機の設定状態の検知に要する時間を短縮することができる。これにより、連続鋳造機をその設定状態の検知のために停止する時間を短縮することができ、連続鋳造機の稼働率を向上させることができる。
また、ダミーバーカーが不要であるため、連続鋳造機周辺の設備の配置に余裕ができ、マシンユーティリティが不要であるため、連続鋳造機が停止し、油圧機等のマシンユーティリティが使用不可能である場合でも連続鋳造機の設定状態の検知が可能であるとともに、これらにより迅速な検知が可能であるため、連続鋳造機の停止時間を短縮することができる。
さらに、上部ローラーエプロンセグメントを取り外した状態でも下部ローラーエプロンセグメントにおけるロールの設定状態を検知可能である。そのため、下部ローラーエプロンセグメントを交換した直後でもこれらの設定状態を検知することができ、下部ローラーエプロンセグメントの異常を早期に検知することが可能である。従来必要であった、下部ローラーエプロンセグメントよりも上部のローラーエプロンセグメントの組み込みおよび取り外し作業が不要であるため、連続鋳造機の停止時間がさらに延長することを回避することができる。
検知装置を組み込んだダミーバーを使用して連続鋳造機の設定状態を検知する様子を示す模式図である。 本発明の検知装置を使用して、全てのローラーエプロンセグメントを組み込んだ連続鋳造機の設定状態を検知する様子を示す模式図である。 本発明の検知装置を使用して、上部ローラーエプロンセグメントを取り外した連続鋳造機の設定状態を検知する様子を示す模式図である。 実施番号1と5とで連続鋳造機の設定状態の検知に要する時間を比較する図である。
1.連続鋳造機の設定状態の検知装置
図2は、本発明の検知装置を使用して、全てのローラーエプロンセグメントを組み込んだ連続鋳造機の設定状態を検知する様子を示す模式図である。同図において、連続鋳造機の構成は、前記図1に示したものと同様である。
検知装置21は、検知部材22と誘導部材23とからなり、検知部材22と誘導部材23および誘導部材23同士はリンク24によって接続される。検知部材22は、その鋳造方向上流側と下流側の両端で誘導部材23に接続される。
検知装置21の鋳造方向上流側の端部は、チェーン25によって天井クレーン3から鋳型1の鉛直方向上方に吊り下げられる。チェーンの代わりにワイヤーを用いてもよい。
誘導部材23は、検知装置21を鋳型1の上方から挿入するのを容易にする。それとともに、誘導部材23はおもりを兼ねており、検知装置21の自重を増加させるため、検知装置21はロール2の間を自重で鋳造方向下流側に向かって移動することができ、これにより、ドライブロール回転電力や油圧装置等のマシンユーティリティを使用する必要がない。
検知部材22は、各種の検知機器を内蔵し、鋳片案内ロール群のロール間隔、ロールアライメントおよびロール回転ならびに冷却スプレーの噴射の設定状態の検知機能を備える。すなわち、検知部材22によって、鋳片の通路を挟んで対向するロール2の間隔およびロール2のアライメントを測定することができ、ロール2の回転および冷却スプレーの噴射の設定状態を検知することができる。検知部材22の内蔵する検知機器は、例えばロール間隔測定端子、ロールアライメント測定ゲージ、ロール回転検出端子、および冷却スプレー噴射を検知する圧力センサーが挙げられる。ロール回転の設定状態の検知には、ロールとの接触部位に摩擦力センサーを設けてもよい。
この検知装置21を使用することにより、後述するように1回の操作で連続鋳造機の設定状態を検知することができる。
検知装置21は、上述のようにリンク24を用いて検知部材22と誘導部材23とが接続されているため、連続鋳造機の湾曲形状に沿って湾曲することができる。これにより、精度の高いロール間隔およびロールアライメントの測定が可能となる。
検知装置21が、誘導部材と検知部材とが一体であり湾曲することができない場合、天井クレーン3を用いて検知装置21全体を吊り下げた状態で、連続鋳造機内に挿入して上下に移動させる際に、吊り下げたチェーン25からの張力が、検知部材22に鉛直上向きに働くことになる。このとき、検知装置21が連続鋳造機内を移動しにくいため、正確なロール間隔およびロールアライメントを測定することが困難となる。
また、検知装置21全体の鋳造方向の長さは、ローラーエプロンセグメントのうち、鋳造方向の長さが最も長いものと同等以上とする。これにより、検知装置21が、連続鋳造機の湾曲形状に沿った状態を維持したまま各ローラーエプロンセグメント内を移動することができ、精度の高いロール間隔およびロールアライメントの測定が可能となる。
さらに、検知部材22単体の鋳造方向の長さは、鋳造方向に隣接するロール2の間隔以上とする。これにより、精度の高いロールアライメントの測定が可能となる。
2.連続鋳造機の設定状態の検知方法
前記図2に示すように、検知装置21を鋳型1の上方に吊り下げ、下降させて鋳型1に挿入し、ロール2の間を鋳造方向下流側に向かって自重によって移動させる。移動させるのと同時に、検知部材22によって、鋳片案内ロール群のロール間隔、ロールアライメントおよびロール回転ならびに冷却スプレーの噴射の設定状態を検知する。
このように、本発明の方法によれば、1回の操作、すなわち検知装置21を1回鋳型1から鋳造方向下流側に移動させるだけで、連続鋳造機の設定状態を検知することができる。このとき得られた、鋳片案内ロール群のロール間隔、ロールアライメントおよびロール回転ならびに冷却スプレーの噴射の設定状態についてのデータに基づいて、連続鋳造機の設定状態について診断することができる。
図3は、本発明の検知装置を使用して、上部ローラーエプロンセグメントを取り外した連続鋳造機の設定状態を検知する様子を示す模式図である。同図に示す連続鋳造機は、鋳型と上部ローラーエプロンセグメントに属するロールとを取り外した点以外は、前記図2に示す連続鋳造機と同様の構成であり、実質的に同一の部分には同一の符号を付している。
本発明の検知装置21は、天井クレーン3から吊り下げて下降させることができるため、鋳型と上部ローラーエプロンセグメントを取り外した状態でも、連続鋳造機の設定状態を検知することが可能である。
以下に、本発明の効果を確認するために行った試験について説明する。
1.試験方法
本発明の吊り下げ式の検知装置を用いて、連続鋳造機の設定状態を検知する試験を行った。使用した連続鋳造機は、前記図2および図3に示す湾曲型の連続鋳造機とした。この連続鋳造機は、幅339mm、厚さ456mmのブルームを連続鋳造可能であった。
試験条件は、表1に示す実施番号1〜4とした。実施番号1〜3は比較例であり、実施番号4は本発明例である。
Figure 0005817677
実施番号1は、前記図1に示す検知装置を組み込んだダミーバーを使用した。実施番号2〜5は、前記図2に示す吊り下げ式の検知装置を使用した。このうち、実施番号2は、検知装置に誘導部材を設けず、検知部材単独で使用し、検知部材は鋳造方向の長さが、ローラーエプロンセグメントのうち、鋳造方向の長さが最も短いものよりも短かった。実施番号3は、検知部材と誘導部材を備えた検知装置を使用し、検知装置は鋳造方向の長さが、ローラーエプロンセグメントのうち、鋳造方向の長さが最も短いものよりも短かった。実施番号4は、検知部材と誘導部材を備えた検知装置を使用し、検知装置は鋳造方向の長さが、ローラーエプロンセグメントのうち、鋳造方向の長さが最も長いもの以上であった。
実施番号1のダミーバーに組み込んだ検知装置および実施番号2〜4の検知部材には、ロール間隔測定端子、ロールアライメント測定ゲージ、摩擦力センサー、および冷却スプレー噴射を検知する圧力センサーを設けた。
連続鋳造機は、前記図3に示す上部ローラーエプロンセグメントを取り外したもの(条件1−1)と、全てのローラーエプロンセグメントを組み込んだもの(条件1−2)とした。条件1−1および1−2のいずれも、各実施番号の検知装置を用いて下部ローラーエプロンセグメントの設定状態について検知した。
2.試験結果
評価項目は、検知実施の可否および検知精度とし、その結果を表1に試験条件と併せて示した。検知実施の可否については、「可能」および「不可能」で評価した。検知精度については、ローラーエプロンセグメントのロール間隔およびロールアライメントを整備した直後に連続鋳造機に組み込む前に測定した数値と、組み込んだ後で各実施番号の検知装置を用いて測定した数値とを比較し、その差がロール間隔およびロールアライメントの両方について0.1mm以下であった場合を「1」(良好)、少なくとも一方が0.1mmを超えた場合を「2」(不良)と評価した。
表1に示すように、実施番号1は、検知装置を組み込んだダミーバーを使用したため、条件1−1の上部ローラーエプロンセグメントを取り外した連続鋳造機にはダミーバーを挿入することができず、下部ローラーエプロンセグメントの設定状態について検知することができなかった。条件1−2の全てのローラーエプロンセグメントを組み込んだ連続鋳造機にはダミーバーを挿入することができ、下部ローラーエプロンセグメントの設定状態の検知精度の評価は1であった。
実施番号2は、吊り下げ方式の検知装置を使用したため、条件1−1の上部ローラーエプロンセグメントを取り外した連続鋳造機にダミーバーを挿入することができ、下部ローラーエプロンセグメントの設定状態について検知することができた。しかし、条件1−2の全てのローラーエプロンセグメントを組み込んだ連続鋳造機では、検知装置に誘導部材を設けなかったため自重が不足し、下部ローラーエプロンセグメントまで到達せず、下部ローラーエプロンセグメントの設定状態について検知することができなかった。
検知することができた条件1−1については、実施番号2は、検知部材の鋳造方向の長さが、ローラーエプロンセグメントのうち鋳造方向の長さが最も短いものよりも短かったため、湾曲して配置されたロールに完全には沿うことができなかったローラーエプロンセグメントがあり、検知精度の評価は2であった。
実施番号3および4は、誘導部材を備える吊り下げ方式の検知装置を使用したため、条件1−1および条件1−2のいずれにおいてもダミーバーを挿入することができた。自重が大きかったため、条件1−2の全てのローラーエプロンセグメントを組み込んだ連続鋳造機でも、下部ローラーエプロンセグメントまで到達し、いずれの場合も下部ローラーエプロンセグメントの設定状態について検知することができた。
実施番号3は、検知部材の鋳造方向の長さが、ローラーエプロンセグメントのうち鋳造方向の長さが最も短いものよりも短かったため、湾曲して配置されたロールに完全には沿うことができなかったローラーエプロンセグメントがあった。そのため、条件1−1および条件1−2のいずれの場合も検知精度の評価は2であった。
これに対し、本発明例である実施番号4は、検知部材の鋳造方向の長さが、ローラーエプロンセグメントのうち鋳造方向の長さが最も長いもの以上であったため、いずれのローラーエプロンセグメントについても検知部材がロールに完全に沿うことができた。そのため、条件1−1および条件1−2のいずれの場合も検知精度の評価は1であった。
以上の説明では、ロール間隔およびロールアライメントの測定の精度について述べたが、ロール回転および冷却スプレーの噴射の設定状態については実施番号1〜4のいずれも同等の精度で検知可能であった。
実施例1で使用した実施番号1のダミーバーと、実施番号4の検知装置を使用し、連続鋳造機の設定状態の検知作業を完了するのに要する時間を比較した。
条件2−1は、連続鋳造機を、上部ローラーエプロンセグメントを取り外したものとし、下部ローラーエプロンセグメントの設定状態の検知を完了するまでの時間で比較した。条件2−2は、連続鋳造機を、全てのローラーエプロンセグメントを組み込んだものとし、連続鋳造機全長の設定状態の検知を完了するまでの時間で比較した。各実施番号について必要な工程を表2に示す。
Figure 0005817677
図4は、実施番号1と4とで連続鋳造機の設定状態の検知に要する時間を比較する図である。まず、条件2−1について説明する。実施番号1では、上部ローラーエプロンセグメントを組み込んで、ダミーバーを挿入できる状態とする必要があった。そのため、この組み込み作業と、ダミーバーを挿入して下部ローラーエプロンセグメントの設定状態を検知し、その後ダミーバーを回収する作業が必要であり、作業を開始してから完了するまでの時間は150分であった。
実施番号4では、上部ローラーエプロンセグメントを外した状態のまま、検知装置を挿入することができた。そのため、下部ローラーエプロンセグメントに検知装置を挿入して下部ローラーエプロンセグメントの設定状態を検知してダミーバーを回収する作業が必要であり、作業を開始してから完了するまでの時間は30分であった。すなわち、本発明の吊り下げ方式により、連続鋳造機の設定状態の検知に要する時間を大幅に短縮することができた。
次に、条件2−2について説明する。実施番号1では、鋳型からダミーバーを挿入して連続鋳造機全長の設定状態を検知し、その後ダミーバーを回収する作業が必要であり、作業を開始してから完了するまでの時間は60分であった。
実施番号5では、鋳型から検知装置を挿入して連続鋳造機全長の設定状態を検知してダミーバーを回収する作業が必要であり、作業を開始してから完了するまでの時間は45分であった。すなわち、第2試験においても、本発明の吊り下げ方式により、連続鋳造機の設定状態の検知に要する時間を短縮することができた。
本発明の連続鋳造機の設定状態の検知装置および検知方法によれば、鋳片案内ロール群のロール間隔、ロールアライメントおよびロール回転ならびに冷却スプレーの噴射の各項目の設定状態を1回の操作で高い精度で検知することができるため、連続鋳造機の設定状態の検知に要する時間を短縮することができる。これにより、連続鋳造機をその設定状態の検知のために停止する時間を短縮することができ、連続鋳造機の稼働率を向上させることができる。
1:鋳型、 2:ロール、 3:天井クレーン、 11:ダミーバー、 12:リンク、
13:検知装置、 14:ダミーバーカー、 21:検知装置、 22:検知部材、
23:誘導部材、 24:リンク、 25:チェーン

Claims (2)

  1. 連続鋳造機の備える鋳片案内ロール群のロール間隔、ロールアライメント、ロール回転および冷却スプレーの噴射の設定状態を検知する、連続鋳造機の設定状態の検知装置であって、
    前記ロール間隔、ロールアライメント、ロール回転および冷却スプレーの噴射の設定状態を検知する検知部材と、前記検知部材の鋳造方向上流側と下流側に、前記検知部材を連続鋳造機内に誘導する誘導部材を備え、
    前記検知部材と前記誘導部材が、湾曲して配置された前記鋳片案内ロール群に沿って湾曲可能に接続され、
    連続鋳造機の上方からチェーンまたはワイヤにより吊り下げ可能であり、
    全体の長さが連続鋳造機のローラーエプロンセグメントのうち鋳造方向の長さが最も長いものよりも長いことを特徴とする連続鋳造機の設定状態の検知装置。
  2. 請求項1に記載の検知装置を、連続鋳造機の上方から吊り下げて連続鋳造機内に挿入し、連続鋳造機のロール間隔、ロールアライメント、ロール回転および冷却スプレーの噴射の設定状態を検知することを特徴とする、連続鋳造機の設定状態の検知方法。
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