JP5817488B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明に係る冷凍装置の一例としての空気調和装置1の概略構成図である。
圧縮機構2は、単一の圧縮部が組み込まれた単段式の遠心圧縮機から構成される。圧縮機構2は、吸入管6を流れる低圧の冷媒を、吸入口21を介して吸入し、吸入口21を介して吸入した冷媒を圧縮して高圧の冷媒とした後に、吐出口22を介して吐出管7へと吐出する。尚、吸入管6は、利用側熱交換器5から出た冷媒を圧縮機構2の吸入側(吸入口21)へと導く冷媒管であり、吐出管7は、圧縮機構2から吐出口22を介して吐出された冷媒を熱源側熱交換器3の入口へと導く冷媒管である。圧縮機構2の構成については、後に詳述する。
熱源側熱交換器3は、冷却源としての水又は空気と熱交換させることにより圧縮機構2で圧縮された冷媒の放熱を行う冷媒の放熱器として機能する。熱源側熱交換器3は、一端が、吐出管7を介して圧縮機構2の吐出口22に接続されており、他端が、第1膨張機構4に接続されるように構成されている。
第1膨張機構4は、冷媒を減圧する機構であり、電動膨張弁が使用されている。第1膨張機構4は、一端が、熱源側熱交換器3に接続され、他端が、吸入管6を介して利用側熱交換器5に接続されるように構成されている。
利用側熱交換器5は、加熱源としての水又は空気と熱交換させることにより第1膨張機構4で減圧された冷媒の加熱を行う冷媒の加熱器として機能する。利用側熱交換器5は、一端が、第1膨張機構4に接続され、他端が、圧縮機構2の吸入口21に接続されるように構成されている。
第1バイパス配管18は、熱源側熱交換器3で放熱された後の冷媒を、モータケーシング32内(具体的には、モータケーシング32の導出口35(後述する))へと導く第1バイパス経路12を構成する冷媒管であり、一端が熱源側熱交換器3の出口に接続され、他端がモータケーシング32の導出口35に接続されるように構成されている。第1バイパス配管18には、減圧機構としての第2膨張機構12aが設けられている。第2膨張機構12aは、開度調整が可能な電動膨張弁である。この第2膨張機構12aによって、熱源側熱交換器3で放熱された後の高圧の冷媒が、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧されている。
戻し配管19は、モータケーシング32内を流れる低圧の冷媒を利用側熱交換器5に導く戻し経路13を構成する冷媒管であり、一端がモータケーシング32の排出口36(後述する)に接続され、他端が利用側熱交換器5の入口に接続されるように構成されている。
図2は、圧縮機構2の概略断面図である。図3は、インペラ41の概略外観斜視図である。尚、以下では、軸部材としての回転軸26の中心軸線をO−Oとし、回転軸26の回転中心をOとする。また、中心軸線O−Oに沿って延びる方向を軸方向又は前後方向(尚、圧縮機構2の吸入側を前とする)とし、軸方向に直交する方向を径方向とし、軸方向周りの方向を周方向とする。
圧縮機構ケーシング23は、軸方向に延びる略円筒形状の密閉式容器であり、圧縮部ケーシング31と、モータケーシング32とを有している。
圧縮部ケーシング31は、圧縮機構ケーシング23の軸方向前側部分(吸入側部分)を構成し、その内面によって、圧縮部24が収容される圧縮空間S1と、吸入口21から圧縮部24(後述する)に向かって吸入冷媒が流れる吸入空間S3とを形成している。
モータケーシング32は、圧縮機構ケーシング23の軸方向後側部分を構成する軸方向に延びる略円筒状の容器であり、軸方向の両端が開口した略円筒形状の筒状部32aと、筒状部32aの開口を軸方向両側から閉じる閉塞部32b,32cとを有している。モータケーシング32は、その内面によって、モータ25を収容するモータ収容空間S2を形成している。
圧縮部24は、吸入口21を介して吸入空間S3に流入する吸入冷媒を圧縮する部分であり、圧縮空間S1に配置されている。圧縮部24は、主として、回転軸26の軸方向一端(具体的には、前端)に設けられ回転可能なインペラ41を有している。尚、本実施形態では、インペラ41が配置されるインペラ配置空間S1aと、インペラ配置空間S1aの径方向外側に位置するデフューザ空間S1bと、デフューザ空間S1bの径方向外側に位置するスクロール空間S1cとを総称して、圧縮空間S1と呼んでいる。
モータ25は、圧縮部24の後側に配置され、主として、ロータ52と、ステータ53とを有している。モータ25(ロータ52及びステータ53)は、回転軸26、ラジアル磁気軸受27、スラスト磁気軸受28、及びスラスト円盤29と共に、モータケーシング32内(すなわち、モータ収容空間S2)に収容されている。
ロータ52は、圧縮部24のインペラ41に連結された回転軸26に嵌め込まれることにより回転軸26に取り付けられている。ロータ52が回転することによって、回転軸26を介して、圧縮部24のインペラ41が駆動(回転)するようになっている。
ステータ53は、ロータ52の外周側に配置され、圧縮機構ケーシング23の筒状部31の内周面に焼き嵌めによって固定されている。ステータ53は、主として、ステータコア53aと、ステータコア53aに装着される巻線(図示せず)とを有している。ステータ53は、各巻線に通電されることによって回転磁界が発生されるように、構成されている。尚、ステータ53は、その内周面が、ロータ52の外周面と共にエアギャップtを形成するように、構成されている。
ラジアル磁気軸受27は、スラスト磁気軸受28と共に、回転軸26を非接触で回転自在に支持する軸受である。ラジアル磁気軸受27は、回転軸26の径方向(ラジアル方向)の荷重を支持する。本実施形態では、ラジアル磁気軸受27は、モータ25を軸方向において挟むように、モータ25の軸方向両端側に1つずつ配置されている。すなわち、本実施形態では、ラジアル磁気軸受27は、2つ存在する。
スラスト円盤29は、回転軸26の軸方向後端部に設けられている。スラスト円盤29は、径方向に広がり軸方向を向く平面29aを有する環状の円盤部材であり、その中空部が回転軸26に固定されている。
複数の入口ガイドベーン30は、圧縮部24のインペラ41の回転によって吸入される冷媒(吸入冷媒)の流量や流れ方向を調整するために、吸入冷媒が流れる吸入空間S3に配置される回動可能な羽根部材である。複数の入口ガイドベーン30は、各々が周方向に並んで配置されており、駆動装置30a(図5を参照、例えば、モータ)によって駆動されている。尚、駆動装置30aの駆動軸は、径方向に延びるように配置されており、入口ガイドベーン30は、径方向に延びる軸線回りに回動する。そして、この回動によって入口ガイドベーン30の径方向に広がる径方向水平面に対する傾斜が変更される。これにより、上述した吸入冷媒の流量や流れ方向を調整している。
一般に、遠心式の圧縮機は、大量の冷媒を吸入し圧縮できるというメリットがある一方で、吸入する冷媒の量が所定量を下回ると、サージングという吐出圧力及び流量が変動する現象が発生し圧縮機の振動が大きくなるという問題がある。
図4は、開閉機構82の開状態を示す模式図である。
開閉部材83は、直接第2バイパス配管81を開閉する弁83aと、弁83aを支持する支持部材83bとを有する。
駆動部材84は、軸方向前端に向かって開口するU字形状を有する板状部材であり、開口にラジアル磁気軸受27(電磁石61)が配置されるようにラジアル磁気軸受27(電磁石61)に接触して配置されている。駆動部材84は、一端が、圧縮機構ケーシング23(具体的には、モータケーシング32の閉塞部32bの軸方向後端面)に固定されており、他端は自由端となっている。尚、図2では、駆動部材84が回転軸26と重なって描かれているが、回転軸26の内部に駆動部材84が侵入している訳ではない。
図5は、制御部9の制御ブロック図である。
(5−1)
本実施形態の空気調和装置1では、まず、メイン経路11から第1バイパス経路12を経由してモータケーシング32内(モータ収容空間S2)に冷媒が供給されている。また、本実施形態では、圧縮機構2に、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)と吸入空間S3とを接続する第2バイパス配管81と、サージングが発生したとき、すなわち、ラジアル磁気軸受27の発熱量が所定量を超えたときに閉状態から開状態へと変化する開閉機構82と、が設けられている。開閉機構82は、弁83a及び支持部材83bを有する開閉部材83と、駆動部材84とを有している。駆動部材84は、温度変化により変形する温度変形部材である。具体的には、熱膨張率の異なる2つの金属板84a,84bから構成されるバイメタルが使用されている。そして、ラジアル磁気軸受27に接触する接触部材としての駆動部材84が、ラジアル磁気軸受27の発熱量が所定量を超えたときに変形することによって、駆動部材84に固定される支持部材83bを介して弁83aが第2バイパス配管81から離れる方向に移動する(非接触状態を採る)。そして、これにより、第2バイパス配管81が開かれている。
本実施形態では、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)には、熱源側熱交換器3からの冷媒が第2膨張機構12aによって減圧されて供給されている。これにより、モータ25を冷却することができ、モータ25の発熱を抑制できる。また、モータ25を冷却する冷媒を利用して第2バイパス配管81を通じて吸入空間S3へと流すことによって、サージング状態から抜け出すこともできている。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
上記実施形態では、開閉機構82は、開閉部材83と駆動部材84とを有すると説明したが、これに限られるものではない。
上記実施形態では、圧縮機構2は、単一の圧縮部が組み込まれた単段式の遠心圧縮機から構成されると説明したが、これに限られるものではない。例えば、1台の一軸二段圧縮構造を有する圧縮機構であってもよいし、三段圧縮式等のような二段圧縮式よりも多段の圧縮機構であってもよいし、さらに、多段圧縮式の圧縮機を2系統以上並列に接続した並列多段圧縮式の圧縮機構であってもよい。
図6は、本変形例Cに係る空気調和装置100の概略構成図である。
上記実施形態では、冷凍装置として、冷房運転を実行可能な空気調和装置1を例に挙げて説明したが、これに限られるものではなく、本発明は、冷房運転と暖房運転とを切替可能な空気調和装置に適用してもよいし、ヒートポンプ式の給湯装置に適用してもよい。
3 熱源側熱交換器(放熱器)
9 制御部
22 吐出口
24 圧縮部
25 モータ
26 回転軸
27 ラジアル磁気軸受(磁気軸受)
32 モータケーシング
61 電磁石
81 第2バイパス配管(バイパス配管)
82 開閉機構
83 開閉部材
84 接触部材
93 径方向隙間センサ(隙間センサ)
S3 吸入空間
Claims (4)
- 吸入空間(S3)を流れる冷媒を圧縮した後に吐出口(22)を介して外に吐出する圧縮機構(2)と、
前記吐出口と前記吸入空間とを結び前記圧縮機構から吐出された冷媒を前記吸入空間まで流す冷媒経路と、
を備え、
前記圧縮機構は、
前記冷媒を圧縮する圧縮部(24)と、
前記圧縮部に連結された回転軸(26)に取り付けられ、前記回転軸を介して前記圧縮部を駆動するモータ(25)と、
前記回転軸を非接触で回転自在に支持する磁気軸受(27)と、
前記モータ及び前記磁気軸受を収容し前記冷媒経路を流れる冷媒が供給されるモータケーシング(32)と、
前記モータケーシング内の冷媒を前記吸入空間に流すバイパス配管(81)と、
前記モータケーシング内の冷媒を前記吸入空間へ流入させる開状態と前記モータケーシング内の冷媒の前記吸入空間への流入を遮断する閉状態との切替によって前記バイパス配管を開閉し、前記磁気軸受の発熱量が所定量を超えたときに前記閉状態から前記開状態へと変化する開閉機構(82)と、
を有する、冷凍装置(1)。 - 前記磁気軸受は、コイルを含む電磁石(61)を有し、
前記コイルへ流す電流量を制御する制御部(9)、をさらに備え、
前記圧縮機構は、前記回転軸と前記磁気軸受との間の隙間の隙間寸法を検知する隙間センサ(93)、をさらに有し、
前記制御部は、前記隙間センサによって検知される隙間寸法が所定値を超えた場合に、前記コイルに流す電流量を増加する、
請求項1に記載の冷凍装置。 - 前記開閉機構は、前記バイパス配管を開閉する開閉部材(83)と、前記開閉部材と前記磁気軸受とに接触する接触部材(84)と、有し、
前記接触部材は、温度変化により変形する温度変形部材であり、
前記接触部材が前記磁気軸受の発熱量が所定量を超えたときに変形することによって、前記開閉部材が前記閉状態から前記開状態へと変化する、
請求項1又は2に記載の冷凍装置。 - 前記冷媒経路内に設けられ冷媒の放熱を行う放熱器(3)、をさらに備え、
前記放熱器を通過した冷媒が減圧されて前記モータケーシング内に供給されている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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