JP5817488B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍装置に関する。
従来、インペラの回転による遠心力を利用して流体を圧縮する遠心式の圧縮機構が冷凍装置に採用されている。遠心式の圧縮機構は、大量の流体を吸い込み圧縮できるというメリットがある一方で、吸い込む流体の量が所定量を下回ると、サージングという吐出圧力及び流量が変動する現象が発生し圧縮機構の振動が大きくなるという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1(特開平6−346893号公報)に開示の圧縮機構では、圧縮機構システム内の圧力(吸込圧力及び吐出圧力)、流量、及び温度を検出し、シミュレータや演算器を用いてサージングの発生を予測している。そして、サージングの発生が予測される場合には、抑制制御を事前に開始したり、バイパス弁や圧縮機構の回転数を制御したりして、サージング状態から抜け出すようにしている。
特許文献1に開示の技術では、多くのセンサが必須となる他、複雑な制御回路の組み込みが必要になるため、圧縮システムの構成が複雑化しさらに製造コストもかかるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、簡易な構成で、サージング状態から抜け出すことができる圧縮機構を備えた冷凍装置を提供することにある。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、圧縮機構と、冷媒経路と、を備える。圧縮機構は、吸入空間を流れる冷媒を圧縮した後に吐出口を介して外に吐出する。冷媒経路は、吐出口と吸入空間とを結び圧縮機構から吐出された冷媒を吸入空間まで流す。また、圧縮機構は、圧縮部と、モータと、磁気軸受と、モータケーシングと、バイパス配管と、開閉機構と、を有する。圧縮部は、冷媒を圧縮する。モータは、圧縮部に連結された回転軸に取り付けられ、回転軸を介して圧縮部を駆動する。磁気軸受は、回転軸を非接触で回転自在に支持する。モータケーシングは、モータ及び磁気軸受を収容し冷媒経路を流れる冷媒が供給される。バイパス配管は、モータケーシング内の冷媒を吸入空間に流す。開閉機構は、開状態と閉状態との切替によってバイパス配管を開閉し、磁気軸受の発熱量が所定量を超えたときに閉状態から開状態へと変化する。開状態とは、モータケーシング内の冷媒を吸入空間へ流入させる状態である。閉状態とは、モータケーシング内の冷媒の吸入空間への流入を遮断する状態である。
ここで、例えば、磁気軸受の発熱量が所定量を超えるときとは、サージングが発生しているときである。
本発明では、磁気軸受の発熱量が所定量を超えたときに、すなわち、サージングが発生したときに、閉状態から開状態へと変化する開閉機構が設けられていることによって、サージングが発生するとバイパス配管が開けられるようになっている。バイパス配管が開けられると、モータケーシング内の冷媒が吸入空間へと流れることになる。これにより、圧縮部に流入する冷媒が増加する。このように、本発明では、簡易な構成で、サージング状態から抜け出すことができる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、本発明の第1観点に係る冷凍装置であって、コイルへ流す電流量を制御する制御部をさらに備える。磁気軸受は、コイルを含む電磁石を有する。圧縮機構は、回転軸と磁気軸受との間の隙間の隙間寸法を検知する隙間センサをさらに有する。また、制御部は、隙間センサによって検知される隙間寸法が所定値を超えた場合に、コイルに流す電流量を増加する。
ここで、サージングが発生すると振動が起こるため、隙間センサによって検知される隙間寸法が所定値を超えることが考えられる。そして、隙間寸法が所定値を超えると、振動を抑えるために、コイルに流される電流量が増加する。すなわち、サージングが発生すると、コイルに流れる電流量が増加して磁気軸受の発熱量が増加し所定量を超えることになる。
このように、サージングが発生すると磁気軸受の発熱量が所定量を超える。よって、本発明では、磁気軸受の発熱量が所定量を超えると閉状態から開状態に変化する開閉機構を設けることによって、サージングが発生すると自然にバイパス配管が開くようになっている。よって、本発明では、簡易な構成で、サージング状態から抜け出すことができる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、本発明の第1観点又は第2観点に係る冷凍装置であって、開閉機構は、開閉部材と、接触部材とを有する。開閉部材は、バイパス配管を開閉する。接触部材は、開閉部材と磁気軸受とに接触する。また、接触部材は、温度変化により変形する温度変形部材である。接触部材が磁気軸受の発熱量が所定量を超えたときに変形することによって、開閉部材が閉状態から開状態へと変化する。
本発明では、温度変形部材としての接触部材が磁気軸受に接触していることにより、接触部材は、磁気軸受の発熱量に伴って変形することが可能になる。よって、磁気軸受の発熱量が所定量を超えると、これに伴って変形が生じる接触部材に接触する開閉部材が閉状態から開状態へと変化することができる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、本発明の第1観点〜第3観点のいずれかに係る冷凍装置であって、放熱器をさらに備える。放熱器は、冷媒経路内に設けられ冷媒の放熱を行う。放熱器を通過した冷媒が減圧されてモータケーシング内に供給されている。
本発明では、モータを冷却できるので、モータの発熱を抑えることができる。また、モータを冷却する冷媒を利用してバイパス配管を通じて吸入空間へと流すことによって、サージング状態から抜け出すことも可能である。
本発明の第1観点及び第2観点に係る冷凍装置では、簡易な構成で、サージング状態から抜け出すことができる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置では、磁気軸受の発熱量が所定量を超えると、これに伴い変形が生じる接触部材に接触する開閉部材が閉状態から開状態へと変化することができる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置では、モータを冷却できるので、モータの発熱を抑えることができる。また、モータを冷却する冷媒を利用してバイパス配管を通じて吸入空間へと流すことによって、サージング状態から抜け出すことも可能である。
本発明に係る冷凍装置の一例としての空気調和装置の概略構成図。 圧縮機構の概略断面図。 インペラの概略外観斜視図。 開閉機構の開状態を示す模式図。 制御部の制御ブロック図。 変形例Cに係る冷凍装置の一例としての空気調和装置の概略構成図。
以下、図面に基づいて、本発明に係る冷凍装置の一例としての空気調和装置1の実施形態について説明する。
(1)空気調和装置1の構成
図1は、本発明に係る冷凍装置の一例としての空気調和装置1の概略構成図である。
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、対象空間の空調を行う装置である。空気調和装置1は、冷房運転を実行可能であり、主として、圧縮機構2と、熱源側熱交換器3と、第1膨張機構4と、利用側熱交換器5とを有している。尚、本実施形態では、冷媒として、HFC−134aが使用されているが、これに限られるものではない。
(1−1)圧縮機構2
圧縮機構2は、単一の圧縮部が組み込まれた単段式の遠心圧縮機から構成される。圧縮機構2は、吸入管6を流れる低圧の冷媒を、吸入口21を介して吸入し、吸入口21を介して吸入した冷媒を圧縮して高圧の冷媒とした後に、吐出口22を介して吐出管7へと吐出する。尚、吸入管6は、利用側熱交換器5から出た冷媒を圧縮機構2の吸入側(吸入口21)へと導く冷媒管であり、吐出管7は、圧縮機構2から吐出口22を介して吐出された冷媒を熱源側熱交換器3の入口へと導く冷媒管である。圧縮機構2の構成については、後に詳述する。
(1−2)熱源側熱交換器3
熱源側熱交換器3は、冷却源としての水又は空気と熱交換させることにより圧縮機構2で圧縮された冷媒の放熱を行う冷媒の放熱器として機能する。熱源側熱交換器3は、一端が、吐出管7を介して圧縮機構2の吐出口22に接続されており、他端が、第1膨張機構4に接続されるように構成されている。
(1−3)第1膨張機構4
第1膨張機構4は、冷媒を減圧する機構であり、電動膨張弁が使用されている。第1膨張機構4は、一端が、熱源側熱交換器3に接続され、他端が、吸入管6を介して利用側熱交換器5に接続されるように構成されている。
(1−4)利用側熱交換器5
利用側熱交換器5は、加熱源としての水又は空気と熱交換させることにより第1膨張機構4で減圧された冷媒の加熱を行う冷媒の加熱器として機能する。利用側熱交換器5は、一端が、第1膨張機構4に接続され、他端が、圧縮機構2の吸入口21に接続されるように構成されている。
以上に説明した、圧縮機構2、熱源側熱交換器3、第1膨張機構4、及び、利用側熱交換器5は、吸入管6及び吐出管7を含む冷媒配管によって順次接続されることにより、冷媒が循環するメイン経路11を構成している。そして、メイン経路11は、圧縮機構2の吐出口22と後述する吸入空間S3とを結び圧縮機構2から吐出された冷媒を吸入空間S3まで流す冷媒経路を形成している。
また、本実施形態での空気調和装置1は、モータ25(後述する)を冷却するために、モータケーシング32(後述する)内に低圧の冷媒を流している。よって、空気調和装置1は、さらに、第1バイパス配管18と、戻し配管19と、を有している。
(1−5)第1バイパス配管18
第1バイパス配管18は、熱源側熱交換器3で放熱された後の冷媒を、モータケーシング32内(具体的には、モータケーシング32の導出口35(後述する))へと導く第1バイパス経路12を構成する冷媒管であり、一端が熱源側熱交換器3の出口に接続され、他端がモータケーシング32の導出口35に接続されるように構成されている。第1バイパス配管18には、減圧機構としての第2膨張機構12aが設けられている。第2膨張機構12aは、開度調整が可能な電動膨張弁である。この第2膨張機構12aによって、熱源側熱交換器3で放熱された後の高圧の冷媒が、冷凍サイクルにおける低圧まで減圧されている。
(1−6)戻し配管19
戻し配管19は、モータケーシング32内を流れる低圧の冷媒を利用側熱交換器5に導く戻し経路13を構成する冷媒管であり、一端がモータケーシング32の排出口36(後述する)に接続され、他端が利用側熱交換器5の入口に接続されるように構成されている。
(2)圧縮機構2の詳細構成
図2は、圧縮機構2の概略断面図である。図3は、インペラ41の概略外観斜視図である。尚、以下では、軸部材としての回転軸26の中心軸線をO−Oとし、回転軸26の回転中心をOとする。また、中心軸線O−Oに沿って延びる方向を軸方向又は前後方向(尚、圧縮機構2の吸入側を前とする)とし、軸方向に直交する方向を径方向とし、軸方向周りの方向を周方向とする。
圧縮機構2は、潤滑油を必要としない、いわゆるオイルレスの圧縮機構である。圧縮機構2は、図2に示すように、主として、圧縮機構ケーシング23と、圧縮部24と、モータ25と、回転軸26と、ラジアル磁気軸受27と、スラスト磁気軸受28と、スラスト円盤29と、複数の入口ガイドベーン30と、第2バイパス配管81と、を有している。圧縮機構2は、密閉式の圧縮機構ケーシング23に、圧縮部24と、モータ25と、回転軸26と、ラジアル磁気軸受27と、スラスト磁気軸受28と、スラスト円盤29と、複数の入口ガイドベーン30とが収容されるように構成されている。
(2−1)圧縮機構ケーシング23
圧縮機構ケーシング23は、軸方向に延びる略円筒形状の密閉式容器であり、圧縮部ケーシング31と、モータケーシング32とを有している。
(2−1−1)圧縮部ケーシング31
圧縮部ケーシング31は、圧縮機構ケーシング23の軸方向前側部分(吸入側部分)を構成し、その内面によって、圧縮部24が収容される圧縮空間S1と、吸入口21から圧縮部24(後述する)に向かって吸入冷媒が流れる吸入空間S3とを形成している。
また、圧縮部ケーシング31には、主として、冷媒を吸入するための吸入口21と、冷媒を吐出するための吐出口22と、第2バイパス配管貫通孔37aとが形成されている。吸入口21は、圧縮機構ケーシング23の軸方向一端(前端)に向かって開口しており、吸入管6に接続されている。吐出口22は、圧縮機構ケーシング23の径方向外端に向かって開口しており、吐出管7に接続されている。第2バイパス配管貫通孔37aは、径方向に延びるように形成されており、吸入空間S3から圧縮機構ケーシング23(圧縮部ケーシング31)の外面に向かって貫通するように形成されている。
(2−1−2)モータケーシング32
モータケーシング32は、圧縮機構ケーシング23の軸方向後側部分を構成する軸方向に延びる略円筒状の容器であり、軸方向の両端が開口した略円筒形状の筒状部32aと、筒状部32aの開口を軸方向両側から閉じる閉塞部32b,32cとを有している。モータケーシング32は、その内面によって、モータ25を収容するモータ収容空間S2を形成している。
また、モータケーシング32には、主として、導入口35と、排出口36と、第2バイパス配管貫通孔37bとが形成されている。導入口35は、第1バイパス配管18において第2膨張機構12aによって減圧された後の低圧の液冷媒を、モータケーシング32内(すなわち、モータ収容空間S2)に導入するための開口であり、第1バイパス配管18に接続されている。排出口36は、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)を流れる冷媒を、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)から外(具体的には、戻し配管19)へと排出するための開口であり、戻し配管19に接続されている。第2バイパス配管貫通孔37bは、径方向に延びるように形成されており、モータ収容空間S2から圧縮機構ケーシング23(モータケーシング32)の外面に向かって貫通するように形成されている。このように、第2バイパス配管貫通孔37a,37bが形成されていることによって、第2バイパス配管81の中空空間S4が、モータ収容空間S2と吸入空間S3とに連通するように形成されている。
尚、圧縮部ケーシング31の軸方向後端面とモータケーシング32の軸方向前端面(閉塞部32bの軸方向前端面)とは、圧縮空間S1とモータ収容空間S2とを区画する区画部として機能している。
(2−2)圧縮部24
圧縮部24は、吸入口21を介して吸入空間S3に流入する吸入冷媒を圧縮する部分であり、圧縮空間S1に配置されている。圧縮部24は、主として、回転軸26の軸方向一端(具体的には、前端)に設けられ回転可能なインペラ41を有している。尚、本実施形態では、インペラ41が配置されるインペラ配置空間S1aと、インペラ配置空間S1aの径方向外側に位置するデフューザ空間S1bと、デフューザ空間S1bの径方向外側に位置するスクロール空間S1cとを総称して、圧縮空間S1と呼んでいる。
インペラ41は、主として、ハブ42と、ハブ42の前面から軸方向に突出するように周方向に配置された複数の羽根43、44を有しており、ハブ42の前後方向に延びる回転軸26からモータ25の駆動力が伝達されて回転軸26を軸心として回転する。すなわち、インペラ41の回転方向と周方向とは、同じである。
ハブ42は、前側から後側に向けて拡径しており、回転軸26と一体回転するように回転軸26に軸支されている。ハブ42は、径方向に広がった円形状平面であるハブ前面42aと、ハブ前面42aよりも半径が大きい円形状平面であるハブ後面42dとを有しており、ハブ前面42aが吸入側(前側)を向くように且つハブ後面42dが後側を向くように、配置されている。
ハブ42は、さらに、ハブ後面42dの外周縁から軸方向に延びハブ後面42dと中心軸が共通であるハブ円筒形状面42bと、ハブ前面42aの外周縁からハブ円筒形状面42bの前縁までを径方向内側に窪むようになだらかに繋ぐ拡径湾曲面42cとを有している。尚、インペラ41の拡径湾曲面42cは、拡径湾曲面42cと、圧縮機構ケーシング23のインペラ配置空間S1aを形成するインペラ配置空間形成部の拡径湾曲面42cに対向する拡径湾曲対向面17と、の最短距離が、冷媒流れ方向の下流側に進むにつれて短くなるように形成されている。
インペラ41の拡径湾曲面42cには、大羽根43と小羽根44とが、周方向に交互に並ぶように形成されている。尚、大羽根43と小羽根44とは、拡径湾曲面42cに対して垂直となるように突出しており、大羽根43と小羽根44との対向する面同士が周方向に概ね等間隔となるように形成されている。
大羽根43及び小羽根44は、いずれも、前面視において左巻となるように螺旋状に伸びることにより、いわゆる「後ろ向き羽根」を構成している。すなわち、大羽根43及び小羽根44は、ハブ前面42a側からハブ後面42d側に向かうにつれて、径方向に拡大しながら、左に旋回するように延びている。
さらに、大羽根43及び小羽根44は、前端部の長手方向と、径方向外側端部の長手方向とが、互いにねじれの位置関係となるように構成されている。
尚、各大羽根43は、拡径湾曲面42cの、前端部から後端部まで延びるように形成されている。これに対して、各小羽根123は、拡径湾曲面42cの、前端部と後端部との中間程度の位置から後端部まで延びるように形成されている。
インペラ41は、モータ25が駆動することで、前面視において右回転(図3において矢印で示す方向に向かって回転)することにより、吸入管6を流れる冷媒を吸入口21を介して吸入し、圧縮して高圧とした後、吐出口22を介して吐出管7に向けて吐出する。
各大羽根43及び小羽根44の前方部分で且つ径方向外側の部分は、インペラ41が回転することにより、拡径湾曲対向面17の近傍を沿うように移動する。これにより、冷媒の流速を増すことができる。そして、流速を増した状態の冷媒は、インペラ配置空間S1aの径方向外側(吐出側)に形成されるデフューザ空間S1bにおいて、運動エネルギが圧力エネルギに変換され、高圧冷媒となる。デフューザ空間S1bで高圧となった冷媒は、さらに径方向外側に形成されるスクロール空間S1cにおいて、減速されて整流され、吐出口22を介して吐出管7に吐出される。
以上のように、圧縮機構2では、圧縮部24のインペラ41を回転させることにより、軸方向から冷媒を吸入し、その吸入した冷媒を、遠心力を用いて径方向外側へと流出させている。
(2−3)モータ25
モータ25は、圧縮部24の後側に配置され、主として、ロータ52と、ステータ53とを有している。モータ25(ロータ52及びステータ53)は、回転軸26、ラジアル磁気軸受27、スラスト磁気軸受28、及びスラスト円盤29と共に、モータケーシング32内(すなわち、モータ収容空間S2)に収容されている。
尚、本実施形態では、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)には、上述したように、第1バイパス配管18を流れ第2膨張機構12aによって減圧された低圧の液冷媒が導入口35を介して供給されている。そして、この液冷媒は、空洞が形成される回転軸26の内部に流入している。尚、回転軸26内を流れる冷媒は、モータ25からの熱によって加熱されて蒸発することにより、モータケーシング32内から排出口36を介してモータケーシング32外へ出るときには、ガス冷媒となっている。
(2−3−1)ロータ52
ロータ52は、圧縮部24のインペラ41に連結された回転軸26に嵌め込まれることにより回転軸26に取り付けられている。ロータ52が回転することによって、回転軸26を介して、圧縮部24のインペラ41が駆動(回転)するようになっている。
ロータ52は、主として、ロータコア52aと、複数の磁石(図示せず)とを有している。ロータコア52aは、中央の孔部に回転軸が嵌め込まれる略円筒形状の部材であり、電磁鋼板が軸方向に積層されることによって形成されている。複数の磁石は、例えば、希土類磁石からなり、各々が周方向に所定の間隔を空けて、ロータコア52aに嵌め込まれている。
(2−3−2)ステータ53
ステータ53は、ロータ52の外周側に配置され、圧縮機構ケーシング23の筒状部31の内周面に焼き嵌めによって固定されている。ステータ53は、主として、ステータコア53aと、ステータコア53aに装着される巻線(図示せず)とを有している。ステータ53は、各巻線に通電されることによって回転磁界が発生されるように、構成されている。尚、ステータ53は、その内周面が、ロータ52の外周面と共にエアギャップtを形成するように、構成されている。
(2−4)ラジアル磁気軸受27
ラジアル磁気軸受27は、スラスト磁気軸受28と共に、回転軸26を非接触で回転自在に支持する軸受である。ラジアル磁気軸受27は、回転軸26の径方向(ラジアル方向)の荷重を支持する。本実施形態では、ラジアル磁気軸受27は、モータ25を軸方向において挟むように、モータ25の軸方向両端側に1つずつ配置されている。すなわち、本実施形態では、ラジアル磁気軸受27は、2つ存在する。
具体的には、ラジアル磁気軸受27は、主として、コイル(図示せず)を含む複数(本実施形態では、4極)の電磁石61を有している。複数の電磁石61は、回転軸26の径方向外側において、周方向に所定の間隔を空けて配置されている。すなわち、4極の電磁石61は、2極ずつが回転軸26を径方向に挟んで互いに対向するように配置されている。ラジアル磁気軸受27は、コイルに電流が流されることにより複数の電磁石61と回転軸26との間に磁界を発生させ、回転軸26を、径方向に発生する磁力(磁気吸引力)により磁気浮上させることにより、非接触で回転軸26を支持している。すなわち、ラジアル磁気軸受27は、電磁石61によって発生する径方向の磁力によって、回転軸26の径方向の位置を保持している、すなわち、回転軸26を径方向に拘束している。このように、ラジアル磁気軸受27は、回転軸26を非接触で支持するため、回転軸と軸受との間の摩擦や摩擦によるこれらの磨耗を抑制できる。
尚、本実施形態では、回転軸26とラジアル磁気軸受27(複数の電磁石61)との間には、回転軸26とラジアル磁気軸受27との間の径方向の隙間の径方向隙間寸法を検知する径方向隙間センサ93が設けられており、この径方向隙間センサ93によって、回転軸26の径方向の位置が検知されるようになっている。そして、この径方向隙間センサ93によって検知される径方向隙間寸法により、ラジアル磁気軸受27のコイルに流される電流量、ひいては、磁力が変更されるように制御されて、回転軸26の径方向の位置が決定されている。尚、ラジアル磁気軸受27のコイルに流される電流量は、後述する制御部9によって制御されている。径方向隙間センサ93によって検知される径方向隙間寸法が所定径方向隙間寸法を超えると、制御部9によってラジアル磁気軸受27のコイルに流される電流量が増加し、ラジアル磁気軸受27の発熱量が所定量以上に発熱するようになっている。
(2−5)スラスト磁気軸受28及びスラスト円盤29
スラスト円盤29は、回転軸26の軸方向後端部に設けられている。スラスト円盤29は、径方向に広がり軸方向を向く平面29aを有する環状の円盤部材であり、その中空部が回転軸26に固定されている。
スラスト磁気軸受28は、スラスト円盤29を挟んで軸方向に対向するように、スラスト円盤29の軸方向両側に1つずつ配置されている。スラスト磁気軸受28は、主として、円環状のコイル(図示せず)を含む電磁石71を有している。スラスト磁気軸受28は、コイルに電流が流されることにより複数の電磁石71とスラスト円盤29との間に磁界を発生させ、回転軸26に固定されたスラスト円盤29を、軸方向に発生する磁力(磁気吸引力)により磁気浮上させることによって、非接触で回転軸26を支持している。すなわち、スラスト磁気軸受28は、電磁石71によって発生する軸方向の磁力によって、回転軸26及びスラスト円盤29の軸方向の位置を保持している、すなわち、回転軸26及びスラスト円盤29を軸方向に拘束している。尚、スラスト磁気軸受28の磁力を受けるのは、スラスト円盤29の平面29aである。このように、スラスト磁気軸受28は、回転軸26を非接触で支持するため、回転軸と軸受との間の摩擦や摩擦によるこれらの磨耗を抑制できる。
尚、本実施形態では、スラスト磁気軸受28とスラスト円盤29との間には、スラスト磁気軸受28とスラスト円盤29との間の軸方向の隙間の軸方向隙間寸法を検知する軸方向隙間センサ94が設けられており、この軸方向隙間センサ94によって、スラスト円盤29、ひいては、回転軸26の軸方向の位置が検知されるようになっている。そして、この軸方向隙間センサ94によって検知される軸方向隙間寸法により、スラスト軸気軸受28のコイルに流される電流量、ひいては、磁力が変更されるように制御されて、スラスト円盤29及び回転軸26の軸方向の位置が決定されている。尚、スラスト磁気軸受28のコイルに流される電流量は、制御部9によって制御されておいる。軸方向隙間センサ94によって検知される軸方向隙間寸法が所定値を超えると、制御部9によってスラスト磁気軸受28のコイルに流される電流量が増加し、スラスト磁気軸受28の発熱量が所定量以上に発熱するようになっている。
(2−6)入口ガイドベーン30
複数の入口ガイドベーン30は、圧縮部24のインペラ41の回転によって吸入される冷媒(吸入冷媒)の流量や流れ方向を調整するために、吸入冷媒が流れる吸入空間S3に配置される回動可能な羽根部材である。複数の入口ガイドベーン30は、各々が周方向に並んで配置されており、駆動装置30a(図5を参照、例えば、モータ)によって駆動されている。尚、駆動装置30aの駆動軸は、径方向に延びるように配置されており、入口ガイドベーン30は、径方向に延びる軸線回りに回動する。そして、この回動によって入口ガイドベーン30の径方向に広がる径方向水平面に対する傾斜が変更される。これにより、上述した吸入冷媒の流量や流れ方向を調整している。
(2−7)第2バイパス配管81
一般に、遠心式の圧縮機は、大量の冷媒を吸入し圧縮できるというメリットがある一方で、吸入する冷媒の量が所定量を下回ると、サージングという吐出圧力及び流量が変動する現象が発生し圧縮機の振動が大きくなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、サージング状態から脱出するために、第2バイパス配管81を設けている。第2バイパス配管81は、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)のモータ25からの熱によって蒸発された低圧のガス冷媒、を圧縮機構2の吸入空間S3へと導く冷媒管であり、一端部が第2バイパス配管貫通孔37bを介してモータ収容空間S2に接続され、他端部が第2バイパス配管貫通孔37aを介して圧縮機構2の吸入空間S3に接続されるように構成されている。尚、第2バイパス配管81のモータ収容空間S2に接触する一端部の近傍には、開閉機構82が設けられている。そして、開閉機構82の開閉によって、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)を流れる低圧のガス冷媒の吸入空間S3への流入を許可/遮断している。開閉機構82の詳細構成については、後に説明する。また、第2バイパス配管81には、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)から吸入空間S3へ向かう冷媒流れのみを許容し、吸入空間S3からモータケーシング32内(モータ収容空間S2)へ向かう冷媒流れを遮断する逆止機構(図示せず、例えば、逆止弁)が設けられている。
尚、第2バイパス配管81は、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)を流れる低圧のガス冷媒を圧縮機構2の吸入空間S3へと導く第2バイパス経路14を構成している。そして、本実施形態の空気調和装置1では、メイン経路11と、第1バイパス経路12と、戻し経路13と、第2バイパス経路14とによって、冷媒が流れる冷媒回路10(図1を参照)が形成されている。
(3)開閉機構82
図4は、開閉機構82の開状態を示す模式図である。
開閉機構82は、第2バイパス配管81のモータ収容空間S2に接触する一端部の近傍に設けられ、開状態(図4を参照)と閉状態(図1を参照)とを切り替えることにより、第2バイパス配管81を開閉する機構である。開状態とは、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)を流れる低圧のガス冷媒を、吸入空間S3へ流入させる状態である。すなわち、開状態では、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)と吸入空間S3とが第2バイパス配管81(中空空間S4)を介して連通する状態にある。閉状態とは、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)を流れる低圧のガス冷媒の吸入空間S3への流入を遮断する状態である。すなわち、閉状態では、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)と第2バイパス配管81の中空空間S4とが連通しない状態にある。開閉機構82は、サージング状態に入ったときに、閉状態から開状態へと変化することにより、サージング状態から脱出させるサージング脱出機構として機能している。具体的な構成について説明すると、開閉機構82は、第2バイパス配管81を開閉する開閉部材83と、開閉部材83を駆動させるための駆動部材84とを有している。
(3−1)開閉部材83
開閉部材83は、直接第2バイパス配管81を開閉する弁83aと、弁83aを支持する支持部材83bとを有する。
弁83aは、駆動部材84によって径方向内側から径方向外側に向かって移動可能に構成されており、第2バイパス配管81の内面に接触する接触状態と、第2バイパス配管81の内面に接触しない非接触状態とを切り替える。そして、弁83aが接触状態と非接触状態とを切り替えることにより、開閉機構82の開閉状態が切り替えられている。
支持部材83bは、一端面が弁83aの回転軸26に対向する面に固定され、他端面が駆動部材84に固定される、径方向に延びる棒状部材である。支持部材83bは、駆動部材84に固定されることにより、弁83aを支持している。
(3−2)駆動部材84
駆動部材84は、軸方向前端に向かって開口するU字形状を有する板状部材であり、開口にラジアル磁気軸受27(電磁石61)が配置されるようにラジアル磁気軸受27(電磁石61)に接触して配置されている。駆動部材84は、一端が、圧縮機構ケーシング23(具体的には、モータケーシング32の閉塞部32bの軸方向後端面)に固定されており、他端は自由端となっている。尚、図2では、駆動部材84が回転軸26と重なって描かれているが、回転軸26の内部に駆動部材84が侵入している訳ではない。
駆動部材84には、2層構造のバイメタルが用いられており、第1熱膨張率板84aと、第2熱膨張率板84bとを有している。第1熱膨張率板84aは、第2熱膨張率板84bよりも熱膨張率が高い金属から構成されており、駆動部材84の内側部分、すなわち、ラジアル磁気軸受27に接触する部分を構成している。第2熱膨張率板84bは、第1熱膨張率板84aよりも熱膨張率が低い金属から構成されており、駆動部材84の外側部分を構成している。駆動部材84は、このような構成を有していることにより、温度変化に応じて、第1熱膨張率板84aと第2熱膨張率板84bとの熱膨張率の差異に起因した変形が生じる。具体的には、温度上昇が起こると、第1熱膨張率板84aの膨張量が第2熱膨張率板84bの膨張量よりも大きいので、駆動部材84は、外側に広がるように変形することになる。
尚、開閉部材83の支持部材83bは、駆動部材84の第2バイパス配管81に近い側に位置する部分には固定されず、駆動部材84の第2バイパス配管81から遠い側に位置する部分のみに固定されている。よって、駆動部材84が温度変化(温度上昇)に伴い外側に向かって変形すると、駆動部材84の第2バイパス配管81から遠い側に位置する部分に固定される開閉部材83は第2バイパス配管81から離れる方向のみに向かって移動することになる(図4を参照)。
以上のように、駆動部材84は、2層構造のバイメタルから構成される、温度変化により変形する温度変形部材である。よって、本実施形態では、このような温度変形部材である駆動部材84に開閉部材83が接続されているので、弁83aの接触状態と非接触状態とを切り替えることができている。そして、これにより、第2バイパス配管81を開閉できている。
ここで、駆動部材84が変形するような温度変化(温度上昇)は、一般にサージング状態に入ると生じる。具体的には、サージングが発生すると圧縮機構2の振動が起こり、径方向隙間センサ93によって検知される径方向隙間寸法が大きくなる状態が生じる。このため、径方向隙間寸法が所定径方向隙間寸法(所定値)を超える状態が生じる。尚、所定径方向隙間寸法とは、予めシミュレーション、机上計算等によって算出されて設定された回転軸26とラジアル磁気軸受27との間の径方向の隙間寸法である。径方向隙間センサ93によって検知される径方向隙間寸法が所定径方向隙間寸法を超えると、制御部9が、圧縮機構2の振動を抑制するために、ラジアル磁気軸受27のコイルに流す電流量を増加することになる。このように、サージング状態に入ると、ラジアル磁気軸受27に電流が多く流れる時間が長くなるので、ラジアル磁気軸受27の発熱量が増加する。そして、これにより、駆動部材84が変形するような温度変化(温度上昇)が生じることになる。
以上のように、本実施形態では、サージング状態に入ると、ラジアル磁気軸受27の発熱量が所定量を超えることになり、駆動部材84の周辺の温度が、駆動部材84が自然に変形するような温度となる。そして、駆動部材84の温度変化(温度上昇)に応じた変形に伴って、駆動部材84に固定された開閉部材83の支持部材83bが、第2バイパス配管81から離れる方向へと移動する。そして、開閉部材83の支持部材83bの移動に伴って、支持部材83bに固定された開閉部材83の弁83aも第2バイパス配管81から離れる方向へと移動し、非接触状態となる。これにより、開閉機構82が開状態となり、第2バイパス配管81が開けられることになる。
尚、モータ収容空間S2を流れる低圧のガス冷媒が吸入空間S3へと流されて、圧縮部24が吸入する吸入冷媒の流量が所定量以上になると、サージング状態を脱出することになる。サージング状態を脱出すると、駆動部材84は温度変化(温度下降)に応じて変形し元の状態に戻る。そして、駆動部材84の温度変化に応じた変形に伴って、開閉機構82も元の状態に戻る。すなわち、開閉部材83の弁83aが接触状態となり、開閉機構82が閉状態となる。
(4)制御部9の構成
図5は、制御部9の制御ブロック図である。
空気調和装置1は、上述したように、第1膨張機構4、第2膨張機構12a、モータ25、ラジアル磁気軸受27、スラスト磁気軸受28、入口ガイドベーン30の駆動装置等の空気調和装置1を構成する各要素の動作を制御する制御部9をさらに有している。制御部9は、CPU、RAM、ROM等から構成されており、上述の径方向隙間センサ93、軸方向隙間センサ94、吸入空間S3を流れる冷媒の流量を検知する流量センサ95等と接続されている。そして、これらのセンサからの検出結果を受けて、上述の各要素の動作を制御している。
(5)特徴
(5−1)
本実施形態の空気調和装置1では、まず、メイン経路11から第1バイパス経路12を経由してモータケーシング32内(モータ収容空間S2)に冷媒が供給されている。また、本実施形態では、圧縮機構2に、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)と吸入空間S3とを接続する第2バイパス配管81と、サージングが発生したとき、すなわち、ラジアル磁気軸受27の発熱量が所定量を超えたときに閉状態から開状態へと変化する開閉機構82と、が設けられている。開閉機構82は、弁83a及び支持部材83bを有する開閉部材83と、駆動部材84とを有している。駆動部材84は、温度変化により変形する温度変形部材である。具体的には、熱膨張率の異なる2つの金属板84a,84bから構成されるバイメタルが使用されている。そして、ラジアル磁気軸受27に接触する接触部材としての駆動部材84が、ラジアル磁気軸受27の発熱量が所定量を超えたときに変形することによって、駆動部材84に固定される支持部材83bを介して弁83aが第2バイパス配管81から離れる方向に移動する(非接触状態を採る)。そして、これにより、第2バイパス配管81が開かれている。
本実施形態では、圧縮機構2がこのような構成を有していることにより、サージングが発生したときに、第2バイパス配管81が開くようになっている。そして、第2バイパス配管81が開けられると、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)を流れる冷媒が吸入空間S3へと導かれることになる。これにより、圧縮機構2の圧縮部24に流入する冷媒を増加することができる。このように、本実施形態の空気調和装置1では、簡易な構成で、サージング状態から抜け出すことができる圧縮機構2を有している。
尚、サージングが発生すると、圧縮機構2の振動が起こるため、径方向隙間センサ93によって検知される径方向隙間寸法が所定径方向隙間寸法(所定値)を超えることが考えられる。そして、径方向隙間寸法が所定径方向隙間寸法を超えると、圧縮機構2の振動を抑制するために、制御部9によってラジアル磁気軸受27のコイルに流される電流量が増加される。すなわち、サージングが発生すると、ラジアル磁気軸受27のコイルに流れる電流量が増加されてラジアル磁気軸受27の発熱量が増加し所定量を超えることになる。
このように、本実施形態では、サージングが発生するとラジアル磁気軸受27の発熱量が所定量を超えることになる現象を利用できるように、発熱するラジアル磁気軸受27の周囲に温度変形部材としての駆動部材84を配置している。そして、駆動部材84の温度変化に伴う変形を利用して、開閉部材83が第2バイパス配管81を開閉するように構成している。
(5−2)
本実施形態では、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)には、熱源側熱交換器3からの冷媒が第2膨張機構12aによって減圧されて供給されている。これにより、モータ25を冷却することができ、モータ25の発熱を抑制できる。また、モータ25を冷却する冷媒を利用して第2バイパス配管81を通じて吸入空間S3へと流すことによって、サージング状態から抜け出すこともできている。
(6)変形例
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(6−1)変形例A
上記実施形態では、開閉機構82は、開閉部材83と駆動部材84とを有すると説明したが、これに限られるものではない。
例えば、開閉機構82は、開閉部材83を構成する弁83aから構成されるものであってもよい。このとき、弁83aは、上述のバイメタルから構成されることが好ましく、ラジアル磁気軸受27と接触する位置又はラジアル磁気軸受27の近傍の位置に配置されることが好ましい。これにより、ラジアル磁気軸受27の発熱量が所定量を超えたとき(すなわち、サージングが発生したとき)に、弁83aが変形して閉状態から開状態へと変化することができる。よって、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(6−2)変形例B
上記実施形態では、圧縮機構2は、単一の圧縮部が組み込まれた単段式の遠心圧縮機から構成されると説明したが、これに限られるものではない。例えば、1台の一軸二段圧縮構造を有する圧縮機構であってもよいし、三段圧縮式等のような二段圧縮式よりも多段の圧縮機構であってもよいし、さらに、多段圧縮式の圧縮機を2系統以上並列に接続した並列多段圧縮式の圧縮機構であってもよい。
(6−3)変形例C
図6は、本変形例Cに係る空気調和装置100の概略構成図である。
上記実施形態では、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)に供給される冷媒は、熱源側熱交換器3で放熱されて第2膨張機構12aによって減圧された低圧の冷媒であると説明したが、これに限られるものではない。
例えば、利用側熱交換器5で加熱されて蒸発された低圧の冷媒が、熱源側熱交換器3で放熱されて第2膨張機構12aによって減圧された低圧の冷媒と共に、モータケーシング32内(モータ収容空間S2)に供給されてもよい。
この場合、空気調和装置1には、図6に示すように、一端が利用側熱交換器5の出口に接続され他端がモータケーシング32内(モータ収容空間S2)に接続される導入バイパス配管16が設けられる。この導入バイパス配管16は、利用側熱交換器5で蒸発された冷媒をモータケーシング32内(モータ収容空間S2)に導く導入バイパス経路15を構成する。そして、この導入バイパス経路15は、メイン経路11、第1バイパス経路12、戻し経路13、及び第2バイパス経路14と共に、冷媒が流れる冷媒回路101を形成することになる。本変形例の場合、モータ25の冷却効果をより高めることができる。
(6−4)変形例D
上記実施形態では、冷凍装置として、冷房運転を実行可能な空気調和装置1を例に挙げて説明したが、これに限られるものではなく、本発明は、冷房運転と暖房運転とを切替可能な空気調和装置に適用してもよいし、ヒートポンプ式の給湯装置に適用してもよい。
本発明では、磁気軸受が採用された圧縮機構を有する冷凍装置に種々適用可能である。
1 空気調和装置(冷凍装置)
3 熱源側熱交換器(放熱器)
9 制御部
22 吐出口
24 圧縮部
25 モータ
26 回転軸
27 ラジアル磁気軸受(磁気軸受)
32 モータケーシング
61 電磁石
81 第2バイパス配管(バイパス配管)
82 開閉機構
83 開閉部材
84 接触部材
93 径方向隙間センサ(隙間センサ)
S3 吸入空間
特開平6−346893号公報

Claims (4)

  1. 吸入空間(S3)を流れる冷媒を圧縮した後に吐出口(22)を介して外に吐出する圧縮機構(2)と、
    前記吐出口と前記吸入空間とを結び前記圧縮機構から吐出された冷媒を前記吸入空間まで流す冷媒経路と、
    を備え、
    前記圧縮機構は、
    前記冷媒を圧縮する圧縮部(24)と、
    前記圧縮部に連結された回転軸(26)に取り付けられ、前記回転軸を介して前記圧縮部を駆動するモータ(25)と、
    前記回転軸を非接触で回転自在に支持する磁気軸受(27)と、
    前記モータ及び前記磁気軸受を収容し前記冷媒経路を流れる冷媒が供給されるモータケーシング(32)と、
    前記モータケーシング内の冷媒を前記吸入空間に流すバイパス配管(81)と、
    前記モータケーシング内の冷媒を前記吸入空間へ流入させる開状態と前記モータケーシング内の冷媒の前記吸入空間への流入を遮断する閉状態との切替によって前記バイパス配管を開閉し、前記磁気軸受の発熱量が所定量を超えたときに前記閉状態から前記開状態へと変化する開閉機構(82)と、
    を有する、冷凍装置(1)。
  2. 前記磁気軸受は、コイルを含む電磁石(61)を有し、
    前記コイルへ流す電流量を制御する制御部(9)、をさらに備え、
    前記圧縮機構は、前記回転軸と前記磁気軸受との間の隙間の隙間寸法を検知する隙間センサ(93)、をさらに有し、
    前記制御部は、前記隙間センサによって検知される隙間寸法が所定値を超えた場合に、前記コイルに流す電流量を増加する、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記開閉機構は、前記バイパス配管を開閉する開閉部材(83)と、前記開閉部材と前記磁気軸受とに接触する接触部材(84)と、有し、
    前記接触部材は、温度変化により変形する温度変形部材であり、
    前記接触部材が前記磁気軸受の発熱量が所定量を超えたときに変形することによって、前記開閉部材が前記閉状態から前記開状態へと変化する、
    請求項1又は2に記載の冷凍装置。
  4. 前記冷媒経路内に設けられ冷媒の放熱を行う放熱器(3)、をさらに備え、
    前記放熱器を通過した冷媒が減圧されて前記モータケーシング内に供給されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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