JP5817259B2 - 自動車の歩行者保護構造 - Google Patents
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Description
この発明の一実施態様においては、上記クラッシャブルフロントピラーと上記メインフロントピラーとの間にサイドウインド部材が配設されたものである。
上記構成によれば、サイドウインド部材を備えた構造においても歩行者保護性能を確保することができる。
しかも、上記閉断面構造のロアパネルと上記ヘッダパネルとの間に上記空間を設けたので、上方からの荷重入力時に、フロントウインド部材上部およびルーフパネル前部がより一層変形しやすくなり、エネルギ吸収量のさらなる向上を図ることができる効果がある。
図面は、自動車の歩行者保護構造を示し、図1は自動車の外観斜視図、図2は図1のA‐A線矢視断面図、図3はルーフパネルおよびフロントウインド部材(フロントウインドガラス)を取外した状態で示す車両左側上部におけるルーフサイド部の斜視図、図4は図3のフロントヘッダ配設部で断面して示す正面図、図5は図1のB‐B線矢視断面図、図6は図1のC‐C線矢視断面図である。
上述のクラッシャブルフロントピラー4よりも後方位置においてルーフパネル2を支持するメインフロントピラー5は、閉断面構造の高剛性に形成されている。
また、上述のクラッシャブルフロントピラー4と上述のメインフロントピラー5との間には、サイドウインド部材としての縦方向に細長い略三角形状のサイドウインドガラス6が配設されている。
また、閉断面構造のフロントヘッダ12と閉断面構造のメインフロントピラー5とを連結することで、ロールバーに相当する強度を確保するように構成している。
そして、上述のフロントヘッダ12のフロントヘッダロア14下面とヘッダパネル11の上面との間には、上方からの荷重入力に対して上述のルーフパネル2の下方への変形を許容する空間16が設けられており、これにより、上方からの荷重入力時に、フロントウインドガラス1上部およびルーフパネル2前部がより一層変形しやすくなり、エネルギ吸収量のさらなる向上を図るように構成している。
図2において、20はルーフトリム(いわゆるトップシーリング)である。
上述のルーフパネル2の側端部に沿って車両の前後方向に延びるルーフサイドレール21を設けている。このルーフサイドレール21は、ルーフサイドレールアウタ22と、ルーフサイドレールレインフォースメント23と、ルーフサイドレールインナ24と、を上下の接合フランジ部21a,21bで接合固定して、車両の前後方向に延びるルーフサイド閉断面25を備えた車体剛性部材である。
また、上述のルーフサイドレール21の下側の接合フランジ部21bには、図4に示すように、シーミングウェルト27を嵌着し、このシーミングウェルト27で、サイドドア8閉時のルーフサイドレール21とドアサッシュ9との間をシールするように構成している。
すなわち、図3、図6に示すように、ルーフサイドレールアウタ22はメインフロントピラーアウタ32と連続し、ルーフサイドレールレインフォースメント23はメインフロントピラーレインフォースメント33と連続し、ルーフサイドレールインナ24はメインフロントピラーインナ34と連続し、ルーフサイド閉断面25はフロントピラー閉断面35と連続している。
但し、ルーフサイドレール21の上下左右方向の幅は、メインフロントピラー5の上下左右方向の幅よりも大きく形成されている。
また、ルーフサイドレール21がメインフロントピラー5に切換る部分においては、図3に示すように、ルーフサイドレールアウタ22の一部を切欠いて切欠き部30と、ルーフサイドレールアウタ22の突出部31とが形成されている。
また、フロントウインドガラス1の側端部は、接着剤45を用いてマウントフレーム40における筒部40aの車外側の面とマウントラバー41との間に支持されており、サイドウインドガラス6の前端部はマウントラバー41の凹溝41a内に支持されている。
ルーフパネル2の下部において車幅方向に延びる閉断面構造のフロントヘッダ12と、車両のサイド部において前後方向に延び、かつ、閉断面構造の左右一対のルーフサイドレール21,21とを連結し、これら左右一対のルーフサイドレール21,21は、閉断面構造の左右一対のメインフロントピラー5,5と連続しているので、車体剛性の向上を図ることができ、これら各要素12,21,5によりロールバーに相当する強度を確保することができる。
また、上記閉断面構造(フロントヘッダ12参照)の下方に位置し、フロントウインドガラス1を下方から支持するヘッダパネル11を有すると共に、上記閉断面構造(フロントヘッダ12)は、アッパパネル(フロントヘッダアッパ13参照)とロアパネル(フロントヘッダロア14参照)から構成され、該ロアパネル(フロントヘッダロア14)と上記ヘッダパネル11との間には、上方からの荷重入力に対して上記ルーフパネル2の下方への変形を許容する空間16が設けられているものである(図2参照)。
さらに、上記ルーフパネル2の前端部およびフロントウインドガラス1の側端部を支持するクラッシャブルフロントピラー4と、該クラッシャブルフロントピラー4よりも後方位置において上記ルーフパネル2を支持するクラッシャブルフロントピラー4よりも高剛性のメインフロントピラー5を有し、上記閉断面構造(フロントヘッダ12参照)は、車幅方向に延びて左右一対のメインフロントピラー5,5の上端部を連結するものである(図2、図6参照)。
また、上記クラッシャブルフロントピラー4と上記メインフロントピラー5との間にサイドウインドガラス6が配設されたものである。
この構成によれば、サイドウインドガラス6を備えた構造においても歩行者保護性能を確保することができる。
このように、図13に示す実施例においては、閉断面構造(フロントヘッダ12参照)と、上記ルーフパネル2のウインド支持部(部位α参照)との間の空間に空調用のダクト48が配設されたものである(図13参照)。
先の実施例1においては、メインフロントピラー5はカウル部から立上がるように形成したが、この実施例2においては、メインフロントピラー5がヒンジピラー50からフロントヘッダ12の車幅方向外端部に向けて立上がるように構成したものである。
該メインフロントピラー5は、ハイドロフォーム加工部材その他のパイプ部材(閉断面部材)から形成されており、左右一対のメインフロントピラー5,5相互間には、閉断面を有するパイプ部材製のフロントヘッダ12が車幅方向に延びるように接合固定されている。
このメインフロントピラー5は、図15に示すようにルーフサイド部に沿ってドア開口部の上側後端部まで延びる延長部51を一体形成しており、左右一対の延長部51,51の後端部相互間には、閉断面を有するパイプ部材製のルーフヘッダ52が車幅方向に延びるように接合固定されている。
ここで、上述のフロントヘッダ12およびルーフヘッダ52は接着剤17,53を用いてルーフパネル2に接着固定されている。
またルーフパネル2の下面において、段下げ部2cとフロントヘッダ12との間、並びに、フロントヘッダ12とルーフヘッダ52との間には、車幅方向に延びるルーフレイン54,55がそれぞれ接着固定されている。
しかも、クラッシャブルフロントピラー4の上端とルーフパネル2との連結位置(部位α参照)近傍から、メインフロントピラー5上端とルーフパネル2との連結位置(後方位置β参照)まで、つまり、図15に示す領域Lの範囲内の構造を、上述のクラッシャブルフロントピラー4の後方移動が可能な脆弱構造と成している。
この発明のフロントウインド部材は、実施例のフロントウインドガラス1に対応し、
閉断面構造は、フロントヘッダ12に対応し、
アッパパネルはフロントヘッダアッパ13に対応し、
ロアパネルは、フロントヘッダロア14に対応し、
サイドウインド部材は、サイドウインドガラス6に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
2…ルーフパネル
4…クラッシャブルフロントピラー
5…メインフロントピラー
6…サイドウインドガラス(サイドウインド部材)
11…ヘッダパネル
12…フロントヘッダ(閉断面構造)
13…フロントヘッダアッパ(アッパパネル)
14…フロントヘッダロア(ロアパネル)
16…空間
48…ダクト
α…部位(ウインド支持部)
Claims (4)
- フロントウインド部材と、
車両のルーフを形成すると共に、その前端部において上記フロントウインド部材を直接または間接的に支持するウインド支持部を有するルーフパネルと、
上記ルーフパネル下方において、車幅方向に延びる閉断面構造とを有する自動車の歩行者保護構造であって、
上記閉断面構造は、上記ルーフパネルのウインド支持部よりも後方に離間した位置に設けられており、
上記閉断面構造の下方に位置し、上記フロントウインド部材を下方から支持するヘッダパネルを有すると共に、
上記閉断面構造は、アッパパネルとロアパネルから構成され、該ロアパネルと上記ヘッダパネルとの間には、上方からの荷重入力に対して上記ルーフパネルの下方への変形を許容する空間が設けられたことを特徴とする
自動車の歩行者保護構造。 - 上記ルーフパネルの前端部およびフロントウインド部材の側端部を支持するクラッシャブルフロントピラーと、
該クラッシャブルフロントピラーよりも後方位置において上記ルーフパネルを支持するクラッシャブルフロントピラーよりも高剛性のメインフロントピラーとを有し、
上記閉断面構造は、車幅方向に延びて左右一対のメインフロントピラーの上端部を連結する
請求項1に記載の自動車の歩行者保護構造。 - 上記クラッシャブルフロントピラーと上記メインフロントピラーとの間にサイドウインド部材が配設された
請求項1または2に記載の自動車の歩行者保護構造。 - 上記閉断面構造と、上記ルーフパネルのウインド支持部との間の空間に
空調用のダクトが配設された
請求項1〜3の何れか1項に記載の自動車の歩行者保護構造。
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