JP5816543B2 - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、該組成物を用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
<1>
(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(B)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、前記化合物(A)として、少なくとも1種の下記一般式(A−I)で表される化合物と、少なくとも1種の下記一般式(A−II)で表される化合物との組み合わせを含有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(A−I)中、
R 1 は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
R 2 は、2価の連結基である。
Rfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
n 1 及びn 2 は、それぞれ独立して、0又は1である。
M 1 + は、下記一般式(A−III)で表されるスルホニウムカチオンである。
一般式(A−III)中、
Arは、それぞれ独立して、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
一般式(A−II)中、
R 1 ’は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
R 2 ’は、2価の連結基である。
Rf’は、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
n 1 ’及びn 2 ’は、それぞれ独立して、0又は1である。
M 2 + は、下記一般式(A−IV)又は(A−V)で表されるスルホニウムカチオンである。
一般式(A−IV)中、
Xは、−CR 21 =CR 22 −、−NR 23 −、−S−、又は、−O−を表す。
R 21 、R 22 及びR 23 は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、又は、アリール基を表す。
R IV は、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。
n 3 は、0〜3の整数を表す。
n 4 は、0〜9の整数を表す。
Yは、下記一般式(A−VI−1)〜(A−VI−3)のいずれか一つで表される構造を表す。
一般式(A−VI−1)〜(A−VI−3)中、
R A は、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。
n A は、0〜12の整数を表す。
n A ’は、0〜6の整数を表す。
n A ’’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
n 5 は、0〜3の整数を表す。
*は、結合手を表す。
一般式(A−V)中、
R 24 は、アリール基を表す。
R 25 、R 26 、R 27 及びR 28 は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又は、ビニル基を表し、R 25 とR 26 及びR 27 とR 28 はそれぞれ互いに連結して環を形成していても良い。
<2>
前記一般式(A−I)で表される化合物と、前記一般式(A−II)で表される化合物とのアニオン構造が同一である、上記<1>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<3>
前記一般式(A−I)中のR 1 が、多環の脂環式炭化水素基である、上記<1>又は<2>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<4>
前記一般式(A−II)中のR 1 ’が、多環の脂環式炭化水素基である、上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<5>
前記樹脂(B)が、下記一般式(VI)で表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有する、上記<1>〜<4>のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
式(VI)中、
Bは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
R 0 は、複数個ある場合にはそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
又はウレア結合
を表す。ここで、Rは、各々独立して水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R 8 は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、−R 0 −Z−で表される構造の繰り返し数であり、0〜2の整数を表す。
R 7 は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
<6>
前記一般式(VI)において、nが1又は2である、上記<5>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<7>
前記樹脂(B)が、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位を含有する、上記<1>〜<6>のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<8>
前記樹脂(B)が、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位を含有する、上記<1>〜<7>のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(AI)に於いて、
Xa 1 は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH 2 −R 11 で表される基を表す。R 11 は、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx 1 〜Rx 3 は、それぞれ独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx 1 〜Rx 3 の2つが結合して、シクロアルキル基を形成してもよい。
<9>
前記樹脂(B)が、前記一般式(AI)で表される繰り返し単位として、下記一般式(I)で表される繰り返し単位及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位の少なくともいずれかを含有する、上記<8>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
上記一般式(I)及び(II)中、
R 1 及びR 3 は、各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH 2 −R 11 で表される基を表す。R 11 は水酸基又は1価の有機基を表す。
R 2 、R 4 、R 5 及びR 6 は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表し、脂環構造の環員には、酸素原子が含まれていてもよい。
<10>
前記樹脂(B)が、前記一般式(I)で表される繰り返し単位として、下記一般式(AIII)で表される繰り返し単位を含有する、上記<9>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
上記一般式(AIII)中、
R 8 は、水素原子又はアルキル基を表す。R 9 は、アルキル基を表す。nは1〜6の整数を表す。
<11>
前記樹脂(B)が、前記一般式(II)で表される繰り返し単位として、下記一般式(II−1)で表される繰り返し単位を含有する、上記<9>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
上記一般式(II−1)中、
R 3 〜R 5 は、各々、一般式(II)におけるものと同義である。
R 10 は極性基を含む置換基を表す。R 10 が複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。
pは0〜15の整数を表す。
<12>
前記樹脂(B)が、前記一般式(I)により表される繰り返し単位の少なくとも2種を含んだ樹脂であるか、又は前記一般式(I)により表される繰り返し単位と前記一般式(II)により表される繰り返し単位とを含んだ樹脂である、上記<9>〜<11>のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<13>
更に、塩基性化合物を含有する、上記<1>〜<12>のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<14>
更に、下記一般式(A)で表される化合物を含有する、上記<1>〜<13>のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(A)において、Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、n=2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に結合して、2価の複素環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。
Rbは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。Rbは相互に結合して環を形成していても良い。但し、−C(Rb)(Rb)(Rb)において、1つ以上のRbが水素原子のとき、残りのRbの少なくとも1つはシクロプロピル基、1−アルコキシアルキル基又はアリール基である。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=3である。
<15>
更に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する疎水性樹脂を含有する、上記<1>〜<14>のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<16>
上記<1>〜<15>のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜。
<17>
上記<16>に記載のレジスト膜を、露光、現像する工程を含むパターン形成方法。
<18>
前記露光が液浸露光である、上記<17>に記載のパターン形成方法。
<19>
上記<17>又は<18>に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
なお、本発明は上記〔1〕〜〔19〕に記載の構成を有するものであるが、以下その他についても参考のため記載した。
(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(B)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、前記化合物(A)として、少なくとも1種の下記一般式(A−I)で表される化合物と、少なくとも1種の下記一般式(A−II)で表される化合物との組み合わせを含有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(A−I)中、
R1は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
R2は、2価の連結基である。
Rfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
n1及びn2は、それぞれ独立して、0又は1である。
M1 +は、下記一般式(A−III)で表されるスルホニウムカチオンである。
一般式(A−III)中、
Arは、それぞれ独立して、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
一般式(A−II)中、
R1’は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
R2’は、2価の連結基である。
Rf’は、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
n1’及びn2’は、それぞれ独立して、0又は1である。
M2 +は、下記一般式(A−IV)又は(A−V)で表されるスルホニウムカチオンである。
一般式(A−IV)中、
Xは、−CR21=CR22−、−NR23−、−S−、又は、−O−を表す。
R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、又は、アリール基を表す。
RIVは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。
n3は、0〜3の整数を表す。
n4は、0〜9の整数を表す。
Yは、下記一般式(A−VI−1)〜(A−VI−3)のいずれか一つで表される構造を表す。
一般式(A−VI−1)〜(A−VI−3)中、
RAは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。
nAは、0〜12の整数を表す。
nA’は、0〜6の整数を表す。
nA’’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
n5は、0〜3の整数を表す。
*は、結合手を表す。
一般式(A−V)中、
R24は、アリール基を表す。
R25、R26、R27及びR28は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又は、ビニル基を表し、R25とR26及びR27とR28はそれぞれ互いに連結して環を形成していても良い。
〔2〕
前記一般式(A−I)で表される化合物と、前記一般式(A−II)で表される化合物とのアニオン構造が同一である、上記〔1〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔3〕
前記樹脂(B)が、下記一般式(VI)で表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有する、上記〔1〕又は〔2〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
式(VI)中、
Bは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
R0は、複数個ある場合にはそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
又はウレア結合
を表す。ここで、Rは、各々独立して水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R8は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、−R0−Z−で表される構造の繰り返し数であり、0〜2の整数を表す。
R7は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
〔4〕
前記一般式(VI)において、nが1又は2である、上記〔3〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔5〕
前記樹脂(B)が、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位を含有する、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔6〕
更に、塩基性化合物を含有する、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔7〕
更に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する疎水性樹脂を含有する、上記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔8〕
上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜。
〔9〕
上記〔8〕に記載のレジスト膜を、露光、現像する工程を含むパターン形成方法。
〔10〕
前記露光が液浸露光である、上記〔9〕に記載のパターン形成方法。
〔11〕
上記〔9〕又は〔10〕に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
〔12〕
上記〔11〕に記載の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイス。
また本発明によれば、該組成物を用いたレジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法及び電子デバイスを提供できる。
また、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、例えば、ArF液浸露光プロセスに好適に用い得る。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線又は電子線(EB)を意味している。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味している。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画をも意味している。
(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(B)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、前記化合物(A)として、少なくとも1種の下記一般式(A−I)で表される化合物と、少なくとも1種の下記一般式(A−II)で表される化合物との組み合わせを含有する。
R1は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
R2は、2価の連結基である。
Rfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
n1及びn2は、それぞれ独立して、0又は1である。
M1 +は、下記一般式(A−III)で表されるスルホニウムカチオンである。
Arは、それぞれ独立して、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
R1’は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
R2’は、2価の連結基である。
Rf’は、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
n1’及びn2’は、それぞれ独立して、0又は1である。
M2 +は、下記一般式(A−IV)又は(A−V)で表されるスルホニウムカチオンである。
Xは、−CR21=CR22−、−NR23−、−S−、又は、−O−を表す。
R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、又は、アリール基を表す。
RIVは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。
n3は、0〜3の整数を表す。
n4は、0〜9の整数を表す。
Yは、下記一般式(A−VI−1)〜(A−VI−3)のいずれか一つで表される構造を表す。
RAは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。
nAは、0〜12の整数を表す。
nA’は、0〜6の整数を表す。
nA’’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
n5は、0〜3の整数を表す。
*は、結合手を表す。
一般式(A−V)中、
R24は、アリール基を表す。
R25、R26、R27及びR28は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又は、ビニル基を表し、R25とR26及びR27とR28はそれぞれ互いに連結して環を形成していても良い。
また、露光波長(例えば193nmの露光波長)のモル吸光係数εが低いスルホニウムを有する化合物(一般式(A−II)で表される化合物)を使用することで、光透過性が向上し、膜の下部の樹脂における酸脱保護反応が促進されるため、光の届きにくいパターン下部の現像性が向上し、パターン形状が矩形になるものと考えられる。
更に酸発生剤として、2種以上の化合物を併用することで、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の溶液中での相溶性が高まり、経時でのパーティクル発生が抑えられたものと推定される。
本発明は、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜にも関する。
以下、この組成物の各成分について説明する。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上述のように、(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、単に、酸発生剤とも言う)として、少なくとも1種の上記一般式(A−I)で表される化合物と、少なくとも1種の上記一般式(A−II)で表される化合物との組み合わせを含有している。
以下、一般式(A−I)で表される化合物、及び、一般式(A−II)で表される化合物について詳細に説明する。
先ず、一般式(A−I)で表される化合物について詳細に説明する。
R1は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
R2は、2価の連結基である。
Rfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
n1及びn2は、それぞれ独立して、0又は1である。
M1 +は、下記一般式(A−III)で表されるスルホニウムカチオンである。
Arは、それぞれ独立して、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
また、上記アルキル基は置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、置換基を有するアルキル基としては、少なくとも1つのフッ素原子で置換された炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
上記R1で表されるヘテロアリール基は、炭素数が2以上であることが好ましい。また該ヘテロアリール基は炭素数が20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。
上記アリール基、ヘテロアリール基は、単環式アリール基、単環式ヘテロアリール基であっても、多環式アリール基、多環式ヘテロアリール基であってもよい。
多環式のアリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
単環式のヘテロアリール基としては、ピリジル基、チエニル基、フラニル基等が挙げられる。
多環式のヘテロアリール基としては、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられる。
Rfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。より具体的には、Rfは、フッ素原子、CF3、C2F5、C3F7、C4F9、C5F11、C6F13、C7F15、C8F17、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2C2F5、CH2CH2C2F5、CH2C3F7、CH2CH2C3F7、CH2C4F9、又はCH2CH2C4F9であることが好ましく、フッ素原子又はCF3であることがより好ましい。
n2は1であることが好ましい。
一般式(A−III)中、Arは、それぞれ独立して、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
上記Arで表されるアリール基は、炭素数6〜15のアリール基であることが好ましい。
上記Arで表されるヘテロアリール基は、炭素数4〜15のヘテロアリール基であることが好ましい。
上記Arで表される、アリール基及びヘテロアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジル基、キノリル基、イミダゾリル基等が挙げられ、更に置換基を有していてもよい。このような置換基の具体例は、R1としての1価の脂環式炭化水素基、アリール基、及び、ヘテロアリール基が更に有していてもよい置換基について前述したものと同様である。
Arは、それぞれ独立して、フェニル基、トルイル基、ナフチル基、又は、1−アルコキシナフチル基を表すことが好ましく、フェニル基、又は、ナフチル基を表すことがより好ましい。
R1’は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
R2’は、2価の連結基である。
Rf’は、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
n1’及びn2’は、それぞれ独立して、0又は1である。
M2 +は、下記一般式(A−IV)又は(A−V)で表されるスルホニウムカチオンである。
Xは、−CR21=CR22−、−NR23−、−S−、又は、−O−を表す。
R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、又は、アリール基を表す。
RIVは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。
n3は、0〜3の整数を表す。
n4は、0〜9の整数を表す。
Yは、下記一般式(A−VI−1)〜(A−VI−3)のいずれか一つで表される構造を表す。
RAは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。
nAは、0〜12の整数を表す。
nA’は、0〜6の整数を表す。
nA’’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
n5は、0〜3の整数を表す。
*は、結合手を表す。
一般式(A−V)中、
R24は、アリール基を表す。
R25、R26、R27及びR28は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又は、ビニル基を表し、R25とR26及びR27とR28はそれぞれ互いに連結して環を形成していても良い。
なお、置換基を有するアルキル基として、特に直鎖又は分岐アルキル基に1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくはシクロアルキル基)が置換した基(例えば、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、シクロヘキシルエチル基、カンファー残基など)を挙げることができる。
R21〜R23におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられる。
R21〜R23におけるアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。
R21〜R23におけるアリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。
n3は、0〜3の整数を表す。n3は、0又は1であることが好ましい。
n4は、0〜9の整数を表す。n4は、0〜4の整数を表すことが好ましく、0であることが最も好ましい。
nA’は、0〜6の整数を表す。nA’は、0〜3の整数を表すことが好ましく、0であることが最も好ましい。
nA’’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。nA’’は、0〜2の整数を表すことが好ましく、0であることが最も好ましい。
n5は、0〜3の整数を表す。n5は、1であることが最も好ましい。
R25〜R28におけるアルキル基、シクロアルキル基は、上述のR21〜R23におけるアルキル基、シクロアルキル基と同様であり、具体例及び好ましい範囲等も同様である。
R24におけるアリール基、R25〜R28におけるアルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えばR21〜R23における各基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
カチオン構造(ZI−1)とは、以下の一般式(ZI−1)で表される構造である。
R13は水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又は、アルコキシカルボニル基を表す。
Yは、上記一般式(A−IV)におけるYと同義である。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
XI−2は、酸素原子、硫黄原子、又は、−NRa1−基を表し、Ra1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アシル基を表す。
Yは、上記一般式(A−IV)におけるYと同義である。
Ra4は、複数個ある場合には各々独立に、1価の基を表す。
mは、0〜3の整数を表す。
Ra1のシクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクルアルキル基が好ましい。
Ra1のアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
Ra1のアシル基は、炭素数2〜20のアシル基が好ましい。
これらの各基は置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば一般式(A−IV)中のR21〜R23における各基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
R41〜R43において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基の一又は複数の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
n1〜n3は、それぞれ独立して0〜2の整数であり、好ましくは、それぞれ独立して0又は1であり、より好ましくはいずれも0である。
なお、n1〜n3が2であるとき、複数のR41〜R43は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
R41〜R43における各基は置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば一般式(A−IV)中のR21〜R23における各基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
R41〜R43としてのアルキル基、アルコキシ基は、式(ZI−3)中のR41〜R43としてのアルキル基、アルコキシ基と同様のものが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基の一又は複数の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
n1は0〜3の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n2は0〜3の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n3は0〜2の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、フェニルチオ基、フェニルオキシ基、アリール基、又は、ハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又は、シクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基、又は、ビニル基を表す。
R1c〜R7c、Rx及びRyととしてのアリール基は、例えば炭素数6〜20のアリール基を挙げることができる。
R1c〜R5cとしてのアルキルチオ基におけるアルキル基は、上述のアルキル基と同様のものが挙げられる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cおけると同様のアルコキシ基を挙げることができる。
一般式(A−I)及び(A−II)におけるスルホン酸の塩としてはスルホン酸の金属塩、スルホン酸オニウム塩などが挙げられる。スルホン酸の金属塩における金属としてはNa+、Li+、K+などが挙げられる。スルホン酸オニウム塩におけるオニウムカチオンとしては、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ジアゾニウムカチオンなどが挙げられる。
一般式(A−I)及び(A−II)におけるスルホン酸アニオン又はその塩は、活性光線又は放射線の照射によりスルホン酸を発生する一般式(A−I)及び(A−II)で表される化合物の合成に用いることができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(B)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」、「樹脂(B)」ということもある。)を含有する。
酸分解性樹脂は、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する。
樹脂(B)は、好ましくはアルカリ現像液に不溶又は難溶性である。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
Xa1は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R11で表される基を表す。R11は、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、炭素数5以下のアシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。Xa1は好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。
Rx1〜Rx3の2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH2−基、−(CH2)2−基、−(CH2)3−基がより好ましい。
Rx1〜Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx1〜Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rx1〜Rx3の2つが結合して形成される前記シクロアルキル基の環を構成するメチレン基の1つが酸素原子で置き換わっていてもよい。
Rx1がメチル基又はエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
R1及びR3は、各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R11で表される基を表す。R11は水酸基又は1価の有機基を表す。
R2、R4、R5及びR6は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表し、脂環構造の環員には、酸素原子が含まれていてもよい。
R2におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。
R2は好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5のものであり、例えばメチル基、エチル基などが挙げられる。
R8は、水素原子又はアルキル基を表す。R9は、アルキル基を表す。nは1〜6の整数を表す。
R8のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、置換基を有していてもよい。
nは1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。
上記各基が有し得る置換基としては、前記一般式(AI)における各基が有し得る置換基として前述したものと同様の基が挙げられる。
R3〜R5は、各々、一般式(II)におけるものと同義である。
Bは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
R0は、複数個ある場合にはそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
nは、−R0−Z−で表される構造の繰り返し数であり、0〜2の整数を表す。nが1又は2である場合は、1つの好ましい形態であり、これにより、ラインウィズスラフネス(Line Width Roughness:LWR)などのパターンラフネスをより向上させることができる。
R7は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Zは好ましくは、エーテル結合、エステル結合であり、特に好ましくはエステル結合である。
また、R8は無置換のラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基、或いはメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を置換基として有するラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基が好ましく、シアノ基を置換基として有するラクトン構造(シアノラクトン)又はスルトン構造(シアノスルトン)を有する1価の有機基がより好ましい。
下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アセチルオキシメチル基を表す。
下記式中、Meはメチル基を表す。
R7、B、R0、Z、及びnは、上記一般式(VI)と同義である。
R7’、B’、R0’、Z’及びn’は、上記一般式(VI)におけるR7、B、R0、Z及びnとそれぞれ同義である。
R9は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、水酸基又はアルコキシ基を表し、複数個ある場合には2つのR9が結合し、環を形成していてもよい。
R9’は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、水酸基又はアルコキシ基を表し、複数個ある場合には2つのR9’が結合し、環を形成していてもよい。
m及びm’は、置換基数であって、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m及びm’はそれぞれ独立に0又は1であることが好ましい。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0としては、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、RxはH,CH3,CH2OH,又はCF3を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH3、CH2OH、又はCF3を表す。
なお、樹脂(B)は、後述する疎水性樹脂との相溶性の観点から、フッ素原子及び珪素原子を含有しないことが好ましい。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
なお、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶或いは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶或いは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶或いは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
また、本発明の樹脂(B)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明における樹脂(B)以外の他の樹脂を併用してもよい。本発明における樹脂(B)以外の他の樹脂としては、前述した樹脂(B)が含有しうる繰り返し単位を含有していてもよい酸分解性樹脂、またその他の公知の酸分解性樹脂を挙げることができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、特に液浸露光に適用する際、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する疎水性樹脂(以下、「疎水性樹脂(HR)」ともいう)を含有してもよい。これにより、膜表層に疎水性樹脂(HR)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、水に対するレジスト膜表面の静的/動的な接触角を向上させ、液浸液追随性を向上させることができる。
疎水性樹脂(HR)は前述のように界面に偏在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
フッ素原子を有するアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4であり、更に他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更に他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更に他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)のいずれかで表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
R57〜R68は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基(直鎖若しくは分岐)を表す。但し、R57〜R61の少なくとも1つ、R62〜R64の少なくとも1つ及びR65〜R68の少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、フルオロアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。R62及びR63がパーフルオロアルキル基であるとき、R64は水素原子であることが好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CF3)2OH、−C(C2F5)2OH、−C(CF3)(CH3)OH、−CH(CF3)OH等が挙げられ、−C(CF3)2OHが好ましい。
フッ素原子を含む部分構造は、主鎖に直接結合しても良く、更に、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合及びウレイレン結合よりなる群から選択される基、あるいはこれらの2つ以上を組み合わせた基を介して主鎖に結合しても良い。
フッ素原子を有する好適な繰り返し単位としては、以下に示すものが挙げられる。
W3〜W6は、各々独立に、少なくとも1つ以上のフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には前記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
また、疎水性樹脂は、これら以外にも、フッ素原子を有する繰り返し単位として下記に示すような単位を有していてもよい。
ただし、R4〜R7の少なくとも1つはフッ素原子を表す。R4とR5若しくはR6とR7は環を形成していてもよい。
W2は、少なくとも1つのフッ素原子を含有する有機基を表す。具体的には前記(F2)〜(F4)の原子団が挙げられる。
L2は、単結合、あるいは2価の連結基を示す。2価の連結基としては、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、−O−、−SO2−、−CO−、−N(R)−(式中、Rは水素原子又はアルキルを表す)、−NHSO2−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を示す。
Qは脂環式構造を表す。脂環式構造は置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよく、多環型の場合は有橋式であってもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ジシクロペンチル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基等を挙げることができる。なお、シクロアルキル基中の少なくとも1つの炭素原子が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。Qとして特に好ましくはノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基等を挙げることができる。
疎水性樹脂は、珪素原子を含有してもよい。
珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、又は環状シロキサン構造を有することが好ましい。
アルキルシリル構造、又は環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
R12〜R26は、各々独立に、直鎖若しくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
L3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、又はウレイレン結合よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。nは、好ましくは、2〜4の整数である。
以下、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表し、X2は、−F又は−CF3を表す。
(x)アルカリ可溶基
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(以下、極性変換基ともいう)
(z)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基
・1つの側鎖上に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかと、上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する繰り返し単位(b’)
・上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有し、かつ、フッ素原子及び珪素原子を有さない繰り返し単位(b*)
・1つの側鎖上に上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有し、かつ、同一繰り返し単位内の前記側鎖と異なる側鎖上に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位(b”)
なお、疎水性樹脂が、繰り返し単位(b*)を有する場合、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位(前記繰り返し単位(b’)、(b”)とは異なる繰り返し単位)とのコポリマーであることが好ましい。また、繰り返し単位(b”)における、上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する側鎖とフッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する側鎖とは、主鎖中の同一の炭素原子に結合している、すなわち下記式(K1)のような位置関係にあることが好ましい。
式中、B1は上記(x)〜(z)からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を有する部分構造、B2はフッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する部分構造を表す。
アルカリ可溶性基(x)としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位(bx)の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
極性変換基(y)は、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位中に含まれることにより、樹脂の側鎖に導入される形態、あるいは極性変換基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入される形態のいずれも好ましい。
更に、極性変換基(y)を有する繰り返し単位(by)は、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位である(すなわち、前記繰り返し単位(b’)、(b”)に相当する)ことが好ましい。該繰り返し単位(by)を有する樹脂は疎水性を有するものであるが、特に現像欠陥の低減の点で好ましい。
Rk2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は極性変換基を含む基を表す。
但し、Rk1、Rk2の少なくとも一方は、極性変換基を含む基を表す。
極性変換基とは、上述したようにアルカリ現像液の作用により分解しアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を表す。極性変換基としては、一般式(KA−1)又は(KB−1)で表される部分構造におけるXで表される基であることが好ましい。
Y1及びY2は、それぞれ同一でも異なっても良く、電子求引性基を表す。
なお、繰り返し単位(by)は、一般式(KA−1)又は(KB−1)で表される部分構造を有する基を有することで、好ましいアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有するが、一般式(KA−1)で表される部分構造、Y1及びY2が1価である場合の(KB−1)で表される部分構造の場合のように、該部分構造が結合手を有しない場合は、該部分構造を有する基とは、該部分構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基を有する基である。
一般式(KA−1)又は(KB−1)で表される部分構造は、任意の位置で置換基を介して疎水性樹脂の主鎖に連結している。
一般式(KA−1)におけるXとして好ましくは、カルボン酸エステル基(即ち、KA−1としてラクトン環構造を形成する場合)、及び酸無水物基、炭酸エステル基である。より好ましくはカルボン酸エステル基である。
一般式(KA−1)で表される環構造は、置換基を有していてもよく、例えば、置換基Zka1をnka個有していてもよい。
Zka1は、複数ある場合はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、エーテル基、ヒドロキシル基、アミド基、アリール基、ラクトン環基、又は電子求引性基を表す。
Zka1同士が連結して環を形成しても良い。Zka1同士が連結して形成する環としては、例えば、シクロアルキル環、ヘテロ環(環状エーテル環、ラクトン環など)が挙げられる。
nkaは0〜10の整数を表す。好ましくは0〜8の整数、より好ましくは0〜5の整数、更に好ましくは1〜4の整数、最も好ましくは1〜3の整数である。
Zka1としてのハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
Zka1としてのアルキル基は置換基を有していてもよく、直鎖、分岐のいずれでもよい。直鎖アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30、更に好ましくは1〜20であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等が挙げられる。分岐アルキル基としては、好ましくは炭素数3〜30、更に好ましくは3〜20であり、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、i−ヘキシル基、t−ヘキシル基、i−ヘプチル基、t−ヘプチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、i−ノニル基、t−デカノイル基等が挙げられる。メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Zka1としてのシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよい。多環型の場合、シクロアルキル基は有橋式であってもよい。即ち、この場合、シクロアルキル基は橋かけ構造を有していてもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基が挙げられる。シクロアルキル基としては下記構造も好ましい。なお、シクロアルキル基中の少なくとも1つの炭素原子が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
これらの脂環式構造の置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表す。上記アルコキシ基としては、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。アルキル基及びアルコキシ基が有してもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)等を挙げることができる。
なお、下記(KA−1−1)〜(KA−1−17)におけるように、一般式(KA−1)で表される部分構造としての5〜7員環ラクトン環に、ビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環していることが好ましい。
一般式(KA−1)で表される環構造が結合してもよい周辺の環構造については、例えば、下記(KA−1−1)〜(KA−1−17)におけるもの、又はこれに準じたものを挙げることができる。
一般式(KA−1)が示すラクトン環構造を含有する構造として、下記(KA−1−1)〜(KA−1−17)のいずれかで表される構造がより好ましい。なお、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましい構造としては、(KA−1−1)、(KA−1−4)、(KA−1−5)、(KA−1−6)、(KA−1−13)、(KA−1−14)、(KA−1−17)である。
Rew1、Rew2は、各々独立して任意の置換基を表し、例えば水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
newは−C(Rew1)(Rew2)−で表される連結基の繰り返し数であり、0又は1の整数を表す。newが0の場合は単結合を表し、直接Yew1が結合していることを示す。
Yew1は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基、オキシ基、カルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基、及びこれらの組み合わせをあげることができ、電子求引性基は例えば下記構造であってもよい。なお、「ハロ(シクロ)アルキル基」とは、少なくとも一部がハロゲン化したアルキル基及びシクロアルキル基を表し、「ハロアリール基」とは、少なくとも一部がハロゲン化したアリール基を表す。下記構造式において、Rew3、Rew4は、各々独立して任意の構造を表す。Rew3、Rew4はどのような構造でも式(EW)で表される部分構造は電子求引性を有し、例えば樹脂の主鎖に連結していてもよいが、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、フッ化アルキル基である。
Yew1は、好ましくはハロゲン原子、又は、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基である。
Rew1、Rew2及びYew1の少なくとも2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
Rf2、Rf3は各々独立して水素原子、ハロゲン原子又は有機基を表し、Rf2とRf3とが連結して環を形成してもよい。有機基としては例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基等を表す。Rf2はRf1と同様の基を表すか、又はRf3と連結して環を形成していることがより好ましい。
Rf1〜Rf3とは連結して環を形成してもよく、形成する環としては、(ハロ)シクロアルキル環、(ハロ)アリール環等が挙げられる。
Rf1〜Rf3における(ハロ)アルキル基としては、例えば前述したZka1におけるアルキル基、及びこれがハロゲン化した構造が挙げられる。
Rf1〜Rf3における、又は、Rf2とRf3とが連結して形成する環における(パー)ハロシクロアルキル基及び(パー)ハロアリール基としては、例えば前述したZka1におけるシクロアルキル基がハロゲン化した構造、より好ましくは−C(n)F(2n−2)Hで表されるフルオロシクロアルキル基、及び、−C(n)F(n−1)で表されるパーフルオロアリール基が挙げられる。ここで炭素数nは特に限定されないが、5〜13のものが好ましく、6がより好ましい。
なお、一般式(KA−1)の部分構造の一部又は全部が、一般式(KB−1)におけるY1又はY2としての電子求引性基を兼ねてもよい。例えば、一般式(KA−1)のXがカルボン酸エステル基である場合、そのカルボン酸エステル基は一般式(KB−1)におけるY1又はY2としての電子求引性基として機能することもあり得る。
R2は、鎖状若しくは環状アルキレン基を表し、複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
R3は、構成炭素上の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換され、直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示す。
R4は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はR−C(=O)−若しくはR−C(=O)O−で表される基(Rは、アルキル基若しくはシクロアルキル基を表す。)を表す。R4が複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよく、また、2つ以上のR4が結合し、環を形成していても良い。
Xは、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
Z、Zaは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表し、複数ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
*は、樹脂の主鎖又は側鎖への結合手を表す。
oは、置換基数であって、1〜7の整数を表す。
mは、置換基数であって、0〜7の整数を表す。
nは、繰り返し数を表し、0〜5の整数を表す。
−R2−Z−の構造として好ましくは、−(CH2)l−COO−で表される構造が好ましい(lは1〜5の整数を表す)。
R3としての直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基の炭素数は、直鎖状の場合、好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20であり、分岐状の場合、好ましくは3〜30、更に好ましくは3〜20であり、環状の場合、6〜20である。R3の具体例としては、上記したZka1としてのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例を挙げることができる。
R4及びRとしてのアルキル基及びシクロアルキル基における好ましい炭素数、及び、具体例は、上記したZka1としてのアルキル基及びシクロアルキル基において記載したものと同様である。
R4としてのアシル基としては、炭素数1〜6のものが好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基などを挙げることができる。
R4としてのアルコキシ基及びアルコキシカルボニル基におけるアルキル部位としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル部位を挙げることができ、アルキル部位の好ましい炭素数、及び、具体例は、上記したZka1としてのアルキル基及びシクロアルキル基において記載したものと同様である。
Xとしてのアルキレン基としては、鎖状若しくは環状アルキレン基を挙げることができ、好ましい炭素数及びその具体例は、R2としての鎖状アルキレン基及び環状アルキレン基で説明したものと同様である。
アルカリ現像後のレジスト膜の水との後退接触角は、温度23±3℃、湿度45±5%において50°以下であることが好ましく、より好ましくは40°以下、更に好ましくは35°以下、最も好ましくは30°以下である。
後退接触角とは、液滴−基板界面での接触線が後退する際に測定される接触角であり、動的な状態での液滴の移動しやすさをシミュレートする際に有用であることが一般に知られている。簡易的には、針先端から吐出した液滴を基板上に着滴させた後、その液滴を再び針へと吸い込んだときの、液滴の界面が後退するときの接触角として定義でき、一般に拡張収縮法と呼ばれる接触角の測定方法を用いて測定することができる。
疎水性樹脂のアルカリ現像液に対する加水分解速度は0.001nm/秒以上であることが好ましく、0.01nm/秒以上であることがより好ましく、0.1nm/秒以上であることが更に好ましく、1nm/秒以上であることが最も好ましい。
ここで疎水性樹脂のアルカリ現像液に対する加水分解速度は23℃のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液)(2.38質量%)に対して、疎水性樹脂のみで樹脂膜を製膜した際の膜厚が減少する速度である。
繰り返し単位(by)が少なくとも2つの極性変換基を有する場合、下記一般式(KY−1)で示す、2つの極性変換基を有する部分構造を有する基を有することが好ましい。なお、一般式(KY−1)で表される構造が、結合手を有さない場合は、該構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基を有する基である。
Rky1、Rky4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミド基、又はアリール基を表す。或いは、Rky1、Rky4が同一の原子と結合して二重結合を形成していてもよく、例えばRky1、Rky4が同一の酸素原子と結合してカルボニル基の一部(=O)を形成してもよい。
Rky2、Rky3はそれぞれ独立して電子求引性基であるか、又はRky1とRky2が連結してラクトン環を形成するとともにRky3が電子求引性基である。形成するラクトン環としては、前記(KA−1−1)〜(KA−1−17)の構造が好ましい。電子求引性基としては、前記式(KB−1)におけるY1、Y2と同様のものが挙げられ、好ましくはハロゲン原子、又は、前記−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基である。好ましくはRky3がハロゲン原子、又は、前記−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基であり、Rky2はRky1と連結してラクトン環を形成するか、ハロゲン原子を有さない電子求引性基である。
Rky1、Rky2、Rky4はそれぞれ互いに連結して単環又は多環構造を形成しても良い。
Rky1とRky2が連結して形成するラクトン環としては、前記(KA−1−1)〜(KA−1−17)の構造が好ましい。電子求引性基としては、前記式(KB−1)におけるY1、Y2と同様のものが挙げられる。
Rky6〜Rky10は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミド基、又はアリール基を表す。
Rky6〜Rky10は、2つ以上が互いに連結して単環又は多環構造を形成しても良い。
Rky5は電子求引性基を表す。電子求引性基は前記Y1、Y2におけるものと同様のものが挙げられ、好ましくはハロゲン原子、又は、前記−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基である。
Rky6〜Rky10は具体的には式(KA−1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
式(KY−2)で表される構造は、下記一般式(KY−3)で示す部分構造であることがより好ましい。
Lkyはアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。Lkyのアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が挙げられる。Lkyは酸素原子又はメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることが更に好ましい。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有する繰り返し単位(by)の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
以下に示す具体例において、Raは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
繰り返し単位(b’)の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜100mol%が好ましく、より好ましくは3〜99mol%、更に好ましくは5〜97mol%、最も好ましくは10〜95mol%である。
繰り返し単位(b*)の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜90mol%が好ましく、より好ましくは3〜80mol%、更に好ましくは5〜70mol%、最も好ましくは10〜60mol%である。繰り返し単位(b*)と共に用いられる、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、10〜99mol%が好ましく、より好ましくは20〜97mol%、更に好ましくは30〜95mol%、最も好ましくは40〜90mol%である。
繰り返し単位(b”)の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位に対し、1〜100mol%が好ましく、より好ましくは3〜99mol%、更に好ましくは5〜97mol%、最も好ましくは10〜95mol%である。
Rc31は、水素原子、アルキル基(フッ素原子等で置換されていても良い)、シアノ基又は−CH2−O−Rac2基を表す。式中、Rac2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Rc32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を有する基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子を含む基等で置換されていても良い。
Lc3は、単結合又は2価の連結基を表す。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のフェニル基、ナフチル基が好ましく、これらは置換基を有していてもよい。
Rc32は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されているアルキル基が好ましい。
Lc3の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基、フェニレン基、エステル結合(−COO−で表される基)が好ましい。
Rc11’及びRc12’は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Zc’は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
反応溶媒、重合開始剤、反応条件(温度、濃度等)、及び、反応後の精製方法は、上述した樹脂(B)で説明した内容と同様である。
疎水性樹脂が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂の分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂の全繰り返し単位に対し、10〜90モル%であることが好ましく、20〜80モル%であることがより好ましい。
疎水性樹脂は1種類単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
R200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
R203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
これら一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
前記フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合していることが好ましい。また、前記アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でも−CH2CH2O−、−CH(CH3)CH2O−若しくはCH2CH2CH2O−の構造が好ましい。
前記フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物の具体例としては、米国特許出願公開2007/0224539号明細書の[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の組成物は、塩基性化合物を含有してもしなくても良いが、含有する場合、塩基性化合物の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
なお、ここでの塩基性化合物は、塩基性化合物でもある場合の(D)窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物を含まない。
本発明の組成物は、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(以下において、「低分子化合物(D)」又は「化合物(D)」ともいう)を含有することができる。
酸の作用により脱離する基としては特に限定されないが、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、ヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(F)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
Rbは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。Rbは相互に結合して環を形成していても良い。
Rbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
前記Rbのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、上記官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)としては、
例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、これらのアルカンに由来する基を、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルナン、アダマンタン、ノルアダマンタン等のシクロアルカンに由来する基、これらのシクロアルカンに由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族化合物に由来する基、これらの芳香族化合物に由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、インドール、インドリン、キノリン、パーヒドロキノリン、インダゾール、ベンズイミダゾール等の複素環化合物に由来する基、これらの複素環化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルキル基或いは芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基、直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基・シクロアルカンに由来する基をフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基等或いは前記の置換基がヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基で置換されている基等が挙げられる。
Rbとして好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。より好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基である。
2つのRbが相互に結合して形成する環としては、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基若しくはその誘導体等が挙げられる。
一般式(d−1)で表される基の具体的な構造を以下に示す。
化合物(D)は、下記一般式(A)で表される構造を有するものであることが特に好ましい。
なお、化合物(D)は、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物である限り、前記の塩基性化合物に相当するものであってもよい。
Rbは、前記一般式(d−1)におけるRbと同義であり、好ましい例も同様である。但し、−C(Rb)(Rb)(Rb)において、1つ以上のRbが水素原子のとき、残りのRbの少なくとも1つはシクロプロピル基、1−アルコキシアルキル基又はアリール基である。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=3である。
前記Raのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、上記基で置換されていてもよい)の具体例としては、Rbについて前述した具体例と同様な基が挙げられる。
本発明の組成物は、更に界面活性剤を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
これらに該当する界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファックF176、メガファックR08、OMNOVA社製のPF656、PF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341などが挙げられる。
その他、公知の界面活性剤が適宜使用可能である。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は界面活性剤を含有していても含有していなくてもよいが、含有する場合、界面活性剤の使用量は、組成物の全固形分に対し、好ましくは0〜2質量%、更に好ましくは0.0001〜2質量%、特に好ましくは0.0005〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を10ppm以下、或いは含有しないことも好ましい。これにより疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、レジスト膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、通常、溶剤を更に含有する。
この溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を含有しても良いモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
好ましく使用できる溶剤としては、常温常圧下で、沸点130℃以上の溶剤が挙げられる。具体的には、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネートが挙げられる。
本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
水酸基を含有する溶剤、水酸基を含有しない溶剤としては前述の例示化合物が適宜選択可能であるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有しても良いモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキルなどが好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
本発明の組成物は、上記に説明した成分以外にも、カルボン酸オニウム塩、Proceeding of SPIE,2724,355(1996)等に記載の分子量3000以下の溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤などを適宜含有することができる。
本発明のパターン形成方法は、レジスト膜を、露光、現像する工程を含んでいる。本発明において、前記露光が液浸露光であることが好ましい。
レジスト膜は、上記した本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成されるものであり、より具体的には、基板上に形成されることが好ましい。本発明のパターン形成方法に於いて、レジスト組成物による膜を基板上に形成する工程、膜を露光する工程、及び現像工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜10質量%、より好ましくは1〜8.0質量%、更に好ましくは1.0〜6.0質量%である。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記の成分を溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、支持体に塗布して用いる。フィルターとしては、ポアサイズ0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。なお、フィルターは、複数種類を直列又は並列に接続して用いてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行ってもよい。
組成物は、集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー等の適当な塗布方法により塗布される。その後乾燥し、感光性のレジスト膜を形成することができる。
製膜後、露光工程の前に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、露光工程の後かつ現像工程の前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜120℃で行うことが好ましく、80〜110℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行っても良い。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
活性光線又は放射線としては特に限定されないが、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV光、電子線等であり、ArFエキシマレーザー、EUV光、電子線が好ましい。
更に、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加してもよい。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
また、屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
レジスト膜と液浸液との間には、レジスト膜と液浸液との接触を避けるために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト膜上への塗布適性、放射線、特には193nmの波長を有した放射線に対する透明性、及び液浸液難溶性が挙げられる。トップコートとしては、レジスト膜と混合せず、レジスト膜上に均一に塗布できるものを用いることが好ましい。
トップコートは、193nmにおける透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましい。このようなポリマーとしては、例えば、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー及びフッ素含有ポリマーが挙げられる。上述した疎水性樹脂は、トップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染されるため、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は、少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、レジスト膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程がレジストの現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性であることが好ましいが、レジストとの非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には、屈折率の差がないか又は小さいことが好ましい。この場合、解像力を向上させることが可能となる。露光光源がArFエキシマレーザー(波長:193nm)の場合には、液浸液として水を用いることが好ましいため、ArF液浸露光用トップコートは、水の屈折率(1.44)に近いことが好ましい。
また、透明性及び屈折率の観点から、トップコートは、薄膜であることが好ましい。トップコートは、レジスト膜と混合せず、更に液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。また、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
本発明の電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
下記表2の酸発生剤(1)及び(2)の欄に記載の化合物A−1〜A−15(一般式(A−I)又は(A−II)で表される化合物)は、例えばWO2011/093139A1に記載の合成方法と同様の方法で合成した。
窒素気流下シクロヘキサノン11.5gを3つ口フラスコに入れ、これを85℃に加熱した。これに下記化合物(モノマー)を左から順に1.48g、3.66g、0.95g、2.19g、1.57g、及び、重合開始剤V−601(和光純薬製、0.68g)をシクロヘキサノン21.0gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、更に85℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン420g/酢酸エチル180gの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂C 9.1gが得られた。NMRから求めたポリマー組成比は15/30/10/30/15であった。得られた樹脂Cの重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で9100、分散度(Mw/Mn)は、1.51であった。
下記表2に示す成分を下記表2に示す溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度4質量%の溶液を調製し、これを0.05μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過して感活性光線性又は感放射性樹脂組成物(ポジ型レジスト溶液)を調製した。感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を下記の方法で評価し、結果を表2に示した。
なお、表2に於いて、感活性光線性又は感放射性樹脂組成物が疎水性樹脂(HR)を含有している場合、その使用形態を「添加」と標記した。感活性光線性又は感放射性樹脂組成物が疎水性樹脂(HR)を含有せず、膜を形成後、その上層に疎水性樹脂(HR)を含有するトップコート保護膜を形成させた場合、その使用形態を「TC」と標記した。
(露光条件:ArF液浸露光)
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚98nmの反射防止膜を形成した。その上に調製した感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmの膜を形成した。トップコートを用いる場合は、更にトップコート用樹脂(疎水性樹脂(HR))をデカン/オクタノール(質量比9/1)に溶解させた3質量%の溶液を前述で得られた膜上に塗布し、85℃で、60秒間ベークを行い、膜厚50nmのトップコート層を形成した。これにArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製 XT1700i、NA1.2)を用い、線幅48nmの1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してパターンを形成した。
得られた線幅48nmの1:1ラインアンドスペースパターンについて走査型顕微鏡(日立社製S9380)で観察し、ラインパターンの長手方向のエッジ2μmの範囲について、線幅を50ポイント測定し、その測定ばらつきについて標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
得られた線幅48nmの1:1ラインアンドスペースパターンの断面について走査型顕微鏡(日立社製S9380)で観察した。矩形状のものを○、裾引き形状のものを×、やや裾引き形状のものを△で示した。
調製したポジ型レジスト溶液について、調製直後の溶液中のパーティクル数(パーティクル初期値)と、4℃で1週間放置した後の溶液中のパーティクル数(経時後のパーティクル数)をリオン社製パーティクルカウンターKS−41にてカウントし、(経時後のパーティクル数)−(パーティクル初期値)で計算されるパーティクル増加数を算出した。なお、ここでは溶液1mL中に含まれる粒径0.25μm以上のパーティクルを数えた。
パーティクル評価は、増加数が、0.2個/ml以下の物を◎、0.2個/mlより多く1個/ml以下の物を○、1個/mlより多く5個/ml以下の物を△、5個/mlより多い物を×とした。
化合物A−X及びA−Yは下記化合物であり、一般式(A−I)又は(A−II)に該当しない化合物である。その他の酸発生剤の表中の略号は、前述の具体例で示したものである。
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
TEA:トリエタノールアミン
DBA:N,N−ジブチルアニリン
PBI:2−フェニルベンズイミダゾール
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
表中の略号は、前記具体例で示したものである。
W−1:メガファックF176(DIC(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(DIC(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:PF6320(OMNOVA Solutions Inc.製)(フッ素系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
A1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
A2:シクロヘキサノン
A3:γ―ブチロラクトン
B1:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
B2:乳酸エチル
また、一般式(A−I)で表される化合物と、一般式(A−II)で表される化合物とのアニオン構造が同一である酸発生剤の組み合わせを用いた実施例2、6及び9は、LWR及び経時でのパーティクル発生に関し、より優れた効果が得られた。
Claims (19)
- (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び
(B)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、
を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、前記化合物(A)として、少なくとも1種の下記一般式(A−I)で表される化合物と、少なくとも1種の下記一般式(A−II)で表される化合物との組み合わせを含有する、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(A−I)中、
R1は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
R2は、2価の連結基である。
Rfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
n1及びn2は、それぞれ独立して、0又は1である。
M1 +は、下記一般式(A−III)で表されるスルホニウムカチオンである。
一般式(A−III)中、
Arは、それぞれ独立して、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
一般式(A−II)中、
R1’は、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、又は、ヘテロアリール基である。
R2’は、2価の連結基である。
Rf’は、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基である。
n1’及びn2’は、それぞれ独立して、0又は1である。
M2 +は、下記一般式(A−IV)又は(A−V)で表されるスルホニウムカチオンである。
一般式(A−IV)中、
Xは、−CR21=CR22−、−NR23−、−S−、又は、−O−を表す。
R21、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、又は、アリール基を表す。
RIVは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。
n3は、0〜3の整数を表す。
n4は、0〜9の整数を表す。
Yは、下記一般式(A−VI−1)〜(A−VI−3)のいずれか一つで表される構造を表す。
一般式(A−VI−1)〜(A−VI−3)中、
RAは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。
nAは、0〜12の整数を表す。
nA’は、0〜6の整数を表す。
nA’’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
n5は、0〜3の整数を表す。
*は、結合手を表す。
一般式(A−V)中、
R24は、アリール基を表す。
R25、R26、R27及びR28は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又は、ビニル基を表し、R25とR26及びR27とR28はそれぞれ互いに連結して環を形成していても良い。 - 前記一般式(A−I)で表される化合物と、前記一般式(A−II)で表される化合物とのアニオン構造が同一である、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 前記一般式(A−I)中のR 1 が、多環の脂環式炭化水素基である、請求項1又は2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 前記一般式(A−II)中のR 1 ’が、多環の脂環式炭化水素基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 前記樹脂(B)が、下記一般式(VI)で表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
式(VI)中、
Bは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
R0は、複数個ある場合にはそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
又はウレア結合
を表す。ここで、Rは、各々独立して水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R8は、ラクトン構造又はスルトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、−R0−Z−で表される構造の繰り返し数であり、0〜2の整数を表す。
R7は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。 - 前記一般式(VI)において、nが1又は2である、請求項5に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 前記樹脂(B)が、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 前記樹脂(B)が、前記一般式(AI)で表される繰り返し単位として、下記一般式(I)で表される繰り返し単位及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位の少なくともいずれかを含有する、請求項8に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
上記一般式(I)及び(II)中、
R 1 及びR 3 は、各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH 2 −R 11 で表される基を表す。R 11 は水酸基又は1価の有機基を表す。
R 2 、R 4 、R 5 及びR 6 は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表し、脂環構造の環員には、酸素原子が含まれていてもよい。 - 前記樹脂(B)が、前記一般式(I)により表される繰り返し単位の少なくとも2種を含んだ樹脂であるか、又は前記一般式(I)により表される繰り返し単位と前記一般式(II)により表される繰り返し単位とを含んだ樹脂である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 更に、塩基性化合物を含有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 更に、下記一般式(A)で表される化合物を含有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(A)において、Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、n=2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に結合して、2価の複素環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。
Rbは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。Rbは相互に結合して環を形成していても良い。但し、−C(Rb)(Rb)(Rb)において、1つ以上のRbが水素原子のとき、残りのRbの少なくとも1つはシクロプロピル基、1−アルコキシアルキル基又はアリール基である。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=3である。 - 更に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する疎水性樹脂を含有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜。
- 請求項16に記載のレジスト膜を、露光、現像する工程を含むパターン形成方法。
- 前記露光が液浸露光である、請求項17に記載のパターン形成方法。
- 請求項17又は18に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
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