JP5814112B2 - 洗浄液、及び防食剤 - Google Patents

洗浄液、及び防食剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5814112B2
JP5814112B2 JP2011288930A JP2011288930A JP5814112B2 JP 5814112 B2 JP5814112 B2 JP 5814112B2 JP 2011288930 A JP2011288930 A JP 2011288930A JP 2011288930 A JP2011288930 A JP 2011288930A JP 5814112 B2 JP5814112 B2 JP 5814112B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
cleaning liquid
copper
cleaning
anticorrosive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011288930A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013136822A (ja
Inventor
智弥 熊谷
智弥 熊谷
卓矢 大橋
卓矢 大橋
崇弘 江藤
崇弘 江藤
大二郎 森
大二郎 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd filed Critical Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority to JP2011288930A priority Critical patent/JP5814112B2/ja
Priority to TW101149789A priority patent/TWI565836B/zh
Priority to US13/728,728 priority patent/US20130172224A1/en
Publication of JP2013136822A publication Critical patent/JP2013136822A/ja
Priority to US14/021,505 priority patent/US8802610B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP5814112B2 publication Critical patent/JP5814112B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

本発明は、洗浄液、並びに銅又は銅含有金属の防食剤に関する。
半導体デバイスは、シリコンウェーハ等の基板上に金属配線層、低誘電体層、絶縁層等を積層して形成されるものであり、このような半導体デバイスは、レジストパターンをマスクとしてエッチング処理を施すリソグラフィー法により、上記各層を加工して製造されている。
上記リソグラフィー法において用いられるレジスト膜、一時的積層膜(犠牲膜ともいう)、さらにはエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物は、半導体デバイスの支障とならないよう、また、次工程の妨げとならないよう、洗浄液を用いて除去される。
また、近年では、半導体デバイスの高密度化、高集積化に伴い、ダマシン法を用いた配線形成方法が採用されている。このような配線形成方法においては、半導体デバイスの金属配線層を構成する金属配線材料として腐食の発生しやすい銅や銅含有金属等が採用されている。
これらの半導体デバイスの製造方法では、除去対象の残渣物の種類に応じて、アルカリ性、酸性、又は中性の洗浄液が使用されており、洗浄液による銅や銅含有金属の腐食が問題となる。この銅や銅含有金属の腐食の問題は、酸性、又はアルカリ性の洗浄液を用いる場合に顕著である。従って、基板の洗浄時に、これらの銅や銅含有金属等を腐食させない洗浄液の開発が求められてきた。
かかる洗浄液による銅や銅含有金属等の腐食の問題を解決するために、例えば、分子内に少なくとも1つのメルカプト基を含み、隣接する炭素原子にメルカプト基と水酸基とが結合する、炭素数2以上のアルコールを防食剤として含有する洗浄液が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2000−273663号公報
しかし、特許文献1に記載の防食剤を含む洗浄液は、銅等の金属に対する腐食防止効果はある程度認められるが、その腐食防止効果はさらなる改善が求められるものであった。
本発明は、銅又は銅含有金属に対して優れた防食効果を有する洗浄液、及び防食剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、特定の構造の芳香族メルカプト化合物が優れた防食効果を有し、防食剤として有用であることを見出した。また、本発明者らは、この芳香族メルカプト化合物を防食剤として洗浄液に加えることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
本発明の第一の態様は、(A)下記式(1)で表される化合物と、(B)溶剤とを含有する洗浄液である。
Figure 0005814112
(式(1)において、Rは、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のメルカプトアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基及びハロゲン原子からなる群より選択される基であり、mは1〜3の整数であり、nは0〜3の整数であり、mが2又は3である場合、Rは同一であっても異なっていてもよい。)
本発明の第二の態様は、上記式(1)で表される化合物からなる、銅又は銅含有金属の防食剤である。
本発明によれば、銅又は銅含有金属に対して優れた防食効果を有する洗浄液、及び防食剤を提供することができる。
≪洗浄液≫
本発明に係る洗浄液は、(A)下記式(1)で表される化合物と、(B)溶剤とを含有する洗浄液である。
<(A)式(1)で表される化合物>
洗浄剤は、例えば、銅や銅含有金属等により配線が形成された基板等の被洗浄物の洗浄に使用される。かかる洗浄により、被洗浄物の表面に付着する、レジスト膜、一時的積層膜、エッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物等が、被洗浄物の表面から除去される。洗浄剤が下記式(1)で表される化合物を含む場合、銅や銅含有金属からなる配線の腐食を抑制することができ、洗浄時の、配線の抵抗値の変化や、断線の発生を抑制することができる。
Figure 0005814112
(式(1)において、Rは、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のメルカプトアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基及びハロゲン原子からなる群より選択される基であり、mは1〜3の整数であり、nは0〜3の整数であり、mが2又は3である場合、Rは同一であっても異なっていてもよい。)
Rが炭素数1〜4の水酸基を有していてもよいアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、及びtert−ブチル基が挙げられる。これらのアルキル基の中では、溶剤への溶解性が好適となるためメチル基、ヒドロキシメチル基、又はエチル基が好ましく、防食効果がより高まるためメチル基又はヒドロキシメチル基がより好ましい。
Rが炭素数1〜4のアルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、及びtert−ブチルオキシ基が挙げられる。これらのアルコキシ基の中では、溶剤への溶解性が好適となるためメトキシ基、又はエトキシ基が好ましく、防食効果がより高まるためメトキシ基がより好ましい。
Rが炭素数1〜4のアルキルチオ基である場合の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、及びtert−ブチルチオ基が挙げられる。これらのアルキルチオ基の中では、溶剤への溶解性が好適となるためメチルチオ基、又はエチルチオ基が好ましく、防食効果がより高まるためメチルチオ基がより好ましい。
Rが炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基である場合の具体例としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基等が挙げられる。これらのヒドロキシアルキル基の中では、溶剤への溶解性が好適となるため、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、又は1−ヒドロキシエチル基が好ましく、防食効果がより高まるためヒドロキシメチル基がより好ましい。
Rが炭素数1〜4のメルカプトアルキル基である場合の具体例としては、メルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基、1−メルカプトエチル基、3−メルカプト−n−プロピル基、4−メルカプト−n−ブチル基等が挙げられる。これらのメルカプトアルキル基の中では、溶剤への溶解性が好適となるため、メルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基、又は1−メルカプトエチル基が好ましく、防食効果がより高まるためメルカプトメチル基がより好ましい。
Rが炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基である場合、ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。Rが炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基である場合の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリフルオロメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−フルオロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1−クロロ−2−フルオロエチル基、3−クロロ−n−プロピル基、3−ブロモ−n−プロピル基、3−フルオロ−n−プロピル基、及び4−クロロ−n−ブチル基等が挙げられる。これらのハロゲン化アルキル基の中では、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、又はトリフルオロメチル基が好ましく、防食効果がより高まるためクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はトリフルオロメチル基がより好ましい。
Rがハロゲン原子である場合の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素が挙げられる。
式(1)において、mは1〜3の整数であり、1がより好ましい。mが2又は3である場合、Rは同一であっても異なっていてもよい。
式(1)で表される化合物において、ベンゼン環上のRの置換位置は特に限定されない。高い防食効果を得やすい点から、ベンゼン環上のRの置換位置は−(CH−SHの結合位置に対してメタ位又はパラ位であるのが好ましい。
式(1)で表される化合物としては、銅又は銅含有金属に対する防食性に優れ、且つ洗浄液中での安定性に優れることから、Rとして、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びメルカプトアルキル基からなる群より選択される基を、少なくとも1つ有する化合物が好ましく、Rとして、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びメルカプトアルキル基からなる群より選択される基を1つ有する化合物がより好ましい。式(1)で表される化合物が、Rとして、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びメルカプトアルキル基からなる群より選択される基を1つ有する場合、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はメルカプトアルキル基のベンゼン環上の置換位置は、−(CH−SHの結合位置に対してメタ位又はパラ位であるのが好ましく、パラ位であるのがより好ましい。
式(1)において、nは0〜3の整数である。化合物の調製や、入手が容易であることからnは0又は1であるのが好ましく、0であるのがより好ましい。
式(1)で表される化合物の具体例としては、p−メルカプトフェノール、p−チオクレゾール、m−チオクレゾール、4−(メチルチオ)ベンゼンチオール、4−メトキシベンゼンチオール、3−メトキシベンゼンチオール、4−エトキシベンゼンチオール、4−イソプロピルオキシベンゼンチオール、4−tert−ブトキシベンゼンチオール、3,4−ジメトキシベンゼンチオール、3,4,5−トリメトキシベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、4−n−ブチルベンゼンチオール、4−tert−ブチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、3−イソプロピルベンゼンチオール、3−n−ブチルベンゼンチオール、3−tert−ブチルベンゼンチオール、3,5−ジメチルベンゼンチオール、3,4−ジメチルベンゼンチオール、3−tert−ブチル−4−メチルベンゼンチオール、3−tert−4−メチルベンゼンチオール、3−tert−ブチル−5−メチルベンゼンチオール、4−tert−ブチル−3−メチルベンゼンチオール、4−メルカプトベンジルアルコール、3−メルカプトベンジルアルコール、4−(メルカプトメチル)フェノール、3−(メルカプトメチル)フェノール、4−フルオロベンゼンチオール、3−フルオロベンゼンチオール、4−クロロベンゼンチオール、3−クロロベンゼンチオール、4−ブロモベンゼンチオール、4−ヨードベンゼンチオール、3−ブロモベンゼンチオール、3,4−ジクロロベンゼンチオール、3,5−ジクロロベンゼンチオール、3,4−ジフルオロベンゼンチオール、3,5−ジフルオロベンゼンチオール、4−メルカプトカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メルカプトフェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシベンゼンチオール、4−ブロモ−3−メチルベンゼンチオール、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、3−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、4−メチルチオベンゼンチオール、4−エチルチオベンゼンチオール、4−n−ブチルチオベンゼンチオール、及び4−tert−ブチルチオベンゼンチオール等が挙げられる。これらの化合物の中では、銅や銅含有金属に対する防食効果が高く、入手が容易であることから、p−メルカプトフェノール、p−チオクレゾール、m−チオクレゾール、4−(メチルチオ)ベンゼンチオール、4−メトキシベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、4−フルオロベンゼンチオール、4−クロロベンゼンチオール、及び4−ブロモベンゼンチオールがより好ましい。また、銅や銅含有金属に対する防食効果が高く、且つ洗浄液中での安定性に優れることから、4−メルカプトベンジルアルコール、及び4−(メルカプトメチル)フェノールも好ましい。
式(1)で表される化合物の、洗浄液における含有量は、洗浄液の洗浄効果を阻害せず、洗浄剤中に式(1)で表される化合物が均一に溶解可能であれば特に限定されない。洗浄液における、式(1)で表される化合物の含有量は、洗浄液の質量に対して、0.05〜5.0質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。式(1)で表される化合物を、かかる範囲の量で洗浄液に加える場合、良好な金属の防食効果を得つつ、洗浄液により洗浄された、被洗浄物を、水等によりリンスする場合に、式(1)で表される化合物の析出を抑制しやすい。なお、洗浄液において、式(1)で表される化合物は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
<(B)溶剤>
洗浄液は、式(1)で表される化合物や、後述する(C)アルカリ性化合物、又は酸性化合物や(D)その他の添加剤を溶解させる(B)溶剤を含む。溶剤は、洗浄液に含まれる成分を均一に溶解させることができるものであれば特に限定されず、水、有機溶剤、及び有機溶剤の水溶液の何れも用いることができる。
有機溶剤は、水溶性有機溶剤であっても、疎水性有機溶剤であってもよいが、水溶性有機溶剤が好ましい。溶剤に含まれる有機溶剤が水溶性である場合、被洗浄物の表面に残留する洗浄液を、水により被洗浄物をリンスすることによって除去しやすい点で好ましい。
水溶性有機溶剤の好適な例としては、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のラクタム類;β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジイソプロピル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリジノン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、及びその誘導体;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類を挙げることができる。
これらの水溶性有機溶剤の中では、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルがより好ましい。
洗浄液に含まれる溶剤が、水溶性有機溶剤を含む場合、被洗浄物に付着する親水性の残渣と疎水性の残渣との双方を除去しやすいことから、水溶性有機溶剤を水とともに用いるのが好ましい。
洗浄液における溶剤の含有量は、洗浄液に溶解させる成分の使用量に応じて自ずと定まる。洗浄液に含まれる溶剤が、水と水溶性有機溶剤とを含む場合、洗浄液における水溶性有機溶剤の含有量は、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。洗浄液が水を含まない場合、洗浄液における水性有機溶剤の含有量は、50〜99質量%が好ましく、75〜95質量%がより好ましい。
<(C)アルカリ性化合物、又は酸性化合物>
洗浄液としては、アルカリ性洗浄液、酸性洗浄液、及び中性洗浄液の何れも使用でき、被洗浄物に付着する、除去対象の残渣物の種類に応じて適宜選択される。これらの洗浄液の中では、洗浄効果に優れる点から、アルカリ性、又は酸性の洗浄液が好ましい。洗浄液が、アルカリ性、又は酸性の洗浄液である場合、洗浄液には、アルカリ性化合物、又は酸性化合物が配合される。ただし、アルカリ性の洗浄液について、溶剤が塩基性化合物であるアルカノールアミン類を含む場合、必ずしも、洗浄液にアルカリ性化合物を配合する必要は無い。
洗浄液がアルカリ性である場合、洗浄液に配合されるアルカリ性化合物は、有機、又は無機のアルカリ性化合物から適宜選択される。有機のアルカリ性化合物としては、種々の塩基性の含窒素有機化合物を用いることができる。塩基性の含窒素有機化合物の中では、4級アンモニウム水酸化物が好ましい。4級アンモニウム水酸化物の好適な例としては、テトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラエチルアンモニウム水酸化物、テトラプロピルアンモニウム水酸化物、テトラブチルアンモニウム水酸化物、エチルトリメチルアンモニウム水酸化物、ジメチルジエチルアンモニウム水酸化物、メチルトリエチルアンモニウム水酸化物、メチルトリプロピルアンモニウム水酸化物、メチルトリブチルアンモニウム水酸化物、ベンジルトリメチルアンモニウム水酸化物、及び(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム水酸化物等が挙げられる。これらの4級アンモニウム水酸化物の中では、洗浄液の洗浄効果が良好であることから、テトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラプロピルアンモニウム水酸化物、テトラブチルアンモニウム水酸化物、ベンジルトリメチルアンモニウム水酸化物及びテトラエチルアンモニウム水酸化物が好ましく、テトラメチルアンモニウム水酸化物又はテトラブチルアンモニウム水酸化物がより好ましい。有機のアルカリ性化合物は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機のアルカリ性化合物の洗浄液への配合量は、化合物の塩基性の強さによっても異なるが、典型的には、洗浄液の質量に対して、1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。
無機のアルカリ性化合物は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の化合物を用いることができる。無機のアルカリ性化合物の好適な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。無機のアルカリ性化合物は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機のアルカリ性化合物の洗浄液への配合量は、化合物の塩基性の強さによっても異なるが、典型的には、洗浄液の質量に対して、0.1質量ppm〜1質量%が好ましく、1質量ppm〜0.5質量%がより好ましい。
洗浄液が酸性である場合、洗浄液に配合される酸性化合物は、本発明の目的を阻害しない範囲でプロトン酸から適宜選択される。好適な酸性化合物の具体例としては、塩酸、フッ酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、クエン酸、グリコール酸、ジグリコール酸、燐酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のプロトン酸が挙げられる。酸性化合物は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸性化合物の洗浄液への配合量は、化合物の酸性の強さによっても異なるが、典型的には、洗浄液の質量に対して、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。1.0〜10質量%がさらに好ましい。
<(D)その他の添加剤>
洗浄液は、本発明の目的を阻害しない範囲で、式(1)で表される化合物、アルカリ性、又は酸性物質の他に、洗浄液に通常配合し得る種々の添加剤を含んでいてもよい。洗浄液に配合することができる、その他の添加剤の好適な例としては、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤等が挙げられる。
その他の添加剤の使用量は、添加剤の種類によって適宜定められる。その他の添加剤は、洗浄剤において、通常使用される範囲の量で、洗浄剤に配合される。
≪被洗浄物の洗浄方法≫
式(1)で表される化合物を含む洗浄液により洗浄される、被洗浄物は特に限定されない。被洗浄物が、銅又は銅含有合金からなる金属層を備える基板である場合、式(1)で表される化合物を含む洗浄液により基板を洗浄する場合でも、金属層の腐食が良好に抑制される。銅又は銅含有合金からなる金属層を備える基板の好適な例としては、シリコンウェーハ等の基板上に金属配線層、低誘電体層、絶縁層等を積層して半導体デバイスが形成された基板が好ましい。
被洗浄物の洗浄方法は、通常行われる方法であれば特に限定されない。具体的には、例えば浸漬法、パドル法、シャワー法等を用いて、上記の洗浄液を被洗浄物に1〜40分間接触させることにより処理される。洗浄は、通常は室温で行われるが、洗浄効果を高めるため洗浄液を85℃程度まで昇温させて行ってもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜10、及び比較例1〜4〕
防食剤として表2に記載の化合物を用いた。下表1に記載の比率で、洗浄液に含まれる各成分を混合し、均一に溶解した洗浄液を調製した。なお、比較例1では、防食剤を使用しなかったため、洗浄液における水の含有量を50.30質量%とした。
Figure 0005814112
得られた洗浄液を用いて、下記方法に従って、防食試験を行った。各実施例、及び比較例の洗浄液を用いて、防食試験を行った際の、銅膜の腐食量(nm)を、表2に示す。
<防食試験方法>
スパッタ法により膜厚30nmの銅膜が表面に形成されたシリコン基板から、4cm×2cmのサイズに切り出された試験片を、被洗浄物として用いた。試験容器としては、容量100mlのガラス製ビーカーを用いた。試験片の短辺がビーカーの底面に接するように、試験片をビーカーの内壁に立てかけて試験を行った。各実施例、及び比較例の50℃に温められた洗浄液を、試験片が入ったビーカーにゆっくりと注いだ後、洗浄液の温度を50℃に保持した状態で、試験片を10分間、洗浄液に浸漬した。浸漬中は、1段プロペラ翼が取り付けられた撹拌装置により、回転数200rpmにて、洗浄液を撹拌した。浸漬終了後、試験片を洗浄液から引き上げ、試験片表面を水によりリンスした後、試験片表面に窒素を吹きつけ、試験片を乾燥させた。乾燥後の試験片の銅膜が形成された表面の表面抵抗値を、VR−70(国際電気株式会社製)により測定した。表面抵抗値から銅膜の腐食量を算出した。
Figure 0005814112
実施例1〜10と、比較例1とによれば、式(1)で表される防食剤を含む洗浄剤であれば、洗浄工程における銅の腐食を極めて良好に抑制できることが分かる。一方、比較例2〜4によれば、式(1)で表される化合物と同様にメルカプト基を有する化合物であっても、式(1)に含まれない化合物を防食剤として用いた洗浄液では、銅膜の腐食は抑制されても、ある程度銅膜が腐食されることが分かる。
〔実施例11、及び12〕
p−チオクレゾールの含有量を0.30質量%から0.10質量%に変えることと、水の含有量を50.00質量%から50.20質量%に変えることの他は、実施例2と同様に実施例11の洗浄液を調製した。また、p−チオクレゾールの含有量を0.30質量%から0.70質量%に変えることと、水の含有量を50.00質量%から49.60質量%に変えることの他は、実施例2と同様に実施例12の洗浄液を調製した。
実施例11及び12の洗浄液を用いて、実施例2と同様に防食試験を行ったところ、実施例11の洗浄液による銅膜腐食量は、0.35nmであり、実施例12の洗浄液による銅膜腐食量は0.15nmであった。
実施例2と実施例11とによれば、洗浄液中の防食剤の含有量を0.10質量%程度まで減らす場合、やや銅膜腐食量は増加するものの、優れた防食効果を維持できることが分かる。また、実施例2と実施例12とによれば、洗浄液中の防食剤の含有量を、増加させることによって、洗浄液の防食効果をさらに優れたものとできることが分かる。
〔実施例13、及び比較例5〕
防食剤として表4に記載の化合物を用いた。下表3に記載の比率で、洗浄液に含まれる各成分を混合し、均一に溶解した洗浄液を調製した。なお、比較例5では、防食剤を使用しなかったため、洗浄液における水の含有量を50.30質量%とした。
Figure 0005814112
Figure 0005814112
実施例2、及び実施例13と、比較例5とによれば、アルカリ性の洗浄液において、洗浄液に含まれるアルカリ性物質の種類によらず、式(1)で表される防食剤を用いることにより、洗浄工程における銅の腐食を極めて良好に抑制できることが分かる。
〔実施例14、及び比較例6〕
防食剤として表6に記載の化合物を用いた。下表5に記載の比率で、洗浄液に含まれる各成分を混合し、均一に溶解した洗浄液を調製した。なお、比較例6では、防食剤を使用しなかったため、洗浄液における水の含有量を50.30質量%とした。
Figure 0005814112
Figure 0005814112
実施例14と、比較例6とによれば、酸性の洗浄液においても、式(1)で表される防食剤を用いることにより、洗浄工程における銅の腐食を極めて良好に抑制できることが分かる。

Claims (4)

  1. (A)下記式(1)で表される化合物と、(B)溶剤とを含有する洗浄液。
    Figure 0005814112
    (式(1)において、Rは、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のメルカプトアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基及びハロゲン原子からなる群より選択される基であり、mは1〜3の整数であり、nは0〜3の整数であり、mが2又は3である場合、Rは同一であっても異なっていてもよい。Rの結合位置は、−(CH −SHの結合位置に対してメタ位又はパラ位である。
  2. 前記Rが水酸基である、請求項1記載の洗浄液。
  3. 銅又は銅含有合金からなる金属層を備える基板の洗浄に用いられる、請求項1又は2記載の洗浄液。
  4. 下記式(1)で表される化合物からなる、銅又は銅含有合金の防食剤。
    Figure 0005814112
    (式(1)において、Rは、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のメルカプトアルキル基、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基及びハロゲン原子からなる群より選択される基であり、mは1〜3の整数であり、nは0〜3の整数であり、mが2又は3である場合、Rは同一であっても異なっていてもよい。Rの結合位置は、−(CH −SHの結合位置に対してメタ位又はパラ位である。
JP2011288930A 2011-12-28 2011-12-28 洗浄液、及び防食剤 Active JP5814112B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011288930A JP5814112B2 (ja) 2011-12-28 2011-12-28 洗浄液、及び防食剤
TW101149789A TWI565836B (zh) 2011-12-28 2012-12-25 Cleaning solution and anti-corrosion agent
US13/728,728 US20130172224A1 (en) 2011-12-28 2012-12-27 Cleaning liquid, and anticorrosive agent
US14/021,505 US8802610B2 (en) 2011-12-28 2013-09-09 Cleaning liquid and anticorrosive agent comprising a mercapto compound and solvent

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011288930A JP5814112B2 (ja) 2011-12-28 2011-12-28 洗浄液、及び防食剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013136822A JP2013136822A (ja) 2013-07-11
JP5814112B2 true JP5814112B2 (ja) 2015-11-17

Family

ID=48912760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011288930A Active JP5814112B2 (ja) 2011-12-28 2011-12-28 洗浄液、及び防食剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5814112B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7073832B2 (ja) * 2018-03-23 2022-05-24 三菱ケミカル株式会社 機器の洗浄方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4114296B2 (ja) * 1999-01-20 2008-07-09 住友化学株式会社 金属の腐食防止剤及び洗浄液
US6365067B1 (en) * 1999-08-12 2002-04-02 Baker Hughes Incorporated Mercaptoalcohol corrosion inhibitors
JP2004247416A (ja) * 2003-02-12 2004-09-02 Toshiba Corp 洗浄用処理液および電子デバイスの製造方法
US7384900B2 (en) * 2003-08-27 2008-06-10 Lg Display Co., Ltd. Composition and method for removing copper-compatible resist
JP4869782B2 (ja) * 2006-05-15 2012-02-08 朝日化学工業株式会社 腐食抑制剤、金属酸洗浄液組成物および金属の酸洗浄方法
JP2007262579A (ja) * 2007-03-29 2007-10-11 Hitachi Chem Co Ltd 銅の表面処理方法及び銅
JP5424461B2 (ja) * 2009-03-27 2014-02-26 Jx日鉱日石金属株式会社 無電解錫又は錫合金めっき液及び該めっき液を用いて錫又は錫合金被膜を形成した電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013136822A (ja) 2013-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102646614B1 (ko) 리소그래피용 세정액, 및 기판의 세정 방법
TWI598439B (zh) Lithography with cleaning solution and the formation of wiring methods
JP6963684B2 (ja) 半導体装置の製造においてケイ素−ゲルマニウム/ケイ素積層体からケイ素およびケイ素−ゲルマニウム合金を同時に除去するためのエッチング溶液
KR20110126037A (ko) 세정 조성물, 반도체 장치의 제조 방법 및 세정 방법
JP2009075285A (ja) 半導体デバイスの剥離液、及び、剥離方法
EP1789527A1 (en) Cleaning compositions for microelectronics substrates
JP6917961B2 (ja) 半導体デバイスの製造中に窒化チタンに対して窒化タンタルを選択的に除去するためのエッチング液
EP3351658B1 (en) Etching solution for tungsten and gst films
JP6965143B2 (ja) 洗浄液、防食剤、及びこれらを製造する方法
KR101749610B1 (ko) 다중-금속 소자 처리를 위한 글루콘산 함유 포토레지스트 세정 조성물
JP6965144B2 (ja) 洗浄液及びこれを製造する方法
JP5814112B2 (ja) 洗浄液、及び防食剤
US8802610B2 (en) Cleaning liquid and anticorrosive agent comprising a mercapto compound and solvent
JP6061527B2 (ja) 非水系洗浄剤及びケイ素基板のエッチング加工方法
JP5924761B2 (ja) 洗浄液、及び防食剤
KR101354419B1 (ko) 반도체 드라이 프로세스 후의 잔사 제거액 및 그것을 이용한 잔사 제거 방법
JP6468716B2 (ja) リソグラフィー用洗浄液、及び基板のエッチング加工方法
JP2019124948A (ja) リソグラフィー用洗浄液、及び基板の洗浄方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150825

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150917

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5814112

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150