JP5813909B2 - 板状押出発泡体用スチレン系樹脂組成物の製造方法及び板状押出発泡体の製造方法 - Google Patents
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Description
性に優れ、機械的強度に優れた板状押出発泡体を製造することに適した板状押出発泡体用スチレン系樹脂組成物の製造方法及び板状押出発泡体の製造方法を提供することを目的としている。
1.200℃、49N荷重の条件にて測定したメルトマスフローレイト(MFR)が1.0〜6.0g/10分で、200℃で測定した溶融張力値が11〜19gfで、重量平均分子量(Mw)が25万〜40万で、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5〜8.0、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.2〜3.0であることを特徴とする板状押出発泡体用スチレン系樹脂組成物。
2.スチレン系樹脂組成物中の残存スチレンモノマー及び重合溶媒の総量が250μg/g以下であることを特徴とする1項に記載の板状押出発泡体用スチレン系樹脂組成物。
3.重合溶媒としてエチルベンゼンを2〜10質量%使用し、スチレンモノマーの連続ラジカル重合を行うに当たり、重合開始剤として2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンをスチレンモノマーに対して質量基準で100〜500ppm添加し、ポリマー濃度が35〜50質量%に達するまでは1〜2基からなる完全混合槽型反応器を直列に接続した工程にて100〜120℃の温度で生成するポリマーの重量平均分子量(Mw)が45万〜65万となるよう重合を行い、次いでポリマー濃度が70〜90%に達するまでは150℃〜210℃の温度でZ平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.2〜3.0となるよう重合を行うことを特徴とする1〜2項のいずれか1項に記載の板状押出発泡体用スチレン系樹脂組成物の製造方法。
4.連続ラジカル重合で得られたスチレン系樹脂と未反応スチレンモノマー及び重合溶媒を除去する脱揮工程において、加熱器付きの真空脱揮槽を直列に2段接続したものを用い、1段目の真空脱揮槽での樹脂温度は220〜260℃に調整し出口の未反応スチレンモノマーと重合溶媒の合計量が0.2質量%以下となるよう真空度を6.0kPa以下に調整し、1段目の真空脱揮槽を出たポリマー溶液に対して0.2〜2.0質量%の水を添加し、動的又は静的混合機にて水を分散し、真空度を0.5〜3.0kPaの範囲に調整した2段目の真空脱揮槽に導入し脱揮処理することを特徴とする1〜3項のいずれか1項に記載の板状押出発泡体用スチレン系樹脂組成物の製造方法。
5.1〜2項のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物を発泡押出し、密度が10〜50kg/m3であることを特徴とする板状押出発泡体の製造方法。
6.5項に記載の製造方法によって得られる板状押出発泡体。
本発明における重量平均分子量(Mw)及びZ平均分子量(Mz)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−B
移動相:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃、注入口35℃、検出器35℃
検出器:示差屈折計
本発明の分子量は、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
本発明における残存スチレンモノマー及び重合溶媒の量は、樹脂組成物500mgを、内部標準物質としてシクロペンタノールを含むDMF10mlに溶解し、ガスクロマトグラフィーを用いて以下の条件で測定した。
ガスクロマトグラフ:HP−5890(ヒューレットパッカード社製)
カラム:HP−WAX、0.25mm×30m、膜厚0.5μm
インジェクション温度:220℃
カラム温度:60℃〜150℃、10℃/min
ディテクター温度:220℃
スプリット比:30/1
残存スチレンモノマー及び重合溶媒は、脱揮工程の構成及び脱揮工程の運転条件により、低減することができる。
完全混合型撹拌槽である第1反応器と第2反応器及び静的混合器付プラグフロー型反応器である第3反応器を直列に接続して重合工程を構成した。各反応器の容量は、第1反応器を39リットル、第2反応器を39リットル、第3反応器を16リットルとした。表1に記載の原料組成にて、原料溶液を作成し、第1反応器に原料溶液を表1に記載の流量にて連続的に供給した。重合開始剤は、第1反応器の入口で表1に記載の添加濃度(原料スチレンに対する質量基準の濃度)となるように原料溶液に添加混合した。表1に記載の重合開始剤はそれぞれ次の通りである。
重合開始剤−1 :2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(日本油脂株式会社製パーテトラAを使用した。)
なお、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分、出口部分で表1の温度となるよう調整した。
続いて、第3反応器より連続的に取り出した重合体を含む溶液を直列に2段より構成される予熱器付き真空脱揮槽に導入し、表1に記載の樹脂温度となるよう予熱器の温度を調整し、表1に記載の圧力に調整することで、未反応スチレン及びエチルベンゼンを分離した後、多孔ダイよりストランド状に押し出しして、コールドカット方式にて、ストランドを冷却および切断しペレット化した。なお、PS−1〜4は実施例に使用し、PS−5〜8は比較例に使用した。
メタノール可溶分(質量%)=(P−N)/P×100
○:気泡のサイズが均一で独立している。
△:気泡のサイズがやや不均一で、一部連続した気泡が存在する。
×:気泡のサイズが不均一で、一部連続した気泡がやや多く存在する。
表2に記載されたスチレン系樹脂組成物100質量部に対して、ヘキサブロモシクロヘキサンを4質量部、気泡調整剤としてタルクを0.5質量部添加した後ブレンドし、得られた混合物を40mm径の単軸押出機(シリンダー温度200℃)に供給し、溶融混合した後、発泡剤としてブタンガス5質量部を圧入した。その後、65mm径の単軸押出機に移送し、出口の樹脂温度が130℃となるよう冷却し、押出機の先端に厚さ2mm、幅方向40mmの長方形断面のスリットを有するダイより押出して、厚さ約40mmの板状の発泡体を製造した。それぞれの組成物について、表2の発泡体密度及び気泡径となるよう、発泡剤量や気泡調整剤の量を調整した。得られた発泡体の発泡性、圧縮強度を表2に示す。
Claims (4)
- 重合溶媒としてエチルベンゼンを2〜10質量%使用し、スチレンモノマーの連続ラジカル重合を行うに当たり、重合開始剤として2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンをスチレンモノマーに対して質量基準で100〜500ppm添加し、ポリマー濃度が35〜50質量%になるまで、1〜2基からなる完全混合槽型反応器を直列に接続した工程にて、100〜120℃の温度で、生成するポリマーの重量平均分子量(Mw)が45万〜65万となるよう重合を行う第1重合工程と、
引き続き、プラグフロー型反応器又はプラグフロー型反応器と完全混合槽型反応器とを組み合わせた工程にて、ポリマー濃度が70〜90質量%になるまで、150℃〜210℃の温度で、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.2〜3.0となるよう重合を行う第2重合工程と、
前記第2重合工程で得られたスチレン系樹脂から未反応スチレンモノマー及び重合溶媒を除去する脱揮工程と、を有し、
前記脱揮工程は、加熱器付きの真空脱揮槽を直列に2段接続した装置を用いて、1段目の真空脱揮槽での樹脂温度は220〜260℃に調整し出口の未反応スチレンモノマーと重合溶媒の合計量が0.2質量%以下となるよう真空度を6.0kPa以下に調整し、1段目の真空脱揮槽を出たポリマー溶液に対して0.2〜2.0質量%の水を添加し、動的又は静的混合機にて水を分散し、真空度を0.5〜3.0kPaの範囲に調整した2段目の真空脱揮槽に導入して脱揮処理を行い、残存スチレンモノマー及び重合溶媒の総量を250μg/g以下にし、
厚さが10〜150mm、密度が10〜50kg/m 3 の板状押出発泡体に用いられる板状押出発泡体用スチレン系樹脂組成物の製造方法。 - 前記1段目の真空脱揮槽を出たポリマー溶液における未反応スチレンモノマー及び重合溶媒の総含有量をA(質量%)、前記ポリマー溶液に対して添加される水の濃度をB(質量%)としたとき、BとAの比(=B/A)が1〜30であることを特徴とする請求項1に記載の板状押出発泡体用スチレン系樹脂組成物の製造方法。
- 200℃、49N荷重の条件にて測定したメルトマスフローレイト(MFR)が1.0〜6.0g/10分で、200℃で測定した溶融張力値が11〜19gfで、重量平均分子量(Mw)が25万〜40万で、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.5〜8.0、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)が2.2〜3.0であるスチレン系樹脂組成物を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の板状押出発泡体用スチレン系樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたスチレン系樹脂組成物を、発泡させながら押出成形し、厚さが10〜150mm、密度が10〜50kg/m3の板状発泡体を得る板状押出発泡体の製造方法。
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