以下、図面を参照しつつ、この発明を実施するための形態について説明する。
この実施形態の放熱板付きLED発光装置は、LEDチップを1個または複数個搭載したものがある。そして、LEDチップを複数個搭載する場合において、LEDチップを直列に複数個接続して搭載したものとLEDチップを並列に複数個接続して搭載したものがある。また、この実施形態に使用するLEDチップは一般的なものを用いて良い。そしてこの度は、図27に示すタイプAのLEDチップ、図28に示すタイプBのLEDチップ、図29に示すタイプCのLEDチップを用いた。そして、図27ないし図29の(A)は正面図(B)は底面図を示す。これらのLEDチップは、電極パッド9、放熱パッド10、LED素子11、セラミック基板12、封止部13で構成されている。
電極パッド9は、LED素子11に電圧を印加するためのものであり、互いに異なる電位が付与される。例えば、カソード電極パッド9Cには基準電位が付与され、アノード電極パッド9Aには基準電位に対して正となる電位が付与される。放熱パッド10は、LED素子11の放熱を促進するためのものであり、LED素子11とは導通されていない。特に図示しないが、セラミック基板12の内部では、放熱パッド10に接続され、LED素子11には接続されていない配線が延びている。一般には、放熱パッド10は電位が付与されず、カソード電極パッド9Cおよびアノード電極パッド9Aに対して浮遊状態とされる。
(第1の放熱板付きLED発光装置の製造方法及び構成)
最初に、図27(A)(B)に示すタイプAのLEDチップ14Aを複数個直列に接続して搭載した、第1の放熱板付きLED発光装置の製造方法について説明する。
図1(A)に示すように、絶縁基材1の片面に、接着剤保護フィルム3を設けた接着剤2をローラーで貼り付ける。前記絶縁基材1は、白色であって光の反射率が80%以上のものを用いると良い。例えば、厚さが50ないし100μmで光の反射率が80%以上の(株)クラレ製の商品名「ベクスター」を用いてよい。また、樹脂を発泡させた板を用いて良く、例えば、光の反射率が98%以上の積水化成品工業(株)製の商品名「レフテラス」を用いて良い。そして、接着剤2は、一般的なエポキシ系またはアクリル系の物を用いて良い。
次に、図1(B)に示すように、金型を用いてLEDチップ搭載用開口部4を複数個打ち抜いて形成する。この時、後述する図2に示す貫通穴26用の下穴も同時に打ち抜き形成する。
次に、前記接着剤保護フィルム3を剥離しつつ、熱と圧力を加えて導電体5を接着剤2に貼り付ける。前記、導電体5には一般的な銅箔を用いて良く、その状態を図1(C)に示す。
次に、導電体5の表面にフォトレジストを塗布し、露光、現像を行ってエッチングレジストパターンを形成した後、LEDチップ搭載用開口部4内に露出した導電体5を樹脂で覆い、その後エッチングを行ってからエッチングレジストパターン及び前記導電体5を覆った樹脂を除去する。このようにして、図1(D)に示すように、熱伝導パターン7および電極端子8を設けた配線パターン6を形成する。そして、配線パターン6には防錆や半田付けを目的にしためっき(図示せず)を行って、第1の3層プリント配線基板15Aを形成する。そして図2は、前記第1の3層プリント配線基板15Aの平面を示す。ところで、この図2に示す貫通穴26は、前記エッチングを行って同時に形成する。
次に、図1(E)に示すように、前記第1の3層プリント配線基板15Aの上下を入れ替えてから、LEDチップ搭載用開口部4内の熱伝導パターン7および電極端子8の上面に半田ペースト(図示せず)を塗布する。次に、タイプAのLEDチップ14AをLEDチップ搭載用開口部4に一致させて位置決めし、更にアノード電極端子8Aとアノード電極パッド9Aを対応させ、またカソード電極端子8Cとカソード電極パッド9Cを対応させ、そしてまた、熱伝導パターン7と放熱パッド10を対応させて載置する。
次に、図1(F)に示すように、400℃程度に加熱した加熱治具27Aを用意する。そして、第1の3層プリント配線基板15Aを搬送してタイプAのLEDチップ14Aを加熱治具の突起部27aと一致させて位置決めして数秒間保持し、半田ペーストを溶融させて、アノード電極端子8Aとアノード電極パッド9Aを接続し、またカソード電極端子8Cとカソード電極パッド9Cを接続する。そしてまた、放熱パッド10と熱伝導パターン7を接続する。
次に、前記と同様に第1の3層プリント配線基板15Aの搬送および位置決めを複数回繰り返し行って、複数のタイプAのLEDチップ14Aを第1の3層プリント配線基板15Aに接続して搭載し、第1のLEDチップ搭載基板18Aを形成する。その状態を図1(G)に示す。そして、図1(G)に示す第1のLEDチップ搭載基板18Aの平面を図3に示し、図3のB−B矢示断面を図1(G)に示す。また、図1(G)C−Cの矢示断面および図3C−Cの矢示断面を図4に示し、図1(G)D−D矢示断面および図3D−D矢示断面を図5に示す。
次に、前記第1のLEDチップ搭載基板18Aを放熱板に接続して、第1の放熱板付きLED発光装置を形成する製造方法について図6および図7を用いて説明する。
図6は、第1の放熱板付きLED発光装置の製造工程を示す分解組み立て図である。また、図6に示す第1のLEDチップ搭載基板18Aは、図5の断面図を用いて示す。
まず、図6に示すように、前記第1のLEDチップ搭載基板18Aの長さと幅に対応した大きさの第1の放熱板16Aを用意する。この第1の放熱板16Aは、熱伝導率の高いアルミニウムを用いると良い。また、第1の放熱板16Aには、溝の幅W2、溝の深さH1の溝28を形成する。そして、溝の幅W2は、図3および図6に示す熱伝導ベタパターン7Bの内側寸法W1と同等の値に設定する。また、第1の放熱板16Aに形成された第1の放熱板の突起部16aには、図3の貫通穴26に対応する位置に、雌ねじ(図示せず)を形成しておく。
次に、前記第1の放熱板16Aに形成された溝28の幅と長さに対応した第1の熱伝導接着シート17Aを溝28の中に仮付けする。この第1の熱伝導接着シート17Aの幅W3は、溝の幅W2より僅かに小さく設定し、また第1の放熱板16Aの溝深さH1は、第1の熱伝導接着シート17Aの厚さTより少し小さく設定する。すなわち、W1≒W2>W3およびH1<Tの関係に設定する。この第1の熱伝導接着シート17Aは、熱伝導率の高いものを用いることが好ましく、例えば、熱伝導率が比較的高い東レ(株)製の商品名「TSAシリーズ」を用いると良い。
そして次に、図6に示す前記第1の放熱板16Aに形成された第1の放熱板の突起部16aと第1のLEDチップ搭載基板18Aの熱伝導ベタパターン7Bを対応させ、また図3に示す貫通穴26と第1の放熱板の突起部16aに形成した前記雌ねじを対応させて位置決めして重ね合わせる。この時、前記第1の放熱板の突起部16aと熱伝導ベタパターン7Bの間には、高熱伝導媒体(図示せず)を介在させるとより好ましい。そして、前記高熱伝導媒体は、導電性のある導電性接着剤であっても良く、より熱伝導率の高いものを選択することが好ましい。前記高熱伝導媒体には、例えば、(株)オーディック製の「バイロダクト597−A」を用いる。
次に、前記重ね合わせた第1の放熱板16Aと第1のLEDチップ搭載基板18Aを、図7に示すように、第1のプレス用上治具23Aと第1のプレス用下治具24Aで挟み、熱と圧力を加えて第1のLEDチップ搭載基板18Aと第1の放熱板16Aを第1の熱伝導接着シート17Aで接着し固定する。その状態を図7に示し、E−Eの矢示断面を図8に示す。なお、圧力、加熱温度、加熱時間は適宜に設定する。
次に、図9に示すように前記第1のプレス用上治具23Aと第1のプレス用下治具24Aを取り外した後、ねじ22を図3に示す貫通穴26を通して第1の放熱板の突起部16aに形成した雌ねじに螺合して第1のLEDチップ搭載基板18Aと第1の放熱板16Aを固定して、第1の放熱板付きLED発光装置19Aを形成する。ところで、前記高熱伝導媒体に、導電性接着剤を用いて、ねじ22を用いない固定方法であっても良い。
この、前記第1の放熱板付きLED発光装置19Aを構成する第1の放熱板16Aの露出面には、絶縁および放熱効率の向上を目的として、高熱伝導性絶縁塗膜30を塗布すると良い。この高熱伝導性絶縁塗膜30の塗布工程は、前記第1の放熱板付きLED発光装置19Aを形成した状態で、第1の放熱板16Aの露出面に塗布するようにしても良いし、前記、第1の放熱板16Aに放熱板の溝28と雌ねじを形成した後、雌ねじ部をマスキングして表面全体に塗布するようにしても良い。または、放熱板の溝28を形成した後、第1の放熱板16Aの表面全体をディップして塗布してから雌ねじを形成するようにしても良い。前記、高熱伝導性絶縁塗膜30は、例えば、合同インキ(株)製の商品名「UNI Cool」を用いて良い。また、防滴を目的として、LEDチップと絶縁基材の隙間およびその先の放熱板の溝28によって形成された隙間に、白色樹脂を充填することが好ましく、また、放熱板、熱伝導ベタパターン、接着剤および絶縁基材の積層された端面にも樹脂を塗布することが好ましい。
次に、前記タイプAのLEDチップ14Aを直列に複数個接続して搭載した、第1の放熱板付きLED発光装置の別の製造方法について説明する。
前記、図1(A)ないし(D)と同様の製造方法を用いて第1の3層プリント配線基板15Aを製造する。次に、第1の放熱板16Aに形成した溝の中に第1の熱伝導接着シート17Aを載置し、前記第1の放熱板の突起部16aと第1の3層プリント配線基板15Aの熱伝導ベタパターン7Bを対応させ、さらに図3に示す貫通穴26と前記第1の放熱板の突起部16aに形成した前記雌ねじを対応させて位置決めし、第1の放熱板16Aと第1の3層プリント配線基板15Aを重ね合わせる。その状態を図10(A)に示す。この時、前記第1の放熱板の突起部16aと熱伝導ベタパターン7Bの間には、高熱伝導媒体(図示せず)を介在させるようにするとより好ましい。そして、前記高熱伝導媒体は、導電性のある導電性接着剤であっても良く、より熱伝導率の高いものを選択することが好ましい。前記高熱伝導媒体には、例えば、(株)オーディック製の「バイロダクト597−A」を用いるとよい。
次に、図10(B)に示すように、前記重ね合わせた第1の放熱板16Aと第1の3層プリント配線基板15Aを第2のプレス用下治具24Bの上に載せた後、第2のプレス用上治具の突起部23bとLEDチップ搭載用開口部4を一致させて位置決めし、前記第1の3層プリント配線基板15A、第1の熱伝導接着シート17Aおよび第1の放熱板16Aを第2のプレス用下治具24Bと第2のプレス用上治具23Bで挟み込む。そして、熱と圧力を加えて熱伝導接着シート17を加熱硬化させて、前記第1の3層プリント配線基板15Aと第1の放熱板16Aを接着固定する。その状態を図10(C)に示す。なお、圧力、加熱温度、加熱時間は適宜に設定されてよく、例えば、熱伝導接着シート17に前記、東レ(株)製の商品名「TSAシリーズ」を用いた場合、170℃の温度で70分間程度の加熱を行う。
次に、前記第2のプレス用下治具24Bと第2のプレス用上治具23Bを取り外した後、図10(D)に示すように、ねじ22を図3に示す貫通穴26を通して第1の放熱板の突起部16aに形成した雌ねじに螺合して第1の3層プリント配線基板15Aと第1の放熱板16Aを固定して、放熱板付きプリント配線板25を形成する。そして、図10(D)F−Fの矢示断面を図12に示す。ところで、前記高熱伝導媒体に、導電性接着剤を用いて、ねじ22を用いない固定方法であっても良い。
そして、図12には、熱伝導ベタパターン7Bの内側寸法W1、第1の放熱板16Aの溝幅W2、第1の熱伝導接着シート17Aの幅W3を示し、この第1の熱伝導接着シート17Aの幅W3は、第1の放熱板16Aに形成された溝の幅W2より僅かに小さく設定し、また第1の放熱板16Aの溝深さH1は、第1の熱伝導接着シート17Aの厚さTより少し小さく設定する。すなわち、W1≒W2>W3およびH1<Tの関係に設定する。
次に、図10(D)に示すLEDチップ搭載用開口部4内の熱伝導パターン7、アノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cの上面に半田ペースト(図示せず)を塗布する。そして、前記タイプAのLEDチップ14AをLEDチップ搭載用開口部4に一致させて位置決めし、更にアノード電極端子8Aとアノード電極パッド9Aを対応させ、またカソード電極端子8Cとカソード電極パッド9Cを対応させ、そしてまた、熱伝導パターン7と放熱パッド10を対応させて載置する。
その後、リフロー炉を用いて加熱処理して、前記半田ペーストを溶融させて後冷却して、アノード電極端子8Aとアノード電極パッド9Aを接続し、またカソード電極端子8Cとカソード電極パッド9Cを接続する。そしてまた、放熱パッド10と熱伝導パターン7を接続して、第1の放熱板付きLED発光装置19Aを形成する。その状態を図13に示し、図13G−Gの矢示断面を図14に示す。前記リフロー炉の加熱処理の温度と時間は適宜に設定する。そして、第1の放熱板16Aの露出面には、前記と同様に高熱伝導性絶縁塗膜30を塗布すると良い。また、防滴を目的として、LEDチップと絶縁基材の隙間およびその先の放熱板の溝によって形成された隙間に、白色樹脂を充填することが好ましく、また、放熱板、熱伝導ベタパターン、接着剤および絶縁基材の積層された端面にも樹脂を塗布することが好ましい。
(第2の放熱板付きLED発光装置の製造方法及び構成)
次に、図28(A)(B)に示すタイプBのLEDチップ14Bを直列に複数個接続して搭載した、第2の放熱板付きLED発光装置の製造方法について説明する。
前記、図1(A)ないし(D)に示す製造工程と同じ方法を用いて第2の3層プリント配線基板15Bを製造する。次に、第2の3層プリント配線基板15Bに形成されたLEDチップ搭載用開口部4内の熱伝導パターン7、アノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cの上面に半田ペーストを塗布する。次に、前記タイプBのLEDチップ14BをLEDチップ搭載用開口部4に一致させて位置決めし、更にアノード電極端子8Aとアノード電極パッド9Aを対応させ、またカソード電極端子8Cとカソード電極パッド9Cを対応させ、そしてまた、熱伝導パターン7と放熱パッド10を対応させて載置する。
次に、図1(F)に示す加熱治具27Aと同様の加熱治具を用意し、その加熱治具を400℃程度に加熱する。その後、第2の3層プリント配線基板15Bを搬送してタイプBのLEDチップ14Bを加熱治具の突起部27aに一致させて位置決めして数秒間保持し、半田ペーストを溶融させてアノード電極端子8Aとアノード電極パッド9Aを接続し、またカソード電極端子8Cとカソード電極パッド9Cを接続する。そしてまた、放熱パッド10と熱伝導パターン7を接続して、第2のLEDチップ搭載基板18Bを形成する。その状態を図15の平面図に示し、図15H−Hの矢示断面を図16に示す。
次に、前記第2のLEDチップ搭載基板18Bを第2の放熱板16Bに接続して、第2の放熱板付きLED発光装置19Bを形成する場合の製造方法について図17および図18を用いて説明する。
図17は、第2の放熱板付きLED発光装置19Bの製造工程を示す分解組み立て図である。まず、図17に示すような第2の放熱板16Bを用意する。この第2の放熱板16Bには、突起部の幅をW5に設定した第2の放熱板の突起部16bを設け、また切り欠き幅をW6、切り欠き深さをH2に設定した放熱板の切り欠き29を設けておく。
次に、第2の熱伝導接着シート17Bを用意し、前記切り欠き29の中に載置する。その後、前記第2のLEDチップ搭載基板18Bの熱伝導ベタパターン7Bを前記第2の放熱板の突起部16bと対応させ、また、図15に示す貫通穴26と第2の放熱板の突起部16bに形成した雌ねじ(図示せず)を位置決めし、第2の放熱板16Bと第2のLEDチップ搭載基板18Bを重ね合わせる。この時、前記第2の放熱板の突起部16bと熱伝導ベタパターン7Bの間には、高熱伝導媒体(図示せず)を介在させるようにすると良い。そして、前記高熱伝導媒体は、導電性のある導電性接着剤であっても良く、より熱伝導率の高いものを選択することが好ましい。前記高熱伝導媒体には、例えば、(株)オーディック製の「バイロダクト597−A」を用いる。
ところで、前記第2の放熱板16Bの突起部の幅W5は、図15に示す熱伝導ベタパターン幅W4と同等に設定する。また、前記第2の熱伝導接着シート17Bの熱伝導接着剤幅W7は、前記切り欠き幅W6より少し小さく設定する。そしてまた、第2の放熱板16Bの切り欠き深さH2は、第2の熱伝導接着シート17Bの厚さTより少し小さく設定する。
次に、前記図7および図8に示す第1のプレス用上治具23Aと第1のプレス用下治具24Aと同様の治具を用いて、熱と圧力を加えて第2のLEDチップ搭載基板18Bと第2の放熱板16Bを第2の熱伝導接着シート17Bで接着し固定する。そして次に、ねじ22を図15に示す貫通穴26を通して、前記第2の放熱板の突起部16bに形成した雌ねじに螺合して、第2の放熱板付きLED発光装置19Bを形成する。そして、その状態を図18に示す。そして、第2の放熱板16Bの露出面には、前記と同様に高熱伝導性絶縁塗膜30を塗布すると良い。ところで、前記高熱伝導媒体に、導電性接着剤を用いて、ねじ22を用いない固定方法であっても良い。また、防滴を目的として、LEDチップと絶縁基材の隙間およびその先の放熱板の切り欠きによって形成された隙間に、白色樹脂を充填することが好ましく、また、放熱板、熱伝導接着シート、熱伝導ベタパターン、接着剤および絶縁基材の積層された端面にも樹脂を塗布することが好ましい。
(第3の放熱板付きLED発光装置の製造方法及び構成)
次に、前記タイプAのLEDチップ14Aを並列に複数個接続して搭載した、第3の放熱板付きLED発光装置の製造方法について説明する。
前記、図1(A)ないし(D)に示す製造工程と同じ方法を用いて図19に示す第3の3層プリント配線基板15Cを製造する。次に、第3の3層プリント配線基板15Cに形成されたLEDチップ搭載用開口部4内の熱伝導パターン7、アノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cの上面に半田ペーストを塗布する。次に、タイプAのLEDチップ14AをLEDチップ搭載用開口部4に一致させて位置決めし、更にアノード電極端子8Aとアノード電極パッド9Aを対応させ、またカソード電極端子8Cとカソード電極パッド9Cを対応させ、そしてまた、熱伝導パターン7と放熱パッド10を対応させて載置する。
次に、図1(F)に示す加熱治具27Aと同様の加熱治具を用意し、その加熱治具を400℃程度に加熱する。その後、第3の3層プリント配線基板15Cを搬送してタイプAのLEDチップ14Aを加熱治具の突起部に一致させて位置決めして数秒間保持し、半田ペーストを溶融させてアノード電極端子8Aとアノード電極パッド9Aを接続し、またカソード電極端子8Cとカソード電極パッド9Cを接続する。そしてまた、放熱パッド10と熱伝導パターン7を接続し、第3のLEDチップ搭載基板18Cを形成する。その状態を図19に示し、図19I−Iの矢示断面を図20に示す。
次に、前記第3のLEDチップ搭載基板18Cを第3の放熱板16Cに接続して、第3の放熱板付きLED発光装置19Cを形成する製造方法について図21および図22を用いて説明する。
図21は、第3の放熱板付きLED発光装置19Cの製造工程を示す分解組み立て図である。まず、図21に示すような第3の放熱板16Cを用意する。この第3の放熱板16Cには、突起部の幅をW9に設定した第3の放熱板の突起部16cを設け、また切り欠き幅をW10、切り欠き深さをH2に設定した放熱板の切り欠き29を設けておく。
次に、第3の熱伝導接着シート17Cを用意し、前記切り欠き29の中に載置する。その後、図21に示すように前記第3のLEDチップ搭載基板18Cの熱伝導パターン7およびカソード側熱伝導ベタパターン7Cを前記第3の放熱板の突起部16cと対応させ、また、図19に示す貫通穴26と第3の放熱板の突起部16cに形成した雌ねじ(図示せず)を位置決めし、第3の放熱板16Cと第3のLEDチップ搭載基板18Cを重ね合わせる。この時、前記第3の放熱板の突起部16cとカソード側熱伝導ベタパターン7Cの間には、高熱伝導媒体(図示せず)を介在させると良い。そして、前記高熱伝導媒体は、導電性のある導電性接着剤であっても良く、より熱伝導率の高いものを選択することが好ましい。前記高熱伝導媒体には、例えば、(株)オーディック製の「バイロダクト597−A」を用いる。
ところで、前記第3の放熱板16Cに形成された突起部の幅W9は、図19に示すカソード側熱伝導ベタパターンの幅W8より少し小さく設定する。また、前記第3の熱伝導接着シート17Cの熱伝導接着シートの幅W11は、前記切り欠き幅W10より少し小さく設定する。そしてまた、第3の放熱板16Cの切り欠き深さH2は、第3の熱伝導接着シート17Cの厚さTより少し小さく設定する。
次に、図7および図8に示す第1のプレス用上治具23Aおよび第1のプレス用下治具24Aと同様の治具を用いて、熱と圧力を加えて第3のLEDチップ搭載基板18Cと第3の放熱板16Cを第3の熱伝導接着シート17Cで接着し固定する。そして次に、ねじ22を図19に示す貫通穴26を通して、前記第3の放熱板の突起部16bに形成した雌ねじに螺合して、第3の放熱板付きLED発光装置19Cを形成する。そして、その状態を図22に示す。そして、第3の放熱板16Cの露出面には、前記と同様に高熱伝導性絶縁塗膜30を塗布すると良い。ところで、前記高熱伝導媒体に、導電性接着剤を用いて、ねじ22を用いない固定方法であっても良い。また、前記と同様に隙間に白色樹脂を充填し、また端面に樹脂を塗布して防滴処理を行うことが好ましい。
(第4の放熱板付きLED発光装置の製造方法及び構成)
次に、図29(A)(B)に示すタイプCのLEDチップ14Cを複数個並列に接続して搭載した、第4の放熱板付きLED発光装置の製造方法について説明する。
前記、図1(A)ないし(D)に示す製造工程と同じ方法を用いて第4の3層プリント配線基板15Dを製造する。その状態を図23に示す。次に、第4の3層プリント配線基板15Dに形成されたLEDチップ搭載用開口部4内のアノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cの上面に半田ペーストを塗布する。次に、タイプCのLEDチップ14CをLEDチップ搭載用開口部4に一致させて位置決めし、またアノード電極端子8Aとアノード電極パッド9Aおよびカソード電極端子8Cとカソード電極パッド9Cを対応させて位置決めして、タイプCのLEDチップ14Cを載置する。
次に、図1(F)に示す加熱治具27Aと同様の加熱治具を用意し、その加熱治具を400℃程度に加熱する。その後、第4の3層プリント配線基板15Dを搬送して、タイプCのLEDチップ14Cを加熱治具の突起部に一致させて位置決めして数秒間保持し、半田ペーストを溶融させて、アノード電極端子8Aとアノード電極パッド9Aを接続する。そしてまたカソード電極端子8Cとカソード電極パッド9Cを接続して、第4のLEDチップ搭載基板18Dを形成する。その状態を図23に示し、図23J−Jの矢示断面を図24に示す。
次に、前記第4のLEDチップ搭載基板18Dを第4の放熱板16Dに接続して、第4の放熱板付きLED発光装置19Dを形成する場合の製造方法について図25および図26を用いて説明する。
図25は、第4の放熱板付きLED発光装置19Dの製造工程を示す分解組み立て図である。まず、図25に示すような第4の放熱板16Dを用意する。この第4の放熱板16Dには、突起部の幅をW13に設定した第4の放熱板の突起部16dを設け、また切り欠き幅をW14、切り欠き深さをH2に設定した放熱板の切り欠き29を設けておく。
次に、第4の熱伝導接着シート17Dを用意し、前記切り欠き29の中に載置する。その後、前記第4のLEDチップ搭載基板18Dのカソード側熱伝導ベタパターン7Cを前記第4の放熱板の突起部16dと対応させ、また、図23に示す貫通穴26と第4の放熱板の突起部16dに形成した雌ねじ(図示せず)を位置決めし、第4の放熱板16Dと第4のLEDチップ搭載基板18Dを重ね合わせる。この時、前記第4の放熱板の突起部16dとカソード側熱伝導ベタパターン7Cの間に、高熱伝導媒体(図示せず)を介在させると良い。そして、前記高熱伝導媒体は、導電性のある導電性接着剤であっても良く、より熱伝導率の高いものを選択することが好ましい。前記高熱伝導媒体には、例えば、(株)オーディック製の「バイロダクト597−A」を用いる。
ところで、前記第4の放熱板16Dに形成された突起部の幅W13は、図23に示すカソード側熱伝導ベタパターンの幅W12と同等に設定する。また、前記第4の熱伝導接着シート17Dの熱伝導接着シートの幅W15は、前記切り欠き幅W14より少し小さく設定する。そしてまた、第4の放熱板16Dの切り欠き深さH2は、第4の熱伝導接着シート17Dの厚さTより少し小さく設定する。
次に、図7および図8に示す、第1のプレス用上治具23Aおよび第1のプレス用下治具24Aと同様の治具を用いて、熱と圧力を加えて第4のLEDチップ搭載基板18Dと第4の放熱板16Dを第4の熱伝導接着シート17Dで接着し固定する。そして次に、ねじ22を図23に示す貫通穴26を通して、前記第4の放熱板16Dの突起部16dに形成した雌ねじに螺合して、第4の放熱板付きLED発光装置19Dを形成する。そして、その状態を図26に示す。そして、第4の放熱板16Dの露出面には、前記と同様に高熱伝導性絶縁塗膜30を塗布すると良い。ところで、前記高熱伝導媒体に、導電性接着剤を用いて、ねじ22を用いない固定方法であっても良い。また、前記と同様に隙間に白色樹脂を充填し、また端面に樹脂を塗布して防滴処理を行うことが好ましい。
(プリント配線基板の変形例)
ところで、前記LEDチップ搭載基板を構成するプリント配線基板には、3層プリント配線基板を用いたが、2層プリント配線基板を用いても良い。そこで、この2層プリント配線板の製造方法と2層プリント配線板を用いたLEDチップ搭載基板および放熱板付きLED発光装置の製造方法について説明する。
まず、図31(A)に示すように、絶縁基材1と導電体5に熱と圧力を加えて絶縁基材1と導電体5を組み合わせる。または、絶縁基材1にスパッタ法と電解めっき法を用いて導電体5を組み合わせる。この前記絶縁基材1は、例えば、厚さが50ないし100μmの(株)クラレ製の商品名「ベクスター」を用いてよい。
次に、図31(B)に示すように、レーザまたはケミカルエッチングによって、LEDチップ搭載用開口部4を形成する。
次に、図31(C)に示すように、導電体5の表面にフォトレジストを塗布し、露光、現像を行ってエッチングレジストパターンを形成した後、LEDチップ搭載用開口部4内に露出した導電体5を樹脂で覆ってからエッチングを行って、熱伝導パターン7、アノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cを設けた配線パターン6を形成して、2層プリント配線基板15Eを形成する。
次に、前記2層プリント配線基板15Eを図1(D)に示す第1の3層プリント配線基板15Aと置き換え、図1(E)ないし(G)及び図2ないし図5に示すように、前記第1のLEDチップ搭載基板18Aを形成する工程と同じ方法を用いてLEDチップ搭載基板を形成する。その後、図6ないし図8に示すように、前記第1の放熱板付きLED発光装置19Aの形成工程と同じ方法を用いて放熱板付きLED発光装置を形成する。
(第1の放熱板付きLED発光装置の放熱)
次に、前記第1の放熱板付きLED発光装置19Aの放熱について説明する。
以下に、材料の熱伝導率の一例を示す。
銅;390W/m・K程度、アルミニウム;236W/m・K程度、接着剤(エポキシ樹脂);0.19W/m・K程度、高熱伝導接着シート(TSAシリーズ);3W/m・K程度、高熱伝導媒体(前記バイロダクト597−A);9W/m・K程度、空気;0.03W/m・K程度、封止部13(エポキシ樹脂);0.2W/m・K程度、半田(Sn−Pb半田);50W/m・K程度、セラミック基板;30W/m・K程度である。
次に、第1の放熱板付きLED発光装置19Aの放熱に係わる伝熱経路と放熱について、図3及び図9を用いて説明する。熱伝導に関しては、θを熱抵抗、Lを経路長、λを熱伝導率、Aを伝熱面積とすると、
θ=L/(λ・A)
の式が成り立つ。もちろん、熱抵抗θが小さいほど熱が伝わりやすくなり、発熱体の温度を下げることができる。
図9に示す第1の放熱板付きLED発光装置19Aは、図3に示す配線パターン6のアノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cを介して、アノード電極パッド9Aおよびカソード電極パッド9Cに給電され、タイプAのLEDチップ14Aが発光する。この際、タイプAのLEDチップ14Aは熱も発生する。
前記、タイプAのLEDチップ14Aから発生した熱は、図9に示すように封止部13に伝わりさらにその先の空気中に放熱される。ところが、この伝熱経路にある封止部13には、熱伝導率の低いエポキシ樹脂を用いているので、効率の良い放熱は望めない。
次に、別の熱伝導経路として、前記タイプAのLEDチップ14Aから発生した熱は、タイプAのLEDチップ14Aの構成部材であるセラミック基板12から放熱パッド10に伝わり、さらに半田を介して熱伝導パターン7に伝達され、その先の熱伝導ベタパターン7Bに伝わる。この熱伝導パターン7および熱伝導ベタパターン7Bは、熱伝導率の高い銅で形成されているので、熱伝導ベタパターン7Bの全面に効率よく伝わる(図3参照)。
そして、熱伝導ベタパターン7Bの全面に伝わった熱は、図9に示すように、接続する第1の放熱板16Aに伝わり、この第1の放熱板16Aは、熱伝導率の高いアルミニウムで形成されているので、第1の放熱板16Aの全体に熱が伝わる。この熱伝導経路は、熱伝導率の高い構成材料同士が接続されているので、タイプAのLEDチップ14Aから発生した熱を、第1の放熱板16Aまで効率よく伝達することができる。そして、第1の放熱板16Aは、表面積が広いので効率よく空気中に放散することができる。そのため、タイプAのLEDチップ14Aの温度を効率よく下げることができる。
ところで、前記熱伝導ベタパターン7Bと第1の放熱板16Aの表面には粗さが存在する。この粗さにより前記熱伝導ベタパターン7Bと第1の放熱板16Aの接続面には部分的に僅かな隙間が生じ、その隙間には空気が存在する。また、前記第1のLEDチップ搭載基板18Aに歪みや撓みがあると、第1のLEDチップ搭載基板18Aと放熱板16Aの間には隙間が生じ、その隙間には空気が存在する。そして、前記空気の熱伝導率は低いので、伝熱効率を悪くする要因になる。そこで、前記熱伝導ベタパターン7Bと第1の放熱板16Aの接続面に高熱伝導媒体を塗布し、前記隙間を高熱伝導媒体で埋めるようにすると良い。そして、前記高熱伝導媒体は、導電性のある導電性接着剤であっても良く、より熱伝導率の高いものを選択することが好ましい。
ここで、高熱伝導媒体を用いた場合と用いなかった場合について比較する。空気の熱伝導率は0.03W/m・K程度であり、高熱伝導媒体に例えば、前記(株)オーディック製の「バイロダクト597−A」を用いた場合、その熱伝導率は9W/m・K程度である。よって、隙間の部分に関しては、高熱伝導媒体を用いて埋めることによって、熱伝導の計算式から熱抵抗θを1/300程度に小さくすることができる。
次に、前記とは別の伝熱経路として図9に示すように、タイプAのLEDチップ14Aから発生した熱は、前記と同じくセラミック基板12からアノード電極パッド9Aおよびカソード電極パッド9Cに伝わり、さらに半田を介してアノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cに伝達され、さらにその先の配線パターン6に伝わる(図3参照)。
そして、アノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cおよび配線パターン6は、熱伝導率の高い銅で形成されているので、配線パターン6の全面に効率よく伝わる。そして図9に示すように、さらにその先に接続する第1の熱伝導接着シート17Aを介して第1の放熱板16Aに伝わり空気中に放熱される。そして、この伝熱経路による放熱も、タイプAのLEDチップ14Aの温度を下げることに寄与するので、タイプAのLEDチップ14Aの温度を効率よく下げることができる。
ただし、直接若しくは導電性の高熱伝導媒体を介して接続されている熱伝導ベタパターン7Bと第1の放熱板16Aとの間における熱伝導率は、第1の熱伝導接着シート17Aを介して接続されているアノード電極端子8A等と第1の放熱板16Aとの間における熱伝導率よりも高くなることが期待される。そして、直接若しくは導電性の高熱伝導媒体を介した接続は、複数の電位に係る複数のパターンのうちの一の電位に係るパターンのみを選択的に第1の放熱板16Aに導通させ、他の電位に係るパターンと第1の放熱板16Aとを絶縁することにより実現されている。
次に、前記、前記第1の放熱板16Aの露出面に、絶縁および放熱効率の向上を目的として、高熱伝導性絶縁塗膜30を塗布すると、より効率よく放熱することができる。たとえば合同インキ(株)製の商品名「UNI Cool」を用いると、熱を電磁波にして放出する作用があるので、タイプAのLEDチップ14Aの温度をより効率よく下げることができる。
(第2の放熱板付きLED発光装置の放熱)
次に、前記第2の放熱板付きLED発光装置19Bの放熱について、図15及び図18を用いて説明する。
前記第2の放熱板付きLED発光装置19Bは、図15に示す配線パターン6のアノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cを介してアノード電極パッド9Aおよびカソード電極パッド9Cに給電され、図18に示すタイプBのLEDチップ14Bが発光する。この際、タイプBのLEDチップ14Bは熱も発生する。
次に、タイプBのLEDチップ14Bから発生した熱は、図18に示すように封止部13に伝わりさらにその先の空気中に放熱される。ところが、この伝熱経路にある封止部13には、熱伝導率の低いエポキシ樹脂を用いているので、効率の良い放熱は望めない。
ところが、前記とは別の熱伝導経路として、タイプBのLEDチップ14Bから発生した熱は、タイプBのLEDチップ14Bの構成部材であるセラミック基板12から放熱パッド10に伝わり、さらに半田(図示せず)を介してアノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cに伝達され、その先の熱伝導ベタパターン7Bに伝わる。このアノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cおよび熱伝導ベタパターン7Bは、熱伝導率の高い銅で形成されているので、熱伝導ベタパターン7Bの全面に効率よく伝わる(図15参照)。
そして、熱伝導ベタパターン7Bの全面に伝わった熱は、図18に示すように、接続する第2の放熱板16Bに伝わり、この第2の放熱板16Bは、熱伝導率の高いアルミニウムで形成されているので、第2の放熱板16Bの全体に熱が伝わる。この熱伝導経路は、熱伝導率の高い構成材料同士が直接接続されているので、タイプBのLEDチップ14Bから発生した熱を、第2の放熱板16Bまで効率よく伝達することができる。そして、第2の放熱板16Bは、表面積が広いので効率よく空気中に放散することができる。そのため、タイプBのLEDチップ14Bの温度を効率よく下げることができる。
ところで、前記熱伝導ベタパターン7Bと第2の放熱板16Bの表面には粗さが存在する。また、前記第2のLEDチップ搭載基板18Bには歪みや撓みがある。この粗さと歪みによって、前記第1の放熱板付きLED発光装置19Aと同様に、隙間に空気が存在するので伝熱効率を悪くする要因になる。そこで、前記第1の放熱板付きLED発光装置19Aの場合と同じ作用効果を得るために、前記隙間を空気よりも熱伝導率の高い高熱伝導媒体で埋めるようにすると、より効率良くタイプBのLEDチップ14Bの温度を効率よく下げることができる。そして、前記高熱伝導媒体は、導電性のある導電性接着剤であっても良く、より熱伝導率の高いものを選択することが好ましい。
次に、前記とは別の伝熱経路として図18に示すように、タイプBのLEDチップ14Bから発生した熱は、前記と同じくセラミック基板12からアノード電極パッド9Aおよびカソード電極パッド9Cに伝わり、さらに半田を介してアノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cに伝達され、さらにその先の配線パターン6に伝わる(図15参照)。
そして、電極端子8及び配線パターン6は、熱伝導率の高い銅で形成されているので、配線パターン6の全面に効率よく伝わる。そして図18に示すように、さらにその先に接続する第2の熱伝導接着シート17Bを介して第2の放熱板16Bに伝わり空気中に放熱される。そして、この伝熱経路による放熱も、タイプBのLEDチップ14Bの温度を下げることに寄与するので、タイプBのLEDチップ14Bの温度を効率よく下げることができる。
次に、前記第2の放熱板16Bの露出面に、絶縁および放熱効率の向上を目的として、高熱伝導性絶縁塗膜30を塗布すると、より効率よく放熱することができる。たとえば合同インキ(株)製の商品名「UNI Cool」を用いると、熱を電磁波にして放出する作用があるので、タイプBのLEDチップ14Bの温度をより効率よく下げることができる。
(第3の放熱板付きLED発光装置の放熱)
次に、前記第3の放熱板付きLED発光装置19Cの放熱について、図19及び図22を用いて説明する。
前記、第3の放熱板付きLED発光装置19Cは、図19に示す配線パターン6のアノード電極端子8Aおよびカソード電極端子8Cを介してアノード電極パッド9Aおよびカソード電極パッド9Cに給電され、図22に示すタイプAのLEDチップ14Aが発光する。この際、タイプAのLEDチップ14Aは熱も発生する。
次に、タイプAのLEDチップ14Aから発生した熱は、図22に示すように封止部13に伝わりさらにその先の空気中に放熱される。ところが、この伝熱経路にある封止部13には、熱伝導率の低いエポキシ樹脂を用いているので、効率の良い放熱は望めない。
ところが、前記とは別の熱伝導経路として、タイプAのLEDチップ14Aから発生した熱は、タイプAのLEDチップ14Aの構成部材であるセラミック基板12から放熱パッド10に伝わり、さらに半田(図示せず)を介して熱伝導パターン7およびカソード電極端子8Cに伝達され、その先のカソード側熱伝導ベタパターン7Cに伝わる。この熱伝導パターン7、カソード電極端子8Cおよびカソード側熱伝導ベタパターン7Cは、熱伝導率の高い銅で形成されているので、カソード側熱伝導ベタパターン7Cの全面に効率よく伝わる(図19参照)。
そして、カソード側熱伝導ベタパターン7Cの全面に伝わった熱は、図22に示すように、接続する第3の放熱板16Cに伝わり、この第3の放熱板16Cは、熱伝導率の高いアルミニウムで形成されているので、第3の放熱板16Cの全体に熱が伝わる。この熱伝導経路は、熱伝導率の高い構成材料同士が接続されているので、タイプAのLEDチップ14Aから発生した熱を、第3の放熱板16Cまで効率よく伝達することができる。そして、第3の放熱板16Cは、表面積が広いので効率よく空気中に放散することができる。そのため、タイプAのLEDチップ14Aの温度を効率よく下げることができる。
ところで、カソード側熱伝導ベタパターン7Cと第3の放熱板16Cの表面には粗さが存在する。また、前記第3のLEDチップ搭載基板18Cには歪みや撓みがある。この粗さと歪みによって、前記第1の放熱板付きLED発光装置19Aと同様に、隙間に空気が存在するので伝熱効率を悪くする要因になる。そこで、前記第1の放熱板付きLED発光装置19Aの場合と同じ作用効果を得るために、前記隙間を空気よりも熱伝導率の高い高熱伝導媒体で埋めるようにすると良い。そして、前記高熱伝導媒体は、導電性のある導電性接着剤であっても良く、より熱伝導率の高いものを選択することが好ましい。
次に、前記とは別の伝熱経路として図22に示すように、タイプAのLEDチップ14Aから発生した熱は、セラミック基板12からアノード電極パッド9Aに伝わり、さらに半田を介してアノード電極端子8Aに伝達され、さらにその先のアノード側熱伝導ベタパターン7Aに伝わる(図19参照)。そして、アノード電極端子8Aおよびアノード側熱伝導ベタパターン7Aは、熱伝導率の高い銅で形成されているので、アノード側熱伝導ベタパターン7Aの全面に効率よく伝わる。そして図22に示すように、さらにその先に接続する第3の熱伝導接着シート17Cを介して第3の放熱板16Cに伝わり空気中に放熱される。そして、この伝熱経路による放熱も、タイプAのLEDチップ14Aの温度を下げることに寄与するので、タイプAのLEDチップ14Aの温度を効率よく下げることができる。
次に、前記第3の放熱板16Cの露出面に、絶縁および放熱効率の向上を目的として、高熱伝導性絶縁塗膜30を塗布すると、より効率よく放熱することができる。たとえば合同インキ(株)製の商品名「UNI Cool」を用いると、熱を電磁波にして放出する作用があるので、タイプBのLEDチップ14Bの温度をより効率よく下げることができる。
(第4の放熱板付きLED発光装置の放熱)
次に、前記第4の放熱板付きLED発光装置19Dの放熱について、図23および図26を用いて説明する。
前記第4の放熱板付きLED発光装置19Dは、図23に示す配線パターン6の電極端子8を介して電極パッド9に給電され、図23に示すタイプCのLEDチップ14Cが発光する。この際、タイプCのLEDチップ14Cは熱も発生する。
次に、タイプCのLEDチップ14Cから発生した熱は、図26に示すように封止部13に伝わりさらにその先の空気中に放熱される。ところが、この伝熱経路にある封止部13には、熱伝導率の低いエポキシ樹脂を用いているので、効率の良い放熱は望めない。
ところが、前記とは別の熱伝導経路として、タイプCのLEDチップ14Cから発生した熱は、タイプCのLEDチップ14Cの構成部材であるセラミック基板12からカソード電極パッド9Cに伝わり、さらに半田(図示せず)を介してカソード電極端子8Cに伝達され、その先のカソード側熱伝導ベタパターン7Cに伝わる。このカソード電極端子8Cおよびカソード側熱伝導ベタパターン7Cは、熱伝導率の高い銅で形成されているので、カソード側熱伝導ベタパターン7Cの全面に効率よく伝わる(図23参照)。そして、カソード側熱伝導ベタパターン7Cの全面に伝わった熱は、図26に示すように、接続する第4の放熱板16Dに伝わり、この第4の放熱板16Dは、熱伝導率の高いアルミニウムで形成されているので、第4の放熱板16Dの全体に熱が伝わる。この熱伝導経路は、熱伝導率の高い構成材料同士が接続されているので、タイプCのLEDチップ14Cから発生した熱を、第4の放熱板16Dまで効率よく伝達することができる。そして、第4の放熱板16Dは、表面積が広いので効率よく空気中に放散することができる。そのため、タイプCのLEDチップ14Cの温度を効率よく下げることができる。
ところで、カソード側熱伝導ベタパターン7Cと第4の放熱板16Dの表面には粗さが存在する。また、前記第4のLEDチップ搭載基板18Dには歪みや撓みがある。この粗さと歪みによって、前記第1の放熱板付きLED発光装置19Aと同様に、隙間に空気が存在するので伝熱効率を悪くする要因になる。そこで、前記第1の放熱板付きLED発光装置19Aの場合と同じ作用効果を得るために、前記隙間を空気よりも熱伝導率の高い高熱伝導媒体で埋めるようにすると良い。そして、前記高熱伝導媒体は、導電性のある導電性接着剤であっても良く、より熱伝導率の高いものを選択することが好ましい。
次に、前記とは別の伝熱経路として図26に示すように、タイプCのLEDチップ14Cから発生した熱は、前記と同じくセラミック基板12からアノード電極パッド9Aに伝わり、さらに半田を介してアノード電極端子8Aに伝達され、さらにその先のアノード側熱伝導ベタパターン7Aに伝わる(図23参照)。
そして、アノード電極端子8Aおよびアノード側熱伝導ベタパターン7Aは、熱伝導率の高い銅で形成されているので、アノード側熱伝導ベタパターン7Aの全面に効率よく伝わる。そして図26に示すように、さらにその先に接続する第4の熱伝導接着シート17Dを介して第4の放熱板16Dに伝わり空気中に放熱される。そして、この伝熱経路による放熱も、タイプCのLEDチップ14Cの温度を下げることに寄与するので、タイプCのLEDチップ14Cの温度を効率よく下げることができる。
次に、前記第4の放熱板16Dの露出面に、絶縁および放熱効率の向上を目的として、高熱伝導性絶縁塗膜30を塗布すると、より効率よく放熱することができる。たとえば合同インキ(株)製の商品名「UNI Cool」を用いると、熱を電磁波にして放出する作用があるので、タイプBのLEDチップ14Bの温度をより効率よく下げることができる。
(第1のLED照明装置)
次に、第1の放熱板付きLED発光装置19Aを用いた第1のLED照明装置について説明する。
前記、図14に示す第1の放熱板付きLED発光装置19Aを、そのままLED照明装置に用いた場合、タイプAのLEDチップ14AのLED素子11から発生する光線が直接目に入るので、眩しさを感じると共に目に悪影響を与える問題がある。
そこで、第1のLED照明装置は、図30に示すように、LED素子11からの光線21が直接目に入らないように光拡散板20を組み合わせた構造にする。LED素子11から発生した光線21は、光拡散板20の全体に当たり多方向に散乱するので、光拡散板20全体が発光したような状態になり、眩しさおよび目に悪影響を与える問題を解決することができる。
そしてまた、LED素子11からの光線21は、光拡散板20に当たった後、その光線21の一部は乱反射して絶縁基材1に到達する。そして、図30では前記乱反射した光線の1つを光線21で示す。次に、前記絶縁基材1に到達した光線21は、乱反射して光拡散板20に到達する。そして、図30では前記乱反射した光線の1つを光線21で示す。また、前記絶縁基材1は反射板としての機能を持ち合わせているので、光の反射率が80%以上のものを用いることが好ましい。次に、前記光拡散板20に到達した光線は、多方向に散乱してLED照明装置の光線として作用するので、LED照明装置の光量を向上させることができ、発光効率の良い第1のLED照明装置31Aを得ることができる。
(第2のLED照明装置)
次に、第2のLED照明装置について説明する。前記第1のLEDチップ搭載基板18Aと同じ製造方法を用いて図32に示す第5のLEDチップ搭載基板18Eを形成し、また、図32に示すように、第5の放熱板16Eの面に沿う突起部16eを一軸方向に湾曲させた、第5の放熱板16Eを用意する。
次に、図32に示すように前記第5の放熱板の突起部16eと前記第5のLEDチップ搭載基板18Eの熱伝導ベタパターン7Bをネジ(図示せず)で固定する。または、スプリング板(図示せず)を用いて挟み込む等して接触させて固定し、放熱効率の良い第5の放熱板付きLED発光装置19Eを形成する。そして、熱伝導率を良くする目的で、前記と同様に前記第5の放熱板の突起部16eと前記第5のLEDチップ搭載基板18Eの熱伝導ベタパターン7Bの間に、高熱伝導媒体を介在させることが好ましい。
また、前記第5の放熱板の突起部16eと前記第5のLEDチップ搭載基板18Eの熱伝導ベタパターン7Bの間に介在させる高熱伝導媒体に、導電性接着剤(図示せず)を用いて、押しつけた状態にして接着固定しても良い。この方法では、導電性接着剤が前記高熱伝導媒体の役割を果たし、空気の熱伝導率よりも高いので、放熱効率の良い第5の放熱板付きLED発光装置19Eを形成することができる。そしてその状態を図32に示す。
そして、前記第5の放熱板付きLED発光装置19Eを用いた第2のLED照明装置31Bを図32に示し説明する。構造は、図32に示すように、前記第5の放熱板付きLED発光装置19Eに光拡散板20を組み合わせて、第2のLED照明装置31Bを形成する。
この構造により、タイプAのLEDチップ14AのLED素子11から発生した光線21の一部は、直接光拡散板20の全体に当たり多方向に散乱し、光拡散板20全体が発光したような状態になって、LED照明装置の光線として作用する。また、LED素子11から発生した光線21の一部は、直接光拡散板20に当たって乱反射し、湾曲した絶縁基材1に到達して乱反射する。そして、絶縁基材1に到達して乱反射した光線21は、更に光拡散板20に到達して多方向に散乱してLED照明装置の光線として作用する。発光効率の良い第2のLED照明装置31Bを得ることができる。
また、LED素子11から発生した光線21の一部は、絶縁基材1に直接当たって乱反射するが、絶縁基材1が湾曲しているので、乱反射した光線21は、光拡散板20の方向に集光され、LED照明装置の光線として作用するので、LED照明装置の光量を向上させることができる。そのため、発光効率の良い第2のLED照明装置31Bを得ることができる。ところで、図32では、前記直接光拡散板20に当たって乱反射した光線21の1つを示し、また前記湾曲した絶縁基材1に到達して乱反射した光線21の1つを示す。
(第3のLED照明装置)
次に、第3のLED照明装置について説明する。前記第1のLEDチップ搭載基板18Aと同じ製造方法を用いて、図33に示す第6のLEDチップ搭載基板18Fを形成し、また、図33に示すように、第6の放熱板16Fの面に沿う突起部16fを一軸方向にV字状に形成した第6の放熱板16Fを用意する。次に、図33に示すように前記第6の放熱板の突起部16fと前記第6のLEDチップ搭載基板18Fの熱伝導ベタパターン7Bをネジ(図示せず)やスプリング板(図示せず)を用いて接触させて固定し、放熱効率の良い第5の放熱板付きLED発光装置19Eを形成する。この方法では、前記と同様に熱伝導率を良くする目的で、前記第6の放熱板の突起部16fと前記第6のLEDチップ搭載基板18Fの熱伝導ベタパターン7Bの間に、高熱伝道媒体を介在させることが好ましい。
また、前記第6の放熱板の突起部16fと前記第6のLEDチップ搭載基板18Fの熱伝導ベタパターン7Bの間に介在させる高熱伝導媒体に、導電性接着剤(図示せず)を用いて、押しつけた状態にして接着固定しても良い。この方法では、導電性接着剤が前記高熱伝導媒体の役割を果たし、空気の熱伝導率よりも高いので、放熱効率の良い第6の放熱板付きLED発光装置19Fを形成することができる。そしてその状態を図33に示す。
次に、前記第6の放熱板付きLED発光装置19Fを用いた第3のLED照明装置31Cの作用を図33に示し説明する。まず、タイプAのLEDチップ14AのLED素子11から発生した光線21の一部は、直接光拡散板20の全体に当たり多方向に散乱し、光拡散板20全体が発光したような状態になって、LED照明装置の光線として作用する。また、LED素子11から発生した光線21の一部は、直接光拡散板20に当たって乱反射し、V字に形成された絶縁基材1に到達して乱反射する。そして、絶縁基材1に到達して乱反射した光線21は、更に光拡散板20に到達して多方向に散乱してLED照明装置の光線として作用するので、発光効率の良い第3のLED照明装置31Cを得ることができる。
また、LED素子11から発生した光線21の一部は、絶縁基材1に直接当たって乱反射するが、絶縁基材1がV字に形成されているので、乱反射した光線21は、光拡散板20の方向に集光されて、LED照明装置の光線として作用し、LED照明装置の光量を効率よく向上させることができので、発光効率の良い第3のLED照明装置31Cを得ることができる。ところで、図33では、前記直接光拡散板20に当たって乱反射した光線21の1つを示し、また前記V字に形成された絶縁基材1に到達して乱反射した光線21の1つを示す。
ところで、前記第2および第3のLED照明装置には、タイプAのLEDチップ14Aを用いて形成した事例を用いて説明したが、タイプBのLEDチップ14BまたはタイプCのLEDチップ14Cを用いて形成しても良い。また、図33に示す第3のLED照明装置31Cでは、第6の放熱板16Fの面に沿う突起部16fを一軸方向にV字状に形成した第6の放熱板16Fを用いたが、第6の放熱板16Fの面に沿う突起部16fを二軸方向にV字状に形成し、前記第6のLEDチップ搭載基板18Fには切れ込み等を入れて組み付けるようにしても良い。
なお、以上の実施形態において、第1の放熱板付きLED発光装置19A〜第6の放熱板付きLED発光装置19Fは本発明の電子モジュールの一例であり、第1の3層プリント配線基板15A〜第4の3層プリント配線基板15Dおよび2層プリント配線基板15Eは本発明の配線基板の一例であり、タイプAのLEDチップ14A〜タイプCのLEDチップ14Cは本発明の実装部品及び発光部品の一例であり、第1の放熱板16A〜第6の放熱板16Fは本発明の放熱部材の一例であり、絶縁基材1は本発明の基材の一例であり、配線パターン6は本発明の導電層の一例であり、LED素子11、セラミック基板12および封止部13は本発明の実装部品及び発光部品の本体部の一例であり、導電性接着剤等の高熱伝導媒体は本発明の導電性材料の一例であり、第1の熱伝導接着シート17A〜第4の熱伝導接着シート17Dは本発明の絶縁性材料の一例であり、溝28及び切り欠き29は本発明の凹部の一例である。また、第1の3層プリント配線基板15A〜第4の3層プリント配線基板15Dまたは2層プリント配線基板15Eと第1の放熱板16A〜第6の放熱板16Fとの組み合わせ(放熱板付きプリント配線板25)は本発明の配線基体の一例である。
第1の放熱板付きLED発光装置19A(19E,19F)及び第2の放熱板付きLED発光装置19Bにおいて、熱伝導パターン7及び熱伝導ベタパターン7Bは本発明の第1パターンの一例であり、熱伝導パターン7は本発明の第1延出部の一例であり、アノード電極端子8Aまたはカソード電極端子8Cは本発明の第2延出部の一例であり、アノード電極端子8Aまたはカソード電極端子8Cを含む配線パターン6は本発明の第2パターンの一例であり、放熱パッド10は本発明の第1パッドの一例であり、アノード電極パッド9Aまたはカソード電極パッド9Cは本発明の第2パッドの一例である。
第3の放熱板付きLED発光装置19Cにおいて、カソード電極端子8C、カソード側熱伝導ベタパターン7Cおよび熱伝導パターン7は本発明の第1パターンの一例であり、カソード電極端子8Cまたは熱伝導パターン7は本発明の第1延出部の一例であり、アノード電極端子8A及びアノード側熱伝導ベタパターン7Aは本発明の第2パターンの一例であり、アノード電極端子8Aは本発明の第2延出部の一例であり、カソード電極パッド9C又は放熱パッド10は本発明の第1パッドの一例であり、アノード電極パッド9Aは本発明の第2パッドの一例である。
第4の放熱板付きLED発光装置19Dにおいて、カソード電極端子8Cおよびカソード側熱伝導ベタパターン7Cは本発明の第1パターンの一例であり、カソード電極端子8Cは本発明の第1延出部の一例であり、アノード電極端子8A及びアノード側熱伝導ベタパターン7Aは本発明の第2パターンの一例であり、アノード電極端子8Aは本発明の第2延出部の一例であり、カソード電極パッド9Cは本発明の第1パッドの一例であり、アノード電極パッド9Aは本発明の第2パッドの一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
配線基板は、可撓性を有していてもよいし、有していなくてもよい。基材は、絶縁基材に限定されず、金属基材等の導電性の基材であってもよい。
実装部品は、発光部品に限定されず、例えば、抵抗素子、容量素子(キャパシタ)、誘導素子(インダクタ)、フィルタ、センサであってもよい。また、実装部品が発光部品である場合、発光部品はLEDチップに限定されず、例えば、有機ELを利用した発光素子であってもよい。
放熱部材の形状は適宜な形状とされてよく、板状に限定されない。また、絶縁性材料を収容する凹部は必須の要件ではない。例えば、放熱部材の平坦な面と配線基板の導電層との間に、絶縁性材料と導電性材料とが同一厚さで配置されることにより、第1パターンが放熱部材と導通されるとともに第2パターンが放熱部材と絶縁されてもよい。また、例えば、放熱部材の平坦な面に絶縁性材料が配置され、その絶縁性材料の配置によって生じる起伏に応じて配線基板の導電層が起伏して、絶縁性材料の非配置位置において導電層が放熱部材に当接し、導通されてもよい。
配線基板の導電層と放熱部材との間の導電性材料は、導電性接着剤に限定されない。例えば、導電性材料は、はんだであってもよい。また、配線基板の導電層と放熱部材との間の絶縁性材料は、必須の要件ではない。例えば、導電層は、放熱部材から離間することによって(空気によって)放熱部材と絶縁されていてもよい。また、絶縁性材料は、樹脂やシート状のものに限定されず、例えば、ゴムシートやセラミック板であってもよい。
実施形態では、配線基板に実装された全ての実装部品それぞれに関して、第1パターンの放熱部材への導通と、第2パターンの放熱部材との絶縁とが実現された。ただし、本発明は、配線基板に実装された複数の実装部品のうちの一部についてのみ、上記の導通と絶縁とが実現されていてもよい。その一例を図11に示す。
図11は、電子モジュールの変形例を示す模式的な平面図である。電子モジュール101は、配線基板102と、配線基板102に実装された複数の実装部品103とを有している。複数の実装部品103は、配線基板102の導電層104によって、互いに並列及び直列に接続されるとともに、2つの端子105A及び105Bに接続されている。
配線基板102及び実装部品103の積層構造は実施形態と同様である。そして、点線で示す領域R1のみにおいて、不図示の放熱部材が導電層104に対して直接当接し若しくは導電性材料を介して当接し、他の領域においては、放熱部材と導電層104との間には絶縁性材料が介在している。
この場合においても、例えば、紙面左下側の実装部品103に着目すれば、導電層104に含まれる第1パターン106Aは放熱部材に導通され、第2パターン106Bは放熱部材と絶縁されている。すなわち、電子モジュール101は本願発明に含まれる。