JP5811281B2 - 半導体集積回路及びパルス生成方法 - Google Patents

半導体集積回路及びパルス生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体集積回路及びパルス生成方法に関する。
一般に半導体集積回路で用いられるラッチ回路としては、デューティー比が50%のクロック信号で駆動するクロック駆動型のラッチ回路と、チョッパー回路で生成された細いパルスで駆動するチョッパー駆動型のラッチ回路が存在する。高速動作が要求される回路においては、チョッパー駆動型のラッチ回路が使用されることが多い。チョッパー回路で生成されチョッパー駆動型のラッチ回路に供給される細いパルスのパルス幅は、シミュレーションによってラッチ回路が動作するか確認して決めている。
また、半導体デバイスは、トランジスタ特性のばらつきを有する。そのため、半導体デバイスの設計時には、予めばらつき範囲を想定して設計が行われる。しかし、近年では半導体デバイスの微細化に伴い、トランジスタ特性のばらつきが顕著になっており、トランジスタ特性のばらつき範囲を想定して設計しても、それ以上にばらついてしまうことがある。想定外の特性ばらつきにより、チョッパー回路で生成するパルスのパルス幅やチョッパー駆動型のラッチ回路のパルス感度が変わってしまい、パルス幅が不充分である場合に、ラッチ回路に書き込みができず、チップ試験で不良となり歩留まりが低下する問題があった。ラッチ回路のパルス感度とは、パルス幅に対してラッチ回路への書き込みが可能か否かの感度である。
想定外の特性ばらつきに対応できるように、チョッパー回路で生成するパルスのパルス幅を広くとり過ぎると、レーシング対策が必要となり使用可能なタイミングウィンドウが狭くなって設計が困難になるという問題が発生する。また、パルス幅可変回路とパルス幅検出回路を用い、パルス幅検出回路での判定結果をパルス幅可変回路にフィードバックさせて集積回路が動作可能なパルス幅を検出する技術が提案されている(特許文献1参照)。しかし、特許文献1に開示の技術では、パルス幅の決定に長い試験時間が必要という問題がある。
特開2000−196419号公報
本発明は、トランジスタ特性がばらついて、ラッチ回路に供給されるパルスのパルス幅やラッチ回路のパルス感度が変わった場合でも、簡便な方法によりラッチ回路に書き込みを行えるパルス幅を決定できるようにすることを目的とする。
半導体集積回路の一態様は、パルス幅の異なる複数のパルスを生成する第1のパルス生成回路と、並列に動作し、複数のパルスの各々のパルスで、変化した入力値をラッチする複数の第1のラッチ回路と、複数の第1のラッチ回路の出力に基づいてパルス幅を変更し、そのパルス幅のパルスを生成する第2のパルス生成回路と、第2のパルス生成回路で生成されたパルスで駆動される第2のラッチ回路とを有する。
トランジスタ特性に応じた、ラッチ回路に書き込みを行えるパルス幅を速やかに決定することができる。
図1は、本発明の実施形態における半導体集積回路の構成例を示す図である。 図2は、本実施形態におけるパルス幅検出回路の構成例を示す図である。 図3は、本実施形態におけるチョッパー回路の構成例を示す図である。 図4は、本実施形態におけるラッチ回路の構成例を示す図である。 図5は、本実施形態におけるパルス幅可変機能を有するチョッパー回路の構成例を示す図である。 図6は、図5に示すセレクタの構成例を示す図である。 図7は、本実施形態における半導体集積回路のチップ試験時の処理例を示すフローチャートである。 図8Aは、ラッチ回路への書き込み判定を説明するための図である。 図8Bは、ラッチ回路への書き込み判定を説明するための図である。 図9は、本実施形態におけるパルス幅の設定例を示す図である。 図10は、本実施形態におけるパルス幅検出回路の動作例を示すタイミングチャートである。 図11は、本実施形態における実装例を示す図である。 図12は、本実施形態における他の実装例を示す図である。 図13は、本実施形態におけるパルス幅の設定例を示す図である。 図14は、本実施形態におけるパルス幅検出回路の他の構成例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態における半導体集積回路の構成例を示す図である。パルス幅検出回路10は、回路ブロック20内のチョッパー駆動型のラッチ回路40を、書き込み不良を発生させることなく動作させるためのパルス幅を検出する。パルス幅検出回路10は、ラッチ回路40と同様の動作確認用のラッチ回路を内部に複数有する。パルス幅検出回路10は、複数の動作確認用のラッチ回路に対してパルス幅が異なる複数のパルスの各々で入力値の書き込みを行い、動作確認用のラッチ回路への書き込みの可否を確認する。パルス幅検出回路10は、パルス幅が異なる複数のパルスの各々での動作確認用のラッチ回路への書き込みの可否の判定結果を、信号OUTa、OUTb、OUTcにより出力する。
回路ブロック20内のチョッパー回路30は、出力するパルスのパルス幅を変更可能なパルス幅可変機能を有するチョッパー回路である。チョッパー回路30は、第2のパルス生成回路の一例である。チョッパー回路30は、パルス幅検出回路10から出力される信号OUTa、OUTb、OUTcが入力され、信号OUTa、OUTb、OUTcの値に基づいてパルス幅を変更する。チョッパー回路30は、入力される信号OUTa、OUTb、OUTcに応じたパルス幅のパルスCKを生成して出力する。ラッチ回路40は、チョッパー回路30で生成されたパルスCKで駆動し、入力Dの値をラッチする。すなわち、ラッチ回路40は、供給されるパルスCKに基づいて、入力値の書き込みを行う。
CLKはクロック信号であり、RSTはリセット信号である。なお、本実施形態において、パルス幅検出回路10と接続される回路ブロック20の数は任意である。また、各回路ブロック20が有するラッチ回路40の数は、同じでなくとも良く、回路ブロック20毎に任意である。
図2は、本実施形態におけるパルス幅検出回路10の構成例を示す図である。パルス幅検出回路10は、チョッパー回路11(11r、11a、11b、11c)、16、及びチョッパー駆動型のラッチ回路12(12r、12a、12b、12c)、15(15a、15b、15c)を有する。また、パルス幅検出回路10は、排他的論理和演算回路(XOR回路)13(13a、13b、13c)、論理和演算回路(OR回路)14(14a、14b、14c)、及びインバータ17を有する。XOR回路13は、判定回路の一例であり、OR回路14及びラッチ回路15は、保持回路の一例である。
チョッパー回路11は、入力されるクロック信号CLKを用いて、予め決められた固定のパルス幅のパルスCKを生成し出力する。チョッパー回路11は、第1のパルス生成回路の一例である。チョッパー回路11rはパルス幅がPTrのパルスCKrを生成して出力し、チョッパー回路11aはパルス幅がPTaのパルスCKaを生成して出力する。また、チョッパー回路11bはパルス幅がPTbのパルスCKbを生成して出力し、チョッパー回路11cはパルス幅がPTcのパルスCKcを生成して出力する。
ここで、パルス幅PTrは、ラッチ回路12において入力Dを必ず書き込める、すなわち書き込み不良が発生することがなく、入力Dのラッチを保証する充分に長いパルス幅である。また、パルス幅PTa、PTb、PTcは、PTa<PTb<PTc≦PTrの関係を満たす。すなわち、パルスCKa、Ckb、CKcは、そのパルス幅が互いに異なるとともに、パルスCKaのパルス幅が最も短く、パルスCKcのパルス幅が最も長い。
チョッパー回路11の各々は、図3に示すように、OR回路101、及び入力される信号を遅延させて出力するディレイライン(DL)102を有する。OR回路101は、クロック信号CLKが入力されるとともに、ディレイライン102によってパルス幅分遅延され反転されたクロック信号CLKが入力され、その演算結果を出力する。つまり、OR回路101の出力は、クロック信号CLKの1サイクルにおいて、パルス幅分の期間だけローレベルとなり、その他の期間はハイレベルとなる。OR回路101の出力がパルスCKとして出力される。ディレイライン102は、シミュレーション等によって遅延量が予め決められた固定のパルス幅となるように構成されている。
ラッチ回路12は、動作確認用のラッチ回路であり、チョッパー回路11で生成されたパルスCKで駆動し、入力Dの値をラッチする。すなわち、ラッチ回路12は、供給されるパルスCKに基づいて、入力Dの値の書き込みを行う。ラッチ回路12rは、チョッパー回路11rで生成されたパルス幅PTrのパルスCKrで入力Dの書き込みを行い、ラッチ回路12aは、チョッパー回路11で生成されたパルス幅PTaのパルスCKaで入力Dの書き込みを行う。また、ラッチ回路12bは、チョッパー回路11bで生成されたパルス幅PTbのパルスCKbで入力Dの書き込みを行い、ラッチ回路12cは、チョッパー回路11cで生成されたパルス幅PTcのパルスCKcで入力Dの書き込みを行う。ラッチ回路12の入力Dには、ラッチ回路12rの出力Xがインバータ17により反転されて入力されており、入力Dの値はクロックCLKの1サイクル毎に反転する。ラッチ回路12のリセット入力Rには、リセット信号RSTが入力されている。
ラッチ回路12の各々は、図4に示すように、インバータ111、113、114、115、及びトランスファゲート112を有する。トランスファゲート112は、ゲートにパルスCKが入力されるPチャネルトランジスタ、及びゲートにパルスCKが反転して入力されるNチャネルトランジスタを有する。トランスファゲート112は、パルスCKがローレベルのときに導通状態になり、パルスCKがハイレベルのときに非導通状態になる。
インバータ111には入力Dが入力され、インバータ111の出力がトランスファゲート112を介してインバータ113に入力される。インバータ113の出力とインバータ114の入力とが接続されるとともに、インバータ114の出力とインバータ113の入力とが接続される。また、インバータ114の出力とインバータ113の入力との接続点にインバータ115の入力が接続され、インバータ115の出力がラッチ回路12の出力Xとして出力される。
XOR回路13aは、ラッチ回路12rの出力Xが入力されるとともに、ラッチ回路12aの出力Xが入力され、その演算結果を出力する。XOR回路13aは、ラッチ回路12r及びラッチ回路12aの出力Xが一致する場合には“0”を出力し、一致しない場合には“1”を出力する。このXOR回路13aの出力がラッチ回路1aへの書き込み可否を示しており、“0”出力が書き込みできたこと(OK)を示し、“1”出力が書き込みできなかったこと(NG)を示す。
同様に、XOR回路13bは、ラッチ回路12r及びラッチ回路12bの出力Xが入力され、その演算結果を出力する。また、XOR回路13cは、ラッチ回路12r及びラッチ回路12cの出力Xが入力され、その演算結果を出力する。XOR回路13bの出力がラッチ回路1bへの書き込み可否を示し、XOR回路13cの出力がラッチ回路1cへの書き込み可否を示し、それぞれ“0”出力が書き込み成功(OK)を示し、“1”出力が書き込み失敗(NG)を示す。
OR回路14aは、XOR回路13aの出力が入力されるとともに、ラッチ回路15aの出力Xが入力され、その演算結果を出力する。ラッチ回路15aは、チョッパー回路16で生成されたパルス幅PTrのパルスで、OR回路14aの出力である入力Dの書き込みを行いラッチする。したがって、XOR回路13aから“1”出力があると、OR回路14a及びラッチ回路15aにより、その状態が保持される。ラッチ回路15aの出力Xが、パルス幅検出回路10の出力信号OUTaとして出力される。
OR回路14bは、XOR回路13bの出力が入力されるとともに、ラッチ回路15bの出力Xが入力され、その演算結果を出力する。ラッチ回路15bは、チョッパー回路16で生成されたパルス幅PTrのパルスで、OR回路14bの出力である入力Dの書き込みを行いラッチする。したがって、XOR回路13bから“1”出力があると、OR回路14b及びラッチ回路15bにより、その状態が保持される。ラッチ回路15bの出力Xが、パルス幅検出回路10の出力信号OUTbとして出力される。
OR回路14cは、XOR回路13cの出力が入力されるとともに、ラッチ回路15cの出力Xが入力され、その演算結果を出力する。ラッチ回路15cは、チョッパー回路16で生成されたパルス幅PTrのパルスで、OR回路14cの出力である入力Dの書き込みを行いラッチする。したがって、XOR回路13cから“1”出力があると、OR回路14c及びラッチ回路15cにより、その状態が保持される。ラッチ回路15cの出力Xが、パルス幅検出回路10の出力信号OUTcとして出力される。
チョッパー回路16は、入力されるクロック信号CLKを用いて、予め決められた固定のパルス幅PTrのパルスCKrを生成し出力する。なお、ラッチ回路15a、15b、15cの各々の構成は、図4に示したラッチ回路12と同様であり、チョッパー回路16の構成は、図3に示したチョッパー回路11と同様である。
図2に示したパルス幅検出回路10は、パルス幅PTa、PTb、PTcでラッチ回路への書き込みを並列して行い、各パルス幅でのラッチ回路の書き込み可否を確認して判定する。そして、各パルス幅でのラッチ回路の書き込み可否の判定結果をラッチする。したがって、パルス幅検出回路10は、最短でクロック信号CLKの2サイクルでパルス幅PTa、PTb、PTcでのラッチ回路の書き込み可否を判定し、書き込み不良を発生させることなくラッチ回路を動作させるためのパルス幅を検出することができる。
パルス幅検出回路10による各パルス幅でのラッチ回路の書き込み可否の判定結果は、信号OUTa、OUTb、OUTcにより出力される。本実施形態では、パルス幅PTaでラッチ回路の書き込み不良が発生しない場合には出力信号OUTaが“0”であり、書き込み不良が発生した場合には出力信号OUTaが“1”となる。同様に、パルス幅PTbでラッチ回路の書き込み不良が発生しない場合には出力信号OUTbが“0”であり、書き込み不良が発生した場合には出力信号OUTbが“1”となる。パルス幅PTcでラッチ回路の書き込み不良が発生しない場合には出力信号OUTcが“0”であり、書き込み不良が発生した場合には出力信号OUTcが“1”となる。
図5は、本実施形態におけるチョッパー回路30の構成例を示す図である。前述したように、チョッパー回路30は、出力するパルスのパルス幅を変更可能なパルス幅可変機能を有する。図5に示すチョッパー回路30は、出力するパルスのパルス幅をPTa、PTb、PTcのいずれかに設定することができる。チョッパー回路30は、OR回路121、セレクタ122、及びディレイライン123、124、125を有する。
OR回路121は、クロック信号CLKが入力されるとともに、セレクタ122の出力Xが入力され、その演算結果をパルスCKとして出力する。セレクタ122は、入力される信号OUTa、OUTb、OUTcの値に応じて、入力DLa、DLb、DLcのいずれかを選択し、出力Xとして出力する。ここで、セレクタ122の入力DLaには、ディレイライン123により期間PTaだけ遅延されたクロック信号CLKが入力され、セレクタ122の入力DLbには、ディレイライン123、124により期間PTbだけ遅延されたクロック信号CLKが入力される。セレクタ122の入力DLcには、ディレイライン123、124、125により期間PTcだけ遅延されたクロック信号CLKが入力される。
ディレイライン123、124、125のそれぞれは、入力される信号を所定の遅延量だけ遅延させて出力する。ディレイライン123は、シミュレーション等によって遅延量がPTaとなるように構成されており、ディレイライン124は、シミュレーション等によって遅延量が(PTb−PTa)となるように構成されている。また、ディレイライン125は、シミュレーション等によって遅延量が(PTc−PTb−PTa)となるように構成されている。なお、図5に示した例では、ディレイライン123、124、125を直列に接続する構成としているが、それぞれ期間PTa、PTb、PTcだけ遅延させるディレイラインを並列に設ける構成であっても良い。
図6は、図5に示したセレクタ122の構成例を示す図である。セレクタ122は、論理積演算回路(AND回路)131a、131b、131c、132a、132b、132c、及び否定論理和演算回路(NOR回路)133を有する。AND回路131aには、信号OUTa、OUTb、OUTcが反転され入力される。AND回路131bには、信号OUTaが入力されるとともに、信号OUTb、OUTcが反転され入力される。AND回路131cには、信号OUTa、OUTbが入力されるとともに、信号OUTcが反転され入力される。
AND回路132aには、AND回路131aの出力が入力されるとともに、期間PTa遅延されたクロック信号CLKである信号DLaが入力される。AND回路132bには、AND回路131bの出力が入力されるとともに、期間PTb遅延されたクロック信号CLKである信号DLbが入力される。AND回路132cには、AND回路131cの出力が入力されるとともに、期間PTc遅延されたクロック信号CLKである信号DLcが入力される。NOR回路133には、AND回路13a、13b、13の出力が入力され、その出力がセレクタ122の出力として出力される。
すなわち、セレクタ122は、信号OUTa、OUTb、OUTcの値がすべて“0”であるときには、期間PTa遅延されたクロック信号CLKである信号DLaを反転して出力する。また、セレクタ122は、信号OUTaの値が“1”であり、信号OUTb、OUTcの値がともに“0”であるときには、期間PTb遅延されたクロック信号CLKである信号DLbを反転して出力する。また、セレクタ122は、信号OUTa、OUTbの値がともに“1”であり、信号OUTcの値が“0”であるときには、期間PTc遅延されたクロック信号CLKである信号DLcを反転して出力する。
したがって、本実施形態におけるチョッパー回路30は、信号OUTa、OUTb、OUTcの値がすべて“0”であるときには、クロック信号CLKの1サイクルにおいて、期間PTaだけローレベルとなり、その他の期間はハイレベルとなるパルス幅PTaのパルスCKを出力する。同様に、チョッパー回路30は、信号OUTaの値が“1”であり、信号OUTb、OUTcの値がともに“0”であるときには、パルス幅PTbのパルスCKを出力する。チョッパー回路30は、信号OUTa、OUTbの値がともに“1”であり、信号OUTcの値が“0”であるときには、パルス幅PTcのパルスCKを出力する。
図7は、本実施形態における半導体集積回路のチップ試験時の処理動作例を示すフローチャートである。
まず、リセット信号RSTをアサートし、パルス幅検出回路10内のラッチ回路12、15を含む半導体集積回路内のラッチ回路を初期値“0”にリセットする(S11)。次に、リセット信号RSTをネゲートした後、チップ試験を行う(S12)。このチップ試験では、パルス幅検出回路10において、パルス幅PTrのパルスでラッチ回路12rへの書き込みを行うとともに、異なるパルス幅PTa、PTb、PTcの複数のパルスでのラッチ回路12a、12b、12cへの書き込みを行う。
次に、ラッチ回路12rの出力Xとラッチ回路12a、12b、12cの出力Xとを比較することでラッチ回路の動作判定を行い、パルス幅PTa、PTb、PTcでのラッチ回路への書き込み可否を判定する(S13)。ここで、パルスCKのパルス幅が十分であれば、図8Aに示すように、ラッチ回路12の出力Xは、変化した入力Dに応じた値となる。一方、パルスCKのパルス幅が不十分であれば、図8Bに示すように、ラッチ回路12の出力Xは、変化した入力Dに応じた値にならず、前の値が維持される。したがって、ラッチ回路12a、12b、12cに対して書き込みが正常に行われれば、対応するラッチ回路の出力Xが入力されるXOR回路13は“0”を出力し、書き込み不良が発生すれば、対応するラッチ回路の出力Xが入力されるXOR回路13は“1”を出力する。
次に、パルス幅PTa、PTb、PTcでのラッチ回路への書き込み可否の結果を示すXOR回路13の出力を、OR回路14及びラッチ回路15によりラッチすることで検出し、信号OUTa、OUTb、OUTcによってチョッパー回路30に試験結果を設定する(S14、S15)。続いて、チョッパー回路30は、信号OUTa、OUTb、OUTcの値に応じて、生成するパルスのパルス幅を決定する(S15)。なお、前述したS12〜S14の動作については、複数回繰り返して行うようにしても良い。
以上のようにして、回路ブロック20内のラッチ回路40を駆動するパルスCKのパルス幅を決定し、半導体集積回路の実動作での運用を開始する(S17)。本実施形態では、例えば図9に示すように、パルス幅PTa、PTb、PTcでの測定結果が“1”(NG)である場合には、チップが不良であると判定する。また、パルス幅PTa、PTbでの測定結果が“1”(NG)であり、パルス幅PTcでの測定結果が“0”(OK)である場合には、ラッチ回路40を駆動するパルスCKのパルス幅をPTcに決定する。パルス幅PTaでの測定結果が“1”(NG)であり、パルス幅PTb、PTcでの測定結果が“0”(OK)である場合には、ラッチ回路40を駆動するパルスCKのパルス幅をPTbに決定する。パルス幅PTa、PTb、PTcでの測定結果が“0”(OK)である場合には、ラッチ回路40を駆動するパルスCKのパルス幅をPTaに決定する。
図10は、本実施形態におけるパルス幅検出回路10の動作例を示すタイミングチャートである。時刻T0〜時刻T1の期間において、リセット信号RSTがアサートされることによりラッチ回路12、15が初期値“0”にリセットされる。したがって、時刻T1において、ラッチ回路12の各々の入力Dの値は“1”であり、信号OUTa、OUTb、OUTcの値は“0”である。
時刻T1において、クロック信号CLKが立ち下がると、チョッパー回路11rからパルス幅PTrのパルスCKrがラッチ回路12rに出力される。同様に、チョッパー回路11aからパルス幅PTaのパルスCKaがラッチ回路12aに出力され、チョッパー回路11bからパルス幅PTbのパルスCKbがラッチ回路12bに出力され、チョッパー回路11cからパルス幅PTcのパルスCKcがラッチ回路12cに出力される。
パルス幅が十分であればラッチ回路12には入力Dの値である“1”が書き込まれて出力Xの値が“1”となり、パルス幅が十分でなければ書き込み不良でラッチ回路12の出力Xの値は“0”のままとなる。図10には、パルス幅PTaでは不十分であり、ラッチ回路12aは書き込み不良である例を示している。ラッチ回路12aが書き込み不良であると、図中201、202に示すようにラッチ回路12r及びラッチ回路12aの出力値が不一致となり、ラッチ回路15aの入力Dの値が“1”に変化する。他のラッチ回路15b、15cの入力Dの値は“0”のままである。
図中203に示すように、時刻T2において、ラッチ回路15aの入力Dの値“1”が、ラッチ回路15aに書き込まれ、信号OUTaの値が“1”に変化する。信号OUTaの値が“1”となり、信号OUTb、OUTcの値がともに“0”であるので、チョッパー回路30は、出力するパルスCKのパルス幅をPTbに設定する。
以下、本実施形態におけるパルス幅検出回路10と、パルス幅可変機能を有するチョッパー回路30及びラッチ回路40を含む回路ブロック20との実装例について説明する。
図11は、本実施形態におけるパルス幅検出回路10と回路ブロック20の実装例を示す図である。チップA、チップB、チップCは、回路構成が同じであり、回路ブロック20が1つのパルス幅検出回路10に接続されている。回路ブロック20内のラッチ回路40を駆動するパルスのパルス幅の設計値はPTaであるとする。図11に示すように各チップにパルス幅検出回路10を実装することで、チップ毎に適切なパルス幅を決定することができ、チップ間の特性ばらつきを吸収することができる。
例えば、チップBでは、特性ばらつきにより、設計値であるパルス幅PTaではラッチ回路40が書き込み不良となるが、パルス幅PTbでは正常に書き込みが行えるとする。この場合には、チップBにおいて使用するパルスのパルス幅をPTbとすることで、設計値ではラッチ回路の書き込み不良だけの理由で救済できなかった見かけ上不良のチップを救済することができ、歩留まりを向上させることができる。
また、図12に示すように、1つのチップ内のブロック毎にパルス幅検出回路10を実装し、各ブロックにおけるラッチ回路の書き込み可否の判定結果に基づいて、ブロック毎に使用するパルスのパルス幅を決定するようにしても良い。これにより、ブロック毎に適切なパルス幅を決定することができ、チップ内における特性ばらつきを吸収することができる。
なお、前述した説明では、パルス幅検出回路10によりラッチ回路への書き込みが可能と判定されたパルス幅のうち、最小のものを使用するパルスのパルス幅に決定するようにしているが、マージンを持たせるようにしても良い。例えば、図13に示す構成において、パルス幅検出回路10によりパルス幅PTa、PTb、PTcでラッチ回路への書き込みが可能と判定されたとしても、使用するパルスのパルス幅をPTbに決定する。このように、マージンを持たせることでチップの救済率を向上させることができる。なお、マージンを持たせる場合には、例えば、信号OUTa、OUTb、OUTcによるパルス幅の選択論理を適宜変更すれば良い。
また、パルス幅検出回路10は、異なる3つのパルス幅PTa、PTb、PTcに対応するものを一例として示したが、これに限定されるものではなく、パルス幅の設定数は任意である。例えば、図14に示すように、1つのパルス幅に対して、それぞれ1つのチョッパー回路11、ラッチ回路12、XOR回路13、OR回路14、及びラッチ回路15を有する回路ブロック51を設けることで、任意の数の異なるパルス幅に対応することが可能である。例えば、パルス幅の数を増やし、パルス幅の差を小さくすることで、試験精度を向上させることができる。
また、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
チョッパー駆動型のラッチ回路を有する半導体集積回路にて、トランジスタ特性に応じた、ラッチ回路に書き込みを行えるパルス幅を速やかに決定することが可能になる。また、ラッチ回路に書き込みを行うためのパルスのパルス幅をトランジスタ特性に応じて適切に決定することができ、ラッチ回路の書き込み不良を救済しチップの歩留まりを向上させることが可能になる。

Claims (5)

  1. パルス幅の異なる複数のパルスを生成する第1のパルス生成回路と、
    並列に動作し、前記第1のパルス生成回路により生成された前記複数のパルスの各々のパルスで、変化した入力値をラッチする複数の第1のラッチ回路と、
    生成するパルスのパルス幅を前記複数の第1のラッチ回路の出力に基づいて変更し、当該パルス幅のパルスを生成する第2のパルス生成回路と、
    前記第2のパルス生成回路により生成されたパルスで駆動される第2のラッチ回路とを有することを特徴とする半導体集積回路。
  2. 前記複数の第1のラッチ回路の内、変化した入力値のラッチが保証される前記第1のラッチ回路の出力と、他の前記第1のラッチ回路の各々の出力とが、一致するか否かを判定する複数の判定回路を有し、
    前記第2のパルス生成回路は、生成するパルスの前記パルス幅を前記複数の判定回路での判定結果に基づいて変更することを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
  3. 前記第1のラッチ回路の出力が一致しないとの判定結果が前記判定回路より出力された場合に、当該判定結果を保持する保持回路を有し、
    前記第2のパルス生成回路は、生成するパルスの前記パルス幅を前記保持回路に保持されている情報に基づいて変更することを特徴とする請求項2記載の半導体集積回路。
  4. 前記第2のパルス生成回路は、生成するパルスの前記パルス幅を、変化した入力値のラッチを成功した前記第1のラッチ回路に供給されるパルスの内、最小のパルス幅に対応するパルス幅に変更することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体集積回路。
  5. 第1のパルス生成回路が生成したパルス幅の異なる複数のパルスの各々のパルスで、変化した入力値を複数の第1のラッチ回路がラッチし、
    前記複数の第1のラッチ回路の出力に基づいて、前記複数のパルスの各々のパルスでの前記第1のラッチ回路におけるラッチの可否を判定し、
    前記判定の結果を検出して、第2のラッチ回路を駆動するパルスを生成する第2のパルス生成回路に当該結果を設定し、
    前記第2のパルス生成回路が、設定された前記結果に応じて生成するパルスのパルス幅を変更することを特徴とするパルス生成方法。
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