[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る携帯端末について図を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る携帯端末10を示す平面図である。図2は、携帯端末10の電気的構成を示すブロック図である。
図1に示す携帯端末10は、複数のアプリケーションプログラム(以下、単に、アプリケーションともいう)のいずれかを実行することで、そのアプリケーションに応じた情報処理機能を実現する携帯用の端末である。この携帯端末10は、筐体11の前面の大部分を占めるよう配置された表示画面20を有する表示装置13と、この表示装置13を含めた携帯端末10の全体的制御を司る制御部12と、を備えている。
表示装置13は、外面部に入力部が設けられたタッチパネルから構成されており、使用者が表示画面20をタッチペン等により押圧することにより、その押圧した領域に応じた情報が制御部12に入力されるように構成されている。また、筐体11の前面のうち表示画面20の下縁近傍には、タッチパネルと異なる入力手段として、操作部14を構成する複数の操作ボタン14aが設けられている。
次に、携帯端末10の電気的構成について説明する。
図2に示すように、制御部12には、上述した表示装置13および操作部14が接続されているとともに、メモリ15、通信部16、バッテリ17などが、それぞれ接続されている。制御部12は、携帯端末10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるものであり、オペレーティングシステムや所定のアプリケーションを実行する情報処理機能を有するものである。この制御部12には、表示装置13や操作部14など、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されている。
表示装置13は、制御部12によるアイコン表示処理(後述する)等により制御されて、アプリケーション起動時の処理画面やタッチパネルに対するタッチ操作に応じた情報等を、表示画面20に表示可能に構成されている。この表示画面20は、その表示領域が、起動したプログラムの処理画面を1または2以上表示可能なメイン表示領域21と、処理画面が表示されたアプリケーションを選択するための選択用アイコンが表示可能な表示領域としてタスクバー30とに区分けされている。なお、表示装置13は、特許請求の範囲に記載の「表示部」の一例に相当し得る。また、メイン表示領域21は、特許請求の範囲に記載の「第1表示領域」の一例に相当し、タスクバー30は、特許請求の範囲に記載の「第2表示領域」の一例に相当し得る。
メイン表示領域21には、タッチ操作することで所定のアプリケーションを起動可能な起動用アイコンが表示されている。図1に例示するメイン表示領域21には、第1アプリケーションプログラム(以下、APL1という)を起動するための起動用アイコン22aと、第2アプリケーションプログラム(以下、APL2という)を起動するための起動用アイコン22bと、第3アプリケーションプログラム(以下、APL3という)を起動するための起動用アイコン22cと、第4アプリケーションプログラム(以下、APL4という)を起動するための起動用アイコン22dとが、タッチ操作可能に表示されている。また、図1に例示するメイン表示領域21には、起動中のAPL1の処理画面23aとAPL2の処理画面23bのうちAPL2の処理画面23bがトップウィンドウに表示されている。このように、処理画面がトップウィンドウに表示されることで、当該アプリケーションに対して所定の情報を入力可能な状態になる。
タスクバー30は、メイン表示領域21の下縁に沿い、当該メイン表示領域21よりも狭く一方向に長い帯状の領域として表示されている。このタスクバー30には、1または2以上の上記処理画面がメイン表示領域21に表示されているときに、選択用アイコンが、アプリケーションごとに上記一方向(以下、配列方向という)に沿い配列して表示される。この選択用アイコンは、所望のアプリケーションに対応する処理画面をトップウィンドウに表示させるとき、すなわち、所望のアプリケーションを選択するときにタッチ操作されるアイコンである。図1に例示するタスクバー30では、メイン表示領域21に処理画面が表示されたAPL1およびAPL2を選択するための選択用アイコン31aおよび選択用アイコン31bが、当該タスクバー30の表示領域を全て占めるように表示されている。
操作部14は、使用者が各操作ボタン14aを操作することにより、その操作に応じた信号が制御部12に入力されるように構成されている。メモリ15は、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの半導体メモリ等により構成されており、制御部12から入力される情報や、制御部12にて所定のアプリケーション(APL1〜APL4等)を実行するためのプログラム等が記憶されるように構成されている。通信部16は、無線LANやBluetooth(登録商標)などの通信手段により外部装置と無線通信を行うためのインタフェースとして構成されている。バッテリ17は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池(例えばリチウムイオン電池等)によって構成されており、携帯端末10内の各種電気部品に電力を供給している。
次に、上述のように構成される携帯端末10の制御部12にて実施されるアイコン表示処理について、以下に説明する。なお、アイコン表示処理を実施する制御部12は、特許請求の範囲に記載の「アイコン表示手段」の一例に相当し得る。
携帯端末10のように表示画面20が小さい場合には、タスクバー30で表示できる領域が狭くなるため、数個のアプリケーションを起動すると、タスクバー30に表示される選択用アイコンの表示幅が小さくなってしまう。このように、選択用アイコンの表示幅が小さくなると、所望の選択用アイコンに対する画面のタップ操作が困難になってしまう。
そこで、本実施形態におけるアイコン表示処理では、選択される可能性が高い選択用アイコンの表示幅を、選択される可能性が低い選択用アイコンと比較して、大きくなるように調整し、選択される可能性が高い選択用アイコンを選択容易に表示する。
具体的には、タスクバー30にて選択用アイコンを表示可能な領域における配列方向長さを基準として、タスクバー30に表示すべき選択用アイコンごとにその総和が1となるように重みWが算出され、その重みWが、時間経過に応じて選択する可能性を考慮するように設定(変更)される。すなわち、重みWは、その選択用アイコンの表示幅に相当する値となる。また、タスクバー30に選択用アイコンが表示されるアプリケーションごとに優先順位が設定されて、その優先順位が、いずれかの選択用アイコンのタッチ操作(選択)等に応じて変更される。
特に、本実施形態では、重みWと優先順位とが関連付けられており、優先順位が変更される場合、変更前の各優先順位に関連付けられる重みWと、変更後の各優先順位に関連付けられる重みWとが一致するように、重みWが再設定される。具体的には、例えば、APL1が優先順位1位でその選択用アイコン31aが重みW=0.7に設定され、APL2が優先順位2位でその選択用アイコン31bが重みW=0.3に設定されているときに、選択用アイコン31bに対してタッチ操作されると、APL2の優先順位が1位に変更され、この変更に応じて、選択用アイコン31bの重みWが0.7に設定される。なお、この場合、APL1の優先順位が2位に変更され、この変更に応じて、選択用アイコン31aの重みWが0.3に設定される。
上述のように重みWおよび優先順位を考慮して実施されるアイコン表示処理について、図3〜図7に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図3は、第1実施形態に係る制御部12におけるアイコン表示処理の流れを例示するフローチャートである。図4は、図3の第1重み設定処理のサブルーチンの流れを例示するフローチャートである。図5は、図3の第2重み設定処理のサブルーチンの流れを例示するフローチャートである。図6は、図3の第3重み設定処理のサブルーチンの流れを例示するフローチャートである。図7は、図3の第4重み設定処理のサブルーチンの流れを例示するフローチャートである。
使用者により携帯端末10が電源オン状態となりオペレーティングシステムが起動すると、制御部12によりアイコン表示処理が開始され、まず、ステップS101に示す判定処理にて、所定のアプリケーションが起動されたか否かについて判定される。アプリケーションが起動されていなければ(S101でNo)、ステップS103に示す判定処理にて、タスクバー30に表示されている選択用アイコンに対して選択操作(タッチ操作)されたか否かについて判定される。選択用アイコンに対する選択操作がされていなければ(S103でのNo)、ステップS105に示す判定処理にて、アプリケーションが終了したか否かについて判定される。アプリケーションが終了されていなければ(S105でNo)、ステップS107に示す判定処理にて、後述する経過時間Tが所定時間Tth以上であるか否かについて判定される。経過時間Tが所定時間Tth未満であれば(S107でNo)、ステップS109に示す計時処理がなされ、上記経過時間Tが計時される。続いて、ステップS111に示すアイコン表示幅調整処理がなされる。この処理では、選択用アイコンが、後述するように設定等された重みWに基づいてその表示幅が調整されて、タスクバー30の表示領域を全て占めるように表示される。そして、上記ステップS101からの処理がなされ、いずれかの判定処理にてYesと判定されるまで、上記ステップS101からの処理が繰り返される。なお、ステップS111に示すアイコン表示幅調整処理を実施する制御部12は、特許請求の範囲に記載の「表示幅調整手段」の一例に相当し得る。
まず、所定のアプリケーションが起動される場合について、以下に説明する。
上記ステップS101からの繰り返し処理中に、メイン表示領域21に表示されるいずれかの起動用アイコンがタッチ操作等されることで所定のアプリケーションが起動されると(S101でYes)、ステップS200に示す第1重み設定処理がなされる。この第1重み設定処理のサブルーチンでは、まず、図4のステップS201に示す重み算出処理がなされる。この処理では、起動されたアプリケーションに対応する選択用アイコンの重みWが、以下に示す式(1)を用いて算出される。なお、式(1)では、Nは、起動されているアプリケーションの総数を示す。
W=1/N ・・・(1)
次に、ステップS203に示す判定処理にて、他のアプリケーションが起動しているか否かについて判定される。ここで、例えば、起動用アイコン22aがタッチ操作されてAPL1が新規に起動し、他のアプリケーションが起動していない状態であれば(S203でNo)、本第1重み設定処理のサブルーチンが終了する。このように、第1重み設定処理のサブルーチンが終了すると、ステップS111に示すアイコン表示幅調整処理がなされ、新規に起動したAPL1に対応する選択用アイコン31aが、上記重み算出処理にて算出された重みWに応じた表示幅で、タスクバー30を占めるように表示される。
このAPL新規起動前後の画面遷移について、図8を用いて説明する。図8は、APL新規起動時の画面遷移を説明する説明図であり、図8(A)は新規起動前の表示状態を示し、図8(B)は新規起動後の表示状態を示す。
いずれのアプリケーションも起動していない状態では、図8(A)に示すように、タスクバー30にはいずれの選択用アイコンも表示されていない。この表示状態で起動用アイコン22aがタッチ操作されてAPL1が新規に起動すると(S101でYes)、上記重み算出処理にて式(1)によりN=1であることから重みW=1として算出される。これにより、図8(B)に示すように、上記アイコン表示幅調整処理により、選択用アイコン31aが、タスクバー30の表示領域を全て占めるように表示される。
また、上述したステップS203に示す判定処理にて、他のアプリケーションが起動している場合、例えば、APL1〜APL3が起動済みであり、APL4を追加起動する場合には、Yesと判定される。続いて、ステップS205に示す判定処理にて、他の優先順位が未設定のアプリケーションがあるか否かについて判定される。なお、優先順位は、起動直後のアプリケーションには設定されないようになっており、後述するようにいずれの選択用アイコンに対してタッチ操作等がなされるまで、未設定状態となる。
ここで、APL1〜APL3に全て優先順位が設定されている場合には(S205でNo)、ステップS207に示す重み再算出処理がなされる。この処理では、追加起動されたアプリケーションを除く他のアプリケーションに対応する重みWが、以下に示す式(2)を用いて再算出される。なお、式(2)では、W1は、変化後の重みを示し、W2は、変化前の重みを示し、N1は、追加起動したアプリケーション数を示す。
W1=(1−(1/N)×N1)×W2 ・・・(2)
上記式(2)により各重みWが算出されると、本第1重み設定処理のサブルーチンが終了し、上記アイコン表示幅調整処理がなされる。上述のようにAPL4を追加起動した場合には、各選択用アイコン31a〜31cが、式(2)を用いて算出された重みWに応じた表示幅となり、選択用アイコン31dが、式(1)を用いて算出された重みWに応じた表示幅となるように、タスクバー30に表示される。
このAPL追加起動前後における重みWの変化および画面遷移について、図9および図10を用いて説明する。図9は、未設定APLが無い場合の追加起動前後における重みWの変化を示す説明図である。図10は、APL追加起動時の画面遷移を説明する説明図であり、図10(A)は追加起動前の表示状態を示し、図10(B)は追加起動後の表示状態を示す。
APL1〜APL3の優先順位および重みWが、図9の追加起動前のように設定されている場合には、図10(A)に示すように、メイン表示領域21には、APL1の処理画面23aがトップウィンドウに表示され、タスクバー30には、選択用アイコン31a,31b,31cが、0.5:0.3:0.2の表示幅の比率で表示されている。この表示状態で起動用アイコン22dがタッチ操作されてAPL4が追加起動すると(S101でYes)、図9の追加起動後に示すように、APL4の選択用アイコン31dの重みWが、上記式(1)によりN=4であることから、W=0.25として算出される。また、APL1〜APL3の選択用アイコン31a,31b,31cの各重みWが、上記式(2)により、0.375,0.225,0.15として再算出される。
そして、上記アイコン表示幅調整処理がなされ、図10(B)に示すように、タスクバー30には、選択用アイコン31a,31b,31c,31dが、0.375:0.225:0.15:0.25の表示幅の比率で表示される。
また、上述したステップS205に示す判定処理にて、他の優先順位が未設定のアプリケーションがある場合、例えば、APL3の起動直後でありAPL3の優先順位が未設定である場合には、ステップS209に示す優先順位未設定のAPLの重み再算出処理がなされる。この処理では、優先順位未設定であるアプリケーションに対応する重みW、この場合には、選択用アイコン31cの重みWが、上記式(1)を用いて再算出される。続いて、ステップS211に示す優先順位設定済のAPLの重み再算出処理がなされる。この処理では、優先順位設定済であるアプリケーションに対応する重みW、この場合には、選択用アイコン31a,31bの重みWが、以下に示す式(3)を用いて再算出される。なお、式(3)では、N2は、優先順位未設定であるアプリケーション数を示す。
W1=(1−(1/N)×N2)×W2 ・・・(3)
上記式(3)を用いて各重みWが算出されると、本第1重み設定処理のサブルーチンが終了し、上記アイコン表示幅調整処理がなされ、上述のように算出された重みWに応じてその表示幅が調整された各選択用アイコンが、タスクバー30に表示される。
この未設定のアプリケーションが有る場合のAPL追加起動前後の重みWの変化について、図11を用いて説明する。図11は、未設定APLが有る場合の追加起動前後における重みWの変化を示す説明図である。
図11の追加起動前からわかるように、選択用アイコン31a,31b,31cが、0.5:0.17:0.33の表示幅の比率で表示されている状態で起動用アイコン22dがタッチ操作されてAPL4が追加起動すると(S101でYes)、図11の追加起動後に示すように、APL3,4の選択用アイコン31c,31dの重みWが、上記式(1)によりN=4であることから、それぞれW=0.25として算出される。また、APL1,2の選択用アイコン31a,31bの重みWが、上記式(3)により、0.37,0.13として再算出される。
次に、選択用アイコンが選択操作(タッチ操作)される場合について、以下に説明する。
上記ステップS101からの繰り返し処理中に、タスクバー30に表示されているいずれかの選択用アイコンがタッチ操作等により選択されると(S103でYes)、ステップS300に示す第2重み設定処理がなされる。この第2重み設定処理のサブルーチンでは、まず、図5のステップS301に示す判定処理がなされ、選択された選択用アイコンの優先順位が1位であるか否かについて判定される。ここで、選択された選択用アイコンの優先順位が1位である場合には(S301でYes)、この選択操作に応じて重みWおよび優先順位を変更する必要がないとして、本第2重み設定処理のサブルーチンが終了する。
一方、選択された選択用アイコンの優先順位が1位でない場合には(S301でNo)、ステップS303に示す判定処理にて、優先順位未設定のアプリケーションがあるか否かについて判定される。ここで、優先順位未設定のアプリケーションがない場合には(S303でNo)、ステップS305に示す優先順位変更処理がなされる。この処理では、選択された選択用アイコンに対応するアプリケーションの優先順位が一番高く設定され、このアプリケーションよりも優先順位が高かった他のアプリケーションは、その優先順位が1つ低くなるように設定される。なお、上記ステップS305に示す優先順位変更処理および後述するテップS309に示す優先順位変更処理を実行する制御部12は、特許請求の範囲に記載の「優先順位設定手段」の一例に相当し得る。
続いて、ステップS307に示す重み再設定処理がなされる。この処理では、変更前の各優先順位に関連付けられる重みWと、変更後の各優先順位に関連付けられる重みWとが一致するように、重みWが再設定されて、本第2重み設定処理のサブルーチンが終了する。そして、上記アイコン表示幅調整処理がなされ、上述のように設定された重みWに応じてその表示幅が調整された各選択用アイコンが、タスクバー30に表示される。
このアイコン選択前後における優先順位および重みWの変化とその画面遷移とについて、図12および図13を用いて説明する。図12は、未設定APLが無い場合のアイコン選択前後における優先順位および重みWの変化を示す説明図である。図13は、アイコン選択時の画面遷移を説明する説明図であり、図13(A)はアイコン選択前の表示状態を示し、図13(B)はアイコン選択後の表示状態を示す。
APL1〜APL3の優先順位および重みWが、図12のアイコン選択前のように設定されている場合には、図13(A)に示すように、メイン表示領域21には、APL1の処理画面23aがトップウィンドウに表示され、タスクバー30には、選択用アイコン31a,31b,31cが、0.5:0.3:0.2の表示幅の比率で表示されている。この表示状態で選択用アイコン31cがタッチ操作されると(S103でYes)、図12のアイコン選択後に示すように、APL3の優先順位が一番高くなり、APL1およびAPL2の優先順位が1つ下げられる。このとき、優先順位1位は重みW=0.5に対応し、優先順位2位は重みW=0.3に対応し、優先順位3位は重みW=0.2に対応する。このため、図12のアイコン選択後のように、APL3の選択用アイコン31cの重みWが0.5に再設定され、APL1,2の選択用アイコン31a,31bの重みWがそれぞれ0.3,0.2に再設定される。
そして、上記アイコン表示幅調整処理がなされ、図13(B)に示すように、タスクバー30には、選択用アイコン31a,31b,31cが、0.3:0.2:0.5の表示幅の比率で表示される。
また、上述したステップS303に示す判定処理にて、優先順位が未設定のアプリケーションがある場合、例えば、APL4の起動直後でありAPL4の優先順位が未設定である場合には、ステップS309に示す優先順位変更処理がなされる。この処理では、選択された選択用アイコンに対応するアプリケーションの優先順位が一番高く設定され、次に、優先順位が未設定のアプリケーションの優先順位が二番目に高く設定され、これらのアプリケーションよりも優先順位が高かった他のアプリケーションは、その優先順位が1つ低くなるように設定される。そして、上記ステップS307に示す重み再設定処理がなされ、各重みWが再設定された後、本第2重み設定処理のサブルーチンが終了する。そして、上記アイコン表示幅調整処理がなされ、上述のように設定された重みWに応じてその表示幅が調整された各選択用アイコンが、タスクバー30に表示される。
この未設定のアプリケーションが有る場合のアイコン選択前後の優先順位および重みWの変化について、図14を用いて説明する。図14は、未設定APLが有る場合のアイコン選択前後における優先順位および重みWの変化を示す説明図である。
図14のアイコン選択前に示すように、選択用アイコン31a,31b,31c,31dが、0.375:0.225:0.15:0.25の表示幅の比率で表示されており、APL4の優先順位が未設定である状態で、選択用アイコン31bがタッチ操作されると(S103でYes)、図14のアイコン選択後に示すように、APL2の優先順位が一番高く設定され、次に、優先順位が未設定であったAPL4の優先順位が二番目に高く設定され、APL1,3の優先順位が3,4位に設定される。
続いて、上記優先順位の変更に応じて、選択用アイコン31a,31b,31c,31dの重みWが、0.225,0.375,0.15,0.25に再設定される。そして、上記アイコン表示幅調整処理がなされ、タスクバー30には、選択用アイコン31a,31b,31c,31dが、それぞれの重みWに応じた比率の表示幅で表示される。
次に、アプリケーションを終了する場合について、以下に説明する。
上記ステップS101からの繰り返し処理中に、起動中のいずれかのアプリケーションを終了するタッチ操作等がなされると(S105でYes)、ステップS400に示す第3重み設定処理がなされる。この第3重み設定処理のサブルーチンでは、まず、図6のステップS401に示す重み再算出処理がなされる。この処理では、起動中のアプリケーションに対応する各重みWが、以下に示す式(4)を用いてそれぞれ再算出される。なお、式(4)では、ΣWaは、終了されたアプリケーションに対応する重みWを除いた各重みWの総和を示す。
W1=1/ΣWa×W2 ・・・(4)
次に、ステップS403に示す優先順位変更処理がなされ、終了されたアプリケーションよりも優先順位が低いアプリケーションの優先順位が1つ高くなるように変更されて、本第3重み設定処理のサブルーチンが終了する。そして、上記アイコン表示幅調整処理がなされ、上述のように設定された重みWに応じてその表示幅が調整された各選択用アイコンが、タスクバー30に表示される。
このアプリケーション終了前後における優先順位および重みWの変化とその画面遷移について、図15および図16を用いて説明する。図15は、APL終了前後における優先順位および重みWの変化を示す説明図である。図16は、APL終了時の画面遷移を説明する説明図であり、図16(A)はAPL終了前の表示状態を示し、図16(B)はAPL終了後の表示状態を示す。
APL1〜APL4の優先順位および重みWが、図15のAPL終了前のように設定されている場合には、図16(A)に示すように、メイン表示領域21には、APL2の処理画面23bがトップウィンドウに表示され、タスクバー30には、選択用アイコン31a,31b,31c,31dが、0.225:0.375:0.15:0.25の表示幅の比率で表示されている。この表示状態でAPL4を終了するためのタッチ操作等がなされると(S105でYes)、APL1〜APL3に対応する重みWが、上記式(4)により、0.3,0.5,0.2として再算出される。その後、図15のAPL終了後のように、APL1,APL3の優先順位が1つ高くなるように変更される。
そして、上記アイコン表示幅調整処理がなされ、図16(B)に示すように、タスクバー30には、選択用アイコン31a,31b,31cが、0.3:0.5:0.2の表示幅の比率で表示される。
次に、経過時間Tが所定時間Tthを経過する場合について、以下に説明する。
上記ステップS101からの繰り返し処理中に、上記計時処理にて計時を開始してからの経過時間Tが所定時間Tth、例えば、1分を経過すると(S107でYes)、ステップS500に示す第4重み設定処理がなされる。この第4重み設定処理のサブルーチンでは、まず、図7のステップS501に示す判定処理がなされ、優先順位未設定のアプリケーションがあるか否かについて判定される。ここで、優先順位未設定のアプリケーションがない場合には(S501でNo)、ステップS507に示す優先順位1位以外の重みWを減算する重み減算処理がなされる。この処理では、優先順位が1位のアプリケーションを除く他のアプリケーションに対応する重みWが、それぞれ変化量ΔWだけ減算される。本実施形態では、変化量ΔWは、例えば、0.01に設定されている。なお、本実施形態では、重みWに所定の下限値が設定されており、上記重み減算処理では、重みWが当該所定の下限値を下回らないように減算される。
続いて、ステップS509に示す優先順位1位の重みWを加算する重み加算処理がなされる。この処理では、優先順位1位の重みWに対して、上記重み減算処理にて各重みWを減算した減算分の総和が加算される。そして、ステップS511に示す経過時間クリア処理にて、経過時間Tがクリア(T=0)されて、本第4重み設定処理のサブルーチンが終了する。そして、上記アイコン表示幅調整処理がなされ、上述のように加減算された重みWに応じてその表示幅が調整された各選択用アイコンが、タスクバー30に表示される。このように、経過時間Tが所定時間Tthを経過するごとに重みWが加減算されることで、優先順位が一番高く設定されるアプリケーションに対応する選択用アイコンの表示幅が徐々に大きく調整され、他のアプリケーションに対応する選択用アイコンの表示幅が徐々に小さく調整される。
この重みWの加減算前後における画面遷移について、図17を用いて説明する。図17は、重みWの加減算時の画面遷移を拡大して説明する説明図であり、図17(A)は重みWの加減算前の表示状態を拡大して示し、図17(B)は重みWの加減算後の表示状態を拡大して示す。
図17(A)に示すように、タスクバー30に、選択用アイコン31a,31b,31c,31dが、0.38:0.27:0.1:0.25の表示幅の比率で表示されている場合に、経過時間Tが所定時間Tthを経過すると(S107でYes)、APL2〜APL4の重みWがそれぞれ変化量ΔWだけ減算されるとともに、APL1の重みWがΔW×3だけ加算される。そして、上記アイコン表示幅調整処理がなされることで、図17(B)に示すように、タスクバー30に、選択用アイコン31aの表示幅が所定時間Tth経過前よりも大きく設定され、選択用アイコン31b,31c,31dの表示幅が所定時間Tth経過前よりもそれぞれ小さく表示される。
また、上述したステップS501に示す判定処理にて、優先順位が未設定のアプリケーションがある場合、例えば、APL4の起動直後でありAPL4の優先順位が未設定である場合には(S501でYes)、ステップS503に示す優先順位変更処理がなされる。この処理では、優先順位が未設定であったアプリケーションの優先順位が一番高く設定され、他のアプリケーションは、その優先順位が1つ低くなるように設定される。そして、上記ステップS505に示す重み再設定処理がなされ、上記ステップS307に示す重み再設定処理と同様に、優先順位に応じて各重みWが再設定された後、上記ステップS507以降の処理がなされる。なお、上記ステップS503に示す優先順位変更処理を実行する制御部12は、特許請求の範囲に記載の「優先順位設定手段」の一例に相当し得る。
この重みWの加減算前後における重みWの変化とその画面遷移について、図18および図19を用いて説明する。図18は、未設定APLが有る場合の重みWの加減算前後における優先順位および重みWの変化を示す説明図である。図19は、重みWの加減算時の画面遷移を拡大して説明する説明図であり、図19(A)は重みWの加減算前の表示状態を拡大して示し、図19(B)は重みWの加減算後の表示状態を拡大して示す。
APL1〜APL4の優先順位および重みWが、図18の重みWの加減算前(T<Tth)に例示するように設定されている場合には、図19(A)に示すように、タスクバー30には、選択用アイコン31a,31b,31c,31dが、0.38:0.27:0.1:0.25の表示幅の比率で表示されている。この表示状態で経過時間Tが所定時間Tthを経過すると(S107でYes)、図18の重みWの加減算後(T≧Tth)に示すように、APL4の優先順位が1位に設定されるとともに、APL1〜APL3の優先順位がそれぞれ1つ低くなるように変更される。そして、優先順位に応じて再設定されたAPL1〜APL3の重みWがそれぞれ0.01だけ減算されるとともに、優先順位の最も高いAPL4の重みWが0.38に0.03が加算されて0.41と再設定される。
そして、上記アイコン表示幅調整処理がなされ、図19(B)に示すように、タスクバー30には、選択用アイコン31a,31b,31c,31dが、0.26:0.24:0.09:0.41の表示幅の比率で表示される。
以上説明したように、本実施形態に係る携帯端末10では、制御部12により実施されるアイコン表示処理により、メイン表示領域21に処理画面(23a〜23d)が表示された1または2以上のアプリケーションプログラムに対応する選択用アイコン(31a〜31d)がタスクバー30の全てを占有するように表示されるとともに、終了したアプリケーションプログラムに対応する選択用アイコンがタスクバー30から除外される。そして、メイン表示領域21に処理画面が表示されたアプリケーションプログラムの優先順位が、タッチ操作(S305,S309)や所定時間経過後(S503)等、使用状況に応じて設定され、タスクバー30に表示される選択用アイコンの表示幅が、設定された優先順位および重みWに基づいてアイコン表示幅調整処理により調整される。
これにより、優先順位の高い選択用アイコン、すなわち、選択される可能性が高い選択用アイコンの表示幅が、他の優先順位の低い選択用アイコンと比較して、大きく調整されるので、選択される可能性が高い選択用アイコンを選択容易に表示することができる。特に、他の優先順位の低い選択用アイコンは、相対的に表示幅が小さくなるため、表示画面20に占めるメイン表示領域21やタスクバー30の大きさが変わることはない。
したがって、アプリケーションプログラムの処理画面を表示するメイン表示領域21を狭くすることなく処理画面が表示されたアプリケーションプログラムを選択するための選択用アイコンを選択容易に表示することができる。
また、メイン表示領域21に複数の処理画面が表示されている場合に、タスクバー30に表示されるいずれかの選択用アイコンが選択されると、上記ステップS305またはS309に示す優先順位変更処理により、この選択された選択用アイコンに対応するアプリケーションプログラムの優先順位が一番高く設定され、他の選択用アイコンに対応するアプリケーションプログラムの優先順位が低く設定される。
これにより、選択されたアプリケーションプログラムの選択用アイコンは、今後も選択される可能性が高いアイコンであるとして、この選択されたアプリケーションプログラムの優先順位を一番高く設定することで、メイン表示領域21を狭くすることなく選択される可能性が高い選択用アイコンを確実に選択容易に表示することができる。
さらに、アプリケーションプログラムの起動直後には優先順位が設定されず、タスクバー30に複数表示されるいずれかの選択用アイコンが選択される場合に、優先順位が設定されていないアプリケーションプログラム(未設定プログラム)の優先順位が、選択された選択用アイコンに対応するアプリケーションプログラムの次に高くなるように設定される。
起動直後ではそのアプリケーションプログラムの優先順位が正確に把握できないため、優先順位を設定しないことで、誤った優先順位の設定を抑制することができる。その後、他のアプリケーションプログラムのいずれかが選択されてその優先順位が一番高く設定されるとき、残りのアプリケーションプログラムのうち未設定プログラムが、起動してからの時間が最も短いアプリケーションプログラムになることから、この未設定プログラムの優先順位を、選択されたアプリケーションプログラムの次に高くなるように設定することで、使用状況に応じた優先順位の設定を実現することができる。
また、所定時間経過後(T≧Tth)に優先順位が設定されていないアプリケーションプログラムがあると、ステップS503に示す優先順位変更処理にて、当該未設定プログラムの優先順位が最も高く設定される。起動直後に設定されていなかった未設定プログラムの優先順位を所定時間経過後に設定する際、未設定プログラムが、起動してからの時間が最も短いアプリケーションプログラムになる。そこで、この未設定プログラムの優先順位を、一番高く設定することで、使用状況に応じて未設定プログラムの優先順位を設定することができる。
特に、複数の選択用アイコンがタスクバー30に表示される場合、優先順位が一番高く設定されるアプリケーションプログラムを除く他のアプリケーションプログラムに対応する選択用アイコンの表示幅が時間経過とともに徐々に小さく調整され、このように小さくした表示幅に応じて、優先順位が一番高く設定されるアプリケーションプログラムに対応する選択用アイコンの表示幅が徐々に大きく調整される。
これにより、優先順位の高い選択用アイコン、すなわち、選択される可能性が高い選択用アイコンの表示幅が、時間経過とともに徐々に大きく調整されるので、選択される可能性が高い選択用アイコンをより選択容易に表示することができる。
また、表示装置13は、外面部にアイコンを選択するための入力手段が設けられたタッチパネルからなるため、タッチパネルのように表示画面20に触れることでアイコンを選択する構成でも、タスクバー30に表示される選択用アイコンを容易に選択することができる。
なお、選択用アイコンの表示幅を時間経過とともに徐々に小さくするための変化量、すなわち、上述した変化量ΔWを、所望の値に設定可能な変化量設定手段を採用してもよい。この変化量設定手段としては、例えば、表示画面20に対するタッチ操作や操作ボタン14aに対する入力操作が想定される。これにより、例えば、短時間で多くのアプリケーションプログラムを次々に使用する作業環境では上記変化量ΔWを小さくするなど、想定される選択用アイコンの選択状況に応じて上記変化量ΔWを設定することで、その作業環境等に適したアイコン表示を実現することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る携帯端末について図20〜図22を参照して説明する。図20は、第2実施形態に係る制御部12におけるアイコン表示処理の流れを例示するフローチャートである。図21は、図20の第4重み設定処理のサブルーチンの流れを例示するフローチャートである。図22は、図20の拡大表示処理のサブルーチンの流れを例示するフローチャートである。
本第2実施形態に係る携帯端末10は、選択用アイコンの表示幅を時間経過とともに徐々に小さくする場合でも選択用アイコンの選択を容易にするため、アイコン表示処理を図3に示すフローチャートに代えて図20に示すフローチャートに基づいて実施する点が、上記第1実施形態に係る携帯端末と異なる。したがって、第1実施形態の携帯端末と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
上記第1実施形態におけるアイコン表示処理では、選択頻度が低い選択アイコンは、その表示幅が時間経過とともに徐々に小さくなるために、当該アイコンの選択が困難になる場合がある。
そこで、本実施形態におけるアイコン表示処理では、重みWが所定の閾値Wth以下になりその表示幅が小さくなった1または2以上のアイコン(以下、低頻度アイコンという)が取り除き、このように取り除かれた低頻度アイコンの存在を示す拡大表示用アイコン32をタスクバー30の一部に表示する。そして、この低頻度アイコンを選択したい場合には、拡大表示用アイコン32の選択に応じて、当該低頻度アイコンを、既にタスクバー30に表示されているアイコンに代えて表示する。なお、本実施形態では、拡大表示用アイコン32の表示幅は、所定の閾値Wthに対応する表示幅よりも大きくなるように設定されている。また、所定の閾値Wthは、例えば、0.2に設定されている。
以下、本実施形態におけるアイコン表示処理について、図20に示すフローチャートを用いて説明する。
上記第1実施形態と同様に、図20のステップS101からの繰り返し処理中に、上記計時処理にて計時を開始してからの経過時間Tが所定時間Tthを経過すると(S107でYes)、ステップS500aに示す第4重み設定処理がなされる。この第4重み設定処理のサブルーチンでは、上記第1実施形態と同様に、図21のステップS511までの処理がなされた後に、ステップS513にてタスクバー30に表示されている全ての選択用アイコンのそれぞれの順番を示すkが、k=1に設定される。
次に、ステップS515に示す判定処理にて、k番目の重みWkが所定の閾値Wth以下であるか否かついて判定される。ここで、タスクバー30に3つの選択用アイコン31a,31b,31cが表示されており、1番目の選択用アイコン31aに対応する重みWが所定の閾値Wthを超える場合には(S515でNo)、N=3であることから、ステップS519にてNoと判定されて、ステップS521にてk=k+1としてインクリメントされて、再びステップS515の判定処理がなされる。そして、選択用アイコン31b,31cに対応する重みWも所定の閾値Wthを超える場合には(S515でNo)、k=Nとなり(S519でYes)、ステップS523にて、重みW=0のAPLがあるか否かについて判定され、重みW=0のAPLがない場合には、Noと判定されて、本第4重み設定処理が終了する。なお、上記ステップS515に示す判定処理を実施する制御部12は、特許請求の範囲に記載の「判定手段」の一例に相当し得る。
一方、いずれかの重みWが所定の閾値Wth以下になると(S515でYes)、この選択用アイコンが低頻度アイコンであるとして、ステップS517にて、重みW=0に設定される。なお、上記ステップS517に示す処理は、重みWを0に設定することで低頻度アイコンをタスクバー30から取り除く処理とみなすことができ、この処理を実施する制御部12は、特許請求の範囲に記載の「除去手段」の一例に相当し得る。
そして、このように重みW=0に設定されたAPLがある場合には(S523でYes)、ステップS525に示す重み再設定処理がなされる。この処理では、低頻度アイコン(重みW=0)を除く選択用アイコンの重みWが、以下に示す式(5)を用いて再算出される。なお、式(5)では、ΣWbは、低頻度アイコンを除く各選択用アイコンの重みWの総和を示す。
W1=1/ΣWb×W2 ・・・(5)
このように、重みWが再算出されると、本第4重み設定処理が終了する。
上述のように重みW=0となるように設定されて、本第4重み設定処理が終了すると、図20のステップS108に示す判定処理にてYesと判定されて、ステップS108aに示す拡大表示用アイコン表示処理がなされる。この処理では、タスクバー30の一端部に拡大表示用アイコン32が表示される。そして、この拡大表示用アイコン32がタッチ操作等により選択されていなければ(S108bでNo)、ステップS111に示すアイコン表示幅調整処理がなされる。この処理では、タスクバー30のうち拡大表示用アイコン32を除く領域に対して、各選択用アイコンが、対応する重みWに応じた表示幅に調整されて表示される。なお、上記拡大表示用アイコン表示処理を実行する制御部12は、特許請求の範囲に記載の「拡大表示用アイコン表示手段」の一例に相当し得る。
この拡大表示用アイコン32の表示前後における重みWの変化とその画面遷移とについて、図23および図24を用いて説明する。図23は、拡大表示用アイコン32の表示前後における重みWの変化を示す説明図である。図24は、拡大表示用アイコン32の表示時の画面遷移を説明する説明図であり、図24(A)は拡大表示用アイコンの表示前の表示状態を示し、図24(B)は拡大表示用アイコンの表示後の表示状態を示す。
APL1〜APL3の優先順位および重みWが、図23の拡大表示用アイコンの表示前のように設定されている場合には、図24(A)に示すように、メイン表示領域21には、APL3の処理画面23cがトップウィンドウに表示され、タスクバー30には、選択用アイコン31a,31b,31cが、0.21:0.21:0.58の表示幅の比率で表示されている。そして、経過時間Tが所定時間Tthを経過し(S107でYes)、アイコン31aに対応する重みWとアイコン31bに対応する重みWとが、0.21から減算されて所定の閾値Wth以下になると(S515でYes)、低頻度アイコンであるとして、図23の拡大表示用アイコンの表示後のように、これらの重みWが0に設定される。そして、APL3の選択用アイコン31cの重みWが、上記式(5)により、1として再算出される。
このため、図24(B)に示すように、タスクバー30に対して、拡大表示用アイコン32が表示されるとともに(S108a)、重みWが1に再算出された選択用アイコン31cが表示される。
上述のように、拡大表示用アイコン32がタスクバー30に表示されている状態で、この拡大表示用アイコン32を選択するためのタッチ操作等がなされると(S108bでYes)、ステップS600に示す拡大表示処理がなされる。この拡大表示処理のサブルーチンでは、まず、図22のステップS601に示すアイコン幅拡大表示処理がなされる。この処理では、タスクバー30に表示されていた選択用アイコンと拡大表示用アイコン32とがタスクバー30から取り除かれて、1または2以上の低頻度アイコン(重みW=0)が、タスクバー30にそれぞれの表示幅が均等になるように表示される。
上記アイコン幅拡大表示処理による表示状態を図25を用いて詳細に説明する。図25は、拡大表示用アイコン32の選択時の画面遷移を説明する説明図であり、図25(A)は拡大表示用アイコン32の選択前の表示状態を示し、図25(B)は拡大表示用アイコンの選択後の表示状態を示す。
図25(A)に例示するように、選択用アイコン31c,31dと拡大表示用アイコン32とがタスクバー30に表示されており、選択用アイコン31a,31bの重みWがそれぞれ0に設定されている表示状態で、拡大表示用アイコン32がタッチ操作等されると(S108bでYes)、上記アイコン幅拡大表示処理がなされる。これにより、図25(B)に例示するように、選択用アイコン31c,31dおよび拡大表示用アイコン32がタスクバー30から取り除かれて、重みWが0に設定されている選択用アイコン31a,31bが、タスクバー30にそれぞれの表示幅が均等になるように拡大表示される。
そして、表示画面20に対して、拡大表示された選択用アイコンがタッチ操作により選択されるか、タスクバー30(拡大表示された選択用アイコン)と異なる領域がタッチ操作により選択されるまで、ステップS603,S605にて、Noとの判定が繰り返される。そして、例えば、拡大表示された選択用アイコン31aがタッチ操作により選択されると(S603でYes)、ステップS607に示す重み算出処理がなされる。この処理では、拡大表示状態で選択された選択用アイコンの重みWが、以下に示す式(6)を用いて算出される。なお、式(6)では、N3は、重みWが0と異なる値に設定されているアプリケーションの総数を示す。
W=1/(N3+1) ・・・(6)
次に、ステップS609に示す重み再算出処理がなされる。この処理では、拡大表示状態で選択された選択用アイコンのアプリケーションを除く他のアプリケーションに対応する重みWが、以下に示す式(7)を用いて再算出される。
W1=N3/(N3+1)×W2 ・・・(7)
続いて、ステップS611に示す優先順位変更処理がなされる。この処理では、拡大表示状態で選択された選択用アイコンに対応するアプリケーションの優先順位が一番高く設定され、このアプリケーションよりも優先順位が高かった他のアプリケーションは、その優先順位が1つ低くなるように設定される。次に、ステップS613に示す重み再設定処理がなされ、上記ステップS307に示す重み再設定処理と同様に、優先順位に応じて各重みWが再設定される。そして、ステップS615に示すアイコン幅拡大表示解除処理がなされ、上記拡大表示処理による選択用アイコンの拡大表示が解除され、本拡大表示処理のサブルーチンが終了する。
この拡大表示された選択用アイコンの選択前後における優先順位および重みWの変化とその画面遷移とについて、図26および図27を用いて説明する。図26は、拡大表示された選択用アイコンの選択前後における優先順位および重みWの変化を示す説明図である。図27は、拡大表示された選択用アイコンの選択時の画面遷移を説明する説明図であり、図27(A)は拡大表示された選択用アイコンの選択前の表示状態を示し、図27(B)は拡大表示された選択用アイコンの選択後の表示状態を示す。
APL1〜APL4の優先順位および重みWが、図26の拡大表示された選択用アイコンの選択前のように設定されている状態で、拡大表示用アイコン32がタッチ操作により選択されると(S108bでYes)、図27(A)に示すように、重みWが0に設定されている選択用アイコン31a,31bが、タスクバー30にそれぞれの表示幅が均等になるように拡大表示される。そして、拡大表示された選択用アイコン31aがタッチ操作等により選択されると(S603でYes)、選択用アイコン31aに対応する重みWが、上記式(6)を用いて0.33として算出され、選択用アイコン31c,31dに対応する重みWが、上記式(7)を用いて0.4,0.27として算出される。その後、図26の拡大表示された選択用アイコンの選択後のように拡大表示状態で選択されたAPL1の優先順位が一番高く設定され、APL3,4の優先順位が2,3位に設定され、この優先順位の変更に応じて、選択用アイコン31a,31c,31dの重みWが、0.4,0.33,0.27に再設定される。
このため、図27(B)に示すように、タスクバー30に対して、拡大表示用アイコン32が表示されるとともに(S108a)、選択用アイコン31c,31d,31aが、0.33:0.27:0.4の表示幅の比率で表示される。
また、表示画面20に対して、タスクバー30(拡大表示された選択用アイコン)と異なる領域がタッチ操作により選択されると(S605でYes)、特に重みWを再計算することなく、上記アイコン幅拡大表示解除処理がなされて、上述した拡大表示が解除され、本拡大表示処理のサブルーチンが終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る携帯端末10では、重みWが所定の閾値Wth以下と判定された選択用アイコン(低頻度アイコン)がタスクバー30から取り除かれると、このように取り除かれた低頻度アイコンの存在を示す拡大表示用アイコン32が、タスクバー30に他の選択用アイコンとともに一方向に沿い配列して選択可能に表示される。そして、拡大表示用アイコン32が選択されると、タスクバー30に表示されている選択用アイコンが取り除かれ、低頻度アイコンが、タスクバー30に選択可能に表示される。
このように、重みWが所定の閾値Wth以下となり表示幅が小さくなった低頻度アイコンの代わりに拡大表示用アイコン32をタスクバー30の一部に表示し、この低頻度アイコンを選択したい場合には、拡大表示用アイコン32の選択に応じて、当該低頻度アイコンを既にタスクバー30に表示されている選択用アイコンに代えて表示する。これにより、選択頻度の低い選択用アイコン(低頻度アイコン)でも選択容易に表示することができる。
また、拡大表示用アイコン32の表示幅値は、所定の閾値Wthに相当する表示幅よりも大きく設定されるため、拡大表示用アイコン32をタスクバー30に選択容易に表示することができる。
特に、拡大表示用アイコン32が選択されたことでタスクバー30に拡大表示された低頻度アイコンが選択されると、当該低頻度アイコンに対応するアプリケーションプログラムの優先順位が、一番高く設定される。
選択頻度が低いことからタスクバー30から取り除かれた選択用アイコンに対応するアプリケーションプログラムであっても、拡大表示用アイコン32の選択を経て選択された選択用アイコンは、今後も選択される可能性が高いアイコンであるため、この選択されたアプリケーションプログラムの優先順位を一番高く設定することで、選択される可能性が高い選択用アイコンを確実に選択容易に表示することができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明は、タッチパネル式の表示装置を有する携帯端末に適用されることに限らず、例えば、表示画面上に表示されるカーソル等の操作に応じてアイコンの選択等を実施する携帯端末に適用されてもよい。このようにしても、カーソル等による選択用アイコンの選択を容易にすることができる。
(2)上記第1実施形態のアイコン表示処理では、ステップS107に示す判定処理やステップS500に示す第4重み設定処理を廃止してもよい。この場合、経過時間Tと異なる使用状況に応じて重みWを徐々に加減算することができる。
(3)使用状況によっては、アプリケーションの起動直後に、その優先順位を、他のアプリケーションの優先順位よりも高くなるように設定してもよい。