JP5810943B2 - 高圧燃料ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用エンジンに搭載される燃料噴射装置、例えば、コモンレール(高圧燃料蓄圧器)内に蓄圧した高圧燃料をインジェクタによりエンジンの各気筒へ噴射するコモンレール式燃料噴射装置において、燃料供給手段として用いられる高圧燃料ポンプに関する。
(従来の技術)
従来から、この種の高圧燃料ポンプは、種々な構成のものが実用に供されているが、シリンダとこのシリンダ内を滑動するプランジャとエンジンにより駆動されるカム機構とを備え、カム機構のカムの回転に伴うプランジャの往復動によって加圧室の燃料をコモンレールに圧送する基本構成である。
近年、燃料の高圧化や、大容量化が進んで、プランジャを高速で往復運動させざるを得なくなってきており、かくした場合における、シリンダとプランジャとの焼付き現象が危惧されている。
この焼付きのメカニズムについては種々の解析により究明されつつあるが、シリンダとプランジャとの滑合面の温度を下げることが焼付き防止手段の有力な手法であるとして、シリンダを燃料で積極的に冷却する提案がなされている(特許文献1参照)。
かかる提案は、プランジャの下側部分に小径の段付き部を設けるとともに、この段付き部を取り囲むように低圧燃料室を設け、プランジャの往復動による段付き部のポンプ作用によって低圧燃料室内とシリンダ外周側の低圧燃料通路との間で燃料の流動を発生させ、この燃料の流動によりシリンダを積極的に冷却するものである。
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記特許文献1に記載のような冷却構造を高圧燃料ポンプに採用した場合、高圧燃料ポンプ自体の構造が複雑になるのみならず、冷却燃料不足や滑動面の潤滑不足により焼付き現象が生じ、未だ充分な解決策になり得ていないのが実情である。
よって、上記焼付き問題を、コンパクトな構成で解決できる高圧燃料ポンプが切望されている。
本発明者は、上記焼付き問題の原因を究明すべく、実験・研究を重ねたところ、プランジャがシリンダ内を滑動する過程において、プランジャがカム機構のカムにより駆動される際に軸線に対して傾斜しシリンダ内周面に押圧されることは知られていたが、図6に示すように、プランジャ3がシリンダ4の内周面に押圧される際に過大なサイドフォースが白抜き矢印のごとく作用し、プランジャ3とシリンダ4の両者の滑動面に過大な局所面圧が発生するために、焼付くことが確認された。プランジャ3とシリンダ4との隙間は、高圧化に伴う漏洩燃料量を最低限するために非常に厳しく設定されており、この隙間をできるだけ小さく保ちながら良好な滑動を得ることが課題である。
特開2010−106741号公報
本発明は、上記のごとき事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、シリンダ自体の横断面構造を、サイドフォースの作用方向を考慮した工夫ある形状にすることにより、シリンダとプランジャとの滑動面にサイドフォースによる過大な局所面圧が発生するのを抑止して、コンパクトな構成で、シリンダとプランジャとの焼付きを防ぐことができる高圧燃料ポンプを提供することにある。
[請求項1の手段]
請求項1に記載の発明によれば、燃料の加圧圧送のために軸方向に往復動するプランジャと、このプランジャが滑動する内周面を有し、プランジャを摺動可能に収納するシリンダと、プランジャを往復動させるカムを有するカム機構とを備え、カムの回転によりプランジャをシリンダ内で往復動させることにより、燃料を加圧圧送する高圧燃料ポンプにおいて、プランジャおよびシリンダの軸方向をP、カムの軸方向をC、この両軸方向P、Cと直交する方向をZと呼ぶとき、シリンダは、Z方向にのみ肉厚が薄い薄肉部を有することを特徴としている。
このような構成にすることにより、シリンダはサイドフォースが作用する方向に薄肉部を有しているため、シリンダがサイドフォースを受けて撓む(弾性変形する)ことが可能となり、換言すればプランジャにシリンダを倣わせることができ、プランジャとシリンダとの滑動面に過大な局所面圧が発生するのを抑止することができる。
また、シリンダの横断面形状を変更するだけで、別部材、別部品を新たに追加するような構成ではないため、高圧燃料ポンプ自体をコンパクトなものとすることができる。
[請求項2の手段]
請求項2に記載の発明によれば、シリンダは、軸方向Pと直角な横断面形状が、一対の曲面部と一対の平面部とからなる外周面を有する二面幅形状を呈しており、平面部とシリンダの内周面とによって薄肉部を形成していることを特徴としている。
かかる構成によれば、円形状の外周面に二面幅の切削加工を施すだけで、薄肉部を有するシリンダを作製することができ、シリンダを安価に得ることができる。
[請求項3の手段]
請求項3に記載の発明によれば、シリンダは、軸方向Pと直角な横断面形状が、短軸と長軸とをもつ楕円状の外周面を有する楕円形状を呈しており、短軸方向の外周面とシリンダの内周面とによって薄肉部を形成している。
[請求項4の手段]
請求項4に記載の発明によれば、シリンダは、軸方向Pと直角な横断面形状が、短辺と長辺とからなる外周面を有する長方形を呈しており、長辺側の外周面とシリンダの内周面とによって薄肉部を形成している。
[請求項5の手段]
請求項5に記載の発明によれば、高圧燃料ポンプは、シリンダの外周側にプランジャをカム機構のカムに追従させる復元スプリングを備えており、シリンダには、復元スプリングに囲繞される筒部の領域のみにおいて薄肉部を有していることを特徴としている。
かかる構成によれば、シリンダに対しサイドフォースが作用する要所に的確に薄肉部を設けてシリンダを効率的に撓ませることができ、シリンダ自体もより一層安価に作製することができる。
本発明が適用される単筒型高圧燃料ポンプをカム機構の軸線方向に沿って示す縦断面図である(実施例1)。 図1に示す高圧燃料ポンプをカム機構の軸線に直交する方向に沿って示す横断面図である(実施例1)。 本発明が適用される2筒対向型高圧燃料ポンプの主要部をカム機構の軸線に直交する方向に沿って示す横断面図である(実施例2)。 本発明の高圧燃料ポンプにおける動作説明に供する主要部の断面図で、(a)、(b)は実施例1のポンプの模式的縦断面図、(c)は実施例2のポンプの模式的縦断面図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の高圧燃料ポンプで採用するシリンダの構造例を説明するための模式的横断面図である。 従来周知の高圧燃料ポンプにおけるシリンダの模式的横断面図である。
本発明を実施するための最良の形態は、燃料の加圧圧送のために軸方向に往復動するプランジャと、このプランジャが滑動する内周面を有し、プランジャを摺動可能に収納するシリンダと、プランジャを往復動させるカムを有するカム機構とを備え、カムの回転によりプランジャをシリンダ内で往復動させることにより、燃料を加圧圧送する高圧燃料ポンプにおいて、プランジャおよびシリンダの軸方向をP、カムの軸方向をC、この両軸方向P、Cと直交する方向をZと呼ぶとき、シリンダは、Z方向にのみ肉厚が薄い薄肉部を有している。この薄肉部は、サイドフォースが作用する方向と一致するため、その方向にシリンダを撓ませ(弾性変形させ)、サイドフォースを吸収することができる。
また、高圧燃料ポンプが、シリンダの外周側にプランジャをカムに追従させる復元スプリングを備えている場合、シリンダには、復元スプリングに囲繞される筒部の領域においてのみ上記薄肉部を形成することにより、製作が容易な最小体積の薄肉部によって効果的にシリンダを撓ませ、サイドフォースを吸収することができる。
以下、本発明の実施形態として、コモンレール式燃料噴射装置における燃料供給手段をなす高圧燃料ポンプに適用して具体化した実施例について、図面に従って説明する。なお、各図において、紙面の上下方向が、高圧燃料ポンプの取付けに際しての天地方向を示しており、各構成要素の説明には便宜上天地方向に即した呼称を採用する。
〔実施例1〕
実施例1の高圧燃料ポンプは、1つのシリンダを有する所謂単筒型のものであり、その基本構成について、図1、図2、図4(a)、(b)を用いて概説する。
〔ポンプの基本構成〕
高圧燃料ポンプ1は、エンジン(図示せず)により回転駆動されるカム機構2と、カム機構2に駆動されて軸方向に往復動するプランジャ3と、プランジャ3が滑動する内周面を有し、プランジャ3を摺動可能に収納するシリンダ4とを備え、シリンダ4の上端側には燃料の加圧室5が形成されていて、プランジャ3をカム機構2により駆動してシリンダ4内で往復動させ、加圧室5の燃料を加圧圧送するものである。
本実施例では、シリンダ4がシリンダボディ6に鍛造・切削加工等により一体形成されているが、シリンダ4を別部材で作製しシリンダボディ6に圧入等にて組み付けることもできる。
そして、加圧圧送された燃料は、コモンレール(高圧燃料蓄圧器)(図示せず)に供給されて高圧状態で蓄圧され、さらにコモンレールからインジェクタ(図示せず)に供給されてエンジンの各気筒内に噴射される。なお、高圧燃料ポンプ1やインジェクタ等の駆動制御は、所定の電子制御装置(ECU:図示せず)により実行される。
カム機構2は、エンジンにより回転駆動されるシャフト7およびこのシャフト7に一体的に設けられたカム8を主構成要素として構成されている。そして、シャフト7は、軸受ハウジング9を含むポンプハウジング10に軸支され、カム8は、ポンプハウジング10に設けられたカム室11に収容されている。
また、ポンプハウジング10には、シャフト7から回転力を得て駆動されるフィードポンプ(低圧燃料ポンプ)12が組み付けられている。このフィードポンプ12は、燃料タンク(図示せず)からの燃料を低圧燃料経路(図示せず)を介してシリンダ4の加圧室5に供給するものである。
カム機構2とプランジャ3との間には、カム8の回転運動を直線運動に変換してプランジャ3に伝達する駆動力伝達機構13が介装されている。この駆動力伝達機構13は、カム8に当接しカム8の回転に従って回転するローラ14、このローラ14を回転自在に収容するとともにプランジャ3の下端部3Aに当接するタペット15等の部品により構成されている。
そして、駆動力伝達機構13は、カム8の回転に従い一体となって直線運動を行うように、ポンプハウジング10にガイドされており、プランジャ3に駆動力を伝達する。なお、プランジャ3は、下端部3Aに連結されたシート16を介して復元スプリング17により下方側に付勢され、この付勢力によりタペット15に常時当接しており、タペット15を介してカム8の動きに追従する。これらの駆動力伝達機構13および復元スプリング17は、シリンダボディ6とポンプハウジング10との間に形成された室18に収容されている。
室18には、シリンダボディ6の端部6Aから下方に垂下している筒部6Bが介入しており、この筒部6Bがシリンダ4の下側部分の領域を形成している。また、筒部6Bは、小径の円筒部を呈しており、復元スプリング17は、この筒部6Bの外周を囲繞するようにして、シリンダボディ6の端部6Aとシート16との間に配置され、圧縮スプリングとして機能する。
なお、シリンダボディ6には、加圧室5の一端を開閉する電磁弁19、加圧室5で加圧された燃料をコモンレールに導くための導出流路20等が組み込まれている。
〔ポンプの基本動作〕
上記の基本構成を有する高圧燃料ポンプ1は、次のように動作する。
エンジンによりカム機構2のシャフト7が回転駆動されると、カム8の外周面形状に応じてローラ14が回転しながらシリンダ4の軸方向に直線往復運動し、これに伴い、タペット15およびプランジャ3もシリンダ4の軸方向に直線往復運動する。
この直線往復運動過程において、プランジャ3とシリンダ4との滑動面に焼付けが生じるメカニズムを、図4(a)に基づいて説明する。
プランジャ3は、カム8からの回転方向の駆動力を受けて、その下端部3Aが軸線方向とは直交する方向(径方向)に移動し、プランジャ3がシリンダ4に対して傾斜することになる。このプランジャ3の径方向の動きは、プランジャ3の本来の軸方向移動以外の動きである。つまり、カム8が矢印Yのごとく回転することによりその回転方向の分力によって駆動力伝達機構13を介してプランジャ3の下端部3Aを白抜き矢印方向に押す力(以下、サイドフォースという。)が発生し、プランジャ3とシリンダ4との間には隙間があることから、プランジャ3がシリンダ4に対して傾斜することになる。その結果、プランジャ3がシリンダ4の内周面と局所的に接触しながら滑動するため、プランジャ3とシリンダ4との滑動面にサイドフォースによる過大な局所面圧が発生することになり、焼付きを招くことが確認された。
〔実施例1の特徴技術〕
そこで、サイドフォースを吸収する手段として、プランジャ3およびシリンダ4のいずれかを弾性変形させることに着目した。
プランジャ3およびシリンダ4は、共に鉄鋼材料からなるものであるが、プランジャ3が中実であるのに対し、シリンダ4は中空で弾性変形が容易であるため、このシリンダ4の方を弾性変形させることを基本的な構成とし、図4(b)に示すように、シリンダ4を軸方向と直交する方向(径方向)に撓ませる(弾性変形させる)ことにより、プランジャ3の動きにシリンダ4の内周面が倣うようにするものである。
そして、サイドフォースの作用方向(白抜き矢印方向)とシリンダ4を弾性変形させる方向(径方向)とのマッチングが必要であり、シリンダ4に対するサイドフォースの作用方向を精査したところ、カム機構2のカム8やこのカム8より駆動されるプランジャ3との関係がきわめて重要であって、プランジャ3(当然シリンダ4も含む)の軸方向をP、カム8の軸方向をCとしたとき、この両軸方向P、Cと直交する方向、つまりZ方向にサイドフォースが作用することが特定された。よって、シリンダ4には、Z方向のみに肉厚の薄い薄肉部4Aが形成されている。
次に、上記の薄肉部4Aを有するシリンダ4の具体的構造について、図5を用いて説明する。
図5は、図4(a)におけるX−X線に沿うプランジャ3およびシリンダ4(筒部6B)の横断面図であり、白抜き矢印のサイドフォースの作用方向がZ方向に一致している。
図5(a)において、シリンダ4は、筒部6Bの外周面が、一対の曲面部4aと一対の平面部4bとからなる二面幅形状を呈している。曲面部4a間の寸法B(=筒部6Bの直径φD)に対し、平面部4b間の寸法AはA<Bと小さくなっており、シリンダ4の内周面と平面部4bとによって薄肉部4Aが形成されている。
図5(b)において、シリンダ4は、筒部6Bおよびプランジャ3における軸方向Pと直角な横断面形状が、短軸(寸法A)と長軸(寸法B)とをもつ楕円状の外周面を有する楕円形状を呈しており、その短軸方向の外周面とシリンダ4の内周面とによって薄肉部4Aが形成されている。
図5(c)において、シリンダ4は、筒部6Bおよびプランジャ3における軸方向Pと直角な横断面形状が、寸法Aの短辺部4cと寸法Bの長辺部4dとからなる外周面を有する長方形を呈しており、その長辺部4d側の外周面とシリンダ4の内周面とによって薄肉部4Aが形成されている。
図5(d)において、シリンダ4は、筒部6Bおよびプランジャ3における軸方向Pと直角な横断面形状が、直径φD(=寸法B)の外周面に一対の軸方向溝4eを有する欠円形状を呈しており、寸法A(<B)の幅を形成する軸方向溝4eとシリンダ4の内周面とによって薄肉部4Aが形成されている。
〔実施例1の効果〕
上述のごとく、シリンダ4には、Z方向にのみ肉厚が薄い薄肉部4Aが形成されているため、シリンダ4は、サイドフォースが作用する方向の肉厚が薄く、サイドフォースを受けることにより図4(b)に示すように径方向に弾性変形する。よって、サイドフォースを吸収し、プランジャ3とシリンダ4との滑動面にサイドフォースによる過大な局所面圧が発生するのを抑止することができ、プランジャ3がシリンダ4の内周面に倣って良好に滑動するため、プランジャ3とシリンダ4との焼付きを防ぐことができる。
上記構成による高圧燃料ポンプ1は、シリンダ4のみの、しかも僅かな改造で実現できるため、全体としてコンパクトな構成とすることができる。
特に、図5(a)に示すシリンダ4は、例えば、シリンダボディ6全体を鍛造により作製した際に、一体に膨出形成した円筒状の筒部6Bに対して平面部4bを設けるための二面幅の切削加工を施すだけでよく、製造コストを安価にすることができる。
図5(d)に示すシリンダ4も、同様に鍛造により作製した円筒状の筒部6Bに対して軸方向溝4eを設けるための切削加工を施すだけでよく、安価に製造することができる。
〔実施例2〕
実施例2の高圧燃料ポンプは、カム機構を挟んで2つのシリンダを対向配置した所謂2筒対向型のものであり、その基本構成について、図3および図4(c)を用いて概説する。ただし、実施例1と実質的に等価の構成要素については、実施例1と同一の符号を付し、説明を省略する。
高圧燃料ポンプ1のポンプハウジング10には、カム機構30を挟んで図示上下方向に対向配置されるように、2つのポンプ機構P1、P2が組み込まれている。
カム機構30は、エンジンにより回転駆動されるシャフト31上に偏心カム32およびカムリング33を備えている。このカム機構30が、実施例1のカム機構2に相当し、偏心カム32およびカムリング33が、実施例1のカム8に相当する。
偏心カム32は、円柱形状を呈しており、シャフト31に一体的に設けられているが、その中心軸線は、シャフト31の中心軸線に対して偏心しており、この偏心カム32の外周に、カムリング33が嵌合されている。このカムリング33は、四角筒形状を呈しており、円形状の貫通孔34の内周面と偏心カム32の外周面とが接しながら偏心カム32に対して周方向に相対移動可能になっているため、シャフト31の周りを自転せずに公転する。
各ポンプ機構P1、P2は、実質的に同一の構成要素を有し、同一の機能を発揮するように組み立てられており、カム機構30により駆動されて軸方向に往復動するプランジャ3と、プランジャ3が滑動する内周面を有し、プランジャ3を摺動可能に収納するシリンダ4とを備え、シリンダ4の一端側(上端側もしくは下端側)には燃料の加圧室5が形成されていて、加圧室5の燃料を加圧圧送するものである。
なお、本実施例でも、実施例1同様、シリンダ4がシリンダボディ6に鍛造・切削加工等により一体形成されているが、シリンダ4を別部材で作製しシリンダボディ6に圧入等にて組み付けることもできる。
一方のプランジャ3は、反加圧室側端部(下端部もしくは上端部)3Bが円盤状をなしており、復元スプリング17にて、カムリング33の四平面のうちの一面に常に押付けられている。他方のプランジャ3も、同様に、復元スプリング17にて、カムリング33における上記一面と対向する一面に常に押付けられている。このようにカムリング33は、プランジャ3にて挟まれているため、偏心カム32が回転駆動すると、偏心カム32の周りを自転せずに、シャフト31の周りを公転しながら、プランジャ3をシリンダ4内で往復動させる。
上述のように構成された高圧燃料ポンプ1において、プランジャ3とシリンダ4との滑動面に焼付けが生じるメカニズムを説明する。ただし、2つのポンプ機構P1、P2は、実質的に同一の構成要素・機能を備えているため、一方のポンプ機構P1を代表して、図4(c)に基づいて説明する。
本実施例においても、実施例1と同様に、プランジャ3は、偏心カム32からの回転方向Yの駆動力を受けて、その下端部3Bが軸線方向とは直交する方向(径方向)に移動し、プランジャ3がシリンダ4に対して傾斜することになる。つまり、プランジャ3には、その下端部3Bを白抜き矢印方向に押すサイドフォースが発生し、プランジャ3がシリンダ4の内周面と局所的に接触しながら滑動するため、プランジャ3とシリンダ4との滑動面にサイドフォースによる過大な局所面圧が発生することになり、焼付きを招くことが確認された。
そこで、本実施例においても、サイドフォースの作用方向(白抜き矢印方向)とシリンダ4を弾性変形させる方向(径方向)とのマッチングのために、サイドフォースの作用方向として特定された方向、即ち、プランジャ3(当然シリンダ4も含む)の軸方向をP、偏心カム32の軸方向をCとしたとき、この両軸方向P、Cと直交するZ方向のみに肉厚の薄い薄肉部4Aを形成している。
上記の薄肉部4Aを有するシリンダ4の具体的構造としては、実施例1と同様に、図5に示す構造を採用している。図5は、図4(c)におけるX−X線に沿うプランジャ3およびシリンダ4(筒部6B)の横断面図にも相当し、白抜き矢印のサイドフォースの作用方向がZ方向に一致している。
かくして、シリンダ4に、図5(a)〜(d)に示すいずれの薄肉部4Aの構造を用いた場合であっても、実施例1と同様な効果を得ることができた。
[変形例]
以上、実施例1、2として、2つの型式の高圧燃料ポンプ1への適用例を詳述したが、この種の高圧燃料ポンプとしては、種々の構成のものが実用に供されているので、その他の適用事例を変形例として説明する。
基本的には、燃料の加圧圧送のために軸方向に往復動するプランジャと、プランジャが滑動する内周面を有し、プランジャを摺動可能に収納するシリンダと、プランジャを往復動させるカムを有するカム機構とを備え、カムの回転によりプランジャをシリンダ内で往復動させることにより、燃料を加圧圧送するタイプの高圧燃料ポンプである限り、本発明の精神を逸脱することなくすべて適用することができる。
また、シリンダ4に形成する薄肉部4Aの具体的形状・構造についても、図5に示すものに限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変更することができることは勿論である。
その一例を示すと、
(1)高圧燃料ポンプとしては、複数のシリンダが軸方向に配置される所謂列型タイプや、複数のシリンダがカム軸の周りに放射状に配置されるV字型タイプ等であっても、適用することができる。
(2)シリンダ4には、復元スプリング17に囲繞される筒部6B以外にも、薄肉部4A を設けても良い。特に、シリンダ4が別部材で作製される場合には、シリンダ4の軸方向の全領域にわたって薄肉部4Aを設ける方が、製造面で得策である。
1…高圧燃料ポンプ、2…カム機構、3…プランジャ、4…シリンダ、4A…薄肉部、4a…曲面部、4b…平面部、4c…短辺部、4d…長辺部、4e…軸方向溝、6…シリンダボディ、6B…筒部、8…カム、17…復元スプリング、30…カム機構、32…偏心カム、33…カムリング。

Claims (5)

  1. 燃料の加圧圧送のために軸方向に往復動するプランジャ(3)と、
    前記プランジャ(3)が滑動する内周面を有し、前記プランジャ(3)を摺動可能に収納するシリンダ(4)と、
    前記プランジャ(3)を往復動させるカム(8、32、33)を有するカム機構(2、
    30)とを備え、
    前記カム(8、32、33)の回転により前記プランジャ(3)を前記シリンダ(4)内で往復動させることにより、燃料を加圧圧送する高圧燃料ポンプ(1)において、
    前記プランジャ(3)および前記シリンダ(4)の軸方向をP、前記カム(8、32、33)の軸方向をC、前記両軸方向P、Cと直交する方向をZと呼ぶとき、前記シリンダ(4)は、Z方向にのみ肉厚が薄い薄肉部(4A)を有することを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  2. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプ(1)において、
    前記シリンダ(4)は、前記軸方向Pと直角な横断面形状が、一対の曲面部(4a)と一対の平面部(4b)とからなる外周面を有する二面幅形状を呈しており、
    前記薄肉部(4A)は、前記平面部(4b)と前記内周面とによって形成されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  3. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプ(1)において、
    前記シリンダ(4)は、前記軸方向Pと直角な横断面形状が、短軸と長軸とをもつ楕円状の外周面を有する楕円形状を呈しており、
    前記薄肉部(4A)は、短軸方向の前記外周面と前記内周面とによって形成されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  4. 請求項1に記載の高圧燃料ポンプ(1)において、
    前記シリンダ(4)は、前記軸方向Pと直角な横断面形状が、短辺(4c)と長辺(4d)とからなる外周面を有する長方形を呈しており、
    前記薄肉部(4A)は、長辺側の前記外周面と前記内周面とによって形成されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の高圧燃料ポンプ(1)において、
    この高圧燃料ポンプ(1)は、前記シリンダ(4)の外周側に前記プランジャ(3)を前記カム(8、32、33)に追従させる復元スプリング(17)を備えており、
    前記シリンダ(4)は、前記復元スプリング(17)に囲繞される筒部(6B)の領域のみにおいて前記薄肉部(4A)を有していることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
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