JP5809039B2 - 作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速装置を備える作業機に関する。
従来、操向ハンドルの操作量に応じて、旋回方向側の後車輪が適切な回転速度となるように減速させて、圃場を荒らすことなくスムーズに旋回を行うことができるように構成された作業機が公知である(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の作業機は、無段変速装置から左右の後車輪までの駆動力伝達経路の間に、車体の左右で対をなすように差動装置が設けられ、左側の差動装置に左後車輪と左側の電動モータが接続され、右側の差動装置に右後車輪と右側の電動モータが接続される。そして、操向ハンドルの操作量に応じて左右の電動モータを駆動して、該電動モータで無段変速装置の出力を打ち消すことで、後車輪を減速するように構成されている。
特開2010―208446号公報
特許文献1に記載の作業機は、左右の後車輪に対応する左右の電動モータによって旋回方向側の後車輪を減速する構成であるので、アクチュエータである電動モータが二つ必要であった。
本発明は、上記の如き課題を鑑みてなされたものであり、一つのアクチュエータで旋回方向側の後車輪を減速して旋回性の向上を図ることができる作業機を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、サンギヤと、プラネタリギヤを回転自在に支持するプラネタリキャリアと、リングギヤと、の三つの要素を備える遊星歯車機構からなる左右の差動装置と、前記遊星歯車機構の左右の第一の要素にエンジンからの動力を伝達する入力軸と、前記遊星歯車機構の左右の第二の要素に連結され、左右の後車輪に動力を伝達する左右の後輪伝動軸と、前記遊星歯車機構の左右の第三の要素に動力を伝達、または、回転の停止を切り換える左右のクラッチと、前記左右のクラッチに変更可能な回転動力を伝達可能なアクチュエータと、操向操作具の操作に応じて前記アクチュエータを制御する制御部とを備えた作業機において、前記左右のクラッチは、前記左右の差動装置の間に配置され、前記左右のクラッチは、左右のクラッチ軸と、左右の摺動体と、センターギヤと、前記摺動体とセンターギヤの間に介装された左右のバネとを具備し、前記クラッチ軸は、前記後輪伝動軸と同一軸心上に配置され、前記クラッチ軸には、前記クラッチを構成する摺動体が軸心方向に摺動自在で、かつ、相対回転不能にスプライン嵌合され、前記クラッチ軸の左右方向の内側には、前記センターギヤの軸心が回転自在に支持されているものである。
請求項2においては、前記左右のクラッチは、操向装置と連動連結され、前記操向装置を構成する前記操向操作具の操作に連動して、旋回方向側のクラッチが切り換えられるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、一つのアクチュエータで旋回方向側の後車輪を減速して旋回性の向上を図ることができる。
また、左右のクラッチを差動装置の外側に配置する構成に比べて、左右のクラッチを構成する摺動体、センターギヤ、バネなどの部品を、差動装置の間の後輪伝動軸と同じ軸心上に配置することにより、コンパクトな構成とすることができ、小さなスペース内に配置することができる。
請求項2においては、操向操作具が直進位置に位置する時は、第三の要素の回転を停止させる状態に左右のクラッチを切り換えることで、直進性の向上を図ることができ、操向操作具が直進位置から左右旋回操作が行われると、第三の要素に動力を伝達可能な状態に旋回方向側のクラッチを切り換えることで、旋回性の向上を図ることができる。
田植機の基本的な構造を示す右側面図。 田植機の駆動力伝達機構を示す模式図。 リヤアクスルケース内の構成を示す模式図。 電動モータの制御構成を示すブロック図。 左旋回操作時におけるデフロッククラッチの動作を示す模式図。 右旋回操作時におけるデフロッククラッチの動作を示す模式図。 別実施形態のリヤアクスルケース内の構成を示す模式図。 別実施形態のリヤアクスルケース内の構成を示す模式図。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の作業機としての田植機1は、エンジン2と、運転座席3と、操向ハンドル10と、変速ペダル11と、前車輪20L・Rと、後車輪21L・21Rと、植付部6と、を備えた車体を有している。
エンジン2は、一般的なガソリンエンジンとして構成されているが、例えばディーゼルエンジンとして構成されていても良い。このエンジン2から図略のPTO軸(動力取出し軸)によって駆動力が取り出され、図略の植付変速部によって変速された後、植付部6に伝達されることにより、当該植付部6を駆動することができる。また、エンジン2からの駆動力が後述の駆動力伝達機構を介して左右の前車輪20L・20R及び後車輪21L・21Rに伝達されることにより、田植機1の車体を走行させることができる。
植付部6は、左右に往復摺動可能な苗載台7と、上下昇降可能に構成された植付爪8を有する植付機構と、を備えている。植付部6は、苗載台7に苗マットを載置して田植機1が圃場を走行することにより、苗マットから植付爪8によって苗を1株ずつ取り出して植え付ける植付動作を連続的に行うことができるように構成されている。
走行装置としての前車輪20L・20R及び後車輪21L・21Rは、それぞれ車体の左右に対になって設けられている(従って、田植機1は計4つの車輪を有する)。また、田植機1は四輪駆動式とされ、駆動力が各車輪に伝えられるように構成されている。
操作部4は、操向操作具となる操向ハンドル10と、変速操作具となる変速ペダル11と、を備える。
操向ハンドル10は、ステアリングホイール式の操向操作具として構成され、左右に回転させることができるように構成されている。田植機1のオペレータは、この操向ハンドル10を回転操作することにより、前車輪20L・20Rの切れ角を変更して田植機1を旋回させることができる。なお、操向操作具を操向ハンドル10ではなくジョイスティックで構成することも可能である。
変速ペダル11は踏み込み可能に構成され、当該変速ペダル11の操作量に応じて車体の走行速度を変更可能に構成されている。例えば変速ペダル11を最も踏み込むと田植機1が最高速で走行し、変速ペダル11の踏み込みを停止すると田植機1の走行が停止する。変速ペダル11は操作位置を無段階に調整できるように構成されており、田植機1のオペレータは、変速ペダル11の操作に応じて、田植機1の走行速度を無段階に調整することができる。
次に、図2を参照して、エンジン2からの駆動力を変速して各車輪に伝達するための構成について説明する。なお、植付部6は省略されている。
図2に示すように、田植機1は、電動モータ40と、ジェネレータ(発電機)22と、HST(静油圧式無段変速装置)9と、を備えている。電動モータ40は、図略のバッテリから電力の供給を受けて回転することができる。一方、ジェネレータ22はエンジン2の回転軸に接続されており、当該回転軸の回転によって発電して、前記バッテリを充電するように構成されている。
HST9には、エンジン出力軸を介してエンジン2からの出力が入力されている。このHST9は、可動斜板式のアキシャルピストンポンプとして構成された油圧ポンプ9aと、固定斜板式のアキシャルピストンモータとして構成された油圧モータ9bと、を有し、油圧ポンプ9aと油圧モータ9bとが油圧回路によって接続された構成である。HST9によって入力を無段階に変速して出力する構成は公知であるので詳細な説明は省略するが、このHST9は、エンジン出力軸によって油圧ポンプ9aを駆動するとともに、油圧モータ9bによってHST出力軸を回転駆動するように構成されている。
前記可動斜板は、図略のトラニオン軸を揺動軸として、その傾斜角を無段階に変更可能に構成されている。この傾斜角を変更することで、油圧ポンプ9aからの圧油の吐出量が変更され、油圧モータ9bから取り出される回転駆動力を変更することができる。また、前記可動斜板の傾斜角は、変速ペダル11の操作量に連動して変更されるように構成されている。ただし、変速ペダル11の操作と連動して、可動斜板の傾斜角とともにエンジン2の回転数が変更される構成とすることも可能である。以上の構成で、オペレータが変速ペダル11を操作することにより、エンジン2の出力をHST9によって無段階に変速し、HST出力軸から出力することができる。
そして、HST9の出力とエンジン2からの出力が、ミッションケース24に内装された遊星歯車機構24aにより合成された後に、主変速装置24bにより変速される。変速後の動力は、二方向に分岐されて、一方の動力はミッションケース24内の差動装置24cを介して、左右の前車輪20L・20Rに伝達され、他方の動力は、リヤアクスルケース25内の左右の差動装置60L・60R及び左右の最終減速装置70L・70Rを介して左右の後車輪21L・21Rに伝達される。こうして、左右の前車輪20L・20R及び後車輪21L・21Rが回転して、田植機1の走行が行われる。
次に、図2から図6を参照して、リヤアクスルケース25の内部の構成について詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、リヤアクスルケース25の内部には、後輪走行入力軸31と、分配軸34と、左右の後輪伝動軸36L・36Rと、デフロッククラッチ50と、クラッチアーム55と、左右の差動装置60L・60Rと、左右の最終減速装置70L・70Rと、アクチュエータとしての電動モータ40と、が設けられる。
ここで、左右の後輪伝動軸36L・36Rと、左右の差動装置60L・60Rと、最終減速装置70L・70Rと、がそれぞれ左右略対称であり、その構成は略同じであることから、以下の説明では、左側の後輪伝動軸36Lと、左側の差動装置60Lと、左側の最終減速装置70Lと、の構成を中心に説明する。
後輪走行入力軸31は、リヤアクスルケース25の前部で、長手方向を前後方向として配置される。後輪走行入力軸31は、リヤアクスルケース25の前面から突出されて、該突出部からエンジン2からの動力を入力するように構成される。後輪走行入力軸31の後端部には、ベベルギヤ32が固設される。
分配軸34は、左右の差動装置60L・60R(詳細には、左右のリングギヤ64・64)にエンジン2からの動力を入力する入力軸である。分配軸34は、後輪走行入力軸31の後方で、長手方向を左右方向として配置される。分配軸34の左右中途部には、前記ベベルギヤ32と歯合するベベルギヤ33が固設される。分配軸34の左右両端部には、左右の入力ギヤ35L・35Rが固設される。
前記分配軸34の近傍には、回転数センサ82が配設される。回転数センサ82は、変速後のエンジン2の出力回転数(回転速度)を検出するものである。但し、回転数センサ82は、変速後のエンジン2の出力回転数を検出できるものであればよく、例えば、後輪走行入力軸31の回転数を検出する構成とすることも可能である。
差動装置60Lは、分配軸34からの動力と、デフロッククラッチ50(詳細には、右側のクラッチ50R)からの動力と、の差動動力を後輪伝動軸36Lに伝達するものである。差動装置60Lは、分配軸34の左側に配置される。差動装置60Lは、サンギヤ61と、プラネタリギヤ62を回転自在に支持するプラネタリキャリア63と、リングギヤ64と、の三つの要素を備える遊星歯車機構で構成される。
サンギヤ61は、後述するクラッチ軸51の左端に固設される。プラネタリキャリア63は、後輪伝動軸36Lの右端に固設される。リングギヤ64は内歯64aと外歯64bを有し、リングギヤ64の内歯64aはプラネタリギヤ62と歯合され、リングギヤ64の外歯64bは入力ギヤ35Lと歯合される。つまり、プラネタリギヤ62はサンギヤ61とリングギヤ64の内歯64aと歯合される。
後輪伝動軸36Lは、後車輪21Lに差動装置60Lからの動力を伝達させるものである。後輪伝動軸36Lは、差動装置60Lの左側で、長手方向を左右方向として配置される。前述のように、後輪伝動軸36Lの右端には、差動装置60Lのプラネタリキャリア63が固設される。後輪伝動軸36Lの左端には、複数の平歯車で構成された最終減速装置70Lが設けられ、後輪伝動軸36Lに伝達された動力は、最終減速装置70Lで減速された後に、後車輪21Lに伝達される(図2参照)。
デフロッククラッチ50は、デフロックの作動及び解除と、電動モータ40から左右の差動装置60L・60Rへの動力の伝達及び遮断を行うものである。ここでいうデフロックは、左側の後輪伝動軸36L及び右側の後輪伝動軸36Rが同じ回転数となる状態とされる。デフロッククラッチ50は、左右の差動装置60L・60Rの間に配置される。デフロッククラッチ50は、左右のクラッチ軸51・51と、左右の摺動体52・52と、センターギヤ53と、左右のバネ54・54と、を備える。
デフロッククラッチ50自体はセンターギヤ53を中心に略左右対称であり、その構成は略同じであることから、以下の説明ではデフロッククラッチ50の左側の構成を中心に説明する。
クラッチ軸51は、後輪伝動軸36Lと同一軸心上に配置され、クラッチ軸51の左側はリングギヤ64の軸心部を回転自在に支持され、中央部上には摺動体52がスプライン嵌合され、軸心方向に摺動自在、かつ、相対回転不能の支持されている。クラッチ軸51の右側はセンターギヤ53の軸心が回転自在に支持されている。
摺動体52は、円盤状に構成され、左側面の外周に外クラッチ爪52aが形成され、右側面の外周に内クラッチ爪52bが形成されている。外クラッチ爪52aは、リヤアクスルケース25の内壁25aに形成したクラッチ爪25bと咬合可能に構成されている。また、摺動体52はクラッチアーム55先端に設けた当接部と当接可能とされ、旋回時にクラッチアーム55の回動により摺動体52と当接されて、摺動体52は機体中心側(右側)へ摺動される構成としている。
センターギヤ53は、円盤状に構成され、両側面の外周にクラッチ爪53a・53aが形成され、クラッチ爪53a・53aは前記左右の内クラッチ爪52b・52bと咬合可能に構成されている。センターギヤ53の軸心部は軸受を介してクラッチ軸51の機体内側端(右端)に回転自在に支持されている。また、センターギヤ53は後述するモータ出力ギヤ42と歯合されている。センターギヤ53は、モータ出力ギヤ42の径より大きい径とされる。つまり、電動モータ40からの出力がモータ出力ギヤ42及びセンターギヤ53により減速される構成とされ、小型の電動モータ40で減速できるようにしている。
バネ54は、センターギヤ53と摺動体52の間に配設され、摺動体52を機体外側(左側)へ摺動するように付勢している。この付勢力により直進時は摺動体52の外クラッチ爪52aとリヤアクスルケース25のクラッチ爪25bとが咬合されている。
クラッチアーム55は、略V字状に構成され、先端に当接部が形成され、基部が回動軸56に固定され、該回動軸56はリヤアクスルケース25に回動自在に支持されている。回動軸56の他端は、リヤアクスルケース25より外側に突出され、回動軸56の他端に操作アーム57の一端が固設されている。操作アーム57の他端は、リンク58等を介して操向装置と連動連結されている。但し、操向装置は操向ハンドル10、タイロッド、ナックルアーム、パワーステアリング装置の場合では油圧シリンダ等で構成されるものであり、前記リンク58はこれらいずれかと連動連結され、本実施例では操向ハンドル10と連動連結されている。
こうして、デフロッククラッチ50の左側において、クラッチ軸51と、摺動体52と、センターギヤ53と、バネ54と、により、サンギヤ61に電動モータ40からの動力を伝達可能なクラッチが形成され、また、クラッチ軸51と、摺動体52と、内壁25aと、バネ54と、により、サンギヤ61の回転を停止させることが可能なクラッチが形成され、これら二つのクラッチを一体的にして成る左側のクラッチ50Lにより、差動装置60Lにおけるサンギヤ61に動力を伝達、または、サンギヤ61の回転の停止を切り換えることが可能に構成される。右側のクラッチ50Rも同様にして形成される。これら左右のクラッチ50L・50Rは、クラッチアーム55、回動軸56、操作アーム57、リンク58等を介して操向装置と連動連結され、該操向装置を構成する前記操向ハンドル10の操作に連動して、旋回方向側のクラッチが切り換えられるように構成される。
電動モータ40は、左右の差動装置60L・60Rに伝達された変速後のエンジン2の動力を打ち消すものである。電動モータ40のモータ出力軸41にはモータ出力ギヤ42が固設され、該モータ出力ギヤ42がセンターギヤ53と歯合されて、左右のクラッチ50L・50Rに動力を伝達可能としている。
電動モータ40は、図4に示す制御部80と接続される。制御部80は、操向ハンドル10の操作量に応じて電動モータ30の回転速度を制御する。制御部80には、ハンドルセンサ81と、回転数センサ82と、前後進検出センサ83と、が接続されている。ハンドルセンサ81は、操向ハンドル10の回動基部に設けられて回転角度を検出する。但し、ハンドルセンサ81の配置位置は限定するものではなく、切れ角を検知できるものであれば、回動軸56等に設けることも可能である。前後進検出センサ83は、主変速レバーまたは前後進切り換えレバーの変速位置を検知する。
制御部80は、ハンドルセンサ81及び回転数センサ82の検出値に応じて、電動モータ30の回転速度を制御する。制御部80は、ハンドルセンサ81の検出値と回転数センサ82の検出値との関係を示す制御マップを有しており、この制御マップから、電動モータ30の目標回転速度を算出し、この目標回転速度となるように電動モータ30の回転速度を制御する。なお、制御部80は、前後進検出センサ83により田植機1が後進時と判断されると、電動モータ40を逆転駆動するように制御している。つまり、後進時の旋回では、電動モータ40は前記と逆方向に回転される。
以上のような構成の田植機1において、前進時に操向ハンドル10が直進位置に位置する場合は、左右の摺動体52・52がバネ54・54の付勢力により内壁25a・25a側に移動されており、摺動体52・52の外クラッチ爪52a・52aが、内壁25a・25aに形成されたクラッチ爪25b・25bと咬合される。つまり、左右のクラッチ50L・50Rが「切」となる。この場合、クラッチ軸51・51が内壁25a・25aに対して相対回転不能となるので、左右の差動装置60L・60Rにおいて、エンジン2の動力が分配軸34からリングギヤ64・64に伝達されて、該リングギヤ64・64が回転するが、サンギヤ61・61が制動(ロック)される。つまり、左右の後輪伝動軸36L・36Rが同じ回転数となるので、左右の差動装置60L・60Rがデフロックされる。これにより、左右の後車輪21L・21Rが同じ回転数となるので、田植機1の直進性の向上が図れる。この際、制御部80は、電動モータ40を駆動させず、エネルギーロスを低減している。
また、操向ハンドル10が直進位置から左方に設定角度回動されると、図5に示すように、操向ハンドル10の操作と連動してリンク58が後方に移動し(矢印α1方向)、クラッチアーム55が図5における反時計方向に回動され(矢印β1方向)、このクラッチアーム55の回動により、クラッチアーム55先端の左側の当接部が左側の摺動体52の左側面と当接して、当該摺動体52がクラッチ軸51上をバネ54の付勢力に抗してセンターギヤ53側に摺動し(矢印γ1方向)、摺動体52のクラッチ爪52bが、センターギヤ53に形成されたクラッチ爪53aと咬合される。つまり、クラッチ50Lが「入」となる。これにより、電動モータ40の動力が、モータ出力軸41、モータ出力ギヤ42、センターギヤ53、摺動体52、及びクラッチ軸51を介して、左側の差動装置60Lのサンギヤ61に伝達可能となる。
更に、操向ハンドル10が左方に回動されると、制御部80は、ハンドルセンサ81及び回転数センサ82の検出値に応じて電動モータ40を制御して、差動装置60Lのサンギヤ61Lに電動モータ40の動力が伝達される。この際、差動装置60Lのサンギヤ61は、エンジン2の動力で回転するリングギヤ64と反対方向に回転するので、左側の差動装置60Lに伝達されたエンジン2の動力を打ち消すことができ、後車輪21Lを減速させることができる。
また、操向ハンドル10が直進位置から右方に設定角度回動されると、図6に示すように、操向ハンドル10の操作と連動してリンク58が前方に移動し(矢印α2方向)、クラッチアーム55が図6における時計方向に回動され(矢印β2方向)、このクラッチアーム55の回動により、クラッチアーム55先端の右側の当接部が右側の摺動体52の右側面と当接して、当該摺動体52がクラッチ軸51上をバネ54の付勢力に抗してセンターギヤ53側に摺動し(矢印γ2方向)、摺動体52のクラッチ爪52bが、センターギヤ53に形成されたクラッチ爪53aと咬合される。つまり、クラッチ50Rが「入」となる。これにより、電動モータ40の動力が、モータ出力軸41、モータ出力ギヤ42、センターギヤ53、摺動体52、及びクラッチ軸51を介して、右側の差動装置60Rのサンギヤ61に伝達可能となる。
更に、操向ハンドル10が右方に回動されると、制御部80は、ハンドルセンサ81及び回転数センサ82の検出値に応じて電動モータ40を制御して、差動装置60Rのサンギヤ61に電動モータ40の動力が伝達される。この際、差動装置60Rのサンギヤ61は、エンジン2の動力で回転するリングギヤ64と反対方向に回転するので、右側の差動装置60Rに伝達されたエンジン2の動力を打ち消すことができ、後車輪21Rを減速させることができる。
また、左右旋回操作時において、制御部80は、操向ハンドル10の直進位置に対する回動角度が大きいほど、電動モータ30の回転数は増加されて、後車輪21L又は後車輪21Rの減速量が大きく、小旋回半径となり、また、操向ハンドル10の回動角度が一定で、走行速度が変更されたときも同じ旋回半径となるように、その走行速度に合わせて、電動モータ30の回転数を変更し、左右の後車輪21L・21Rの速度比が同じとなるように制御している。これにより、田植機1は、圃場を荒らすことなく最適な旋回ができ旋回性能の向上が図れる。
なお、左右のクラッチ50L・50Rをそれぞれ電磁クラッチで構成して、これらを制御部80と接続し、ハンドルセンサ81の検出値に応じて切り換える(左旋回操作時は左側の電磁クラッチを「入」、右側の電磁クラッチを「切」とし、右旋回操作時は左側の電磁クラッチを「切」、右側の電磁クラッチを「入」とする)構成とすることも可能である。この場合、操向ハンドル10と連結される操作アーム57やリンク58等の連結機構が不要となり、簡易な構成とすることができる。また、瞬時に切り換え(入り切り)ができるため応答性が向上し、切り換える設定角度も容易に変更、調節ができる。
なお、本実施形態によると、遊星歯車機構の第一の要素となるリングギヤ64・64に、分配軸34を介してエンジン2からの動力を入力し、遊星歯車機構の第二の要素となるプラネタリキャリア63・63からは、後輪伝動軸36L・36Rを介して後車輪21L・21Rを駆動する構成とし、遊星歯車機構の第三の要素となるサンギヤ61・61に、左右のクラッチ50L・50Rを介して電動モータ40からの動力を入力する構成としているが、次のような組み合わせとすることも可能である。
つまり、サンギヤ61・61、プラネタリキャリア63・63、リングギヤ64・64の歯数を適宜選択することにより、サンギヤ61・61にエンジン2からの動力を入力し、プラネタリキャリア63・63から後車輪21L・21Rを駆動し、リングギヤ64・64に電動モータ40からの動力を入力する構成としたり(図7参照)、サンギヤ61・61にエンジン2からの動力を入力し、リングギヤ64・64から後車輪21L・21Rを駆動し、プラネタリキャリア63・63に電動モータ30からの動力を入力する構成としたり(図8参照)、することも可能である。
また、図3、図7、及び図8に示す左右のクラッチ50L・50Rは、前記左右の差動装置60L・60Rの間に配置される。これにより、左右のクラッチ50L・50Rを左右の差動装置60L・60Rの外側に配置する構成に比べて、コンパクトに構成することができ、小さなスペース内に配置することができる。
なお、左右の差動装置60L・60Rは、大きな減速比を有しており、従来の減速装置としての機能を兼ねることができる。さらに、差動装置60L・60Rが有する大きな減速比により、電動モータ40を駆動させるために必要なトルクを低減することができ、電動モータ40の小型化が可能となる。これにより、電動モータ40を安価で軽量に構成することができる。
なお、本実施形態の田植機1においては、直進時の左右の前車輪20L・20Rの回転速度が左右の後車輪21L・21Rよりも僅かに早くなるように構成している。これにより、田植機1の直進性が高くなる。
以上のように、本発明の一実施形態に係る作業機となる田植機1においては、サンギヤ61と、プラネタリギヤ62を回転自在に支持するプラネタリキャリア63と、リングギヤ64と、の三つの要素を備える遊星歯車機構からなる左右の差動装置60L・60Rと、前記遊星歯車機構の左右の第一の要素となるリングギヤ64・64にエンジン2からの動力を伝達する入力軸となる分配軸34と、前記遊星歯車機構の左右の第二の要素となるプラネタリキャリア63・63に連結され、左右の後車輪21L・21Rに動力を伝達する左右の後輪伝動軸36L・36Rと、前記遊星歯車機構の第三の要素となるサンギヤ61・61に動力を伝達、または、回転の停止を切り換える左右のクラッチ50L・50Rと、前記左右のクラッチ50L・50Rに動力を伝達可能なアクチュエータである電動モータ40と、操向操作具となる操向ハンドル10の操作量に応じて前記電動モータ40の回転速度を制御する制御部80と、を備える田植機1であるので、一つの電動モータ40で旋回方向側の後車輪を減速して旋回性の向上を図ることができる。
また、前記左右のクラッチ50L・50Rは、前記左右の差動装置60L・60Rの間に配置されるものであるので、左右のクラッチ50L・50Rを差動装置60L・60Rの外側に配置する構成に比べて、コンパクトな構成とすることができ、小さなスペース内に配置することができる。
また、前記左右のクラッチ50L・50Rは、操向装置と連動連結され、該操向装置を構成する前記操向ハンドル10の操作に連動して、旋回方向側のクラッチが切り換えられるものであるので、操向ハンドル10が直進位置に位置する時は、サンギヤ61・61の回転を停止させる状態に左右のクラッチ50L・50Rを切り換えることで、直進性の向上を図ることができ、操向ハンドル10が直進位置から左右旋回操作が行われると、サンギヤ61に動力を伝達可能な状態に旋回方向側のクラッチを切り換えることで、旋回性の向上を図ることができる。
1 田植機(作業機)
2 エンジン
10 操向ハンドル(操向操作具)
20L 左側の前車輪
20R 右側の前車輪
21L 左側の前車輪
21R 右側の後車輪
34 分配軸(入力軸)
36L 左側の後輪伝動軸
36R 右側の後輪伝動軸
40 電動モータ(アクチュエータ)
50 デフロッククラッチ
50L 左側のクラッチ
50R 右側のクラッチ
60L 左側の差動装置
60R 右側の差動装置
61 サンギヤ(第三の要素)
63 プラネタリキャリア(第二の要素)
64 リングギヤ(第一の要素)
80 制御部

Claims (2)

  1. サンギヤと、プラネタリギヤを回転自在に支持するプラネタリキャリアと、リングギヤと、の三つの要素を備える遊星歯車機構からなる左右の差動装置と、
    前記遊星歯車機構の左右の第一の要素にエンジンからの動力を伝達する入力軸と、
    前記遊星歯車機構の左右の第二の要素に連結され、左右の後車輪に動力を伝達する左右の後輪伝動軸と、
    前記遊星歯車機構の左右の第三の要素に動力を伝達、または、回転の停止を切り換える左右のクラッチと、
    前記左右のクラッチに変更可能な回転動力を伝達可能なアクチュエータと、
    操向操作具の操作に応じて前記アクチュエータを制御する制御部とを備えた作業機において、
    前記左右のクラッチは、前記左右の差動装置の間に配置され、
    前記左右のクラッチは、左右のクラッチ軸と、左右の摺動体と、センターギヤと、前記摺動体とセンターギヤの間に介装された左右のバネとを具備し、
    前記クラッチ軸は、前記後輪伝動軸と同一軸心上に配置され、
    前記クラッチ軸には、前記クラッチを構成する摺動体が軸心方向に摺動自在で、かつ、相対回転不能にスプライン嵌合され、
    前記クラッチ軸の左右方向の内側には、前記センターギヤの軸心が回転自在に支持されている
    ことを特徴とする作業機。
  2. 前記左右のクラッチは、操向装置と連動連結され、前記操向装置を構成する前記操向操作具の操作に連動して、旋回方向側のクラッチが切り換えられることを特徴とする請求項1に記載の作業機。
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