以下、本発明による眼圧測定装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による眼圧測定装置1について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による眼圧測定装置1は、瞼の外縁を特定することによって、開瞼状態に応じた測定眼圧の信憑性に関する信憑情報を生成するものである。
図1は、本実施の形態による眼圧測定装置1の構成を示すブロック図である。図2は、本実施の形態による眼圧測定装置1の光学系を示す図である。図1で示されるように、本実施の形態による眼圧測定装置1は、眼圧測定部11と、画像取得部12と、蓄積部13と、瞼特定部14と、瞼判断部15と、検出部16と、信憑情報生成部17と、信憑情報出力部18と、受付部19と、表示部20と、処理部21とを備える。
眼圧測定部11は、被検眼の角膜に気体を吹き付けることによって眼圧を測定する。すなわち、眼圧測定部11は、非接触の眼圧測定を行う。より具体的には、眼圧測定部11は、例えば、被検眼の角膜に気体を噴射する噴射手段と、噴射された気体により角膜が圧平状態になったことを検出する圧平検出手段と、噴射手段が噴射する気体の圧力を測定する圧力測定手段と、圧平状態が検出された時点での圧力から、眼圧を算出する眼圧算出手段とを備える。なお、眼圧測定部11のように、被検眼の角膜に気体を吹き付けることによって眼圧を測定する方法はすでに公知であり、その詳細な説明を省略する。
画像取得部12は、被検眼を撮影し、その被検眼の画像を取得する。画像取得部12が取得する画像は、被検眼の前眼部の画像である。画像取得部12が取得する画像は、静止画像であってもよく、または、動画像であってもよい。なお、この画像を用いてアライメントが調整されるため、画像取得部12は、そのアライメントを調整可能な程度の頻度よりも短い頻度で画像を取得することが好適である。また、画像取得部12は、判断画像、及び判断前画像を少なくとも取得する。それらの画像の詳細については後述する。
蓄積部13は、画像取得部12が取得した画像を所定の記録媒体に蓄積する。この記録媒体は、例えば、半導体メモリや、光ディスク、磁気ディスク等であり、蓄積部13が有していてもよく、あるいは蓄積部13の外部に存在してもよい。また、この記録媒体は、画像を一時的に記憶するものであってもよく、そうでなくてもよい。なお、画像取得部12が連続して画像の取得を行う場合には、蓄積部13は、新しく取得された画像を過去の画像に順次、上書きしてもよい。但し、蓄積部13は、判断画像と、判断前画像とについては、上書きを行わないものとする。判断画像とは、瞼特定部14が瞼の外縁の特定で用いる画像であり、眼圧測定の直前の画像である。眼圧測定の直前の画像とは、眼圧測定よりも前に画像取得部12によって取得された画像であり、眼圧測定に最も近い時点の画像であることが好適である。判断前画像とは、判断画像より以前に撮影された画像である。その判断前画像は、アライメント時の画像であってもよい。なお、この判断前画像は、瞼の動きを判断するために用いられるものであるため、瞼を開けるのにかかる時間や瞼を閉じるのにかかる時間と同じか、それよりも短い時間程度、判断画像よりも以前に撮影されたものであることが好適である。したがって、例えば、画像取得部12が、1秒間に30フレーム程度の撮影を行っている場合には、判断前画像は、判断画像よりも1フレーム前の画像であってもよい。
瞼特定部14は、判断画像を用いて、眼圧測定の開始後に被検眼の瞼の外縁を特定する。その判断画像は、眼圧測定の直前に取得された画像である。その判断画像は、結果として、眼圧測定の直前に取得されたものとなればよい。したがって、例えば、蓄積部13が順次、蓄積した複数の画像(フレーム)のうち、眼圧測定が開始された時点よりも前の画像を、判断画像としてもよい。また、「眼圧測定の開始後に被検眼の瞼の外縁を特定する」とは、瞼特定部14による特定の処理の結果を待たずに眼圧測定が行われることである。開瞼状態の判断時点と、眼圧測定の時点とのタイムラグを最小にするためである。また、人間の場合、上眼瞼が移動するため、瞼特定部14が外縁を特定する瞼は、上眼瞼である。また、後述するように、瞼の外縁を特定するのは、眼圧測定のための気体が吹き付けられる被検眼の角膜の領域(以下、「エアー領域」と呼ぶこともある)の中心から瞼の外縁までの瞼距離などを算出するためである。そのため、瞼の外縁の特定は、被検眼の瞳孔や虹彩の付近において少なくとも行われればよい。なお、強膜(白目)の位置においても瞼の外縁の特定を行ってもよいことは言うまでもない。また、被検眼の前眼部を撮影した画像である判断画像を用いて瞼の外縁を特定する方法は問わないが、例えば、次のようにして行うことができる。
被検眼における眼圧の測定対象領域は、通常、瞳孔の中心付近である。そして、瞳孔やその周囲の虹彩と、瞼とは、輝度が異なるため、その輝度差を利用して瞼の外縁(エッジ)を特定することができる。すなわち、通常、瞼は、瞳孔や虹彩よりも輝度が高いため、その輝度差を検出することによって、瞼の輪郭を検出することができる。
具体的には、瞼特定部14は、虹彩や瞳孔の領域において、鉛直方向(人間の立位での鉛直方向)に輝度の変化を検出することにより、瞼と、虹彩や瞳孔との境界点を特定する。例えば、上眼瞼側から瞳孔や虹彩の側に走査する場合には、輝度が高い値から低い値に変化する点が瞼の境界点となる。なお、その特定において、細かく境界点を特定することによって、瞼の外縁を特定してもよく、あるいは、ある程度、間隔を空けて境界点を特定し、その境界点を滑らかな曲線でつなぐことによって、瞼の外縁を特定してもよい。その曲線は、例えば、ベジェ曲線であってもよく、スプライン曲線であってもよく、あるいは、その他の滑らかな曲線であってもよい。
なお、瞼の外縁の特定とは、結果として、瞼の外縁の位置が分かるのであれば、どのような方法であってもよい。例えば、瞼の外縁を示す複数の座標を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、瞼の外縁の位置の画素を識別する情報を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、瞼の外縁の位置の画素に対してフラグ等の指標を設定することであってもよく、または、その他の方法であってもよい。また、強膜の位置において瞼の外縁を特定しない場合であって、瞼の外縁が瞳孔及び虹彩の領域上にない場合には、瞼の外縁の特定を行わなくてもよい。そのような場合には、理想的な開瞼状態であるため、例えば、瞼特定部14による瞼の外縁の特定を行わず、最も高い信憑性となるように、後述する信憑情報の生成を行ってもよく、または、あらかじめ設定されている理想的な瞼の外縁の位置(図示しない記録媒体で記憶されていてもよい)を瞼特定部14が特定するようにしてもよい。なお、あらかじめ設定されている理想的な瞼の外縁を用いた場合には、後述する信憑情報の生成において、通常、高い信憑性の信憑情報が生成されることになるものとする。
瞼判断部15は、判断前画像と判断画像とに基づいて、瞼が開く方向に動いているか、または、瞼が閉じる方向に動いているかを判断する。なお、どちらでもない場合には、瞼判断部15は、瞼に動きがないと判断してもよい。判断画像は判断前画像よりも後に撮影された画像であるため、判断画像の瞼の方が、判断前画像の瞼よりも閉じている場合には、瞼が閉じる方向に動いていると判断できる。一方、判断画像の瞼の方が、判断前画像の瞼よりも開いている場合には、瞼が開く方向に動いていると判断できる。また、両画像の瞼に変化がない場合には、瞼に動きがないと判断できる。なお、瞼判断部15が、開瞼状態の変化について判断する方法は問わないが、ここでは、(A)瞼の外縁を用いる方法、(B)両画像の差分を用いる方法について説明する。
(A)瞼の外縁を用いて開瞼状態の変化を判断する方法
判断前画像についても、瞼特定部14による処理を行うことにより、判断前画像についても、瞼の外縁を特定することができる。そして、瞼判断部15は、両画像で特定された瞼の外縁を用いて、開瞼状態の変化を判断することができる。すなわち、判断前画像の瞼の外縁の位置に対して判断画像の瞼の外縁の位置の方が上側(人間の立位での上側)になっている場合には、瞼が開く方向であると判断でき、逆に判断前画像の瞼の外縁の位置に対して判断画像の瞼の外縁の位置の方が下側になっている場合には、瞼が閉じる方向であると判断できる。また、両画像の瞼の外縁の位置に変化がない場合には、瞼に動きがないと判断できる。なお、瞼の外縁の位置の比較は、例えば、基準となる位置から瞼の外縁までの距離の比較によって行ってもよく、または、その他の比較によって行ってもよい。基準となる位置は、例えば、瞳孔の中心であってもよく、光軸であってもよく、眼圧測定のために気体が吹き付けられる被検眼の領域の中心であってもよく、アライメント中心であってもよく、あるいは、その他の位置であってもよい。通常、瞳孔の中心や光軸等の基準となる位置から瞼の外縁までの距離が大きい方が瞼の外縁が上側に位置することになる。したがって、瞼判断部15は、判断画像の方が判断前画像よりも、基準となる位置から瞼の外縁までの距離が大きくなっている場合には、瞼が開く方向であると判断することができ、判断画像の方が判断前画像よりも、基準となる位置から瞼の外縁までの距離が小さくなっている場合には、瞼が閉じる方向であると判断することができ、両者が変わらない場合(あらかじめ決められた誤差の範囲内で変わらない場合であってもよい)には、瞼に動きがないと判断することができる。このような判断を行うことにより、判断画像と判断前画像とにおいて、明るさの変化等に応じて瞳孔の大きさが変化した場合にも対応することができるようになる。
(B)判断前画像と判断画像との差分を用いて開瞼状態の変化を判断する方法
前述のように、瞳孔は黒色に近く、瞼は瞳孔よりも明るい色である。そのため、判断前画像と、判断画像とのうち、瞼の閉じている量が多い画像ほど、明るい画像となる。したがって、瞼判断部15は、両画像のどちらが明るいかを判断することにより、開瞼状態を判断することができる。すなわち、瞼判断部15は、判断前画像の方が判断画像よりも明るい場合には、瞼が開く方向であると判断することができ、判断前画像の方が判断画像よりも暗い場合には、瞼が閉じる方向であると判断することができる。なお、両画像の明るさの比較は、例えば、画像ごとに全画素の輝度値の平均や合計を算出し、両平均や両合計を比較することによって行ってもよく(輝度の平均値や合計値の高い方が明るい画像となる)、両画像の対応する画素ごとに輝度値の差分を算出し、その差分の平均や合計によって行ってもよく(差分の平均値や合計値によって、高い輝度値を持っていることが示される画像の方が明るい画像となる)、あるいは、その他の方法によって行ってもよい。また、差分を算出して判断を行う場合には、瞳孔の領域についてのみ、その差分を算出するようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。また、輝度値の平均や合計を比較する場合にも、そのようにしてもよい。瞳孔の領域とは、瞳孔の少なくとも一部が瞼で覆われている場合であっても、その瞼で覆われている部分を含む瞳孔の領域であることが好適である。瞳孔の領域は、例えば、瞳孔の中心から瞳孔の半径だけ離れた点を結ぶ円板状の領域であってもよい。なお、判断画像や判断前画像における最も輝度値の低い略円板状の領域を特定することによって瞳孔の領域を特定することができる。そして、その特定した瞳孔の領域を用いて、上述の処理を行ってもよい。また、瞳孔の中心は、アライメントが完了している場合には、光軸や画像の中心等と一致することになる。
検出部16は、判断画像の時点におけるアライメントのずれを検出する。このアライメントのずれは、被検眼の角膜の面方向におけるアライメント、すなわち、XY方向のアライメントである。ここで、本明細書では、眼圧測定装置1の光軸方向、すなわち、被検眼の視線方向(前後方向)をZ方向とし、それにZ方向に垂直な面内における水平方向(左右方向)をX方向、鉛直方向(上下方向)をY方向としている。なお、すでにオートアライメントの眼科装置が知られており、その眼科装置では、XY方向のアライメントのずれ量を測定し、そのずれ量が最低になるようにアライメントを調整することが行われている。したがって、アライメントのずれを検出する方法はすでに公知であり、その詳細な説明を省略する。
信憑情報生成部17は、瞼特定部14が特定した瞼の外縁を用いて、後述する瞼距離が大きいほど信憑性が高くなるように、眼圧測定部11が測定した眼圧の信憑性に関する情報である信憑情報を生成する。ここで、瞼距離とは、エアー領域の中心から瞼の外縁までの距離である。通常、眼圧測定装置1の光学系の光軸と、エアー領域の中心とは一致している。また、通常、アライメントが完了している場合には、眼圧測定装置1の光学系の光軸と、被検眼の光軸(瞳孔の中心)とは一致している。したがって、エアー領域の中心は、光学系の光軸であってもよく、また、アライメントが完了している場合には被検眼の光軸であってもよい。また、瞼距離は、通常、エアー領域の中心から瞼の外縁までの最も短い距離である。なお、結果として、瞼距離が大きいほど信憑性が高くなるのであれば、信憑情報生成部17は、瞼距離を算出し、その瞼距離を用いて信憑情報を生成してもよく、あるいは、瞼距離と相関のある別の値を算出し、その値を用いて信憑情報を生成してもよい。瞼距離と相関のある別の値は、例えば、エアー領域の輪郭(通常、円形の輪郭である)と、瞼の外縁までの距離(通常、最短の距離である)であってもよく、瞼距離を、エアー領域の半径もしくは直径や、瞳孔の半径もしくは直径で割った値であってもよく、または、その他の値であってもよい。なお、瞳孔の半径や直径は、複数箇所で測定された半径や直径の平均であってもよい。また、信憑情報生成部17が生成する信憑情報は、結果として信憑性が高いかどうかを知ることができる情報であれば、どのような情報であってもよい。信憑情報は、信憑性を数値的に示すものであってもよく、あるいは、段階的に示すものであってもよい。前者の場合に、信憑情報は、信憑性が高いほど高い値となる情報であってもよく、あるいは、信憑性が低いほど高い値となる情報であってもよい。なお、瞼距離や瞼距離と相関のある値が大きいほど、信憑性は高くなるため、信憑性は瞼距離や瞼距離と正の相関のある値に対して単調増加となる。したがって、信憑性が高いほど信憑情報が高い値となる場合には、信憑情報は、瞼距離や瞼距離と正の相関のある値を引数とする単調増加関数を用いて算出されてもよい。また、信憑性が高いほど信憑情報が低い値となる場合には、信憑情報は、瞼距離や瞼距離と正の相関のある値を引数とする単調減少関数を用いて算出されてもよい。また、段階的に信憑性を示す場合には、信憑情報は、例えば、「高」「中」「低」であってもよく、「A」「B」「C」「D」であってもよく、その他の段階であってもよい。その場合に、例えば、「高」や「A」の方が信憑性が高く、「低」や「D」の方が信憑性が低いと決められていてもよい。その場合には、瞼距離や瞼距離と相関のある値の幅ごとに、例えば、「高」「中」「低」や、「A」「B」「C」「D」などの信憑情報が割り振られてもよい。また、その段階は、例えば、2段階であってもよく、あるいは、3段階以上であってもよい。
また、信憑情報生成部17は、瞼距離や瞼距離と相関のある値以外の情報を用いて信憑情報を生成してもよい。例えば、信憑情報生成部17は、瞼判断部15による判断結果を用いて信憑情報を生成してもよい。また、例えば、信憑情報生成部17は、検出部16による測定結果を用いて信憑情報を生成してもよい。瞼判断部15による判断結果を用いる場合には、信憑情報生成部17は、瞼距離や、アライメントのずれ量が同じであっても、瞼が開く方向に動いている方が、瞼が閉じる方向に動いているよりも信憑性が高くなる信憑情報を生成してもよい。判断画像の撮影時点において瞼が開く方向に動いている場合には、判断画像の直後での眼圧の測定時には、瞼距離はさらに大きくなっていると考えられる。したがって、その場合には、信憑性をより高くすることになる。一方、判断画像の撮影時点において瞼が閉じる方向に動いている場合には、判断画像の直後での眼圧の測定時には、瞼距離はさらに小さくなっていると考えられる。したがって、その場合には、信憑性をより低くすることになる。なお、瞼判断部15による判断結果により、瞼が動いていないことが示される場合には、信憑情報生成部17は、その判断結果を用いないで、瞼距離や瞼距離と相関のある値、アライメントのずれ量に応じて信憑情報を生成してもよい。また、検出部16による検出結果を用いる場合には、信憑情報生成部17は、アライメントのずれが大きいほど、信憑性が低くなる信憑情報を生成してもよい。判断画像の撮影時点においてアライメントのずれが大きい場合には、判断画像の直後での眼圧の測定時には、アライメントがずれており、適切な測定を行うことができていないと考えられる。したがって、その場合には、信憑性を低くすることになる。判断画像の撮影時点においてアライメントのずれが小さい場合には、判断画像の直後での眼圧の測定時にもアライメントのずれが小さく、適切な測定を行うことができている可能性が高いと考えられる。したがって、その場合には、信憑性を高くすることになる。なお、検出部16によるアライメントのずれの測定値を用いる場合には、信憑情報生成部17は、瞼距離や、瞼の動く方向が同じであっても、アライメントのずれ量が少ない方が、アライメントのずれ量が多いときよりも信憑性が高くなる信憑情報を生成してもよい。
信憑情報出力部18は、信憑情報生成部17が生成した信憑情報を出力する。ここで、この出力は、例えば、表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよく、プリンタによる印刷でもよく、スピーカによる音声出力でもよく、記録媒体への蓄積でもよく、他の構成要素への引き渡しでもよい。本実施の形態では、信憑情報出力部18が信憑情報を処理部21に引き渡す場合について説明する。なお、信憑情報出力部18は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスやプリンタなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、信憑情報出力部18は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
受付部19は、入力を受け付ける。その入力は、例えば、眼圧測定の開始の指示であってもよく、装置の光学系に対する移動の指示であってもよく、その他の指示や情報等であってもよい。受付部19は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報を受信してもよい。なお、受付部19は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受付部19は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
表示部20は、情報の表示を行う。表示対象となる情報は、例えば、画像取得部12が取得した画像であってもよく、眼圧測定部11が測定した眼圧の値であってもよく、または、その他の情報であってもよい。なお、表示部20は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、表示対象の表示は、別の装置においてなされてもよい。その場合には、表示部20は、装置の外部に対して表示対象の情報を送信するものであってもよい。また、表示部20は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
処理部21は、信憑情報出力部18から信憑情報を受け取り、その信憑情報に応じた処理を行う。例えば、処理部21は、信憑情報によって、信憑性の高いことが示される場合には、その信憑情報の生成に応じて測定された眼圧値をそのまま用いるようにしてもよい。また、信憑情報によって、信憑性が高くはないが、低くもないことが示される場合には、その信憑情報の生成に応じて測定された眼圧値を、信憑性が高くはない旨の警告と共に用いるようにしてもよい。また、信憑情報によって、信憑性が低いことが示される場合には、その信憑情報の生成に応じて測定された眼圧値を破棄させるようにしてもよい。なお、処理部21が、上記説明以外の信憑情報に応じた処理を行ってもよいことは言うまでもない。
次に、図2を用いて、眼圧測定装置の光学系について簡単に説明する。測距用光源40から出射された光は、集光レンズ41によって平行光束とされ、噴射手段38を構成するガラス板42,43を介して被検眼の角膜に投光される。測距用光源40は、例えば、赤外光を出射するLEDであってもよく、そうでなくてもよい。そのようにして角膜に投光された光は、ガラス板43,42、受光レンズ45、ハーフミラー46、シリンドリカルレンズ47を介して、測距センサ48で受光される。測距センサ48は、例えば、ラインセンサであり、光量重心の位置を求めることにより、被検眼に対するZ方向の距離を測定することができる。その距離は、Z方向における手動のまたは自動のアライメント調整に用いられる。なお、図2では、本実施の形態による眼圧測定装置1に関係のある光学系のみを示している。したがって、それ以外の光学系が存在してもよいことは言うまでもない。また、それらの光学系を被検眼に対して三次元方向(XYZ方向)に移動させる移動手段(手動の移動手段であってもよく、または、モータ等の駆動手段を用いた移動手段であってもよい)が存在してもよいことは言うまでもない。
なお、ハーフミラー46によって反射された光は、集光レンズ49を介して圧平検出センサ50で受光される。圧平検出センサ50は、光センサであり、ノズル36を介して被検眼に吹き付けられた空気により、被検眼が圧平状態となった際に、もっとも受光量が多くなるように設定されている。したがって、その圧平検出センサ50の出力電圧が最大値となった時点における噴出空気の圧力から、眼圧を算出することによって、被検眼の眼圧を測定することができる。なお、ノズル36は、眼圧測定部11の噴出手段に、圧平検出センサ50は、眼圧測定部11の圧平検出手段に含まれていると考えてもよい。
アライメント用光源31から出射された光は、コリメートレンズ33を介して集光され、ハーフミラー34、対物レンズ35、ノズル36を介して被検眼の角膜に投光され、XY方向のアライメントに用いられる指標が角膜上に形成される。
図示しない照明光源によって照明された、XY方向のアライメント用の指標を含む被検眼の前眼部像は、対物レンズ35、ハーフミラー34、結像レンズ37を介して、撮像センサ39上に形成される。撮像センサ39は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子である。ここで、結像レンズ37、撮像センサ39は、画像取得部12に含まれると考えてもよい。なお、ノズル36と、XY方向のアライメント用、及び被検眼の観察用の光軸とは一致しているものとする。
また、噴射手段38は、被検眼に対向した位置に配されたノズル36から圧縮空気を噴射するもので、ノズル36に接続したチャンバ44に図示しないポンプやソレノイドなどの送気手段によって空気を送るよう構成されている。ノズル36とチャンバ44は、アライメント光の光軸上に設けられていて、チャンバ44におけるアライメント光や測距光及びそれらの反射光の光路は透光材で構成され、チャンバ44から突出したノズル36は透光材のガラス板42、43で支持されている。
次に、眼圧測定装置1の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)画像取得部12は、被検眼の前眼部の画像を取得する。その画像は、表示部20によって表示される。なお、その画像は、蓄積部13によって図示しない記録媒体に蓄積されるものとする。また、ステップS102からステップS101に戻った場合に、画像取得部12は、あらかじめ決められた頻度(例えば、1秒間に30フレーム等)で画像の取得を行うように、画像の取得のタイミングを待ってから画像の取得を行ってもよく、あるいは、そうでなく、すぐに画像の取得を行ってもよい。
(ステップS102)眼圧測定部11は、眼圧を測定するタイミングであるかどうか判断する。そして、眼圧を測定するタイミングである場合には、ステップS103に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。なお、眼圧測定部11は、受付部19が眼圧測定の指示を受け付けた場合に、眼圧を測定するタイミングであると判断してもよく(手動アライメントの場合)、図示しない自動アライメント手段によって、アライメントが完了した旨を受け付けた場合に、眼圧を測定するタイミングであると判断してもよく(自動アライメントの場合)、あるいは、その他の眼圧測定に適したタイミングで眼圧を測定するタイミングであると判断してもよい。
(ステップS103)画像取得部12は、眼圧測定直前の前眼部の画像である判断画像を取得する。その判断画像は、蓄積部13によって図示しない記録媒体に蓄積される。この場合にも、画像取得部12は、あらかじめ決められたタイミングで画像の取得を行ってもよく、あるいは、そうでなく、すぐに画像の取得を行ってもよい。
(ステップS104)眼圧測定部11は、被検眼の角膜に圧縮した気体を噴射し、圧平状態を検出し、その検出された圧平状態における気体の圧力センサの出力を特定し、その特定した圧力センサの出力を換算することにより、眼圧を測定する。その測定された眼圧は、表示部20で表示されてもよく、また、図示しない記録媒体で記憶されてもよい。
(ステップS105)瞼特定部14は、蓄積部13が蓄積した判断画像を用いて、瞼の外縁を特定する。
(ステップS106)瞼判断部15は、蓄積部13が蓄積した判断画像と、その判断画像より前の画像である判断前画像とを用いて、瞼の動きの方向を判断する。その判断結果は、図示しない記録媒体で記憶されてもよい。
(ステップS107)検出部16は、判断画像の時点におけるアライメントのずれを検出する。その測定結果は、図示しない記録媒体で記憶されてもよい。
(ステップS108)信憑情報生成部17は、瞼特定部14による瞼の外縁の特定結果、瞼判断部15による瞼の動き方向の判断結果、検出部16によるアライメントのずれ量の検出結果を用いて、信憑情報を生成する。
(ステップS109)信憑情報出力部18は、信憑情報生成部17が生成した信憑情報を出力する。本実施の形態では、前述のように、その信憑情報は処理部21に引き渡されるものとする。そして、眼圧を測定し、その眼圧測定に対する信憑情報を生成する処理が終了となる。再度、眼圧の測定や信憑情報の生成を行う場合には、ステップS101からの処理が繰り返されることになる。
ここで、信憑情報を受け取った処理部21による処理の一例について、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、図4のフローチャートでは、信憑情報が信憑性に対して単調増加である場合について説明する。
(ステップS201)処理部21は、信憑情報によって示される信憑性の指標が、第1のしきい値以上であるかどうか判断する。そして、第1のしきい値以上である場合には、ステップS202に進み、第1のしきい値以上でない場合には、ステップS203に進む。
(ステップS202)処理部21は、受け取った信憑情報の生成に応じて測定された眼圧値が正常であると判断し、その眼圧値が正常なものとして取り扱われるようにする。例えば、処理部21は、眼圧測定部11や表示部20に対して何も指示を渡さないことによって、眼圧値が正常なものとして取り扱われるようにしてもよく、あるいは、眼圧測定部11や表示部20に対して眼圧値が正常である旨を渡すことによって、眼圧値が正常なものとして取り扱われるようにしてもよい。そして、信憑情報に応じた処理は終了となる。
(ステップS203)処理部21は、信憑情報によって示される信憑性の指標が、第2のしきい値以上であるかどうか判断する。そして、第2のしきい値以上である場合には、ステップS204に進み、第2のしきい値以上でない場合には、ステップS205に進む。なお、第2のしきい値は、第1のしきい値よりも小さい値であるとする。
(ステップS204)処理部21は、受け取った信憑情報の生成に応じて測定された眼圧値が正常でない可能性もあると判断し、その眼圧値の測定が正常でない可能性もあるものとして取り扱われるようにする。例えば、処理部21は、眼圧測定部11や表示部20に対して眼圧値の測定が正常でない可能性もある旨を渡すことによって、眼圧値の測定が正常でない可能性もあるものとして取り扱われるようにしてもよい。具体的には、正常でない可能性がある旨の警告と共に眼圧値を蓄積したり、表示したりしてもよい。そして、信憑情報に応じた処理は終了となる。
(ステップS205)処理部21は、受け取った信憑情報の生成に応じて測定された眼圧値が異常(エラー)であると判断し、その眼圧値の測定が異常なものとして取り扱われるようにする。例えば、処理部21は、眼圧測定部11や表示部20に対して眼圧値の測定が異常である旨を渡すことによって、眼圧値の測定が異常なものとして取り扱われるようにしてもよい。具体的には、眼圧値が破棄されたり、眼圧値の測定に失敗した旨が表示されたりしてもよい。そして、信憑情報に応じた処理は終了となる。
なお、信憑情報が第1のしきい値以上である場合には、眼圧測定の信憑性が十分に高く、信憑情報が第2のしきい値以上であり、第1のしきい値未満である場合には、眼圧測定の信憑性が高くはないが、適切に測定できている場合もありうる範囲であり、信憑情報が第2のしきい値未満である場合には、眼圧測定が異常(エラー)であるように、第1及び第2のしきい値が設定されることが好適である。
次に、本実施の形態による眼圧測定装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例では、手動でアライメントが行われる場合について説明する。
被検者の眼圧測定の操作が開始されると、表示部20に被検眼の前眼部の画像が表示される(ステップS101)。そして、その画像におけるXY方向のアライメント用の指標像や、測距センサ48によって検出されたZ方向の距離を用いて、検者は、アライメントを調整する。そして、図5(a)で示されるように、アライメントが完了した時点において、検者が測定開始ボタン(図示せず)を押下したとする。すると、受付部19は、測定開始ボタンが押下された旨を眼圧測定部11に渡す。眼圧測定部11は、測定開始ボタンが押下された旨を受け取ると、眼圧測定を行うと判断し(ステップS102)、画像取得部12に、判断画像を取得する旨の指示を渡す。画像取得部12は、その指示に応じて、その指示の次に画像を取得するタイミングにおいて判断画像を取得し、蓄積部13に渡す(ステップS103)。蓄積部13は、その判断画像を図示しない記録媒体に蓄積する。その判断画像は、図5(b)で示されるものであるとする。また、眼圧測定部11は、圧縮された気体を、ノズル36を介して被検眼に吹き付け、圧平検出センサ50で圧平状態が検出されると、その時点に応じたシリンダ内の圧力を用いて、被検眼の眼圧を算出する(ステップS104)。眼圧測定部11は、その算出した眼圧値を図示しない記録媒体に蓄積するものとする。
その後、瞼特定部14は、蓄積部13が蓄積した判断画像を用いて、瞼の外縁を特定する(ステップS105)。具体的には、瞼特定部14は、図5(b)の判断画像における上下方向の直線上において、輝度の変化を検出することにより、瞼の境界点を図5(c)で示されるように特定する。また、図5(c)において、黒丸で示される点が、特定された瞼の境界点である。また、説明の便宜上、図5(c)以降の図面において、上眼瞼の睫毛を省略している。その境界点によって構成される瞼の外縁を示す座標点等の情報は、図示しない記録媒体に蓄積されてもよい。
その後、瞼判断部15は、判断画像と、判断前画像とを用いて、瞼が開く方向に動いているのか、あるいは、閉じる方向に動いているのかを判断する(ステップS106)。この具体例において、判断前画像は、図5(a)で示されるものであったとする。また、この具体例では、前述の(A)の方法により、瞼の動きを判断するものとする。その場合には、瞼判断部15は、図5(c)の判断画像において、画像の中心(アライメントが完了している場合には、光軸や瞳孔の中心と一致する)から、瞼の外縁までの距離を特定する。そして、その特定された距離と、図5(a)において、同様にして特定された距離とを比較する。この具体例では、図5(c)の判断画像の方が瞼の外縁までの距離が小さかったとする。すると、瞼判断部15は、瞼が閉じる方向に動いていると判断し、その判断結果を図示しない記録媒体に蓄積する。
また、検出部16は、判断画像の撮影時点において、XY方向のアライメントのずれ量を検出する(ステップS107)。この具体例では、アライメントがほとんどずれておらず、有意なずれ量が検出されなかったとする。その検出結果は、図示しない記録媒体に蓄積される。
その後、信憑情報生成部17は、特定された瞼の外縁と、瞼の動き方向と、アライメントのずれ量とを用いて、信憑情報を生成する(ステップS108)。この具体例では、信憑情報は信憑性を示す情報であり、次の式によって算出される情報であるとする。その式において、アライメントが完了している場合には、瞳孔中心と光軸と画像中心とが一致しているため、画像中心から瞼までの距離を瞼距離として用いるものとする。また、エアー領域半径とは、図5(d)の破線の円で示されるエアー領域(眼圧測定のために気体が吹き付けられる被検眼の領域)の半径である。この半径は、通常、気体を吹き付けるノズル36の内側の半径に近似したものである。図5(d)において、r1がエアー領域半径である。r1は、通常、眼圧測定装置1ごとに決まっている値であり、信憑情報生成部17は、その値の記憶されている図示しない記録媒体から、そのr1を読み出して信憑情報の算出に用いてもよい。また、図5(d)において、r2が画像中心(エアー領域の中心)から瞼までの距離(瞼距離)である。信憑情報生成部17は、例えば、画像の上下方向において、判断画像の画像中心から、瞼特定部14によって特定された瞼の外縁までの距離を「瞼距離」としてもよく、あるいは、判断画像の画像中心から、瞼特定部14によって特定された瞼の外縁上の複数の点(特定されたすべての境界点であってもよく、それよりも多い点あるいは少ない点であってもよい)との距離のうち、もっとも短い距離を「瞼距離」としてもよい。また、(瞼距離)/(エアー領域半径)によって瞼がエアー領域にかかる程度が算出され、その値が瞼の動き補正値によって補正されることになる。また、その補正の結果が、アライメントのずれ量に応じてさらに補正されることになる。
信憑情報=(瞼距離)×(瞼の動き補正値)/(エアー領域半径)
−(アライメントのずれ量)/(エアー領域半径)
但し、「瞼の動き補正値」は、瞼が開く方向に動いている場合には1を超える数値(例えば、「1.1」や「1.2」、「1.3」などであり、この具体例では、「1.2」であるとする)であり、瞼が閉じる方向に動いている場合には1未満の数値(例えば、「0.9」や「0.8」、「0.7」などであり、この具体例では、「0.8」であるとする)であり、瞼の動きが検出されなかった場合には1である。なお、信憑情報が1を超えれば「1」とし、0より小さくなれば「0」とする。したがって、信憑情報は、0から1までのいずれかの数値の情報となり、1に近いほど信憑性が高いことになり、0に近いほど信憑性が低いことになる。この具体例では、信憑情報は、「1.0」であったとする。すると、信憑情報出力部18は、その信憑情報「1.0」を処理部21に引き渡す(ステップS109)。
処理部21は、その信憑情報を受け取ると、その信憑情報を、第1及び第2のしきい値と比較する。ここで、第1のしきい値は「1」であり、第2のしきい値は「0.5」であったとする。すると、処理部21は、信憑情報「1.0」が、第1のしきい値以上であると判断し(ステップS201)、眼圧測定部11、及び表示部20に、眼圧値の測定が正常である旨を渡す(ステップS202)。その結果、眼圧測定部11は、眼圧値の測定が正常である旨を、測定した眼圧値に対応付けて蓄積し、表示部20は、正常である旨と共に、測定された眼圧値を表示する。その結果、検者は、測定された眼圧値が正常であることを知ることができ、例えば、その眼圧値を正式な測定値として保存したり、被検者に通知したりしてもよい。
なお、ここでは、画像中心から瞼までの距離を用いて信憑情報を算出する場合について説明したが、そうでなくてもよいことは前述の通りである。すなわち、信憑性を示す信憑情報の場合、瞼距離が大きいほど、大きい値となる信憑情報であればよく、例えば、図5(e)で示すエアー領域の輪郭から瞼までの距離「d」を用いて、次のように信憑情報を算出してもよい。なお、瞼の外縁がエアー領域内に存在する場合には、エアー領域の輪郭から瞼までの距離(d)はマイナスの値になるものとする。
信憑情報=(エアー領域の輪郭から瞼までの距離)/(エアー領域半径)
+(瞼の動き補正値)−(アライメントのずれ量)/(エアー領域半径)
但し、「瞼の動き補正値」は、瞼が開く方向に動いている場合には0を超える数値(例えば、「0.1」や「0.2」、「0.3」など)であり、瞼が閉じる方向に動いている場合には0未満の数値(例えば、「−0.1」や「−0.2」、「−0.3」などである)であり、瞼の動きが検出されなかった場合には0である。また、この式で信憑情報を算出する場合には、処理部21が用いる第1のしきい値は「0」であり、第2のしきい値は「−0.5」であってもよい。
また、この具体例では、判断前画像と判断画像とを用いることによって、瞼が閉じる方向に動いていると判断される場合について説明したが、例えば、判断前画像が図5(f)で示されるものである場合には、瞼が開く方向に動いていると判断されることになる。その結果、瞼が開く場合の瞼の動き補正値を用いて信憑情報が算出されることになる。
また、この具体例では、「正常」と判断される場合について説明したが、信憑情報の値が第1のしきい値と第2のしきい値との間であった場合には(ステップS201,S203)、処理部21は、眼圧測定部11、及び表示部20に、眼圧値の測定が正常でない可能性を有する旨の警告を渡す(ステップS204)。その結果、眼圧測定部11は、眼圧値の測定が正常でない可能性を有する旨の警告を、測定した眼圧値に対応付けて蓄積し、表示部20は、その警告と共に、測定された眼圧値を表示してもよい。そして、検者は、測定された眼圧値が正常でない可能性のあることを知ることができ、例えば、その被検者の過去のデータを参照し、過去のデータとあまり違いがなかった場合には、その眼圧値を採用し、過去のデータと違っていた場合には、再度、眼圧測定を行うようにしてもよい。また、信憑情報の値が第2のしきい値未満であった場合には(ステップS201,S203)、処理部21は、眼圧測定部11、及び表示部20に、眼圧値の測定がエラーである旨の警告を渡す(ステップS205)。その結果、眼圧測定部11は、測定された眼圧値を破棄し、表示部20は、眼圧値の測定がエラーである旨を表示してもよい。そして、検者は、再度、眼圧の測定を行ってもよい。
また、この具体例において、信憑情報が、処理部21が判断する「正常」、「警告」、「エラー」と同様のものであってもよい。その場合には、信憑情報生成部17は、上述の式を用いて算出された値をしきい値と比較することによって、「正常」等の信憑情報を生成してもよい。
以上のように、本実施の形態による眼圧測定装置1によれば、測定された眼圧の信憑性に関する信憑情報を得ることができ、その信憑情報を用いることによって、再度の測定を行うのかどうかなどを判断することができるようになる。また、その信憑情報を生成する際に用いられる判断画像を眼圧測定の直前のものとし、眼圧測定の開始後に判断画像を用いた信憑情報の生成を行うことによって、判断時点と、測定時点とのタイムラグを短くすることができ、より正確な信憑情報を得ることができる。また、瞼の動き方向や、アライメントのずれ量を用いることによって、より正確な信憑情報を得ることができるようになる。また、特定された瞼の外縁を用いて信憑情報を生成することにより、3段階以上の信憑情報を生成することも可能である。その場合には、その信憑情報を用いて、より細かい処理を行うこともできるようになる。
なお、本実施の形態では、眼圧測定装置1が処理部21を備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。すなわち、眼圧測定装置1は、処理部21を備えていなくてもよい。その場合には、信憑情報出力部18は、例えば、信憑情報を表示してもよく、音声出力してもよく、または、信憑情報を表示部20等に引き渡してもよい。
また、本実施の形態では、眼圧測定装置1が検出部16を備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。この場合には、信憑情報生成部17は、アライメントのずれ量を用いないで信憑情報を生成することになる。
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値や各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。また、そのプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。