JP5807635B2 - 動線検出システム、動線検出方法および動線検出プログラム - Google Patents

動線検出システム、動線検出方法および動線検出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、移動体の位置および移動体に固有の識別情報の検出結果に基づいて、追跡領域内のどの位置にどの識別情報に対応する移動体が存在するかを判定する動線検出システム、動線検出方法、および動線検出プログラムに関する。
一般に、人物や物等の移動体の動線検出は、移動体の位置と移動体の識別情報(以下、IDと記す。)とを対応付けることにより実現される。このような対応付けによって、移動体を一意に識別し、動線を検出することができる。このような動線検出に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。なお、移動体の動線とは、移動体を個別に識別した上で、各移動体の移動した経路を表した情報である。すなわち、動線は、個別に識別された移動体の移動経路を表す情報である。また、軌跡とは、ある移動体について時間的に連続して検出された位置座標の繋がりを意味するものとする。従って、移動体の位置座標の検出が途切れると、軌跡も途切れることになる。
特許文献1に記載された移動体追跡システムは、空間内を撮影する監視カメラとICタグリーダとを備える。特許文献1に記載された移動体追跡システムは、監視カメラの出力に基づいて各移動体の位置座標を得て、移動体に固有の第1識別情報(カメラ追跡ID)と移動体の位置座標とを対応付けて追跡情報テーブルで管理する。また、この移動体追跡システムは、ICタグを所持した各移動体から固有の第2識別情報(オブジェクトID)を読み取り、その第2識別情報とタグの位置座標とを対応付けて読み取り情報テーブルで管理する。さらに、第1の識別情報および位置情報と第3の識別情報(位置管理ID)とを対応付けて位置管理テーブルで管理する。特許文献1に記載された移動体追跡システムは、さらに、同時期に所定の誤差範囲内で認識された移動体に関して、第2識別情報と第3識別情報とを対応付けて管理する位置推定テーブルを含み、位置管理テーブルおよび位置推定テーブルによって、移動体を追跡する。すなわち、監視カメラで検出したある時刻における移動体の位置と、ICタグリーダでオブジェクトIDを検出した位置とが所定の誤差範囲内である場合に、位置管理テーブルおよび位置推定テーブルによって、ある時刻の移動体の位置情報とオブジェクトIDとを対応付けて管理している。特許文献1に記載された移動体追跡システムは、このような構成により、複数のセンサにより得られる検知結果を統合して移動体を追跡する。
すなわち、特許文献1に記載された移動体追跡システムは、第1識別手段(カメラを利用する手段)により認識された移動体と、第2識別手段(ICタグを利用する手段)により認識された移動体とを、その認識時刻および認識位置が実質的に一致していれば同一の移動体と認識し、各識別手段により得られた情報を統合するので、検知メカニズムの異なる複数のセンサにより得られる位置情報に基づいて移動体の動線を検出できるようになる。
また、特許文献2に記載された複数カメラを用いた監視システムは、監視対象空間に複数のカメラを設置し、画像認識技術を用いて、その映像から移動体およびその特徴量情報を抽出する特徴量抽出手段を設ける。カメラで撮影した映像およびその移動体の特徴量情報は、通信ネットワークを経由して移動体の照合追跡手段に送られる。照合追跡手段は、監視対象空間全域を三次元モデルとして表現し、更に移動体が移動可能な空間のつながりをネットワーク表現した監視空間データベースを中心に持ち、送られてきた特徴量情報を蓄積する。一つのカメラ映像内には一般的に複数の移動体が存在するため、それらを個別の移動体として分離する。次に、分離・集約した移動体を追跡するために、照合追跡手段における経路算出手段により、監視対象空間におけるカメラ撮影範囲間での移動経路の候補を求める。そして、照合追跡手段における移動体整合度算出手段において、二つの移動体の特徴量集合同士の整合度を算出し、整合度を用いて、二つの移動体が一致するかどうかを判定する。また、照合追跡手段にはドアに据え付けられたカード認証やバイオメトリクス認証等の個人特定情報整合手段が含まれる。そして、カード認証手段のついたドア近傍を監視カメラで撮影し、外見の特徴量情報を抽出し、同時に、カード情報によりその所有者の情報と関連づける。
すなわち、特許文献2に記載された複数カメラを用いた監視システムは、監視領域間でそれぞれ検出した移動体の軌跡を接続し、またカード認証やバイオメトリクス認証等の個人特定情報整合手段によって軌跡と個人特定情報とを対応付けることにより、個人特定情報付きの動線を生成することができるようになる。
また、特許文献2に記載された監視システムでは、特徴量として、人物の下半身と上半身の輝度値等を用いる。
また、特許文献3には、オクルージョンが発生した場合でも、ビデオ画像上に現れる移動体を追跡できる画像処理装置が記載されている。特許文献3に記載の画像処理装置では、複数の特徴点の各々を前のフレームから現在のフレームに追跡し、各特徴点の追跡結果に基づいて追跡領域の動きを予測して、現在のフレームでの追跡領域の位置を特定する。さらに、特徴点毎に、その特徴点が移動物体上に存在している可能性の高さを示す信頼度を算出し、その信頼度を用いて追跡領域の動きを算出する。信頼度として、連続して追跡に成功したフレームの数(履歴)等を用いる。
特開2005−31955号公報(段落0008,0009) 特開2006−146378号公報(段落0007〜0017,0024) 特開2005−250989号公報(段落0010,0016,0017,0074,0075)
一般に、カメラを用いた移動体追跡システムでは、移動体を追跡できるが、移動体を一意に識別できない。また、カード認証やバイオメトリクス認証やRFID(Radio Frequency IDentification)リーダ等、移動体の固有IDを検出できるID検出装置を追跡領域内の各所に配置することにより、移動体の固有IDがID検出装置付近を通過したか否かを把握できるが、ID検出装置から離れた場所にいる移動体については固有IDを検出できず、移動体の位置を把握できない。
特許文献1および特許文献2に記載されたシステムでは、カメラと複数のセンサとを組み合わせ、移動体の動線検出を実現している。
しかし、複数の移動体同士が同じ場所で重なったり、移動体があるカメラ視野から他のカメラ視野へ移動したりするなどして、追跡が途切れることがある。
特許文献1に記載されたシステムは、センサでIDを検出できた場合に動線を検出できる。しかし、追跡の途切れが頻発すると、新たに取得し直したセンサ情報から動線検出処理を再開するため、動線検出の精度が低くなってしまう。例えば、追跡領域内に移動体Aが存在し、移動体Aから軌跡1が検出されたとする。この軌跡1がID検出領域内を通過し、ID検出装置がID(IDaとする)を検出した場合、軌跡1に対してIDaを対応付けることができる。ここで、軌跡1の検出が途切れ、次の時刻に、移動体Aから軌跡2が検出されたとする。特許文献1に記載されたシステムは、新たに取得し直した軌跡2だけを用いて移動体Aの動線検出処理を再開するが、軌跡2はID検出領域内を通過していないため、軌跡2に対応付けられるIDが存在しない。このように、追跡やIDの途切れが発生するたびに、過去に取得したセンサ情報(上記の例における軌跡1およびIDa)を利用できなくなり、軌跡が途切れた後に新たに取得し直したセンサ情報(上記の例における軌跡2)だけに基づいて動線検出を再開するため、得られた軌跡とIDとを精度良く対応付けられない。
また、IDは、センサが無線タグ等を検出できる領域内に移動体が存在している場合等の限定的な状況で検出され、頻繁に取得できるわけではない。そのため、追跡の途切れが頻発する場合には、移動体のIDに対応付けられない軌跡が多くなってしまう。また、追跡対象ではないオブジェクトの軌跡を検出することもあり、このような軌跡はノイズとなる。このようなノイズの存在も、IDに対応付けられない軌跡が増加する要因となる。
すなわち、現時刻まで継続して検出できているセンサ情報のみを利用する動線検出方式では、追跡やID取得の途切れが頻発すると、新たに取得し直したセンサ情報から動線検出処理を再開するため、動線検出の精度が低くなってしまう。
そこで,特許文献2のように、現時刻に検出した軌跡と過去に検出した軌跡群との整合度を算出して軌跡を連結することにより,一部の軌跡のみに対応付けられているカード認証やバイオメトリクス認証等から得たIDを、連結された他の軌跡に対しても対応付けられるようにするという方法がある。
しかしこの方法では、軌跡間の連結処理を行うタイミングが重要になる。例えば、ある追跡領域Aで移動体が出現した場合に、この移動体の軌跡と、隣接する追跡領域Bや追跡領域Cで過去に検出された軌跡群との整合度を算出し、その整合度に基づいて軌跡の組を連結することになる。特許文献2に記載された監視システムでは、カメラから得られる移動体の上半身および下半身の輝度等をある軌跡の特徴量とし、連結対象となる2つの軌跡間の特徴量の一致度を整合度として用いている。移動体の特徴量は、カメラの画角内で移動体の位置や大きさが一定の条件を満たす場合に精度良く検出され、それ以外では誤差を含む場合がある。ゆえに、軌跡の連結処理を早期に行う場合、軌跡の特徴量が精度良く得られていないまま整合度を算出してしまい、正しく軌跡を連結できない場合が考えられる。
そこで、精度良く軌跡を連結するために、整合度の算出を一度きりにするのではなく、一定時間ごとに最新の特徴量を用いて軌跡間の整合度を算出し、連結結果を逐次更新するという方法が考えられる。しかしこの場合、一定時間ごとにある軌跡に対して連結候補となる多数の軌跡群を選出して整合度を算出するため、監視対象となる人数や追跡領域数が増加すると、連結候補となる軌跡の組合せ数が増加し、現実的には動線検出処理をリアルタイムに行うことが困難になると考えられる。
すなわち、現時刻から過去一定時間前までの間に検出したセンサ情報の組合せを利用した動線検出方式では、現時刻で検出した各軌跡と過去に検出した各軌跡との全通りの組合せについて整合度を算出する必要があるため、追跡対象人数や追跡領域数が増加すると、連結候補となる軌跡の組合せ数が増加してしまい、実時間処理が困難になる。
また、引用文献3に記載された画像処理装置では、特徴点の信頼度として、連続して追跡に成功したフレームの数等を用い、その信頼度を用いて追跡領域の動きを算出する。移動体の位置やID等の情報を検出して動線を算出するシステムに、このような信頼度を利用することが考えられる。しかし、個々の時刻において、同じ量のセンサ情報が得られるとは限らないため、移動体の存在可能性を示す指標値を求めても、時刻毎にその指標の正確さにむらが生じ、精度よく動線を算出できない場合がある。
そこで、本発明は、移動体の位置や識別情報を検出できない場合が頻発しても、各識別情報の移動体の位置を精度良く判定して、動線を検出することができる動線検出システム、動線検出方法、および動線検出プログラムを提供することを目的とする。
本発明による動線検出システムは、固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成する位置スコア対応関係情報生成手段と、時刻毎の位置スコア対応関係情報を記憶する状態記憶手段と、移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、その位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定する動線特定手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明による動線検出方法は、固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成し、時刻毎の位置スコア対応関係情報を状態記憶手段に記憶させ、移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、その位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定することを特徴とする。
また、本発明による動線検出プログラムは、コンピュータに、固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成する位置スコア対応関係情報生成処理、時刻毎の位置スコア対応関係情報を状態記憶手段に記憶させる状態記憶処理、および、移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、その位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定する動線特定処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、移動体の位置や識別情報を検出できない場合が頻発しても、各識別情報の移動体の位置を精度良く判定して、動線を検出することができる。
本発明の第1の実施形態の動線検出システムの例を示すブロック図である。 動線検出部の構成例を示すブロック図である。 状態更新手段の構成例を示すブロック図である。 移動モデルの具体例を示す説明図である。 移動モデルの具体例を示す説明図である。 動線特定手段の構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態の動線検出部の処理経過の例を示すフローチャートである。 第1の実施形態の動線検出部の処理経過の例を示すフローチャートである。 追跡領域をグリッド分割して定めたセルの例を示す説明図である。 移動体の検出位置の例を表した説明図である。 ID情報入力部毎のID検出の例を示す説明図である。 位置スコア対応関係情報のスコアを更新していく状況の具体例を示す説明図である。 位置スコア対応関係情報のスコアを更新していく状況の具体例を示す説明図である。 位置スコア対応関係情報のスコアを更新していく状況の具体例を示す説明図である。 位置スコア対応関係情報のスコアを更新していく状況の具体例を示す説明図である。 図12から図15において示したセルのスコアの値を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態の動線検出システムの例を示すブロック図である。 第2の実施形態における状態更新手段の構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態の動線検出部の処理経過の例を示すフローチャートである。 第2の実施形態の動線検出部の処理経過の例を示すフローチャートである。 分解能制御の例を示す説明図である。 分解能制御の例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態の動線検出システムの例を示すブロック図である。 第3の実施形態における状態更新手段の構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態における動線特定手段の構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態の動線検出部の処理経過の例を示すフローチャートである。 第3の実施形態の動線検出部の処理経過の例を示すフローチャートである。 本発明の動線検出システムの最小構成の例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
実施形態1.
図1は、本発明の第1の実施形態の動線検出システムの例を示すブロック図である。本発明の動線検出システムは、位置情報入力部1と、ID情報入力部2と、動線検出部3と、動線出力部4とを備える。本発明の動線検出システムは、移動体の位置およびID(識別情報)を取得し、予め定められた追跡領域50内の位置毎に、移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを導出する。このスコアは、移動体のID毎に算出する。そして、本発明の動線検出システムは、所定の基準を満たす時点でのスコアに基づいて、その時刻の直近の時刻におけるスコアを修正し、さらに、スコアが修正された時刻の直近の時刻におけるスコアも順次、修正していく。そして、修正後のスコアを用いて、移動体の動線を特定する。
各移動体Pは、追跡領域50を自由に移動する。また、移動体Pが追跡領域50の外側に出ることがあってもよい。移動体の種類は特に限定されず、人間、動物、または、物であってもよい。
位置情報入力部1は、追跡領域50内における移動体の位置座標を検出し、その位置座標と検出時刻とを、動線検出部3に入力する装置である。以下の説明では、位置として2次元座標を検出する場合を例にして説明する。位置情報入力部1は、追跡領域50内における移動体の2次元位置座標と、その位置座標の検出時刻とを組にして、動線検出部3に入力する。以下、位置情報入力部1が検出した移動体の位置座標と、その位置座標の検出時刻との組を、位置情報と記す。
位置情報入力部1は、追跡領域50内での移動体の位置座標を検出し、その検出時刻を特定できる装置であればよい。また、位置情報入力部1は、個々の移動体に固有のIDに関しては検出する必要はない。位置情報入力部1は、例えば、カメラ、床圧力センサ、レーザレンジファインダ、あるいはレーダを用いた移動体追跡システムで実現されていてもよい。位置情報入力部1が、このような態様で実現される場合には、移動体は、自身が検出されるために必要な機器を保持していなくてよい。また、位置情報入力部1は、座標検出に必要な機器を移動体に保持させる態様で、移動体の位置座標を検出してもよい。例えば、位置情報入力部1は、GPS(Global Positioning System )などの無線通信機器や超音波送受信機を用いた移動体追跡システム等によって実現されていてもよい。移動体に座標検出のための機器を保持させる態様であっても、位置情報入力部1は、それらの機器から移動体に固有のIDを取得する必要はない。
また、位置情報入力部1は、追跡領域50全体を死角なく検出できるように設置されることが望ましいが、部分的に検出不可となる死角が生じてもよい。なぜなら、後述の動線検出部3が、入力される位置情報に欠落が生じても、移動体の位置座標とそれに対応付くIDを識別し、一連の動線を生成することが可能であるからである。
ID情報入力部2は、追跡領域50内における移動体のIDを取得する装置である。ただし、移動体が存在する場合にID情報入力部2がIDを必ず検出可能とは限らず、IDを検出できるかどうかは、追跡領域50内における移動体の位置により異なる。例えば、ID情報入力部2に近い場所に存在する移動体のIDの検出確率は高く、ID情報入力部2から離れた場所に存在する移動体のIDの検出確率は低い。
図1では、1台のID情報入力部2を示しているが、追跡領域50内にID情報入力部2を複数台設置してもよい。各ID情報入力部2には、ID情報入力部2を一意に特定するためのID情報入力部ID(すなわち、ID情報入力部の識別情報)が予め割り当てられている。ID情報入力部IDは、どのID情報入力部2が移動体のIDを検出したのかを判別するために用いられる。以下、ID情報入力部IDを番号で表す場合を例にして説明し、ID情報入力部IDをID情報入力部番号と記す。ただし、ID情報入力部IDは、番号以外で表されていてもよい。
ID情報入力部2は、検出した移動体のIDと、その検出時刻と、そのID情報入力部2自身のID情報入力部番号とを、動線検出部3に入力する。以下、移動体のIDと、その検出時刻と、IDを検出したID情報入力部2のID情報入力部番号との組をID情報と記す。ID情報入力部2は、移動体のIDの検出を試みて、IDを検出できなかった場合には、移動体のIDを「なし」として、その時刻、およびID情報入力部番号とともに動線検出部3に入力してもよい。また、ID情報入力部2が動線検出部3にID情報を何も入力しないことで、動線検出部3が、その時刻に移動体のIDが何も検出されなかったと判定するようにしてもよい。
ID情報入力部2は、移動体に固有のIDを検出し、その検出時刻およびID情報入力部2自身のID情報入力部番号を特定できる装置であればよい。例えば、移動体がアクティブRFIDタグを所有し、そのタグIDを移動体のIDとして用いる場合、ID情報入力部2としてRFIDリーダを用いればよい。また、移動体がICカードを所有し、そのICカードの識別情報を移動体のIDとして用いる場合、ID情報入力部2としてICカードリーダを用いればよい。また、移動体が無線LAN端末を所有し、その無線LAN端末のMACアドレスを移動体のIDとして用いる場合、ID情報入力部2としてアクセスポイントを用いればよい。また、移動体毎に固有のバーコードが印刷されている場合、ID情報入力部2としてバーコードリーダを用いればよい。また、移動体が人物である場合には、人物の顔、指紋、静脈等を人物のIDとして用いてもよく、これらのIDの読み取り装置をID情報入力部2とすればよい。また、顔認証装置とRFIDリーダのように、検出対象が異なるID情報入力部2を併用してもよい。
また、ID情報入力部2を追跡領域50内に複数設置する場合、各ID情報入力装置2の検出領域が互いに重なり合うように設置してもよい。あるいは、互いに重なり合わないように設置してもよい。
なお、位置情報入力部1による移動体の位置座標の検出と、ID情報入力部2による移動体のIDの検出は同一の時刻に実施する。ただし、位置情報入力部1とID情報入力部2がそれぞれ非同期に位置座標とIDを検出する場合には、動線検出部3が入力された位置情報とID情報を一定時間バッファリングしておき、一定時間ごとにバッファに溜まっている位置情報とID情報を使用するようにしてもよい。あるいは、位置情報入力部1とID情報入力部2の間で時刻同期がとれていない場合は、動線検出部3に位置情報およびID情報が入力された際に、動線検出部3が、入力された位置情報およびID情報に対して同一の検出時刻を設定してもよい。
動線検出部3は、位置情報入力部1から入力される位置情報と、ID情報入力部2から入力されるID情報とを用い、追跡領域50内の各位置についてIDに対応付く移動体が存在する可能性の高さを表したスコアを算出し、追跡領域50内の各位置とスコアとを対応付けた情報(以下、位置スコア対応関係情報と記す。)を時刻毎に作成する。そして、動線検出部3は、追跡領域50内の各位置のスコアが確定的であると言える位置スコア対応関係情報を、所定の基準に基づいて判定する。そして、その位置スコア対応関係情報が作成された時刻を、確定的な時点と呼ぶ。各位置のスコアが確定的であると言える位置スコア対応関係情報を判定するための基準については後述する。動線検出部3は、確定的な時点のスコアに基づいて、その時点の直近の時刻におけるスコアを修正する。そして、スコアが修正された時刻を、確定的な時点として、同様に、その直近の時刻におけるスコアを修正することを繰り返す。確定的な時点でない時刻を、以下、不確定な時点と呼ぶ場合がある。動線検出部3は、上記のように、確定的な時点を判定し、その直近の不確定な時点を辿りながら、不確定な時点におけるスコアを修正する。そして、動線検出部3は、各時刻における修正後のスコアを用いて、移動体の動線を検出する。
動線出力部4は、動線検出部3に検出された動線を出力する出力装置である。動線の出力態様は特に限定されず、例えば、動線を表示出力する場合には、動線出力部4としてディスプレイ装置を用いればよい。以下、動線出力部4が動線を表示する場合を例にする。
図2は、動線検出部3の構成例を示すブロック図である。なお、位置情報入力部1、ID情報入力部2、および動線出力部4も合わせて図示している。動線検出部3は、状態記憶部31と、状態更新手段32と、動線特定手段33とを備える。
状態記憶部31は、各時刻における、追跡領域50での各位置のスコアの状態を、移動体のID毎に記憶する記憶装置である。具体的には、状態記憶部31は、時刻と、移動体のIDと、その時刻におけるその移動体に関する位置スコア対応関係情報との組を記憶する。時刻と、IDと、位置スコア対応関係情報との組を、以下、状態情報と呼ぶ。
状態更新手段32は、移動体のID毎に、前時刻に生成された状態情報を状態記憶部31から読み込み、その状態情報と、移動モデルと、現時刻における移動体の位置座標およびIDの検出結果とに基づいて、前時刻の位置スコア対応関係情報を更新する。ここでは、便宜的に「更新する」と記載したが、状態更新手段32は、具体的には、前時刻の状態情報はそのまま残しておき、その状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報から、現時刻における位置スコア対応関係情報を新規に作成し、現時刻と、着目しているIDと、その位置スコア対応関係情報とを含む新たな状態情報(現時刻の状態情報)を状態記憶部31に記憶させる。よって、状態更新手段32は、状態情報生成手段と呼ぶこともできる。
なお、前時刻とは、現時刻から見て、状態情報が作成された過去の直近の時刻である。
また、状態更新手段32は、前時刻における位置スコア対応関係情報が示す各位置のスコアを、近傍の位置に伝播させ、その結果に対し、現時刻の位置情報やID情報を反映させることにより、現時刻における位置スコア対応関係情報を生成する。移動モデルは、スコアの伝播の態様を規定したルールである。移動モデルの具体例や、前時刻のスコアを伝播させて現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する処理の詳細については、後述する。
各IDに対して、毎時刻、1つの位置スコア対応関係情報が状態更新手段32によって生成され、状態記憶部31に蓄積されていく。
なお、状態更新手段32は、各時刻において、ID毎に生成した状態情報を全て状態記憶部31に記憶させてもよい。また、状態更新手段32は、現時刻から見て、過去一定時間以上前に生成された状態情報を、逐次、状態記憶部31から削除してもよい。
動線特定手段33は、IDを選択し、そのIDに関して、各位置のスコアが確定的であると言える状態情報を判定する。この状態情報が示す時刻が、確定的な時点である。動線特定手段33は、確定的な時点の直近の不確定な時点を辿りながら、不確定な時点における位置スコア対応関係情報が示すスコアを修正する。そして、動線特定手段33は、着目(選択)しているIDに関して、各時刻における修正後の位置スコア対応関係情報を参照し、各時刻におけるスコアのピークの位置を辿ることで、着目しているIDが示す移動体の動線を特定する。動線特定手段33は、移動体のIDを順次、選択し、同様の処理を繰り返す。動線特定手段33は、全てのIDに関して、動線を特定することによって、追跡領域50(図1参照)内に存在する移動体であって、IDによって識別される各移動体に関して、動線を特定することができる。
また、上記の位置スコア対応関係情報は、追跡領域50内の各位置と、その位置にIDによって識別される移動体が存在する可能性の高さを数値化したスコアを対応付けた情報であればよい。追跡領域50をグリッドに分割しておき、分割された領域をセルと呼ぶことにする。位置スコア対応関係情報は、例えば、個々のセルの座標とスコアとを対応付けた情報の集合として表される。また、追跡領域50内をある領域に分割し、分割された領域毎にスコアを定め、各領域をノードとし、領域間の隣接関係をリンクとして、ノードとリンクから構成されるネットワークによって位置スコア対応関係情報を表してもよい。
ここでは、検出される移動体の位置座標や、追跡領域50から分割された個々の領域の座標が、2次元座標で表される場合を例にして説明するが、これらの座標は1次元座標で表されてもよいし、3次元座標で表されてもよい。
図3は、状態更新手段32の構成例を示すブロック図である。状態更新手段32は、状態予測手段321と、観測情報反映手段322とを含む。状態予測手段321は、予め定められている移動モデルに従って、前時刻の位置スコア対応関係情報が示す各位置のスコアをそれぞれ近傍位置のスコアとして伝播させることにより、新たな位置スコア対応関係情報を生成する。この位置スコア対応関係情報は、現時刻における位置スコア対応関係情報を予測したものであるということができる。観測情報反映手段322は、状態予測手段321が作成した新たな位置スコア対応関係情報(現時刻における位置スコア対応関係情報の予測)に対し、位置情報入力部1から入力された現時刻の位置情報およびID情報入力部2から入力された現時刻のID情報を反映させることにより、現時刻における位置スコア対応関係情報を定める。なお、入力される位置情報およびID情報は、観測情報と呼ぶことができる。
状態予測手段321、観測情報反映手段322について、より詳細に説明する。
状態予測手段321は、前時刻に生成された各IDの状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報を状態記憶部31から読み込み、それぞれのIDの位置スコア対応関係情報の複製を新たに作成する。そして、複製した各位置スコア対応関係情報において、予め定められた移動モデルに従って、スコアを近傍の位置に伝播させる処理を行う。スコアを伝播させる処理により、新たに作成された位置スコア対応関係情報は、更新されることになる。状態予測手段321は、この処理を行った位置スコア対応関係情報を観測情報反映手段322に入力する。
ここで、移動モデルの具体例を説明する。移動モデルは、位置スコア対応関係情報におけるスコアを近傍の位置に伝播させる態様を規定したルールである。図4および図5は、移動モデルの具体例を示す説明図である。ここでは、位置スコア対応関係情報は、個々のセルの座標とスコアとを対応付けた情報の集合であるものとする。図4および図5では、位置スコア対応関係情報をマップとして図示している。
図4(a)は、1つの時間ステップ毎に、位置スコア対応関係情報において着目しているセル71のスコアを、その上下左右の各セルに伝播させるという移動モデルを模式的に表している。なお、図4では、スコアの伝播元となるセルを散点模様で示し、スコアの伝播先のセルを薄い斜線で図示している。図4(a)に示す移動モデルは、前時刻にあるセルに存在した移動体は、マップ上において上下左右方向に隣接するセルに移動し得るという観点で定められた移動モデルである。図4(a)に例示する移動モデルが定められている場合、状態予測手段321は、前時刻の位置スコア対応関係情報から複製した位置スコア対応関係情報において、セルのスコアを上下左右のセルに伝播させる処理を行い、位置スコア対応関係情報を更新する。
なお、位置スコア対応関係情報において、各セルには、移動体が存在する可能性の高さを示すスコアが定められている。状態予測手段321は、各セルに着目してスコアを伝播させる。すなわち、個々の全てのセルに関してスコアを伝播させる。このとき、一つのセルには、複数のセルからスコアが伝播することになるが、状態予測手段321は、複数のセルからのスコアの伝播先となるセルに関しては、伝播元の各セルのスコアの最大値を新たなスコアとして定める。この点は、図4(a)以外の他の動作モデルが定められている場合でも同様である。
また、図4(b)は、1つの時間ステップ毎に、着目しているセル71のスコアを、縦、横、斜め方向のn個先のセルまで伝播させるという移動モデルを模式的に表している。このような移動モデルが定められていてもよい。
あるいは、前時刻における移動体の移動方向や移動速度をパラメータとし、移動体の移動方向に対してスコアを伝播させる移動モデルを定めておいてもよい。図5(a),(b)は、着目しているセル71のスコアを、進行方向のセル72に伝播させ、着目しているセル71の周囲のセルのうち、進行方向に該当しないセルに関しては、スコアを低下させる移動モデルを模式的に表している。図5(a)は、移動体の移動速度が遅い場合の例であり、図5(b)は、移動体の移動速度が速い場合の例を示している。進行方向のセル72の範囲は、移動体の移動方向および移動速度に応じて、予め定めておけばよい。また、図5(b)に示すように、速度が速い場合には、進行方向のセル72の範囲を広げればよい。
また、追跡領域50内に障害物が存在する場合、予め障害物が存在する座標を状態予測手段321が記憶しておき、障害物が存在する位置には移動不可能として、スコアを伝播させないようにしてもよい。あるいは、障害物が存在する領域に対し、移動体が障害物を越えて移動する際に余分にかかる時間をコストとして設定しておき、状態予測手段321は、このコストを移動モデルに加味してスコアを伝播させるようにしてもよい。
観測情報反映手段322には、位置情報入力部1から位置情報として、移動体の位置座標およびその位置座標の検出時刻の組が入力される。また、ID情報入力部2からID情報として、移動体のIDと、そのID情報入力部2のID情報入力部番号と、そのIDの検出時刻との組が入力される。さらに、観測情報反映手段322には、状態予測手段321から、スコアを伝播させる処理を行った後の位置スコア対応関係情報が入力される。この位置スコア対応関係情報は、移動体のID毎に観測情報反映手段322に入力される。
観測情報反映手段322は、入力された位置スコア対応関係情報に、現時刻の位置情報およびID情報を反映させる。この処理について説明する。
まず、位置スコア対応関係情報にID情報を反映させる処理について説明する。
観測情報反映手段322は、予めID情報入力部番号に対応するID検知領域を記憶しておく。ID検知領域は、ID情報入力部2が移動体のIDを所定の確率以上の検出確率で検出するとみなすことができる領域として予め定められた領域である。ID検知領域は、例えば、予め動線検出システムの管理者によって定められる。所定の確率以上の検出確率でIDを検出する領域として厳密にID検知領域を定義することは困難であるので、ID検知領域は、所定の確率以上の検出確率でIDを検出するとみなすことができる領域として、管理者等によって判断された領域であってよい。ID検知領域は、ID情報入力部2毎に(すなわち、ID情報入力部番号毎に)それぞれ予め定められる。
観測情報反映手段322は、個々の移動体のIDに着目し、着目しているIDの位置スコア対応関係情報(状態予測手段321から入力された位置スコア対応関係情報)において、着目しているIDを検出したID情報入力部2のID情報入力部番号に対応するID検知領域のスコア増加量が他の領域のスコア増加量よりも大きくなるように、スコアを更新する。なお、IDを検出したID情報入力部2のID情報入力部番号は、ID情報入力部2から入力されるID情報に基づいて判断すればよい。すなわち、着目しているIDと組になるID情報入力部番号がID情報入力部2から入力されていれば、そのID情報入力部番号に対応するID検知領域のスコア増加量が他の領域のスコア増加量よりも大きくなるように、スコアを更新すればよい。なお、スコアの増加量は、負であってもよく、この場合であっても、着目しているIDを検出したID情報入力部2のID情報入力部番号に対応するID検知領域のスコア増加量が他の領域のスコア増加量よりも大きくなるようにすればよい。
このスコアの更新の具体例を示す。例えば、追跡領域50内にID検出領域aとID検出領域bという2つのID検出領域が定義されているとする。また、移動体は2つ存在し、そのIDは、それぞれID1,ID2であるとする。また、ID情報入力部2から入力されたID情報が、ある時刻においてID検出領域aでID1のみを検出したという内容を表しているとする。この場合、例えば、ID1に関する位置スコア対応関係情報において、ID検出領域aに含まれるスコアのみ高くなるように更新し、他の領域に関してはスコアを変化させないようにすればよい。また、ID2は検出されていないので、ID2に関する位置スコア対応関係情報では、スコアを変化させない。
また、観測情報反映手段322は、IDを検出したID検出領域に関しては、スコアに所定の値を加算し、IDを検出しなかった領域に関しては、その値よりも小さな値をスコアに加算してもよい。この場合、上記の例のように、IDを検出しなかった領域に関しては、スコアをそのまま保持させてもよい(すなわち、変化させなくてもよい)。また、IDを検出しなかった領域に関して、スコアを減算してもよい。
あるいは、観測情報反映手段322は、IDを検出したID検出領域に関してスコアを変化させずにそのまま保持させ、IDを検出しなかった領域に関しては、スコアを減算したり、スコアを1以上の値で除算したりしてもよい。
あるいは、観測情報反映手段322は、IDを検出したID検出領域に関しては、スコアに値を乗算し、IDを検出しなかった領域に関しては、その値よりも小さな値をスコアに乗算してもよい。この場合、IDを検出しなかった領域に関しては、スコアをそのまま保持させてもよく、また、スコアを1以上の値で除算してもよい。
また、ID情報に基づいて、IDを検出したID検出領域等のスコアを変化させる上記のような各種の演算において、IDの検出誤差を考慮してスコアの演算を行うために、予め定義しておいた係数や、または、IDの検出状況によって動的に決定される係数を用いてスコアを演算してもよい。例えば、ID検出領域の境界付近では、ID検出領域の中心部に比べ、IDの過検出や検出漏れが起こりやすい。そのため、ID検出領域内であっても、ID検出領域の中心部と、ID検出領域の境界付近とで別々の係数を用いて、スコアの増加量に差をつけてもよい。あるいは、追跡領域50内に複数のID情報入力部2が存在し、複数のID検出領域が定義されている場合、誤検知を起こしやすいID検出領域におけるスコア増加量は少なくし、誤検知を起こしにくいID検出領域におけるスコア増加量は多くなるようにして、スコア増加量に差を付けてもよい。
次に、位置スコア対応関係情報に位置情報を反映させる処理について説明する。
観測情報反映手段322は、各IDの位置スコア対応関係情報(状態予測手段321から入力された位置スコア対応関係情報)それぞれについて、位置情報入力部1から入力された位置座標に対応するスコアの増加量が他の領域のスコアの増加量よりも高くなるように、スコアを更新する。入力された位置座標に対応するスコアの増加量が、他の領域のスコアの増加量よりも高くなるようになるのであれば、スコアの増加量は負であってもよい。
このスコアの更新の具体例を示す。移動体が2つ存在し、そのIDは、それぞれID1,ID2であるとする。また、位置情報入力部1から入力された位置情報が、ある時刻において(x1,y1)と(x2,y2)という2つの位置座標を検出したという内容を表しているとする。この場合、観測情報反映手段322は、ID1の位置スコア対応関係情報において、(x1,y1)と(x2,y2)におけるスコアの増加量が他の領域のスコアの増加量よりも高くなるように、スコアを更新する。ID2の位置スコア対応関係情報に関しても同様に、(x1,y1)と(x2,y2)におけるスコアの増加量が他の領域のスコアの増加量よりも高くなるように、スコアを更新する。
観測情報反映手段322は、検出された位置座標の領域に関しては、スコアに所定の値を加算し、その他の領域に関しては、その値よりも小さな値をスコアに加算してもよい。また、検出された位置座標の領域以外の領域に関して、スコアを変更せずにそのまま保持させたり、または、スコアを減算してもよい。
あるいは、観測情報反映手段322は、検出された位置座標の領域に関してスコアを変化させずにそのまま保持させ、他の領域に関しては、スコアを減算したり、スコアを1以上の値で除算したりしてもよい。
あるいは、観測情報反映手段322は、検出された位置座標の領域に関して、スコアに1より大きな値を乗算し、他の領域に関しては、その値よりも小さな値をスコアに乗算してもよい。この場合、検出された位置座標の領域以外の領域に関して、スコアをそのまま保持させてもよく、また、スコアを1以上の値で除算してもよい。
また、検出された位置座標に基づいてスコアを変化させる上記のような各種演算において、位置座標の検出誤差を考慮してスコアの演算を行うために、予め定義しておいた係数や、または、検出された位置座標によって動的に決定される係数を用いてスコアを演算してもよい。例えば、位置座標の検出誤差が予め定まっている場合には、検出された位置座標を中心にして検出誤差も考慮した領域に関して、他の領域よりもスコアの増加量が大きくなるようにスコアを変化させてもよい。あるいは、追跡領域50内の特定の位置で誤検出を起こしやすい場合は、その位置で検出した移動体の位置座標に関しては、その周囲も含む広範囲の領域でスコアを変化させるようにし、そのときのスコアの増加量は、他の位置で検出された位置座標におけるスコア増加量より小さくなるようにすればよい。
観測情報反映手段322は、状態予測手段321から入力された各移動体のID毎の位置スコア対応関係情報に対してスコアを変化させる処理を行った後、IDと、位置スコア対応関係情報と、位置情報またはID情報から得た検出時刻(現時刻)とを対応付けた状態情報として状態記憶部31に記憶させる。観測情報反映手段322は、ID毎に状態情報を状態記憶部31に記憶させる。
図6は、動線特定手段33の構成例を示すブロック図である。動線特定手段33は、確定状態選択手段331と、確定状態反映手段332と、移動体位置検出手段333とを含む。
確定状態選択手段331は、状態記憶部31より、現時刻から過去一定時間の間に生成された各IDの状態情報を取得する。確定状態選択手段331は、その状態情報の中から、動線を導出する対象となる移動体のIDを含む状態情報を抽出する。このIDの状態情報として、各時刻の状態情報が抽出されることになる。確定状態選択手段331は、そのIDの各時刻における状態情報のうち、確定的な時点の状態情報を選択する。
このとき、確定状態選択手段331は、所定の基準に基づいて、追跡領域50内の各位置のスコアが確定的であると言える状態情報を判定する。その状態情報が示す時刻が、確定的な時点である。また、追跡領域50内の各位置のスコアが確定的であると言える状態情報を確定状態情報と呼ぶこととする。確定状態情報を判定するための上記の基準として、例えば、「最新時刻に生成された状態情報を確定状態情報とする」という基準を採用してもよい。最新時刻に生成された状態情報に含まれている位置スコア対応関係情報では、より多くの有効な位置座標およびIDの観測結果に基づいて追跡領域内の各位置のスコアが更新されている。すなわち、最新時刻の位置スコア対応関係情報では、動線導出に有効なより多くの観測情報が各位置のスコアに反映されている。そのため、その状態情報に含まれている位置スコア対応関係情報は、動線導出時点において、スコアが確定的であると考えることができる。よって、確定状態選択手段331は、上記の基準に基づいて、最新時刻に生成された状態情報を確定状態情報と判定してもよい。
また、確定状態情報を判定するための基準として、「移動体の位置座標およびIDが両方とも検出された時刻における状態情報を確定状態情報とする」という基準を採用してもよい。移動体の位置座標およびIDが検出された時刻では、位置座標およびIDが検出されなかった時刻よりも、追跡領域内の各スコアにより顕著なピークが現れる。従って、確定状態選択手段331は、移動体の位置座標およびIDが両方とも検出された時刻を確定的な時点とし、その時刻における状態情報を確定状態情報として判定してもよい。
確定状態反映手段332は、確定的な時点の直近の不確定な時点を辿りながら、不確定な時点における位置スコア対応関係情報が示すスコアを修正する。なお、最新時刻を確定的な時点とした場合には、確定状態反映手段332は、確定的な時点から、過去に向かって、不確定な時点を順次辿る。また、移動体の位置座標およびIDが両方とも検出された時刻を確定的な時点とした場合には、確定状態反映手段332は、確定的な時点を始点として、未来および過去それぞれに向かって不確定な時点を順次辿ればよい。
確定状態反映手段332は、確定的な時点の直近の不確定な時点における位置スコア対応関係情報を修正する場合、まず、確定的な時点の位置スコア対応関係情報に関して、移動モデルに従って各位置のスコアを伝播させる。この処理は、状態予測手段321がスコアを伝播させる処理と同様であり、確定状態反映手段332は、確定的な時点の位置スコア対応関係情報の複製を作成し、その複製において、各位置のスコアを近傍に伝播させる処理を実行すればよい。
確定状態反映手段332は、スコアを近傍に伝播させる処理を行った位置スコア対応関係情報を、直近の不確定な時点における位置スコア対応関係情報に反映させる。スコアを伝播させる処理後の位置スコア対応関係情報(確定的な時点の位置スコア対応関係情報)を、直近の不確定な時点における位置スコア対応関係情報に反映させるには、確定状態反映手段332は、例えば、確定的な時点の位置スコア対応関係情報における各セルのスコアを、直近の不確定な時点の位置スコア対応関係情報における対応するセルのスコアにそのまま加算したり、あるいは、乗算したりすればよい。また、確定状態反映手段332は、例えば、確定的な時点の位置スコア対応関係情報における各セルのスコアに係数を乗じ、その結果を、直近の不確定な時点の位置スコア対応関係情報における対応するセルのスコアに加算したり、あるいは、乗算したりしてもよい。
確定状態反映手段332は、上記の演算が行われた不確定な時点の位置スコア対応関係情報を、確定的な時点の位置スコア対応関係情報として、順次、同様の処理を繰り返していく。
ある不確定な時点の位置スコア対応関係情報のみでは、どの位置に、どのIDに対応する移動体が存在するのかを一意に決定できない場合がある。このような場合であっても、上記のように、確定的な時点の位置スコア対応関係情報を不確定な時点における位置スコア対応関係情報に反映させることで、不確定な時点におけるスコアのピークがより顕著になるようにすることができる。その結果、どの位置に、どのIDに対応する移動体が存在するのかをより正確に、一意に決定できるようになる。
移動体位置検出手段333は、確定状態反映手段332による処理後の各時刻における位置スコア対応関係情報から、各時刻における移動体の位置を検出する。本実施形態では、移動体位置検出手段333は、各時刻における位置スコア対応関係情報から、移動体の位置として、スコアがピークとなる位置を検出する。スコアがピークとなる位置を検出する態様は、例えば、スコアが最大となる位置を検出する態様であってもよい。また、スコアが一定値以上となっている各位置の重心位置を検出する態様であってもよい。移動体位置検出手段333は、ある時刻の位置スコア対応関係情報から検出した位置が、着目しているIDの移動体のその時刻における存在位置であると定める。移動体位置検出手段333は、時刻毎に、位置スコア対応関係情報からスコアがピークとなる位置を検出し、時系列順のその位置の情報を動線とする。この結果、確定状態選択手段331に選択されたIDに対応する移動体の動線が求められる。
また、状態更新手段32と動線特定手段33の動作のタイミングについては、状態更新手段32と動線特定手段33が同期し、状態更新手段32が各IDの状態情報を生成するたびに動線特定手段33が動線を特定してもよい。あるいは、状態更新手段32と動線特定手段33とがそれぞれ非同期に動作し、状態更新手段32は位置情報およびID情報が入力されるたびに処理を行い、動線特定手段33は位置情報およびID情報の入力周期とは関係なく、異なる周期で動線検出処理を行ってもよい。あるいは、動線特定手段33は、周期的にではなく、必要となった時点で非周期的に動線検出処理を行ってもよい。例えば、動線検出システムの管理者によって、動線を検出する旨の指示が入力されたときに動線検出処理を行ってもよい。
第1の実施形態において、状態更新手段32(状態予測手段321および観測情報反映手段322)と、動線特定手段33(確定状態選択手段331、確定状態反映手段332および移動体位置検出手段333)は、例えば、動線検出プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、コンピュータのプログラム記憶装置(図示せず)が動線検出プログラムを記憶し、CPUがそのプログラムを読み込み、プログラムに従って、状態更新手段32(状態予測手段321および観測情報反映手段322)と、動線特定手段33(確定状態選択手段331、確定状態反映手段332および移動体位置検出手段333)として動作すればよい。また、状態更新手段32と、動線特定手段33とが、それぞれ別のハードウェアで実現されていてもよい。状態予測手段321、観測情報反映手段322に関しても、別のハードウェアで実現されていてもよい。確定状態選択手段331、確定状態反映手段332および移動体位置検出手段333に関しても、別のハードウェアで実現されていてもよい。
次に、動作について説明する。
図7および図8は、第1の実施形態の動線検出部3の処理経過の例を示すフローチャートである。以下、図9から図16までの具体例を示しつつ、第1の実施形態の処理経過の例を説明する。
図9は、スコアを定義するためのセルとして追跡領域50をグリッド分割して定めたセルの例を示す説明図である。図9では、追跡領域50に設置した2つのID情報入力部2a,2bの位置も示している。便宜上、この追跡領域50のマップの左下を原点(0,0)とし、マップ上の任意の位置座標をp(x,y)という書式で表すこととする。また、マップ上の任意のセルの座標をc(m,n)という書式で表すこととする。セルの分割数は任意に設定してよいが、この例ではx軸方向に0〜11,y軸方向に0〜7の範囲で値を取るとする。本例では、ID情報入力部2a,2bは、それぞれ、c(0,7),c(11,0)に配置されている。また、各ID情報入力部2a,2bには予めそれぞれID検出領域を定義しておく。本例では、c(0,5)を左下とし、c(2,7)を右上とする矩形を、ID情報入力部2aのID検出領域Raとする。また、c(9,0)を左下とし、c(11,2)を右上とする矩形を、ID情報入力部2bのID検出領域Rbとする。
図10は、追跡領域50内を移動する2つの移動体a,bについて、時刻t〜t10における検出位置の例を表した図である。図10に示す例では、移動体aから検出された位置がp1a〜p10aであり、移動体bから検出された位置がp1b〜p10bであることを真の状態とする。また、移動体aがID1に、移動体bがID2にそれぞれ対応付けられることを真の状態とする。また、図10において、p5a,p6aおよびp5b,p6bが記載されていないことは、時刻t,tで位置座標が検出されなかったことを表している。なお、p1a〜p10aやp1b〜p10bにおいて、添え字の番号は時刻t〜t10のどの時刻で検出されたかを表し、添え字のaまたはbは、移動体a,bのどちらから検出されるものかを表している。
図11は、時刻t〜t10の間におけるID情報入力部毎のID検出の有無を表している。本例では、ID情報入力部2aが時刻t,tに“ID1”および“ID2”を検出し、ID情報入力部2bが時刻t10に“ID1”を検出したことを表している。また、図11において、空欄となっている部分は、移動体のIDが検出されなかったことを表している。また、本例では、移動体がID検出領域Ra,Rb内に存在する場合は確実にIDが検出され、移動体がID検出領域外に存在する場合は全くIDが検出されていない場合を示している(図10,図11参照)。しかし、移動体のIDを確実に検出できる領域と、全く検出できない領域との境界を厳密に定義してID検知領域を定めることは困難であるため、移動体のIDの検知漏れや過検知が発生してもよい。
上述のように、図10に示す移動体の検出位置の符号に付与した添え字の番号は、その検出位置の検出時刻を表している。図10、図11に示す例では、例えば、時刻tにおいて、位置情報入力部1(図10において図示せず)が位置座標p1a,p1bを検出し、ID情報入力部2aがID1,ID2を検出したものとする。また、例えば、時刻t10において、位置情報入力部1がp10a,p10bを検出し、ID情報入力部2bがID1を検出したものとする。
図12から図15は、それぞれ、位置スコア対応関係情報のスコアを更新していく状況の具体例を示す説明図である。図12から図15では、位置スコア対応関係情報をセルのマップとして模式的に表し、各セルのスコアを、図面において模様で区別している。図16は、図12から図15において示したセルのスコアの値を示す説明図である。図16に示すように、白色のセルはスコアが0以下であることを表しているが、図12から図15に示す位置スコア対応関係情報において、白色のセルのスコアは負の値になっているものとする。
次に、具体的な処理の流れを説明する。
まず、状態更新手段32は、ID情報入力部2からID情報(すなわち、移動体のIDと、ID情報入力部番号と、そのIDの検出時刻との組)を取得する(ステップS1)。本例では、現時刻が、図11に示した時刻t10であるとする。この場合、状態更新手段32は、ID情報入力部2から{“ID1”,“ID情報入力部2b”,“t10”}というID情報が入力される。なお、“ID情報入力部2b”は、ID情報入力部番号であるものとする。
次に、状態更新手段32は、位置情報入力部1から位置情報(すなわち、移動体の位置座標と、その位置座標の検出時刻との組)を取得する(ステップS2)。時刻t10では、図10に示したように、{“p10a”,“t10”}、{“p10b”,“t10”}という位置情報が入力される。
なお、図3では、状態更新手段32の観測情報反映手段322にID情報および位置情報が入力される場合を示したが、状態予測手段321が位置情報を参照でき、観測情報反映手段322がID情報および位置情報を参照することができれば、状態予測手段321と観測情報反映手段322のどちらにID情報および位置情報が入力されてもよい。
次に、状態更新手段32の状態予測手段321は、状態記憶部31から、状態記憶部31に記憶してある状態情報のうち、最新時刻の状態情報(すなわち、現時刻から1つ前の時刻に生成された状態情報)を取得する(ステップS3)。既に説明したように、状態情報は、時刻と、移動体のIDと、その時刻におけるその移動体に関する位置スコア対応関係情報との組である。
ステップ3では、状態予測手段321は、状態記憶部31に記憶されている各状態情報の時刻を調べ、時刻が最も遅い状態情報群を選択し、状態記憶部31から読み込めばよい。本例では、状態予測手段321は、前時刻tに生成された状態情報群を読み込む。
状態更新手段32では、状態記憶部31から取得した前時刻の状態情報群について、スコアの状態を更新した現時刻(t10)の状態情報を作成していないもの(具体的にはステップS5〜S7の処理が行われていないもの)があるか否かを判定する(ステップS4)。
スコアを更新した現時刻の状態情報が作成されていない前時刻の状態情報がある場合(ステップS4のYes)、状態予測手段321は、ステップS3で読み込んだ前時刻の状態情報群から、その未処理の状態情報を1つ選択する。ここでは、ID1の状態情報が選択されたとする。なお、ステップS4の判定と、この選択を行う手段が、状態更新手段32において状態予測手段321とは別に設けられ、その手段が、選択した状態情報を状態予測手段321に入力してもよい。
状態予測手段321は、選択した状態情報の時刻から現時刻までの経過時間を算出し、予め定義してある移動体の移動モデルに基づいてスコアの伝播範囲を決定し、選択した状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報におけるスコアを伝播させることで現時刻のスコアの状態を予測する(ステップS5)。本例では、現時刻がt10であるので、現時刻の1つ前の時刻である時刻tに生成されたID1の位置スコア対応関係情報(図12(a)参照)におけるスコアを伝播させる。ステップS5において、状態予測手段321は、選択した状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報にスコアを上書きするのではなく、選択した状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報の複製を作成し、複製した各位置スコア対応関係情報において、予め定められた移動モデルに従って、スコアを近傍の位置に伝播させる処理を行う。この結果、前時刻の位置スコア対応関係情報はそのまま残し、新たに現時刻の位置スコア対応関係情報を作成していくことになる。
スコアを伝播させる処理について説明する。本例では、1つの時間ステップ毎に、各セルのスコアを、隣接する上下左右のセルに伝播させるという移動モデル(図4(a)参照)が定められているとする。なお、位置情報入力部1およびID情報入力部2がそれぞれ位置座標やIDを検出して状態更新手段32に入力する周期を1つの時間ステップとする。従って、本例において、状態予測手段321は、時刻tで各セルに設定されているスコアを、上下左右の隣接するセルのスコアとして設定し、そのようにスコアを伝播させた結果を時刻t10における各位置のスコアの予測結果(位置スコア対応関係情報の予測結果)とする。また、状態予測手段321は、個々の全てのセルに関してスコアを上下左右のセルに伝播させる。このとき、各セルには、隣接する上下左右のセルからそれぞれスコアが伝播されることになるので、1つのセルに対して4つのスコアが伝播することになるが、状態予測手段321は、そのうち最も値が大きいスコアをそのセルのスコアとして設定する。
なお、移動モデルは、上記の移動モデルに限定されず、例えば、追跡対象とする移動体の移動特性に応じて適宜定義してよい。
移動モデルに基づいて、時刻tにおける各セルのスコアを伝播させる処理によって作成した時刻t10における位置スコア対応関係情報の予測結果を、図13(a)に示す。なお、図12(a),図13(a)は、ともに、選択したID1に関するものである。後述の図14(a),図15(a)も、同様に、ID1に関するものである。
状態予測手段321は、ステップS5で生成した現時刻の位置スコア対応関係情報の予測結果(図13(a)参照)を観測情報反映手段322に入力する。具体的には、位置スコア対応関係情報の予測結果と、前時刻と、選択しているID(ここではID1)との組(すなわち、状態情報)を観測情報反映手段322に入力する。
観測情報反映手段322は、状態予測手段321に予測された現時刻の位置スコア対応関係情報と、ID情報入力部2から入力されたID情報と、位置入力部1から入力された位置情報とを用いて、予測された現時刻の位置スコア対応関係情報を更新する。ここでは、観測情報反映手段322は、状態予測手段321から入力された位置スコア対応関係情報の予測結果に上書きして更新する。
観測情報反映手段322は、まず、状態予測手段321に予測された現時刻の位置スコア対応関係情報を、ID情報入力部2から入力された現時刻のID情報に基づいて更新する(ステップS6)。ステップS1では、現時刻であるt10に観測されたID情報として、{“ID1”,“ID情報入力部2b”,“t10”}が入力されている。このID情報は、時刻t10に、ID情報入力部2bが“ID1”を検出したことを意味している。
ステップS6で、観測情報反映手段322は、ID情報入力部2から取得したID情報に基づき、移動体のIDを検出したID情報入力部2について定められたID検出領域に該当するセルのスコアにおけるスコア増加量が他のセルのスコア増加量よりも大きくなるように、状態予測手段321に予測された現時刻の位置スコア対応関係情報を更新する。本例では、観測情報反映手段322は、図13(a)に示す位置スコア対応関係情報において、ID情報検出装置2bに対応するID検出領域Rbに該当するセルに対して、スコアを0.3加算し、それ以外の領域はスコアをそのままにしておく。この演算の結果、図13(a)に示す位置スコア対応関係情報は、図14(a)に示すように更新される。図14(a)に示すように、ID検出領域Rbに該当するセルのスコアは、図13(a)に示す場合よりも大きな値となり、他のセルのスコアは、図13(a)に示す場合と同じである。
次に、観測情報反映手段322は、ステップS6の処理後の位置スコア対応関係情報(図14(a)参照)を、位置情報入力部1から入力された位置情報に基づいて更新する(ステップS7)。ステップS2では、現時刻であるt10に観測された位置情報として、{“p10a”,“t10”}、{“p10b”,“t10”}が入力されている。観測情報反映手段322は、ステップS2で入力された現時刻の全ての位置情報を用いて、ステップS7の更新処理を行う。
観測情報反映手段322は、位置情報入力部1から取得した位置情報に含まれる位置座標を用いて、各位置座標が追跡領域内のどのセルに含まれるかを判定する。本例では、観測情報反映手段322は、位置座標p10aを含むセルがc(9,1)であり、位置座標p10bを含むセルがc(10,7)であると判定する。
観測情報反映手段322は、検出された位置座標に該当するセルのスコアにおけるスコア増加量が他のセルのスコア増加量よりも大きくなるように、位置スコア対応関係情報を更新する。本例では、観測情報反映手段322は、位置座標が検出されたセルc(9,1)およびc(10,7)のスコアをそのままにし、位置座標が検出されなかったその他のセルのスコアを0.3減算する。この演算の結果、図14(a)に示す位置スコア対応関係情報は、図15(a)に示すように更新される。
また、観測情報反映手段322は、位置スコア対応関係情報を更新するほかに、状態情報に含まれている時刻を現時刻に更新する。なお、ここでは、観測情報反映手段322が状態情報に含まれている時刻を現時刻に更新する場合を示したが、状態情報に含まれている時刻を現時刻に更新する処理は、状態予測手段321が行ってもよい。例えば、状態予測手段321が、ステップS5でスコアを伝播させる処理を行った後、状態情報における時刻を現時刻に更新してもよい。
観測情報反映手段322が、状態予測手段321から入力された状態情報に関して、位置スコア対応関係情報の更新処理(ステップS6,S7)を行うことで、選択されたID1に関する現時刻の状態情報が作成される。
そして、状態更新手段32は、ステップS3で取得した状態情報群のうちID1に関して、現時刻の状態情報を作成済みとする。
以上のステップS5〜S7の処理が、1つのIDに関して、前時刻の状態情報に基づき現時刻の状態情報を作成する処理である。
状態更新手段32は、ステップS7の後、再びステップS4に戻り、ステップS5〜S7について未処理の状態情報が存在するか否かを判定する。本例では、ID2の状態情報が未処理であるので、このID2の状態情報について、ID1の場合と同様にステップS5〜7の処理を行う。図12(b)は、前時刻tに生成されたID2の位置スコア対応関係情報の例である。ステップS5において、状態予測手段321が、この位置スコア対応関係情報が示す各セルのスコアを伝播させる処理を行うことで、図13(b)に示す位置スコア対応関係情報が得られる。これは、時刻t10における位置スコア対応関係情報の予測結果である。続いて、観測情報反映手段322がID情報に基づいて、位置スコア対応関係情報の予測結果の更新を行う(ステップS6)。この結果を、図14(b)に示す。本例では、現時刻t10でID2は検出されていないので、ID2に関しては、ステップS6による位置スコア対応関係情報の変更はない(図13(b)、図14(b)参照)。続いて、観測情報反映手段322は、ステップS6後の位置スコア対応関係情報を、位置情報に基づいて更新する(ステップS7)。すなわち、ID1の場合と同様に、位置座標が検出されたセルc(9,1)およびc(10,7)のスコアをそのままにし、位置座標が検出されなかったその他のセルのスコアを減算する。この結果を、図15(b)に示す。
状態更新手段32は、ステップS7の後、再びステップS4に戻り、ステップS5〜S7について未処理の状態情報がないと判定した場合(ステップS4のNo)、観測情報反映手段322は、ステップS5〜S7の処理を繰り返してID毎に作成した現時刻の各状態情報を状態記憶部31に記憶させる(ステップS8)。各状態情報には、位置情報入力部1またはID情報入力部2から取得した位置情報またはID情報に含まれる検出時刻と、移動体のIDと、ステップS5〜7の処理で作成した位置スコア対応関係情報が含まれる。
次に、動線特定手段33の確定状態選択手段331は、状態記憶部31から、現時刻から過去一定時間分の各IDの状態情報を読み込む(ステップS9)。本例では、状態記憶部31に記憶されている全状態情報(時刻tから時刻t10までの状態情報)を読み込むものとして説明する。ただし、動線を特定しようとする時間範囲の指定を受け付け、確定状態選択手段331は、指定された時間範囲に該当する状態情報を読み込んでもよい。
ステップS9の次に、確定状態選択手段331は、状態記憶部31から読み込んだ状態情報のうち、確定的な時点のスコアを不確定な時点のスコアに反映する処理(具体的にはステップS11〜S14)が行われていないIDに関する状態情報群が存在するか否かを判定する(ステップS10)。本例では、状態記憶部31から読み込んだ状態情報には、ID1に関する状態情報群とID2に関する状態情報群が存在する。
確定的な時点のスコアを不確定な時点のスコアに反映する処理が行われていないIDに関する状態情報群が存在する場合(ステップS10のYes)、確定状態選択手段331は、そのIDを一つ選択し、選択したIDに関する確定状態情報を選択する(ステップS11)。ここでは、IDとして、“ID1”を選択したものとする。また、「最新時刻に生成された状態情報を確定状態情報とする」という基準が予め定められていて、確定状態選択手段331は、その基準に従い、ID1の状態情報群から、最新時刻に生成された状態情報を確定状態情報として選択するもとする。よって、この場合、図15(a)に示す時刻t10の位置スコア対応関係情報を含むID1の状態情報を、確定状態情報として選択する。この結果、確定状態情報に含まれる時刻t10が、確定的な時点であり、他の時刻t1〜t9が不確定な時点に該当する。
ステップS11の次に、確定状態反映手段332は、選択された“ID1”の状態情報群のうち、不確定な時点における状態情報(以下、不確定状態情報と記す。)が存在するか否かを判定する(ステップS12)。
不確定状態情報が存在する場合(ステップS12のYes)、確定状態反映手段332は、確定状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報における各セルのスコアを伝播させる処理を行うことにより、確定的な時点(t10)に直近の不確定な時点(t)のスコアの状態を予測する(ステップS13)。スコアを伝播させる処理は、ステップS5と同様であり、確定状態反映手段332は、確定的な時点(t10)における位置スコア対応関係情報の複製を作成し、その複製した位置スコア対応関係情報において、予め定められた移動モデルに従って、スコアを近傍の位置に伝播させる処理を行う。この結果は、確定的な時点における位置スコア対応関係情報に基づいて予測された、直近の時刻の位置スコア対応関係情報である。
次に、確定状態反映手段332は、確定的な時点に直近の不確定な時点(本例ではt)における状態情報を選択する。そして、その不確定状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報に対して、ステップS13で予測したその時刻における位置スコア対応関係情報を反映させる(ステップS14)。ステップS14では、ステップS13で予測した位置スコア対応関係情報における各セルのスコアを、選択した不確定状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報における対応する各セルのスコアに加算すればよい。あるいは、対応するセルのスコア同士を乗算してもよい。また、ステップS13で予測した位置スコア対応関係情報における各セルのスコアに重み係数を乗じてから、上記の加算または乗算を行ってもよい。この演算の結果を、確定的な時点に直近の不確定な時点における各セルのスコアとして、その不確定な時点における位置スコア対応関係情報を更新する。
また、確定状態反映手段332は、ステップS14の処理を行った不確定な時点の状態情報を、確定状態情報とする。この結果、時刻tを、確定的な時点として扱う。
ステップS14の後、動線特定手段33は、再びステップS12に戻り、選択された“ID1”の状態情報群のうち、不確定状態情報が存在するか否かを判定する。このとき、時刻t〜tの状態情報が不確定状態情報に該当する。よって、確定状態反映手段332は、時刻tの位置スコア対応関係情報における各セルのスコアを伝播させる処理を行い、確定的な時点に直近の不確定な時点(t)のスコアの状態を予測する(ステップS13)。そして、確定状態反映手段332は、確定的な時点(t10,t)に直近の不確定な時点(t)における状態情報を選択し、その不確定状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報に対して、ステップS13で予測したその時刻における位置スコア対応関係情報を反映させる(ステップS14)。そして、時刻tにおける状態情報を確定状態情報とする。
以降、確定状態反映手段332は、不確定状態情報が存在しなくなるまで、同様に、ステップS13,S14の処理を繰り返す。
選択しているIDである“ID1”に関する全ての状態情報が確定状態情報になると(ステップS12のNo)、再度ステップS10に移行する。そして、“ID2”に関してステップS11〜S14の処理が行われていないので、ステップS11に移行し、確定状態選択手段331は、ID2を選択し、ID2に関する確定状態情報を選択する(ステップS11)。そして、ID1を選択した場合と同様に、ステップS12〜S14の処理を繰り返し、確定的な時点のスコアを不確定な時点のスコアに反映していく。
ID2に関する不確定状態情報がなくなると、再度ステップS10に戻る。そして、確定状態選択手段331が、ステップS11〜S14の処理が行われていないIDはないと判定すると(ステップS10のNo)、移動体位置検出手段333は、各IDの状態情報群を用いて動線を特定する(ステップS15)。
ステップS15において、移動体位置検出手段333は、ID毎に動線を特定する。このとき、どのIDの動線から特定していくかという順番を決定する方法として、ランダムにIDを選択していくという方法を用いてもよい。あるいは、現時刻から過去一定時間までのスコアのピークが最も強く現れている順にIDを選択して、動線を特定していってもよい。
移動体位置検出手段333は、IDを選択した後、そのIDの各時刻における位置スコア対応関係情報を参照し、各時刻において、スコアのピークが現れているセルを検出する。移動体位置検出手段333は、ある時刻におけるスコアのピークが現れているセルを検出する場合、単純にスコアが最も高いセルを検出してもよい。あるいは、スコアが一定値(閾値)以上となっているセルの重心に該当するセルを、スコアがピークとなるセルとして検出してもよい。スコアのピークが現れているセルを検出する処理は、どの時刻から順番に行ってもよい。そして、移動体位置検出手段333は、選択したIDに対応する移動体が各時刻において、検出されたセルに存在していたと判定し、時刻とセル座標の位置座標との組み合わせをその移動体の動線を表す情報として定める(ステップS15)。
従って、追跡領域をグリッドに分割したセルの位置座標によって動線を表すことになる。すなわち、動線の位置座標の分解能は、グリッド分割によって定められるセルの分解能に依存する。
また、ステップS15において、現時刻から過去一定時間までのスコアのピークが最も強く現れているIDから順に選択して、動線を特定していく場合、後に生成される動線は、先に生成された動線のセル以外のセルを選択することが好ましい。このようにセルを選択することによって、動線の精度を向上させることができる。本例では、ID2に関しては、時刻t〜t10のいずれの状態でも移動体a,bについて同じスコアのピークが現れている。この場合、先にID1に関して動線を特定し、ID2の動線を特定する際は、ID1で選択されたセル以外のセルを辿って動線を特定すればよい。
そして、移動体位置検出手段333は、時刻順にセルの位置座標を連ねた動線を、ID毎に動線出力部4に表示させる(ステップS16)。このとき、移動体位置検出手段333は、各時刻において選択したセルの領域を時系列順に連ねた動線を表示させてもよい。あるいは、各時刻において選択したセルの重心位置を時系列順に連ねた動線を表示させてもよい。また、移動体位置検出手段333は、動線とともに、動線に対応するIDも動線出力部4に表示させる。
仮に、単純に過去から現時刻に向かってスコアのピークを辿り動線を生成する場合、時刻tから時刻tまでの間でID1とID2の状態にはスコアに差が無いため、時刻t10になって初めてどちらの移動体にどのIDが割当てられるべきかを判定できるようになる。つまり、時刻tから時刻tまでの動線について、正しいIDを一意に特定し割当てることができない。しかし、本発明では、ステップS11で確定状態情報を選択し、確定的な時点のスコアを不確定な時点のスコアに反映させていく(ステップS13,S14)。この結果、時刻t1から時刻t9の間においても、ID1の位置スコア対応関係情報とID2の位置スコア対応関係情報とでスコアに差が生じ、精度よく動線を特定することができる。
以上の説明は、状態更新手段32と動線検出手段33が同期して動作する場合の処理についてのものである。状態更新手段32と動線検出手段33が非同期に動作する場合は、状態更新手段32がステップS1〜S8(図7参照)の処理を繰り返し行い、その処理とは非同期に、動線検出手段33がステップS9〜S16の処理を繰り返し行えばよい。
また、上記の実施形態では、追跡領域内に存在する全ての移動体からIDを検出できる場合について説明した。ただし、本実施形態では、IDを持たない移動体についても動線を検出できる。以下、IDを持たない移動体の動線を検出する手順について説明する。なお、以降より、IDを持たない移動体のことをunknown と呼び、このIDを持たない移動体の位置スコア対応関係情報を、unknown の位置スコア対応関係情報と呼ぶことにする。状態記憶部31には、時刻毎に、unknown の位置スコア対応関係情報を1つにまとめて記憶させておく。すなわち、unknown が複数存在していても、各時刻において、unknown の位置スコア対応関係情報は一つのみ用意すればよい。状態更新手段32の状態予測手段321は、状態記憶部31から前時刻に生成されたunknown の状態情報を取得する(ステップS3)。そして、状態予測手段321は、IDを持つ他の移動体と同様に移動体の移動モデルに従ってスコアを伝播させ、前時刻の位置スコア対応関係情報から現時刻の位置スコア対応関係情報を予測する(ステップS5)。そして、観測情報反映手段322は、IDの観測情報が存在しないためステップS6の処理を行わず、位置の観測情報を用いて状態を更新する(ステップS7)。次に、動線特定手段33は、IDを持つ全ての移動体の動線を検出した(ステップS10〜S15)後に、unknown の動線検出処理を行う。具体的には、はじめに、IDを持つ移動体の位置スコア対応関係情報について、確定的な時点の位置スコア対応関係情報のスコアを不確定な時点の状態のスコアへ反映し(ステップS13,S14)、各時刻のスコアのピークを選択し、動線を生成する(ステップS15)。その後、移動体位置検出手段333は、unknown の各時刻の位置スコア対応関係情報でスコアのピークが現れているセル群うち、IDを持つ各移動体について各時刻に選択したセルを除外した残りのセル群が、各unknown の存在位置となると判定する。このセルを時系列に繋いでいくと、IDを持たない移動体の動線を生成できる。unknownの位置スコア対応関係情報から何個のピークを検出するかについては、予め定義した閾値を上回るスコアを持つセルをピークとして選択してもよいし、スコアの値が上位n個以内のセルをピークとして選択もよい。
本実施形態によれば、状態更新手段32が状態記憶部31から前時刻に生成された状態情報を取得し、この状態情報と移動体の移動モデルおよび位置とIDの観測情報に基づいて、現時刻の状態情報を作成し、状態記憶部31に記憶させる。さらに、動線特定手段33が状態記憶部31より現時刻から過去一定時間分の状態情報を取得し、IDで識別される移動体の存在位置が確定的な時点から不確定な時点へスコアを反映させて動線を生成する。
このように、センサ(位置情報入力部1およびID情報入力部2)に観測された位置情報及びID情報を、追跡領域の各位置に存在する可能性の高さをスコアとして表した状態へと変換して記憶しておくことにより、追跡の途切れが頻発した場合でも、過去に観測されたセンサ情報(位置情報およびID情報)はスコアに反映されているため、ロバストに動線を検出することができる。また、各移動体の動線は、あるIDに関する状態情報群について各時刻のスコアのピークを辿るだけで一意に決定することができるため、現時刻から過去一定時間の間に検出した位置情報とID情報の全通りの組合せを動線仮説として生成し、各仮説について尤もらしさを算出して動線を推定する必要がない。ゆえに、本実施形態によれば、追跡対象となる移動体の数が増加しても、動線仮説となる組合せ数が増加しないため、本発明では、計算量の急峻な増加はなく、実時間処理が可能になる。
実施形態2.
第2の実施形態は、スコアが設定される追跡領域50内の分割領域(例えば、セル)の分解能を、固定とするのではなく、可変とする実施形態である。
図17は、本発明の第2の実施形態の動線検出システムの例を示すブロック図である。第2の実施形態の動線検出システムは、位置情報入力部1と、ID情報入力部2と、動線検出部3bと、動線出力部4とを備える。位置情報入力部1、ID情報入力部2および動線出力部4は、第1の実施形態と同様であり、詳細な説明を省略する。
また、動線検出部3bは、状態更新手段32bと、状態記憶部31と、動線特定手段33とを備える。状態記憶部31は、第1の実施形態と同様であり、詳細な説明を省略する。
図18は、第2の実施形態における状態更新手段32bの構成例を示すブロック図である。状態更新手段32bは、分解能制御手段323と、状態予測手段321bと、観測情報反映手段322bとを含む。状態予測手段321bおよび観測情報反映手段322bは、第1の実施形態における状態予測手段321および観測情報反映手段322と同様である。
分解能制御手段323は、位置情報入力部1から入力される各移動体の位置座標に関する距離を計算する。そして、分解能制御手段323は、その距離に応じて分割領域の分解能を制御する。すなわち、分解能制御手段323は、追跡領域50(図1参照)の分割領域の大きさを変化させるように、追跡領域50を分割した領域を定め直し、定め直した各領域に対して、それぞれスコアを設定し直す。
以下、説明を簡単にするために、追跡領域50を図9に例示するようなセルにグリッド分割する場合を例にして説明する。分解能を高くする場合には、セルの大きさ(例えば、各辺の長さ)を小さくするようにして、セルを設定し直し、分解能を低くする場合には、セルの大きさを大きくするようにして、セルを設定し直す。
ここで、追跡対象となる移動体間距離が短くなった場合、高い分解能で位置スコア対応関係情報を生成しなければ、移動体を分離してスコアのピークを検出することができない。ゆえに、分解能制御手段323は、動線特定手段33が移動体を分離して動線検出できるように、各時刻の各移動体間の距離に応じて位置スコア対応関係情報における分解能を制御する。
例えば、位置スコア対応関係情報が、二次元座標で表されたセルとスコアとの対応関係を表しているとする。分解能制御手段323は、位置情報検出手段1から入力される各移動体の位置情報のうち2つを選択し、選択した各位置情報に含まれる位置座標間のx軸方向の距離およびy軸方向の距離を計算する。同様に、分解能制御手段323は、2つの位置情報の組み合わせをそれぞれ順次、選択し、それぞれの組み合わせ毎に、位置座標間のx軸方向の距離およびy軸方向の距離を計算する。分解能制御手段323は、全ての2点間の組合せについてx軸方向の距離およびy軸方向の距離を計算した結果、それらの距離のうち、最も短い距離よりも、分解能を高くするようにセルの大きさを定め直すことで、移動体の位置を確実に分離して、位置スコア対応関係情報を生成することができる。最も短い距離よりも、分解能を高くするということは、例えば、その最も短い距離よりも、セルの一辺の長さを短く設定するということである。
また、移動体同士のすれ違い時など、一時的に移動体間の距離が0に近づく場合がある。この時、毎時刻の移動体間の距離の計算結果を用いて分解能を変更していると、移動体同士が接近する度に限りなく高い分解能の位置スコア対応関係を生成しなくてはならなくなる。そのため、1つの時間ステップで計算した距離を用いて分解能を変更するのではなく、分解能を高く更新する場合(分割領域を小さく場合)は、前時刻の分解能よりも移動体間の最短距離が短いという状態が、一定時間以上継続したことを条件に、分解能を高く更新するようにし、分解能を低く更新する場合(分割領域を大きくする場合)は、前時刻の分解能よりも移動体間の最短距離が長いという状態が、一定時間以上継続したことを条件に、分解能を低く更新してもよい。
分解能制御手段323は、位置情報入力部1から取得した位置情報を用いて現時刻に使用する分解能を決定すると、状態記憶部31から取得した前時刻の状態情報群の分解能を、決定した分解能に更新する。分解能制御手段323は、前時刻における状態情報群に含まれている各位置スコア対応関係情報におけるスコアに基づいて、新たな分解能の各セルのスコアを定めることによって、前時刻の位置スコア対応関係情報を現時刻の分解能に合わせて更新した位置スコア対応関係情報を作成する。この処理は、前時刻の位置スコア対応関係情報の分解能を更新する処理であるということができる。なお、分解能の更新処理では、前時刻の位置スコア対応関係情報を上書きして更新するのではなく、前時刻の位置スコア対応関係情報を現時刻の分解能に合わせた位置スコア対応関係情報を新規に作成する。分解能制御手段323は、この位置スコア対応関係情報を、状態予測手段321bに入力し、その位置スコア対応関係情報に対して、状態予測手段321bおよび観測情報反映手段322bが処理を行うことにより、現時刻の位置スコア対応関係情報が完成する。なお、分解能を変化させないと判定した場合には、分解能制御手段323は、前時刻の位置スコア対応関係情報の複製を作成し、その複製を状態予測手段321bに入力すればよい。
分解能制御手段323は、前時刻の位置スコア対応関係情報を現時刻の分解能に合わせて更新した位置スコア対応関係情報を作成すると、その前時刻の状態情報に含まれる時刻(すなわち前時刻)およびIDと組み合わせた状態情報として、状態予測手段321bに入力する。このように、位置スコア対応関係情報は、時刻およびIDとともに状態情報として状態予測手段321bに入力される。このとき、分解能制御手段323は、位置情報入力部1から入力された現時刻における各位置情報も状態情報とともに、状態予測手段321bに入力する。
状態予測手段321bは、分解能制御手段323から、状態情報および移動体の位置情報が入力されると、状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報のスコアを、移動モデルに従って伝播させる処理を行う。この処理は、第1の実施形態における状態予測手段321の処理と同様であり、現時刻における位置スコア対応関係情報を予測する処理であるということができる。状態予測手段321bは、スコアを伝播させる処理を行った位置スコア対応関係情報を含む状態情報と、移動体の位置情報とを観測情報反映手段322bに入力する。
観測情報反映手段322bには、ID情報入力部2から現時刻のID情報が入力される。観測情報反映手段322bは、この現時刻のID情報と、様態予測手段321bから入力された状態情報および現時刻の位置情報をと用いて、現時刻の状態情報を作成し、状態記憶部31に記憶させる。すなわち、観測情報反映手段322bは、入力された状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報に、現時刻のID情報および現時刻の位置情報を反映させる。この処理は、第1の実施形態における観測情報反映手段322の処理と同様である。観測情報反映手段322bは、現時刻のID情報、位置情報を反映した位置スコア対応関係情報を含む状態情報を、現時刻の状態情報として状態記憶部31に記憶させる。
図18では、分解能制御手段323に位置情報が入力され、観測情報反映手段322bにID情報が入力される場合を示したが、分解能制御手段323、状態予測手段321bが位置情報を参照でき、観測情報反映手段322bが位置情報およびID情報を参照することができれば、位置情報およびID情報は状態更新手段32bのどの手段に入力されてもよい。
動線特定手段33は、第1の実施形態と同様に、確定状態選択手段331と、確定状態反映手段332と、移動体位置検出手段333とを含む。これらの各手段は、第1の実施形態と同様である。従って、確定状態反映手段332は、確定的な時点の位置スコア対応関係情報に関して、移動モデルに従って各位置のスコアを伝播させ、その処理後の、位置スコア対応関係情報を、直近の不確定な時点における位置スコア対応関係情報に反映させる。ただし、第2の実施形態では、この位置スコア対応関係情報間で分解能が異なる場合がある。この場合、確定状態反映手段332は、スコアを伝播させる処理後の位置スコア対応関係情報を、直近の不確定な時点における位置スコア対応関係情報に反映させる処理を、分解能の違いに応じた方法で行う。
動線特定手段33に関して、その他の点は第1の実施形態と同様であり、動線特定手段33は、現時刻から過去一定時間の間に生成された各IDの状態情報を状態記憶部31から取得し、IDごとの動線を特定する。
第2の実施形態において、状態更新手段32b(状態予測手段321b、観測情報反映手段322b、分解能制御手段323)と、動線特定手段33(確定状態選択手段331、確定状態反映手段332および移動体位置検出手段333)は、例えば、動線検出プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、コンピュータのプログラム記憶装置(図示せず)が動線検出プログラムを記憶し、CPUがそのプログラムを読み込み、プログラムに従って、状態更新手段32b(状態予測手段321b、観測情報反映手段322b、分解能制御手段323)と、動線特定手段33(確定状態選択手段331、確定状態反映手段332および移動体位置検出手段333)として動作すればよい。また、状態更新手段32bと、動線特定手段33とが、それぞれ別のハードウェアで実現されていてもよい。状態予測手段321b、観測情報反映手段322b、分解能制御手段323に関しても、別のハードウェアで実現されていてもよい。
次に、第2の実施形態の動作について説明する。図19および図20は、第2の実施形態の動線検出部3bの処理経過の例を示すフローチャートである。以下、図21、図22で具体例を示しつつ、第2の実施形態の処理経過の例を説明する。また、図19および図20に示すフローチャートにおいて、第1の実施形態と同様の処理については、図7および図8と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
まず、状態更新手段32bは、ID情報入力部2からID情報(すなわち、移動体のIDと、ID情報入力部番号と、そのIDの検出時刻との組)を取得する(ステップS1)。
次に、状態更新手段32bは、位置情報入力部1から位置情報(すなわち、移動体の位置座標と、その位置座標の検出時刻との組)を取得する(ステップS2)。
次に、状態更新手段32bの分解能制御手段323は、状態記憶部31から、状態記憶部31に記憶してある状態情報のうち、最新時刻の状態情報(すなわち、現時刻から1つ前の前時刻に生成された状態情報)を取得する(ステップS3)。
次に、分解能制御手段323は、ステップS2で取得した各移動体の位置情報を用いて、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する際の分解能を決定する(ステップS23)。そして、分解能制御手段323は、その分解能に合わせて追跡領域を分割して得られる各セルの識別情報(例えば、セルの座標)を含み、各セルの座標に対応付けられるスコアが未定の状態となっている位置スコア対応関係情報を作成する。
ここで、ステップ23の処理について、図21と図22を用いて具体例を示す。図21に示すように、pa,pb,pcという3つの移動体の位置座標が検出されていたとする。まず、分解能制御手段323は、paとpb間、pbとpc間、pcとpa間について、それぞれx軸方向の距離およびy軸方向の距離を計算する。図21では、paとpb間のx軸方向の距離をab_xと表し、y軸方向の距離をab_yと表している。同様に、pbとpc間のx軸方向の距離をbc_xと表し、y軸方向の距離をbc_yと表している。さらに、同様に、pcとpa間のx軸方向の距離をac_xと表し、y軸方向の距離をac_yと表している。分解能制御手段323は、このように2点の位置座標間のx軸方向の距離およびy軸方向の距離を全通り算出し、最も短い距離を選択する。図21に示す例では、ab_xが最短距離であるとする。ステップ23では、図22に示すように、このab_xの距離を新しい分解能として決定する。
また、分解能の上限値および下限値を予め定義しておいてもよい。ここで、分解能の上限値とは、分解能が最も高くなるときの値であり、セルの大きさ等の分解能としては最小値となる。同様に、分解能の下限値とは、分解能が最も低くなるときの値であり、セルの大きさ等の分解能としては最大値となる。そして、2点の位置座標間の距離が分解能の上限値よりも短い場合は分解能として上限値を現時刻の分解能とし、2点の位置座標間の距離が分解能の下限値よりも長い場合は分解能として下限値を現時刻の分解能としてもよい。この時、分解能の上限値は位置情報入力部1から入力される位置座標の分解能を基準に決定してもよい。また、分解能の下限値は追跡領域内の各ID検出領域が異なるセルに属することを基準に決定してもよい。
次に、状態更新手段32bでは、状態記憶部31から取得した前時刻の状態情報群について、スコアの状態を更新した現時刻の状態情報を作成していないもの(具体的にはステップS24,S5,S6,S7の処理が行われていないもの)があるか否かを判定する(ステップS4)。
スコアを更新した現時刻の状態情報が作成されていない前時刻の状態情報がある場合(ステップS4のYes)、例えば、分解能制御手段323は、ステップS3で読み込んだ前時刻の状態情報群から、その未処理の状態情報を1つ選択する。そして、分解能制御手段323は、その状態情報に含まれる前時刻の位置スコア対応関係情報をステップS23で決定した分解能に合わせた位置スコア対応関係情報を生成する(ステップS24)。分解能制御手段323は、具体的には、ステップS23で作成した位置スコア対応関係情報において、各セルの識別情報に対応するスコアを、前時刻の位置スコア対応関係情報に基づいて設定する。すなわち、ステップS23で作成した位置スコア対応関係情報では、分解能は現時刻の分解能となっているがスコアは未定であり、ステップS24においてそのスコアを設定する。
ステップS24の処理の手順について、図21と図22を参照して具体的に示す。まず、分解能を細かいものから粗いものへ更新する場合について説明する。この説明では、図21が前時刻におけるセルの状態を表し、図22が現時刻のセルの状態を表しているものとする。ステップS23で生成された位置スコア対応関係情報では、図22に示す各セルは定められているが、個々のセルに対応するスコアが未定となっている。
分解能制御手段323は、ステップS23で決定した分解能で追跡領域を分割した各セルについて、前時刻の位置スコア対応関係情報で示される各セルのうち、どのセルを含んでいるかを判別する。例えば、図22に示すセル(ステップS23で決定した現時刻の分解能のセル)のうち、セルc(0,0)には、前時刻の位置スコア対応関係情報で示される各セル(図21に示す各セル)のうち、c(0,0),c(0,1),c(1,0),c(1,1)を含んでいると判別する。そして、分解能制御手段323は、現時刻のセルc(0,0)(図22参照)に含まれる、前時刻のセルc(0,0),c(0,1),c(1,0),c(1,1)(図21参照)に関して、その4つのセルのスコアの平均を算出し、その結果を、現時刻のセルc(0,0)(図22参照)のスコアとして決定する。そして、分解能制御手段323は、ステップS23で作成した位置スコア対応関係情報において、c(0,0)に対応するスコアとして、そのスコアを定める。分解能制御手段323は、現時刻の分解能の各セルに関して、それぞれ上記のようにスコアを計算し、位置スコア対応関係情報に含める。
また、上記の計算例では、現時刻のセルに含まれる前時刻の各セルのスコアの平均値を、その現時刻のスコアとして決定する場合を示したが、分解能制御手段323は、現時刻のセルに含まれる前時刻の各セルのスコアのうち最も高い値を、その現時刻のセルのスコアとして決定してもよい。例えば、上記の例において、図21に示す前時刻の4つのセルc(0,0),c(0,1),c(1,0),c(1,1)のスコアのうち、最も高いスコアを、図22に示す現時刻のセルc(0,0)のスコアとして定めてもよい。
分解能制御手段323が現時刻の分解能の各セルに関してそれぞれスコアを定め、ステップS23で作成した位置スコア対応関係情報に含めることで、前時刻の位置スコア対応関係情報を現時刻の分解能に適合させた位置スコア対応関係情報を得ることができる。
次に、分解能を粗いものから細かいものへ更新する場合について説明する。この説明では、図22が前時刻におけるセルの状態を表し、図21が現時刻のセルの状態を表しているものとする。
分解能制御手段323は、ステップS23で決定した分解能で追跡領域を分割した各セルについて、前時刻の位置スコア対応関係情報で示される各セルのうち、どのセルに含まれるかを判別する。分解能制御手段323は、現時刻のセルのスコアとして、そのセルが含まれる前時刻のセルのスコアを定め、位置スコア対応関係情報に含める。例えば、図21に示すセル(本例では、ステップS23で決定した現時刻の分解能のセル)のうち、セルc(0,0)は、前時刻の位置スコア対応関係情報で示される各セル(本例では、図22に示す各セル)のうち、c(0,0)に含まれる。従って、分解能制御手段323は、図21に示す現時刻のセルc(0,0)のスコアとして、図22に示すセルc(0,0)のスコアを定め、位置スコア対応関係情報において、現時刻のセルc(0,0)に対応するスコアとして、そのスコアを含める。分解能制御手段323は、現時刻の分解能の各セルに関して、それぞれ上記のようにスコアを定め、位置スコア対応関係情報に含める。前時刻の位置スコア対応関係情報を現時刻の分解能に適合させた位置スコア対応関係情報を得ることができる。
また、前時刻と現時刻とで分解能を変化させる際に、現時刻に定義したセルが前時刻に定義した複数のセル上に跨るような場合も生じ得る。この場合、分解能制御手段323は、現時刻に定義したセルが跨っている前時刻のセルに設定されているスコアの平均値を、現時刻のセルのスコアとして用いてもよい。また、分解能制御手段323は、現時刻のセルが跨っている前時刻の各セルに関して、現時刻のセルが跨っている面積比でスコアに重み付けを行い、重み付け後のスコアの平均値を現時刻のセルのスコアとして用いてもよい。
分解能制御手段323は、ステップS24で選択した状態情報に含まれている時刻(前時刻)およびIDと、ステップS24で作成した位置スコア対応関係情報との組を、状態情報として新たに生成し、状態予測手段321bに入力する。また、分解能制御手段323は、ステップS2で取得した移動体の位置情報も状態予測手段321bに入力する。
次に、状態予測手段321bは、分解能制御手段323から入力された状態情報の時刻(前時刻)から現時刻までの経過時間を算出し、予め定義してある移動体の移動モデルに基づいてスコアの伝播範囲を決定し、入力された状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報におけるスコアを伝播させることで現時刻のスコアの状態を予測する(ステップS5)。位置スコア対応関係情報におけるスコアを伝播させる処理は、第1の実施形態におけるステップS5と同様である。ただし、第2の実施形態では位置スコア対応関係情報の分解能が可変であるため、移動体の移動モデルを定義する際は、状態の分解能を移動モデルのパラメータに含めないことが望ましい。
また、ステップS5において、スコアを伝播させる処理を行った後、状態予測手段321bは、入力された状態情報における時刻(前時刻)を現時刻に更新する。ステップS5において、移動体の位置情報に含まれる時刻を現時刻として用いればよい。なお、ここでは、状態予測手段321bが状態情報における時刻(前時刻)を現時刻に更新する場合を示したが、状態情報における時刻を現時刻に更新する処理は、観測情報反映手段322bが行ってもよい。例えば、観測情報反映手段322bが、ステップS7等において、状態情報に含まれている時刻を現時刻に更新してもよい。
次に、状態予測手段321bは、ステップ5で位置スコア対応関係情報を更新した状態情報と、分解能制御手段323から入力された移動体の現時刻の位置情報とを、観測情報反映手段322bへ入力する。
観測情報反映手段322bは、状態予測手段321bから入力された状態情報および移動体の位置情報と、ID情報入力部2から入力された現時刻のID情報とを用いて、状態情報に含まれている位置スコア対応関係情報を更新する(ステップS6,S7)。このステップS6,S7の処理は、第1の実施形態におけるステップS6,S7と同様でよい。なお、ステップS6において、ID検出領域と一部重なるセルのスコアの増加量は、ID検出領域に含まれるセルのスコアの増加量と同じにしても、あるいは、少なくしてもよい。
ステップS7の結果得られた状態情報が、現時刻の状態情報である。ステップS7までの処理が、1つのIDに関して、前時刻の状態情報に基づき現時刻の状態情報を作成する処理である。
そして、状態更新手段32bは、ステップS24,S5,S6,S7の処理を行ったIDに関して、現時刻の状態情報を作成済みとする。
状態更新手段32bは、ステップS7の後、再びステップS4に戻り、ステップS24,S5,S6,S7について未処理の状態情報が存在するか否かを判定する。
ステップS24,S5,S6,S7について未処理の状態情報がないと判定した場合(ステップS4のNo)、観測情報反映手段322は、ステップS24,S5,S6,S7の処理を繰り返してID毎に作成した現時刻の各状態情報を状態記憶部31に記憶させる(ステップS8)。
次に、動線特定手段33は、状態記憶部31から、現時刻から過去一定時間分の各IDの状態情報を取得し、動線を特定する(ステップS9〜S16)。動線の生成手順は、第1の実施形態のステップS9〜S16までで述べた方法と同様でよい。
ただし、第2の実施形態では、ステップS13において、確定的な時点における位置スコア対応関係情報に基づいて予測された直近の時刻の位置スコア対応関係情報の分解能と、その確定的な時点の直近の時刻の不確定状態情報内の位置スコア対応関係情報とで、分解能が異なる場合がある。この場合、確定状態反映手段332は、以下のようにしてステップS14の処理を行えばよい。以下の説明では、不確定状態情報内の位置スコア対応関係情報を、簡単に、不確定状態情報と記す。
不確定状態情報の分解能が、ステップS13によって得られた位置スコア対応関係情報よりも粗い場合、確定状態反映手段332は、ステップS13で得られた位置スコア対応関係情報の各セルのうち、不確定状態情報の一つのセルが跨るセルを特定し、その各セルのスコアの平均値を計算する。そして、確定状態反映手段332は、その平均値を、不確定状態情報で着目しているセルのスコアに加算したり、あるいは、乗算したりすることによって、不確定状態情報で着目しているセルのスコアを更新する。確定状態反映手段332は、この処理を、不確定状態情報の各セルについて行えばよい。平均値を求める際に、ステップS13の結果得られた位置スコア対応関係情報のセルのうち、不確定状態情報の一つのセルが跨っている各セルに関して、不確定状態情報のそのセルが跨っている面積比でスコアに重み付けを行って、重み付け後のスコアの平均値を求めてもよい。そして、確定状態反映手段332は、その平均値を、不確定状態情報で着目しているセルのスコアに加算したり、あるいは、乗算したりしてもよい。
また、確定状態反映手段332は、ステップS13で得られた位置スコア対応関係情報の各セルのうち、不確定状態情報の一つのセルが跨るセルを特定し、その各セルのスコアの最大値を特定し、その最大値を、不確定状態情報で着目しているセルのスコアに加算したり、あるいは、乗算したりしてもよい。
不確定状態情報の分解能が、ステップS13によって得られた位置スコア対応関係情報よりも細かい場合、確定状態反映手段332は、テップS13で得られた位置スコア対応関係情報の各セルのうち、不確定状態情報の一つのセルが含まれるセルを特定し、そのセルのスコアを、不確定状態情報で着目しているセルのスコアに加算したり、あるいは、乗算したりすればよい。そして、確定状態反映手段332は、この処理を、不確定状態情報の各セルについて行えばよい。
ステップS9〜S16に関して、他の点については、第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、ID毎に移動体の位置を特定し、動線をロバストに特定することができる。
また、第2の実施形態では、分解能制御手段323が各移動体の位置座標間の距離の近さに応じて、時刻ごとに生成する位置スコア対応関係情報の分解能を制御することにより、必要最小限の計算量で移動体毎(すなわちID毎)の動線を特定することが可能になる。
実施形態3.
第3の実施形態は、各時刻における位置スコア対応関係情報から、スコアピーク位置を検出し、さらに、位置情報入力部1から入力された位置情報に基づいて、そのスコアピーク位置に最も近い移動体の位置座標を特定していくことにより、動線を決定する実施形態である。
図23は、本発明の第3の実施形態の動線検出システムの例を示すブロック図である。第3の実施形態の動線検出システムは、位置情報入力部1と、ID情報入力部2と、動線検出部3cと、動線出力部4とを備える。位置情報入力部1、ID情報入力部2および動線出力部4は、第1の実施形態と同様であり、詳細な説明を省略する。
また、動線検出部3cは、状態更新手段32cと、状態記憶部31と、動線特定手段33cと、位置情報記憶部34とを備える。状態記憶部31は、各時刻における状態情報を記憶する記憶装置である。状態記憶部31は、第1の実施形態と同様であり、詳細な説明を省略する。
図24は、第3の実施形態における状態更新手段32cの構成例を示すブロック図である。状態更新手段32cは、状態予測手段321cと、観測情報反映手段322cとを含む。状態予測手段321cは、状態記憶部31から読み込んだ前時刻の状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報が示すスコアを、予め定められた移動モデルに従って伝播させる。観測情報反映手段322cは、スコアを伝播させる処理後の位置スコア対応関係情報を、位置情報入力部1から入力される位置情報およびID情報入力部2から入力されるID情報に基づいて更新する。状態予測手段321cおよび観測情報反映手段322cは、第1の実施形態における状態予測手段321および観測情報反映手段322と同様であり、詳細な説明を省略する。
ただし、本実施の形態において、例えば、観測情報反映手段322cは、位置情報入力部1から入力された位置情報を、位置情報記憶部34に記憶させる。なお、位置情報記憶部34に位置情報を記憶させる処理は、状態予測手段321cが行ってもよい。
また、第1の実施形態と同様に、状態予測手段321cと観測情報反映手段322cがID情報および位置情報を参照することができれば、状態予測手段321cと観測情報反映手段322cのどちらにID情報および位置情報が入力されてもよい。
また、図25は、第3の実施形態における動線特定手段33cの構成例を示すブロック図である。動線特定手段33cは、確定状態選択手段331と、確定状態反映手段332と、移動体位置検出手段333cとを含む。
確定状態選択手段331は、状態記憶部31より、現時刻から過去一定時間の間に生成された各IDの状態情報を取得し、その状態情報の中から、動線を導出する対象となる移動体のIDを含む状態情報を選択する。そして、確定状態選択手段331は、そのIDの各時刻における状態情報のうち、確定的な時点の状態情報を選択する。確定状態反映手段332は、確定的な時点の直近の不確定な時点を辿りながら、不確定な時点における位置スコア対応関係情報が示すスコアを修正する。確定状態選択手段331および確定状態反映手段332は、第1の実施形態と同様であり、説明を省略する。
移動体位置検出手段333cは、確定状態反映手段332による処理後の各時刻における位置スコア対応関係情報から、各時刻における移動体の位置を検出する。第3の実施形態における移動体位置検出手段333cは、位置スコア対応関係情報から、移動体の位置として、スコアがピークとなる位置を検出するだけでなく、その位置スコア対応関係情報に対応する時刻の位置座標のうち、スコアがピークとなる位置に最も近い位置を特定する。移動体位置検出手段333cは、この処理を各時刻の位置スコア対応関係情報に関して行う。そして、移動体位置検出手段333cは、時系列順の位置座標を動線とする。そして、例えば、時系列順に位置座標を繋げた線を動線として動線出力部4に表示させる。
第3の実施形態において、状態更新手段32c(状態予測手段321c、観測情報反映手段322c)と、動線特定手段33c(確定状態選択手段331、確定状態反映手段332および移動体位置検出手段333c)は、例えば、動線検出プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、コンピュータのプログラム記憶装置(図示せず)が動線検出プログラムを記憶し、CPUがそのプログラムを読み込み、プログラムに従って、状態更新手段32c(状態予測手段321c、観測情報反映手段322c)と、動線特定手段33c(確定状態選択手段331、確定状態反映手段332および移動体位置検出手段333c)として動作すればよい。また、状態更新手段32bと、動線特定手段33とが、それぞれ別のハードウェアで実現されていてもよい。状態予測手段321cと観測情報反映手段322cに関しても別のハードウェアで実現されていてもよい。確定状態選択手段331、確定状態反映手段332および移動体位置検出手段333cに関しても別のハードウェアで実現されていてもよい。
次に、第3の実施形態の動作について説明する。図26および図27は、第3の実施形態の動線検出部3cの処理経過の例を示すフローチャートである。第1の実施形態と同様の処理については、図7および図8と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
状態更新手段32cが、前時刻の状態情報を用いて、現時刻の状態情報を生成し、状態記憶部31に記憶させるまでの処理(ステップS1〜S8)は、第1の実施形態におけるステップS1〜S8と同様である。
また、状態更新手段32cは、ステップS2で位置情報入力部1から取得した位置情報(移動体の位置座標およびその検出時刻の組)を、位置情報記憶部34に記憶する(ステップS38)。
続いて、動線特定手段33cが、状態記憶部31から現時刻から過去一定時間分の状態情報を読み込み、確定状態情報を選択し、確定状態情報が示すスコアに基づいて、直近の不確定な時点のスコアを予測し、その時点の不確定状態情報に反映させる処理を(ステップS9〜S14)を行う。状態記憶部31から読み込んだ各状態情報に関し、ステップS11〜S14の処理が行われていない状態情報がなくなったならば(ステップS10のNo)、ステップS314に移行する。この時点で、確定的な時点の状態情報のスコアが、順次、不確定な時点の状態情報に反映された状態となっている。
ステップS314において、移動体位置検出手段333cは、位置情報記憶部34から、現時刻から過去一定時間分の各位置情報を読み込む(ステップS314)。この過去一定時間分の時間幅は、ステップS9で確定状態選択手段331が現時刻から過去一定時間分の状態情報を読み込むときの時間幅と同じである。
さらに、移動体位置検出手段333cは、各時刻における状態情報と、ステップS314で取得した位置情報とを用いて、ID毎に動線を特定する(ステップS15c)。第3の実施形態では、移動体位置検出手段333cは、移動体のIDを順次選択する。そして、移動体位置検出手段333cは、選択したIDの各時刻の状態情報に含まれる位置スコア対応関係情報を参照し、各時刻において、スコアのピークが現れているセルを検出する。移動体位置検出手段333cは、さらに、セルを検出した位置スコア対応関係情報に対応する時刻の位置情報に含まれる位置座標のうち、検出したセル(すなわち、スコアのピークが現れているセル)に最も近い位置座標を特定する。そして、その時刻において、その位置座標に移動体が存在したと判定する。移動体位置検出手段333cは、選択しているIDに関し、各時刻について同様に、スコアのピークが現れているセルに最も近い位置座標を特定する。特定した座標を時系列順にしたものが、動線を表す情報となる。一つのIDに関して、各時刻における位置座標を特定したならば、移動体位置検出手段333cは、次のIDを選択して、同様に各時刻における位置座標を特定する。移動体位置検出手段333cが各IDを選択して、同様の処理を繰り返すことで、各IDの動線が求められる。
移動体位置検出手段333cは、各IDに関して、各時刻の位置座標を特定したならば、ID毎に、時系列順に位置座標を繋げた動線を動線出力部4に表示させる(ステップS16)。
第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、ID毎に移動体の位置を特定し、動線をロバストに推定することができる。
また、第3の実施形態では、生成される動線の分解能が位置スコア対応関係情報の分解能に依存しないため、移動体を分離可能な必要最小限の分解能で状態を生成していても、きめ細かな動線を生成できる。
次に、第3の実施形態の変形例について説明する。第3の実施形態と第2の実施形態とを組合せ、状態更新手段が状態予測手段と観測情報反映手段に加え、分解能制御手段を備える構成であってもよい。この場合、第2の実施形態の効果と第3の実施形態の効果の両方が得られる。
次に、本発明の最小構成について説明する。図28は、本発明の動線検出システムの最小構成の例を示すブロック図である。本発明の動線検出システムは、位置スコア対応関係情報生成手段81と、状態記憶手段82と、動線特定手段83とを備える。
位置スコア対応関係情報生成手段81(例えば、状態更新手段32)は、固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎(例えば、セル毎)に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成する。
状態記憶手段82(例えば、状態記憶部31)は、時刻毎の位置スコア対応関係情報を記憶する。
動線特定手段83(例えば、動線特定手段33)は、移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、その位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定する。
そのような構成により、移動体の位置や識別情報を検出できない場合が頻発しても、各識別情報の移動体の位置を精度良く判定して、動線を検出することができる。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成する位置スコア対応関係情報生成手段と、時刻毎の位置スコア対応関係情報を記憶する状態記憶手段と、移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、前記位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定する動線特定手段とを備えることを特徴とする動線検出システム。
(付記2)位置スコア対応関係情報生成手段は、現時刻の前の時刻に作成された位置スコア対応関係情報における各位置のスコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させるスコア伝播手段と、スコア伝播手段によってスコアが伝播された位置スコア対応関係情報のスコアを、現時刻に識別情報が検出された検出領域および現時刻に検出された移動体の位置座標に基づいて更新することによって、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する観測情報反映手段とを含む付記1に記載の動線検出システム。
(付記3)位置スコア対応関係情報生成手段は、現時刻に検出された移動体の位置座標間の距離に基づいて、スコアを割り当てる追跡領域内の個々の領域を決定し、現時刻の前の時刻に作成された位置スコア対応関係情報におけるスコアに基づいて、前記個々の領域毎のスコアを定めた位置スコア対応関係情報を生成する分解能制御手段と、分解能制御手段に生成された位置スコア対応関係情報における各スコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させるスコア伝播手段と、スコア伝播手段によってスコアが伝播された位置スコア対応関係情報のスコアを、現時刻に識別情報が検出された検出領域および現時刻に検出された移動体の位置座標に基づいて更新することによって、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する観測情報反映手段とを含む付記1に記載の動線検出システム。
(付記4)観測情報反映手段は、移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択する確定的情報選択手段と、確定的な位置スコア対応関係情報における各スコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させ、スコアを伝播させた後の前記確定的な位置スコア対応関係情報の各スコアを、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報の各スコアに反映させ、前記直近の時刻の位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報とすることを繰り返すスコア反映手段と、各時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるスコアから、各時刻の移動体の位置を特定することにより移動体の動線を特定する移動体位置特定手段とを含む付記1から付記3のうちのいずれかに記載の動線検出システム。
(付記5)移動体位置特定手段は、個々の時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるピークスコアが現れる位置に基づいて、各時刻の移動体の位置を特定する付記4に記載の動線検出システム。
(付記6)各時刻に検出された移動体の位置座標を記憶する位置情報記憶手段を備え、移動体位置特定手段は、個々の時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるピークスコアが現れる位置を特定し、当該時刻と同時刻に検出された移動体の位置座標のうち、前記ピークスコアが現れる位置に最も近い位置座標を、移動体の位置として特定する付記4に記載の動線検出システム。
(付記7)固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成する位置スコア対応関係情報生成ステップと、時刻毎の位置スコア対応関係情報を状態記憶手段に記憶させる状態記憶ステップと、移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、前記位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定する動線特定ステップとを含むことを特徴とする動線検出方法。
(付記8)位置スコア対応関係情報生成ステップは、現時刻の前の時刻に作成された位置スコア対応関係情報における各位置のスコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させるスコア伝播ステップと、スコア伝播ステップでスコアが伝播された位置スコア対応関係情報のスコアを、現時刻に識別情報が検出された検出領域および現時刻に検出された移動体の位置座標に基づいて更新することによって、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する観測情報反映ステップとを有する付記7に記載の動線検出方法。
(付記9)位置スコア対応関係情報生成ステップは、現時刻に検出された移動体の位置座標間の距離に基づいて、スコアを割り当てる追跡領域内の個々の領域を決定し、現時刻の前の時刻に作成された位置スコア対応関係情報におけるスコアに基づいて、前記個々の領域毎のスコアを定めた位置スコア対応関係情報を生成する分解能制御ステップと、分解能制御ステップで生成された位置スコア対応関係情報における各スコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させるスコア伝播ステップと、スコア伝播ステップでスコアが伝播された位置スコア対応関係情報のスコアを、現時刻に識別情報が検出された検出領域および現時刻に検出された移動体の位置座標に基づいて更新することによって、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する観測情報反映ステップとを有する付記7に記載の動線検出方法。
(付記10)観測情報反映ステップは、移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択する確定的情報選択ステップと、確定的な位置スコア対応関係情報における各スコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させ、スコアを伝播させた後の前記確定的な位置スコア対応関係情報の各スコアを、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報の各スコアに反映させ、前記直近の時刻の位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報とすることを繰り返すスコア反映ステップと、各時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるスコアから、各時刻の移動体の位置を特定することにより移動体の動線を特定する移動体位置特定ステップとを有する付記7から付記9のうちのいずれかに記載の動線検出方法。
(付記11)移動体位置特定ステップで、個々の時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるピークスコアが現れる位置に基づいて、各時刻の移動体の位置を特定する付記10に記載の動線検出方法。
(付記12)各時刻に検出された移動体の位置座標を位置情報記憶手段に記憶させる位置情報記憶ステップを備え、移動体位置特定ステップで、個々の時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるピークスコアが現れる位置を特定し、当該時刻と同時刻に検出された移動体の位置座標のうち、前記ピークスコアが現れる位置に最も近い位置座標を、移動体の位置として特定する付記10に記載の動線検出方法。
(付記13)コンピュータに、固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成する位置スコア対応関係情報生成処理、時刻毎の位置スコア対応関係情報を状態記憶手段に記憶させる状態記憶処理、および、移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、前記位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定する動線特定処理を実行させるための動線検出プログラム。
(付記14)コンピュータに、位置スコア対応関係情報生成処理で、現時刻の前の時刻に作成された位置スコア対応関係情報における各位置のスコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させるスコア伝播処理、および、スコア伝播処理でスコアが伝播された位置スコア対応関係情報のスコアを、現時刻に識別情報が検出された検出領域および現時刻に検出された移動体の位置座標に基づいて更新することによって、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する観測情報反映処理を実行させる付記13に記載の動線検出プログラム。
(付記15)コンピュータに、位置スコア対応関係情報生成処理で、現時刻に検出された移動体の位置座標間の距離に基づいて、スコアを割り当てる追跡領域内の個々の領域を決定し、現時刻の前の時刻に作成された位置スコア対応関係情報におけるスコアに基づいて、前記個々の領域毎のスコアを定めた位置スコア対応関係情報を生成する分解能制御処理、分解能制御処理で生成された位置スコア対応関係情報における各スコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させるスコア伝播処理、および、スコア伝播処理でスコアが伝播された位置スコア対応関係情報のスコアを、現時刻に識別情報が検出された検出領域および現時刻に検出された移動体の位置座標に基づいて更新することによって、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する観測情報反映処理を実行させる付記13に記載の動線検出プログラム。
(付記16)コンピュータに、観測情報反映処理で、移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択する確定的情報選択処理、確定的な位置スコア対応関係情報における各スコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させ、スコアを伝播させた後の前記確定的な位置スコア対応関係情報の各スコアを、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報の各スコアに反映させ、前記直近の時刻の位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報とすることを繰り返すスコア反映処理、および、各時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるスコアから、各時刻の移動体の位置を特定することにより移動体の動線を特定する移動体位置特定処理を実行させる付記13から付記15のうちのいずれかに記載の動線検出プログラム。
(付記17)コンピュータに、移動体位置特定処理で、個々の時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるピークスコアが現れる位置に基づいて、各時刻の移動体の位置を特定させる付記16に記載の動線検出プログラム。
(付記18)コンピュータに、各時刻に検出された移動体の位置座標を位置情報記憶手段に記憶させる位置情報記憶処理を実行させ、移動体位置特定処理で、個々の時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるピークスコアが現れる位置を特定し、当該時刻と同時刻に検出された移動体の位置座標のうち、前記ピークスコアが現れる位置に最も近い位置座標を、移動体の位置として特定させる付記16に記載の動線検出プログラム。
(付記19)固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成する位置スコア対応関係情報生成部と、時刻毎の位置スコア対応関係情報を記憶する状態記憶部と、移動体の識別情報毎に、状態記憶部に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、前記位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定する動線特定部とを備えることを特徴とする動線検出システム。
(付記20)位置スコア対応関係情報生成部は、現時刻の前の時刻に作成された位置スコア対応関係情報における各位置のスコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させるスコア伝播部と、スコア伝播部によってスコアが伝播された位置スコア対応関係情報のスコアを、現時刻に識別情報が検出された検出領域および現時刻に検出された移動体の位置座標に基づいて更新することによって、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する観測情報反映部とを含む付記19に記載の動線検出システム。
(付記21)位置スコア対応関係情報生成部は、現時刻に検出された移動体の位置座標間の距離に基づいて、スコアを割り当てる追跡領域内の個々の領域を決定し、現時刻の前の時刻に作成された位置スコア対応関係情報におけるスコアに基づいて、前記個々の領域毎のスコアを定めた位置スコア対応関係情報を生成する分解能制御部と、分解能制御部に生成された位置スコア対応関係情報における各スコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させるスコア伝播部と、スコア伝播部によってスコアが伝播された位置スコア対応関係情報のスコアを、現時刻に識別情報が検出された検出領域および現時刻に検出された移動体の位置座標に基づいて更新することによって、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する観測情報反映部とを含む付記19に記載の動線検出システム。
(付記22)観測情報反映部は、移動体の識別情報毎に、状態記憶部に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択する確定的情報選択部と、確定的な位置スコア対応関係情報における各スコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させ、スコアを伝播させた後の前記確定的な位置スコア対応関係情報の各スコアを、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報の各スコアに反映させ、前記直近の時刻の位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報とすることを繰り返すスコア反映部と、各時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるスコアから、各時刻の移動体の位置を特定することにより移動体の動線を特定する移動体位置特定部とを含む付記19から付記21のうちのいずれかに記載の動線検出システム。
(付記23)移動体位置特定部は、各時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるピークスコアが現れる位置に基づいて、各時刻の移動体の位置を特定する付記22に記載の動線検出システム。
(付記24)各時刻に検出された移動体の位置座標を記憶する位置情報記憶部を備え、移動体位置特定部は、個々の時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるピークスコアが現れる位置を特定し、当該時刻と同時刻に検出された移動体の位置座標のうち、前記ピークスコアが現れる位置に最も近い位置座標を、移動体の位置として特定する付記22に記載の動線検出システム。
この出願は、2010年5月31日に出願された日本特許出願2010−125079を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記の実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
産業上の利用の可能性
本発明は、移動体に対してIDを対応付けて、移動体の動線を特定する動線検出システムに好適に適用される。
本発明において、オフィスや工場で勤務する人物の位置と各人物に固有の社員番号とを対応付けて動線検出する場合、得られた動線に基づいて、人物ごとのセキュリティ権限に応じて立ち入り可能なエリアであるかを判別し、必要に応じてアラートを制御するといったセキュリティ用途に適用可能である。
また、ショッピングセンター内で買い物をする人物の位置と各人物に固有の会員番号とを対応付けて動線検出する場合、買い物客の動線を計測するといったマーケティング用途にも適用可能である。
1 位置情報入力部
2 ID情報入力部
3 動線検出部
4 動線出力部
31 状態記憶部
32 状態更新手段
33 動線特定手段
321 状態予測手段
322 観測情報反映手段
323 分解能制御手段
331 確定状態選択手段
332 確定状態反映手段
333 移動体位置検出手段

Claims (8)

  1. 固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成する位置スコア対応関係情報生成手段と、
    時刻毎の位置スコア対応関係情報を記憶する状態記憶手段と、
    移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、前記位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定する動線特定手段とを備える
    ことを特徴とする動線検出システム。
  2. 位置スコア対応関係情報生成手段は、
    現時刻の前の時刻に作成された位置スコア対応関係情報における各位置のスコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させるスコア伝播手段と、
    スコア伝播手段によってスコアが伝播された位置スコア対応関係情報のスコアを、現時刻に識別情報が検出された検出領域および現時刻に検出された移動体の位置座標に基づいて更新することによって、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する観測情報反映手段とを含む
    請求項1に記載の動線検出システム。
  3. 位置スコア対応関係情報生成手段は、
    現時刻に検出された移動体の位置座標間の距離に基づいて、スコアを割り当てる追跡領域内の個々の領域を決定し、現時刻の前の時刻に作成された位置スコア対応関係情報におけるスコアに基づいて、前記個々の領域毎のスコアを定めた位置スコア対応関係情報を生成する分解能制御手段と、
    分解能制御手段に生成された位置スコア対応関係情報における各スコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させるスコア伝播手段と、
    スコア伝播手段によってスコアが伝播された位置スコア対応関係情報のスコアを、現時刻に識別情報が検出された検出領域および現時刻に検出された移動体の位置座標に基づいて更新することによって、現時刻の位置スコア対応関係情報を生成する観測情報反映手段とを含む
    請求項1に記載の動線検出システム。
  4. 観測情報反映手段は、
    移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択する確定的情報選択手段と、
    確定的な位置スコア対応関係情報における各スコアを、予め定められたスコアの伝播態様に従って、近傍の位置のスコアとして伝播させ、スコアを伝播させた後の前記確定的な位置スコア対応関係情報の各スコアを、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報の各スコアに反映させ、前記直近の時刻の位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報とすることを繰り返すスコア反映手段と、
    各時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるスコアから、各時刻の移動体の位置を特定することにより移動体の動線を特定する移動体位置特定手段とを含む
    請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の動線検出システム。
  5. 移動体位置特定手段は、各時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるピークスコアが現れる位置に基づいて、各時刻の移動体の位置を特定する
    請求項4に記載の動線検出システム。
  6. 各時刻に検出された移動体の位置座標を記憶する位置情報記憶手段を備え、
    移動体位置特定手段は、個々の時刻の確定的な位置スコア対応関係情報におけるピークスコアが現れる位置を特定し、当該時刻と同時刻に検出された移動体の位置座標のうち、前記ピークスコアが現れる位置に最も近い位置座標を、移動体の位置として特定する
    請求項4に記載の動線検出システム。
  7. 固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成し、
    時刻毎の位置スコア対応関係情報を状態記憶手段に記憶させ、
    移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、前記位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定する
    ことを特徴とする動線検出方法。
  8. コンピュータに、
    固有の識別情報が定められた移動体が存在する可能性の高さを示すスコアを移動体の追跡領域内の位置毎に定めた位置スコア対応関係情報を、移動体の識別情報毎に生成する位置スコア対応関係情報生成処理、
    時刻毎の位置スコア対応関係情報を状態記憶手段に記憶させる状態記憶処理、および、
    移動体の識別情報毎に、状態記憶手段に記憶された位置スコア対応関係情報のうち所定の基準を満たす位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報として選択し、確定的な位置スコア対応関係情報を、当該確定的な位置スコア対応関係情報に対応する時刻の直近の時刻の位置スコア対応関係情報に反映させ、前記位置スコア対応関係情報を確定的な位置スコア対応関係情報と定めることを繰り返し、時刻毎の位置スコア対応関係情報におけるスコアから、移動体の動線を特定する動線特定処理
    を実行させるための動線検出プログラム。
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