JP6070689B2 - 動線情報生成システム、動線情報生成方法および動線情報生成プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、異なるセンサによって検出された移動体の識別情報と移動体の軌跡とを含む動線情報を生成する動線情報生成システム、動線情報生成方法および動線情報生成プログラムに関する。
一般に、人や物等の移動体の動線検出は、移動体の位置と移動体の識別情報とを対応付けることによって実現される。このような動線検出に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
例えば、特許文献1に記載の多目標追尾装置は、追尾対象の位置情報(仰角、方位角、距離)を出力するレーダ装置と、追尾対象の識別情報と位置(仰角、方位角)を出力する目標識別センサ装置に接続されている。そして、特許文献1に記載の多目標追尾装置は、レーダ装置が出力した位置情報を連結して、目標の航跡を含む仮説群を生成する。また、この多目標追尾装置は、目標識別センサ装置が出力した情報を用いて、目標が移動している向きを表した角度航跡を生成する。さらに、多目標追尾装置は、各仮説と各角度航跡との類似度を計算することによって、仮説群に含まれる仮説の取捨選択を行う。また、多目標追尾装置は、信頼度の低い仮説の削除、および類似する仮説の統合によって、仮説群を縮小する処理も行う。
また、特許文献2に記載のシステムは、個々の移動体の軌跡を表すと考えられる軌跡の候補を定め、その軌跡の候補と移動体の識別情報とのペアから仮説を生成する。そして、このシステムは、個々の仮説に含まれる軌跡の候補について、識別情報が検出される尤度を計算し、その尤度に基づいて、最尤仮説を推定する。なお、軌跡の候補は、検出された軌跡の断片に基づいて生成される。
移動体の軌跡の候補群と移動体の識別情報とを組み合わせた仮説(軌跡と識別情報との対応付けの仮説)を複数生成し、最も尤度が高い仮説を1つ選択することによって軌跡と移動体の識別情報との対応付け結果を確定する方法では、以下のような問題がある。
すなわち、真の仮説を生成できない場合があるという問題がある。例えば、移動体の数や密度が増加した場合、軌跡の断片に基づいて生成される軌跡の候補の数や、軌跡の候補と移動体の識別情報との組み合わせ数が増加し、その結果、計算コストが増加する。そのような計算コストの増加を抑えるために、仮説等に対して枝刈り処理を行うことが考えられる。その場合、枝刈り処理によって、真の状態を表す仮説を棄却する可能性がある。
また、例えば、カメラ等を用いて人間の位置を検知する場合、追跡領域内における照明の変動や、追跡対象である人間以外の物体が動くことによって、人間以外の物体を誤検出することが考えられる。また、追跡対象が障害物に隠れてしまうことによる検出漏れが生じることも考えられる。また、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ等を用いて人間の識別情報を検出する場合には、各人のRFIDタグの所持方法の違い、追跡領域に配置された障害物の有無、障害物の素材によって、各人の識別情報の誤検出や検出漏れが生じる。このような環境のもとで検出されたデータから仮説を生成したとしても、移動体の軌跡と移動体の識別情報の真の対応関係を表す仮説が生成されない場合がある。
上記のように、真の状態を表す仮説を枝刈り処理で棄却したり、真の状態を表す仮説が生成されない場合には、最尤仮説を特定したとしても、その仮説は真の状態を表すわけではなく、真の状態を表す仮説が得られないことになる。
また、追跡領域内の特定のエリアに多数の移動体が存在する場合、複数の識別情報を複数の軌跡に対応付けなければならない。そして、そのエリアにおける軌跡と識別情報との複数の組み合わせに関して、同様の尤度が得られる可能性がある。そのため、最尤仮説を特定したとしても、その仮説には、移動体の軌跡と移動体の識別情報の真の対応関係を表しているかに関して、あいまい性が生じている。また、最尤仮説を解として定めてしまうことによって、移動体の軌跡と移動体の識別情報がどの程度のあいまい性を有しているか(別の言い方をすれば、どの程度信頼できるか)について、評価することができない。
そこで、本発明は、移動体の軌跡と移動体の識別情報との正確な対応関係を特定できないことが生じ得る場合であっても、移動体の軌跡と移動体の識別情報との対応関係を推定し、その対応関係のあいまいさの程度を定量化することができる動線情報生成システム、動線情報生成方法および動線情報生成プログラムを提供することを目的とする。
本発明による動線情報生成システムは、移動体の軌跡または追跡の途切れが生じたことによる移動体の軌跡の断片を表す軌跡情報であって、軌跡情報を識別する軌跡識別情報と、移動体の追跡中に検出された移動体の位置情報および当該位置情報の検出時刻のリストとを含む軌跡情報を用いて、1つの移動体の軌跡を表しているとみなすことができる軌跡情報の集合である軌跡連結と、全ての軌跡情報を漏れなく重複なく含んだ軌跡連結の集合である軌跡連結候補とを生成する軌跡連結候補生成手段と、軌跡連結と追跡領域内で検出された移動体識別情報との組み合わせである軌跡連結・識別情報ペア毎に、軌跡連結が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡を表している尤度を算出する尤度算出手段と、軌跡連結・識別情報ペア毎に算出された尤度に基づいて、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補に含まれる個々の軌跡連結に尤もらしい移動体識別情報を対応付ける識別情報対応付け手段と、個々の軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結と移動体識別情報との対応付けの結果から、個々の軌跡情報に関して、個々の移動体識別情報毎に、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を数値化する対応付け傾向数値化手段と、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を示す値に基づいて、軌跡情報毎に、軌跡情報が表す軌跡が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡に該当するという対応関係のあいまいさの程度を示す対応付けスコアを各移動体識別情報に関して算出する対応付けスコア算出手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明による動線情報生成方法は、移動体の軌跡または追跡の途切れが生じたことによる移動体の軌跡の断片を表す軌跡情報であって、軌跡情報を識別する軌跡識別情報と、移動体の追跡中に検出された移動体の位置情報および当該位置情報の検出時刻のリストとを含む軌跡情報を用いて、1つの移動体の軌跡を表しているとみなすことができる軌跡情報の集合である軌跡連結と、全ての軌跡情報を漏れなく重複なく含んだ軌跡連結の集合である軌跡連結候補とを生成し、軌跡連結と追跡領域内で検出された移動体識別情報との組み合わせである軌跡連結・識別情報ペア毎に、軌跡連結が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡を表している尤度を算出し、軌跡連結・識別情報ペア毎に算出された尤度に基づいて、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補に含まれる個々の軌跡連結に尤もらしい移動体識別情報を対応付け、個々の軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結と移動体識別情報との対応付けの結果から、個々の軌跡情報に関して、個々の移動体識別情報毎に、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を数値化し、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を示す値に基づいて、軌跡情報毎に、軌跡情報が表す軌跡が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡に該当するという対応関係のあいまいさの程度を示す対応付けスコアを各移動体識別情報に関して算出することを特徴とする。
また、本発明による動線情報生成プログラムは、コンピュータに、移動体の軌跡または追跡の途切れが生じたことによる移動体の軌跡の断片を表す軌跡情報であって、軌跡情報を識別する軌跡識別情報と、移動体の追跡中に検出された移動体の位置情報および当該位置情報の検出時刻のリストとを含む軌跡情報を用いて、1つの移動体の軌跡を表しているとみなすことができる軌跡情報の集合である軌跡連結と、全ての軌跡情報を漏れなく重複なく含んだ軌跡連結の集合である軌跡連結候補とを生成する軌跡連結候補生成処理、軌跡連結と追跡領域内で検出された移動体識別情報との組み合わせである軌跡連結・識別情報ペア毎に、軌跡連結が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡を表している尤度を算出する尤度算出処理、軌跡連結・識別情報ペア毎に算出された尤度に基づいて、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補に含まれる個々の軌跡連結に尤もらしい移動体識別情報を対応付ける識別情報対応付け処理、個々の軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結と移動体識別情報との対応付けの結果から、個々の軌跡情報に関して、個々の移動体識別情報毎に、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を数値化する対応付け傾向数値化処理、および、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を示す値に基づいて、軌跡情報毎に、軌跡情報が表す軌跡が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡に該当するという対応関係のあいまいさの程度を示す対応付けスコアを各移動体識別情報に関して算出する対応付けスコア算出処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、移動体の軌跡と移動体の識別情報との正確な対応関係を特定できないことが生じ得る場合であっても、移動体の軌跡と移動体の識別情報との対応関係を推定し、その対応関係のあいまいさの程度を定量化することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、識別情報をIDと記す。
図1は、本発明の動線情報生成システムの例を示すブロック図である。本発明の動線情報生成システムは、軌跡情報入力部1と、ID情報入力部2と、動線情報生成部3と、動線情報分析部4とを備える。
動線情報生成システムは、予め定められた追跡領域50内で移動する移動体の軌跡と移動体のID(識別情報)との対応関係のあいまいさの程度を表すスコアをID毎に含むとともに、その軌跡上の移動体の位置座標およびその検出時刻の情報を含む動線情報を生成する。このスコアは、軌跡がIDによって識別される移動体の軌跡に該当するという対応関係のあいまいさの程度を表している。また、換言すれば、このスコアは、軌跡とIDとの対応関係の信頼性を表しているということもできる。すなわち、このスコアが高いほど、あいまいさが少なく、信頼性が高いと言える。以下、このスコアをID対応付けスコアと記す。
なお、各移動体Pは、追跡領域50の外側に出ることがあってもよい。また、移動体Pの種類は、特に限定されず、人間、動物、あるいは物であってもよい。
軌跡情報入力部1は、追跡領域50内における移動体の位置座標を検出し、その位置座標と検出時刻とを、動線情報生成部3に入力する装置である。以下の説明では、位置として2次元座標を検出する場合を例にして説明する。軌跡情報入力部1は、1つの移動体を途切れなく追跡できている間は、検出した位置座標と検出時刻の各組に対して同一の軌跡番号を割り当てる。また、軌跡情報入力部1は、ある移動体の追跡が途切れた後、再度、その移動体の追跡を開始したときには、それまでに割り当てていたどの追跡番号とも重複しない新たな追跡番号を定め、追跡再開後にその移動体について検出した位置座標と検出時刻の組に対してその新たな追跡番号を割り当てる。軌跡情報入力部1は、検出した移動体の位置座標とその検出時刻の組と、その組に対して割り当てた軌跡番号を、動線情報生成部3に入力する。
また、共通の軌跡番号が割り当てられた位置座標とその検出時刻との組の集合と、その軌跡番号とを合わせて軌跡情報と記す。軌跡情報は、例えば、(軌跡番号1,(時刻t1,x座標,y座標),(時刻t2,x座標,y座標),・・・,(時刻tn,x座標,y座標))等のように表現することができる。
軌跡番号によって軌跡情報を区別することができ、一つの軌跡番号で特定できる軌跡情報を一つの軌跡情報としてカウントする。一つの移動体の追跡が途切れ、再度追跡を開始した場合には、軌跡番号が異なる複数の軌跡情報が得られる。これらの個々の軌跡情報は、軌跡の個々の断片を表していると言うことができる。また、一つの移動体に関して追跡が途切れなければ、一つの軌跡情報が得られる。従って、軌跡情報は、追跡の途切れによって断片化された軌跡、あるいは一つの移動体に関する軌跡全体を表しているということができる。
また、軌跡情報入力部1は、移動体の属性情報を検出し、位置座標、検出時刻および軌跡番号ともに、その属性情報を動線情報生成部3に入力してもよい。なお、属性情報の種類として、例えば、移動体の色、大きさ、形、重さ等が挙げられ、移動体が人間である場合には、例えば、年代、性別、嗜好等が挙げられる。ただし、これらは例示であり、属性情報の種類はこれらに限定されない。この場合、軌跡情報には、検出時刻毎の属性情報も含まれる。
軌跡情報入力部1は、追跡領域50内で移動体の位置情報を検出し、その検出時刻を特定し、軌跡番号を割り当てられる装置であればよく、各移動体に固有のIDを検出する必要はない。軌跡情報入力部1は、例えば、カメラ、床圧力センサ、レーザレンジファインダ、人感センサ、あるいはレーダを用いた移動体追跡システムによって実現されていてもよい。軌跡情報入力部1がこのような態様で実現される場合には、移動体は、自身が検出されるために必要な機器を保持しなくてよい。また、軌跡情報入力部1は、座標検出に必要な機器を移動体に保持させる態様で、移動体の位置座標を検出してもよい。例えば、軌跡情報入力部1は、GPS(Global Positioning System )等の無線通信機器や超音波受信機を用いた移動体追跡システム等によって実現されていてもよい。
また、軌跡情報入力部1は、追跡領域50全体を死角なく検出できるように設置されることが望ましいが、部分的に検出不可となる死角が生じてもよい。なぜなら、追跡の途切れに起因して軌跡番号が異なる複数の軌跡情報が生じた場合であっても、後述の動線情報生成部3が一連の動線を推定することが可能であるからである。
ID情報入力部2は、追跡領域50内における移動体のIDを取得する装置である。ただし、移動体が存在する場合にID情報入力部2がIDを必ず検出するとは限らず、IDを検出できるかどうかは、追跡領域50内における移動体の位置によって異なる。例えば、ID情報入力部2に近い場所に存在する移動体のIDの検出確率は高く、ID情報入力部2から離れた場所に存在する移動体のIDの検出確率は低い。
図1では、1台のID情報入力部2を示しているが、追跡領域50内にID情報入力部2を複数台設置してもよい。各ID情報入力部2には、ID情報入力部2を一意に特定するためのID情報入力部ID(すなわち、ID情報入力部の識別情報)が予め割り当てられている。ID情報入力部IDは、どのID情報入力部2が移動体のIDを検出したのかを判別するために用いられる。以下、ID情報入力部IDを番号で表す場合を例にして説明し、ID情報入力部IDをID情報入力部番号と記す。ただし、ID情報入力部IDは、番号以外で表されていてもよい。
ID情報入力部2は、検出した移動体のIDと、その検出時刻と、そのIDの検出位置とを、動線情報生成部3に入力する。また、ID情報入力部2が複数存在する場合、ID情報入力部2は、それらの情報とともに、自身のID情報入力部番号も併せて動線情報生成部3に入力する。また、用いるセンサの位置検知分解能に応じて追跡領域50を予め分割しておく。そして、ID情報入力部2は、追跡領域50を分割した各領域のうちどの領域で移動体のIDを検出したかを、上記の検出位置の情報として動線情報生成部3に入力すればよい。ID情報入力部2は、追跡領域50を分割した各領域を一意に特定するエリアIDによって検出位置を表してもよい。あるいは、ID情報入力部2は、IDの検出位置に該当する領域を2次元座標で表してもよい。また、追跡領域50を分割した各領域にそれぞれID情報入力部2を配置し、各領域と各ID情報入力部2とが一対一に対応する場合は、ID情報入力部2は、IDの検出位置に該当する領域をID情報入力部2自身のID情報入力部番号で表してもよい。
軌跡情報入力部1から動線情報生成部3に入力される移動体の位置座標と、ID情報入力部2から動線情報生成部3に入力されるIDの検出位置とを共通の座標系で利用するために、動線情報生成部3は、それらの位置に関する情報を変換するための変換表を保持しておく。そして、動線情報生成部3は、軌跡情報入力部1から入力される位置座標とID情報入力部2から入力される検出位置のいずれか一方、あるいは、両方を変換する。動線情報生成部3は、軌跡情報入力部1から入力される位置座標を、ID情報入力部2で用いている座標系に変換してもよい。あるいは、動線情報生成部3は、ID情報入力部2から入力される検出位置を、軌跡情報入力部1で用いている座標系に変換してもよい。また、動線情報生成部3は、軌跡情報入力部1から入力される位置座標およびID情報入力部2から入力される検出位置を、別の座標系に変換してもよい。
例えば、ID情報入力部2において、エリアIDで検出位置を表す場合、動線情報生成部3は、各エリアIDと、軌跡情報入力部1で用いる座標系で表した各エリアIDの頂点位置座標群との対応関係を示す変換表を保持してればよい。また、例えば、ID情報入力部2において、ID情報入力部番号で検出位置を表す場合、動線情報生成部3は、ID情報入力部番号と、軌跡情報入力部1で用いる座標系で表した各ID情報入力部2の設置位置との対応関係を示す変換表を保持していればよい。
ID情報入力部2は、移動体のIDの検出を試みて、IDを検出できなかった場合には、移動体のIDを「なし」として、その時刻と位置を動線情報生成部3に入力してもよい。あるいは、ID情報入力部2がID等の情報を何も入力しないことで、動線情報生成部3が、その時刻に移動体のIDが何も検出されなかったと判定してもよい。
ID情報入力部2は、移動体に固有のIDを検出し、その検出時刻および検出位置を特定できる装置であればよい。例えば、移動体がアクティブRFIDタグを所有し、そのタグIDを移動体のIDとして用いる場合、ID情報入力部2としてRFIDリーダを用いればよい。また、移動体がIC(Integrated Circuit)カードを所有し、そのICカードのIDを移動体のIDとして用いる場合、ID情報入力部2としてICカードリーダを用いればよい。また、移動体が無線LAN端末を所有し、その無線LAN(Local Access Network)端末のMAC(Media Access Control)アドレスを移動体のIDとして用いる場合、ID情報入力部2としてアクセスポイントを用いればよい。また、移動体毎に固有のバーコードが印刷されている場合、ID情報入力部2としてバーコードリーダを用いればよい。また、移動体が人物である場合、人物の顔、指紋、静脈等を人物のIDとして用いてもよく、これらのIDの読み取り装置をID情報入力部2とすればよい。また、顔認証装置とRFIDリーダのように、検出対象が異なるID情報入力部2を併用してもよい。
また、ID情報入力部2を追跡領域50内に複数設置する場合、各ID情報入力装置2の検出領域が互いに重なり合うように設置してもよい。あるいは、互いに重なり合わないように設置してもよい。
なお、軌跡情報入力部1による移動体の位置座標の検出と、ID情報入力部2による移動体のIDの検出は同一の時刻に実施される。ただし、軌跡情報入力部1とID情報入力部2がそれぞれ非同期に位置座標とIDを検出する場合には、動線情報生成部3が、軌跡情報入力部1から入力された位置座標等と、ID情報入力部2から入力されたID等とをバッファリングしておき、一定時間毎にバッファに溜まっているそれらの情報を使用してもよい。あるいは、軌跡情報入力部1とID情報入力部2との間で時刻同期がとれていない場合は、動線情報生成部3に軌跡情報入力部1からの情報と、ID情報入力部2からの情報とが入力された際に、動線情報生成部3が入力された位置座標およびIDに対して同一の検出時刻を設定してもよい。
動線情報生成部3は、軌跡情報入力部1から入力される情報と、ID情報入力部2から入力される情報とを用いて、移動体の軌跡情報について算出されたID毎のID対応付けスコアを含むとともに、移動体の位置座標およびその検出時刻の情報を含む動線情報を生成する。
図2は、動線情報生成部3の構成例を示すブロック図である。なお、軌跡情報入力部1、ID情報入力部2、および動線情報分析部4も併せて図示している。動線情報生成部3は、軌跡連結候補生成手段31と、ID対応付け尤度算出手段32と、ID対応付け手段33と、ID対応付け結果集計手段34と、ID対応付けスコア算出手段35と、スコア付きID候補出力手段36とを備える。
以下の説明では、1つの移動体の軌跡を表すとみなすことができる軌跡情報の集合を軌跡連結と記す。また、軌跡情報入力部1から入力された位置座標、検出時刻、軌跡番号の情報全体から定まる全ての軌跡情報を漏れなく重複なく含んだ軌跡連結の集合を軌跡連結候補と記す。図3は、軌跡情報が表す軌跡を模式的に示した模式図である。図3では、軌跡番号1〜4の4つの軌跡情報に対応する4つの軌跡を示している。以下の説明において、軌跡番号が1,2,3,4である各軌跡情報をそれぞれ軌跡情報1,2,3,4と記す。図3を参照して、軌跡連結および軌跡連結候補の例について説明する。
軌跡情報1,2,3,4は、それぞれ1つの移動体の軌跡を表しているとみなすことができる。従って、個々の軌跡情報1,2,3,4は、それぞれ独立した軌跡連結に該当する。また、軌跡情報1と軌跡情報3の組は、1つの移動体に関する断片化された軌跡の組を表しているとみなすこともできる。従って、軌跡情報1と軌跡情報3の組も、軌跡連結に該当する。同様に、軌跡情報1と軌跡情報4の組、軌跡情報2と軌跡情報3の組なども軌跡連結に該当する。ここでは、軌跡連結に含まれる軌跡情報の数が1つまたは2つの場合を例示したが、軌跡情報がn個存在する場合、1個の軌跡情報を含む軌跡連結、2個の軌跡情報を含む軌跡連結、・・・、n個の軌跡情報を含む軌跡連結がそれぞれ考えられる。図3に示す例では、最大4個の軌跡情報を含む軌跡連結(すなわち、軌跡情報1,2,3,4の組)が考えられる。
また、前述のように、軌跡連結候補は、全ての軌跡情報を漏れなく重複なく含んだ軌跡連結の集合である。従って、例えば、個々の軌跡情報1,2,3,4がそれぞれ独立した4つの軌跡連結であるとし、軌跡情報1,2,3,4を軌跡連結1,2,3,4と表すとする。この場合、軌跡連結1,2,3,4の集合を軌跡連結候補とすることができる。この軌跡連結候補には、軌跡情報1,2,3,4が漏れなく重複なく含まれている。
また、例えば、軌跡情報1,3が一つの軌跡連結であるとし、軌跡連結13と表すものとする。そして、軌跡情報2,4がそれぞれ独立した軌跡連結であり、軌跡連結2,4と表すとする。この場合、軌跡連結13,2,4の集合を軌跡連結候補とすることができる。
また、軌跡情報1,3の組、および軌跡情報2,4の組がそれぞれ別々の軌跡連結13,24であるとする。この場合、2つの軌跡連結13,24の集合を軌跡連結候補とすることができる。
また、例えば、軌跡情報1,2,3,4の組が1つの軌跡連結であるとする。この場合、この一つの軌跡連結を軌跡連結候補とすることができる。ただし、ここでは、便宜的に、軌跡情報1,2,3,4の組が1つの軌跡連結であるものとして説明したが、図3に示すような断片化された4つの軌跡が1つの移動体に関する軌跡であるとは考えにくい。軌跡連結候補生成手段31が軌跡連結を生成する場合、所定の条件に該当する軌跡情報の集合については軌跡連結としない。
いずれの場合も、軌跡連結候補には、軌跡情報1,2,3,4が漏れなく重複なく含まれている。
次に、軌跡連結候補とはならない軌跡連結の組の例を示す。例えば、軌跡情報1,3の組を軌跡連結13とし、軌跡情報1,4の組を軌跡連結14とする。そして、軌跡情報2を軌跡連結2とする。この場合、軌跡連結13,14,2の組は、軌跡情報1を重複して含むので、軌跡連結候補に該当しない。
また、個々の軌跡情報1,2,3,4がそれぞれ独立した4つの軌跡連結1,2,3,4であるとする。この場合、軌跡連結1,2,3の組には、軌跡情報4が含まれていない。よって、軌跡連結1,2,3のみを含む軌跡連結の集合は軌跡連結候補に該当しない。
軌跡連結候補生成手段31は、軌跡情報入力部1から入力された位置座標、検出時刻、軌跡番号の情報全体から個々の軌跡情報を定め、軌跡情報を用いて、軌跡連結および軌跡連結候補を生成する。ただし、軌跡連結候補生成手段31は、上述のように所定の条件に該当する軌跡情報の集合については軌跡連結としない。具体的には、軌跡連結候補生成手段31は、以下に述べる第1および第2の条件のうち、いずれか1つに該当する軌跡情報の集合については軌跡連結としない。すなわち、軌跡連結候補生成手段31は、第1の条件および第2の条件のうち少なくともいずれか一方に該当する軌跡情報の集合を軌跡連結とすることを禁止している。
第1の条件は、軌跡情報の集合に、同一の検出時刻を含む複数の軌跡情報が含まれていて、その複数の軌跡情報に含まれる同一の検出時刻に検出された移動体の位置座標同士の距離が予め定めた閾値以上であるという条件である。第1の条件に該当するということは、同一の移動体が同時刻に閾値以上離れた場所に存在していることを表す。このような条件に該当する軌跡情報の集合を軌跡連結とすることは不適当であり、軌跡連結候補生成手段31は、第1の条件に該当する軌跡情報の集合を軌跡連結としない。
次に、第2の条件について説明する。一つの軌跡情報内で、最も検出時刻が古い位置座標を始点と呼び、最も検出時刻が新しい位置座標を終点と呼ぶものとする。第2の条件は、軌跡情報の集合に含まれる各軌跡情報を始点の検出時刻順に古い方から並べた場合に、一つの軌跡情報の終点の検出時刻および位置と、時間軸で新しい時刻側に隣接する次の軌跡情報の始点の検出時刻および位置とから求められる、先の軌跡情報の終点から次の軌跡情報の始点までの直線距離の移動速度が、予め定められている移動体の最高移動速度を超えているという条件である。第2の条件に該当するということは、移動体が移動不可能な速度で移動していることを表す。このような条件に該当する軌跡情報の集合を軌跡連結とすることは不適当であり、軌跡連結候補生成手段31は、第2の条件に該当する軌跡情報の集合を軌跡連結としない。
なお、追跡領域50内に障害物等(図1において図示せず。)が配置されていて、追跡領域50内で移動体が移動できる経路を表す経路情報が予め定められていてもよい。この場合、第2の条件の判定の際、軌跡連結候補生成手段31は、先の軌跡情報の終点から次の軌跡情報の始点までの距離として、移動可能な経路に沿った距離を求め、その距離から移動体の移動速度を算出してもよい。
また、軌跡情報入力部1が移動体の属性情報も動線情報生成部3に入力する場合、以下に示す第3の条件を定めていてもよい。第3の条件は、複数の軌跡情報において、互いに異なる軌跡情報に含まれる属性情報から求められる類似度によって、互いに異なる軌跡情報に含まれる属性情報が類似していないと判定されるという条件である。軌跡連結候補生成手段31は、第3の条件に該当する軌跡情報の集合を軌跡連結としなくてもよい。なお、属性情報同士の類似度の算出方法は特に限定されない。また、属性情報同士が類似しているか否かは、類似度と、予め定められた閾値との比較によって判定すればよい。
なお、1つの軌跡情報のみを含む集合に関しては、第1から第3までの各条件に該当せず、その軌跡情報は軌跡連結とされることになる。
また、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡連結候補の数の上限を定めておき、生成した軌跡連結候補の数がその上限を越えた場合には、軌跡連結候補の数がその上限以下になるように軌跡連結候補の枝刈りを行ってもよい。枝刈りの基準については、特に限定されない。例えば、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡連結候補に含まれる軌跡情報同士で位置座標の検出時刻が重複している時間の総和を求め、その時間が長い軌跡連結候補から順に除外してもよい。また、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結内における軌跡情報同士の途切れ時間の総和を求め、途切れ時間の総和が長い軌跡連結候補から順に除外してもよい。また、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結の多い順に(換言すれば、軌跡連結候補が表している移動体の数の多い順)に、軌跡連結候補を除外してもよい。
軌跡情報入力部1が移動体の属性情報も動線情報生成部3に入力する場合には、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結内の軌跡情報同士で、軌跡情報内の属性情報の類似度を計算し、類似の程度が低い軌跡情報の組を含んでいる軌跡連結候補から順に除外してもよい。
また、軌跡連結候補の枝刈りの基準として、複数の基準を組み合わせて採用してもよい。
ID対応付け尤度算出手段32は、軌跡連結候補生成手段31によって生成された全ての軌跡連結と、一定時間の間にID情報入力部2から入力された全ての移動体のIDとを用いて、一つの軌跡連結と一つのIDとの組(以下、軌跡連結・IDペアと記す)を全通り生成する。軌跡連結・IDペアは、移動体の軌跡とIDとの対応付けを表している。ID対応付け尤度算出手段32は、軌跡連結・IDペア毎に、この対応付けの尤もらしさを示す尤度を算出する。すなわち、ID対応付け尤度算出手段32は、軌跡連結がIDによって識別される移動体の軌跡を表している尤度を算出する。以下、この尤度をID対応付け尤度と記す。
ここで、ID対応付け尤度と、前述のID対応付けスコアとの違いについて説明する。ID対応付け尤度およびID対応付けスコアは、いずれも軌跡とIDとの対応付けの適切さの程度を表している点で共通するが、以下の点で異なる。ID対応付け尤度は、最適なIDを軌跡連結に対応付けるために算出する値であり、個々の軌跡連結に着目して算出される。これに対して、ID対応付けスコアは、軌跡連結候補生成手段31によって生成された各軌跡連結候補に属する軌跡連結に対してID対応付け尤度に基づいてIDが対応付けられた後に、各軌跡連結候補における軌跡連結とIDとの対応付けの傾向に基づいて、算出される値である。また、ID対応付け尤度は軌跡連結に対して算出されるのに対して、ID対応付けスコアは軌跡情報に対して算出される。
ID対応付け尤度算出手段32は、予めID出力確率マップを保持しておく。ID出力確率マップとは、追跡領域50を分割し、分割したエリア毎に、移動体が存在するときにその移動体のIDがID情報入力部2によって検出される確率を定義したマップである。ID出力確率マップにおいて、エリア毎に定義されたIDの検出確率を、ID出力確率と記す。ID出力確率マップは、ID情報入力部2毎に予め作成され、ID対応付け尤度算出手段32は、各ID出力確率マップをそれぞれ保持する。また、各ID出力確率マップは、いずれも追跡領域50内の全領域をカバーしている。
ID出力確率マップの作成方法の例を説明する。例えば、IDを発信する端末やタグを事前に移動体が携行して追跡領域50内の各エリアを移動する。一つのID情報入力部2は、その移動体が1つのエリア内に存在している間に、IDの検出を複数回(例えば10回)試み、そのID情報入力部2がIDを検出できた回数をカウントする。ID情報入力部2がIDの検出を試みた回数と、実際にIDを検出できた回数から、そのエリアにおけるID出力確率が求められる。同様の処理を、エリア毎に行うことによって、そのID情報入力部2に関するID出力確率マップを作成することができる。ID情報入力部2を複数配置する場合には、ID情報入力部2毎に、同様の方法でID出力確率マップを作成すればよい。
ID対応付け尤度算出手段32は、軌跡連結・IDペア毎にID対応付け尤度を算出する際、軌跡連結・IDペアに含まれる移動体のIDを検出したID情報入力部2に対応するID出力確率マップを選択する。そして、ID対応付け尤度算出手段32は、軌跡連結・IDペアに含まれる移動体のIDが検出された各時刻における移動体の位置座標を軌跡連結・IDペアに含まれる軌跡連結から特定し、その位置座標を含むエリアでのID出力確率をID出力確率マップによって判定する。そして、ID対応付け尤度算出手段32は、IDの検出時刻毎に得られたID出力確率同士の乗算を行う。この乗算結果が、ID対応付け尤度である。
なお、ID対応付け尤度算出手段32は、IDの検出時刻毎に得られたID出力確率の対数値の和を計算し、その計算結果をID対応付け尤度としてもよい。
ID対応付け手段33は、各軌跡連結候補に対して、軌跡連結・IDペア毎に算出されたID対応付け尤度に基づいて、軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結に尤もらしいID(すなわち、軌跡連結が表す軌跡に対応する尤もらしい移動体のID)を対応付ける処理を行う。ID対応付け手段33は、軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結と各IDとの組み合わせのうち、ID対応付け尤度の積算結果が最大となる組み合わせを特定することで、軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結とIDとを対応づける。なお、ID対応付け尤度の積算結果を求める計算は、後述のステップS606において実行される。ただし、ID対応付け手段33は、一つの軌跡連結候補に含まれる複数の軌跡連結に対して同じIDを対応付けることはない。以下、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結に最も尤もらしいIDの対応付けを行った結果を、ID対応付け候補と呼ぶ。
また、追跡領域50内で移動体のIDが検出されない場合、および、IDを持たない移動体が存在する場合を考慮すると、全ての軌跡連結にIDが対応付けられるとは限らない。そのため、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結の数よりも移動体のIDの数の方が少ない場合には、ID対応付け手段33は、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結のうち、IDが対応付けられなかった軌跡連結に対して、対応するIDが存在しないことを表す情報を対応付ける。例えば、対応するIDが存在しないことを表す情報として“unknown ”という文字列を用い、ID対応付け手段33は、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結に“unknown ”を対応づけてもよい。
逆に、追跡領域50内に放置されているIDタグが存在する場合、および、移動体が軌跡情報入力部1の死角に存在し位置座標を全く検出できずに移動体のIDのみが検出される場合を考慮すると、全てのIDに軌跡連結が対応付けられるとは限らない。そのため、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結の数よりも検出されたIDの数の方が多い場合には、ID対応付け手段33は、軌跡連結候補に含まれる全ての連結候補にIDを対応付ける。そして、ID対応付け手段33は、連結候補に対応付けられなかったIDについては、対応する軌跡連結が無いものとみなして、連結候補に対応付けない。
また、ID対応付け手段33は、軌跡連結候補に関して計算したID対応付け尤度の積算が予め定められた閾値未満である場合には、その軌跡連結候補に含まれる軌跡連結に対応するIDは存在しないと判断してもよい。
ID対応付け結果集計手段34は、ID対応付け手段33で得られた全てのID対応付け候補を対象に、各ID対応付け候補において、軌跡連結に含まれる軌跡情報が、どのIDと何回対応付けられたかを集計する。なお、軌跡連結がIDに対応付けられていれば、その軌跡連結に含まれる軌跡情報もそのIDに対応付けられているものとする。
ID対応付けスコア算出手段35は、ID対応付け結果集計手段34で得られた回数集計結果(すなわち、軌跡情報毎に各IDが対応付けられた回数)に基づいて、軌跡情報毎の各IDの対応付け回数を正規化する。本実施形態では、ID対応付けスコア算出手段35は、軌跡情報毎に、各IDに関して求められた回数の値を、総和が1になるように正規化する。本実施形態では、この結果得られた各値を、ID対応付けスコアとする。例えば、ある軌跡情報について、ID”1”について0.2という値が得られ、ID”2”について0.8という値が得られたとする。この場合、その軌跡情報とID”1”に関するID対応付けスコアは0.2であり、その軌跡情報とID”2”に関するID対応付けスコアは0.8である。
スコア付きID候補出力手段36は、軌跡情報毎に、個々のIDと、個々のIDについてのID対応付けスコアのリストを生成し、動線情報分析部4に出力する。
動線情報分析部4は、スコア付きID候補出力手段36が生成した軌跡情報毎の各IDおよびID対応付けスコアのリストを用いて、動線情報の分析および可視化を行う。
動線情報分析部4による動線情報の分析および可視化の例を示す。動線情報分析部4は、指定されたIDのID対応付けスコアを個々の軌跡情報毎に特定し、そのID対応付けスコアに応じて動線の太さを変えて、各動線をディスプレイ装置上に表示させてもよい。ID対応付けスコアは、軌跡情報とIDとの対応付けのあいまいさの程度を表している。従って、動線情報分析部4は、ID対応付けスコアに応じて軌跡情報が示す軌跡の太さを変化させることで、軌跡情報とIDとの対応付けのあいまいさの程度を示すとともに、動線情報を可視化することができる。このように動線情報を可視化した例を図4に示す。図4(a)は、各軌跡情報が示す個々の軌跡がID“1”と対応付けられる場合における、対応付けのあいまいさの程度を示している。また、図4(b)は、各軌跡情報が示す個々の軌跡がID“2”と対応付けられる場合における、対応付けのあいまいさの程度を示している。図4(a)では、太く表示した軌跡ほど、ID“1”との対応付けの信頼性が高い。同様に、図4(b)では、太く表示した軌跡ほど、ID“2”との対応付けの信頼性が高い。動線情報分析部4は、軌跡間の途切れを補完し、補完部分の動線の太さを連続的に変化させることによって、滑らかに繋がった動線を表示してもよい。この場合、補完された部分の線の太さは滑らかに変化する。
また、図4では、ID対応付けスコアに応じて軌跡情報が示す軌跡の太さを変化させる場合を示したが、各軌跡の太さは共通にして、ID対応付けスコアに応じて、軌跡情報が示す軌跡の線の濃さを変化させてもよい。例えば、動線情報分析部4は、ID対応付けスコアが高い軌跡ほど、色を濃く表示し、ID対応付けスコアが低い軌跡ほど、色を薄く表示してもよい。この場合にも、動線情報分析部4は、軌跡間の途切れを補完し、補完部分の動線の色の濃さを連続的に変化させることによって、滑らかに繋がった動線を表示してもよい。この場合、補完された部分の線の濃さは滑らかに変化する。
動線情報分析部4による分析および可視化は、上記の例に限定されない。以下、分析および可視化の他の例を示す。
追跡領域50を分割した各エリアの中に、移動体の密度が高いエリアがある場合には、移動体の数が多いために、そのエリア内の個々の移動体と、移動体のIDとを一対一に対応付けることが困難になる。そのため、動線情報分析部4は、移動体の密度が予め定められた所定値以上のエリアについて、そのエリア内の移動体の集合と、移動体のIDの集合とが対応することを表示してもよい。なお、このエリアは、ID出力確率マップにおける各エリアと同じエリアであっても、あるいは、ユーザの指定に応じた態様で追跡領域50を分割して得られたエリアであってもよい。図5は、このような移動体の集合とIDの集合との対応関係を導出する例を示す説明図である。図5に示す例では、追跡領域50を9分割した場合の例を示している。この9個の領域のうち、領域Aに移動体41,42,43が存在し、動線情報分析部4が領域Aにおける移動体の密度が高いと判定したとする。この場合、動線情報分析部4は、領域A内の各移動体の軌跡情報に対して計算されているID毎のID対応付けスコアを参照し、ID毎に、そのID対応付けスコアの和を計算する。動線情報分析部4は、領域Aに存在しない移動体に関するID対応付けスコアをこの計算には用いない。図5に示す領域Aに関しては、ID“a”のID対応付けスコアとして、0.6,0.2,0.2が得られているので、動線情報分析部4は、これらの和0.6+0.2+0.2=1.0を算出する。動線情報分析部4は、他のID“b”,“c”,“d”,“e”についても同様に、ID毎にID対応付けスコアの和を計算する。これらの計算結果は、以下のようになる。
ID“a”: 0.6+0.2+0.2=1.0
ID“b”: 0.2+0.4=0.6
ID“c”: 0.2+0.4=0.6
ID“d”: 0.4
ID“e”: 0.4
ID“b”: 0.2+0.4=0.6
ID“c”: 0.2+0.4=0.6
ID“d”: 0.4
ID“e”: 0.4
動線情報分析部4は、領域Aに存在する3つの移動体41〜43と、ID対応付けスコアの和の上位3つのID“a”,“b”,“c”とを対応付け、移動体41〜43の集合と、ID“a”,“b”,“c”の集合とが対応付けられる旨を表示してもよい。移動体の密度が高く、移動体とIDとの一対一の対応付けが困難な場合に、このように移動体の集合とIDの集合とを対応付けた結果を動線情報分析部4が表示してもよい。
また、動線情報分析部4は、ユーザが指定した属性を有する移動体が存在する可能性をエリア毎に表示してもよい。以下に示す例では、各移動体のIDと、その移動体の属性とを対応付けたデータベースを記憶する記憶装置に動線情報分析部4がアクセス可能であるものとする。また、動線情報分析部4は、例えば、ユーザから領域の大きさを指定され、その大きさで追跡領域50を分割した各領域を定める。また、動線情報分析部4は、ユーザから属性を指定する情報を入力される。例えば、「40代女性」等の属性が指定される。すると、動線情報分析部4は、上記のデータベースから、指定された属性に該当する移動体のID群を読み込み、そのID群に一致する動線情報を選択する。動線情報分析部4は、選択した動線情報から、どの時刻にどのエリアにどのIDの移動体が存在しているかを判断する。そして、動線情報分析部4は、時刻毎に、各エリアに関して、そのエリアに存在する移動体のIDのうち、指定された属性に該当するIDのスコアを累積加算する。この加算結果が高い領域ほど、指定された属性(本例では、40代女性)が存在していた可能性の高い場所であるということができる。動線情報分析部4は、この加算結果に応じて、追跡領域50内の各領域の表示態様を変えて、追跡領域50を表示する。例えば、動線情報分析部4は、図6に例示するヒートマップ形式で追跡領域50を表示すればよい。
軌跡連結候補生成手段31と、ID対応付け尤度算出手段32と、ID対応付け手段33と、ID対応付け結果集計手段34と、ID対応付けスコア算出手段35と、スコア付きID候補出力手段36は、例えば、動線情報生成プログラムに従って動作するコンピュータのCPU(Central Processing Unit )によって実現される。この場合、コンピュータのプログラム記憶装置(図示せず。)が動線情報生成プログラムを記憶し、CPUがそのプログラムを読み込み、そのプログラムに従って、軌跡連結候補生成手段31、ID対応付け尤度算出手段32、ID対応付け手段33、ID対応付け結果集計手段34、ID対応付けスコア算出手段35およびスコア付きID候補出力手段36として動作すればよい。また、軌跡連結候補生成手段31、ID対応付け尤度算出手段32、ID対応付け手段33、ID対応付け結果集計手段34、ID対応付けスコア算出手段35およびスコア付きID候補出力手段36が、それぞれ別のハードウェアで実現されていてもよい。
次に、動作について説明する。
図7は、動線情報生成部3の処理経過の例を示すフローチャートである。軌跡連結候補生成手段31は、軌跡情報入力部1から、軌跡番号、移動体の位置座標およびその検出時刻の組を取得する(ステップS1)。軌跡連結候補生成手段31は、逐次入力される軌跡番号、位置座標および検出時刻の組を、軌跡番号毎に、過去一定時間分の検出時刻と位置座標のリストを持つようなデータ構造として記憶する。例えば、時刻t1からtnまでの軌跡番号1に関する情報は、(軌跡番号1,(時刻t1,x座標,y座標),(時刻t2,x座標,y座標),・・・,(時刻tn,x座標,y座標))等のように表される。すなわち、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡番号と、過去一定時間分の検出時刻および検出座標のリストとを含む軌跡情報を生成し、記憶する。具体的には、新たに、軌跡番号、位置座標および検出時刻の組が入力されたときに、軌跡連結候補生成手段31は、その軌跡番号に対応するリストに、新たに入力された位置座標および検出時刻の組を追加すればよい。また、軌跡連結候補生成手段31は、過去一定時間よりも前の検出時刻および位置座標については、リストから削除すればよい。
図7は、動線情報生成部3の処理経過の例を示すフローチャートである。軌跡連結候補生成手段31は、軌跡情報入力部1から、軌跡番号、移動体の位置座標およびその検出時刻の組を取得する(ステップS1)。軌跡連結候補生成手段31は、逐次入力される軌跡番号、位置座標および検出時刻の組を、軌跡番号毎に、過去一定時間分の検出時刻と位置座標のリストを持つようなデータ構造として記憶する。例えば、時刻t1からtnまでの軌跡番号1に関する情報は、(軌跡番号1,(時刻t1,x座標,y座標),(時刻t2,x座標,y座標),・・・,(時刻tn,x座標,y座標))等のように表される。すなわち、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡番号と、過去一定時間分の検出時刻および検出座標のリストとを含む軌跡情報を生成し、記憶する。具体的には、新たに、軌跡番号、位置座標および検出時刻の組が入力されたときに、軌跡連結候補生成手段31は、その軌跡番号に対応するリストに、新たに入力された位置座標および検出時刻の組を追加すればよい。また、軌跡連結候補生成手段31は、過去一定時間よりも前の検出時刻および位置座標については、リストから削除すればよい。
ただし、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡番号毎に、軌跡番号が最初に割り当てられた位置座標の検出時刻については、削除せずに保持しておく。以下、この時刻を軌跡番号の割り当て時刻と記す。
次に、軌跡連結候補生成手段31は、現在時刻から過去一定時間までの軌跡情報群を、軌跡番号の割り当て時刻の古いものから新しいものへ順に並べ替える(ステップS2)。
次に、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS2で並べ替えた軌跡情報群を用いて、軌跡連結および軌跡連結候補を生成する(ステップS3)。図8および図9は、ステップS3の処理を具体的に示すフローチャートである。また、図10は、軌跡連結および軌跡連結候補の生成過程の例を示す模式図である。
ステップS3において、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS2(図7参照)で並べ替えた軌跡情報のうち、軌跡番号の割り当て時刻が最も古い軌跡情報の軌跡番号を選択し、その軌跡情報を更新中軌跡連結および更新中軌跡連結候補とする(ステップS301)。更新中軌跡連結とは、生成過程にある軌跡連結である。また、更新中軌跡連結候補とは、生成過程にある軌跡連結候補である。
図10に示す例では、小括弧内に軌跡番号を列挙することで軌跡連結を表す。また、そのような軌跡連結を中括弧内に列挙することで軌跡連結候補を表す。ステップS301で、例えば、軌跡番号1の軌跡情報を選択した場合、軌跡連結候補生成手段31は、その軌跡情報を更新中軌跡連結(軌跡番号1)とする。また、軌跡連結候補生成手段31は、その軌跡情報を更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1)}とする。
ステップS301の後、軌跡連結候補生成手段31は、各軌跡情報の軌跡番号のうち、ステップS301,S303で選択されていない軌跡番号があるか否かを判定する(ステップS302)。未選択の軌跡番号がないと判定した場合(ステップS302のNo)、ステップS3の処理を終了する。
未選択の軌跡番号がある場合(ステップS302のYes)、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡番号が未選択の軌跡情報のうち、軌跡番号の割り当て時刻が最も古い軌跡情報の軌跡番号を選択する(ステップS303)。図10に示す例では、軌跡番号の割り当て時刻順に軌跡番号1〜nの軌跡情報が並べられている。そして、軌跡番号1はステップS301で選択済みであるので、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡番号2を選択する。
続いて、軌跡連結候補生成手段31は、更新中軌跡連結候補に、ステップS303で選択した軌跡番号(ここでは、軌跡番号2とする。)の軌跡情報を追加し、更新中軌跡連結候補を更新する処理を行う。まず、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS303の終了時点で生成されていた更新中軌跡連結候補のうち、ステップS305で選択されていない更新中軌跡連結候補があるか否かを判定する(ステップS304)。未選択の更新中軌跡連結候補がある場合、軌跡連結候補生成手段31は、未選択の更新中軌跡連結候補のうちの一つを選択する(ステップS305)。ここでは、前述の更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1)}を選択する場合を例に説明する。
次に、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS305で選択した更新中軌跡連結候補に含まれる更新中軌跡連結のうち、ステップS307で選択されていない更新中軌跡連結があるか否かを判定する(ステップS306)。選択した更新中軌跡連結候補内に、まだステップS307で選択されていない更新中軌跡連結がある場合(ステップS306のYes)、軌跡連結候補生成手段31は、その更新中軌跡連結候補から、未選択の更新中軌跡連結を選択する(ステップS307)。本例では、更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1)}から、(軌跡番号1)を選択する。
ステップS307の後、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS307で選択した更新中軌跡連結に、ステップS303で選択した軌跡番号の軌跡情報を連結できるか否か(換言すれば、追加できるか否か)を判定する(ステップS308)。ステップS308では、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS307で選択した更新中軌跡連結内の軌跡情報およびステップS303で選択した軌跡番号の軌跡情報の集合が、前述の第1の条件および第2の条件に該当するか否かを判定することによって、連結の可否を判定すればよい。すなわち、軌跡連結候補生成手段31は、その軌跡情報の集合が、第1の条件および第2の条件のどちらにも該当しなければ、選択した更新中軌跡連結に、ステップS303で選択した軌跡番号の軌跡情報を連結できると判定すればよい。また、その軌跡情報の集合が、第1の条件および第2の条件のうち、少なくともいずれか一方に該当する場合、軌跡連結候補生成手段31は、選択した更新中軌跡連結に、ステップS303で選択した軌跡番号の軌跡情報を連結できないと判定すればよい。
例えば、本例において、軌跡番号1の軌跡情報と、軌跡番号2の軌跡情報のそれぞれに、同一の検出時刻に検出された移動体の位置座標が含まれていて、その位置座標同士の距離が閾値以上であれば、第1の条件に該当する。この場合、軌跡連結候補生成手段31は、更新中軌跡連結(軌跡番号1)に、軌跡番号2の軌跡情報を連結できないと判定する。
また、例えば、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡番号1の軌跡情報の終点の検出時刻および位置と、軌跡番号2の軌跡情報の始点の検出時刻および位置とから、軌跡番号1の軌跡情報の終点から軌跡番号2の軌跡情報の始点までの距離を移動体が移動した速度を算出する。この速度が、予め定められている移動体の最高移動速度を超えているならば、軌跡番号1,2の軌跡情報の集合は、第2の条件に該当する。この場合、軌跡連結候補生成手段31は、更新中軌跡連結(軌跡番号1)に、軌跡番号2の軌跡情報を連結できないと判定する。
また、軌跡情報入力部1が移動体の属性情報も動線情報生成部3に入力し、軌跡情報に属性情報が含まれている場合、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡情報の集合が前述の第3の条件に該当するか否かを判定してもよい。そして、第3の条件に該当する場合、軌跡連結候補生成手段31は、更新中軌跡連結に、ステップS303で選択した軌跡番号の軌跡情報を連結できないと判定してもよい。
第1および第2の条件に該当し、ステップS307で連結不可能と判定した場合(ステップS308のNo)、軌跡連結候補生成手段31は、再度ステップS306に移行する。
第1および第2の条件に該当せず、ステップS307で連結可能と判定した場合(ステップS308のYes)、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS305で選択した軌跡連結候補内の更新中軌跡連結のうちステップS307で選択した更新中軌跡連結に、ステップS303で選択した軌跡番号の軌跡情報を連結した新たな更新中軌跡連結候補を生成する(ステップS309)。本例では、軌跡連結候補生成手段31は、更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1)}内の(軌跡番号1)に、軌跡番号2の軌跡情報を追加した新たな更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1,軌跡番号2)}を生成する。
ステップS309の後、軌跡連結候補生成手段31は、再度ステップS306に移行する。
ステップS308またはステップS309の後にステップS306に移行すると、軌跡連結候補生成手段31は、再度、ステップS305で選択した更新中軌跡連結候補に含まれる更新中軌跡連結のうち、ステップS307で選択されていない更新中軌跡連結があるか否かを判定する(ステップS306)。本例では、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS305で選択した更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1)}において、(軌跡番号1)を選択済みであり、他に未選択の更新中軌跡連結がないと判定する。
ステップS306において、未選択の更新中軌跡連結がないと判定した場合(ステップS306のNo)、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS303で選択した軌跡番号の軌跡情報を新たな更新中軌跡連結とし、ステップS305で選択した更新中軌跡連結候補にその更新中軌跡連結を追加する(ステップS310)。本例では、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS303で軌跡番号2の軌跡情報を選択しており、この軌跡情報を新たな更新中軌跡連結(軌跡番号2)とする。また、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS305で更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1)}を選択している。従って、軌跡連結候補生成手段31は、更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1)}に更新中軌跡連結(軌跡番号2)を追加し、更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1),(軌跡番号2)}とする。
上記のステップS304〜S310の処理では、更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1)}を選択し、ステップS309に移行した場合、軌跡連結候補生成手段31は、新たな更新中軌跡連結候補{(軌跡番号1,軌跡番号2)}を生成する。また、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS310で、{(軌跡番号1)}を、{(軌跡番号1),(軌跡番号2)}とする。従って、{(軌跡番号1)}に基づいて、少なくともステップS310で{(軌跡番号1),(軌跡番号2)}が生成され、ステップS309に移行した場合には、{(軌跡番号1,軌跡番号2)}も生成される。このように、ステップS309に移行した場合、更新中軌跡連結候補の数が増加する。また、ステップS310では、ステップS305で選択された更新中軌跡連結候補は更新される。
また、ステップS309で生成された更新中軌跡連結候補、およびステップS310で更新された更新中軌跡連結候補は、いずれもステップS305での選択が行われたか否かに関して、未選択であるものとして初期化される。また、これらの更新中軌跡連結候補に含まれる各更新中軌跡連結についても、ステップS307での選択が行われたか否かに関して、未選択であるものとして初期化される。
また、軌跡連結候補の数の上限が定められていてもよい。この場合、ステップS310において更新中軌跡連結候補の数がその上限を超えている場合、軌跡連結候補生成手段31は、更新中軌跡連結候補の数がその上限以下になるように、更新中軌跡連結候補の枝刈りを行ってもよい。既に説明したように、この枝刈りの基準は特に限定されない。ステップS310において、軌跡連結候補生成手段31は、例えば、更新中軌跡連結候補に含まれる軌跡情報同士で位置座標の検出時刻が重複している時間の総和を求め、その時間が長い更新中軌跡連結候補から順に除外してもよい。また、軌跡連結候補生成手段31は、更新中軌跡連結候補に含まれる各更新中軌跡連結内における軌跡情報同士の途切れ時間の総和を求め、途切れ時間の総和が長い更新中軌跡連結候補から順に除外してもよい。また、軌跡連結候補生成手段31は、更新中軌跡連結候補に含まれる更新中軌跡連結の多い順に、軌跡連結候補を除外してもよい。また、軌跡連結候補生成手段31は、軌跡情報に移動体の属性情報が含まれている場合、更新中軌跡連結候補に含まれる更新中軌跡連結内の軌跡情報同士で、軌跡情報内の属性情報の類似度を計算し、類似の程度が低い軌跡情報の組を含んでいる更新中軌跡連結候補から順に除外してもよい。
ステップS310の後、軌跡連結候補生成手段31は、再度ステップS304に移行し、S304以降の動作を行う。本例では、ステップS303の終了時点で生成されていた更新中軌跡連結候補は{(軌跡番号1)}のみであり、{(軌跡番号1)}は選択済みであるので、軌跡連結候補生成手段31は、未選択の更新中軌跡連結候補はないと判定する(ステップS304のNo)。
ステップS303の終了時点で生成されていた更新中軌跡連結候補のうち、未選択の更新中軌跡連結候補がない場合(ステップS304のNo)、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS302に移行する。そして、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS302以降の処理を行う。
例えば、ステップS302に移行したときに、上記の例のように、{(軌跡番号1,軌跡番号2)},{(軌跡番号1),(軌跡番号2)}という2つの更新中軌跡連結候補が生成されているとする。そして、軌跡連結候補生成手段31が、ステップS302で未選択の軌跡番号があると判定し、軌跡番号3を選択したとする。
軌跡連結候補生成手段31が、ステップS304で、未選択の更新中軌跡連結候補があると判定し、ステップS305で、例えば、{(軌跡番号1,軌跡番号2)}を選択したとする。この場合、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS307で(軌跡番号1,軌跡番号2)を選択後、ステップS309に移行すれば、新たな更新中軌跡連結候補として、{(軌跡番号1,軌跡番号2,軌跡番号3)}を生成する。また、ステップS310に移行したときには、軌跡連結候補生成手段31は、{(軌跡番号1,軌跡番号2)}を{(軌跡番号1,軌跡番号2),(軌跡番号3)}に更新する。
さらに、軌跡連結候補生成手段31は、再度ステップS304で、未選択の更新中軌跡連結候補があると判定し、ステップS305で{(軌跡番号1),(軌跡番号2)}を選択する。この場合、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS307で(軌跡番号1)を選択後、ステップS309に移行すれば、新たな更新中軌跡連結候補として、{(軌跡番号1,軌跡番号3),(軌跡番号2)}を生成する。さらに、軌跡連結候補生成手段31は、ステップS307で(軌跡番号2)を選択後、ステップS309に移行すれば、新たな更新中軌跡連結候補として、{(軌跡番号1),(軌跡番号2,軌跡番号3)}を生成する。また、ステップS310に移行したときには、軌跡連結候補生成手段31は、{(軌跡番号1),(軌跡番号2)}を{(軌跡番号1),(軌跡番号2),(軌跡番号3)}に更新する。
ステップS304で、未選択の更新中軌跡連結候補がないと判定した場合には、軌跡連結候補生成手段31は、再度ステップS302に移行する。軌跡連結候補生成手段31は、ステップS302で、未選択の軌跡番号がないと判定した場合(ステップS302のNo)、ステップS3の処理を終了する。この時点で得られている各更新中軌跡連結候補が、軌跡連結候補として確定する。また、その各軌跡連結候補に含まれる各更新中軌跡連結が軌跡連結として確定する。
また、ID対応付け尤度算出手段32は、ID情報入力部2から、移動体を一意に識別するためのID、IDの検出時刻、およびそのIDの検出位置を取得する(ステップS4)。なお、ID情報入力部2は、ID情報入力部2自身のID情報入力部番号も動線情報生成部3に入力するので、ID対応付け尤度算出手段32は、このID情報入力部番号も併せて取得する。図11は、追跡領域50を格子状に分割した各エリアの例を表している。本例では、ID対応付け尤度算出手段32が、検出位置として、これらのエリアのエリアIDをID情報入力部2から取得する場合を例にして説明する。以下、ID情報入力部2から取得するID、検出時刻および検出位置の組をID情報と記す。本発明の説明では、「ID情報」と、ID情報に含まれる「ID」とを区別する。「ID情報」は、移動体のID、検出時刻および検出位置の組である。また、ID情報に含まれる「ID」は、移動体のIDそのものである。
ID対応付け尤度算出手段32は、過去一定時間分のID情報を記憶する。この「一定時間」の長さは、軌跡情報に過去一定時間分の検出時刻と位置座標のリストを含める場合の「一定時間」の長さと同じ長さである。
次に、ID対応付け尤度算出手段32は、ステップS3で生成された各軌跡連結と、ステップS4で取得した各ID情報に含まれる移動体のIDとを用いて、軌跡連結・IDペアを全通り生成する。そして、ID対応付け尤度算出手段32は、軌跡連結・IDペア毎にID対応付け尤度を算出する(ステップS5)。以下、ID対応付け尤度算出の具体例を示す。ここでは、図11に示すように、2つのID情報入力部2a,2bが配置されている場合を例にする。また、過去一定時間分のID情報として、図12に例示するID情報をID対応付け尤度算出手段32が記憶しているものとする。また、本例において、時刻t1,t2,t3では、ID情報入力部2aがIDを検出し、時刻t9,t10,t11では、ID情報入力部2bがIDを検出していたものとする。
また、ID対応付け尤度算出手段32は、ID情報入力部2aに対応するID出力確率マップと、ID情報入力部2bに対応するID出力確率マップを予め記憶している。図13は、ID情報入力部2aに対応するID出力確率マップの模式図である。図13に示すID出力確率マップでは、ID情報入力部2aが存在するエリア12のID出力確率が0.8であり、その周囲の8つのエリアのID出力確率が0.5である。また、その他のエリアのID出力確率は0.1である。また、図14は、ID情報入力部2bに対応するID出力確率マップの模式図である。図14に示すID出力確率マップでは、ID情報入力部2bが存在するエリア58のID出力確率が0.8であり、その周囲の8つのエリアのID出力確率が0.5である。また、その他のエリアのID出力確率は0.1である。
また、図15および図16は、ID出力確率マップ上に軌跡連結を模式的に重ねて表した模式図である。図15および図16では、軌跡番号1,2の軌跡情報を含む軌跡連結を示している。以下、この軌跡連結を軌跡連結Aと記す。図15は、ID情報入力部2aに対応するID出力確率マップに軌跡連結Aを重ねた模式図である。また、図16は、ID情報入力部2bに対応するID出力確率マップに軌跡連結Aを重ねた模式図である。
同様に、図17および図18は、ID出力確率マップ上に軌跡連結を模式的に重ねて表した模式図である。図17および図18では、軌跡番号3,4の軌跡情報を含む軌跡連結を示している。以下、この軌跡連結を軌跡連結Bと記す。図17は、ID情報入力部2aに対応するID出力確率マップに軌跡連結Bを重ねた模式図である。また、図18は、ID情報入力部2bに対応するID出力確率マップに軌跡連結Bを重ねた模式図である。
ID対応付け尤度算出手段32は、一つの軌跡連結・IDペアに関して、ID対応付け尤度を算出する場合、その軌跡連結・IDペアを構成するIDの各検出時刻における移動体の各位置を、その軌跡連結・IDペアを構成する軌跡連結に基づいて特定する。そして、ID対応付け尤度算出手段32は、その各位置におけるID出力確率を、IDを検出したID情報入力部2のID出力確率マップから特定する。さらに、ID対応付け尤度算出手段32は、その各ID出力確率の積を計算し、その計算結果をID対応付け尤度とする。なお、ID対応付け尤度算出手段32は、特定した各ID出力確率の対数値の和を計算し、その計算結果をID対応付け尤度としてもよい。
軌跡連結AとID1(図12参照)との軌跡連結・IDペアのID対応付け尤度の算出過程を示す。図12に示すように、時刻t1,t2,t3において、ID1がエリア12で検出されている。このID1は、移動体入力部2a(図11参照)によって検出されたものである。ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t1における移動体の位置を軌跡連結Aから特定する。図15に示すように、時刻t1における移動体の位置座標はエリア02内に存在する。ID対応付け尤度算出手段32は、時刻t1における移動体の位置としてエリア02を特定する(図15参照)。さらに、ID対応付け尤度算出手段32は、時刻t1にID1を検出した移動体入力部2aのID出力確率マップから、そのエリア02のID出力確率0.5を取得する。同様に、ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t2における移動体の位置を軌跡連結Aに基づいて特定する。この場合、ID対応付け尤度算出手段32は、エリア12を特定する。そして、ID対応付け尤度算出手段32は、時刻t2にID1を検出した移動体入力部2aのID出力確率マップから、エリア12のID出力確率0.8を取得する(図15参照)。同様に、ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t3における移動体の位置としてエリア22を特定し、移動体入力部2aのID出力確率マップからエリア22のID検出確率0.5を取得する(図15参照)。
また、時刻t9,t10,t11において、ID1がエリア58で検出されている。このID1は、移動体入力部2b(図11参照)によって検出されたものである。ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t9における移動体の位置としてエリア57を軌跡連結Aに基づいて特定し、時刻t9にID1を検出した移動体入力部2bのID出力確率マップからエリア57のID出力確率0.5を取得する(図16参照)。同様に、ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t10に関してID検出確率0,8を取得し、ID1の検出時刻t11に関してID検出確率0.5を取得する(図16参照)。
ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t1,t2,t3,t9,t10,t11に関して求めた上記のID出力確率の積を計算し、0.04を得る。この値が軌跡連結AとID1のペアのID対応付け尤度である。
次に、軌跡連結AとID2(図12参照)との軌跡連結・IDペアのID対応付け尤度の算出過程を示す。図12に示すように、時刻t9,t10,t11においてID2がエリア58で検出されている。このID2は、移動体入力部2b(図11参照)によって検出されたものである。ID対応付け尤度算出手段32は、軌跡連結Aに基づいて、ID2の検出時刻t9における移動体の位置としてエリア57を特定し、移動体入力部2bのID出力確率マップからエリア57のID検出確率0.5を取得する(図16参照)。同様に、ID対応付け尤度算出手段32は、ID2の検出時刻t10に関してID出力確率0.8を取得し、ID2の検出時刻t11に関してID検出確率0.5を取得する(図16参照)。そして、ID対応付け尤度算出手段32は、ID2の検出時刻t9,t10,t11に関して求めたID出力確率の積を計算し、0.2を得る。この値が、軌跡連結AとID2のペアのID対応付け尤度である。
次に、軌跡連結BとID1(図12参照)との軌跡連結・IDペアのID対応付け尤度の算出過程を示す。ID対応付け尤度算出手段32は、軌跡連結Bに基づいて、ID1の検出時刻t1における移動体の位置としてエリア15を特定する。そして、ID対応付け尤度算出手段32は、時刻t1にID1を検出した移動体入力部2aのID出力確率マップから、そのエリア15のID出力確率0.1を取得する(図17参照)。同様に、ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t2における移動体の位置としてエリア25を特定し、移動体入力部2aのID出力確率マップからエリア25のID検出確率0.1を取得する(図17参照)。また、ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t3における移動体の位置としてエリア36を特定し、移動体入力部2aのID出力確率マップからエリア36のID検出確率0.1を取得する(図17参照)。
また、ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t9における移動体の位置としてエリア48を軌跡連結Bに基づいて特定し、時刻t9にID1を検出した移動体入力部2bのID出力確率マップからエリア48のID出力確率0.5を取得する(図18参照)。同様に、ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t10に関してID検出確率0,8を取得し、ID1の検出時刻t11に関してID検出確率0.5を取得する(図18参照)。
ID対応付け尤度算出手段32は、ID1の検出時刻t1,t2,t3,t9,t10,t11に関して求めた上記のID出力確率の積を計算し、0.0002を得る。この値が軌跡連結BとID1のペアのID対応付け尤度である。
次に、軌跡連結BとID2(図12参照)との軌跡連結・IDペアのID対応付け尤度の算出過程を示す。ID対応付け尤度算出手段32は、軌跡連結Bに基づいて、ID2の検出時刻t9における移動体の位置としてエリア48を特定し、移動体入力部2bのID出力確率マップからエリア48のID検出確率0.5を取得する(図18参照)。同様に、ID対応付け尤度算出手段32は、ID2の検出時刻t10に関してID出力確率0.8を取得し、ID2の検出時刻t11に関してID検出確率0.5を取得する(図18参照)。そして、ID対応付け尤度算出手段32は、ID2の検出時刻t9,t10,t11に関して求めたID出力確率の積を計算し、0.2を得る。この値が、軌跡連結BとID2のペアのID対応付け尤度である。
同様の手順によって、ID対応付け尤度算出手段32は、全ての軌跡連結・IDペアのID対応付け尤度を算出する。移動体のIDの検出時刻における移動体の位置座標が検出されていない場合、ID対応付け尤度算出手段32は、軌跡連結内の軌跡情報の内挿または外挿を行うことによって、ID検出時刻における移動体の位置を特定し、その位置におけるID出力確率を取得すればよい。
ステップS5の後、ID対応付け手段33は、ステップS5で算出した軌跡連結・IDペア毎のID対応付け尤度に基づいて、軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結に最も尤もらしいIDを対応付ける(ステップS6)。図19は、ステップS6の処理を具体的に示すフローチャートである。
ステップS6において、ID対応付け手段33は、ステップS3で生成された軌跡連結候補群のうち、ステップS602で選択されていない軌跡連結候補が存在しているか否かを判定する(ステップS601)。未選択の軌跡連結候補が存在する場合(ステップS601のYes)、ID対応付け手段33は、ステップS3で生成された軌跡連結候補群の中から、これまでステップS602で選択されていない軌跡連結候補を1つ選択する(ステップS602)。
次に、ID対応付け手段33は、ステップS602で選択した軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結をそれぞれ頂点とし、移動体の各IDをそれぞれ頂点とする2部グラフを作成する(ステップS603)。ID対応付け手段33は、軌跡連結に該当する頂点間に辺がなく、IDに該当する頂点間に辺がない2部グラフを作成する。図20は、ステップS603で作成される2部グラフの具体例を示す図である。図20に示す例では、軌跡連結100,101を頂点とし、ID1,ID2を頂点とする2部グラフを示している。図20に例示する2部グラフから、軌跡連結100,101とID1,ID2との対応関係が求められる。
ステップS603の後、ID対応付け手段33は、始点となるノードと終点となるノードを、作成した2部グラフの両端に追加する(ステップS604)。ID対応付け手段33は、例えば、軌跡連結に該当する各頂点に連結される始点と、IDに該当する各頂点に連結される終点を2部グラフに追加すればよい。図21は、図20に示す2部グラフに始点および終点を追加した例を示す。なお、図21において、各辺に示す値は、次に説明するステップS605で設定されるコストである。
ステップS604の後、ID対応付け手段33は、ステップS604で得られたグラフの各辺にコストを設定する(ステップS605)。コストとは、ノード同士の対応付けられ易さを示す値であり、コストが小さいほど、ノード同士が対応付けられやすいことを意味する。ID対応付け手段33は、軌跡連結に該当する頂点とIDに該当する頂点とを結ぶ辺に対して、その軌跡連結およびIDをペアにした軌跡連結・IDペアのID対応付け尤度の逆数をコストとして設定すればよい。例えば、軌跡連結100とID1とのペアのID対応付け尤度が0.025である場合、ID対応付け手段33は、軌跡連結100とID1とを結ぶ辺には、0.025の逆数である40をコストとして設定する。また、ID対応付け手段33は、始点と、軌跡連結に該当する各頂点とを結ぶ辺のコストを0に設定する。同様に、ID対応付け手段33は、終点と、IDに該当する各頂点とを結ぶ辺のコストを0に設定する。
また、ステップS605において、ID対応付け手段33は、各辺の容量を“1”に設定する。個々の辺の容量は、始点から終点までの経路を定める場合、辺にいくつのパスを通すことができるかを示す値である。従って、例えば、図21に示す例において、「始点、軌跡連結100、ID1、終点」という順にノードを通過する経路を定めた後では、それらのノード間の辺の各容量が0になる。この場合、その経路における軌跡連結100,ID1間のパスは、一つの移動体に関する軌跡連結とIDの対応関係を示している。また、別の移動体に対応するグラフ上の経路を探索する場合には、容量0になった辺は探索できない。
ステップS605の後、ID対応付け手段33は、ステップS605までの処理で得たグラフについて、グラフ理論における最小費用流問題を適用し、軌跡連結とIDとの対応関係求める(ステップS606)。ステップS606において、ID対応付け手段33は、軌跡連結の数とIDの数のうち少ない方の数を満たすべき流量として設定する。そして、ID対応付け手段33は、ステップS605までの処理で得たグラフについて、グラフ理論における最小費用流問題を適用し、始点から終点までのコストが最も小さくなる経路を選択する。
図21に例示するグラフが得られている場合、軌跡連結の数とIDの数はともに2個であるので、ID対応付け手段33は、流量を“2”とする。そして、ID対応付け手段33は、「始点、軌跡連結100、ID1、終点」をいう順にノードを通過する経路と、「始点、軌跡連結101、ID2、終点」という順にノードを追加する経路の2つを、コストの総和が最小であり流量“2”を満たす経路として選択する。
ステップS606で選択した経路に含まれる軌跡連結とIDの組み合わせが、ステップS602で選択した軌跡連結候補内の各軌跡連結に最も尤もらしいIDの対応付けを行った結果(ID対応付け候補)である。
ステップS602で選択した軌跡連結候補についてステップS606までの処理を行った後、ID対応付け手段33は、ステップS601以降の処理を繰り返し、軌跡連結候補毎にステップS602〜S606を実行する。また、未選択の軌跡連結候補がなくなったと判定した場合(ステップS601のNo)、ID対応付け手段33は、ステップS6の処理を終了する。
ステップS6の後、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS6で生成された全てのID対応付け候補を対象に、ID対応付け候補に含まれる軌跡連結内の軌跡情報がどのIDに対応付けられたか集計する(ステップS7)。ID対応付け結果集計手段34は、軌跡番号で軌跡情報を識別する。図22は、ステップS7の処理を具体的に示すフローチャートである。
ステップS7において、ID対応付け結果集計手段34は、一定時間の間に得られた各軌跡情報の軌跡番号で行を識別し、一定時間に検出された移動体のIDで列を識別する集計マップを作成する(ステップS701)。集計マップは、各行には軌跡番号が割り当てられ、各列には移動体のIDが割り当てられたテーブルであり、行と列の交差部分に該当する箇所をセルと呼ぶ。セルには値を格納可能である。各セルの初期値は0である。
ID対応付け結果集計手段34は、各軌跡連結候補のうち、ステップS703で選択されていない軌跡連結候補が存在しているか否かを判定する(ステップS702)。未選択の軌跡連結候補が存在している場合(ステップS702のYes)、ID対応付け結果集計手段34は、各軌跡連結候補の中から、これまでステップS702で選択されていない軌跡連結候補を1つ選択する(ステップS703)。
次に、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS703で選択した軌跡連結候補に含まれる軌跡連結のうち、ステップS705で選択されていない軌跡連結が存在するか否かを判定する(ステップS704)。その軌跡連結候補内にステップS705で選択されていない軌跡連結が存在している場合(ステップS704のYes)、ID対応付け結果集計手段34は、その軌跡連結候補から未選択の軌跡連結を選択する。さらに、ID対応付け結果集計手段34は、ID対応付け手段33によってその軌跡連結(現在着目している軌跡連結候補から選択した軌跡連結)に対応付けられた移動体のIDを特定する(ステップS705)。
次に、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS705で選択した軌跡連結に含まれる軌跡情報のうち、ステップS707で選択されていない軌跡情報が存在しているか否かを判定する(ステップS706)。その軌跡連結内にステップS707で選択されていない軌跡情報が存在している場合(ステップS706のYes)、ID対応付け結果集計手段34は、その軌跡連結から未選択の軌跡情報を選択する。さらに、ID対応付け結果集計手段34は、集計マップにおいて、その軌跡情報の軌跡番号と、ステップS705で特定した移動体のIDとによって定まるセルの値に1を加算する。すなわち、ID対応付け結果集計手段34は、その軌跡番号に該当する行と、そのIDに該当する列の交差部分のセルの値に1を加算する(ステップS707)。
ステップS707の後、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS706以降の動作を繰り返す。ステップS705で選択した軌跡連結内に未選択の軌跡情報が存在しなくなった場合(ステップS706のNo)、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS704以降の動作を繰り返す。
また、ステップS703で選択した軌跡連結候補内に未選択の軌跡連結が存在しなくなった場合(ステップS704のNo)、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS702以降の動作を繰り返す。
また、ステップS703で選択されていない軌跡連結候補が存在しなくなった場合には(ステップS702のNo)、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7の処理を終了する。
ステップS7の終了後に得られた各セルの値は、軌跡情報と移動体のIDとが対応付けられた回数の傾向を数値化したものであると言うことができる。
ステップS7の後、ID対応付けスコア算出手段35は、ステップS7で集計された結果(すなわち、集計マップの各セルの値)に基づいて、個々の軌跡番号に関して、ID毎のID対応付けスコアを計算する(ステップS8)。例えば、ID対応付けスコア算出手段35は、集計マップにおいて、個々の軌跡番号が示す列毎に、各セルの値の和が1になるように、各セルの値を正規化すればよい。すなわち、ID対応付けスコア算出手段35は、個々の軌跡番号が示す列毎に、列内の個々のセルの値を、列内のセルの値の総和で除算すればよい。この結果得られた個々のセルの値が、そのセルに対応する軌跡番号および移動体のIDの組に関するID対応付けスコアである。軌跡番号は軌跡情報を表しているので、ステップS8の結果により、個々の軌跡情報に関して、各IDのID対応付けスコアが得られることになる。
また、軌跡情報と、その軌跡情報についてID毎に求めたID対応付けスコアおよび各IDのリストとを合わせた情報には、移動体の位置座標およびその検出時刻と移動体のIDの情報が含まれている。従って、この情報は、ID対応付けスコアを含む動線情報であるということができる。ID対応付けスコア算出手段35は、この動線情報を生成する。
スコア付きID候補出力手段36は、ステップS8までの処理によって得られたID対応付けスコアを含む動線情報を動線情報分析部4に出力する(ステップS9)。
ステップS9におけるスコア付きID候補出力手段36から動線情報分析部4への情報出力態様は特に限定されない。例えば、スコア付きID候補出力手段36は、時刻を基準として、関連する情報を検出時刻毎に動線情報分析部4に出力してもよい。例えば、スコア付きID候補出力手段36は、検出時刻t1と、その時刻t1において検出された移動体の位置座標と、その時刻および位置座標に対して軌跡情報入力部1が割り当てた軌跡番号と、その軌跡番号に関して算出されたID毎のID対応付けスコアおよび各IDのリストとを、動線情報分析部4に出力してもよい。他の検出時刻に関しても同様である。
また、例えば、スコア付きID候補出力手段36は、移動体の位置座標を基準として、関連する情報を位置座標毎に動線情報分析部4に出力してもよい。例えば、スコア付きID候補出力手段36は、位置座標aと、その位置座標aの検出時刻と、その時刻および位置座標に対して軌跡情報入力部1が割り当てた軌跡番号と、その軌跡番号に関して算出されたID毎のID対応付けスコアおよび各IDのリストとを、動線情報分析部4に出力してもよい。他の位置座標に関しても同様である。
また、例えば、スコア付きID候補出力手段36は、軌跡番号を基準として、関連する情報を軌跡番号毎に動線情報分析部4に出力してもよい。例えば、スコア付きID候補出力手段36は、軌跡番号毎に、軌跡番号が示す軌跡情報と、その軌跡番号に関して算出されたID毎のID対応付けスコアおよび各IDのリストとを、動線情報分析部4に出力してもよい。
また、例えば、スコア付きID候補出力手段36は、軌跡番号と、その軌跡番号に関して算出されたID毎のID対応付けスコアおよび各IDのリストのみを動線情報分析部4に出力してもよい。この場合、分析に、位置座標、その検出時刻、ID情報が必要であれば、動線情報分析部4は、それらの情報を軌跡情報入力部1や、ID情報入力部2から直接取得してもよい。
動線情報分析部4がステップS9で取得した情報を用いて行う分析態様は特に限定されない。
本実施形態によれば、軌跡連結候補生成手段31が、軌跡連結および軌跡連結候補を生成する。そして、ID対応付け尤度算出手段32が、軌跡連結・IDペア毎にID対応付け尤度を算出する。ID対応付け手段33は、ID対応付け尤度を用いて、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補内の軌跡連結に対して、尤もらしいIDを対応付ける。従って、軌跡情報入力部1における移動体の位置座標の検出漏れや誤検出が生じていたり、ID情報入力部2における移動体のIDの検出漏れや誤検出が生じていたりしている場合であっても、軌跡連結に尤もらしいIDを対応付けた軌跡連結候補を複数生成することができる。すなわち、真の状態を表す仮説が含まれていない可能性があるが、ある程度尤もらしい仮説を複数生成することができる。そして、ID対応付け結果集計手段34が、軌跡連結内の軌跡情報がどのIDに対応付けられたか集計し、ID対応付け結果集計手段34がその集計結果に基づいて、軌跡情報がどのIDに対応付けられるかに関する傾向をスコア化する。従って、ある程度尤もな仮説集合の傾向から、個々の軌跡情報と個々の移動体のIDとの対応関係のあいまいさの程度を定量化することができる。
次に、上記の実施形態の変形例について説明する。上記の実施形態では、ステップS707(図22参照)でセルに加算する値を1に定めていた。これに対して、以下に示す変形例では、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎に軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを算出し、そのスコアに応じて集計マップのセルに値を加算する。以下に示す変形例では、ステップS7の処理が上記の実施形態と異なる。ステップS7以外の処理については、上記の実施形態と同様であり、説明を省略する。
以下に示す変形例では、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアの算出方法として、二種類の方法を示す。このスコアの第1の算出方法は、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結に対してID対応付け手段33がIDの対応付けを行った結果得られる軌跡連結およびIDの組に関するID対応付け尤度を参照し、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結毎のID対応付け尤度の積を用いて、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアとする方法である。このスコア算出方法において、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結毎にID対応付け尤度を特定し、各ID対応付け尤度の積を軌跡連結候補毎に求め、軌跡連結候補毎のID対応付け尤度の積算結果を、総和が1になるように正規化する。
また、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアの第2の算出方法として、以下の方法を採用してもよい。第2の算出方法を用いる場合、例えば、軌跡情報入力部1が移動体の位置座標の検出時刻に、位置座標だけでなく属性情報も検出し、軌跡連結候補生成手段31が軌跡情報内に各検出時刻における移動体の属性情報を含めておく。なお、この属性情報は、数値で定量化された値であるものとする。例えば、移動体の色であれば、R,G,Bに関して0〜255等の範囲内で数値化できる。このように数値化できる情報を属性情報として用いる。そして、第2の算出方法では、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結毎に、軌跡連結内の各軌跡情報に含まれる属性情報の分散を計算する。また、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結毎に、検出時間長も計算する。軌跡連結の検出時間長は、軌跡連結に含まれる軌跡情報のうち始点の検出時刻が最も早い軌跡情報における始点の検出時刻から、軌跡連結に含まれる軌跡情報のうち終点の検出時刻が最も遅い軌跡情報における終点の検出時刻までの時間である。また、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結毎に計算した属性情報の分散値の平均値(σaveとする。)と、検出時間長の和(Tsumとする。)を計算する。そして、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎のσaveを、総和が1になるように正規化する。同様に、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎のTsumを、総和が1になるように正規化する。ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎に、正規化後のσaveおよび正規化後のTsumを用いて以下の式(1)の計算を行い、その結果を、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアSとする。
S=α・(正規化後のσave)+β・(正規化後のTsum) 式(1)
α,βは、α+β=1を満足する係数であり、α,βの値は良好な動線情報が得られるように予め調整しておけばよい。
図23は、前述の実施形態の変形例におけるステップS7(図7参照)の処理を具体的に示すフローチャートである。図22と同様の処理については、図22と同一の符号を付す。本変形例では、ID対応付け結果集計手段34は、集計マップ作成処理(ステップS701)の前に、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを軌跡連結候補毎に算出する(ステップS700)。軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアの算出する方法として、上記の第1の算出方法や第2の算出方法がある。これらの算出方法における具体的な処理経過については後述する。
ステップS700の後、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS701以降の処理を実行する。ステップS701〜S706の処理は、前述の実施形態(図22参照)と同様であり、説明を省略する。
ステップS706において、ステップS705で選択した軌跡連結に含まれる軌跡情報のうち未選択の軌跡情報が存在すると判定した場合(ステップS706のYes)、ID対応付け結果集計手段34は、その軌跡連結から未選択の軌跡情報を選択する。さらに、ID対応付け結果集計手段34は、集計マップにおいて、その軌跡情報の軌跡番号とステップS705で特定した移動体のIDとによって定まるセルの値に、ステップS703で選択した軌跡連結候補のスコア(軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコア)を加算する(ステップS707a)。
次に、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアの算出処理(ステップS700)の具体的な処理について説明する。
まず、第1の算出方法を採用する場合について説明する。図24は、第1の算出方法を採用する場合のステップS700の処理経過の例を示すフローチャートである。なお、ステップS700において、既に述べたステップS702〜S705(図22、図23参照)と同様の処理が行われる。図24では、これらの処理を符号S7002〜S7005で示す。
ステップS700において、ID対応付け結果集計手段34は、まず、ID対応付け尤度算出手段32によって算出された各軌跡連結・IDペアのID対応付け尤度を取得する(ステップS7001)。S7001の後、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7002以降の処理を実行する。ステップS7002〜S7005の処理は、ステップS702〜S705(図22、図23参照)と同様であり、説明を省略する。
ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7005において、軌跡連結を選択し、その軌跡連結に対応づけられたIDを特定する。この処理は既に説明したステップS705と同様である。ステップS7005の後、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7005で選択した軌跡連結とステップS7005で特定したIDとの組に関するID対応付け尤度を、ステップS7003で選択した軌跡連結候補のスコア(軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコア)に乗算する(ステップS7007)。
ただし、第1の算出方法では、ID対応付け結果集計手段34は、各軌跡連結候補のスコア(軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコア)をステップS700の開始時に“1”に初期化しておく。従って、ステップS7003で軌跡連結候補を選択後、最初にステップS7007に移行したときには、ID対応付け結果集計手段34は、スコアの初期値“1”にID対応付け尤度を乗算する。
ステップS7007の後、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7004以降の処理を繰り返す。ステップS7003で選択した軌跡連結候補に関して、未選択の軌跡連結がなくなるまでステップS7004〜S7007の処理を繰り返すことで、ID対応付け結果集計手段34は、その軌跡連結候補に含まれる軌跡連結毎のID対応付け尤度の積算結果をスコアとして得ることができる。
ステップS7003で選択した軌跡連結候補に関して、未選択の軌跡連結がなくなった場合(ステップS7004のNo)、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7002以降の処理を繰り返す。未選択の軌跡連結候補がなくなるまでステップS7002以降の処理を繰り返すことで、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎にスコアを得ることができる。
未選択の軌跡連結候補がなくなった場合(ステップS7002のNo)、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎に、ステップS7007におけるID対応付け尤度の積算で得られたスコアを、各スコアの総和が1になるように正規化する(ステップS70008)。すなわち、ID対応付け結果集計手段34は、個々の軌跡連結候補のスコアを、各軌跡連結候補のスコアの総和で除算すればよい。この結果、軌跡連結候補毎に得られる値が、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアである。
ステップS7008を終了することで、ステップS700が終了する。その後、ID対応付け結果集計手段34は、図23に示すステップS701以降の処理を行えばよい。
なお、上記の第1の算出方法において、ID対応付け尤度の代わりに、ID対応付け尤度の対数値を用いてもよい。この場合、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7001において各軌跡連結・IDペアのID対応付け尤度の対数値を計算すればよい。そして、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7007では、選択した軌跡連結候補のスコアにID対応付け尤度の対数値を足し合わせればよい。
次に、第2の算出方法を採用する場合について説明する。図25は、第2の算出方法を採用する場合のステップS700の処理経過の例を示すフローチャートである。なお、第1の算出方法を採用する場合と同様に、ステップS700において、既に述べたステップS702〜S704(図22、図23参照)と同様の処理が行われる。図25では、これらの処理を符号S7002〜S7004で示す。
ステップS700において、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7002から処理を開始する。ステップS7002〜S7004の処理は、ステップS702〜S704(図22、図23参照)と同様であり、説明を省略する。
ステップS7004において、選択している軌跡連結候補内に未選択の軌跡連結があると判定した場合(ステップS7004のYes)、ID対応付け結果集計手段34は、その軌跡連結候補から未選択の軌跡連結を選択する。そして、ID対応付け結果集計手段34は、選択した軌跡連結内の各軌跡情報に含まれる属性情報の分散値を算出する(ステップS7011)。第2の算出方法を採用する場合、属性情報は属性を数値化した値であり、属性情報の分散値を算出することができる。ID対応付け結果集計手段34は、選択した軌跡連結内の各軌跡情報を参照し、個々の検出時刻に検出された属性情報の分散値を算出すればよい。
次に、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7011で選択した軌跡連結の検出時間長を算出する(ステップS7012)。ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結に含まれる軌跡情報のうち終点の検出時刻が最も遅い軌跡情報における終点の検出時刻から、軌跡連結に含まれる軌跡情報のうち始点の検出時刻が最も早い軌跡情報における始点の検出時刻を減算することによって検出時間長を算出すればよい。
ステップS7012の後、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7004以降の処理を繰り返す。ステップS7003で選択した軌跡連結候補に関して、未選択の軌跡連結がなくなった場合(ステップS7004のNo)、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7002以降の処理を繰り返す。未選択の軌跡連結候補がなくなるまでステップS7002以降の処理を繰り返すことで、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補内の各軌跡連結に関する属性情報の分散値および検出時間長が得られる。
未選択の軌跡連結候補がなくなった場合(ステップS7002のNo)、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補内の各軌跡連結に関する属性情報の分散値の平均値を算出する(ステップS7013)。1つの軌跡連結候補について求めた分散値の平均値をσaveと記す。
続いて、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補内の各軌跡連結の検出時間長の総和を算出する(ステップS7014)。1つの軌跡連結候補について求めた検出時間長の総和をTsumと記す。
ステップS7013,S7014の例を示す。ここでは、説明を簡単にするために、2つの軌跡連結候補(U,Vとする。)を用いて説明する。
軌跡連結候補Uには、2つの軌跡連結U1,U2が含まれているとする。そして、軌跡連結U1について算出された属性の分散値および検出時間長をそれぞれσU1,TU1とし、軌跡連結U2について算出された属性の分散値および検出時間長をそれぞれσU2,TU2とする。
また、軌跡連結候補Vには、3つの軌跡連結V1,V2,V3が含まれているとする。そして、軌跡連結V1について算出された属性の分散値および検出時間長をそれぞれσV1,TV1とする。軌跡連結V2について算出された属性の分散値および検出時間長をそれぞれσV2,TV2とする。軌跡連結V3について算出された属性の分散値および検出時間長をそれぞれσV3,TV3とする。
本例の場合、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7013において、軌跡連結候補Uにおけるσave(属性情報の分散値の平均値)として、σU1とσU2の平均値を算出すればよい。また、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補Vにおけるσaveとして、σV1,σV2,σV3の平均値を算出すればよい。
また、ID対応付け結果集計手段34は、ステップS7014において、軌跡連結候補UにおけるTsum(検出時間長の総和)として、TU1とTU2の和を算出すればよい。また、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補VにおけるTsumとして、TV1,TV2,TV3の和を算出すればよい。
ステップS7014の後、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎に求めたσave(属性情報の分散値の平均値)を正規化し、また、軌跡連結候補毎に求めたTsum(検出時間長の総和)についても正規化する。ID対応付け結果集計手段34は、個々の軌跡連結候補のσaveを、それぞれ、各軌跡連結候補のσaveの総和で除算すればよい。また、ID対応付け結果集計手段34は、個々の軌跡連結候補のTsumを、それぞれ、各軌跡連結候補のTsumの総和で除算すればよい。そして、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎に、正規化後のσaveおよび正規化後のTsumを用いて前述の式(1)の計算を行い、その結果を、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアSとする(ステップS7015)。
ステップS7015を終了することで、ステップS700が終了する。その後、ID対応付け結果集計手段34は、図23に示すステップS701以降の処理を行えばよい。
以上、説明した実施形態の変形例では、各軌跡連結候補に関して求めた軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアに基づいて、ID対応付けスコアを算出することができる。
また、第1の算出方法のステップS7008で得られる正規化後のスコアと、第2の算出方法のステップS7015で得られる正規化後のσaveおよび正規化後のTsumを用いて、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを算出してもよい。この場合、ID対応付け結果集計手段34は、軌跡連結候補毎に、以下の式(2)の計算を行い、その結果を、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアSとすればよい。
S=
α・(正規化後のσave)+β・(正規化後のTsum)+γ・(正規化後のスコア) 式(2)
α・(正規化後のσave)+β・(正規化後のTsum)+γ・(正規化後のスコア) 式(2)
式(2)において、正規化後のスコアは、第1の算出方法のステップS7008で得られるスコアである。また、式(2)において、α,β,γは、α+β+γ=1を満足する係数である。そして、α,β,γの値は良好な動線情報が得られるように予め調整しておけばよい。
次に、本発明の最小構成について説明する。図26は、本発明の動線情報生成システムの最小構成の例を示すブロック図である。本発明の動線情報生成システムは、軌跡連結候補生成手段91と、尤度算出手段92と、識別情報対応付け手段93と、対応付け傾向数値化手段94と、対応付けスコア算出手段95とを備える。
軌跡連結候補生成手段91(例えば、軌跡連結候補生成手段31)は、移動体の軌跡または追跡の途切れが生じたことによる移動体の軌跡の断片を表す軌跡情報であって、軌跡情報を識別する軌跡識別情報(例えば、軌跡番号)と、移動体の追跡中に検出された移動体の位置情報および当該位置情報の検出時刻のリストとを含む軌跡情報を用いて、1つの移動体の軌跡を表しているとみなすことができる軌跡情報の集合である軌跡連結と、全ての軌跡情報を漏れなく重複なく含んだ軌跡連結の集合である軌跡連結候補とを生成する。
尤度算出手段92(例えば、ID対応付け尤度算出手段32)は、軌跡連結と追跡領域内で検出された移動体識別情報(移動体のID)との組み合わせである軌跡連結・識別情報ペア(例えば、軌跡連結・IDペア)毎に、軌跡連結が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡を表している尤度(例えば、ID対応付け尤度)を算出する。
識別情報対応付け手段93(例えば、ID対応付け手段33)は、軌跡連結・識別情報ペア毎に算出された尤度に基づいて、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補に含まれる個々の軌跡連結に尤もらしい移動体識別情報を対応付ける。
対応付け傾向数値化手段94(例えば、ID対応付け結果集計手段34)は、個々の軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結と移動体識別情報との対応付けの結果から、個々の軌跡情報に関して、個々の移動体識別情報毎に、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を数値化する。
対応付けスコア算出手段95(例えば、ID対応付けスコア算出手段35)は、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を示す値(例えば、ステップS7終了時における集計マップの各セルの値)に基づいて、軌跡情報毎に、軌跡情報が表す軌跡が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡に該当するという対応関係のあいまいさの程度を示す対応付けスコア(例えば、ID対応付けスコア)を各移動体識別情報に関して算出する。
また、対応付け傾向数値化手段94は、識別情報対応付け手段93によって軌跡連結候補毎に得られた軌跡連結と移動体識別情報との対応付け結果を参照し、軌跡連結と移動体識別情報とを対応付けた組が成立している場合に、軌跡連結内の個々の軌跡情報と移動体識別情報との各組に関して1を加算してもよい。
また、対応付け傾向数値化手段94は、軌跡連結候補毎に軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを算出し、識別情報対応付け手段93によって軌跡連結候補毎に得られた軌跡連結と移動体識別情報との対応付け結果を参照し、軌跡連結と移動体識別情報とを対応付けた組が成立している場合に、軌跡連結内の個々の軌跡情報と移動体識別情報との各組に関して、その軌跡連結を含む軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを加算してもよい。
また、対応付け傾向数値化手段94は、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結と、識別情報対応付け手段93によって当該軌跡連結に対応付けられた移動体識別情報との組に関する尤度を、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結毎に乗算することによって、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを算出してもよい。
また、軌跡連結候補生成手段91は、移動体の属性情報を含む軌跡情報を用いて軌跡連結および軌跡連結候補を生成し、対応付け傾向数値化手段94は、軌跡連結候補に含まれる軌跡連結に含まれる移動体の各属性情報と、軌跡連結に含まれる軌跡情報における最初の検出時刻から最後の検出時刻までの長さとに基づいて、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを算出してもよい。
また、対応付けスコア算出手段95は、軌跡情報毎に各移動体識別情報に関する対応付けスコアの総和が1になるように対応付けスコアを算出してもよい。
また、軌跡連結候補生成手段91は、予め定められた所定の条件に該当する軌跡情報の集合を軌跡連結とすることを禁止してもよい。
この出願は、2012年2月29日に出願された日本特許出願2012−043641を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記の実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
本発明は、移動体の軌跡とIDとの対応関係を求める動線情報生成システムに好適に適用される。
例えば、オフィスや工場で勤務する人物の位置と各人物に固有の社員番号とを対応付けて動線検出することにより、人物毎に、セキュリティ権限に応じた立ち入り可能エリアに存在しているか否かを判定し、立ち入り可能エリア外に人物がいる場合にアラートを発生させるシステムに適用可能である。
また、ショッピングセンタ内で買い物をする買い物客の位置と各買い物客に固有の会員番号とID対応付けスコアとを対応づけて動線検出し、買い物客の動線の確からしさの程度を可視化するシステムに適用可能である。また、マーケティングを行う目的で、移動経路が類似する複数の人物の動線をまとめた主動線を可視化するシステムにも適用可能である。
また、任意の領域に区分した各売り場内で検出された軌跡に対応付けられるIDおよび、そのIDのID対応付けスコアを積み上げることによって、売り場毎の人口分布を可視化するシステムにも適用可能である。また、IDに基づいて、人物の年齢、性別、嗜好等の属性情報を取得し、各売り場内で検出された軌跡に対応付けられるIDおよび、そのIDのID対応付けスコアを積み上げることによって、各売り場にどのような人物がどのような比率で存在しているかを可視化するシステムにも適用可能である。
1 軌跡情報入力部
2 ID情報入力部
3 動線情報生成部
4 動線情報分析部
31 軌跡連結候補生成手段
32 ID対応付け尤度算出手段
33 ID対応付け手段
34 ID対応付け結果集計手段
35 ID対応付けスコア算出手段
36 スコア付きID候補出力手段
2 ID情報入力部
3 動線情報生成部
4 動線情報分析部
31 軌跡連結候補生成手段
32 ID対応付け尤度算出手段
33 ID対応付け手段
34 ID対応付け結果集計手段
35 ID対応付けスコア算出手段
36 スコア付きID候補出力手段
Claims (13)
- 移動体の軌跡または追跡の途切れが生じたことによる移動体の軌跡の断片を表す軌跡情報であって、軌跡情報を識別する軌跡識別情報と、移動体の追跡中に検出された移動体の位置情報および当該位置情報の検出時刻のリストとを含む軌跡情報を用いて、1つの移動体の軌跡を表しているとみなすことができる軌跡情報の集合である軌跡連結と、全ての軌跡情報を漏れなく重複なく含んだ軌跡連結の集合である軌跡連結候補とを生成する軌跡連結候補生成手段と、
軌跡連結と追跡領域内で検出された移動体識別情報との組み合わせである軌跡連結・識別情報ペア毎に、前記軌跡連結が前記移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡を表している尤度を算出する尤度算出手段と、
軌跡連結・識別情報ペア毎に算出された前記尤度に基づいて、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補に含まれる個々の軌跡連結に尤もらしい移動体識別情報を対応付ける識別情報対応付け手段と、
個々の軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結と移動体識別情報との対応付けの結果から、個々の軌跡情報に関して、個々の移動体識別情報毎に、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を数値化する対応付け傾向数値化手段と、
軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を示す値に基づいて、軌跡情報毎に、軌跡情報が表す軌跡が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡に該当するという対応関係のあいまいさの程度を示す対応付けスコアを各移動体識別情報に関して算出する対応付けスコア算出手段とを備える
ことを特徴とする動線情報生成システム。 - 対応付け傾向数値化手段は、識別情報対応付け手段によって軌跡連結候補毎に得られた軌跡連結と移動体識別情報との対応付け結果を参照し、軌跡連結と移動体識別情報とを対応付けた組が成立している場合に、前記軌跡連結内の個々の軌跡情報と前記移動体識別情報との各組に関して1を加算する
請求項1に記載の動線情報生成システム。 - 対応付け傾向数値化手段は、
軌跡連結候補毎に軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを算出し、
識別情報対応付け手段によって軌跡連結候補毎に得られた軌跡連結と移動体識別情報との対応付け結果を参照し、軌跡連結と移動体識別情報とを対応付けた組が成立している場合に、前記軌跡連結内の個々の軌跡情報と前記移動体識別情報との各組に関して、前記軌跡連結を含む軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを加算する
請求項1に記載の動線情報生成システム。 - 対応付け傾向数値化手段は、
軌跡連結候補に含まれる軌跡連結と、識別情報対応付け手段によって当該軌跡連結に対応付けられた移動体識別情報との組に関する尤度を、前記軌跡連結候補に含まれる軌跡連結毎に乗算することによって、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを算出する
請求項3に記載の動線情報生成システム。 - 軌跡連結候補生成手段は、移動体の属性情報を含む軌跡情報を用いて軌跡連結および軌跡連結候補を生成し、
対応付け傾向数値化手段は、
軌跡連結候補に含まれる軌跡連結に含まれる移動体の各属性情報と、軌跡連結に含まれる軌跡情報における最初の検出時刻から最後の検出時刻までの長さとに基づいて、軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを算出する
請求項3に記載の動線情報生成システム。 - 対応付けスコア算出手段は、軌跡情報毎に各移動体識別情報に関する対応付けスコアの総和が1になるように対応付けスコアを算出する
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の動線情報生成システム。 - 軌跡連結候補生成手段は、予め定められた所定の条件に該当する軌跡情報の集合を軌跡連結とすることを禁止する
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の動線情報生成システム。 - 移動体の軌跡または追跡の途切れが生じたことによる移動体の軌跡の断片を表す軌跡情報であって、軌跡情報を識別する軌跡識別情報と、移動体の追跡中に検出された移動体の位置情報および当該位置情報の検出時刻のリストとを含む軌跡情報を用いて、1つの移動体の軌跡を表しているとみなすことができる軌跡情報の集合である軌跡連結と、全ての軌跡情報を漏れなく重複なく含んだ軌跡連結の集合である軌跡連結候補とを生成し、
軌跡連結と追跡領域内で検出された移動体識別情報との組み合わせである軌跡連結・識別情報ペア毎に、前記軌跡連結が前記移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡を表している尤度を算出し、
軌跡連結・識別情報ペア毎に算出された前記尤度に基づいて、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補に含まれる個々の軌跡連結に尤もらしい移動体識別情報を対応付け、
個々の軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結と移動体識別情報との対応付けの結果から、個々の軌跡情報に関して、個々の移動体識別情報毎に、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を数値化し、
軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を示す値に基づいて、軌跡情報毎に、軌跡情報が表す軌跡が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡に該当するという対応関係のあいまいさの程度を示す対応付けスコアを各移動体識別情報に関して算出する
ことを特徴とする動線情報生成方法。 - 軌跡連結候補毎に得られた軌跡連結と移動体識別情報との対応付け結果を参照し、軌跡連結と移動体識別情報とを対応付けた組が成立している場合に、前記軌跡連結内の個々の軌跡情報と前記移動体識別情報との各組に関して1を加算する
請求項8に記載の動線情報生成方法。 - 軌跡連結候補毎に軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを算出し、
軌跡連結候補毎に得られた軌跡連結と移動体識別情報との対応付け結果を参照し、軌跡連結と移動体識別情報とを対応付けた組が成立している場合に、前記軌跡連結内の個々の軌跡情報と前記移動体識別情報との各組に関して、前記軌跡連結を含む軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを加算する
請求項8に記載の動線情報生成方法。 - コンピュータに、
移動体の軌跡または追跡の途切れが生じたことによる移動体の軌跡の断片を表す軌跡情報であって、軌跡情報を識別する軌跡識別情報と、移動体の追跡中に検出された移動体の位置情報および当該位置情報の検出時刻のリストとを含む軌跡情報を用いて、1つの移動体の軌跡を表しているとみなすことができる軌跡情報の集合である軌跡連結と、全ての軌跡情報を漏れなく重複なく含んだ軌跡連結の集合である軌跡連結候補とを生成する軌跡連結候補生成処理、
軌跡連結と追跡領域内で検出された移動体識別情報との組み合わせである軌跡連結・識別情報ペア毎に、前記軌跡連結が前記移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡を表している尤度を算出する尤度算出処理、
軌跡連結・識別情報ペア毎に算出された前記尤度に基づいて、軌跡連結候補毎に、軌跡連結候補に含まれる個々の軌跡連結に尤もらしい移動体識別情報を対応付ける識別情報対応付け処理、
個々の軌跡連結候補に含まれる各軌跡連結と移動体識別情報との対応付けの結果から、個々の軌跡情報に関して、個々の移動体識別情報毎に、軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を数値化する対応付け傾向数値化処理、および、
軌跡情報と移動体識別情報とが対応付けられた回数の傾向を示す値に基づいて、軌跡情報毎に、軌跡情報が表す軌跡が移動体識別情報によって識別される移動体の軌跡に該当するという対応関係のあいまいさの程度を示す対応付けスコアを各移動体識別情報に関して算出する対応付けスコア算出処理
を実行させるための動線情報生成プログラム。 - コンピュータに、
対応付け傾向数値化処理で、識別情報対応付け処理によって軌跡連結候補毎に得られた軌跡連結と移動体識別情報との対応付け結果を参照し、軌跡連結と移動体識別情報とを対応付けた組が成立している場合に、前記軌跡連結内の個々の軌跡情報と前記移動体識別情報との各組に関して1を加算させる
請求項11に記載の動線情報生成プログラム。 - 対応付け傾向数値化処理で
軌跡連結候補毎に軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを算出させ、
識別情報対応付け処理によって軌跡連結候補毎に得られた軌跡連結と移動体識別情報との対応付け結果を参照し、軌跡連結と移動体識別情報とを対応付けた組が成立している場合に、前記軌跡連結内の個々の軌跡情報と前記移動体識別情報との各組に関して、前記軌跡連結を含む軌跡連結候補の尤もらしさを表すスコアを加算させる
請求項11に記載の動線情報生成プログラム。
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