JP5806952B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、通常走行時にゲートイン弁を使用した場合における作動音の発生を抑制することができるブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
実施例1の電磁弁は、ブレーキ装置20内のゲートイン弁1(電磁弁)として用いられるものである。まずブレーキ装置20の液圧回路構成について説明する。
〔ブレーキ液圧回路の構成〕
図1は、ブレーキ装置20の液圧回路図である。このブレーキ装置20においては、P系統とS系統との2系統からなるX配管と呼ばれる配管構造となっている。P系統には、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)、右後輪のホイルシリンダW/C(RR)が接続されており、S系統には、右前輪のホイルシリンダW/C(FR)、左後輪のホイルシリンダW/C(RL)が接続されている。また、P系統、S系統それぞれに、ポンプPPとポンプPSとが設けられており、このポンプPPとポンプPSは、1つのモータMによって駆動される。また、S系統にはマスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサS1が設けられている。
マスタシリンダM/CとポンプPP,PSの吸入側とは、液路10P,10Sによって接続されている。この各液路10上には、ノーマルクローズのオン/オフ弁であるゲートイン弁1P,1Sが設けられている。また液路10上であって、ゲートイン弁1とポンプPとの間にはチェックバルブ5P,5Sが設けられており、この各チェックバルブ5は、ゲートイン弁1からポンプPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
更に各液路11には、各増圧バルブ3を迂回する液路16FL,16RR,16FR,16RLが設けられており、この液路16には、チェックバルブ9FL,9RR,9FR,9RLが設けられている。この各チェックバルブ9は、ホイルシリンダW/CからポンプPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
ホイルシリンダW/Cと液路14とは液路13P,13Sによって接続されており、液路13と液路14とはチェックバルブ7とリザーバ15との間において合流している。この各液路13にそれぞれ、ノーマルクローズ型のオン/オフ弁である減圧バルブ4FL,4RR,4FR,4RLが設けられている。
図2は実施例1のゲートイン弁断面図である。ゲートイン弁1は、ハウジング26内の液路10の途中に形成されたバルブ装着孔32に装着されている。ゲートイン弁1は通電により電磁力を発生するソレノイド21と、磁性体の固定鉄心27と、電磁力により駆動するアーマチュア24と、固定鉄心27とアーマチュア24との間において両者を離間する方向に付勢する第1スプリング28と、アーマチュア24のシリンダとなる中空のバルブボディ23と、アーマチュア24の先端に形成したプランジャ24aによって有効断面積A1の第1オリフィス25bが開閉されると共に軸方向貫通穴25aを有する第1部材25と、第1部材25の係合面25cと対向する被係合面30kとの間の開閉により第2オリフィス30aを形成する第2部材30と、第1部材25と第2部材30との間において両者を離間する方向に付勢する第2スプリング29と、第1部材25を収装すると共に第2部材30が圧入固定された円筒状のバルブハウジング40とを有する。
第1オリフィス25bの周辺には第1オリフィス25bに向かって凹む方向に傾斜した第1係合面25dが形成されている。
バルブハウジング40には円筒の内外を連通する吸入窓30gが形成されている。この吸入窓30gにはフィルタが設けられ、マスタシリンダM/Cから供給されるブレーキ液が流れ込むように接続されている。第2部材30の第1部材25側先端には、第2部材30の内外を連通する第2オリフィス30aが形成されている。第2オリフィス30aは、前述の第1オリフィス25bよりも大径に形成されている。第2オリフィス30aは、第2部材30の底部まで貫通しており、底部の開口部は排出口30iを構成している。この排出口30iは液路10sと接続され、ポンプ吸入側と接続されている。バルブハウジング40の先端とバルブ装着孔32の底部との間にシール部材41が装着され、吸入窓30g側と排出口30i側とを液密に画成している。
マスタシリンダM/Cから供給される高圧のブレーキ液は、第2部材30に形成された吸入窓30gからバルブハウジング40内部に供給される。ソレノイド21が非通電時には、第1部材25の第1係合面25dと、プランジャ24aの球面とが当接し、第1オリフィス25bを閉鎖している。また非通電時には、第1部材25の係合面25cと、第2部材30の被係合面30kとが当接し、第2オリフィス30aを封鎖している。ソレノイド21が通電されると、アーマチュア24が固定鉄心27側に吸引され、プランジャ24aが第1部材25の第1オリフィス25bを開放する。ほぼ同時に第1部材25も固定鉄心27側に移動して第2部材30の第2オリフィス30aを開放する。これにより、液路10が開放されてマスタシリンダM/Cのブレーキ液がポンプPに供給される。
ステップ101では、車両の横加速度G及び車速Vを読み込む。
ステップ102では、車速Vが所定車速Voより小さいか否かを判断し、小さいときは騒音が気になりやすい走行状態であると判断してステップ103に進み、それ以外のときは騒音が気にならない走行状態であると判断して本制御フローを終了する。
ステップ103では、横加速度Gが所定の横加速度Gmより小さいか否かを判断し、小さいときは騒音が気になりやすい走行状態であると判断してステップ104に進み、それ以外のときは騒音が気にならない走行状態であると判断して本制御フローを終了する。
ステップ104では、横加速度Gが所定範囲内(0より大きく、かつ、Goより小さい)か否かを判断し、所定範囲外である場合には緊急回避の機能が要求される可能性が高いと判断してステップ108に進み、所定範囲内である場合には緊急回避の要求はなく、静音性が求められると判断してステップ105に進む。
ステップ105では、マスタシリンダ圧Pを読み込む。
ステップ106では、マスタシリンダ圧が所定圧Poより小さいか否かを判断し、小さいときは緊急回避の機能が要求されないと判断してステップ107に進んで静音性を重視したゲートイン弁制御Aを実行し、それ以外のときはステップ108に進んで応答性を重視したゲートイン弁制御Bを実行する。
(ゲートイン弁制御A)
図5は実施例1のゲートイン弁制御Aの処理内容を表すタイムチャートである。ゲートイン弁制御Aでは、ゲートイン弁1を駆動する時間Tonを、指令電流I1を通電する時間T1と、指令電流I2を通電する時間T2に配分する。
・マスタシリンダ圧が発生していない場合
アーマチュア24とプランジャ25とが閉弁する方向にスプリング28とスプリング29の荷重差(以下、スプリング荷重差と記載する。)が働いている。よって、指令電流I1の設定は、スプリング荷重差に打ち勝つ最低限の力の吸引力を発生する電流値をI1として設定する。
次に、アーマチュア24が摺動し、固定鉄心27とアーマチュア24との隙間であるGAPが小さくなると、吸引力は大きくなる。この吸引力とスプリング荷重差の差分はゲートイン弁の駆動開始時(閉弁時から開弁への移行時)よりも大きくなるため、開弁状態を維持する保持時の電流値は駆動開始時の電流値よりも小さくて済む。このように開弁状態を維持できる最低限の吸引力を発生する指令電流値をI2として設定する。
このように、指令電流値をI1,I2として設定すると、図5に示すように、コイル等の影響により実電流値は指令電流値に対して遅れて立ち上がる。このとき、まずは大きな指令電流値I1を設定することで、初期の応答性を確保することができる。
次に、ブレーキペダルが踏み込まれ、マスタシリンダ圧が発生している場合には、マスタシリンダ圧がアーマチュア24をプランジャ25に押し付ける方向に力(P×A1)が作用する。ただし、Pはマスタシリンダ圧、A1は第1オリフィス25aの有効断面積である。つまり、スプリング28のスプリング力を助成する方向に力を発生することとなり、アーマチュア24を開弁するには、マスタシリンダ圧が発生しない場合に比べて大きな吸引力を必要とする。このため、ソレノイド21に通電する電流I1をマスタシリンダ圧に応じて高める必要がある。
図8は実施例1のゲートイン弁制御Bの処理内容を表すタイムチャートである。ゲートイン弁制御Bでは、ゲートイン弁1を駆動する時間Tonの間、継続して最大電流I3を通電する。すなわち、PWMデューティ100%によって通電することで、開弁応答性が必要な場合に対応する。例えば、衝突防止補助機能などの応答性が重視される場面では、静音性よりも応答性が要求されることから、一気にゲートイン弁1を開弁する。
(1)ドライバのブレーキペダル操作量に応じて液圧を発生するマスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cを接続する液路12(第1ブレーキ回路)と、マスタシリンダM/C内のブレーキ液を吸入し、液路12へ吐出するポンプPと、マスタシリンダM/CとポンプPの吸入側を接続する液路10(吸入回路)と、液路10に設けられたノーマルクローズ型のゲートイン弁1と、ゲートイン弁1に対し指令電流値を演算して開弁量をコントロールするECUA1(コントロールユニット)と、車両挙動に基づいてポンプPによるホイルシリンダ圧力の昇圧応答性を判断するステップ104(昇圧応答性判断部)を有し、ECUA1は判断された昇圧応答性が高応答と判断された時は指令電流値を最大電流値(予め設定された大きな値)とし、高応答より低い応答性と判断された時は指令電流値を予め設定された大きな値より小さな電流値である電流I1に調整するゲートイン弁駆動部52(指令電流値調整部)と、を備えた。
よって、緊急回避に必要な応答性を確保すると共に、通常走行での騒音を低減することができる。
よって、ドライバが大きな制動力を要求するような場面に必要な応答性を確保すると共に、通常走行での騒音を低減することができる。
よって、電磁弁の消費電流を小さくできるため、FET等の駆動素子の発熱、電磁弁のソレノイド21の発熱を小さくでき、これに伴ってゲートイン弁1や駆動素子を小型化もしくは廉価化を図ることができる。
21 ソレノイド
23 バルブボディ
24 アーマチュア
25 第1部材
25b 第1オリフィス
27 固定鉄心
28 スプリング
29 スプリング
30 第2部材
30a 第2オリフィス
30g 吸入窓
Claims (3)
- ドライバのブレーキペダル操作量に応じて液圧を発生するマスタシリンダと前記ホイルシリンダを接続する第1ブレーキ回路と、
前記マスタシリンダ内のブレーキ液を吸入し、前記第1ブレーキ回路へ吐出するポンプと、
前記マスタシリンダと前記ポンプの吸入側を接続する吸入回路と、
前記吸入回路に設けられたノーマルクローズ型ゲートイン弁と、
前記ノーマルクローズ型ゲートイン弁に対し指令電流値を演算して開弁量をコントロールするコントロールユニットと、
車両挙動に基づいて前記ポンプによる前記ホイルシリンダ圧力の昇圧応答性を判断する昇圧応答性判断部を有し、
前記コントロールユニットは前記判断された昇圧応答性が高応答と判断された時は前記指令電流値を予め設定された大きな値とし、前記高応答より低い応答性と判断された時は前記指令電流値を前記予め設定された大きな値より小さな値に前記指令電流値を調整する指令電流値調整部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。 - ドライバのブレーキペダル操作量に応じて液圧を発生するマスタシリンダと前記ホイルシリンダとを接続する第1ブレーキ回路と、
前記マスタシリンダ内のブレーキ液を吸入し、前記第1ブレーキ回路へ吐出するポンプと、
前記マスタシリンダと前記ポンプの吸入側とを接続する吸入回路と、
前記吸入回路に設けられたノーマルクローズ型ゲートイン弁と、
前記ノーマルクローズ型ゲートイン弁に対し指令電流値を演算して開弁量をコントロールするコントロールユニットと、
前記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサと、
を備え、
前記コントロールユニットは、検出された前記マスタシリンダ圧が予め設定されたマスタシリンダ圧より高いときに指令電流値を予め設定された大きな値とし、前記予め設定されたマスタシリンダ圧より低いときは指令電流値を前記予め設定された大きな値より小さな値に調整する指令電流値調整部と、
を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1または2に記載のブレーキ制御装置において、
前記指令電流調整部は、前記予め設定された大きな値より小さな値に基づき前記ノーマルクローズ型ゲートイン弁を開弁駆動したのちに指令電流値を低減させる指令電流値制限手段を備えたことを特徴とするブレーキ制御装置。
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