JP5806655B2 - 車両用携帯端末保持装置 - Google Patents
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Description
また、厚さが異なる携帯端末をケースに収納した場合であっても、ケースの上端部を回動軸としてロータが回動することにより、ロータとケースとの間に、種々の携帯端末の厚さに対応した収納スペースが確保されるとともに、スプリングの付勢力により、ロータとケースとで携帯端末を挟持して保持できる。したがって、厚さの異なる携帯端末を確実に保持できる。
また、厚さが異なる携帯端末をケースの下端部に収納した場合であっても、ケースの上端部を回動軸としてロータが回動することにより、ロータとケースとの間に、種々の携帯端末の厚さに対応した収納スペースが確保されるとともに、スプリングの付勢力により、ロータとケースとで携帯端末の下端部を挟持して保持できる。したがって、厚さの異なる携帯端末を確実に保持できる。
以下に、本発明の実施形態に係る車両用携帯端末保持装置20について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、図1に示すように、車両1の前後方向をX方向とし、前側を+X側とし、後側を−X側とする。また、車両1の左右方向をY方向とし、左側を+Y側とし、右側を−Y側とする。また、車両1の高さ方向をZ方向とし、上側を+Z側とし、下側を−Z側とする。以下では、必要に応じてXYZ軸の直交座標系を用いて説明する。
インストルメントパネル2の−Y側の領域は、運転席側パネル3となっている。運転席側パネル3には、ステアリングコラム5を介してステアリングホイール6が設けられている。ステアリングコラム5の+Z側には、運転者に向けて車速等の表示を行うメータ7が設けられている。
インストルメントパネル2の+Y側の領域は、助手席側パネル4となっている。助手席側パネル4には、グローブボックス8が開閉自在に設けられている。
AVユニット9およびエアコン吹出口10の−Z側であって、ステアリングコラム5の+Y側には、シフトレバー11が設けられている。また、シフトレバー11の+Y側には、エアコン操作ユニット12と収納凹部13とが、+Z側から−Z側に向かってこの順番に並んで設けられている。
センターロアパネル14の収納ポケット15の内側面のうち、−Y側面16には、−Y側に凹んだ凹部16aが設けられている。センターロアパネル14の−Y側面16の凹部16a内には、例えば携帯電話等の携帯端末P(図1においては不図示、図7および図8参照)を保持する車両用携帯端末保持装置20が配設されている。
図2は、+Y側から見たときの実施形態に係る車両用携帯端末保持装置20の説明図であり、図3は、−X側から見たときの実施形態に係る車両用携帯端末保持装置20の説明図である。
図2に示すように、車両用携帯端末保持装置20は、Y方向に開口部22を有する中空の略ボックス状に形成された部材である。図3に示すように、車両用携帯端末保持装置20は、Y方向に所定の厚みを有しており、センターロアパネル14の凹部16a(いずれも図1参照)内に配設可能となっている。
図4に示すように、車両用携帯端末保持装置20は、携帯端末P(図4においては不図示、図7および図8参照)を収納するケース40と、ケース40に設けられ、かつケース40の+Z側端部38(請求項の「上端部」に相当。)を回動軸Oとして回動可能なロータ50と、ロータ50に対して付勢するようにロータ50とケース40との間に配置されるスプリング60と、を備えている。
ケース40は、例えばポリプロピレン(PP)系樹脂材料や、アクリロニトリル(ABS)系樹脂材料、熱可塑性オレフィン(TPO)系樹脂材料等からなる部材であり、+Y側に配設されるアウターケース21と、−Y側に配設されるインナーケース31とから構成されている。
側壁部23a〜23dは、Y方向に沿って所定の高さとなるように配設されている。側壁部23a〜23dのうち、−X側壁部23aおよび+X側壁部23cのZ方向における中間部近傍には、それぞれアウターケース側取付部24,25が外側に張り出し形成されている。アウターケース側取付部24,25は、それぞれY方向に厚みを有する矩形平板状に形成されている。アウターケース側取付部24,25のX方向およびZ方向における中間部には、それぞれY方向に貫通する貫通孔24a,25aが形成されている。
また、側壁部23a〜23dのうち、+Z側壁部23bおよび−Z側壁部23dには、X方向およびY方向における中間部に、それぞれX方向に沿って延在するとともにZ方向に貫通する係止スリット26a,26bが形成されている。
当接壁部27の+Z側は、−X側壁部23aと、+Z側壁部23bと、+X側壁部23cと、当接壁部27とにより囲まれた開口部22となっている。開口部22には、携帯端末P(図7および図8参照)が挿入可能となっている。
図5に示すように、インナーケース31は、外形状が−Y側から見てアウターケース21の内形状に対応するように略ボックス状に形成されており、側壁部33(33a〜33d)と、−Y側壁部37とを有している。
図4に示すように、側壁部33a〜33dのうち、−X側壁部33aおよび+X側壁部33cには、それぞれアウターケース側取付部24,25に対応する位置に、インナーケース側取付部34,35が外側に張り出し形成されている。また、インナーケース側取付部34,35には、アウターケース側取付部24,25の貫通孔24a,25aと同心の貫通孔34a,35aが形成されている。
−X側壁部33aおよび+X側壁部33cの+Z側端部38a,38bには、それぞれX方向に貫通する軸支孔39a,39bが形成されている。−X側壁部33aおよび+X側壁部33cの+Z側端部38a,38bをX方向の外側に弾性変形させることにより、軸支孔39a,39bには、後述するロータ50に形成された一対の軸部55a,55bの先端部56a,56bがそれぞれ挿通可能となっている。
−Y側壁部37のX方向の中間部には、Y方向から見てZ方向に長手方向を有する略矩形状の逃げ部32が形成されている。逃げ部32は、−Y側壁部37をY方向に貫通して設けられており、ロータ50が回動したときに、ロータ本体部51との干渉を回避している。
また、逃げ凹部42内には、Z方向に沿って係止溝43が延在している。係止溝43内には、後述するスプリング60の一方側トーションバー62が配置される。
ロータ50は、ケース40と同様に、例えばポリプロピレン(PP)系樹脂材料や、アクリロニトリル(ABS)系樹脂材料、熱可塑性オレフィン系(TPO)樹脂材料等からなる部材であり、Y方向から見て略T字状に形成されている。ロータ50は、Y方向から見てZ方向に長手方向を有する略ボックス状のロータ本体部51と、ロータ本体部51の+Z側端部52においてX方向に沿って両外側に延在する一対の軸部55a,55bと、を有している。
ロータ本体部51の+Y側壁部51aには、スプリング60の他方側トーションバー63の先端部63aが当接している。これにより、ロータ50の−Z側端部53は、常にケース40の当接壁部27に向かって付勢されている。
また、一対の軸部55a,55bは、それぞれ先端部56a,56bが円柱形状に形成されている。先端部56a,56bの直径は、それぞれ−X側壁部33aおよび+X側壁部33cに形成された軸支孔39a,39bの直径よりも小径に形成されている。
図4および図6に示すように、一対の軸部55a,55bの先端部56a,56bのX方向端面のうち、Y方向の中間部よりも−Y側の領域は、それぞれX方向の内側に漸次傾斜するように形成されたテーパ面57a,57bとなっている。
ここで、図4に示すように、+Z側壁部33bのX方向両端部と、−X側壁部33aおよび+X側壁部33cの+Z側端部38a,38bとの間には、それぞれスリット44a,44bが設けられている。これにより、一対の軸部55a,55bの先端部56a,56bを軸支孔39a,39bに挿入する際に、ケース40の+Z側端部38a,38bをテーパ面57a,57bに沿わせて、X方向の外側に容易に弾性変形させることができる。したがって、一対の軸部55a,55bの先端部56a,56bを、軸支孔39a,39bに容易に挿入配置できる。
スプリング60は、いわゆるねじりコイルバネであり、コイル部61と、コイル部61から外方に延出された一対のトーションバー62,63と、を備えている。
スプリング60は、コイル部61の内側に、ロータ50に設けられた一対のスプリング保持部54,54が挿通されてロータ50に装着される。そして、スプリング60は、一方側トーションバー62がインナーケース31の係止溝43に係止され、他方側トーションバー63の先端部63aがロータ50の+Y側壁部51aに当接されることで、ロータ50に対して付勢するようにロータ50とケース40との間に配置される。これにより、ロータ50の−Z側端部53は、スプリング60の付勢力によって、常にケース40の当接壁部27に向かって付勢される。なお、一方側トーションバー62の先端部62aをL字形状に屈曲形成してもよい。これにより、一方側トーションバー62の先端部62aは、インナーケース31の補強接続部41に係止されて係止溝43から抜け出るのを確実に防止できる。
続いて、上述した車両用携帯端末保持装置20の作用について図面を用いて説明をする。
図7は、図1のA−A線に沿う断面図であって、薄いタイプの携帯端末P1を保持したときの車両用携帯端末保持装置20の説明図である。
図8は、図1のA−A線に沿う断面図であって、厚いタイプの携帯端末P2を保持したときの車両用携帯端末保持装置20の説明図である。
なお、図7および図8において、スプリング60のトーションバー62,63を二点鎖線で図示している。
まず、収納ポケット15内に設けられた車両用携帯端末保持装置20のケース40の開口部22から、携帯端末P1をケース40の内部に挿入する。このとき、携帯端末P1は、ロータ本体部51をスプリング60の付勢力に反して−Y側に押圧しながら、ロータ本体部51の+Y側壁部51aに沿うように挿入される。ここで、ロータ50は、+Z側の回動軸Oを中心として回動し、ロータ50の−Z側端部53が−Y側に移動する。そして、携帯端末P1の−Z側端部が、ケース40内の底部(本実施形態においては、アウターケース21の−Z側壁部23dおよびインナーケース31の−Z側壁部33dのいずれか)と当接した時点で、ケース40内に携帯端末P1の−Z側端部が収納される。以上により、携帯端末P1は、スプリング60の付勢力によって、ロータ50の−Z側端部53とケース40の当接壁部27とで挟持されて、車両用携帯端末保持装置20に保持される。
ロータ50は、+Z側の回動軸Oを中心として回動可能となっており、ロータ50の−Z側端部53が−Y側に移動可能となっている。ここで、厚いタイプの携帯端末P2をケース40内に挿入したときのロータ50の−Y側への移動量は、薄いタイプの携帯端末P1をケース40内に挿入したときのロータ50の−Y側への移動量(図7参照)よりも大きくなる。しかし、インナーケース31の補強接続部41には、逃げ凹部42が形成されているので、ロータ50の−Y側への移動量を十分に確保できる。
したがって、厚いタイプの携帯端末P2をケース40内に挿入した場合であっても、ロータ50の−Z側端部53とケース40の当接壁部27との間に、厚いタイプの携帯端末P2に対応した収納スペースを確保できる。以上により、厚いタイプの携帯端末P2は、薄いタイプの携帯端末P1と同様に、スプリング60の付勢力によりロータ50の−Z側端部53とケース40の当接壁部27とで挟持されて、車両用携帯端末保持装置20に保持される。
本実施形態によれば、携帯端末Pを収納するケース40と、ケース40の+Z側端部38を回動軸Oとして回動可能なロータ50と、ロータ50に対して付勢するようにロータ50とケース40(本実施形態ではインナーケース31)との間に配置されるスプリング60と、を備えているので、ケース40に携帯端末Pを収納したときに、スプリング60の付勢力により、ロータ50とケース40とで携帯端末Pを挟持して保持できる。
また、厚さが異なる携帯端末P(例えば薄いタイプの携帯端末P1および厚いタイプの携帯端末P2)をケース40に収納した場合であっても、ケース40の+Z側端部38を回動軸Oとしてロータ50が回動することにより、ロータ50とケース40との間に、種々の携帯端末Pの厚さに対応した収納スペースが確保されるとともに、スプリング60の付勢力により、ロータ50とケース40とで携帯端末Pを挟持して保持できる。したがって、厚さの異なる携帯端末Pを確実に保持できる。
また、スプリング60は、実施形態のいわゆるねじりコイルバネに限定されない。例えば、板ばねやスプリングばね等のコイルバネ以外の付勢部材をロータ50とケース40との間に設けることにより、本発明の目的を達成できる。
2 インストルメントパネル
20 車両用携帯端末保持装置
21 アウターケース
31 インナーケース
38 +Z側端部(上端部)
40 ケース
50 ロータ
60 スプリング
O 回動軸
P,P1,P2 携帯端末
Claims (1)
- 車両のインストルメントパネルに携帯端末を保持する車両用携帯端末保持装置であって、
前記携帯端末を収納するケースと、
前記ケース内に設けられ、かつ前記ケースの上端部を回動軸として回動可能なロータと、
前記ロータに対して付勢するように前記ロータと前記ケースとの間に配置されるスプリングと、
前記ロータに設けられ、前記回動軸に沿うように延在する一対の軸部と、
前記ケースに設けられ、前記一対の軸部が挿入される軸支孔と、
を備え、
前記携帯端末を前記ロータと前記ケースとにより保持し、
前記ケースは、アウターケースとインナーケースとから構成され、前記インナーケースには、前記ロータとの干渉を回避する逃げ部が形成されていることを特徴とする車両用携帯端末保持装置。
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