JP5806017B2 - ストレッチフォーミング装置 - Google Patents

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本発明は、ワークをストレッチフォーミングするストレッチフォーミング装置に関する。
従来より、ワークを所望の形状に引っ張り成形するストレッチフォーミングが行われている。ストレッチフォーミングは、例えば特許文献1に記載するように、ワークの両端を把持する一対のジョーと、一対のジョーの間に配置されてワークと当接する金型と、各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更する複数の制御軸とを備えるストレッチフォーミング装置を用いて行われる。ストレッチフォーミング装置は、複数の制御軸によって各ジョーおよび金型の位置姿勢を変化させることにより、ワークを金型に巻きつけて所望の形状にストレッチフォーミングする。
特表2009−523613号公報
ところで、ストレッチフォーミング装置を用いたストレッチフォーミングは、作業者が複数の制御軸を手動操作することにより行われているため、ワークの成形結果は作業者の技能に大きく依存する。例えば、作業者は、金型を上昇させる制御軸の手動操作を実行しつつ、一対のジョーそれぞれを金型に近づける制御軸の手動操作を実行することにより、ワークを金型に巻きつける作業を実行する。場合によっては、ワークにテンションを付与する制御軸を手動操作することにより、作業者はテンションを調節する。さらに加えて、テンション方向を調節する制御軸を、作業者は手動操作する。このように、作業者は、複数の制御軸の操作を、ワークWの最終形状を考えつつ実行しなければならない。したがって、ストレッチフォーミング装置の手動操作は、熟練者でなければ難しい。
そこで、本発明は、作業者のストレッチフォーミング装置の手動操作を簡単にすることを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、
ワークの両端を把持する一対のジョーと、一対のジョーの間に配置されてワークと当接する金型と、各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更するための複数の制御軸とを有するストレッチフォーミング装置であって、
複数の制御軸を動作させて各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更することによってワークを金型に巻きつけるときに、一部の制御軸に対する作業者の手動操作に基づいて、残りの制御軸を同期制御する制御装置を有し、
制御装置は、
金型表面上に設定された金型基準点とジョーのワーク把持中心に設定されたジョー基準点との間の距離を一定に維持するように、金型の上昇動作とジョーの水平方向に金型に接近する動作とを、複数の制御軸を制御することによって同期させる、ストレッチフォーミング装置が提供される。
第2の態様によれば、
ワークの両端を把持する一対のジョーと、一対のジョーの間に配置されてワークと当接する金型と、各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更するための複数の制御軸とを有するストレッチフォーミング装置であって、
複数の制御軸を動作させて各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更することによってワークを金型に巻きつけるときに、一部の制御軸に対する作業者の手動操作に基づいて、残りの制御軸を同期制御する制御装置と、
ジョーから金型に向かってワークが延びる方向の該ジョーに対する角度を測定するワーク角度測定手段と、
テンション軸のストローク範囲内におけるジョー位置を測定するジョー位置測定手段とを有し、
複数の制御軸には、
水平方向に延びる回転中心線を中心としてジョーを回転させるスイング軸と、
スイング軸の回転中心線と直交する直線方向にジョーをストロークさせる駆動シリンダを備えるテンション軸とが含まれ、
制御装置は、
テンション軸の駆動シリンダのシリンダ出力を一定に制御してワークに付与するテンションを一定に維持しつつ、ジョーから金型に向かってワークが延びる方向とテンション軸のストローク方向とが一致する角度を角度測定手段が測定し続けるようにスイング軸を制御しつつ、且つ、ジョー位置測定手段が測定するジョー位置の変化量に基づいて、金型の上昇動作とジョーの水平方向に金型に接近する動作とを、複数の制御軸を制御することによって同期させる、ストレッチフォーミング装置が提供される。
第3の態様によれば、
ワークの両端を把持する一対のジョーと、一対のジョーの間に配置されてワークと当接する金型と、各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更するための複数の制御軸とを有するストレッチフォーミング装置であって、
複数の制御軸を動作させて各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更することによってワークを金型に巻きつけるときに、一部の制御軸に対する作業者の手動操作に基づいて、残りの制御軸を同期制御する制御装置と、
金型表面形状を測定する金型表面形状測定手段とを有し、
複数の制御軸には、
水平方向に延びる回転中心線を中心としてジョーを回転させるスイング軸が含まれ、
制御装置は、
金型表面形状に基づいて、ワークが離れ始める金型表面上位置における接線方向とジョーから金型に向かってワークが延びる方向とが一致し続けるようにスイング軸を制御しつつ、ワークの両端間の長さを一定に維持するように、金型の上昇動作とジョーの水平方向に金型に接近する動作とを、複数の制御軸を制御することによって同期させる、ストレッチフォーミング装置が提供される。
第4の態様によれば、
複数の制御軸には、
金型を鉛直方向に上昇させる金型昇降軸と、
ジョーを水平方向に金型に接近させるキャリッジ軸とが含まれ、
制御装置は、
金型基準点とジョー基準点との間の距離を一定に維持するように、金型昇降軸の金型を上昇させる動作と、キャリッジ軸のジョーを金型に接近させる動作とを同期させる、第の態様に記載のストレッチフォーミング装置が提供される。
第5の態様によれば、
複数の制御軸には、
水平方向に延びる回転中心線を中心としてジョーを回転させるスイング軸と、
スイング軸の回転中心線と直交する直線方向にジョーをストロークさせるテンション軸
とが含まれ、
制御装置は、
金型基準点とジョー基準点とを結ぶ直線が延びる方向とテンション軸のストローク方向
とが一致し続けるようにスイング軸を制御しつつ、金型基準点とジョー基準点との間の距
離を一定に維持するようにテンション軸を制御する、第または第4の態様に記載のスト
レッチフォーミング装置が提供される。
第6の態様によれば、
複数の制御軸には、
金型を鉛直方向に上昇させる金型昇降軸と、
ジョーを水平方向に金型に接近させるキャリッジ軸とが含まれ、
制御装置は、
ジョー位置測定手段が検出するジョー位置の変化量に基づいて、金型昇降軸の金型を上昇させる動作と、キャリッジ軸のジョーを金型に接近させる動作とを同期させる、第2の態様に記載のストレッチフォーミング装置が提供される。
第7の態様によれば、
複数の制御軸には、
金型を鉛直方向に上昇させる金型昇降軸と、
ジョーを水平方向に金型に接近させるキャリッジ軸とが含まれ、
制御装置は、
ワークの両端間の長さを一定に維持するように、金型昇降軸の金型を上昇させる動作と、キャリッジ軸のジョーを金型に接近させる動作とを同期させる、第の態様に記載のストレッチフォーミング装置が提供される。
第8の態様によれば、
作業者が一部の制御軸を手動操作することによって金型が上昇し、
制御装置は、金型の上昇動作に同期するように残りの制御軸を制御する、第1〜第7の態様のいずれか一に記載のストレッチフォーミング装置が提供される。
の態様によれば、
複数の制御軸に、ジョーをストロークさせるテンション軸が含まれ、
制御装置は、
テンション軸のストローク方向にジョーをストロークさせるための作業者の手動操作に基づいて、テンション軸以外の制御軸を制御してジョーをテンション軸のストローク方向に移動させる、第1〜第の態様のいずれか一に記載のストレッチフォーミング装置が提供される。
10の態様によれば、
複数の制御軸には、
金型を鉛直方向に上昇させる金型昇降軸と、
ジョーを水平方向に金型に接近させるキャリッジ軸とが含まれ、
制御装置は、
テンション軸のストローク方向にジョーをストロークさせるための作業者の手動操作に
応じて、金型昇降軸の金型を上昇させる動作と、キャリッジ軸のジョーを金型に接近させ
る動作とを同期させる、第の態様に記載のストレッチフォーミング装置が提供される。
本発明によれば、複数の制御軸を動作させて各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更することによってワークを金型に巻きつけるときに、一部の制御軸に対する作業者の手動操作に基づいてストレッチフォーミング装置の制御装置が残りの制御軸を同期制御するため、作業者が手動操作する制御軸の数が減少する。これにより、作業者のストレッチフォーミング装置の手動操作が簡単になる。
本発明の実施の形態1に係るストレッチフォーミング装置の制御軸の構成を示すモデル図 実施の形態1に係るストレッチフォーミング装置によるストレッチフォーミングを説明するための図 実施の形態1に係る制御軸の同期制御を説明するための図 実施の形態1に類似する別の実施の形態に係る同期制御を説明するための図 本発明の実施の形態2に係るストレッチフォーミング装置の特徴を説明するための図 実施の形態2に係る制御軸の同期制御を説明するための図 本発明の実施の形態3に係るストレッチフォーミング装置の特徴を説明するための図 実施の形態3に係る制御軸の同期制御を説明するための図 本発明の実施の形態4に係るストレッチフォーミング装置の特徴を説明するための図 本発明の前提条件を説明するための図
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るストレッチフォーミング装置の構成を概略的に示す図である。
図1に示すように、ストレッチフォーミング装置10は、板状のワークWを両端で把持する一対のジョーJ,Jと、一対のジョーJ,Jの間に配置されてワークWと当接する金型Dとを有する。
ストレッチフォーミング装置10には、互いに直交し合うX軸、Y軸、およびZ軸からなるシステム座標系ΣSが定義されている。X軸方向およびY軸方向は水平方向であり、Z軸方向は鉛直方向である。
また、金型Dにも、正確には金型Dが交換可能に固定されているダイテーブルTにも、互いに直交し合うX軸、Y軸、およびZ軸からなるダイテーブル座標系ΣDが定義されている。ダイテーブル座標系ΣDの原点は、テーブルTの中心に位置するとともに、システム座標系ΣSのZ軸上に位置する。
さらに、ジョーJ,Jそれぞれにも、直交座標系であるジョー座標系ΣJ,ΣJが定義されている。ジョー座標系ΣJ,ΣJの原点は、ジョーJ,JのワークWの把持中心に位置するジョーJ,Jの基準点PJL,PJRに位置する。
ストレッチフォーミング装置10はまた、金型Dの位置姿勢を変更する金型用の制御軸として、ストレッチフォーミング装置10のベースBに対して金型D(ダイテーブルT)を鉛直方向(Z軸方向)に昇降させるダイテーブル昇降軸JD1(特許請求の範囲の「金型昇降軸」に対応)と、金型DをX軸方向と平行に延びる回転中心線CD1を中心として回転させるダイテーブルチルト軸JD2とを有する。
ストレッチフォーミング装置10はさらに、ジョーJの位置姿勢を変更するジョーJ用の制御軸として、ストレッチフォーミング装置10のベースBからジョーJに向かって順に、ジョーJをX軸と平行にストロークさせるキャリッジ軸JL1と、Z軸と平行に延びる回転中心線CL1を中心としてジョーJを回転させるアンギュレーション軸JL2と、ジョーJを水平方向(X−Y平面と平行)にストロークさせるスライダ軸JL3と、スライダ軸JL3のストローク方向と平行に延びる回転中心線CL2を中心としてジョーJを回転させるスイング軸JL4と、スイング軸JL4の回転中心線CL2と直交する直線方向にジョーJをストロークさせるテンション軸JL5と、テンション軸JL5のストローク方向に延びる回転中心線CL3を中心としてジョーJを回転させるローテーション軸JL6とを有する。なお、また、テンション軸JL5のストローク方向は、ジョー座標系ΣJのXJL軸方向と一致する。
同様に、ストレッチフォーミング装置10は、ジョーJの位置姿勢を変更するジョーJ用の制御軸として、ストレッチフォーミング装置10のベースBからジョーJに向かって順に、ジョーJをX軸と平行にストロークさせるキャリッジ軸JR1と、Z軸と平行に延びる回転中心線CR1を中心としてジョーJを回転させるアンギュレーション軸JR2と、ジョーJを水平方向(X−Y平面と平行)にストロークさせるスライダ軸JR3と、スライダ軸JR3のストローク方向と平行に延びる回転中心線CR2を中心としてジョーJを回転させるスイング軸JR4と、スイング軸JR4の回転中心線CR2と直交する直線方向にジョーJをストロークさせるテンション軸JR5と、テンション軸JR5のストローク方向に延びる回転中心線CR3を中心としてジョーJを回転させるローテーション軸JR6とを有する。なお、テンション軸JR5のストローク方向は、ジョー座標系ΣJのXJR軸方向と一致する。
加えて、ストレッチフォーミング装置10は、14個の制御軸JD1〜JD2、JL1〜JL6、JR1〜JR6を制御する制御装置(図示せず)を有する。具体的には、ストレッチフォーミング装置10が制御軸JD1〜JD2、JL1〜JL6、JR1〜JR6それぞれに該制御軸を駆動する駆動シリンダ(図示せず)を有し、制御装置は、その駆動シリンダを制御する。
制御軸JD1〜JD2、JL1〜JL6、JR1〜JR6を駆動する駆動シリンダは、流体圧シリンダ(例えば油圧シリンダ)であって、ピストンを挟んで隣接するロッド側シリンダ室とヘッド側シリンダ室それぞれに油圧が供給される。制御装置は、電磁バルブ,油圧ポンプなど(図示せず)の油圧系構成要素を制御することによってロッド側シリンダ室とヘッド側シリンダ室とにそれぞれ供給される油圧を調節し、それにより、制御軸JD1〜JD2、JL1〜JL6、JR1〜JR6それぞれの駆動シリンダを制御する。
ストレッチフォーミング装置10の制御装置はまた、駆動シリンダに対して、ピストン位置を制御する位置制御またはシリンダ出力を制御する圧力制御を実行するように構成されている。なお、制御軸JD1〜JD2、JL1〜JL6、JR1〜JR6それぞれについて、駆動シリンダを位置制御するまたは圧力制御するかを作業者が選択できるように、ストレッチフォーミング装置10は構成されている。
ダイテーブルチルト軸JD2、アンギュレーション軸JL2,JR2、スイング軸JL4,JR4、およびローテンション軸JL6,JR6のような回転軸は、クランク機構を介して、駆動シリンダのロッドの進退によって所定の角度範囲でジョーJ,Jを回転させる。制御装置が駆動シリンダを位置制御することにより、回転軸の回転中心線を中心とするジョーの角度位置が制御される。または、駆動シリンダを圧力制御することにより、回転軸のトルクが制御される。
ダイテーブル昇降軸JD1、キャリッジ軸JL1,JR1、スライダ軸JL3,JR3、およびテンション軸JL5,JR5のような並進軸は、駆動シリンダの進退によって所定の範囲でジョーJ,Jをストロークさせる。制御装置が駆動シリンダを位置制御することにより、並進軸のストローク範囲内におけるジョーの位置が制御される。または、駆動シリンダを圧力制御することにより、並進軸の推力が制御される。
なお、本明細書においては、「圧力制御」との明記がない場合、制御軸(駆動シリンダ)は位置制御されるものとする。
加えてまた、ストレッチフォーミング装置10は、作業者によって制御軸JD1〜JD2、JL1〜JL6、JR1〜JR6それぞれを手動操作できるように構成されている。具体的には、ストレッチフォーミング装置10は、制御軸JD1〜JD2、JL1〜JL6、JR1〜JR6それぞれに対して、作業者が手動操作するための操作入力部(図示せず)を有する。
例えば、操作入力部はボタンで構成され、そのボタンを作業者が押し続けている間、対応する制御軸は、制御装置に制御されて、予め設定された一定の速度で動作し続ける。また例えば、作業者がボタンを一回押すと、対応する制御軸は、制御装置に制御されて、予め設定された動作量で動作する。
例えば、ダイテーブル昇降軸JD1を手動操作するための操作入力部が「金型上昇」ボタンと「金型降下」ボタンとで構成されている場合、作業者が「金型上昇」ボタンを押し続けると、制御装置がダイテーブル昇降軸JD1を制御することにより、金型Dは予め設定された速度で上昇し続ける。また、「金型上昇」ボタンを一回押すと、金型Dは予め設定された移動量だけ上昇する。
このような複数の制御軸JD1〜JD2、JL1〜JL6、JR1〜JR6それぞれの操作入力部を介する作業者のストレッチフォーミング装置10の手動操作に関して、制御装置は、作業者の手動操作を補助するように構成されている。
具体的に説明すると、ストレッチフォーミング装置10では、作業者が複数の制御軸JD1〜JD2、JL1〜JL6、JR1〜JR6を手動操作することにより、ジョーJ,Jや金型Dの位置姿勢が変更され、それにより、ワークWが金型Dの表面に巻きつけられる。複数の制御軸JD1〜JD2、JL1〜JL6、JR1〜JR6を手動操作するため、作業者の負担が大きい。
この対処として、ストレッチフォーミング装置10は、ワークWを金型Dに巻きつけるために必要な複数の制御軸について、その一部の制御軸を作業者が手動操作し、作業者が手動操作に基づいて、すなわち手動操作される制御軸の動作に同期して、残りの制御軸を制御装置が制御するように構成されている。
例えば、ワークWの伸び変形を抑制しつつ該ワークWを金型Dに巻きつける場合、図2に示すように、作業者は、ワークWを伸びないように、ダイテーブル昇降軸JD1を手動操作してワークWに当接した状態の金型Dを上昇させつつ、キャリッジ軸JL1,JR1を手動操作してジョーJ,Jを金型Dに接近させる。
また、ダイテーブル昇降軸JD1とキャリッジ軸JL1,JR1に加えて、図2に示すように、作業者は、ジョーJ,Jから金型Dに向かってワークWが延びる方向とテンション軸JL5,JR5のストローク方向とが一致するようにスイング軸JL4,JR4を手動操作するとともに、テンション軸JL5,JR5も手動操作する。
この場合、作業者は、伸び変形を抑制しつつワークWを金型Dに巻きつけるために、7つの制御軸JD1,JL1,JR1,JL4,JR4,JL5,JR5を手動操作しなければならず、そのため負担が大きい。
この対処として、ストレッチフォーミング装置10は、伸び変形を抑制しつつワークWを金型Dに巻きつけるために必要な7つの制御軸JD1,JL1,JR1,JL4,JR4,JL5,JR5について、その一部の制御軸を作業者が手動操作し、残りの制御軸を制御装置が同期制御するように構成されている。
具体的には、ストレッチフォーミング装置10の制御装置は、ワークWの伸び変形を抑制するために、金型Dの最頂点に設定された金型基準点Pとジョー基準点PJL,PJRそれぞれとの間の距離を一定に維持するように、制御軸の同期制御を実行する。
例えば、図3に示すように、作業者がダイテーブル昇降軸JD1を手動操作して金型D(金型基準点P)を上昇速度VDで上昇させると、ストレッチフォーミング装置10の制御装置は、金型基準点PとジョーJの基準点PJLとの間の距離D1を一定に維持するように、キャリッジ軸JL1を制御して水平方向に移動速度V1でジョーJを金型Dに接近させる。
また同時に、ストレッチフォーミング装置10の制御装置は、金型基準点Pとジョー基準点PJLを結ぶ直線が延びる方向とテンション軸JL5のストローク方向とが一致し続けるように、スイング軸JL4を制御して回転中心線CL2を中心として回転速度ω1でジョーJを回転させる。
さらに同時に、ストレッチフォーミング装置10の制御装置は、金型基準点PとジョーJの基準点PJLとの間の距離D1を一定に維持するように、テンション軸JL5を制御してそのストローク方向に移動速度V2でスイング軸JL4に向かってジョーJをストロークさせる。
ジョーJの移動速度V1,V2、回転速度ω1の算出方法について、図3を参照しながら説明する。図3に示すように、金型基準点Pとジョー基準点PJLとの間の距離D1を直角三角形の斜辺の長さとみなすと、金型Dの上昇、すなわち金型基準点Pの上昇移動は直角三角形の高さの変更に相当する。一方、ジョーJの水平移動、すなわちジョー基準点PJLの水平移動は、直角三角形の底辺の長さの変更に相当する。したがって、金型基準点Pの上昇速度VD(単位時間あたりの高さの変化量)に基づいて、キャリッジ軸JL1によるジョー基準点PJLの水平方向の移動速度V1(単位時間あたりの底辺の変化量)を幾何学的に求めることができる。
また、金型基準点Pとジョー基準点PJLを結ぶ直線が延びる方向とテンション軸JL5のストローク方向とが一致することは、直角三角形の斜辺と底辺との間の角度θ1と、テンション軸JL5のストローク方向と水平方向との間の角度θ2(すなわちスイング軸JL4の角度)が等しいことを意味する。したがって、金型Dの上昇速度VDとジョーJの移動速度V1とに基づいて、金型基準点Pとジョー基準点PJLとを結ぶ直線の水平方向に対する傾きの変化、すなわち、直角三角形の斜辺と底辺との間の角度の変化(単位時間あたりの角度の変化量)を算出すれば、回転速度ω1を算出したことに相当する。
さらに、図3に示すように、ジョー基準点PJLとスイング軸JL4との間のZ軸方向距離D2は、一定であるため、またジョー基準点PJLの位置(Z座標)とスイング軸JL4の位置(Z座標)とに基づいて算出することができる。この距離D2から、ジョー基準点PJLとスイング軸JL4との間の距離D3を求めることができる。すなわち、数式1が成り立つ。
Figure 0005806017
数式1に基づけば、回転速度ω1に基づいて、距離D3の変化量(単位時間あたりの変化量)を求めることができ、その距離D3の変化量からテンション軸JL5のストローク方向のジョーJの移動速度V2を求めことができる。
なお、伸び変形を抑制しつつワークWを金型Dに巻きつけることは、スイング軸JL4、テンション軸JL5を動作させずに行うことも可能である。すなわち、図4に示すように、作業者がダイテーブル昇降軸JD1を手動操作して金型Dを上昇速度VDで上昇させると、ストレッチフォーミング装置10の制御装置が、金型基準点PとジョーJの基準点PJLとの間の距離D1を一定に維持するように、キャリッジ軸JL1を制御して水平方向に移動速度V1で金型Dに向かってジョーJを平行移動させる。
また、ジョーJについても、ジョーJと同様に、金型Dの上昇速度VDに対する、キャリッジ軸JR1によるジョーJの水平方向に金型Dに接近する移動速度、スイング軸JR4によるジョーJの回転速度、およびテンション軸JR3によるそのストローク方向のジョーJの移動速度が算出される。その算出した速度に基づいて、ストレッチフォーミング装置10の制御装置は、ジョーJと同様の制御をジョーJに対して実行する。。
本実施の形態によれば、伸び変形を抑制しつつワークWを金型Dに巻きつける場合、作業者は、ダイテーブル昇降軸JD1を手動操作するだけでよい。すなわち、作業者は、キャリッジ軸JL1,JR1,スイング軸JL4,JR4,テンション軸JL5,JR5を手動操作しなくて済む。
また、作業者は、ワークWの伸び変形を抑制するように制御軸を手動操作する必要がなくなる。
(実施の形態2)
本実施の形態に係るストレッチフォーミング装置は、ジョーJ,Jから金型Dに向かってワークWが延びる方向の角度(ジョーに対する角度)を測定するワーク角度測定装置と、テンション軸JL5,JR5のストローク範囲におけるジョーJ,Jの位置を測定するジョー位置測定装置とを有し、これらの装置の測定結果に基づいて、作業者の制御軸の手動操作を補助するように構成されている。その点で、実施の形態1と異なる。
また、本実施の形態に係るストレッチフォーミング装置は、ワークWに一定のテンションを付与しつつ該ワークWを金型Dに巻きつけるための作業者の制御軸の手動操作を補助するように構成されている。
本実施の形態に係るストレッチフォーミング装置が有するワーク角度測定装置は、図5に示すように、ジョーJから金型Dに向かってワークWが延びる方向とジョー座標系ΣJのXJL軸との間の角度αを測定するように構成されている。なお、図において、Pcは、ワークWが金型Dから離れ始める金型表面上の位置を示している。
ワーク角度測定装置がゼロ度の角度(α=0)を測定するとき、ジョーJから金型Dに向かってワークWが延びる方向と、テンション軸JL5のストローク方向とが一致する。
例えば、ワーク角度測定装置は、例えば、ジョーJの所定の位置に取り付けられ、レーザ光を用いてワークWまでの距離を測定する測距センサを有し、その測距センサの測定結果に基づいて角度αを算出する。
ジョー位置測定装置は、図5に示すように、テンション軸JL5のストローク範囲内におけるジョー基準点PJLの位置S1を測定するように構成されている。例えば、ジョー位置測定装置は、テンション軸JL5の駆動シリンダのロッド先端位置を検出するリニアエンコーダを有し、そのリニアエンコーダの検出結果に基づいて、ジョー基準点PJLの位置S1を算出する。
なお、ジョーJについてもジョーJと同様に、ワーク角度測定装置とジョー位置測定装置とが設けられている。
さらに、本実施の形態のストレッチフォーミング装置の制御装置は、ワークWに一定のテンションを付与するために、テンション軸JL5,JR5(それらの駆動シリンダ)を圧力制御するように構成されている。具体的には、制御装置は、テンション軸の駆動シリンダを圧力制御して、作業者が設定したテンションに対応するシリンダ出力を維持する。
さらにまた、本実施の形態のストレッチフォーミング装置の制御装置は、ジョーJ,Jから金型Dに向かってワークWが延びる方向とテンション軸JL5,JR5のストローク方向とが一致し続けるように、すなわち角度検出センサが検出する角度がゼロ度を維持するように、スイング軸JL4,JR4を制御するように構成されている。
これらにより、ワークWに安定した一定のテンションが作用し、ワークWは金型Dの表面に密着することができる。
加えて、本実施の形態のストレッチフォーミング装置の制御装置は、作業者がダイテーブル昇降軸JD1を手動操作して金型Dを上昇させると、ジョー位置測定装置が測定する、テンション軸JL5,JR5のストローク範囲内におけるジョーJ,Jの位置の変化量に基づいて、キャリッジ軸JL1,JR1を制御して水平方向に金型DにジョーJ,Jを接近させるように構成されている。
具体的に、図6を参照しながら説明する。図6(A)に示すように、作業者がダイテーブル昇降軸JD1を手動操作して金型Dを上昇させると、ワークWによってジョーJが引っ張られ、テンション軸JL5のストローク範囲内におけるジョーJの位置がΔS1変化する。言い換えると、テンション軸JL5の駆動シリンダのピストンがロッドを介して移動する。これは、テンション軸JL5の駆動シリンダが圧力制御されているために起こる(なお、駆動シリンダが位置制御されている場合、ピストンは移動しない)。それに加えて、テンション軸JL5のストローク方向とジョーJから金型Dに向かってワークWが延びる方向との間の角度がゼロ度からΔα変化する(すなわち角度検出センサが角度Δαを検出する)。
ストレッチフォーミング装置の制御装置は、作業者が金型Dを上昇させることによって生じた、テンション軸JL5のストローク範囲内におけるジョーJの位置の変化量ΔS1を相殺するように、ダイテーブル昇降軸JD1とキャリッジ軸JL1とを制御する。
具体的には、制御装置は、作業者が金型Dを上昇させることによって生じた、ジョー基準点PJLの水平方向の移動量D4と、鉛直方向の移動量D5とを算出し、図6(B)に示すように、キャリッジ軸JL1を制御してジョーJを算出した移動量D4だけ金型Dに向かって移動させるとともに、ダイテーブル昇降軸JD1を制御して金型Dを算出した移動量D5だけ降下させる。
金型Dの上昇によって生じたジョー基準点PJLの水平方向の移動量D4と、鉛直方向の移動量D5は、数式2および3を用いて算出することができる。
Figure 0005806017
Figure 0005806017
角度θ3は、テンション軸JL5のストローク方向と水平方向との間の角度(すなわちスイング軸JL4の角度)である。
なお、実際には、ストレッチフォーミング装置の制御装置は、金型Dを降下させるわけでなく、作業者の手動操作によって上昇する金型Dの上昇速度を減速するようにダイテーブル昇降軸JD1を制御する。
また、テンション軸JL5のストローク範囲内におけるジョーJの位置の変化量ΔS1を相殺するように、ストレッチフォーミング装置の制御装置がダイテーブル昇降軸JD1とキャリッジ軸JL1とを制御することにより、図6(B)に示すように、テンション軸JL5のストローク範囲内におけるジョーJの位置はほぼ一定に維持される。
さらに、ジョーJについても、ストレッチフォーミング装置の制御装置は、ジョーJと同様の制御を実行する。
本実施の形態によれば、ワークWに一定のテンションを付与して該ワークWを金型Dに巻きつける場合、作業者は、ダイテーブル昇降軸JD1を手動操作するだけでよい。すなわち、作業者は、キャリッジ軸JL1,JR1,スイング軸JL4,JR4,テンション軸JL5,JR5を手動操作しなくて済む。
また、ストレッチフォーミング装置の制御装置が、作業者が設定したテンションがワークWに付与され続けるようにテンション軸JL5,JR5を圧力制御し、且つ、テンション軸JL5,JR5のストローク方向とジョーJ,Jから金型Dに向かってワークWが延びる方向とが一致するようにスイング軸JL4,JR4を制御する。これにより、作業者は、作業中に、スイング軸JL4,JR4とテンション軸JL5,JR5とを手動操作してワークWに付与するテンションを調節する必要がなくなる。
さらに、テンション軸JL5,JR5のストローク範囲内におけるジョーJ,Jの位置がほぼ一定に維持されるため、作業者は、作業中に、テンション軸のオーバーストローク(テンション軸において、ジョーがストローク範囲の限界位置に到達すること)を回避するための制御軸の手動操作をする必要がなくなる。
(実施の形態3)
本実施の形態に係るストレッチフォーミング装置は、金型Dの表面形状を測定する金型表面形状測定装置を有し、この装置が測定した金型Dの表面形状(データ)に基づいて、作業者の制御軸の手動操作を補助するように構成されている。その点で、上述の2つの実施の形態と異なる。
また、本実施の形態に係るストレッチフォーミング装置は、伸び変形を抑制しつつワークWを金型Dに巻きつけるための作業者の制御軸の手動操作を補助するように構成されている。
図7に示すように、本実施の形態に係るストレッチフォーミング装置が有する金型表面形状測定装置は、金型Dの上方をX軸と平行に水平移動する測距センサ12を有し、測距センサ12が測定する金型Dの表面までのZ軸方向距離に基づいて、金型Dの断面形状(X−Z平面に沿った断面)を算出する。なお、ストレッチフォーミング装置が、ブルドーザ14を有する場合、測距センサ12はブルドーザ14に取り付けられる。ブルドーザ14は、ワークを合わせ金型によって成形する場合に、合わせ金型の上型を保持しつつX軸方向に移動し、ダイテーブルに取り付けられた下型に向かって上型を降下させる装置である。このようなブルドーザ14がX軸方向に移動することにより、測距センサ12がX軸方向に移動することができる。
さらに、本実施の形態のストレッチフォーミング装置は、作業者がダイテーブル昇降軸JD1を手動操作して金型Dを上昇させると、金型表面形状測定装置が測定した金型Dの表面形状に基づいて、キャリッジ軸JL1,JR1を制御して水平方向に金型DにジョーJ,Jを接近させるとともに、ワークWが離れ始める金型Dの表面上位置における金型表面の接線方向とテンション軸JL5,JR5のストローク方向とが一致し続けるようにスイング軸JL4,JR4を制御する。さらに、テンション軸JL5,JR5を停止制御する(その駆動シリンダを位置制御する)。
具体的に、図8を参照しながら説明する。ワークWの伸び変形を抑制することは、ワークWの両端間の長さ(ジョー基準点PJL〜PJR間の長さ)を一定に維持することに相当する。また、ワークWが離れ始める金型Dの表面上位置Pcにおける接線方向とテンション軸JL5のストローク方向とが一致し続けることは、その接線方向上にジョー基準点PJLとスイング軸JL4とが位置し続けることに相当する。さらに、テンション軸JL5を停止制御することは、スイング軸JL4からジョー基準点PJLまでの距離S2を一定に維持することに相当する。
これらの、ワークWの両端間の長さを一定に維持すること、ワークWが離れ始める金型Dの表面上位置Pcにおける接線方向上にジョー基準点PJLとスイング軸JL4とが位置し続けること、および、スイング軸JL4からジョー基準点PJLまでの距離S2を一定に維持することを条件とすると、この条件を満足する、金型Dに対するジョーJの相対動作(すなわちダイテーブル座標系ΣDにおけるジョーJの動作)は、1つしか存在せず、また金型Dの表面形状に基づいて算出することができる。
また、ダイテーブル座標系ΣDにおけるジョーJの動作があって、システム座標系ΣSにおける金型Dの上昇動作があれば、システム座標系ΣSにおけるジョーJの動作を算出することができる。
したがって、ストレッチフォーミング装置の制御装置は、ワークWの両端間の長さと金型表面形状測定装置が測定した金型表面形状とに基づいて、伸び変形を抑制しつつワークWを金型Dに巻きつけることができる、ダイテーブル座標系ΣDにおけるジョーJの動作を算出するように構成されている。なお、制御装置は、ワークWの両端間の長さを、例えば、作業者のテンキー入力によって取得する。
作業者がダイテーブル昇降軸JD1を手動操作することによる金型Dの上昇速度VDと、算出したダイテーブル座標系ΣDにおけるジョーJの動作とに基づいて、ストレッチフォーミング装置の制御装置は、システム座標系ΣSにおけるジョーJの動作を算出し、その算出したジョーJの動作に基づいて、キャリッジ軸JL1によるジョーJの移動速度V3と、スイング軸JL3によるジョーJの回転速度ω2を算出する。そして、算出した移動速度V3と回転速度ω2とに基づいて、制御装置は、キャリッジ軸JL1とスイング軸JL4とを制御する。
なお、ジョーJについても、ストレッチフォーミング装置の制御装置は、ジョーJと同様の制御を実行する。
また、金型表面形状測定装置が測定した金型表面形状(データ)ではなく、作業者から取得した金型表面形状データ(例えば、金型の三次元CADデータ)に基づいて、キャリッジ軸JL1,JR1とスイング軸JL4,JR4とを制御してもよい。
本実施の形態によれば、伸び変形を抑制しつつワークWを金型Dに巻きつける場合、作業者は、ダイテーブル昇降軸JD1を手動操作するだけでよい。すなわち、作業者は、キャリッジ軸JL1,JR1,スイング軸JL4,JR4,テンション軸JL5,JR5を手動操作しなくて済む。
また、作業者は、ワークWの伸び変形を抑制するように制御軸を手動操作する必要がなくなる。
さらに、ストレッチフォーミング装置の制御装置が金型Dの表面形状に基づいてキャリッジ軸JL1,JR1とスイング軸JL4,JR4とを制御するため、作業者は、作業中に、金型表面形状を考慮して制御軸を手動操作する必要がなくなる。
(実施の形態4)
本実施の形態は、作業者がテンション軸を手動操作しているときに起こりうる問題に対処するためのものある。
例えば、作業者がテンション軸JL5を手動操作してジョーJをスイング軸JL4に向かってストロークさせていると、テンション軸JL5のストローク範囲において、ジョーJがストローク範囲の限界位置に到達することがある。その結果、テンション軸JL5によってそのストローク方向にジョーJを移動させることができなくなる。
この対処として、テンション軸JL5のストローク範囲を拡大することが考えられる。しかし、この場合、テンション軸JL5のシリンダを大型化する必要がある。また、ジョーJは片持ち支持状態であるため、ストローク範囲が拡大してスイング軸JL4とジョーJとの間の距離が長くなると、ジョーJの位置決め精度が低下する。これを回避するためには、ジョーJを支持する機構(制御軸JL1〜JL6を含む)の剛性を高める必要がある。
そこで、本実施の形態のストレッチフォーミング装置は、作業者がテンション軸JL5の操作入力部を操作しているときに、テンション軸JL5のストローク範囲内おいてジョーJが所定位置を越えると、テンション軸JL5に代って、ダイテーブル昇降軸JD1とキャリッジ軸JL1とによってテンション軸JL5のストローク方向にジョーJを移動させるように構成されている。
具体的に説明すると、図9(A)に示すように、テンション軸JL5によってそのストローク方向にジョーJ(ジョー基準点PJL)をストローク量ΔS3だけストロークさせることは、ジョーJを水平方向に移動量D7だけ移動させるとともに、鉛直方向に移動量D8だけ移動させることと等価である。移動量D7,D8は、数式4,5によって求めることができる。
Figure 0005806017
Figure 0005806017
角度θ4は、テンション軸JL5のストローク方向と水平方向との間の角度(スイング軸JL4の角度)である。
したがって、図9(B)に示すように、キャリッジ軸JL1によってジョーJを移動量D7だけ移動させ、ダイテーブル昇降軸JD1によって金型Dを移動量D8だけ移動させれば、ダイテーブル座標系ΣDにおいて、ジョーJは、テンション軸JL5によってそのストローク方向にジョーJをストローク量ΔS3だけストロークさせたときの位置と同一の位置に配置される。すなわち、金型Dに対するジョーJの相対位置が同一である。
テンション軸JL5に代って、キャリッジ軸JL1とダイテーブル昇降軸JD1とがジョーJをテンション軸JL5のストローク方向に移動させることにより、テンション軸JL5のストローク範囲が実質的に拡大される。これにより、作業者のテンション軸JL5の手動操作中に、テンション軸JL5のストローク範囲において、ジョーJがストローク範囲の限界位置に到達することが抑制される。
なお、ジョーJについても、ストレッチフォーミング装置の制御装置は、ジョーJと同様の制御を実行する。
また、テンション軸JL5によってそのストローク方向にジョーJをストロークさせると同時に、キャリッジ軸JL1とダイテーブル昇降軸JD1とによってテンション軸JL5のストローク方向にジョーJを移動させてもよい。この場合も、テンション軸JL5のストローク範囲が実質的に拡大される。
さらに、テンション軸JL5のストローク方向にジョーJをストロークさせるための手動操作に基づいて、実際にテンション軸JL5によってそのストローク方向にジョーJをストロークさせるか、またはキャリッジ軸JL1とダイテーブル昇降軸JD1とによってテンション軸JL5のストローク方向にジョーJを移動させるかを作業者が選択できるようにしてもよい。
本実施の形態によれば、テンション軸JL5,JR5のストローク範囲が実質的に拡大されるため、作業者は、作業中に、テンション軸JL5,JR5のオーバーストロークを回避するための制御軸の手動操作をする必要がなくなる。
以上、4つの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、上述の実施の形態1〜4において、作業者が手動操作する制御軸は、ダイテーブル昇降軸JD1であるが、本発明はこれに限らない。例えば、作業者がキャリッジ軸JL1,JR1を手動操作し、それに対応してストレッチフォーミング装置がダイテーブル昇降軸JD1を制御してもよい。このことが可能であることは、上述の実施の形態に対する説明から明らかである。
また、上述の実施の形態1〜4の場合、ジョーJ,Jの金型Dへの水平方向の接近は、キャリッジ軸JL1,JR1のみで行われているが、本発明はこれに限らない。図10に示すように、アンギュレーション軸JL2,JR2の回転によってスライダ軸JL3,JR3のストローク方向とX軸方向との間の角度がβ(β≠90°)の場合、キャリッジ軸JL1,JR1とスライダ軸JL3,JR3とによってジョーJ,Jを金型D(Z軸)に接近させる。
本発明は、ワークの両端を把持する一対のジョーと、一対のジョーの間に配置されてワークと当接する金型と、各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更するための複数の制御軸とを有するストレッチフォーミング装置であれば、制御軸の数に関係なく、適用可能である。
10 ストレッチフォーミング装置
W ワーク
D 金型
,J ジョー
D1 制御軸(ダイテーブル昇降軸)
D2 制御軸(ダイテーブルチルト軸)
L1,JR1 制御軸(キャリッジ軸)
L2,JR2 制御軸(アンギュレーション軸)
L3,JR3 制御軸(スライダ軸)
L4,JR4 制御軸(スイング軸)
L5,JR5 制御軸(テンション軸)
L6,JR6 制御軸(ローテーション軸)

Claims (10)

  1. ワークの両端を把持する一対のジョーと、一対のジョーの間に配置されてワークと当接する金型と、各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更するための複数の制御軸とを有するストレッチフォーミング装置であって、
    複数の制御軸を動作させて各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更することによってワークを金型に巻きつけるときに、一部の制御軸に対する作業者の手動操作に基づいて、残りの制御軸を同期制御する制御装置を有し、
    制御装置は、
    金型表面上に設定された金型基準点とジョーのワーク把持中心に設定されたジョー基準点との間の距離を一定に維持するように、金型の上昇動作とジョーの水平方向に金型に接近する動作とを、複数の制御軸を制御することによって同期させる、ストレッチフォーミング装置。
  2. ワークの両端を把持する一対のジョーと、一対のジョーの間に配置されてワークと当接する金型と、各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更するための複数の制御軸とを有するストレッチフォーミング装置であって、
    複数の制御軸を動作させて各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更することによってワークを金型に巻きつけるときに、一部の制御軸に対する作業者の手動操作に基づいて、残りの制御軸を同期制御する制御装置と、
    ジョーから金型に向かってワークが延びる方向の該ジョーに対する角度を測定するワーク角度測定手段と、
    テンション軸のストローク範囲内におけるジョー位置を測定するジョー位置測定手段とを有し、
    複数の制御軸には、
    水平方向に延びる回転中心線を中心としてジョーを回転させるスイング軸と、
    スイング軸の回転中心線と直交する直線方向にジョーをストロークさせる駆動シリンダを備えるテンション軸とが含まれ、
    制御装置は、
    テンション軸の駆動シリンダのシリンダ出力を一定に制御してワークに付与するテンションを一定に維持しつつ、ジョーから金型に向かってワークが延びる方向とテンション軸のストローク方向とが一致する角度を角度測定手段が測定し続けるようにスイング軸を制御しつつ、且つ、ジョー位置測定手段が測定するジョー位置の変化量に基づいて、金型の上昇動作とジョーの水平方向に金型に接近する動作とを、複数の制御軸を制御することによって同期させる、ストレッチフォーミング装置。
  3. ワークの両端を把持する一対のジョーと、一対のジョーの間に配置されてワークと当接する金型と、各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更するための複数の制御軸とを有するストレッチフォーミング装置であって、
    複数の制御軸を動作させて各ジョーおよび金型の位置姿勢を変更することによってワークを金型に巻きつけるときに、一部の制御軸に対する作業者の手動操作に基づいて、残りの制御軸を同期制御する制御装置と、
    金型表面形状を測定する金型表面形状測定手段とを有し、
    複数の制御軸には、
    水平方向に延びる回転中心線を中心としてジョーを回転させるスイング軸が含まれ、
    制御装置は、
    金型表面形状に基づいて、ワークが離れ始める金型表面上位置における接線方向とジョーから金型に向かってワークが延びる方向とが一致し続けるようにスイング軸を制御しつつ、ワークの両端間の長さを一定に維持するように、金型の上昇動作とジョーの水平方向に金型に接近する動作とを、複数の制御軸を制御することによって同期させる、ストレッチフォーミング装置。
  4. 複数の制御軸には、
    金型を鉛直方向に上昇させる金型昇降軸と、
    ジョーを水平方向に金型に接近させるキャリッジ軸とが含まれ、
    制御装置は、
    金型基準点とジョー基準点との間の距離を一定に維持するように、金型昇降軸の金型を上昇させる動作と、キャリッジ軸のジョーを金型に接近させる動作とを同期させる、請求項に記載のストレッチフォーミング装置。
  5. 複数の制御軸には、
    水平方向に延びる回転中心線を中心としてジョーを回転させるスイング軸と、
    スイング軸の回転中心線と直交する直線方向にジョーをストロークさせるテンション軸とが含まれ、
    制御装置は、
    金型基準点とジョー基準点とを結ぶ直線が延びる方向とテンション軸のストローク方向とが一致し続けるようにスイング軸を制御しつつ、金型基準点とジョー基準点との間の距離を一定に維持するようにテンション軸を制御する、請求項または4に記載のストレッチフォーミング装置。
  6. 複数の制御軸には、
    金型を鉛直方向に上昇させる金型昇降軸と、
    ジョーを水平方向に金型に接近させるキャリッジ軸とが含まれ、
    制御装置は、
    ジョー位置測定手段が検出するジョー位置の変化量に基づいて、金型昇降軸の金型を上昇させる動作と、キャリッジ軸のジョーを金型に接近させる動作とを同期させる、請求項に記載のストレッチフォーミング装置。
  7. 複数の制御軸には、
    金型を鉛直方向に上昇させる金型昇降軸と、
    ジョーを水平方向に金型に接近させるキャリッジ軸とが含まれ、
    制御装置は、
    ワークの両端間の長さを一定に維持するように、金型昇降軸の金型を上昇させる動作と、キャリッジ軸のジョーを金型に接近させる動作とを同期させる、請求項に記載のストレッチフォーミング装置。
  8. 作業者が一部の制御軸を手動操作することによって金型が上昇し、
    制御装置は、金型の上昇動作に同期するように残りの制御軸を制御する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のストレッチフォーミング装置。
  9. 複数の制御軸に、ジョーをストロークさせるテンション軸が含まれ、
    制御装置は、
    テンション軸のストローク方向にジョーをストロークさせるための作業者の手動操作に基づいて、テンション軸以外の制御軸を制御してジョーをテンション軸のストローク方向に移動させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のストレッチフォーミング装置。
  10. 複数の制御軸には、
    金型を鉛直方向に上昇させる金型昇降軸と、
    ジョーを水平方向に金型に接近させるキャリッジ軸とが含まれ、
    制御装置は、
    テンション軸のストローク方向にジョーをストロークさせるための作業者の手動操作に応じて、金型昇降軸の金型を上昇させる動作と、キャリッジ軸のジョーを金型に接近させる動作とを同期させる、請求項に記載のストレッチフォーミング装置。
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