JP5805538B2 - Cripto/GSP78複合体形成およびシグナル伝達を阻害するための組成物および方法 - Google Patents
Cripto/GSP78複合体形成およびシグナル伝達を阻害するための組成物および方法 Download PDFInfo
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Description
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
細胞中のCriptoのシグナル伝達を阻害して前記細胞の増殖を低減するための方法であって、CriptoとGRP78の間の複合体の形成を阻害するのに有効である量の選択的GRP78/Cripto標的化合物と前記細胞とを接触させて、それによって前記細胞の増殖を低減することを含む方法。
(項目2)
前記複合体の形成が、a)抗GRP78抗体、b)CriptoのGRP78結合ドメインまたはCFCドメイン中のエピトープと結合する抗体、またはc)天然GRP78のアミノ酸19〜68を欠くGRP78変異体によって阻害される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記抗体が前記GRP78のN−20エピトープと結合する抗GRP78抗体である、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記抗体がヒトまたはヒト化モノクローナル抗体である、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記抗体が二重特異性抗体である、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記抗体をレポーター分子と結合体化させる、項目2に記載の方法。
(項目7)
前記レポーター分子が放射リガンドまたは蛍光標識である、項目6に記載の方法。
(項目8)
抗体が抗GRP78scFv、F(ab)またはF(ab) 2 である、項目2に記載の方法。
(項目9)
前記標的化合物がshRNA、siRNA、またはsiNAである、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記標的化合物が配列番号5または配列番号4を含むshRNAである、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記標的化合物が天然GRP78のアミノ酸19〜68を欠くGRP78変異体である、項目2に記載の方法。
(項目12)
天然GRP78のアミノ酸19〜68を欠く前記GRP78変異体がΔ19〜68GRP78である、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記投与が全身、局部、局所、非経口、静脈内、腹腔内、吸入によるもの、または腫瘍内である、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記細胞が乳房、結腸、胃、膵臓、肺、卵巣、子宮内膜、精巣、膀胱、前立腺、頭部、首、子宮頸部、胃腸、胆嚢または副腎皮質の細胞である、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記細胞が癌性、前癌性、または悪性細胞であり、前記方法が被験体中の過剰増殖性疾患を処置する方法としてさらに定義される、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記過剰増殖性疾患が癌である、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記癌が乳癌、結腸癌、胃癌、膵臓癌、肺癌、卵巣癌、子宮内膜癌、精巣癌、膀胱癌、
前立腺癌、頭頸部癌、子宮頸部癌、胆嚢癌または副腎皮質癌からなる群から選択される、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記被験体に第二の癌療法を施すことを含む、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記第二の癌療法が化学療法、放射線療法、遺伝子療法、免疫療法または外科手術である、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記第二の癌療法が化学療法である、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記化学療法がタキソール、シスプラチン、またはカルボプラチンである、項目20に記載の方法。
(項目22)
ニューロン細胞への幹細胞の分化を促進する方法としてさらに定義され、前記細胞が幹細胞であり、CriptoとGRP78の間の前記複合体の形成の阻害がニューロン細胞への前記細胞の分化を促進する、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記細胞がヒト胚幹細胞である、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記ヒト胚幹細胞がH9またはBG02である、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記幹細胞が誘導多能性幹細胞(iPSC)である、項目23に記載の方法。
(項目26)
Cripto/GRP78複合体形成の阻害剤をスクリーニングする方法であって、
a)候補モジュレーターを得ること、
b)前記候補モジュレーターとCriptoおよびGRP78とを接触させること、ならびに
c)Cripto/GRP78複合体の形成を測定することを含み、前記候補モジュレーターの存在下でのCripto/GRP78複合体の形成の低下またはCripto/GRP78複合体シグナル伝達の低下が、前記候補モジュレーターがCripto/GRP78複合体形成の阻害剤であることを示す方法。
(項目27)
ヒト化モノクローナル抗GRP78抗体であって、前記抗体がGRP78中のN−20エピトープと結合し、前記結合がCripto/GRP78複合体の形成を阻害する、抗体。
(項目28)
前記抗体が医薬組成物中に含まれる、項目26に記載の抗体。
(項目29)
前記医薬組成物が非経口、静脈内、または腫瘍内投与用に製剤化される、項目28に記載の組成物。
Criptoは、発生および癌進行中に重要な役割を有するGPIアンカー型シグナル伝達タンパク質である(Strizziら、2005年)。発生中のマウス胚では、Criptoは前後軸の正確な確立および胚葉形成および心臓発生に必要とされる。Criptoは、多能性の維持および分化において重要な役割を有する、胚幹細胞のマーカーとしても認識されている(Adewumiら、2007年、Strizziら、2005年)。Criptoの発現は正常成体組織において一般に低いまたは存在せず、多くのヒト固形腫瘍中では高レベルで、その過剰発現は足場非依存性成長、増殖、生存、移動、浸潤、血管新生およびEMTを促進することが分かっている(Strizziら、2005年)。MMTV−CriptoおよびWAP−Criptoマウスは乳腺腫瘍を発症し(Strizziら、2005年、Strizziら、2004年、Sunら、2005年、Wechselbergerら、2005年)、Criptoを標的化するモノクローナル抗体はヌードマウス中で腫瘍異種移植片の増殖を低減するので、Criptoはin vivoでの腫瘍増殖も促進する(Adkinsら、2003年、Xingら、2004年)。
本発明者らは、新規なCriptoの結合パートナーとしてのGRP78を同定しており、この2つのタンパク質は、細胞静止TGF−βシグナル伝達を阻害し腫瘍細胞増殖を促進する細胞表面複合体を形成することを示している。タンパク質フォールディング、成熟および集合を助長し小胞体ストレス応答(UPR)も調節するERシャペロンとして、GRP78は大々的に特徴付けられている(Bernalesら、2006年、Lee、2005年、Lee、2001年)。GRP78は低酸素症および栄養枯渇の条件下で誘導され、腫瘍細胞において高レベルで発見される(Lee、2007年)。腫瘍進行中GRP78に必要な役割に関する証拠は、アンチセンスを用いた線維肉腫細胞中でのGRP78誘導の阻害によって、それらはin vitroでのその増殖に影響を与えずにヌードマウス中で腫瘍を形成することが完全にできなくなったという実証から最初に浮上した(Jamoraら、1996年)。さらに、GRP78プロモーターによって誘導された、線維肉腫および乳癌腫瘍細胞への自殺トランス遺伝子の送達は、マウス中の大きな腫瘍の完全な撲滅を引き起こした(Chenら、2000年、Dongら、2004年、Gazitら、1999年)。したがって、固形腫瘍内で見られる環境はGRP78の誘導を引き起こし、その発現は腫瘍増殖を容易にする。
Criptoが腫瘍細胞の表面でGRP78と結合するという証拠に基づいて、本発明者らは、GRP78がCripto受容体として機能する可能性を評価した。この仮説と一致して、以下の実施例中に示すように、細胞表面GRP78とCriptoの結合は、腫瘍細胞、ES細胞および乳腺上皮細胞中のCriptoシグナル伝達に必要とされる。
以下の実施例中に示すように、GRP78は細胞表面でCriptoと複合体を形成する。これは、機能的および潜在的な治療との関連を有する発見である。この相互作用は特異的および排他的であったようである。GRP78はCriptoと同時精製することを観察したわずか2つの細胞表面タンパク質の1つであったからであり、Criptoと大きさが類似した無関係な膜貫通タンパク質はGRP78と同時精製しなかったからである。同様に、I型とII型両方のTGF−β受容体が同じ条件下でGRP78を免疫沈降することができなかった。さらにこれらの結果は、Cripto/GRP78結合はGRP78ERシャペロンの機能に依存しないことを示す。それらの相互作用は、個別の細胞集団内でのこれらのタンパク質の成熟およびプロセシング後に無細胞環境中で観察されたからである。さらにこれらの結果は、細胞表面におけるこの複合体の存在を支持する。これらの条件下でCriptoと結合することが示されたGRP78は原形質膜に由来したからである。さらにこの結果は、この特異的結合相互作用に必要とされる情報はこの2つのタンパク質の三次構造内に完全に含有され得ることを示唆し、それらの相互作用を特異的に妨害する分子を使用して腫瘍細胞を標的化することができると予想される。
GRP78はUPRのシャペロンおよびコーディネーターとしてERにおいて保護的役割を有するが、それはその機能があまり理解されていない細胞表面で発現される可能性もある。細胞表面GRP78は原発性ヒト乳癌サンプルにおける腫瘍特異的抗原として同定されており、GRP78を標的化する自己抗体は前立腺癌患者の血清中に見られ、増大した癌悪性度のバイオマーカーとして働くことが示された(Arapら、2004年、Mintzら、2003年)。さらに、アポトーシス誘導型配列と融合したGRP78結合モチーフで構成されるキメラペプチドは、前立腺および乳癌のマウスモデルにおいて腫瘍増殖を阻害した(Arapら、2004年、Liuら、2007年)。このデータは、GRP78は腫瘍細胞の選択的細胞表面マーカーであるだけでなく、アクチビン/ノーダル/TGF−βおよびMAPK/PI3Kシグナル伝達に対するCriptoの影響を仲介する受容体/共因子でもあることを実証する。GRP78とアクチビン/ノーダル/TGF−βシグナル伝達の間の機能的関連の発見は特有であるようであるが、以前の試験は、細胞表面GRP78は受容体活性を有し、増殖/生存シグナル伝達を仲介することができることを示している。例えば、α2−マクログロブリン(α2−M)は細胞表面GRP78を介してシグナル伝達して、1−LN前立腺癌細胞中でMAPKおよびPI3K経路の活性化を引き起こし、増殖促進および抗アポトーシス挙動をもたらす(Misraら、2006年、Misraら、2004年)。GRP78を標的化する前立腺癌患者の血清由来の抗体は、MAPK/PI3K経路を活性化し、細胞増殖を増大することが同様に示された。興味深いことに、細胞表面GRP78は、内皮細胞中でAktを介したGPIアンカー型T−カドヘリン依存性の生存シグナル伝達を仲介する際に必要な役割を有することも示された(Philippovaら、2008年)。Cripto、T−カドヘリンおよびGRP78は脂質ラフトにそれぞれ局在し、GRP78受容体機能はこれらの原形質膜ミクロドメインに限られる可能性があることを示唆した。
以下のデータは、CriptoがGRP78のN−末端の最末端と結合することを示す。いずれのN−末端N−20抗体も結合を遮断し、N−20エピトープを欠くGRP78欠失変異体はCriptoと結合することができなかったからである。N−20抗体はKringle5(Davidsonら、2005年)およびT−カドヘリン(Philippovaら、2008年)の細胞効果を競合的に遮断することも示されており、これらのタンパク質はGRP78のN−末端と結合することが示された。さらに、α2−Mおよび増殖促進性前立腺癌患者由来の自己抗体は、N−20エピトープと隣接したGRP78のN−末端に局在した部位に結合する(Gonzalez−Gronowら、2006年)。これらの細胞外タンパク質のそれぞれがGRP78のN−末端の最末端と結合するという事実は、それらがGRP78受容体機能を活性化する類似した形態を有し得ること、およびさらにそれらがGRP78結合に関して互いに競合する可能性があることを示唆する。
CriptoとGRP78の間の相互作用の特異性は、CriptoのCFCドメインはGRP78の結合に必要かつ十分であったようであるという実証によってさらに支持された。この発見はさらに注目に値する。本発明者らが以前に示したように(Grayら、2006年)、そのCFCドメインを介してGRP78と同時に結合しながら、CriptoがそのEGF様ドメインを介してTGF−βと結合する可能性があることを、それが示唆するからである。本発明者らは、Cripto、GRP78、TGF−βおよびTGF−β受容体を含有する高次タンパク質複合体はさらに、低減および/または改変型TGF−βシグナル伝達を形成しもたらす可能性があると推測する。さらに、CriptoのCFCドメインがGRP78と結合するという観察結果は、ノーダルおよびアクチビンなどの他のTGF−βリガンドによるシグナル伝達のCripto調節に対するGRP78の考えられる影響に関してさらに適合性がある。例えば、CriptoのCFCドメインはアクチビン/ノーダルI型受容体ALK4と特異的に結合し(YeoおよびWhitman、2001年)、したがってGRP78はCriptoの結合に関してALK4と競合し得ることは以前に示されている。あるいは、GRP78はALK4、Criptoおよびアクチビン/ノーダルを含有するタンパク質複合体に関与し得る。
多系統の証拠が、CriptoとGRP78はそれぞれ腫瘍形成を促進し、両方のタンパク質は癌細胞の細胞表面で選択的に発現されることを示している。本明細書に記載するように、いずれも腫瘍増殖の促進に以前から関与するこの2つのタンパク質は、細胞表面で複合体を形成することが現在発見された。この発見は、TGF−βシグナル伝達の阻害によって物理的およびさらに機械的にこれらのタンパク質と関係がある。
GRP78とCriptoは、一緒に発現するとき別々に発現するときより高い程度で、TGF−β依存性のSmad2リン酸化を阻害するという実証は、それらは一緒に機能してTGF−βシグナル伝達を阻害することを示す。いかなる理論によっても縛られることは望まずに、Smadリン酸化のレベルは受容体活性化の程度に直接依存するので、この結果は、CriptoおよびGRP78は、その受容体を活性化するTGF−βの能力を低減させることによってそれらの阻害効果を発揮することを示唆する。このような解釈は、これらの細胞中でのCriptoおよび/またはGRP78の過剰発現が、TGF−β受容体レベルを変えることはないという事実によってさらに支持される。さらに、GRP78とI型またはII型いずれかの受容体TGF−βの間の直接相互作用を検出できないことは、GRP78はCriptoとの結合またはTGF−βもしくは両方との直接結合によって、TGF−βシグナル伝達に対するその阻害効果を発揮し得ることを示唆する。
これらの結果は、GRP78がCripto共受容体機能を仲介し、胚形成および幹細胞制御中の細胞表面GRP78に関する新規で必須の役割を示すことを明らかにする。Criptoは胚発生中にノーダルおよび関連TGF−βリガンドの共受容体として重要な役割を果たし、ゼブラフィッシュおよびマウスにおける遺伝学的研究は、Criptoおよび関連EGF−CFCタンパク質が、中胚葉および内胚葉形成、心臓発生、および左/右非対称性の確立に必要とされることを示している。Criptoは胚幹細胞のマーカーとしても認識されており、幹細胞の維持および分化において重要な役割を果たす。Criptoを含まないマウスから生じたESCは心筋形成を経て、自然にニューロンに分化することができない。以下の実施例中に示すように、内因性GRP78は、Cripto依存性ノーダルシグナル伝達を含めたCriptoシグナル伝達の必須メディエーターである。さらに本発明者らは、GRP78はヒトES細胞の表面に存在し、そこでそれはCriptoと共局在化するという実証を与えている。hES細胞上でのGRP78の抗体遮断はノーダルシグナル伝達を遮断し、GRP78がこれらの細胞中でノーダルシグナル伝達に必要であることが示された。これらの結果は、CriptoとGRP78の間の界面の標的化は、ニューロンへのhES細胞の優先的分化を必要とする神経変性疾患用の細胞ベースの療法を手助けすることができることを支持する。
アクチビン/ノーダル/TGF−βシグナル伝達に対するその影響以外に、Criptoは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)およびホスファチジルイノシトール−3−キナーゼ(PI3K)経路も活性化する(De Santisら、1997年、Ebertら、1999年、Strizziら、2005年)。これらの経路は大部分のヒトの癌において異常に活性化され、増大した腫瘍細胞の生存および増殖を含めた多数の腫瘍形成結果を促進するそれらの能力は広く認められている(Dhillonら、2007年、ShawおよびCantley、2006年)。可溶性Criptoを用いたHC−11乳腺上皮細胞の処置は、SH2−アダプタータンパク質Shcのチロシンリン酸化、Grb2とShcの結合、およびp42/44Erk/MAPK経路の活性化をもたらすことが示された(Kannanら、1997年)。可溶性CriptoはPI3Kのp85制御サブユニットのリン酸化も引き起こし、SiHa子宮頸癌細胞中でAktのリン酸化および活性化をもたらした(Ebertら、1999年)。CriptoはEGF受容体ファミリーのメンバーと結合せず(Kannanら、1997年)、可溶性CriptoによるMAPK/PI3K経路の活性化はALK4非依存性であることが報告された(Biancoら、2002b)。c−Srcは可溶性Criptoを用いた細胞の処置後に活性化され、c−Srcの活性化はMAPKおよびPI3K経路のCripto依存性活性化に必要である(Biancoら、2003年)。さらに、GPIアンカー型プロテオグリカングリピカン−1はCriptoと結合し、Cripto依存性のc−Src活性化を容易にすることが報告された(Biancoら、2003年)。しかし、c−Src活性化およびMAPK/PI3Kシグナル伝達を仲介する膜貫通型Cripto受容体は依然同定されていない。以下のデータは、細胞表面GRP78がCripto腫瘍増殖因子活性を仲介することを実証する。
アクチビン、ノーダルおよびTGF−βリガンドに応答したSmad2/3シグナル伝達は、細胞型および細胞状態に応じて細胞増殖、アポトーシスおよび分化に対して変動的およびさらに拮抗作用を有する可能性がある。Smad2/3経路の腫瘍抑制機能は十分特徴付けられており、多数の細胞型の細胞増殖を阻害する、およびいくつかの場合末期分化またはアポトーシスを引き起こすその能力に由来する。Smad2/3シグナル伝達下流の細胞静止転写プログラムは正常組織の恒常性に重要であり、腫瘍抑制およびこの経路中の妨害または変化が乳癌を含めたいくつかの型のヒトの癌において観察されていることは現在十分確定している。しかし、アクチビン/ノーダル/TGF−βリガンドが、腫瘍細胞がSmad2/3経路の抗増殖効果に耐性がある状態である条件下で腫瘍表現型を悪化させる可能性もある。腫瘍細胞は一般に、間質線維芽細胞、内皮細胞および免疫細胞を含めた腫瘍微小環境内の腫瘍細胞および他の細胞型に作用する高レベルのこれらのリガンドを分泌する。この文脈におけるSmad2/3経路の活性化は、腫瘍細胞の増大した増殖、運動性、浸潤および上皮間葉移行(EMT)、ならびに増大した血管新生および低下した免疫学的監視を引き起こす可能性がある。集合的に、これらの影響は増大した腫瘍増殖および転移をもたらす可能性があり、ヒトの癌中のTGF−βシグナル伝達の遮断を目的とする治療効果をもたらしている。
Cripto/GRP78相互作用は、Cripto/GRP78複合体形成および/または機能を阻害するCripto標的化合物および/またはGRP78標的化合物によって選択的に阻害することができる。特定の実施形態では、Cripto標的またはGRP78標的化合物は抗体、二重機能性抗体、アプタマー、f(ab)またはf(ab)2領域などの抗体断片、阻害ペプチド、小分子、アンチセンス分子、またはsiNA(例えば、siRNAまたはshRNA)であってよい。これらの化合物は、候補化合物によりCripto/GRP78結合および/または下流シグナル伝達の変化を試験するスクリーニングを使用して、当業者によって生成することができる。特定の実施形態では、Cripto標的化合物は、CriptoのCFCドメインに特異的に影響を与えるまたは結合する、Cripto/GRP78の結合および/またはシグナル伝達を阻害することができる。他の実施形態では、GRP78標的化合物は、GRP78のN−20抗体エピトープなどのGRP78のN末端領域もしくはN末端の最末端領域と、結合または相互作用することができる。
本発明の特定の態様は、Criptoおよび/またはGRP78と選択的に結合する1つまたは複数の抗体に関する。これらの抗体を使用して、癌(例えば、メラノーマ、肝臓癌、結腸直腸癌、膵臓癌、肺癌、NSCLC、頭頸部癌)を処置することができる。さらに、これらの抗体を使用して、癌性または前癌性組織などの組織中のCriptoおよび/またはGRP78の発現を評価することができる。特定の実施形態では、N−20抗体またはGRP78のN−20エピトープと結合する抗体を使用してGRP78を標的化し、Cripto/GRP78複合体の形成を妨害することができる。
Criptoおよび/またはGRP78選択的抗体は、当技術分野で周知である技法を使用して調製することができる。例えば、モノクローナル抗体(MAb)を作製するための方法は、一般にポリクローナル抗体を調製するのと同系で始まる。簡単に言うと、本発明に従いLEEまたはCEE組成物で動物を免疫処置し、その免疫処置した動物から抗血清を回収することによって、ポリクローナル抗体を調製する。
本発明は、少なくとも1つの作用物質と連結して抗体コンジュゲートを形成する、一般にモノクローナル型の、CriptoまたはGRP78と選択的に結合する抗体をさらに提供する。診断または治療剤としての抗体分子の有効性を増大するために、抗体は少なくとも1つの望ましい分子または成分と共有結合または複合体形成することができる。このような分子または成分は、少なくとも1つのエフェクターまたはレポーター分子だけには限られないが、これらであってよい。エフェクター分子は、望ましい活性、例えば細胞傷害活性を有する分子を含む。抗体と結合しているエフェクター分子の非制限的な例には、毒素、抗腫瘍剤、治療用酵素、放射標識ヌクレオチド、抗ウイルス剤、キレート剤、サイトカイン、増殖因子、およびオリゴまたはポリヌクレオチドがある。対照的に、レポーター分子は、アッセイを使用して検出することができる任意の成分として定義する。抗体と結合しているレポーター分子の非制限的な例には、酵素、放射標識、ハプテン、蛍光標識、リン光分子、化学発光分子、発色団、発光分子、光親和性分子、着色粒子またはビオチンなどのリガンドがある。
特定の実施形態では、二重機能性抗体を使用してCriptoおよび/またはGRP78を標的化することができる。例えば、二重特異性Fc二量体を使用して、CriptoとGRP78の両方を標的化および結合することができ、この結合は、ノーダルシグナル伝達、アクチビン/TGFβシグナル伝達、ERK/MAPKシグナル伝達、および/またはPI3K/Akt/GSK3βシグナル伝達などの、Cripto/GRP78複合体による後のシグナル伝達を阻害する可能性があることが想定される。特定の実施形態では、二重機能性または二重特異性抗体は、CriptoのEGF様領域、CriptoのCFCドメイン、GRP78のアミノ酸19〜68、および/またはGRP78のN−20領域の少なくとも一部分と結合することができる。あるいは、多数のscFv分子を含有するダイアボディ、トリアボディまたはテトラボディを使用して、例えば増大した親和性でCriptoおよび/またはGRP78と結合することができる。
Cripto標的またはGRP78標的タンパク質またはペプチドを使用して、Cripto/GRP78複合体の形成および/または機能を阻害することができる。例えば、ペプチドのライブラリーを、例えばin vitroでの細胞におけるファージディスプレーを使用してスクリーニングして、Criptoおよび/またはGRP78と結合してCripto/GRP78複合体形成を阻害することができるペプチドまたはタンパク質を同定することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Mintz PJら、Nat Biotechnol 2003年21巻(1)57〜63頁、Kim Yら、Biochemistry45巻(31)9434〜44頁、Jakobsen CGら、Cancer Res2007年67巻(19)9507〜17頁、およびGonzalez−Gronow Mら、Cancer Res2006年66巻(23)11424〜31頁中に記載された方法を含めて、様々な方法をこの目的に使用することができる。本明細書で使用するタンパク質またはペプチドは、約200アミノ酸超から遺伝子から翻訳された完全長配列までのタンパク質、約100〜200アミノ酸のポリペプチド、および/または約3〜約100アミノ酸のペプチドを一般に指すが、これらだけには限られない。便宜上、用語「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」は本明細書では交互に使用する。
本発明によるポリペプチドの調製に関する別の実施形態は、ペプチド模倣体の使用である。模倣体は、タンパク質二次構造の要素を模倣するペプチド含有分子である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Johnsonら(1993年)を参照。ペプチド模倣体の使用の根底にある原理は、タンパク質のペプチド骨格は主として、抗体と抗原の相互作用などの分子相互作用を容易にするような形式で、アミノ酸側鎖を配向するように存在することである。ペプチド模倣体は、天然分子と類似した分子相互作用を可能にすると予想される。これらの原理を使用して、本明細書に開示する標的ペプチドの多くの本来の性質、ただし改変およびさらに改善された特徴を有する第二世代の分子を操作することができる。
本発明の他の実施形態は融合タンパク質に関する。これらの分子は一般に、N−またはC−末端、第二ポリペプチドまたはタンパク質のすべてまたは一部分と連結した、標的ペプチドのすべてまたは相当部分を有する。例えば、融合体は他種由来のリーダー配列を利用して、異種宿主中のタンパク質の組換え発現を可能にすることができる。別の有用な融合は抗体エピトープなどの免疫活性ドメインの追加を含み、融合タンパク質の精製を容易にする。融合接合部またはその近辺への切断部位の封入は、精製後の外来ポリペプチドの除去を容易にし得る。他の有用な融合は、酵素由来活性部位、グリコシル化ドメイン、細胞標的シグナルまたは膜貫通領域などの機能性ドメインの連結を含む。好ましい実施形態では、本発明の融合タンパク質は、治療用タンパク質またはペプチドと連結した標的ペプチドを含む。融合タンパク質中に取り込むことができるタンパク質またはペプチドの例には、細胞増殖抑制タンパク質、細胞破壊タンパク質、アポトーシス促進剤、抗血管新生剤、ホルモン、サイトカイン、増殖因子、ペプチド薬剤、抗体、Fab断片抗体、抗原、受容体タンパク質、酵素、レクチン、MHCタンパク質、細胞接着タンパク質および結合タンパク質がある。これらの例は制限的であることは意味せず、本発明の範囲内では事実上、タンパク質またはペプチドを、標的ペプチドを含む融合タンパク質中に取り込むことができると企図される。融合タンパク質を作製する方法は当業者には周知である。このようなタンパク質は、例えば、二官能性架橋試薬を使用した化学結合によって、完全融合タンパク質のde novo合成によって、または、標的ペプチドをコードするDNA配列と第二のペプチドまたはタンパク質をコードするDNA配列の結合、その後の無傷融合タンパク質の発現によって生成することができる。
特定の実施形態では、タンパク質またはペプチドを単離または精製することができる。一実施形態では、これらのタンパク質を使用して、任意の示したバーコード(例えば、ポリマーラマン標識)を用いたタグ化用の抗体を作製することができる。タンパク質の精製技法は当業者には周知である。これらの技法は、1レベルで、ポリペプチドおよび非ポリペプチド分画への細胞、組織または器官の均質化および粗製分画化を含む。対象のタンパク質またはポリペプチドはクロマトグラフィーおよび電気泳動技法を使用してさらに精製して、部分的または完全な精製(または均質状態までの精製)を得ることができる。純ペプチドの調製に特に適した分析法は、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル排除クロマトグラフィー、HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)FPLC(AP Biotech)、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、親和性クロマトグラフィー、免疫親和性クロマトグラフィーおよび等電点電気泳動法である。親和性クロマトグラフィーによる受容体タンパク質精製の一例は、その全文が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,206,347号中に開示される。ペプチドを精製するより有効な方法の1つは迅速な高性能液体クロマトグラフィー(AKTA FPLC)であり、またはさらに精製タンパク質もしくはペプチドは他の要素から単離可能な組成物を指すものとし、タンパク質もしくはペプチドはその本来得られる状態と比較して任意の程度に精製される。単離または精製したタンパク質もしくはペプチドは、したがって、それが本来存在し得る環境から遊離したタンパク質もしくはペプチドも指す。一般に「精製」は、様々な他の要素を除去するための分画に施したタンパク質もしくはペプチド組成を指し、その組成はその発現される生物活性を実質的に保持する。用語「実質的に精製された」を使用する場合、この表示は、タンパク質もしくはペプチドが組成の主要成分を形成する組成、例えば組成中の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、またはより多くのタンパク質の構成などを指す。
それらの比較的小さなサイズのため、本発明の標的ペプチドは、従来の技法に従い溶液中または固形支持体上で合成することができる。様々な自動合成装置が市販されており、公知のプロトコルに従い使用することができる。例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、StewartおよびYoung、1984年、Tamら、1983年、Merrifield、1986年、およびBaranyおよびMerrifield、1979年を参照。低分子ペプチド配列、通常約6個から最大約35〜50個のアミノ酸は、このような方法によって容易に合成することができる。あるいは、本発明のペプチドをコードするヌクレオチド配列を発現ベクター中に挿入し、適切な宿主細胞に形質転換またはトランスフェクトし、発現に適した条件下で培養する、組換えDNA技術を利用することができる。
本発明は、Criptoおよび/またはGRP78の発現を下方制御する低分子干渉核酸(例えば、siRNA)を提供する。これらのCripto標的およびGRP78標的siNAは、医薬組成物で被験体に(例えば、非経口、静脈内、または腫瘍内)投与して癌を治療することができる。例えば、以下の実施例中に示すように、shRNAを有効に使用して、GRP78(配列番号5)またはCripto(配列番号4)のシグナル伝達をノックダウンすること、およびCripto/GRP78複合体形成を妨害することができる。
本発明は、中性リポソームを介してsiNAを送達するための方法および組成物を提供する。siNAは核酸で構成されているので、核酸(例えば、核酸の生成、核酸の修飾など)と関係がある方法はsiNAに関して使用することもできる。
本明細書で使用する「核酸塩基」は、複素環塩基、例えば少なくとも1つの天然に存在する核酸(すなわち、DNAおよびRNA)において見られる天然に存在する核酸塩基(すなわちA、T、G、CまたはU)、およびこのような核酸塩基の天然に存在するまたは天然に存在しない誘導体(複数可)およびアナログなどを指す。一般に核酸塩基は、天然に存在する核酸塩基対を置換することができる形式で少なくとも1つの天然に存在する核酸塩基と1つまたは複数の水素結合を形成する(「アニーリングする」または「ハイブリダイズする」)ことができる(例えば、AとTの間、GとCの間、およびAとUの間の水素結合)。
本明細書で使用する「ヌクレオシド」は、核酸塩基のリンカー成分と共有結合した核酸塩基を含む個々の化学単位を指す。「核酸塩基のリンカー成分」の非制限的な一例は、デオキシリボース、リボース、アラビノース、または5−炭素糖の誘導体もしくはアナログだけには限られないが、これらを含めた、5−炭素原子(すなわち、5−炭素糖)を含む糖である。5−炭素糖の誘導体もしくはアナログの非制限的な例には、糖環中で炭素が酸素原子と置換された2’−フルオロ−2’−デオキシリボースまたはカルボン酸糖がある。
本明細書で使用する「ヌクレオチド」は、「骨格成分」をさらに含むヌクレオシドを指す。一般に骨格成分は、ヌクレオチドとヌクレオチドを含む別の分子、またはヌクレオチドと別のヌクレオチドを共有結合させて核酸を形成する。天然に存在するヌクレオチド中の「骨格成分」は、5−炭素糖と共有結合するリン成分を典型的に含む。骨格成分の結合は、典型的には5−炭素糖の3’または5’位置のいずれかで起こる。しかし、特にヌクレオチドが天然に存在する5−炭素糖またはリン成分の誘導体またはアナログを含むとき、他の型の結合が当技術分野で公知である。
核酸は、核酸塩基の誘導体またはアナログ、天然に存在する核酸中に存在する可能性がある核酸塩基リンカー成分および/または骨格成分を含んでよく、またはそれらで完全に構成されてよい。本明細書で使用する「誘導体」は化学的に修飾または改変された形の天然に存在する分子を指し、一方で用語「模倣体」または「アナログ」は、天然に存在する分子または成分と構造上似ている可能性があるまたはないが、類似した機能を有する分子を指す。本明細書で使用する「成分」は、大きな化学または分子構造の小さな化学または分子要素を一般的に指す。核酸塩基、ヌクレオシドおよびヌクレオチドのアナログまたは誘導体は当技術分野では周知であり、記載されている(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Scheit、1980年を参照)。
特定の実施形態では、ヌクレオシドまたはヌクレオチドの誘導体またはアナログを含む核酸を、本発明の方法および組成物において使用することができると企図される。非制限的な例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,908,845号中に記載される「ポリエーテル核酸」である。ポリエーテル核酸中では、1つまたは複数の核酸塩基がポリエーテル骨格中のキラル炭素原子と連結している。
例えば化学合成、酵素的生成または生物学的生成などの、当業者に公知である任意の技法によって核酸を作製することができる。合成核酸(例えば、合成オリゴヌクレオチド)の非制限的な例には、ホスホトリエステル、ホスファイトまたはホスホアミダイト化学物質を使用したin vitroでの化学的合成、および参照により本明細書に組み込まれるEP266,032中に記載された技法などの固相技法、またはそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Froehlerら、1986年および米国特許第5,705,629号によって記載されたデオキシヌクレオシドH−ホスホネート中間体によって作製された核酸がある。本発明の方法中では、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを使用することができる。オリゴヌクレオチド合成の様々な異なる機構は、例えば、そのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,659,774号、同第4,816,571号、同第5,141,813号、同第5,264,566号、同第4,959,463号、同第5,428,148号、同第5,554,744号、同第5,574,146号、同第5,602,244号中に開示されている。
核酸は、ポリアクリルアミドゲル、塩化セシウム密度遠心分離勾配で、または当業者に公知である任意の他の手段によって精製することができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Sambrookら、2001年を参照)。
本明細書で使用する「ハイブリダイゼーション」、「ハイブリダイズする」または「ハイブリダイズすることができる」は、二重もしくは三重鎖分子、または部分的な二重もしくは三重鎖性を有する分子の形成を意味すると理解される。本明細書で使用する用語「アニールする」は「ハイブリダイズする」と同義である。用語「ハイブリダイゼーション」、「ハイブリダイズする(複数可)」または「ハイブリダイズすることができる」は、用語「ストリンジェントな条件(複数可)」または「高ストリンジェンシー」および用語「低ストリンジェンシー」または「低ストリンジェンシー条件(複数可)」を包含する。
アプタマーを使用してCripto/GRP78結合および/またはシグナル伝達を阻害することができる。アプタマーは、タンパク質などの分子標的と選択的に結合する一本鎖核酸である。アプタマーはDNA、RNA、および/または修飾ヌクレオチドを含むことができるが、特定の実施形態では、酵素分解に耐性があるDNAアプタマーまたは修飾ヌクレオチドを含むアプタマーを使用して、被験体にin vivo投与したとき半減期を増大することが望ましい可能性がある。
小分子を使用してCripto/GRP78結合および/またはシグナル伝達を阻害することもできる。様々な実施形態において、1つまたは複数の小分子ケミカルライブラリーをスクリーニングして、Cripto/GRP78相互作用に選択的に影響を与える可能性がある小分子を同定することができる。例えば、ハイスループットスクリーニングをロボットによって自動化して、Cripto/GRP78結合および/またはシグナル伝達を阻害することができる小分子を評価および/または同定することができる。特定の実施形態では、Cripto/GRP78結合のコンピュータモデリングを使用して、試験の候補小分子を選択することができる。
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体中に溶解または分散した、有効量の1つまたは複数のCripto−および/またはGRP78−標的作用物質または他の作用物質を含む。語句「薬学的にまたは薬理学的に許容される」は、例えばヒトなどの動物に適切に投与したとき、有害な、アレルギーまたは他の厄介な反応をもたらさない分子体および組成物を指す。少なくとも1つのCripto−および/またはGRP78−標的作用物質または他の活性成分を含有する医薬組成物の調製は、参照により本明細書に組み込まれる、University of the Sciences in PhiladelphiaによるRemington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版によって例証されたように、本開示を鑑みて当業者には公知であろう。さらに、動物(例えばヒト)への投与のために、調製物はFDA Office of Biological Standardsによって要求される滅菌性、発熱性、一般的な安全性および純度標準を満たさなければならないことは理解されよう。
Cripto/GRP78相互作用を妨害する化合物を使用して、癌などの過剰増殖性疾患を治療することができる。癌以外に、Cripto/GRP78相互作用を妨害する化合物を使用して、乾癬、線維症、腫瘍血管新生、皮膚皮下増殖/瘢痕、アテローム、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、炎症および自己免疫障害を含めた他の過剰増殖性疾患を治療することができる。本明細書中で使用する「過剰増殖性疾患」は、細胞の異常増殖または繁殖をもたらすかまたはそれによって特徴付けられる疾患を指す。過剰増殖性疾患は、例えば前癌病変、良性腫瘍、および癌などの病変を被験体において示す可能性がある。
Criptoおよび/またはGRP78標的作用物質の有効性を増大するために、本発明のこれらの組成物および方法と、例えば抗癌剤などの過剰増殖性疾患の治療において有効な作用物質を併用することが望ましい可能性がある。「抗癌」剤は、例えば、1つまたは複数の癌細胞を殺傷すること、1つまたは複数の癌細胞中のアポトーシスおよび/または壊死を誘導すること、1つまたは複数の癌細胞の増殖率を低下させること、転移の発生または数を低下させること、腫瘍の大きさを低下させること、腫瘍の増殖を阻害すること、腫瘍または1つまたは複数の癌細胞への血液供給を低下させること、腫瘍間質微小環境を変えること、1つまたは複数の癌細胞または腫瘍に対する免疫応答を促進すること、癌の進行を予防または阻害すること、または癌を有する被験体の寿命を増大させることによって、被験体中の癌に悪影響を与えることができる。抗癌剤には、例えば、化学療法剤(化学療法)、放射線療法剤(放射線療法)、外科手術手順(外科手術)、免疫療法剤(免疫療法)、遺伝子療法剤(遺伝子療法)、ホルモン療法、他の生物学的作用物質(生物療法)および/または代替療法がある。
用語「化学療法」は癌を治療するための薬剤の使用を指す。「化学療法剤」を使用して、癌の治療中に投与される化合物または組成物を意味する。生化学療法として公知である化学療法の1つの亜型は、生物療法と化学療法の併用を含む。
放射線療法剤には、DNAの損傷を誘導する放射線および波長、例えばγ線照射、X線、陽子ビーム療法(米国特許第5,760,395号および同第4,870,287号)、UV照射、マイクロ波、電子放出、放射性同位体などがある。前に記載した型の放射線で局所腫瘍部位を照射することによって、療法を実施することができる。すべてのこれらの作用物質が、広範囲の損傷DNA、DNAの前駆体、DNAの複製および修復、ならびに染色体の構築および維持に影響を与える可能性が最も高い。
癌を有する約60%の人がいくつかの型の外科手術を受けており、それは例えば、予防的、診断的または段階的、根治目的および症状緩和目的の外科手術を含む。外科手術、および特に根治目的の外科手術は、本発明の療法などの他の療法、および1つまたは複数の他の作用物質と併用して使用することができる。
免疫療法剤は一般に、免疫エフェクター細胞および分子を使用して、癌細胞を標的化および破壊することによるものである。免疫エフェクターは、例えば、腫瘍細胞の表面上のいくつかのマーカーに特異的な抗体であってよい。抗体単独で療法のエフェクターとして働くことができ、またはそれは他の細胞を動員して、細胞殺傷に実際に影響を与えることができる。抗体は薬剤または毒素(例えば、化学療法剤、放射性核種、リシンA鎖、コレラ毒素、百日咳毒素など)と結合することができ、標的作用物質として単独で働くこともできる。このような抗体コンジュゲートはイムノトキシンと呼ばれ、当技術分野では周知である(それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,686,072号、米国特許第5,578,706号、米国特許第4,792,447号、米国特許第5,045,451号、米国特許第4,664,911号、および米国特許第5,767,072号)。あるいはエフェクターは、腫瘍細胞標的と直接的または間接的に相互作用する表面分子を有するリンパ球であってよい。様々なエフェクター細胞には、細胞傷害性T細胞およびNK細胞がある。
化学療法剤および放射線療法剤などの作用物質に耐性がある腫瘍細胞は、臨床腫瘍学において重大な問題となる。現在の癌研究の1つの目的は、このような作用物質と遺伝子療法を組合せることによって、1つまたは複数の抗癌剤の有効性を改善するための方法を見つけることである。例えば、単純ヘルペス−チミジンキナーゼ(HS−tK)遺伝子は、レトロウイルスベクター系によって脳腫瘍に送達すると、抗ウイルス剤ガンシクロビルに対する感受性を首尾よく誘導した(Culverら、1992年)。本発明の文脈では、Criptoおよび/またはGRP78標的作用物質および/または他の作用物質と併用して、遺伝子療法を同様に使用することができることが企図される。
「標的作用物質」という用語は、標的特異的分子またはシグナル伝達経路によって疾患を治療するために使用される、任意の作用物質(例えば、抗体を含めた小分子およびポリペプチド)を意味する。抗Criptoおよび/または抗GRP78作用物質と1つまたは複数の他の標的作用物質の組合せは、癌細胞に重要な多数の経路を標的化することによって癌の治療を改善することができる。
本発明によるCripto/GRP78複合体形成および/または機能の阻害を利用して、幹細胞の神経分化を促進することもできる。ほぼ任意の多能性幹細胞または細胞系、例えばヒト胚幹細胞または誘導多能性幹細胞(iPS細胞)の分化が、Cripto/GRP78複合体形成および/またはシグナル伝達の妨害によって影響を受ける可能性があると予想される。例えば、ヒト胚幹細胞系H1、H9、hES2、hES3、hES4、hES5、hES6、BG01、BG02、BG03、HSF1、HSF6、H1、H7、H9、H13B、および/またはH14などを本発明と共に使用することができる。後に利用可能な状態になる幹細胞系も、本発明と共に使用することができることがさらに予想される。例えば哺乳動物、マウス、霊長類などの他の胚幹細胞も、本発明と共に使用することができる。
本発明は、Cripto/GRP78相互作用の機能、例えば、結合し下流シグナル伝達をもたらすCriptoおよびGRP78の能力のモジュレーターを同定するための方法をさらに含む。これらのアッセイは、候補物質の巨大なライブラリーのランダムなスクリーニングを含むことができ、あるいはアッセイを使用して、Cripto/GRP78複合体の形成の機能をそれらが調節する可能性がより高くなると考えられる、構造属性に対する見地で選択した特定クラスの化合物に焦点を当てることができる。
(a)候補モジュレーターを提供すること、
(b)候補モジュレーターと単離化合物または細胞、または適切な実験動物を混合すること、
(c)候補モジュレーターが、ステップ(c)における細胞または動物中のCripto/GRP78結合および/または下流シグナル伝達を改変または妨害することができるかどうか測定すること、および
(d)前記候補モジュレーターの不在下において、ステップ(c)中で測定した特徴と化合物、細胞、または動物の特徴を比較することを含み、
測定した特徴間の差は、前記候補モジュレーターが実際に、化合物、細胞、または動物のモジュレーターであることを示す。
本明細書で使用する用語「候補物質」は、おそらくCripto/GRP78複合体形成または活性を阻害または増大する可能性がある任意の分子を指す。候補物質は、タンパク質またはその断片、小分子、またはさらに核酸分子であってよい。大部分の有用な薬理化合物は、N−20抗体と構造上関連がある化合物、GRP78(例えば、配列番号5)またはCripto(例えば、配列番号4)を標的化するshRNA、CriptoまたはGRP78由来のペプチド、Criptoの合成CFCドメイン、可溶性ALK4ECDまたはその変異体(170A、L75A、P77A)、ECGC、またはCFCドメイン上のGRP78結合部位を標的化するCripto抗体と構造上関連がある化合物であろうことを立証することができる。改良型化合物の開発を手助けするリード化合物の使用は「合理的薬剤設計」として公知であり、公知の阻害剤と活性剤の比較だけでなく、標的分子の構造に関する予想を含む。
迅速、安価、および実施するのが容易なアッセイはin vitroアッセイである。このようなアッセイは一般に単離分子を使用し、迅速および多数で実施することができ、したがって短期間で得られる情報量を増大することができる。試験管、プレート、皿、およびディップスティックまたはビーズなどの他の表面を含めた、様々な容器を使用してアッセイを実施することができる。
本発明は、細胞中のCripto/GRP78複合体形成および/または機能を調節するそれらの能力に関する、化合物のスクリーニングも企図する。この目的用に具体的に操作した細胞を含めた様々な細胞系を、このようなスクリーニングアッセイに利用することができる。例えば、本明細書に記載する観察に基づいて、癌細胞および/または幹細胞を候補Cripto/GRP78複合体モジュレーターと接触させることが可能である。他の実施形態では、細胞系を操作してCriptoおよびGRP78を過剰発現させ、推定Cripto/GRP78複合体モジュレーターのスクリーニングを容易にすることが可能である。GRP78タンパク質は市販されており、マルチウエルプレートの表面上に固定して、可溶性Criptoの結合およびCripto/GRP78複合体モジュレーターの影響を測定するための、ELISAベースのアッセイの開発を可能にすることができる。あるいは本発明者らは、その表面でGRP78を発現する無傷細胞との可溶性125I−Criptoの結合は、測定することができることを示している(例えば、Kelberら参照)。Cripto/GRP78複合体モジュレーターをこのアッセイ中でスクリーニングして、Cripto/GRP78の結合およびシグナル伝達に影響を与えるそれらの能力を測定することもできる。
in vivoアッセイは、特異的欠陥を有する、または生物内の異なる細胞に到達し影響を与える候補物質の能力を測定するために使用することができるマーカーを保持するように操作した、トランスジェニック動物を含めた様々な動物モデルの使用を含む。それらの大きさ、取り扱い易さ、およびそれらの生理的および遺伝子構成に関する情報のため、マウス、特にトランスジェニックマウスは好ましい実施形態である。しかし、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット、スナネズミ、ウッドチャック、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマおよびサル(チンパンジー、テナガザルおよびヒヒ含む)を含めた、他の動物も適切である。モジュレーターのアッセイは、これらの種のいずれかに由来する動物モデルを使用して実施することができる。
材料および方法
材料。NuPAGEゲル、分子量標準およびCyquant細胞増殖アッセイキットは、Invitrogen(San Diego、CA)からのものであった。スルホ−NHS−LC−ビオチンはPierce(Rockford、IL)から購入した。TGF−β1はR&D systems(Minneapolis、MN)から購入した。抗Flag(M2)、抗HA(HA−7)、抗His(His−1)および抗パンカドヘリン抗体ならびに抗FlagM2ゲルビーズ、Flagペプチドおよびタプシガルギンは、Sigma−Aldrich(St Louis、MO)から購入した。抗GRP78(N−20および76−E6)、抗TβRII(C16)およびタンパク質G−PLUS−アガロースビーズは、Santa Cruz(Santa Cruz、CA)から購入した。抗GRP78(KDEL)は、Stressgen bioreagents(Ann Arbor、MI)からのものであった。抗ホスホSmad2、抗TβRIおよび抗パンアクチンは、Cell Signaling(Danvers、MA)から購入した。p26−Flag発現構築物は、Kuo Fen Lee(Peptide Biology Laboratories、Salk Institute)からの寛大な贈答品であった。Cripto(6900)に対する抗体を、マウスCriptoアミノ酸81〜97に及ぶCys81とCys90の間で環化したペプチドに対して産生した。Smad2抗血清を、ヒトSmad3のアミノ酸159〜175に及ぶSmad2とSmad3の間で保存されたペプチドに対して産生した。Flagエピトープ(6643)を標的化するポリクローナル抗血清を、2×Flagペプチドに対して産生した。ウサギポリクローナル抗Cripto、抗Smad2/3および抗Flag抗血清は、Joan Vaughan(Peptide Biology Laboratories、Salk Institute)によって生成された。
細胞表面ビオチン化。スルホ−NHS−LC−ビオチンをHDB中に0.5mg/mlで新たに調製し、次いで使用するまで氷上に保存した。接着性の、無傷細胞を氷冷HDBで2回すすぎ、次いで細胞を完全に含むのに十分な体積(例えば、6ウエルプレートに関して1ml/ウエル)を使用して、氷上で30分間ビオチン溶液とインキュベートした。次いでビオチン化反応を1MのトリスpH7.5を加えた後に停止させて、ビオチン/HDB溶液を50mMトリスの最終濃度にした。生成した溶液を除去し、50mMトリスを含有するHDB中で細胞を1回すすいだ。次いで細胞を、標準的なプロテアーゼ阻害剤を補充したRIPAバッファー(50mMのトリスHCl、pH7.4/150mMのNaCl/1%のNP40/0.5%のデオキシコレート/0.1%のSDS)中で溶かした。ビオチン化タンパク質はSDSPAGEによって分離し、ニトロセルロースにブロッティングし、次いでアビジン−HRPおよびECLを用いた処置後に目に見える状態にした。
GRP78とCriptoは細胞表面で複合体を形成し、協同してTGF−βシグナル伝達を阻害し細胞増殖を高める
CriptoおよびGRP78は胚発生中に重要な役割を果たし、腫瘍表現型を促進する。腫瘍の進行におけるこれらのタンパク質の重要性は、それらがin vivoで細胞表面腫瘍特異的治療剤としてそれぞれ別々に確認されたという事実によって強調される。新規なCripto相互作用タンパク質を同定するために、おとりとして完全長、膜アンカー型を使用して、タンパク質相互作用のスクリーニングを実施した。このスクリーニングは、GRP78、癌とも非常に関連しているER恒常性の多機能制御物質の同定に至った。興味深いことに、一般にERに局在するが、GRP78は腫瘍細胞中の原形質膜でも選択的に発現され、本明細書で示すデータは、Criptoは細胞表面でGRP78と結合することを示す。このデータは、それらがER内でのその結合を必要としない形式で、無細胞系で相互作用することを示す。最後にデータは、GRP78とCriptoは協同してTGF−β依存性増殖阻害効果を弱め、軟寒天中での前立腺癌細胞のコロニー増殖を増大することを示す。総合すると、これらの結果は、これら2つのタンパク質は細胞表面で複合体を形成し、したがってTGF−βシグナル伝達の阻害によって腫瘍細胞に増殖利点を与えることを示す。
細胞表面GRP78は、幹細胞および腫瘍細胞中では、アクチビン/ノーダル/TGF−βおよびMAPK/PI3K経路を介してCriptoシグナル伝達を仲介する
CriptoとGRP78はアクチビン/ノーダル/TGF−βシグナル伝達を協同して制御する
CriptoおよびGRP78は胚発生中にそれぞれ必要な役割を果たし、両タンパク質共に腫瘍細胞増殖、生存および転移を促進する。Cripto結合パートナーとしての細胞表面GRP78の前述の同定は、これらのタンパク質は、正常胚発生および腫瘍進行中に協同して機能することを示唆した。前述の例は、CriptoとGRP78はP19細胞中で細胞表面複合体を形成することを示す(Shaniら、2008年)。ここで本発明者らは、CriptoとGRP78の間の相互作用が、NCCIT細胞中でのアクチビン/ノーダル/TGF−βシグナル伝達のCripto調節に必要とされるかどうか試験している。NCCIT集団は、空ベクターまたはCriptおよび/またはGRP78を標的化するshRNAを安定的に発現するベクターを感染させて作製した。これらのshRNAは、細胞表面でのタンパク質のレベルを測定するウエスタンブロット(図8A)または無傷細胞表面ELISA(図8B)により測定して、NCCIT細胞中でのCriptおよびGRP78タンパク質のレベルを実質的に低減した。重要なことに、CriptoのノックダウンはGRP78の細胞表面レベルに影響を与えず、逆も然りである(図8B)。
Criptoはヒト胚幹細胞(hES)中で発現され、そこでそれは増殖、分化および多能性を制御する際に重要な役割を有することが示されている。ここで本発明者らは、GRP78がhES細胞中にCriptoと共局在化し、Cripto機能を制御するかどうか試験した。図9A中に示すように、細胞表面ELISAにより測定して、GRP78とCriptoはいずれもH9hES細胞の表面で発現された。本発明者らは、H9細胞にCriptoおよびGRP78抗体を用いた免疫染色を施し、これらのタンパク質が原形質膜上に共局在化するかどうか試験し、図9B中に示すように、CriptoおよびGRP78は、細胞の末端近辺で点状染色をそれぞれ示した。重要なことに、これらのタンパク質に関する染色は高度の重複を示し、それらが細胞表面に共局在化することを示した(図9B)。次に本発明者らは、抗GRP78抗体が、アクチビン−Aおよびノーダルシグナル伝達に対するCripto依存性効果を遮断することができたかどうか試験した。この抗体(N−20、Santa Cruz)はH9細胞中で細胞表面GRP78と結合し(図9A)、GRP78受容体機能を遮断することが報告されている(Davidsonら、2005年、Philippovaら、2008年)。図9C中に示すように、N−20抗体を用いたH9細胞の処置はアクチビン−A誘導型Smad2リン酸化を増大し、ノーダル誘導型Smad2リン酸化を低下させ、それがこれらのリガンドによるシグナル伝達に影響を与えるCriptoの能力を遮断したことを示唆した。これと一致して、N−20抗体を用いた空ベクター感染NCCIT細胞の処置はアクチビン−A、アクチビン−BおよびTGF−β1シグナル伝達を増大し、ノーダルシグナル伝達は低下させ(図9D)、Criptoノックダウン細胞の抗体処置はこれらのリガンドのシグナル伝達に対して影響がなかった(図9E)。総合すると、これらの結果は、細胞表面GRP78はhES細胞においてCriptoシグナル伝達を仲介すること、およびGRP78ノックダウンと同様に、N−20抗体を用いたGRP78の標的化は、アクチビン/ノーダル/TGF−βシグナル伝達のCripto依存性制御を遮断することを実証する。
次に本発明者らは、細胞表面GRP78が、MAPK/PI3K経路の可溶性Cripto依存性活性化を仲介するかどうか試験した。最初に本発明者らは、NCCIT細胞中のAkt、GSK3βおよびERK1/2の可溶性Cripto依存性リン酸化に対するCriptoおよび/またはGRP78ノックダウンの影響を試験した。図10A中に示すように、空ベクター感染細胞は、可溶性Cripto用量の増大によって影響を受けない高い基礎ホスホ−Aktレベルを有していた。対照的に、基礎ホスホ−AktレベルはCriptoshRNAを発現する細胞中では検出不能であり、可溶性Cripto処置によって用量依存形式でこれらの細胞中のAktリン酸化が増大した(図10A)。対照的に、GRP78がノックダウンされたとき、および特にCriptoとGRP78が一緒にノックダウンされたとき、可溶性Cripto依存性Aktリン酸化は遮断された。可溶性Cripto依存性GSK3βリン酸化はAktリン酸化に関して観察したのと同じパターンをたどり、これもGRP78のノックダウンによって急激に低下した(図10A)。最後に、AktおよびGSK3βのCripto誘導型リン酸化はLY2940002によって遮断され、したがってPI3K活性化に依存した(図10A)。
Criptoは約80%のヒト乳癌中で過剰発現され、乳腺上皮細胞において腫瘍表現型を促進する(Strizziら、2005年)。ここで本発明者らは、内因性Cripto発現がないMCF10A細胞、ヒト乳腺上皮細胞系中で発癌性Criptoシグナル伝達を仲介する際のGRP78の役割を試験している。これらの試験を実施するために、本発明者らは、空ベクターまたはCriptoを安定的に感染させたMCF10A細胞クローンを作製した。図11A中に示すように、細胞表面ELISAにより測定して、GRP78は空ベクター感染MCF10A細胞の表面で発現される。さらに、図11B中に示すように、125I−Criptoは空ベクター感染MCF10A細胞と特異的に結合し、N−20抗体によって用量依存式に置換された。ERK/MAPKおよびPI3K/Akt経路の可溶性Cripto依存性活性化はc−Srcの上流活性化を必要とし(Biancoら、2003年)、本発明者らは、N−20抗体がCripto依存性c−Src活性化を遮断するかどうか試験した。図11C中に示すように、可溶性Criptoはベクター感染MCF10A細胞においてY416上でのc−Srcのリン酸化を引き起こし、これはN−20抗体と細胞のプレインキュベーションによって遮断された。これらの細胞の可溶性Cripto処置はAktリン酸化も引き起こした(図11D)。総合すると、これらのデータは、MCF10A細胞上での細胞表面GRP78とCriptoの結合は、c−Src/MAPK/PI3K経路を活性化するその能力に必要とされることを示す。
本発明者らは、細胞表面Cripto/GRP78複合体がアクチビン/ノーダル/TGF−βシグナル伝達を制御する証拠を与えており、ここで本発明者らは、CriptoとGRP78がどのように協同して、細胞増殖に対するアクチビン−Aおよびノーダル誘導効果に影響を与えるかを試験した。図12A中に示すように、アクチビン−Aとノーダルはいずれも空ベクター感染NCCIT細胞の増殖を増大する。Criptoおよび/またはGRP78のノックダウンはこれらのリガンドの増殖促進効果を遮断し、および興味深いことに、ノーダルではなくアクチビン−Aに細胞増殖を阻害させた。本発明者らは、N−20抗体がCriptoおよび/またはGRP78のノックダウンの効果と同様の効果を有するかどうか試験した。実際、図12B中に示すように、アクチビン−Aおよびノーダルの増殖促進効果はN−20抗体の存在下で遮断され、アクチビン−Aは再度、増殖促進効果を有する状態から細胞静止作用を有する状態に変化した。次に本発明者らは、CriptoおよびGRP78が、MCF10A細胞に対するアクチビン−Aおよびノーダルの増殖促進効果に同様に影響を与えるかどうか試験した。図12C中に示すように、アクチビン−Aは空ベクターを安定的に感染させたMCF10A細胞の増殖を大幅に阻害し、一方ノーダルは影響を有していなかった。Criptoを過剰発現するMCF10A細胞は空ベクター細胞と比較して高い増殖率を有しており、もはやアクチビン−Aによる増殖阻害はなかった。そうではなくて、アクチビン−Aとノーダルはそれぞれこれらの細胞の増殖を増大した(図12C)。図12D中に示すように、アクチビン−Aとノーダルに対する増殖促進応答を引き起こすCripto過剰発現の能力は、N−20抗体を用いた細胞の処置によって完全に遮断され、さらにこの処置によってアクチビン−AがMCF10A細胞の増殖を阻害するのを引き起こした。したがって、CriptoとGRP78の間の細胞表面相互作用はアクチビン−Aおよびノーダルを増殖促進サイトカインに変換し、アクチビン−Aの細胞静止作用を逆行させた。
本発明者らは、細胞表面GRP78がEGF受容体を介したCriptoシグナル伝達を容易にすると仮定し、PI3KのCripto依存性活性化を仲介する際のGRP78、ErbB4およびErbB2の役割を試験した。この仮説を調べるために、本発明者らは、ルシフェラーゼ遺伝子と結合したグルコース−6−ホスファターゼプロモーター(G6Pase−Lux)からなるPI3K抑制レポーター構築物を使用した。Cripto処置は、ErbB2またはErbB4のいずれかでトランスフェクトした細胞中で、このレポーター構築物の活性に対してほとんどまたは全く影響がなかったが、ErbB2とErbB4の両方でトランスフェクトした細胞中では約50%ルシフェラーゼ発現を低減した(図13A)。対照的に、トランスフェクトGRP78の存在下では、CriptoはErbB4でトランスフェクトした細胞においてルシフェラーゼ発現の約30%の低減を引き起こし、ErbB2とErbB4の両方でトランスフェクトした細胞中ではルシフェラーゼ発現をほぼ完全に遮断した(図13B)。この結果は、GRP78がErbB2とErbB4の下流のPI3K経路のCripto活性化を容易にすることを示し、細胞表面GRP78がCripto依存性Akt/PI3Kシグナル伝達を仲介することを実証する以前のデータと一致する。CriptoとGRP78の間の複合体形成はこの影響に必要であるようである。Cripto結合に欠陥があるGRP78D19〜68変異体は、ErbB2およびErbB4を介したシグナル伝達を促進しなかったからである(図13C)。そうではなくて、GRP78D19〜68変異体は、トランスフェクトしたErbB2およびErbB4の存在下でCriptoシグナル伝達を完全に遮断した(図13Aと13Cを比較)。この結果は、GRP78D19〜68変異体がドミナントネガティブ形式で作用して、内因性GRP78がCripto応答を促進するのを妨げることを示唆し、治療可能性を有するCriptoアンタゴニストとしての、このGRP78変異体に関して考えられる役割を指摘する。最後に、予想通り、PI3K阻害剤LY294002は基礎ルシフェラーゼレベルの増大を引き起こし(約2倍)、ルシフェラーゼレベルのCripto誘導型の低下を完全に遮断した(図13A〜13C)。
全体としてデータは、細胞表面Cripto/GRP78複合体が、腫瘍抑制機能を阻害し増殖/生存経路を活性化する、増殖制御の中心として作用するモデル(図14)を支持する。他方で、CriptoとGRP78は、アクチビンおよびTGF−βに応答する細胞静止Smad2/3シグナル伝達を協同して阻害し、これらのリガンドを増殖促進効果を有する状態にする。細胞表面GRP78とCriptoの結合は、腫瘍細胞可塑性および腫瘍形成と関連しているCripto依存性ノーダルシグナル伝達にも必要である。他方で、細胞表面GRP78とCriptoの結合は、Src、ERKおよびAktリン酸化を引き起こす、および増殖、EMTおよび移動を促進するその能力を含めた、Cripto腫瘍増殖因子活性に必要とされる。このモデルは、腫瘍表現型を促進する際のCripto/GRP78複合体の二重の役割、およびCriptoと細胞表面GRP78の間の相互作用を標的化する潜在的治療利点を強調する。このモデルは、本発明者らは、細胞表面GRP78とCriptoの結合は、ErbB2/ErbB4またはアクチビン/ノーダル/TGF−β/受容体複合体のいずれかとの後のCripto相互作用に必要であることを理解していることも示す(図14A)。データは、Cripto/GRP78の結合はこれらのCriptoシグナル伝達「アーム」のそれぞれの上流で起こり、したがって、Cripto/GRP78複合体形成を妨害する試薬は、Smad2/3とMAPK/PI3Kの両方のシグナル伝達に対する発癌性Cripto効果を阻害し得ることを示す(図14B)。
以下の参照文献は、本明細書で言及する詳細を補足する例示的手順または他の詳細をそれらが与える程度で、参照により具体的に本明細書に組み込まれる。
Claims (17)
- 細胞中のCriptoのシグナル伝達を阻害して該細胞の増殖を低減することによって被験体における過剰増殖性疾患を処置するための組成物であって、該細胞が、癌性、前癌性または悪性の細胞であり、該組成物は、CriptoとGRP78との間の複合体の形成を阻害するのに有効である量の選択的GRP78/Cripto標的化合物を含み、該標的化合物は、GRP78中のN−20エピトープと結合する抗GRP78抗体であり、そして、該N−20エピトープが、GRP78シグナルペプチドから下流の最初の50残基内にある20アミノ酸残基からなる、組成物。
- 前記抗体がヒトまたはヒト化モノクローナル抗体である、請求項1に記載の組成物。
- 前記抗体が二重特異性抗体である、請求項1に記載の組成物。
- 前記抗体をレポーター分子と結合体化させる、請求項1に記載の組成物。
- 前記レポーター分子が放射リガンドまたは蛍光標識である、請求項4に記載の組成物。
- 抗体が抗GRP78scFv、F(ab)またはF(ab)2である、請求項1に記載の組成物。
- 前記組成物が全身に、局部に、局所に、非経口に、静脈内に、腹腔内に、吸入によって、または腫瘍内に投与されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 前記細胞が乳房、結腸、胃、膵臓、肺、卵巣、子宮内膜、精巣、膀胱、前立腺、頭部、首、子宮頸部、胃腸、胆嚢または副腎皮質の細胞である、請求項1に記載の組成物。
- 前記過剰増殖性疾患が癌である、請求項1に記載の組成物。
- 前記癌が乳癌、結腸癌、胃癌、膵臓癌、肺癌、卵巣癌、子宮内膜癌、精巣癌、膀胱癌、前立腺癌、頭頸部癌、子宮頸部癌、胆嚢癌または副腎皮質癌からなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
- 前記組成物が前記被験体に第二の癌療法と組み合わせて投与されるものであることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
- 前記第二の癌療法が化学療法、放射線療法、遺伝子療法、免疫療法または外科手術である、請求項11に記載の組成物。
- 前記第二の癌療法が化学療法である、請求項12に記載の組成物。
- 前記化学療法がタキソール、シスプラチン、またはカルボプラチンである、請求項13に記載の組成物。
- ヒト化モノクローナル抗GRP78抗体であって、該抗体がGRP78中のN−20エピトープと結合し、該結合がCripto/GRP78複合体の形成を阻害し、該N−20エピトープが、GRP78シグナルペプチドから下流の最初の50残基内にある20アミノ酸残基からなる、抗体。
- 請求項15に記載の抗体を含む、医薬組成物。
- 前記医薬組成物が非経口、静脈内、または腫瘍内投与用に製剤化される、請求項16に記載の医薬組成物。
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