JP5805463B2 - フリーボールベアリングの配置方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フリーボールベアリングの配置方法に関する。
搬送テーブルや位置決めテーブルによってワークを任意方向に移動する場合、当該テーブル上に複数のフリーボールベアリングを配置した構造が一般に採用されている(特許文献1参照)。図10はフリーボールベアリング1の一例を示したもので、ベアリングケース1aから上向きに突出した1個の主ボール1bの下側半分を包み込むように、ベアリングケース1a内に多数の小ボールが配置されている。これら小ボールが主ボール1bの外周面を低摩擦抵抗で回転自在に支持し、これによって主ボール1bが全方向に回転自在とされている。ベアリングケース1aはベース板1cの上に配置され、このベース板1cの両側にテーブルに固定するための取付用ネジ孔1dが形成されている。このようなフリーボールベアリング1を配置した搬送テーブルや位置決めテーブルは、高い搬送精度ないし位置決め精度が必要な、例えば金型の搬出・搬入ラインや、電子部品等の加工ラインに一般に使用されている。
搬送テーブルや位置決めテーブルのフリーボールベアリングにワーク2を載せる場合、図11のように、一対のスキッド3を有するパレット4が使用される。ワーク2をパレット4上に不図示の位置決め治具で固定し、このワーク搭載パレット4をローラコンベアなどでフリーボールベアリングの上に移動させる。スキッド3はパレット4の下面に隙間を形成するためのもので、当該隙間にパレット4をローラコンベアや搬送テーブルの所定の位置に位置決め固定するための機器を配置する。スキッド3は矩形断面の長板を図12のようにパレット4下面に互いに平行に配置し、図13のようにスキッド3を複数のフリーボールベアリング1の主ボール1aによって支持した状態でワーク搭載パレット4を搬送テーブル5上で移動する。
特開2005−322894号公報
搬送テーブルや位置決めテーブルの上に複数のフリーボールベアリングを配置する場合、従来は、フリーボールベアリングをテーブル上のXY方向に規則正しく等間隔で配置するか、作業者が1つずつ手作業で配置するか、いずれかの方法で配置していた。
XY方向に規則正しく等間隔で配置する方法は比較的簡単であるから特に熟練を要しない。しかし、この配置方法では、フリーボールベアリングの使用個数が多い割には、パレットを移動する際にスキッドを支持するフリーボールベアリングの支持点が当該スキッドにおいて場所的に偏在することがあり、パレットの移動を必ずしもスムーズに行うことができない。すなわち、フリーボールベアリングをテーブル上のX−Y軸方向に規則正しく配列し、パレットのスキッドをX軸又はY軸に平行にした状態で当該パレットをY軸又はX軸方向に平行移動すると、スキッドの側縁が複数のフリーボールベアリングの列に同時に乗り上げたり同時に離れたりする。そうするとパレットの移動抵抗にムラが生じ、パレットをスムーズに移動させることができない。また、フリーボールベアリングのXY方向の配列幅をスキッドの幅よりも広げるとスキッドが当該配列幅に落ち込む場合があるので、XY方向の配列幅は最低でもスキッド幅にしなければならず、フリーボールベアリングの使用個数を低減しにくいという課題もある。
一方、手作業による配置方法はスキッドの形状(長さ、幅、スキッド間隔)を考慮して、当該スキッドがフリーボールベアリング相互間隙間に落ち込まないように、経験に基づいてフリーボールベアリングを最適配置する。この手作業による配置方法は、パレットを移動する際にそのスキッドに対するフリーボールベアリングの支持点が場所的に偏在することなく均等に分散し、フリーボールベアリングの使用個数が多くない割にはスムーズなパレット移動ができるという利点がある。しかし、この手作業による配置方法は作業者の経験に依存する割合が高く、作業者によってフリーボールベアリングの使用個数と配置状態が異なったり、フリーボールベアリングの配置作業に長時間を要したりするという問題がある。さらに、フリーボールベアリングの配置が完了しても、当該配置の適否、すなわちフリーボールベアリングの上でパレットを移動させていく時にパレットのスキッドがフリーボールベアリング相互間隙間に落ち込まないかどうかの確認を行うのが難しかった。
本発明の目的は、合理的かつ能率的にフリーボールベアリングを配置することが可能な配置方法を提供することにある。
本発明は、テーブル上に複数のフリーボールベアリングを配置するフリーボールベアリングの配置方法であって、前記フリーボールベアリングは、その主ボールが、前記テーブル上に載せるワーク搭載用パレットの下面に互いに平行に突設した一対のスキッドを支持し、当該スキッドの長さをL、横幅をAとしたとき、
(a)前記テーブル上を想定したフリーボールベアリングの配置領域に、前記スキッドの横幅Aと、長さLの三分の一に相当する長さBを有する短冊状の短縮スキッド形状を設定する工程、
(b)前記短縮スキッド形状の1つの対角線方向に対向する第1及び第2角部にそれぞれ中心を有する第1及び第2主ボールを配置する工程、
(c)前記第1角部がある短縮スキッド形状の長辺とは反対側の長辺上にあって、前記第1角部から前記長さBの三分の一に相当する距離Cにある点に中心を有する第3主ボールを配置する工程、
(d)前記第2角部がある短縮スキッド形状の長辺とは反対側の長辺上にあって、前記第2角部から前記長さBの三分の一に相当する距離Cにある点に中心を有する第4主ボールを配置する工程、
(e)前記工程(b)〜(d)で配置した前記第1〜第4主ボールからなる第1主ボール群を、前記短縮スキッド形状の長手方向中央又は当該長手方向中央から所定距離だけ長手方向に偏心した位置Dを中心として、120°で回転移動転写することで第2主ボール群を配置し、さらに120°回転移動転写することで第3主ボール群を配置する工程、
(f)前記第1〜第3主ボール群で構成される基本形を、前記第1〜第3主ボール群の各短縮スキッド形状を基準として、その長手方向に前記距離Bに対応する距離B1で、かつ、幅方向に前記横幅Aで移動し転写する工程を所要回数繰り返してフリーボールベアリングの配置領域を前記第1〜第3主ボール群の基本形で埋める工程、
を有するフリーボールベアリングの配置方法である。
前記距離B1は、前記一対のスキッドの間隔Wを前記長さBで整数除算して余りαが生じたとき、B1=B−(α/A)のように補正するとよい。ここで、A:スキッドの横幅、B:スキッドの長さLの三分の一の長さである。
また、短縮スキッド形状を回転させる位置Dは、短縮スキッド形状の長手方向中央から長手方向に、スキッドの横幅Aの二分の一だけ偏心させることができる。
また、フリーボールベアリングの配置領域に、複数の主ボール群に加えて、メッシュ状の多数の格子点を配置し、当該格子点に、パレットの一対のスキッド形状の所定位置を順番に移動させ、各格子点に移動する度に一対のスキッド形状をその所定位置回りに一回転させ、当該一回転の間に各スキッド形状の領域に2個以上の主ボールが常に含まれているかどうかをシミュレーションにより判定する工程を、本発明の配置方法に含めることができる。
本発明によれば、使用するパレットのスキッド形状に基づいてフリーボールベアリングを自動的に配置することができるので、フリーボールベアリングの配置を合理的かつ能率的に行うことができる。
フリーボールベアリングの配置方法の基本形を示す平面図である。 フリーボールベアリングの配置方法の他の基本形を示す平面図である。 フリーボールベアリングを配置するテーブル上を想定した領域にパレットを配置した状態を概念的に示す平面図である。 フリーボールベアリングの第1〜第3主ボール群の配置工程を示す平面図である。 フリーボールベアリングの基本形の第1〜第3主ボール群の展開工程を示す平面図である。 フリーボールベアリングの他の基本形の第1〜第3主ボール群の展開工程を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る配置方法によってフリーボールベアリングを配置した搬送テーブルの平面図である。 図5Aの搬送テーブルの側面図である。 図5Aの搬送テーブルに使用するパレットのスキッド形状を示す平面図である。 従来方法でフリーボールベアリングを配置した搬送テーブルの平面図である。 図6Aの搬送テーブルの側面図である。 本発明の実施形態に係る配置方法によってフリーボールベアリングを配置した別の搬送テーブルの平面図である。 図7と同じ搬送テーブルに従来方法でフリーボールベアリングを配置した平面図である。 フリーボールベアリングの配置の適否を判定するフローチャートである。 フリーボールベアリングの一例を示す斜視図である。 ワークを搭載したパレットの斜視図である。 パレットの底面図である。 搬送テーブルにワーク搭載パレットを載せた状態の側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1Aは本発明の実施形態に係るフリーボールベアリングの配置の基本形10を示す。また、図1Bは基本形10と類似した他の基本形10aを示す。このような基本形10、10aを、搬送テーブルや位置決めテーブルの上面を想定したフリーボールベアリングの配置領域に設ける。図2はこのような配置領域Rを概念的に示したものである。多数の○印が領域Rに配置したフリーボールベアリングの主ボールの中心を表している。領域Rの中に示す図形は、パレット4とそのスキッド3を表している。
図1A、図1BでS(S1〜S3)は、パレット4に使用するスキッド3の長さLの三分の一の長さBを有し、スキッド3と同じ横幅Aを有する短縮スキッド形状を示す。本発明の配置方法で短縮スキッド形状Sの長さをBよりも長くすると、パレット4を移動させた時のフリーボールベアリング1の支持点の偏りが大きくなり過ぎる。この反対に短縮スキッド形状Sの長さをBよりもよりも短くすると、フリーボールベアリング1の支持点の数が多くなり過ぎる。短縮スキッドSの長さがBの時、フリーボールベアリング1の支持点の偏りが少なく、支持点の数も適正となる(図4A、図4B参照)。
図1A、図1Bの実線で示す複数の円は、フリーボールベアリング1の主ボール1aを示す。以下、主ボール1aを必要に応じて主ボールM1、M2…のように表記する。円の直径は、配置するフリーボールベアリングをイメージしやすいように、フリーボールベアリング1の主ボール1aとほぼ同じ直径にしてある。図1A、図1Bの鎖線で示す1つの円は、スキッド3の横幅Aを直径とする円であって、この円の中心Dの回りに短縮スキッド形状Sを回転させることにより基本形10、10aを構成する。
次に、図1Aの基本形10を構成する手順を図3に基づいて説明する。まず、図3(A)のように1つの短縮スキッド形状S1を設定する。図では短縮スキッド形状S1を縦に設定しているが、短縮スキッド形状S1の向きはどの方向でも構わない。次に、短縮スキッド形状S1の対角線方向に対向する2つの角部S1a、S1bを選択し、この角部S1a、S1bを中心とする第1主ボールM1、第2主ボールM2を配置する。選択する角部は図示例では右上と左下の角部S1a、S1bにしたが、反対側の角部を選択してそこに第1主ボールM1と第2主ボールM2を配置してもよい。このように2つの主ボールM1、M2を対角線上に配置するのは、スキッド形状Sが任意の方向に移動する際、いずれか一方の主ボールM1又はM2が、常に短縮スキッド形状S1を支持するようにするためである。
次に、図3(B)のように、前記角部S1a、S1bがある長辺と反対側の長辺上にあって、前記角部S1aからの距離が短縮スキッド形状S1の長さBの三分の一の距離Cである点を求め、当該点を中心として第3主ボールM3を配置する。同様に角部S1bから距離Cの点を中心として第4主ボールM4を配置する。これで短縮スキッド形状S1に対する第1〜第4主ボールM1〜M4の配置が完了する。以下、図3(B)のように配置された第1〜第4主ボールM1〜M4を第1主ボール群という。
図3(B)において、短縮スキッド形状S1は、第1主ボール群の4つの主ボールM1〜M4によってかろうじて支持された状態である。すなわち、4つの主ボールM1〜M4はいずれも短縮スキッド形状S1の側縁ないし角部を支持している。このため、短縮スキッド形状S1がこの支持状態から長手方向と幅方向を除く任意の方向にごく僅かでも移動すると、少ない場合で1個、多い場合では3個の主ボールの支持を失う。しかし、少なくとも1個の主ボールの支持は失われない。つまり、短縮スキッド形状S1がどの方向に移動しても、短縮スキッド形状S1が少なくとも1個の主ボールによって必ず支持されるのである。
次に、図3(C)のように、第1主ボール群を回転させる時の回転中心となる位置Dを設定する。この位置Dは、短縮スキッド形状Sの長手方向中央点から、距離A/2すなわち短縮スキッド形状Sの横幅Aの二分の一の距離だけ偏心した位置である。これに対して、第1主ボール群を短縮スキッド形状Sの長手方向中央点から偏心させないで回転させたものが図1Bの基本形であるが、この図1Bの基本形については後述する。
回転中心位置Dを中心として、第1主ボール群を時計方向に120°回転移動させて転写する。図3(D)は最初に配置した第1主ボール群と、この第1主ボール群を時計方向に120°回転させた別の主ボール群を示している。後者が第2主ボール群である。第1と第2の主ボール群を合わせると8個の主ボールになる。次に、第2主ボール群をさらに時計方向に120°回転移動させて転写する。これにより、図3(E)のように合計12個の主ボールを有する3つの主ボール群が出来上がる。最後に出来た主ボール群が第3主ボール群である。第3主ボール群は、第1主ボール群を反時計方向に120°回転移動させて転写してもよい。
以上が図1Aの基本形10の構成手順である。この基本形10は、実際のスキッド3の三分の一の長さの短縮スキッド形状Sを、どの方向に移動しても、12個の主ボールのうち少なくとも1個の主ボールで確実に支持する。実際のスキッド3は短縮スキッド形状Sの三倍の長さであるから、基本形10を二次元方向に適切に展開することにより、一対のスキッド3をそれぞれ少なくとも3個の主ボールによって常に支持することが可能である。従って、パレット4全体としては左右のスキッド3が最低でも各3個の主ボールによって支持されるため、安定したパレット支持が約束される。
次に、以上の手順で構成した12個の主ボールからなる基本形10を、図2の配置領域Rに展開する方法を図4Aにより説明する。図4Aは図1Aの基本形10を7個だけ転写展開した状態を示すが、実際は同じ転写工程を所要回数繰り返して配置領域Rを多数の基本形10で埋め尽くす。基本形10の転写の仕方は、短縮スキッド形状Sの偏心位置Dから、短縮スキッド形状Sの長さBに対応する距離B1だけ基本形10を移動して転写する。但し、この移動の際、短縮スキッド形状Sをその横幅Aの分だけ横移動する。長さBに対応する距離B1だけ基本形10を移動することとしたのは、移動長さを正確に長さBに一致させた場合、いずれか一方のスキッド3が主ボールから稀ではあるが外れる場合があるからである。
詳しくは、スキッド3の中心線間の間隔Wを、長さB(スキッド3の長さLの三分の一)で整数除算して余りαが生じたとき、距離B1をB1=Bとすると、スキッド3が稀に主ボールから外れる場合がある。この場合、基本形10の移動距離をBよりも短いB1=B−(α/A)…(式1)とすると、スキッド3が主ボールから外れるのを確実に防止することができる。
また、余りαが生じないとき、要するに間隔Wが長さBの整数倍である場合は、B1=Bとしてもスキッド3が主ボールから外れることがない。以上のことは本発明者によるシミュレーションにより確認された。間隔Wが長さBのちょうど整数倍となるパレットの設計は少ないと考えられるから、通常は、基本形10の転写のための移動距離B1は、長さBよりも(α/A)だけ短くする。つまりその分だけ基本形10の相互間隔を詰める。
図4Aで上下方向は第1の主ボール群の短縮スキッド形状S1の長手方向である。この長手方向に基本形10を前述した距離B1で移動し転写する。同様に、第2の主ボール群の短縮スキッド形状S2の長手方向(右下から左上方向)と、第3の主ボール群の短縮スキッド形状S3の長手方向(左下から右上方向)においても、同様に基本形10を移動し転写する。このような移動転写をフリーボールベアリングの配置領域R内で繰り返すことにより、同領域Rを第1〜第3主ボール群の基本形10で埋めつくす。なお、領域Rの周辺部分では基本形10の一部がはみ出す場合がある。その場合は主ボール単位で埋めきれる領域はすべて埋め尽くす。また、フリーボールベアリング1のベース板1cの取付用ネジ孔1d(図10参照)が領域Rからはみ出す所では、手作業でフリーボールベアリング1の位置を変更する。この手作業による変更は前述した規則的な主ボールの配置の例外となる。
以上、図1Aの基本形10を用いたフリーボールベアリングの配置方法を説明したが、図1Bの基本形10aを用いた配置方法も以上とほとんど変わらない。図1Bでは、第1主ボール群を、短縮スキッド形状S1の長手方向中央D1を中心として回転移動させて第2、第3主ボール群を配置している。また、基本形10aを二次元方向に転写展開する場合の基本形10a同士の間隔B1を、図4BのようにB1=Bにしている。それ以外は、図1Aの基本形10を用いたフリーボールベアリングの配置方法と変わらない。
次に、図4Aの配置方法によって実際の搬送テーブルにフリーボールベアリングを配置した時の当該ベアリングの使用個数を従来の配置方法による使用個数と比較した。図5Aは図4Aの配置方法でフリーボールベアリングを配置した搬送テーブル5aの平面図であり、図5Bは同搬送テーブルの側面図である。この搬送テーブルはワーク搬送ラインの側方に配置され、検査によって選別された不良ワークを搬送ラインから出入口5a1を経由して搬送テーブル上に取り出し、この不良ワークを搬送テーブル上のリペア部5a2において修理し、再び搬送ラインに送り出すためのものである。
搬送テーブル5aの形状と大きさは図示の通りであり、使用するフリーボールベアリング1は、株式会社フリーベアコーポレーション製のフリーベア(登録商標)「C−8Y」である。「C−8Y」の寸法は、ベース板1cの長径69mm、短径50mm、取付用ネジ孔1d間の距離56mm、ベアリングケース1aの大円筒部直径42mm、小円筒部直径29.5mm、主ボール径25.4mmである。
パレット4のスキッド3形状は図5Cに示す通りであり、横幅38mm、長さ780mm、スキッド中心線間隔357mm(357mm=395mm−38mm)である。
この実施例では、フリーボールベアリングの使用個数は1125個であった。これに対して、図6A、図6Bのように同じ搬送テーブル5aに同じフリーボールベアリング1を手作業で配置した比較例では、その使用個数は1256個であった。従って、本発明の実施例の使用個数1125個は、従来の使用個数1256個の89.6%であり、約10%の使用個数節減が達成されたことになる。
図7は別の搬送テーブル5bに前記と同じフリーボールベアリングを図4Aの配置方法によって配置した例である。搬送テーブル5bの大きさはmm単位で周辺に表示している。右上の空白部はパレットの出入口5b1である。使用するパレットのスキッド3形状は図5Cと同じである。この実施例では図4Aの配置方法で自動的に配置したフリーボールベアリングは1442個、周辺部で手動配置したフリーボールベアリング(黒塗つぶし状態で示す)は61個で、合計使用個数は1503個であった。これに対して、図8のように同じ搬送テーブル5bに同じフリーボールベアリング1を手動で配置した場合、使用個数は1552個であった。従って、本発明の実施例の使用個数1503個は、従来の使用個数1552個の96.8%であり、約3%の使用個数節減が達成されたことになる。なお、図4Bの配置方法で前記と同様の条件で搬送テーブルにフリーボールベアリングを配置した場合も、前記と同程度の使用個数節減が確認された。
次に、以上のように自動(一部は手動)で配置したフリーボールベアリングの配置の適否、すなわちフリーボールベアリングの上でパレット4を移動させていく時にパレット4のスキッド3がフリーボールベアリング相互間隙間に落ち込まないかどうかの判定をコンピュータで自動的に行うためのフローチャートを図9に示す。このフローチャートは、図2の配置領域Rにメッシュ状の多数の格子点を配置し、当該格子点にパレットの一対のスキッド形状の任意の角部Kを順番に移動させていく場合のコンピュータプログラム上の工程を示している。なお、格子点に移動させるのは必ずしも角部Kである必要はなく、一対のスキッド形状の中心位置Gやその他の所定位置を格子点に移動させるようにしてもよい。
プログラムを起動すると、ステップS1でn=n+1が実行される(nの初期値は0)。次に、ステップS2でスキッド形状の角部Kを第n格子点位置(第1格子点位置)に移動する。第1格子点位置(n=1)は、図2の配置領域Rの1つのコーナ部に設けた格子点であり、この第1格子点が最初の判定位置になる。ステップS3で第1格子点を中心として一対のスキッド形状をその角部K回りにΔθだけ回転させ、その回転させた後のスキッド形状の領域に含まれる主ボールの中心の数Nをカウントする。ステップS5で当該カウント値Nが2以上であるか否かが判断され、2以上であるとステップS6に進んでスキッド形状の回転角θが360°以上であるか否か、すなわちスキッド形状を一回転させたか否かが判断される。
スキッド形状の一回転がまだ終わっていない場合は、ステップS3に戻って2回目のΔθの回転を行い、ステップS4〜ステップS6をスキッド形状の一回転が終わるまで繰り返す。つまり、Δθを例えば1°にした場合はステップS4〜ステップS6を360回繰り返すことになる。この繰り返しの間、ステップS5で一度でもNが1又は0であると、ステップS8に進んでNG表示が実行され、これによりフリーボールベアリングの配置に不適切箇所があることが分かる。
ステップS6でθが360°以上であると判断されるとステップS7に進み、ここでスキッド形状の中心位置がある格子点が何番目であるかが判断される。当該格子点が最終の格子点をnmax(図2右下に図示)でない場合、ステップS1に戻ってn=n+1が実行される。これにより、スキッド形状は次の第2格子点位置に移動し、以上と同様のステップがnmaxまで実行される。すべての格子点(n=1〜nmax)についてNG表示が出なかった場合はフリーボールベアリングの配置が適正であったと判定される。
次に、パレットのスキッドを支持するフリーボールベアリングの数について行ったコンピューターシミュレーションの結果を表1を参照して説明する。このシミュレーションは、図2と同様の仮想テーブルにX=1〜1158、Y=1〜1158の複数の格子点を設定し(単位はいずれもmm)、当該格子点に図5Cに示す大きさのパレット4の一対のスキッド形状の角部K(図2参照)をピッチ5(mm)で順番に移動させる。そして移動先の格子点でΔθ=7°の刻み角度で角部Kを中心としてスキッド形状を1回転させ、その時の一対のスキッドを支えるフリーボールベアリングの最低個数ごとの位置の数を集計したものである。
ここで「最低個数ごとの位置の数」とは、スキッド形状を角部Kを中心として7°刻みで1回転させた時の当該1回転の間に最低支持個数になる回転位置をいう。したがって、例えばスキッド形状の移動先のある1つの格子点でスキッド形状を7°刻みで1回転させる間に2つの回転位置で5点支持となる回転位置が2つあり、当該5点支持が1回転の間の最低支持個数である場合に「2位置」として集計する。
このシミュレーションの結果、以下の表1のように、図1Aの配置(第1の基本形10を図4Aのように配置した場合)では仮想テーブル全体で6点支持が最低で、そのような6点支持となる位置が合計30位置あり、6点未満の支持状態となる所はなかった。また、図1Bの配置(第2の基本形10aを図4Bではなく図4AのようにB1=B−(α/A)として配置した場合)では仮想テーブル全体で4点支持が最低であり、このような4点支持となる位置が合計23位置あった。
これに対して手作業による配置方法(図8の配置パターンを使用)では仮想テーブル全体で5点支持が最低であり、このような5点支持となる位置が5位置あった。以上の集計結果から、図1Aの配置方法は使用個数が最も少ない上に最低支持点は6点で最も多く、3つの配置方法の中ではスキッドが最も安定的に支持されることが分かる。
また、図1Bは主ボールの配置が塊となって集まるパターンになり、使用個数は手作業の場合よりも若干少ないが、最低支持点が4点で最も少ない結果になった。しかし、この図1Bの配置でも最低でも4点支持が得られるので、フリーボールベアリングからスキッドが落ち込むことはない。なお、3つの配置方法で7点支持以上の位置も当然存在するけれども、図1Aの配置方法が6点支持で最低であったので、それとの比較をするために7点支持以上は集計するのを省略した。
Figure 0005805463
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
1 フリーボールベアリング
1a 主ボール
3 スキッド
4 パレット
5 搬送テーブル
S 短縮スキッド形状
M1〜M4 主ボール

Claims (3)

  1. テーブル上に複数のフリーボールベアリングを配置するフリーボールベアリングの配置方法であって、 前記フリーボールベアリングは、その主ボールが、前記テーブル上に載せるワーク搭載用パレットの下面に互いに平行に突設した一対のスキッドを支持し、当該スキッドの長さをL、横幅をAとしたとき、
    (a)前記テーブル上を想定したフリーボールベアリングの配置領域に、前記スキッドの横幅Aと、長さLの三分の一に相当する長さBを有する短冊状の短縮スキッド形状を設定する工程、
    (b)前記短縮スキッド形状の1つの対角線方向に対向する第1及び第2角部にそれぞれ中心を有する第1及び第2主ボールを配置する工程、
    (c)前記第1角部がある短縮スキッド形状の長辺とは反対側の長辺上にあって、前記第1角部から前記長さBの三分の一に相当する距離Cにある点に中心を有する第3主ボールを配置する工程、
    (d)前記第2角部がある短縮スキッド形状の長辺とは反対側の長辺上にあって、前記第2角部から前記長さBの三分の一に相当する距離Cにある点に中心を有する第4主ボールを配置する工程、
    (e)前記工程(b)〜(d)で配置した前記第1〜第4主ボールからなる第1主ボール群を、前記短縮スキッド形状の長手方向中央又は当該長手方向中央から所定距離だけ長手方向に偏心した位置Dを中心として、120°で回転移動転写することで第2主ボール群を配置し、さらに120°回転移動転写することで第3主ボール群を配置する工程、
    (f)前記第1〜第3主ボール群で構成される基本形を、前記第1〜第3主ボール群の各短縮スキッド形状を基準として、その長手方向に前記距離Bよりも短い距離B1で、かつ、幅方向に前記横幅Aで移動し転写する工程を所要回数繰り返してフリーボールベアリングの配置領域を前記第1〜第3主ボール群の基本形で埋める工程、
    を有するフリーボールベアリングの配置方法。
  2. 前記位置Dを、前記短縮スキッド形状の長手方向中央から長手方向に、前記横幅Aの二分の一だけ偏心させたことを特徴とする請求項に記載の配置方法。
  3. 前記フリーボールベアリングの配置領域に、前記複数の主ボール群に加えて、メッシュ状の多数の格子点を配置し、当該格子点に、前記パレットの一対のスキッド形状の所定位置を順番に移動させ、各格子点に移動する度に一対のスキッド形状をその所定位置回りに一回転させ、当該一回転の間に各スキッド形状の領域に2個以上の主ボールが常に含まれているかどうかをシミュレーションにより判定する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の配置方法。
JP2011184776A 2011-08-26 2011-08-26 フリーボールベアリングの配置方法 Active JP5805463B2 (ja)

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