JP5805443B2 - パネル構造並びに板状要素を組み込む方法 - Google Patents

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本発明は、パネル構造並びに板状要素を組み込む方法に関する。
従来、例えばドアのパネルに窓ガラス(板状要素)を取り付ける構造として、パネル面にガラス板を受け入れることのできる段付き開口部を設けて、これにガラス板を嵌め込み、いわゆる押縁でガラス板の外周を固定する押縁仕様が広く知られている。
その一方、押縁を使用しないドア、即ち、差込式窓ガラス付きのドアも開発されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に開示されたドアにあっては、ドアのパネル上面には、ガラス板を挿入可能な開口が設けられ、パネル内部には、対向する芯材によって形成された導入隙間が設けられる。
ガラス板は、パネル上面の開口から内部の導入隙間に落とし込まれて、パネル面の窓穴に対向した位置に位置決めされる。そして、窓穴から露出しないガラス外周縁部(飲み代)とそれに対向する両面側の芯材部分との間にそれぞれ固定剤が注入され、これによってガラス板が固定される。
特開2000−120346号公報
特許文献1に開示されたようなガラス差込式のドアの場合、ガラスを差し込んだ後にパネル内に空洞の導入隙間(空間)が不可避的に残ってしまう。
特に、ガラス上端面から開口までの寸法が大きく設定されるようなドア仕様の場合、全く支えの無い空洞の導入隙間がパネル内部を大きく占有することになるために、パネルとしての剛性や耐久性等の観点で大いに改善の余地がある。
本発明は、斯かる不都合に対して効果的な改善をもたらすことができるパネル構造並びに板状要素を組み込む方法を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1態様は、
パネルに板状要素を組み込んで成るパネル構造であって、
パネル面に設けられ、板状要素を露出させるための窓穴と、
パネル側面に設けられ、板状要素をパネル内部に導入するための導入口と、
導入口の導入方向奥側のパネル内部に設けられ、対向する板状部によって画定される導入空間と、
導入空間の更に導入方向奥側のパネル内部に設けられ、窓穴から露出するように板状要素を収容する収容空間と、
パネル内部の所定位置に装着され、板状部間の間隔が少なくとも拡大するのを阻止するジョイント材と、
を含むことを特徴とする。
本発明の第2態様は、第1態様において、
ジョイント材は、対向する板状部の各々に係合して板状部間の相対位置関係を一定に維持することを特徴とする。
本発明の第3態様は、第1態様において、
ジョイント材は、両板状部に実質上対称に設けられた溝穴に沿って装着されることを特徴とする。
本発明の第4態様は、第3態様において、
溝穴の各々は、前記導入方向に沿って延びる第1溝穴部と、第1溝穴部から略直交するように延びる第2溝穴部と、を含むことを特徴とする。
本発明の第5態様は、第3態様又は第4態様において、
ジョイント材は、2つの離間した括れ部を有し、各括れ部は、対応する板状部の溝穴に嵌合することを特徴とする。
本発明の第6態様は、第1態様〜第5態様のいずれか1つにおいて、
板状要素は、ガラス板、アクリル板、木製板、金属板、板鏡、及び、板状の画像表示装置を含むグループの中から選択した一のものから成ることを特徴とする。
本発明の第7態様は、第1態様〜第6態様のいずれか1つにおいて、
パネルは、開口部を開閉するドアを含むことを特徴とする。
本発明の第8態様は、
板状要素を露出させるための窓穴を備えたパネルに板状要素を組み込む方法であって、
(a)パネル側面の導入口から板状要素をパネル内部に導入するステップと、
(b)導入方向奥側の、対向する板状部によって画定される導入空間を通して、更に導入方向奥側の収容空間に板状要素を収容して、窓穴から板状要素を露出させるステップと、
(c)ジョイント材をパネル内部の所定位置に装着して板状部間の間隔が少なくとも拡大するのを阻止するステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、導入空間を画定する両板状部の間隔が少なくとも拡大するのを阻止でき、パネルとしての剛性や耐久性を改善できる。
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点(効果)については、本発明の実施形態の説明および図面から当業者にとって明らかになろう。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明するが、本発明自体はこの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
図1は、本発明に係るパネル構造の一実施形態のドア構造の正面図、図2は、図1のII−II線に沿い上方から見た横断面図、図3は、図1のIII−III線に沿い矢印方向から見た縦断面図である。
本実施形態のドア1は、全体的にドア枠状に骨格形成された力骨3と力骨3の両面(ドア前面側及び後面側)に取り付けられたパネル板5とから基本的に構成され、建物の枠体7によって画定された出入用の開口部9を塞ぐように設置される。
ドア1は、貫通した窓穴11を有する。窓穴11は、両パネル板5の矩形の開口と両パネル板5の間に挟まれた窓用力骨13とで内周部分が画定される。
窓穴11を塞ぐように、窓穴11よりも一回り大きい矩形のガラス板15がドア内部に差込式に装着される。
ドア1の側面(力骨3)には、矩形のガラス板導入口17が設けられ、その導入方向奥側には、対向する板状部19によって画定される矩形板体状の導入空間21が設けられ、更にその奥側には、窓用力骨13で画定されるガラス板収容空間23が設けられる(図2及び3)。
対向する板状部19の各々には、ジョイント材(後述)25を受け入れて固定するための溝穴27が対称的に形成される。
溝穴27は、先ず細い溝幅で導入方向に沿って所定距離だけ延びる細長溝穴(第1溝穴)29と、突き当たりから略直角方向に延びる幅広の矩形溝穴(第2溝穴)31と、から構成され、パネル板5(ドア面)に垂直な方向から見たときに全体がL形状を呈する(図4及び9)。
ジョイント材25は、アルファベットのEを背中合わせに接続したような2箇所の括れ部(狭幅部)25aを有する金属板から構成される。
ここで、便宜的に一方のパネル板5を取り除いて、ジョイント材25と板状部19との関係を分かり易く描いた図4及び図5を参照する。
ジョイント材25は、先ず、面内方向と導入方向を一致させた状態で溝穴27(細長溝穴29)に括れ部25aを介してドア内部に導入される(図4)。
次いで、ジョイント材25は、突き当たりで導入方向に直交する方向(図では手前側/ドア設置時では下方向)にそのまま平行移動されて矩形溝穴31(溝穴27)の一端に押付けられる(図5)。
ジョイント材25は、この段階で三方を拘束され、残りの一方は、(ドア設置時に)ジョイント材25を持ち上げる方向(即ち、上方向)になるので、その自重や摩擦等を考慮すると、溝穴27(矩形溝穴31)内で実用上、固定されたと言うことができる。
以下、斯かる特徴的な構成を有する本実施形態のドア構造におけるガラス板15の取り付け工程について、図6〜図8を参照して簡潔に説明する。
先ず、ガラス板15をドア側面のガラス板導入口17から導入空間21を通してガラス板収容空間23に差し入れる(図6)。
次いで、ガラス板15の両面の外周縁部(隠れる部分、或いは、飲み込み代)と窓用力骨13との間にバックアップ材33を嵌入し、続いて、コーキング材35を注入して、ドア内部(ガラス板収容空間23)にガラス板15を実質上固定する。
次いで、上述したようにジョイント材25を溝穴27(29、31)に沿ってドア内部(導入空間21内)に挿入して固定する(図7)。そして、ドア側面に蓋部材37をネジ止めして、ガラス板導入口17を塞ぐ(図8)。
以上のように、本実施形態の特徴的なドア構造によれば、ガラス板15の導入後に、ジョイント材25が対向する2つの板状部19に溝穴27を介して確実に引っ掛かり、両板状部19の離間状態を一定に確実に保持(固定)する。
これにより、両板状部19よって形成される中空の導入空間21が拡がったり狭まったりするのを確実に阻止することができる。従って、ドアの剛性や耐久性等が飛躍的に向上する。
ここで、例えば、上記実施形態のドアが防火扉として使用される場合を想定する。
それが上記従来の単なる落とし込み式の窓ガラス付きドアであったような場合、時間経過や高温・高熱のために導入空間を画定する両板状部の間隔(ガラス溝幅)が拡がる等してガラス板が脱落するのが必至である。
しかしながら、ジョイント材が効果的に介在するために、両板状部の離間状態を一定に維持でき、これにより、ガラス板の脱落を安全且つ確実に回避することができる。
ところで、図9に示すように、矩形溝穴31(溝穴27)内でジョイント材25が動いて斜めになったような場合でも、ジョイント材25の最大外形部が(溝穴でない)板状部19に部分的に引っ掛かり、この引っ掛かり部分(図9のクロスハッチ部分C)がジョイント材25の溝穴27(29、31)からの脱落を効果的に食い止めることができる。
別言すると、ジョイント材の括れ部25aの一方側(図9の右斜め下側で溝穴31(27)と係合している部位)と、その他方側におけるジョイント材25の最大外形部との間の寸法が、矩形溝穴31(溝穴27)の対角寸法よりも大きいように設定され、ジョイント材25が溝穴以外の板状部19に部分的(僅かであっても)に必ず引っ掛かるように寸法構成される。
ジョイント材は、上記実施形態のそれに限定されないことは言うまでもない。ジョイント材の変形例として、図10には、2つの円板を丸棒で接続したようなジョイント材55が例示される。
図10のジョイント材55にあっては、対向する板状部19の少なくとも広がり(離反)を容易且つ確実に抑え込むことができる。しかも、円板部分の外径を溝穴27(29、31)の幅寸法よりも単に大きく設定しさえすれば、溝穴27(29、31)からの脱落を簡便に阻止できる。
上述した幾つかの実施形態は、本発明を窓ガラス付きのドアに適用したものであったが、本発明の原理はそのようなドアに限られない。具体的には、ガラス板以外に、アクリル板、木製板、金属板、板鏡などをパネル内に差込式に装着するドア或いはパネルについても本発明を適用できる。
より発展的な例として、例えば、パネルの少なくとも片面に窓部を有し、そこにLEDパネルやデジタルフォトフレーム等の板状要素を取り付けるようなドア又はパネル構造についても、同様に本発明を適用できる。
尚、ジョイント材の設置位置(導入口)は、板状部の(略)中央が好ましい。また、ジョイント材は、板状部間に複数設けてもよい。
本発明は、この明細書に図示及び記載した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内、すなわち、特許請求の範囲に記載された範囲内で、各種の改変・変形等を行うことができる。
本発明の一実施形態のドア構造の正面図である。 図1のII−II線に沿い上方から見た横断面図である。 図1のIII−III線に沿い矢印方向から見た縦断面図である。 一方のパネル板を取り除いて、ジョイント材と板状部との関係を示す斜視図である。 板状部にジョイント材を固定した関係を示す斜視図である。 ドア側面のガラス板導入口からガラス板を差し入れる前の状態を示す図である。 ジョイント材を溝穴に沿ってドア内部に挿入する前の状態を示す図である。 ドア側面に蓋部材をネジ止めして、ガラス板導入口を塞いだ状態を示す図である。 矩形溝穴(溝穴)内でジョイント材が斜めになった状態を示す図である。 ジョイント材の変形例を示す図である。
1 ドア
3 力骨
5 パネル板
7 枠体
9 開口部
11 窓穴
13 窓用力骨
15 ガラス板
17 ガラス板導入口
19 板状部
21 導入空間
23 ガラス板収容空間
25、55 ジョイント材
25a 括れ部
27 溝穴
29 細長溝穴(第1溝穴)
31 矩形溝穴(第2溝穴)
33 バックアップ材
35 コーキング材
37 蓋部材

Claims (7)

  1. パネルに板状要素を組み込んで成るパネル構造であって、
    パネル面に設けられ、板状要素を露出させるための窓穴と、
    パネル側面に設けられ、板状要素をパネル内部に導入するための導入口と、
    導入口の導入方向奥側のパネル内部に設けられ、対向する板状部によって画定される導入空間と、
    導入空間の更に導入方向奥側のパネル内部に設けられ、窓穴から露出するように板状要素を収容する収容空間と、
    パネル内部の所定位置に装着され、板状部間の間隔が少なくとも拡大するのを阻止するジョイント材と、を含み、
    前記ジョイント材は、両板状部に実質上対称に設けられた溝穴に沿って装着されることを特徴とするパネル構造。
  2. 請求項1に記載のパネル構造において、
    ジョイント材は、対向する板状部の各々に係合して板状部間の相対位置関係を一定に維持することを特徴とするパネル構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のパネル構造において、
    溝穴の各々は、前記導入方向に沿って延びる第1溝穴部と、第1溝穴部から略直交するように延びる第2溝穴部と、を含むことを特徴とするパネル構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のパネル構造において、
    ジョイント材は、2つの離間した括れ部を有し、各括れ部は、対応する板状部の溝穴に嵌合することを特徴とするパネル構造。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のパネル構造において、
    板状要素は、ガラス板、アクリル板、木製板、金属板、板鏡、及び、板状の画像表示装置を含むグループの中から選択した一のものから成ることを特徴とするパネル構造。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のパネル構造において、
    パネルは、開口部を開閉するドアを含むことを特徴とするパネル構造。
  7. 板状要素を露出させるための窓穴を備えたパネルに板状要素を組み込む方法であって、
    (a)パネル側面の導入口から板状要素をパネル内部に導入するステップと、
    (b)導入方向奥側の、対向する板状部によって画定される導入空間を通して、更に導入方向奥側の収容空間に板状要素を収容して、窓穴から板状要素を露出させるステップと、
    (c)ジョイント材をパネル内部の所定位置であって両板状部に実質上対称に設けられた溝穴に沿って装着して板状部間の間隔が少なくとも拡大するのを阻止するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
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