以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明の実施例に係るシート積載装置100を備える画像形成システム1000の構成を示す断面図である。画像形成システム1000は、電子写真画像形成プロセスを利用した両面印刷機能を有するシステムである。図1に示されるように、画像形成システム1000は、画像形成装置600、及び、シート積載装置100を備える。画像形成装置600は、画像形成装置本体(以下、単に『装置本体』という)600Aを有し、この装置本体600Aの内部には、画像を形成する画像形成部が設けられる。画像形成部は、『像担持体』である感光体ドラム914、転写装置等を含む。少なくとも感光体ドラム914については、プロセスカートリッジに含まれ、プロセスカートリッジとして装置本体600Aに組み込まれる構成となっていても良い。
画像形成装置600については、白黒/カラー複写機を例として説明する。シート積載装置100は、画像形成装置600に接続され、中綴じ積載装置と、シート積載装置としての平綴じ積載装置と、を備えている。このため、画像形成装置600から排出されるシートはオンラインで処理することができるようになっている。なお、シート積載装置100は、オプションとして使用されることがある。このため、画像形成装置600は、単独でも使用できるようになっている。また、シート積載装置100と画像形成装置600は、一体であってもよい。
装置本体600Aの内部のカセット909a、909bから供給されたシートPは、それぞれ画像形成部としてのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光体ドラム914a〜914d等によって、4色のトナー像が転写される。そして、定着器904に搬送されてトナー画像を定着され、排出ローラ対907によってシート積載装置100へと搬送される。
図2は、コントローラ900のブロック図である。図2に示すように、CPU回路部628は、CPU629、ROM630、RAM631を有している。CPU回路部628は、原稿給送装置制御部632、イメージリーダ制御部633、画像信号制御部634、プリンタ制御部635、シート積載装置制御部636、外部インターフェイス637を制御している。CPU回路部628は、ROM630に格納されているプログラム及び操作部601の設定に従って制御する。
原稿給送装置制御部632は、原稿給送装置650(図1参照)を制御する。イメージリーダ制御部633はイメージリーダを制御する。画像信号制御部634は画像信号を制御する。プリンタ制御部635は画像形成装置600を制御する。シート積載装置制御部636はシート積載装置100を制御する。本実施例において、シート積載装置制御部636をシート積載装置100に搭載した構成について説明する。しかし、これに限らず、CPU回路部628と一体的に画像形成装置600に設け、画像形成装置600側からシート積載装置100を制御するようにしてもよい。なお、このことから、シートの積載のための『制御手段』としては、CPU回路部628であっても良いし、シート積載装置制御部636であっても良いということになる。
RAM631は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。外部インターフェイス637は、コンピュータ620からのインターフェイスであり、プリントデータを画像に展開して画像信号制御部634へ出力する。イメージリーダ制御部633から画像信号制御部634へは、イメージセンサで読み取られた画像が出力され、画像信号制御部634からプリンタ制御部635へ出力された画像は露光制御部へ入力される。
図3は、シート積載装置100の構成を示す断面図である。図3に示されるように、シート積載装置100は、装置本体100aの内部にシート搬送部100A1、及び、装置本体100Aの外部にシート整合部100A2を有する。シート搬送部100A1は、駆動モータM1で駆動される搬送ローラ対102、103、駆動モータM2で駆動される搬送ローラ対104〜106、駆動モータM3で駆動される搬送ローラ対107、搬送センサS1〜S5、を有する。
装置本体600Aから排出されたシートPは、シート積載装置100の搬送ローラ対102に受け渡される。この時、搬送センサS1によりシートの受渡しタイミングも同時に検知されている。搬送ローラ対102により搬送されたシートは、搬送パスXを通過しながら、 搬送ローラ対103〜106によって搬送される。シートの搬送方向上流端(以下、後端という)が搬送センサS 1を通過したタイミングで搬送ローラ対102〜104の搬送速度を装置本体600Aからの受け渡し搬送速度V1から引き離し搬送速度V2に加速する。(V1<V2)。
引き離し搬送速度V2で搬送されたシートは、搬送センサS2〜S5でシート端部が検知されながら搬送ローラ対105〜107で積載トレイ137の方向へ搬送される。シート後端が搬送センサS4を通過した後の所定タイミングで搬送ローラ対107を引き離し搬送速度V2から積載トレイ137へ排出する排出速度V3へと減速させる(V3<V2)。なお、排出速度V3への変速はシートPの後端が搬送ローラ対107を通過する前に完了される。
このように、シート積載装置100の搬送部内で、受け渡し搬送速度V1、引き離し搬送速度V2、排出速度V3へとシート搬送速度を加減速することで、搬送パスX内で後続シートに対して先行シートを引き離すことが可能である。その結果、搬送ローラ対107における先行シートの後端の通過から後続シートの搬送方向下流端部(以下、先端部という)の通過までの時間を長くすることができる。そして、後述する積載トレイ137上での揃え部材201、及び、後端規制アーム250によるシートの整合動作時間を創出することが可能となる。
図4は、シート積載装置制御部636の回路ブロック図である。図4に示されるように、マイコン(CPU)701、RAM702、ROM703、入出力部(I/O)705、通信インターフェイス706、ネットワークインターフェイス704を有している。搬送制御部708において搬送センサS1〜S5の検知タイミング監視や、搬送センサS1〜S5に基づいて、駆動モータM1〜M3を駆動して、シートの加減速搬送処理等の各種搬送処理が行われる。
また、積載整合制御部709では、揃え部材201a、201bの整合動作制御、後端規制アーム250の昇降動作制御、積載トレイ137のシート最上面の検知制御、最上面の検知センサS9に基づく積載トレイ137の昇降制御を行う。I/O705の入力ポートには、各種センサ信号が入力される。I/O705の出力ポートには、不図示の制御ブロックや、不図示の各種ドライバを介して接続された各駆動系に接続されている。すなわち、積載整合制御部709は、M4〜M8、S6〜S9を制御する。
図5は、シート整合部100A2の構成を示す斜視図である。図5に示されるように、シート整合部100A2は、積載部700、揃え部材201a、201b、開口部161を有する。『積載手段』である積載部700は、シートを搬送する『搬送手段』である搬送ローラ107a、107bから搬送されたシートを積載する積載面137Xが形成された積載トレイ137を有する。積載トレイ137の積載面137Xは、装置本体100Aから離れるに従って高さが高くなるように、傾斜して配置されている。また、積載部700は、シートのシート搬送方向Lで搬送方向上流端PZを受け止める端部受止壁160を有する。
『整合手段』である揃え部材201a、201bは、積載部700の上に積載されたシートのシート搬送方向Lと直交するシート幅方向Nの端部を整合する部材である。
また、この積載トレイ137には、シート幅方向Nの端部側に2つの凹部137a、137bが形成される。この凹部137a、137bの上方には一対の揃え部材201a、201bが配置されている。そして、揃え部材201aの搬送方向上流端(以下、先端という)が凹部137aに進入すると共に、揃え部材201bの先端が凹部137bに進入するように配置関係が設定される。
開口部161は、鉛直方向で、積載面137Xの基端、及び、搬送ローラ107a、107bの間となる位置で端部受止壁160に形成される。この開口部161は、『送風手段』であるファンモータ部FM1(図8(a)参照)に接続されている。こうした構成によって、搬送ローラ107a、107bがシートを搬送する間に、ファンモータ部FM1が開口部161を通じて後続シートP100(図17参照)の裏面に沿ってエアーを流せるようになっている。なお、ファンモータ部FM1は、ファンと、ファンを駆動するモータと、を有している。
『移送手段』である後端規制部290は、搬送ローラ107a、107bよりもシート搬送方向Lの下流に配置される。後端規制部290は、後端規制アーム250及びシート戻し部材240を有する。後端規制部290は、後続シートP100から離間した退避位置T(図8参照)、及び後続シートP100を当接して移送し、後続シートP100の搬送方向上流端を端部受止壁160に規制する規制位置K(図11参照)の間を移動可能である。そして、後端規制部290は、搬送ローラ107a、107bから搬送される後続シートP100の搬送方向上流端PZ(図17参照)の位置を規制する。後端規制部290は、後続シートP100が搬送ローラ107a、107bを通過すると、退避位置Tから規制位置Kへと移動する。
なお、後端規制部290と開口部161は、シート幅方向Nで一致(オーバーラップ)するように、シート搬送方向Lに並んで配置される。後端規制部290と開口部161がシート幅方向Nでずれていると、ファンモータ部FM1からのエアーが後続シートP100の搬送方向下流端側に到達しない。後続シートP100の押圧部と既積載シートP0の間は狭くなっているためエアーが通過しにくく、後端規制部290と開口部161がシート幅方向Nでずれていると、エアーは後続シートP100の端部を押し上げて上方、または幅方向に逃げてしまうからである。このため、後端規制部290と開口部161をシート幅方向Nで一致(オーバーラップ)させて、開口部161から送風されたエアーがそのまま後続シートP100の押圧部と既積載シートP0の間に向かうようにしている。
図6は、シート整合部100A2の主要部の構成を示す斜視図である。まず、揃え部材201a、201bのスライド動作のメカニズムについて説明する。図6に示されるように、揃え部材201a、201bは、第1支軸202に支持されている。揃え部材201a、201bの基端部は、揃え部材201a、201bと同様に第1支軸202を中心に回転可能に支持されたスライド部材203a、203bによってシート幅方向Nの両側をガイドされている。そして、スライド部材203a、203bのシート幅方向Nの移動に追従して、揃え部材201a、201bはシート幅方向N(矢印Ya、Yb方向)に移動する。
また、第1支軸202に平行に第2支軸204a、204bが配置されている。第2支軸204aは揃え部材201aの孔を貫通し、両端部に昇降ガイド221a、221bが取り付けられている。昇降ガイド221a、221bの各々は、第1支軸202を中心に回転自在に構成されている。同様に、第2支軸204bは揃え部材201bの孔を貫通し、両端部に昇降ガイド221c、221dが取り付けられている。昇降ガイド221c、221dの各々は、第1支軸202を中心に回転自在に構成されている。なお、第2支軸204a、204b及び昇降ガイド221a〜221dが存在することによって、揃え部材201a、201bは、昇降ガイド221a、221bが回転しない限り、第1支軸202を中心に回転しないようになっている。
スライド部材203aの上方には、検知部材205aが配置されている。スライド部材203a及び検知部材205aは、第2ベルト207aを挟み込んでいる。そして、スライド部材203a、第2ベルト207a、検知部材205aは、ビスで結合されている。同様に、スライド部材203bの上方には、検知部材205bが配置されている。スライド部材203b及び検知部材205bは、第2ベルト207bを挟み込んでいる。そして、スライド部材203b、第2ベルト207b、検知部材205bは、ビスで結合されている。
第2ベルト207aの両端は、プーリ208a、208bで支持されており、第2ベルト207bの両端は、プーリ208c、208dで支持されている。プーリ208a〜208dは2段プーリであり、第1ベルト206a、206bを介して、スライドモータM4、M5のプーリ部と係合し、スライドモータM4、M5の駆動力を伝達している。よって、スライドモータM4、M5が駆動すると、第1ベルト206a、206bが回転して第2ベルト207a、207bが回転し、スライド部材203a、203bを介して、揃え部材201a、201bがシート幅方向N(矢印Ya、Yb)に移動する。そして、揃え部材201a、201bが、積載トレイ137上に排出されるシートのシート幅方向Nの端部の位置を整合する。
尚、揃え部材201a、201bの動作位置は、スライド位置の検知センサS6a、S6b(発信部と受信部を含む)とスライド位置の検知部材205a、205b(フラグ)によって、ホーム位置を既定する。そして、揃え部材201a、201bの動作位置は、ホーム位置からのスライドモータM4、M5のそれぞれの回転パルス数でシートPの幅サイズに応じた位置まで移動することで、シートPの整合動作を実施する。
次に、揃え部材201a、201bの昇降動作のメカニズムについて説明する。第1支軸202の一端部には、昇降プーリ222がピンで結合されている。そして、第1支軸202には、昇降ガイド221a〜221dが固定されている。そのために、昇降プーリ22が回転すると、第1支軸202及び昇降ガイド221a〜221dが同期して回転する。なお、第2支軸204a、204bの両端部は、第1支軸202に片側を固定した昇降ガイド221a〜221dで軸支されている。よって、昇降モータM6が駆動すると、ベルト227、プーリ223、ベルト224を介して、昇降プーリ222が回転する。そうすると、第1支軸202、昇降ガイド221a〜221d、第2支軸204a、204bは、第1支軸202を中心に回転する。なお、検知センサS7は、昇降プーリのフラグを検知して回転位置を検知する。
図7は、シート整合部100A2の構成を示す左側面図である。図7に示されるように、搬送ローラ107aと搬送ローラ107bの間のニップ部、及び積載面137Xの間に、開口部161が配置される構成となっている。したがって、搬送ローラ107aと搬送ローラ107bの間を通過した後続シートは、裏面に沿ってエアーを受けながら、積載面137Xの上に積載されるようになっている。
図8は、シート整合部100A2の構成を示す断面図である。特に、揃え部材201bが回転しながら積載トレイ137に対して昇降する動作を示し、図8(a)は、揃え部材201bの先端部が凹部137bに進入した状態を示し、図8(b)は、揃え部材201bの先端部が凹部137bから退避した状態を示す。尚、揃え部材201a、201bの昇降動作位置は、昇降位置の検知センサS7(図6参照)と昇降プーリ222の検知フラグ部によって、ホーム位置を既定し、ホーム位置からの昇降モータM6の回転パルス数で移動制御する。
図9は、後端規制部290の構成を示す斜視図である。図9に示されるように、後端規制部290は、トレイ戻し部材240と、後端規制アーム250と、を有する。トレイ戻し部材240は、複数のパドル(羽根状板)を有し、積載トレイ137の積載面へと排出中のシートPの後端側表面に回転しながら接触して移送し、シートPの後端を端部受止壁160に受け止めさせる部材である。また、後端規制アーム250は、排出中のシートPの後端側の表面を下方へと押える部材であり、前述のトレイ戻し部材240を支持する部材でもある。後続シートP100が搬送されてくると、後端規制アーム250が先に後続シートP100に接触し、次に、トレイ戻し部材240が後続シートP100に接触するように設定されている。
図10は、後端規制部290の構成を示す図9の部分拡大斜視図である。図10に示されるように、後端規制アーム250及び昇降プーリ260は、アーム支軸270を中心に空転自在に支持されている。また、後端規制アーム250及び昇降プーリ260は、係合するように固定されている。したがって、昇降プーリ260が回転すると、後端規制アーム250も同期して回転するようになっている。
また、ベルト261は、昇降プーリ260及びリンクプーリ263に係合している。また、ベルト264は、リンクプーリ263及び昇降ギア266の軸に係合している。昇降ギア266は昇降モータM7の駆動力を受けられるようになっている。したがって、昇降モータM7が駆動すると、昇降ギア266、ベルト264、リンクプーリ263、ベルト261、昇降プーリ260が回転し、後端規制アーム250が回転することで、後端規制アーム250が昇降可能となっている。また、後端規制アーム250の昇降位置は、検知センサS8(図4参照)にて検知されるようになっており、位置が制御されるようになっている。
また、後端規制アーム250は、昇降プーリ260よりもシート幅方向Nで内側にアーム支軸270に係合するプーリ241aを有し、また、プーリ241aに対してシート幅方向Nと直交する方向にプーリ241bを有する。また、後端規制アーム250は、プーリ241bに固定される軸243を有する。軸243の両端には、複数のパドル(羽根状板)を有するトレイ戻し部材240a、240bが結合される。アーム支軸270が回転すると、プーリ241a及びプーリ241bが同期して回転し、トレイ戻し部材240a、240bが回転するようになっている。
なお、図3に示す駆動モータM3が駆動すると、図9に示すプーリ275が回転し、ベルト277が回転し、プーリ274が回転することによって、アーム支軸270が回転するようになっている。したがって、アーム支軸270は、搬送ローラ107bの回転と同期して回転するようになっている。
図11は、後端規制アーム250が退避位置Tから規制位置Kへと移動した後の状態を示す断面図である。なお、図11では、同時に、揃え部材201bの先端部が積載面137Xに形成される凹部137bに進入している。シート積載装置制御部636は、昇降モータM7(図10参照)を駆動するように制御しつつ、検知センサS8(図10参照)にシートの表面の位置を検知させるように制御する。また、シート積載装置制御部636は、後端規制アーム250を、図10を参照しつつ説明した前述の機構を使用しつつ、積載トレイ137から退避する退避位置T、及び、積載トレイ137に接近してシートPを規制する規制位置Kへと移動させる。
また、図11に示されるように、搬送ローラ対107の搬送ローラ107bの下方には、搬送ローラ107a及び搬送ローラ107bから排出されたシートの後端を突き当てるための端部受止壁160が配置されている。そして、搬送ローラ107bと積載トレイ137の基端とで鉛直方向の中間位置であって、端部受止壁160におけるシート幅方向Nの中央部には、開口部161(図7参照)が形成されている。この開口部161と連通するようにファンダクト150が接続されている。そして、ファンダクト150にファンモータ部FM1が接続されている。
ファンモータ部FM1は、搬送ローラ107a及び搬送ローラ107bから排出中の後続シートP100、及び、積載トレイ137に既に積載済みの既積載シートP0の間に向かって、シート搬送方向Lにエアーを送風し続ける。そして、排出中のシートが積載トレイ137に積載されるときに、後続シートP100及び既積載シートP0の間に微量の空気層を形成させる。
図12は、積載トレイ137の昇降駆動部800の構成を示す斜視図である。図12に示される昇降駆動部800は、積載トレイ137の裏面側に取付けられ、積載トレイ137を支持しつつ昇降動作する機構である。(図8(a)参照)。このことから、積載部700は、積載トレイ137及び昇降駆動部800を有する。『昇降手段』である昇降駆動部800は、検知センサS9の検知結果に基づいて、搬送ローラ107a、107bのニップから積載面137Xに積載されたシートの上面までの距離を略一定に維持するために、積載面137Xを積載高さ方向に移動させる機構である。昇降モータM8が駆動すると、ベルト301が回転し、プーリ302が回転し、ギア303、304が回転する。
さらに、昇降駆動部800は、シート幅方向Nに延びる駆動軸307を有する。駆動軸307の両端にはギア304が取り付けられており、このギア304の駆動力が最終伝達ギア305a、305bに伝達される。そして、最終伝達ギア305a、305bが、鉛直方向に配置されたラックギア306a、306bに沿って鉛直方向に移動することで、トレイベース308及び積載トレイ137は、鉛直方向(矢印Z方向)に走行することができる。
シート積載装置制御部636は、検知センサS9(図11参照)の検知結果に基づいて、積載トレイ137に積載される最上面のシートの位置が常に一定の検知位置(高さ)になるように、昇降モータM8の駆動を制御し、積載トレイ137を鉛直方向に移動させる。
次に上記構成に基づき、本実施例における積載トレイ137へのシート積載について、シートの流れとともに各部の動作を説明する。
図13は、排出積載ジョブのフローチャートである。図13に示されるように、ユーザにより、操作部601で排出積載ジョブが設定されてジョブが開始されると、各動作部位のイニシャル動作処理を実施し、待機状態にする(ステップ1、以下「ステップ」を「S」と記載する。S1)。次に、シートサイズ判別処理を実施し、積載されるシートのサイズ、坪量を判別する(S2)。次に、搬送積載処理(S3)に移って、排出積載ジョブが完了する。
図14は、イニシャル動作処理(S1)のフローチャートである。図14に示されるように、イニシャル動作処理(S1)が開始されると、シート積載装置制御部636は、揃え部材201a、201b及び後端規制アーム250をイニシャル動作させてホームポジションへ移動させる。
揃え部材201a、201bのスライド位置のホームポジションの検出は、奥側、手前側に各々設けられた奥側のスライド位置の検知センサS6b(図6参照)、手前側のスライド位置の検知センサS6a(図6参照)により行う。シート積載装置制御部636は、揃え部材201a、201bのスライド位置がホームポジションに位置しているか否かを判断する(S11)。シート積載装置制御部636は、揃え部材201a、201bがホームポジションに位置していない場合には揃え部材スライドモータでホームポジションに移動させる(S13)。
揃え部材201a、201bの昇降位置のホームポジションの検出は、昇降位置の検知センサS7(図6参照)により行う。シート積載装置制御部636は、揃え部材201a、201bの昇降位置がホームポジションに位置しているか否かを判断する(S12)。シート積載装置制御部636は、揃え部材201a、201bがホームポジションに位置していない場合には昇降駆動モータでホームポジションに移動させる(S15)。
後端規制アーム250の昇降位置のホームポジションの検出は、後端規制アーム250の位置を検知する検知センサS8(図10参照)により行う。シート積載装置制御部636は、後端規制アーム250の昇降位置がホームポジションに位置しているか否かを判断する(S14)。シート積載装置制御部636は、後端規制アーム250の昇降位置がホームポジションに位置していない場合には後端規制アーム昇降モータでホームポジションに移動させる(S16)。
上述のイニシャル動作処理により、揃え部材201a、201b、及び、後端規制アーム250をホームポジションへ移動させる。そうすると、搬送ローラ対107により積載トレイ137へ排出されるシートの通紙面よりも上方へ退避する位置関係になり、イニシャル動作処理が完了する。
図15は、シートサイズの判別処理のフローチャートである。図14に示すイニシャル動作処理の完了後に、図15に示すシートサイズ判別処理に移行する。シート積載装置制御部636は、シートサイズ情報に基づいて、揃え部材201a、201bがシートの受入位置に移動されているか否かを判断する(S21)。シート積載装置制御部636は、YESの場合には次の工程を制御し、NOの場合にはスライドモータM4、M5(図6参照)を起動して揃え部材201a、201bを受入位置へと移動させる(S23)。シートの受入位置とは、揃え部材201a、201bどうしの間隔がシートのシート幅方向Nの長さよりも所定量大きく設定され、排出されるシートの妨げとならない位置のことである。
次に、シート積載装置制御部636は、イニシャル動作処理(S1)により通紙面から退避した上昇退避位置にある揃え部材201a、201bを、揃え部材201a、201bの昇降機構により所定量降下させる(S22)。そして、シート積載装置制御部636は、揃え部材201a、201bをシート受け入れ昇降位置に昇降モータM6(図6参照)によって移動させたか否かを判断する(S22)。シート積載装置制御部636は、YESの場合には次の工程を制御し、NOの場合には、昇降駆動モータを起動する(S25)。
次に、シート積載装置制御部636は、シートの搬送長が297mm(A4長手方向)以上のラージサイズか否かを判断し(S24)、YESの場合、シート坪量が63gsm(Gram per Square Meter)以上かどうかを判断する(S26)。シート積載装置制御部636は、S24の判断の結果、NOの場合(搬送長が297mm以下のスモールサイズであった場合)には、ファンモータ部FM1への電流供給は実行せず(0Vで制御をする)、起動させない(S27)。
シート積載装置制御部636は、S26の判断の結果、NOの場合(搬送長が297mm(A4長手方向)以上のラージサイズで、シート坪量が63gsm以下であった場合)には、ファンモータ部FM1への電流供給は12V制御に設定して起動させる(S28)。シート積載装置制御部636は、S26の判断の結果、YESの場合(搬送長が297mm(A4長手方向)以上のラージサイズで、シート坪量が63gsm以上であった場合)には、ファンモータ部FM1への電流供給は24V制御に設定して起動させる(S29)。ファンモータ部FM1の起動時は、開口部161から積載トレイ137上に所定量のエアーが送風される。
ファンモータ部FM1のシートサイズ判別処理に関して、シートの搬送長がラージサイズのみ、揃え部材201a、201bによる整合時の搬送方向下流端部におけるシート間の移動抵抗を軽減させるために、ファンモータ部FM1を起動させるよう制御する。また、シート坪量に関しては、63gsm以下の薄手のシートにおいて、ファンモータ部FM1の風量を大きくすると、搬送ローラ対107からの排出時、空気流層によって、積載トレイに落下する障害となるため、風量を減らす制御を行っている。
図16は、搬送積載処理のフローチャートである。図15に示すシートサイズ判別処理の完了後に、図16に示す搬送積載処理に移行する。画像形成装置600によって、適宜面付けされて画像形成されたシートが順次、排出ローラ対907(図1参照)から排出される。シートは、搬送ローラ対102(図3参照)に受け渡された後、搬送パスXを通過して、積載トレイ137の方向へ搬送される。
その後、シート積載装置制御部636は、搬送されるシートの後端が搬送センサS5に到達したか否かを判断する(S31)。シート積載装置制御部636は、搬送されるシートの後端が搬送センサS5に到達した場合には、タイマーカウントし(S32)、シートの後端が搬送ローラ対107を通過するタイミングを計測する。シート積載装置制御部636は、シートの後端が搬送ローラ対107のニップを通過したか否かを判断する(S33)。
シート積載装置制御部636は、S33の判断の結果、YESの場合には、シートの後端が搬送ローラ対107のニップを通過したタイミングで、後端規制アーム250を所定量下降させる(S34)。そして、後端規制アーム250を、排出されたシートの後端付近に当接させ、シートの後端を、積載トレイ137の方向へと速やかに落とす(S34)。
後端規制アーム250の下降開始後、シート積載装置制御部636は、タイマーカウントをスタートし(S35)、150秒経過したか否かを判断する(S36)。シート積載装置制御部636は、YESの場合には、揃え部材102a、102bのスライドモータを起動して、揃え部材102a、102bを受入位置から整合位置へと移動させる(S37)。そして、シート積載装置制御部636は、揃え部材102a、102bが整合位置に到達する前、後端規制アーム250の昇降モータを起動して、後端規制アーム250を下降位置からホーム位置へと上昇させる(S38)。それから、シート積載装置制御部636は、揃え部材102a、102bのスライドモータを起動して、揃え部材102a、102bを整合位置から受入位置へと移動させる(S39)。
その後、シート積載装置制御部636は、排出されるシートが最終シートか否かを判断する(S40)。シート積載装置制御部636は、YESの場合には、搬送積載処理を完了し、NOの場合には、搬送積載処理を再び開始する。
図17(a)は、エアーがファンモータ部FM1から流れてきて開口部161を通過し、後続シートP100の裏面と、積載トレイ137に既に積載される既積載シートP0の最上面との間に流れていく様子を示す断面図である。図17(a)に示されるように、特にラージサイズのシートに対しては、後端規制部290によって、排出シートを強制的に下降させる。この後端規制部290が退避位置Tから規制位置Kへと移動する際、当接した後続シートP100の搬送方向上流端PZが搬送ローラ107a、107bのニップから搬送ローラ107bを通過して開口部161へ向かって移動する。
トレイ戻し部材240がシートの後続シートP100の上面を押圧しながら下降する際、搬送方向上流端PZは自由端であるため、トレイ戻し部材240によって押圧される後続シートP100の上面部に対して遅れて下降する。このとき、後続シートP100の搬送方向上流端PZと既積載シートP0との間にエアーの導入口が形成されるとともに、トレイ戻し部材240が押圧する後続シートP100の上面部と既積載シートP0との間に形成される間口を狭くすることが可能となる。これによって、上記エアーの導入口に導入されるファンモータ部FM1からのエアーの風速を狭くなった間口において一時的に増大させることができる。
開口部161の位置は、トレイ戻し部材240が退避位置Tから規制位置Kへ到達する際の後続シートP100の搬送方向上流端PZの位置に応じて設定される。この設定は、送風が後続シートの裏面に入るようにするためのものである。
後続シートP100の搬送方向上流端PZが搬送ローラ107a、107bのニップから搬送ローラ107bを通過して開口部161へ向かって移動し、エアーが後続シートP100の搬送方向上流端PZから搬送方向下流へ導かれる。後続シートP100と既積載シートP0との間に空気層が形成された状態で、後続シートP100が平板状になると、所定時間後に揃え部材201a、201bがシート幅方向Nに移動して積載部700に積載されるシートを整合する。
なお、揃え部材201a、201bは、積載部700(図5参照)に積載されるシートのシート搬送方向Lにおける重心位置に対して端部受止壁160の方に寄って配置されている。このため、ユーザは、積載されたシート束を取り出し易くなっている。
シート整合部100A2は、トレイ戻し部材240を退避位置Tと規制位置Kとの間で移動するよう駆動する『駆動手段』である昇降モータM6を備える。後続シートP100の搬送方向上流端PZが搬送ローラ107a、107bを通過するときは、トレイ戻し部材240を退避位置Tに移動する。そして、後続シートP100の搬送方向上流端PZが搬送ローラ107a、107bを通過してからトレイ戻し部材240が後続シートP100の搬送方向上流端PZに当接するタイミングで、トレイ戻し部材240を規制位置Kに移動する。トレイ戻し部材240が規制位置Kに移動する際、後続シートP100の搬送方向上流端PZの位置を、搬送ローラ107a、107bの位置から開口部161の位置へと移動させる。
シート整合部100A2は、搬送ローラ107a、107bから積載面137Xまでの距離を略一定に維持するために、積載部700に積載されるシートの最上面の位置を検知する『検知手段』である検知センサS9(図11参照)を備える。開口部161は、最上面の検知センサS9の高さ、及び、搬送ローラ107a、107bの下面の高さの中間位置に配置される(図11参照)。
図17(b)は、エアーがシートの先端の方へと流れていく様子を示す断面図である。図17(b)に示されるように、後端規制アーム250によって、シートの後端側を積極的に下降させ、シートの後端縁が開口部161の領域よりも下側に速やかに落下させることで、シートの後端側に留まった空気層をシート先端側に移動させることができる。
このような作用により、空気層をシート後端部に集中的に留めることなく、通常では行き届き難いラージシートの先端の下方部側へ空気層を効率的に送り込むことが可能になる。シートが積載トレイ137に平板状に着地した後、積載トレイ137の傾斜と、トレイ戻し部材240a、240bによって、端部受止壁160の方向へシートを移動させ、突き当て整合する。
次に、シートのシート幅方向の長さよりも所定量大きい位置で待機している揃え部材201a、201bをシート幅と同じ幅になるよう挟み整合動作を行う。この時、後端規制アーム250の下降動作とファンモータ部FM1の作用によって、シートの先端の下方部側へ送り込まれた空気層によって、既積載シートと後続シート間に生じるシート間の移動抵抗を小さくすることが可能となる。
特にラージサイズや薄手のシート、及び表面コーティングシートに対して、搬送系の斜行や幅方向の搬送位置ズレや、位置排出ローラからシートの後端が排出後に積載トレイ面までの落下挙動があり得る。これによって、端部受止壁160に突き当て時に幅方向で整合位置とのズレが発生した場合、また、シート表面の帯電電位が高い場合、シート同士で吸着して貼り付いた場合においても、端部の座屈を発生させたり、整合不良を起こしたりすることがなくなる。
図18(a)は、排出シートの下方に集中的にエアーが流れる様子を示す斜視図である。図18(a)に示されるように、シート幅方向Nの中央部に位置した開口部161から排出シートの下方へ集中的にエアーが出される。このことで、搬送ローラ対107から排出されたシートの形状は、シート搬送方向Lに沿って中央領域エリアのみ空気流で盛り上り、両側端部が垂れ下がったような形態となる。そのため、このような状態で揃え部材201a、201bで整合すると、特に薄手のシートにおいては、シート幅方向Nに対するシートのコシが弱くなるため、座屈して整合不良になる可能性が多い。
図18(b)は、後端規制アーム250が下降してシートが平板状になった様子を示す斜視図である。図18(b)に示す後端規制アーム250が下降すると、シートにおける空気層の部位が潰されるので、空気層がシートの後端部に集中的に留まることがない。揃え部材201a、201bの近傍のシート幅方向Nのコシを強くすることも可能となり、薄手のシートに対する整合性が向上する。
整合動作の完了後に、揃え部材201a、201b、及び、後端規制アーム250を上述したシート受け入れ待機位置に再び移動して、次のシートの受け入れに備える。上述の動作を搬送されてくる各シートで順次実施し、最終シートの整合動作が完了後、揃え部材201a、201b、及び後端規制アーム250はホームポジション位置へ移動して、ジョブが完了する。
実施例の構成によれば、第1に、スモールサイズからラージサイズまでの幅広いシートサイズに対してシートの整合積載性が向上する。第2に、装置の使用環境差に起因するシートの表面の帯電電位状態、カール状態、波うち状態によらず、シートの積載性が向上する。第3に、シート自身が保有する物性値差(表面摩擦抵抗、表面凹凸、剛度、坪量)によらず、シートの積載性が向上する。第4に、耐久、計時劣化等による搬送系統の斜行や幅方向の搬送位置ズレが発生した場合においても、シートの積載性が向上する。
なお、従来技術では、薄手のシートに対してシート間の移動抵抗が高い状態が発生した場合、シートの後端部を揃え部材で移動させようとしても、シート自身の剛性が小さいが故に、端部が座屈して、シート自身は揃え部材の移動距離に追従しないことがあり得た。その結果、シートの整合不良が発生する可能性が高かった。また、従来技術の構成では、低湿環境下の使用条件のもと、坪量の小さい薄手のシートは、搬送中の摩擦帯電や、搬送ローラの剥離帯電によって、排出されるシート表面の帯電電位状態が高くなることが一般的に知られている。また、表面コーティングされた表面凹凸が限りなく小さいシートにおいては、シート同士で吸着して貼り付くことも一般的に知られている。その結果、従来のシート積載装置では、装置の使用環境差によってラージサイズのシートの先端部が整合できない課題があった。本発明は、これらを解消する。