JP5804586B2 - かしめ端子付きメタルコア基板 - Google Patents
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Description
放熱対策の典型的な例は、図11に示す従来例1で、半導体スイッチング素子に接触させるように放熱部材(放熱フィン)を基板に搭載していた。
図11は放熱フィンを半導体スイッチング素子に接触させて成る従来例1で、基板の縦断面図である。図11に示すように、絶縁性基板811の上下表面には導電性の回路パターン812が形成されている。絶縁性基板811には、負荷を切替制御するための半導体スイッチング素子で構成される発熱素子TRと、この発熱素子TRを駆動するための駆動部品DR、発熱素子TRに対する放熱部材F(例えば放熱フィン)、及び複数の接続端子115を(紙面に垂直方向に)擁するコネクタCが実装されている。端子115は相手側端子215を介して車載バッテリから電力の供給を受けると共に、この電力をスイッチングトランジスTRの切替制御に基づいて断続することで所望の電力に変換して負荷に供給する。これら各電子部品(TR、DR、F、C)を搭載する基板811は、箱型のケース840に収容されている。
図11で白抜き矢印で示す方向から、相手側コネクタ200に嵌合されるコネクタCは、それぞれ電線Wに接続された複数の端子215を(紙面に垂直方向に)擁する。電線Wには、車載バッテリ、ランプ、モータの負荷が接続されているため、端子215は、車載バッテリからの電力を端子115側に供給すると共に、TRの切替制御に基づいて所望の値に変換された電力を負荷に供給すべく端子115側から受ける。
従来例1の基板は、発熱素子TRからの発熱を放熱させるために、大きな固まりの放熱フィンFを必要とするため、部品点数削減・スペース効率向上・小型化といった時代の要請に逆行するものであった。
そこで、従来例1の課題を解決するものとして従来例2が開発された。これは放熱フィンの代わりに放熱用のメタルコアプレートを基板に内蔵したものである(例えば、特許文献1参照)。図12は、放熱用のメタルコアプレートを内蔵した従来例2の基板を説明する縦断面図である。図12に示すように、メタルコア基板910は、コアとなるメタルプレート913の表面に絶縁層911を形成し、その上面に導電性回路パターン912を形成して、ここに発熱素子TRを搭載したものである。この構成以外は従来例1と同じである。
このように、従来例2の基板は、発熱素子TRのための放熱フィンFを不要にして、代わりに放熱用のメタルコアプレートを内蔵した基板を用いることで基板全体の機械的強度を向上させ、部品点数削減及びスペース効率向上に伴う小型化の効果が得られた。
しかしながら、従来例2の基板は、従来例1と同じく、相手側端子215を介して車載バッテリから電力の供給を受けると共に、この電力をスイッチングトランジスTRの切替制御に基づいて断続することで所望の電力に変換して負荷に供給する接続端子115を(紙面に垂直方向に)複数個備えたコネクタCが実装されている。このようにコネクタCを必要としていることから、まだ部品点数削減・スペース効率向上・小型化といった時代の要請に逆行するものであった。
そこで、従来例2の課題を解決するものとして、従来例3が開発された(特許文献2参照)。従来例3の基板を説明する図13において、メタルコア基板110は、コアとなるメタルプレート113の表面に絶縁層111を形成し、その上面に導電性回路パターン112を形成して、ここに発熱素子TRを搭載したものである。そして、端子プレート部115の一部を露出して外部接続用端子として利用している。
回路パターン112上には、発熱素子である半導体スイッチング素子TRや駆動部品DRが搭載されている。このように、回路パターン112上には、図11の放熱フィンや図12のアンペアレベルの大電流に対応する大型端子115やこの大型端子115を収容する大型コネクタCが別途搭載されていない。
メタルコア基板110は、樹脂製で直方体の箱型ケース114に固定・収容されている。ケース114の両端部にコネクタ部C、Cがそれぞれ箱型ケース114と一体形成されている。コネクタ部C、Cは、図13(b)に示すように、相手側コネクタ200が挿入できるように開口空間を有する部屋状になっている。この部屋内に複数の端子プレート部115(図では3個)が突設されている。
一方、相手側コネクタ200はそれぞれケース114の両端部のコネクタ部C、Cに嵌合される。相手側コネクタ200はそれぞれ電線Wに接続された複数の端子215を備えている(図13(b))。
このように、従来例3によれば、メタルプレート自体を大電流にも対応可能な大型端子として利用することで、大型端子及び大型コネクタを別途基板に搭載する必要がなくなり、小型化及び薄型化が実現される、というものである。
従来例3の基板は、このように大型コネクタを搭載する必要をなくするものではあるが、小型であれコネクタCで端子接続が行われるのでコネクタレスとはなっておらず、端子接続による電気抵抗や不整合から発熱や接触不良の原因にもなっている。そして放熱の妨げともなっている。加えて、製造時に必要なエネルギーや例えば端子のメッキ工程で生じる環境負荷物質、さらにはそれらの部品の運送時に生じる排ガス等も環境の負荷となっている。コスト面においても、複数の部品の管理や製造にはコストがかかり、タクトタイムも伸びる。コネクタにより小型化・薄型化とはなっていない。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、大型コネクタおよび小型コネクタといったコネクタを一切必要としないコネクタレスおよび端子レス接続を満足する、したがってまた部品点数を減らし、製品の小型化・軽量化・薄型化を実現し、さらには環境負荷を低減する、基板から電線への放熱効果を上昇させる、かつ電線との確実な結合を保証するメタルコア基板を提供することを目的とするものである。
第3発明は、第1発明又は第2発明のメタルコア基板において、前記T字状端子を接続電線の数に対応した数だけ並置し、前記端子間同士を絶縁したことを特徴としている。
第4発明は、第1〜第3発明のいずれかのメタルコア基板において、前記メタルプレートの入力側と出力側をストレートに繋ぐ端子部を有さない長尺金属板の側部にスルーホールを作成するためのスルーホール領域を前記長尺金属板に繋げて一体に形成したことを特徴としている。
第3発明によれば、T字状端子を接続電線の数に対応した数だけ並置したので、かしめ作業が連続して行えたり、かしめ作業が一度に行なえるようになる。
第4発明によれば、メタルプレートの入力側と出力側をストレートに繋ぐ端子部を有さない長尺金属板の側部にスルーホール領域を一体に形成したので、電線が引っ張られたときのスルーホールへの影響を低減することができる。
本発明の実施例1に係る図1および図2のメタルコア基板において、10は本発明の実施例1に係るメタルコア基板、20は1層目(銅箔)と2層目(プリプレグ)から成る上層、30は3層目であるメタルコア層である。なお、この図では3層目までしか描いていないが、3層目(メタルコア層)の下にさらに4層目(プリプレグ)と5層目(銅箔)がくるメタルコア基板である。30Tは3層目であるメタルコア層の両端からそれぞれ露出したT字状端子で、第1端子30T1、第2端子30T2、第3端子30T3である。この露出部のT字状端子30Tは、その「T」字形状の上辺中央に電線を置き、両端を互いに内側に曲折して電線挟みこむことで電線をかしめることができる。このようにコネクタを用いずに、メタルコアと電線をかしめにより直接接続した(図7の30T2参照)のが本発明である。
露出部30T1〜30T3は接続する電線W(図5)の数だけ用意し、これらを水平に等間隔に並べている。これにより、かしめを1台のかしめ機で連続的に行うことができるし、また複数台のかしめ機を置くことでかしめを一度に行うこともできる。
図2からは両端のT字状端子30T間のメタルコアの形状が判る。
図2によると、入力側と出力側の双方の各T字状端子30T1〜30T3間はそれぞれストレートの長尺金属板30D1〜30D3で一体に繋がっている。このように両端のT字状端子30T1〜30T3間のメタルコアを分断しないで一枚でストレートの長尺金属板30D1〜30D3でそれぞれ入力から出力を繋ぐことにより、電線の引っ張りに対する強度を確保している。もちろん、応力が少ない条件下ではメタルコアは分断されてもよい。メタルコアの各分断部にはそれぞれ絶縁物30Zが埋設されている。
長尺金属板30D1および30D3には側部にスルーホールを作成するためのスルーホール領域30Hがそれぞれ繋がって一体に形成されている。このスルーホール領域30Hにスルーホールを作成することで、電線が引っ張られたときのスルーホールへの影響を低減することができる。
図3は本発明の実施例2に係るメタルコア基板の斜視図である。
図3において、10’は本発明の実施例2に係るメタルコア基板で、図2と同じ符号は同じ部材を指すので、重複説明は省略する。
実施例2が実施例1と異なるのは、実施例1では各T字状端子30T1〜30T3から長尺金属板30D1〜30D3にそれぞれストレート(直線的)に繋がっているのに対して、実施例2ではラビリンス(クランク)形状体30L1、30L2、30L3を介してそれぞれ繋げているのが特徴である。
ストレートに繋げるよりもこのようにラビリンス形状体30L1、30L2、30L3で繋げることによってメタルコア端子と基板の接合力を増し、メタルコア端子への衝撃を吸収してプリプレグ部に掛かる応力を緩和させることとなる。
図4は本発明の実施例3に係るメタルコア基板の斜視図である。
図4において、10”は本発明の実施例3に係るメタルコア基板で、図3と同じ符号は同じ部材を指すので、重複説明は省略する。
実施例3が実施例2と異なるのは、実施例2では各T字状端子30T1〜30T3から長尺金属板30D1〜30D3にそれぞれラビリンス形状体30L1〜30L3を介して繋げているのに対して、実施例3では十字形状体30C1〜30C3で繋げているのが特徴である。
ラビリンス形状の他にこのように十字形状体30C1〜30C3で繋げることでも、同じくメタルコア端子と基板の接合力を増し、メタルコア端子への衝撃を吸収してプリプレグ部に掛かる応力を緩和させることとなる。
なお、十字形状体30C1〜30C3の他にも、直線(ストレート)以外の形状であれば、採用することができる。
例えば、円形・三角形・8字形のようなものも実施例3に含めることができる。
図5は本発明に係るメタルコア基板の端子に電線を直接かしめ接続したモジュールの平面図である。図5では、本発明の実施例1に係るメタルコア基板10の端子(例えば端子30T2)にかしめた電線Wをモジュール外装40に穿(うが)った直線通路40Sを通して外部へ引き出している様子を示している。
しかしながら、このような基板に直接電線を接続したモジュールでは、電線への応力が端子に直接加わってしまい、端子に負荷がかかってしまうという問題があることに本出願人は気がついた。この問題に着目して、さらにこれを解決したモジュール外装が実施例4でる。
図6および図7は本発明の実施例4で、メタルコア基板の端子に負荷のかからない電線の引き出し方をしている。図6はモジュールの平面図、図7は図6のモジュールの端子接続部分を示す拡大斜視図である。
両図において、モジュール外装40内に電線Wを強制的に曲折案内させる通路を形成するため電線曲折ガイド40L(図7)を設けたことが特徴である。電線曲折ガイド40Lがあるために、電線Wはそこを迂回しなければならなくなるため、電線Wへの応力が電線曲折ガイド40Lに引っ掛かることで緩和され、端子に加わる応力が小さくなる。
電線曲折ガイド40Lはここでは長尺物のガイドで構成しているが、その他、モジュール外装40内に電線Wを8字形に引き回すための8字状ガイド、電線Wを三角形に引き回すための三角形状ガイドなど、真っ直ぐに引き出ことを妨げるガイドであればいずれも使用可能である。
以上の説明では、本発明に係るメタルコア基板の端子に電線を直接かしめ接続する実施例であったが、本発明に係るメタルコア基板の端子はかしめに限るものではなく、他の接続方法を使用することももちろん可能である。
図8はかしめ用端子ではなくて実施例5に係るメタルコア基板の圧接端子を示す拡大斜視図である。実施例5に係る図8のメタルコア基板において、60は本発明の実施例5に係るメタルコア基板で、20は1層目(銅箔)と2層目(プリプレグ)から成る上層、30はメタルコア層、60Tは3層目であるメタルコア層30の端部に形成された圧接端子である。図では、3個の圧接端子60T1、60T2、60T3を表している。圧接端子60T3は折り曲げる前、圧接端子60T2は圧接端子の圧接部位をメタルコア層30から直角に折り曲げて直立させた状態、圧接端子60T1は電線Wを圧接するための切り欠きに上方から電線Wを降下させて、電線Wを強く押圧して圧接端子60Tの切り欠きに電線Wが圧接された状態をそれぞれ示している。
本発明によれば、メタルコア層30の端部にかしめ端子30T(図1)を形成する他に、このように圧接端子60Tを形成するようにしてもよい。したがって、メタルコア基板の端部に特別にコネクタを必要とせずに電線との確実な結合がなされ、しかも従来より小型化・薄型化となる。
以上の実施例1−6は本発明に係るメタルコア基板の端子に電線Wを接続する例であったが、本発明に係るメタルコア基板の端子に接続できるのは電線Wに限るものではなく、他の電気部品を接続することももちろん可能である。
図9は実施例6に係るメタルコア基板の端部に形成された音叉端子を示す拡大斜視図である。図9において、70はこれ自体は良く知られた音叉端子で、図では2個の音叉端子70L、70Rを示している。それぞれの音叉端子70L、70Rは音叉状をした2本の脚部70F1、70F2が間隔をおいてベースから直角に立設して成り、脚部70F1、70F2の頂部において互いに近づく向きに凸部70B1、70B2がそれぞれ形成され、この凸部70B1、70B2間に接続相手の電気部品の端子が挿入され接続され固定される。
図では電気部品としてブレードヒューズBを接続する例を示している。
ブレードヒューズBは基本的に絶縁ハウジングBhと、絶縁ハウジングBhの両端上縁から縁部に沿って下方に突設された一対の平板状端子Bt1、Bt2と、絶縁ハウジングBh内で一方の平板状端子Bt1と他方の平板状端子Bt2とを通電可能に繋ぐ略U字状の可溶部Bfとを備えている。このブレードヒューズBの各平板状端子Bt1、Bt2を受け入れるメス型端子が音叉状端子である。
図9において、音叉端子70の上方からブレードヒューズBの平板状端子Bt1、Bt2を音叉端子70L、70Rのそれぞれの脚部70F1、70F2の頂部の凸部70B1、70B2間に挟むように挿入することにより、接続・固定がなされる。
このように本発明によれば、メタルコア基板の端部に特別にコネクタを必要とせずに電気部品を直に確実に接続・固定がなされ、しかも従来より小型化・薄型化となる。
実施例6は本発明に係るメタルコア基板の端子に音叉端子を形成することにより、電線以外の電気部品を接続する例であったが、実施例7はメタルコア基板の端子に変形例として音叉端子を立設することなく電気部品を接続する例を示している。
図10は実施例7に係るメタルコア基板の端部に形成された音叉端子の変形例の拡大斜視図である。図10において、80は音叉端子の変形例で、図では2個の音叉端子80L、80Rを示している。それぞれの音叉端子80L、80Rは音叉状をしたそれぞれ2本の脚部80F1、80F2が間隔をおいて設け、ベースから特に直角に立設することなく相手の電気部品を接続・固定するものである。音叉端子の変形例も脚部80F1、80F2の頂部において互いに近づく向きに凸部80B1、80B2がそれぞれ形成され、この凸部80B1、80B2間に接続相手の電気部品の端子が挿入され接続され固定されるようになる。
図10では電気部品として図9と同じくブレードヒューズBを接続する例を示している。図10において、音叉端子80の上方からブレードヒューズBの平板状端子Bt1をまず音叉端子80Lの脚部80F1と80F2の間に挿入し(このとき、ブレードヒューズBの他の平板状端子Bt2は音叉端子80と80の間にある。)、その後、脚部80F1と80F2の間から頂部の凸部80B1と80B2の間に向けて横に移動させると、ブレードヒューズBの平板状端子Bt1は頂部の凸部80B1と80B2に挟まれて接続・固定がなされる。このときブレードヒューズBの他の平板状端子Bt2も頂部の凸部80B1と80B2に挟まれて接続・固定がなされている。
このように実施例7によれば、メタルコア基板の端部に特別にコネクタを必要とせずにまた音叉端子に曲げ加工を加えることなく電気部品を直に確実に接続・固定がなされ、しかも従来より小型化・薄型化となる。
10’実施例2に係るメタルコア基板
10”実施例3に係るメタルコア基板
20 上層
30 メタルコア層
30T1〜30T3 T字状端子
30D1〜30D3 長尺金属板
30L1〜30L3 ラビリンス形状体
30C1〜30C3 十字形状体
30H スルーホール領域
30Z 絶縁物
40 モジュール外装
40S 直線通路
40L 電線曲折ガイド
60 本発明の実施例5に係るメタルコア基板
60T、60T1、60T2、60T3 圧接端子
70、70L、70R 音叉端子
70F1、70F2 脚部
70B1、70B2 凸部
80 音叉端子の変形例
80L、80R 音叉端子
80F1、80F2 脚部
80B1、80B2 凸部
B ブレードヒューズ
Bh 絶縁ハウジング
Bt1、Bt2 平板状端子
Bf 略U字状可溶部
W 電線
Claims (5)
- コアとなるメタルプレートの表面に絶縁層を形成し、その上面に回路パターンを形成してなるメタルコア基板であって、前記メタルプレートの一部を露出させて外部接続用端子とし、かつ前記外部接続用端子が電線の導電部と直接接続するメタルコア基板において、
前記外部接続用端子が平面視でT字の形状をしたT字状端子であり、
前記T字状端子と前記メタルプレートとの間に、十字形状体を設けたことを特徴とするメタルコア基板。 - 前記T字状端子を前記メタルプレートの入力側と出力側の両方に形成したことを特徴とする請求項1記載のメタルコア基板。
- 前記T字状端子を接続電線の数に対応した数だけ並置し、前記端子間同士を絶縁したことを特徴とする請求項1または2記載のメタルコア基板。
- 前記メタルプレートの入力側と出力側をストレートに繋ぐ端子部を有さない長尺金属板の側部にスルーホールを作成するためのスルーホール領域を前記長尺金属板に繋げて一体に形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のメタルコア基板。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載のメタルコア基板を収納する凹部を形成したモジュール外装であって、前記T字状端子にかしめた電線を前記モジュール外装に設けた通路を通して外部へ引き出すようにして成るモジュール外装において、前記通路が前記電線を強制的に曲折して案内させるように曲折していることを特徴とするモジュール外装。
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