JP5803955B2 - カラオケシステム及びカラオケ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、楽曲再生に同期して撮影した複数の演奏中画像を1つの共演画像に合成して再生するカラオケシステム、及びこれに用いるカラオケ装置に関する。
通常の楽曲は複数の演奏パート(歌唱パート)を同期して併奏する形態であり、近年のカラオケシステムでは特定のパートの歌唱や楽器演奏の練習を目的として、指定された1つの演奏パートを除く他の演奏パートだけで併奏するマイナスワン演奏が普及している。
特許文献1には、そのマイナスワン演奏中の演奏者の様子をカラオケ装置側のカメラ等で撮影し、それら演奏中の映像や画像(以下、画像)をインターネットなどの通信ネットワークを介してサーバに記録、蓄積し、同一の楽曲に対応する演奏中画像を抽出してコラボレーション(協同)させるよう合成する技術が開示されている。これにより、異なる演奏パートの演奏者が擬似的に共演しているように見える共演画像を合成できる。
特開2012−73428号公報
従来では、共演画像の合成が複数の画像になる場合、抽出した演奏中画像をそれぞれの記録順で時系列的に並べた配置で共演画像を合成していた。しかしながら、実際のライブ演奏などで楽曲を共演する場合には、各パートそれぞれに対応する楽器の演奏者の立ち位置が慣習的に決まっている場合が多い。このように、演奏する楽曲のジャンルや編成形態などに応じて各パートの特有の配置規則性が慣習的にありながら、上記のように各パートの演奏中画像を記録順で並べた共演画像を見た場合には違和感を感じていた。
本発明の目的は、共演画像中における楽器演奏上の自然な配置を実現できるカラオケシステム及びカラオケ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、所定の楽曲に対してマイナスワン演奏の対象とするマイナスワン演奏パートのパート種別を、ユーザからの手動による操作入力により指定するパート種別手動指定手段と、前記マイナスワン演奏パートの演奏者の演奏中画像を撮影するパート画像撮影手段と、を有するカラオケ装置と、前記カラオケ装置の前記パート画像撮影手段で撮影した前記演奏中画像を、前記所定の楽曲の曲識別情報及び前記マイナスワン演奏パートのパート種別情報に対応付けて記録するパート画像記録手段を有するサーバと、で構成されるカラオケシステムであって、前記カラオケ装置及び前記サーバのいずれか一方において、楽曲とマイナスワン演奏パートを指定してマイナスワン演奏する際に、指定した楽曲の曲識別情報に対応し、且つ、指定した前記マイナスワン演奏パート以外のパートのパート種別情報に対応してすでに記録されている演奏中画像を前記パート画像記録手段から抽出し、それら抽出した前記演奏中画像を所定の配置規則に従って碁盤目状に配置した共演画像を合成する共演画像合成手段を備え、前記カラオケ装置は、前記共演画像合成手段で合成した前記共演画像を表示する共演画像表示手段を備えており、前記共演画像合成手段は、前記抽出した演奏中画像を、演奏中画像の数と種別に応じて各演奏パート間の組み合わせに対応させた配置パターンを記憶したテーブルを参照して、それらの数と前記パート種別情報に応じて当該共演画像の表示領域中における位置と大きさを変更するよう配置することを決定して合成することを特徴とする。
上記目的を達成するために、本願発明は、所定の楽曲に対してマイナスワン演奏の対象とするマイナスワン演奏パートのパート種別を、ユーザからの手動による操作入力により指定するパート種別指定手段と、前記マイナスワン演奏パートの演奏者の演奏中画像を撮影するパート画像撮影手段と、外部のサーバに対して、前記パート画像撮影手段で撮影した前記演奏中画像を、前記所定の楽曲の曲識別情報及び前記マイナスワン演奏パートのパート種別情報に対応付けて記録させるよう送信する演奏中画像送信手段とを有するカラオケ装置であって、マイナスワン演奏する楽曲とマイナスワン演奏パートを指定した際に、前記サーバにおいて、指定された楽曲の曲識別情報に対応し、且つ、指定された前記マイナスワン演奏パート以外のパートのパート種別情報に対応してすでに記録されている演奏中画像を抽出し、それら抽出した前記演奏中画像を、演奏中画像の数と種別に応じて各演奏パート間の組み合わせに対応させた配置パターンを記憶したテーブルを参照して、それらの数と前記パート種別情報に応じて当該共演画像の表示領域中における位置と大きさを変更しつつ碁盤目状に配置するよう合成された共演画像を当該サーバから受信して表示する共演画像表示手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、共演画像中における楽器演奏上の自然な配置を実現できる。
カラオケ装置の主要構成を示す説明図である。 制御装置の制御系の主要構成を示す機能ブロック図である。 カラオケシステムにおける特徴的処理の具体的な工程を示す図である。 コラボ画像が合成される際の各演奏パートの配置規則の基本形を示す図である。 マイナスワン演奏する際のカラオケ装置のCPUとサーバのCPUによりそれぞれ実行される処理内容を示すフローチャートである。 フローにおいて送受、記録される各情報のデータ形式とそれらの関係を示す図である。 演奏パートの種別と数に応じてそれらのコラボ画像における位置と大きさを適宜変更する場合の配置パターンの例を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、利用者がカラオケ装置の演奏と共に主として自らエレキギターを演奏する場合を説明する。
<主要構成>
図1は、本実施形態に係わるカラオケ装置を備えたカラオケシステムの主要構成を示す説明図である。図1に示すように、カラオケ装置10には、歌詞テロップや後述する共演画像、もしくは各種の操作画面などをCRTに表示するモニタテレビ(以下、モニタと略称する)13と、小型のモニタ14と、エレキギター4、エレキベース、電子ドラムもしくはキーボードなどを含む各種電子楽器(エレキギターのみ図示)を接続するための楽器接続ボード8と、複数の楽器演奏パートにより構成されるカラオケ用の楽曲(以下、適宜「曲」と略称する)の選曲、及び曲の再生の予約などの選曲制御、選曲された曲の送信要求などを含むリクエスト信号のサーバ58への送信、及びリクエスト信号により示される曲に対応する楽曲データなどを含む応答信号の受信などの通信制御、後述するマイナスワン演奏する対象の種類の楽器(この例のエレキギター4)を指定する等の制御装置20と、が備えられている。
さらに、カラオケ装置10には、この例では、楽器接続ボード8から入力される楽器の演奏信号、マイクロフォン17,18から入力される音声信号及び曲の再生信号のミキシングを行うミキシング回路9を備え、音声と曲との音量バランス、エコー調整、デレィ調整、ミキシング信号の増幅、再生される曲の音程制御、高音、低音の制御などを行うアンプ16と、このアンプ16から出力される増幅信号を音として再生するフロアータイプの1組のスピーカ11,11と、天井吊下げ用の1組のスピーカ12,12と、制御装置20を遠隔操作するリモコン30と、歌唱者または後述するマイナスワン演奏の演奏者を撮影するカメラ25(パート画像撮影手段に相当)と、が備えられている。
楽器接続ボード8は、図示を省略するが、上記エレキギター4や図示しない電子ドラム、キーボード、エレキベース等の出力端子(フォンプラグ)を接続するそれぞれの入力端子(フォンジャック)と、各入力端子に入力される演奏信号をそれぞれ出力する出力端子と、が設けられている。そして、楽器接続ボード8は、各楽器の出力端子を入力端子に接続することによって各楽器が接続されたことを自動検出するとともに、接続された楽器の1つの演奏信号を選択し、その選択された演奏信号を制御装置20の入力端子44(後述の図2参照)へ出力可能である。例えばエレキギター4から出力される演奏信号は、エレキギター4のフォンプラグを接続するフォンジャック4a(後述の図2参照)を介して楽器接続ボード8へ入力され、楽器接続ボード8の出力端子から出力される演奏信号は、制御装置20の入力端子44へ入力される。
<制御系>
上記制御装置20の制御系の構成について図2を参照して説明する。図2は、制御装置20の制御系の主要構成を示す機能ブロック図である。制御装置20は、装置筺体にLAN回線15を接続する通信端子40と、楽器接続ボード8の出力端子と接続される入力端子44と、アンプ16の音声入力端子と接続される音声出力端子41と、モニタ13の映像入力端子と接続される映像出力端子42と、モニタ14の映像入力端子と接続される映像出力端子43とを備えている。この制御装置20には、制御プログラムにしたがって各種制御を実行するCPU45が設けられている。CPU45には、リモコン30から送信されるデータ、選曲された曲の曲識別情報である曲名データ、予約された曲の曲名データなどを一時保存するためのRAM46と、CPU45により実行されるプログラム及び必要なデータテーブルなどが記憶されたROM47とが接続されている。
また、CPU45には、モニタ13,14に歌詞テロップや各種メッセージ映像を表示するための文字映像データが記憶されたビデオRAM48と、外部のサーバ58から送信される楽曲データや共演画像の動画データ(詳細は後述)、歌詞データ、及び映像データなどの各種データを通信端子40及び通信ネットワーク15を介して受信するためのLANボード50と、このLANボード50により受信される楽曲データ及び共演画像の動画データ等を一時保存するためのRAM49とが接続されている。
さらに、CPU45には、RAM49から読み出された曲データに含まれるMIDIデータを入力するとともに、その入力されたMIDIデータにより指定される音源から音源信号を出力するMIDI音源ボード51が接続されている。また、CPU45には、上記出力された音源信号を入力してアンプ16により増幅可能な信号に変換する音声制御回路52と、別途一般的な背景映像を示す背景映像データを読み出すCD−ROMプレーヤ53とが接続されている。
また、CPU45には、サーバ58から受信した上記共演画像とカメラ25で撮影したマイナスワン演奏の演奏中画像とをはめこみ表示したりする映像制御を行う映像制御回路54が接続されている。
さらに、CPU45には、制御装置20の受光部38により受光されたリモコン30からの光信号をデジタル信号に変換する変換回路55と、制御装置20の筺体に設けられた各種ボタン、キー39(テンキー、選曲ボタン等)を押したときに点灯するLED37へ表示信号を出力する表示回路56と、上記各種ボタン、キー39を押したときに発生するスイッチング信号を入力する入力回路57と、カメラ25からの撮影信号を入力する入力回路59とが接続されている。なお、上記カラオケ装置10とサーバ58とを合わせた全体が、各請求項記載のカラオケシステム(カラオケシステム1)に相当する。
<本実施形態の特徴>
以上説明したように本実施形態のカラオケシステム1は、通信ネットワーク15を介して相互に情報を送受可能に接続されているカラオケ装置10とサーバ58とを有している。また、通常の楽曲は複数の演奏パートを同期して併奏する形態であり、本発明のカラオケシステム1では利用者から指定された1つの演奏パートを除く他の演奏パートだけで併奏するマイナスワン演奏を行う。そして、別途指定された所定の楽曲に対し、カラオケ装置10のリモコン30の手動操作によりマイナスワン演奏の対象となるマイナスワン演奏パートのパート種別が指定され、カメラ25により当該マイナスワン演奏パートの演奏者の演奏中画像を撮影する。演奏が終了した際には撮影した演奏中画像の動画データを外部のサーバ58に送信し、指定された楽曲の曲名とマイナスワン演奏パートのパート種別情報に対応付けられて、上記演奏中画像の動画データをサーバ58が備えるHDDなどの大容量記憶装置58a(パート画像記録手段に相当)に記録される。
このように各パート種別に対応した演奏中画像をサーバ58に記録、蓄積することにより、次回以降にあらためて曲名とマイナスワン演奏パートを指定してマイナスワン演奏する際に、共演画像(以下、コラボレーション画像、適宜コラボ画像と略称する)を合成できる。具体的には、指定した楽曲の曲名に対応し、且つ、指定したマイナスワン演奏パート以外のパートのパート種別情報に対応してすでに記録されている演奏中画像の動画データをサーバ58の大容量記憶装置58aから抽出し、それら抽出した演奏中画像の動画データを組み合わせてコラボ画像を合成できる。この合成処理自体は、カラオケ装置10とサーバ58のいずれか一方で行えばよいが、この例ではサーバ58で行うとする。そしてこのコラボ画像をカラオケ装置10側のモニタ13、14で表示することで、当該マイナスワン演奏の演奏者は、他のパートの演奏者と共演(以下、コラボレーション演奏、適宜コラボ演奏と略称する)しているような視覚的効果が得られる。
比較例として、上記抽出した演奏中画像をそれぞれの記録順で時系列的に並べた配置でコラボ画像を合成する手法が取られていた。しかしながら、実際のライブ演奏などで楽曲をコラボ演奏する場合には、各パートそれぞれに対応する演奏者の立ち位置が慣習的に決まっている場合が多い。
例えば、バンド形式でロック音楽を実際にコラボ演奏する場合には、観客から見て、ヴォーカルがステージの中央に位置し、ベースがその左側に、ギターがその右側に、ドラムがヴォーカルの後ろ側にそれぞれ位置することが一般的である。この慣習的な各パートの配置の根拠としては、例えば最初にこのようなパート編成の配置で有名になったバンド(ビートルズなど)に倣って定着したという歴史説や、リズムを刻む役割のドラムとベースのアイコンタクトの取りやすさ、右耳でギターの高音を、左耳でベースの低音を聞き分けた方が聞き取りやすいといった機能面に由来する説など、諸説あるが、バンド形式での楽器演奏分野(特にロック音楽)において、その演奏状態を撮影した画像に映し出された各種楽器の位置は、お互いの左右、及び上下関係が定まった状態として、観客には見えている。
このように、演奏する楽曲のジャンルや演奏パートの編成形態などに応じて各パートの特有の配置規則性が慣習的にありながら、上記のように各パートの演奏中画像を記録順で並べたコラボ画像を見た場合には違和感を感じていた。
これに対し本実施形態のカラオケシステム1では、サーバ58の大容量記憶装置58aから抽出した演奏中画像を、上述したような楽曲のジャンルや編成形態などに応じた慣習的な配置規則に従って碁盤目状に配置したコラボ画像を合成する。
<具体的な処理内容>
図3に、本実施形態のカラオケシステム1における上記特徴的処理の具体的な工程を示す。なお、図3中では、カラオケ装置10側のモニタ13、14上またはリモコン30自体が備えるディスプレイ上での表示画面を示している。まず図3(a)に示すような操作画面を介して、利用者がマイナスワン演奏の対象となる演奏パートを指定する。この操作画面では、マイナスワン演奏が可能な演奏パート(楽器名)をリスト表示し、利用者はリモコン30での手動操作によってそれら演奏パートのうちの一つだけを選択し設定する。この例では、図示するようにギターを選択する。またこのとき、図示しない別途の操作画面で曲名も指定する。このようにして行われる予約操作により、カラオケ装置10は曲名とマイナスワン演奏の対象の演奏パートの情報を含むリクエスト信号をサーバ58へ送信する(後述の図5、図6中のA参照)。
リクエスト信号を受信したサーバ58は、指定された曲名に対応して、指定された演奏パート以外のパートの演奏中画像を大容量記憶装置58aから抽出し、それらを用いてコラボ画像を合成する。この合成はサーバ58で予め行っていてもよい。このコラボ画像の動画データを、指定された曲名に対応する曲データ(MIDIデータ)と共にカラオケ装置10に応答信号として返信する(後述の図5、図6中のB参照)。
サーバ58から応答信号を受信したカラオケ装置10は、図3(b)に示すようにサーバ58から受信したコラボ画像の動画データとともに曲データを再生する。図示するコラボ画像の例では、すでに記録済みであったヴォーカルの演奏中画像のみが合成され、マイナスワン演奏の対象のギターに対応する配置場所(右上)がブランク(空き)となっている。
そして演奏中では、図3(c)に示すように、カメラ25で撮影したこの例のギター4の演奏者の演奏中画像が上記ブランクの配置場所にはめこまれて表示される。この間には、カメラ25で撮影した演奏中画像が録画されており、当該楽曲の演奏が終了した際にはこの録画された演奏中画像の動画データがサーバ58に送信され大容量記憶装置58aに記録される(後述の図5、図6中のD参照)。これにより、次回以降に同じ楽曲がヴォーカル及びギター以外のマイナスワン演奏で予約された場合には、ヴォーカルとギターのコラボ画像が合成、表示される。
ここで、サーバ58でコラボ画像が合成される際の各演奏パートの配置は、例えば図4に示すような配置規則の基本形に従うものとする。図示する例では、コラボ画像全体が2行×3列の碁盤目状に区画されており、1行1列目にベース、1行2列目にヴォーカル、1行3列目にギター、2行1列目にキーボード、2行2列目にドラム、2行3列目にコーラスがそれぞれ割り当てられている。このような配置関係とすることで、ヴォーカルの位置を基準として、ベースがその左側、ギターがその右側、ドラムがその後側にそれぞれ擬似的に配置されてあたかも実際のライブ演奏のステージと視覚的に近い配置関係となる。
本実施形態の例では、コラボ画像の表示領域中における各演奏パートの演奏中画像の位置をそれぞれ上記基本形における規定位置そのままに固定し、それぞれ同じ大きさで表示する。まだサーバ58に演奏中画像が記録されていない演奏パートについては、対応する位置に図示するようなパート名を表示してもよいし、対応する楽器の画像を表示してもよいし、ブランクとしてもよい。上述したように、サーバ58側では、今回マイナスワン演奏の対象となる演奏パートの位置をブランクとし、それ以外で大容量記憶装置58aから抽出できた演奏パートの演奏中画像を組み合わせてコラボ画像を合成する(予め合成していてもよい)。そしてカラオケ装置10側で、カメラ25で撮影したマイナスワン演奏の演奏中画像をコラボ画像中の対応位置にはめこんで再生する。
一方の画像に他方の画像をはめ込む、画面のはめ込みは、具体的には、映像のオーバレイや、スーパーインポーズ等の技術を用いればよく、周知であるので詳細には述べない。
なお、図4に示した各演奏パートの配置の基本形は、予約された楽曲がバンド形式で演奏されるロック音楽に対応したものの一例であるが、他の音楽ジャンルやパート編成に応じてそれぞれの慣習的な配置規則に従った基本形を用意してもよい。
<システムの制御手順>
上記のようにして利用者がカラオケ楽曲を再生しつつエレキギター4を演奏するときに、カラオケ装置10のCPU45とサーバ58のCPU(特に図示せず)によりそれぞれ実行される処理内容を、図5のフローチャートにより説明する。
図5において、このフローは、例えば上記利用者が、カラオケ装置10の制御装置20の電源ボタンを押して制御装置20の電源を立ち上げると、開始される。制御装置20の電源の立ち上がりに連動して、アンプ16、楽器接続ボード8及びモニタ13,14の電源が立ち上がる。なお、前述したように、この例では、利用者が楽器接続ボード8にエレキギター4を接続して演奏する場合を例にとって説明する。また、サーバ58は常時電源が入っている状態とする。また、図中では図示の煩雑を避けるために、楽曲データに関係する内容は省略し、各用語は略記されている。
図5において、まず、ステップSK10において、CPU45は、利用者自身がマイナスワン演奏したい楽曲とその演奏パートの予約操作を受け付ける。具体的には、利用者がマイナスワン演奏したい楽曲の曲名または選曲番号をリモコン30により入力する操作を受け付けるとともに、上記図3(a)に示すようにマイナスワン演奏する対象の演奏パート(この例のギター)の選択をリモコン30により入力する操作を受け付ける。
次にステップSK20へ移り、カラオケ装置のCPU45は、上記ステップSK10で受け付けた予約楽曲とマイナスワン演奏パートの情報を含むコラボ画像のリクエスト信号(後述の図6のA参照)をサーバ58へ送信する。
次にステップSS10へ移り、上記リクエスト信号を受信したサーバ58のCPUは、当該リクエスト信号のマイナスワン指定に対応する動画データ、つまり指定した楽曲に対応しかつ指定したマイナスワン演奏パートの演奏中画像が抜けているコラボ画像を大容量記憶装置58aから取得する。そして、取得したコラボ画像の動画データと別途取得した楽曲データを応答信号(後述の図6のB参照)として要求元(リクエスト信号の発信元)のカラオケ装置10に返信する。
次にステップSK30へ移り、カラオケ装置のCPU45は、サーバ58からの応答信号であるコラボ画像の動画データ及び楽曲データをダウンロードする。
次にステップSK40へ移り、カラオケ装置のCPU45は、上記ステップSK10でマイナスワン演奏が指定されているか否かを判定する。特にマイナスワン演奏が指定されていない場合、判定は満たされず、ステップSK50へ移る。
ステップSK50では、カラオケ装置のCPU45は、通常のカラオケ演奏と同様にメインヴォーカルをマイナスワン指定するよう設定する。そしてステップSK70へ移る。
一方、上記ステップSK40の判定において、マイナスワン演奏パートが指定されていた場合、判定が満たされ、ステップSK60へ移る。
ステップSK60では、カラオケ装置のCPU45は、OFF操作により指定された楽器又はコーラスをマイナスワン指定するよう設定する。そしてステップSK70へ移る。
ステップSK70では、カラオケ装置のCPU45は、上記ステップSK30でダウンロードしたコラボ画像の動画データと楽曲データとを同期再生するとともに、コラボ画像中でマイナスワン設定した歌唱/楽器に該当する配置場所にカメラ映像をはめこみ表示する。また、カメラ映像も録画する。
次にステップSK80へ移り、カラオケ装置のCPU45は、録画データ(後述の図6のD参照)をサーバ58へ送信する。具体的に送信する録画データの主な内容としては、今回カメラ25で録画した演奏中画像の動画データと、今回マイナスワン演奏した演奏パートである楽器情報(パート種別情報に相当)と、使用したコラボ画像の動画データの識別情報(動画ID)である。
次にステップSS20へ移り、上記データを受信したサーバ58のCPUは、今回のコラボ画像中に元から合成されていた演奏パートの楽器、及び今回のマイナスワン演奏された演奏パートの楽器から、コラボ画像中の各演奏パートの配置場所を再決定する。この配置場所の再決定は、上記図4に示した基本形の配置規則に従って行う。
次にステップSS30へ移り、元のコラボ画像の動画データ、今回録画した演奏中画像の録画データ、及び上記ステップSS20で再決定した配置場所の情報から、コラボ画像を再合成する。そして、このコラボ画像を楽曲の曲名や演奏パートと対応付けて大容量記憶装置58aに記録する。そしてこのフローを終了する。
以上において、ステップSK10の手順が各請求項記載のパート種別手動指定手段に相当し、ステップSS30の手順が各請求項記載の共演画像合成手段に相当し、ステップSK70の手順が各請求項記載の共演画像表示手段に相当し、ステップSK80の手順が各請求項記載の演奏中画像送信手段に相当する。
上記フローにおいて送受、記録される各情報のデータ形式とそれらの関係を図6に示す。なお図示の煩雑を避けるために、楽曲データ(MIDIデータ)の記載は省略している。図6中のAは、カラオケ装置10からサーバ58へ送信されるリクエスト信号のデータ形式を示している。このリクエスト信号には、利用者の識別情報であるユーザIDと、予約された楽曲の曲名(または曲識別情報)と、マイナスワン演奏の対象である演奏パートの楽器情報とが含まれている。これにより、サーバ58は予約された楽曲とマイナスワン演奏パートを確認できる。
図6中のBは、カラオケ装置10がサーバ58からダウンロードする応答信号のデータ形式を示している。この応答信号には、ユーザIDと、予約された楽曲の曲名と、取得したコラボ画像の動画ID及び動画データと、当該コラボ画像で合成されている演奏中画像の楽器情報とが含まれている。これにより、カラオケ装置10はコラボ画像の再生とカメラ25で撮影したマイナスワン演奏の演奏中画像を適切にはめこみ表示できる。
図6のCは、サーバ58の大容量記憶装置58aに記録されている各種動画データのデータ形式を示している。記録されている動画データは大別して2種類あり、一方はすでに合成されているコラボ画像の動画データであり、他方はそれまでに受信した個々の演奏中画像の動画データである。
一方のコラボ画像は、対応する楽曲の曲名と、当該コラボ画像の動画ID及び動画データと、当該コラボ画像で合成されている演奏中画像の楽器情報とが含まれている。上記Bの応答信号は、このコラボ画像の動画データのうち、今回予約された楽曲とマイナスワン演奏パートに対応して取得されたものである。なお、この動画データに含まれる演奏中画像の楽器情報については、その代わりにマイナスワン演奏可能な演奏パートの楽器情報に置き換えてもよい。
他方の演奏中画像は、対応する楽曲の曲名と、他の利用者がマイナスワン演奏で録画した演奏中画像の動画データと、その際の演奏パートの楽器情報とを含んでいる。このように演奏中画像を個別に記録しておくことで、同一の楽曲に対し多様な組み合わせでコラボ画像を合成できる。
図6のDは、コラボ演奏(マイナスワン演奏)の後に、カラオケ装置10からサーバ58へ送信される録画データのデータ形式を示している。この録画データには、少なくとも、コラボ演奏された楽曲の曲名と、使用したコラボ画像の動画IDと、マイナスワン演奏時にカメラ25で撮影した動画データと、そのときの演奏パートの楽器情報とが含まれている。録画データに含まれたユーザIDは、撮影した動画データの投稿者の特定(例えば、合成後の画像に楽器演奏者としてメンバー表示する場合など)には用いられるが、演奏パートの楽器情報(楽器の種類)に応じて決定されるコラボ画像の合成自体には不要である。
この録画データを受信したサーバ58は、それに含まれている動画IDに基づいて元のコラボ画像の動画データを大容量記憶装置58aから取得し、当該コラボ画像で合成されている演奏中画像の楽器情報を特定できる。また、同じ楽曲に対応して大容量記憶装置58aに記録されている演奏中画像も取得できる。そしてサーバ58は、特定した楽器情報と、取得した演奏中画像と、録画データに含まれている曲名、今回の録画データ、マイナスワン演奏の楽器情報とに基づいて、同じ楽曲に対応し上記図4の配置規則の基本形に従い新たなコラボ画像を再合成できる。このコラボ画像に別途の動画IDを付与して新たな動画データとし、大容量記憶装置58aに記録する。
以上説明したように、本実施形態では、ステップSS30の手順で、大容量記憶装置58aから抽出した演奏中画像を、予約された楽曲のジャンルや編成形態などに応じた慣習的な配置規則に従って碁盤目状に配置したコラボ画像を合成する。このように合成され、モニター13、または14に表示されたコラボ画像は、マイナスワン演奏の演奏者のみならず同席している他のユーザにとっても見た目に違和感を感じることがなくなる。この結果、コラボ画像中における楽器演奏上の自然な配置を実現できる。
なお、カラオケ装置10の処理能力が高い場合には、カラオケ装置10側でコラボ画像の合成処理を行ってもよい。この場合には、サーバ58から個別の演奏中画像をダウンロードし、マイナスワン演奏前もしくは演奏中でリアルタイムにコラボ画像を合成、表示してもよい。または、サーバ58からコラボ画像をダウンロードして、マイナスワン演奏後にコラボ画像と録画データに基づいて新たなコラボ画像を再合成してもよい。
また、上記実施形態ではカラオケ装置10でマイナスワン演奏する演奏パートが1つだけ(ギターだけ)の場合を示したが、複数の演奏パートを同時にコラボ演奏(マイナスワン演奏)してもよい。この場合には、コラボ画像には複数の演奏パートにそれぞれ対応する位置がブランクとなり、それぞれに複数のカメラ25で撮影した演奏中画像をはめこみ表示する。
また、本実施形態では、ステップSK10の手順で、利用者からの手動による操作入力によりマイナスワン演奏パートのパート種別を指定する。これにより、最も確実かつ迅速にマイナスワン演奏パートのパート種別を指定できる。
また、マイナスワン演奏中において、マイナスワン演奏パートの演奏者の演奏中画像を撮影しつつ、同時にその撮影した演奏中画像をリアルタイムに反映させてコラボ画像を合成、表示することは、カラオケ装置10又は通信ネットワーク15に大きな処理負担が強いられる。これに対し、本実施形態では特に、ステップSK70の手順で今回のマイナスワン演奏中において撮影された演奏中画像を既存のコラボ画像にはめこみ表示し、その終了後にステップSS30の手順で同じ楽曲の次回以降のマイナスワン演奏時に反映させるようコラボ画像を再合成することで、カラオケ装置10及び通信ネットワーク15の処理負担を大きく軽減できる。これにより、簡易な構成のカラオケ装置10及び通信ネットワーク15を用いてコラボ画像の合成、表示を実現できる。
また、本実施形態では特に、ステップSS30の手順において、抽出した演奏中画像を、当該コラボ画像の表示領域中におけるそれぞれの規定位置に配置して合成する。これにより、抽出した演奏中画像の各パートの配置関係を明確に視認できる。また、抽出した演奏中画像を所定の配置規則に従ったそれぞれの規定位置に単純に並べるだけでコラボ画像を合成できるため、ステップSS30の手順でのサーバ58の処理負担を軽減できる。なお、サーバ58の大容量記憶装置58aにまだ記録されておらず抽出できなかったパートの演奏中画像については、その規定位置に当該パート種別の名称や対応する楽器等の画像を配置すればよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
<演奏パートの数と種別に応じて位置と大きさを変更する場合>
上記実施形態ではコラボ画像中における各演奏中画像の配置と大きさを固定していたが、本発明はこれに限られない。例えば、図7に示すように、合成する演奏中画像の演奏パート種別と数に応じてそれらの位置と大きさを適宜変更してもよい。
図示する例としては、1つの演奏パートのみ(ヴォーカルのみ)を表示する場合、図7(a)に示すようにその1つの演奏パートの演奏中画像だけで全表示領域と同等の大きさに拡大して表示する。これに対し、2つの演奏パート(ドラムを追加)で表示する場合、図7(b)に示すように2つの演奏パートの演奏中画像で全表示領域を左右2分割する大きさに拡大して表示する。このとき2つの演奏パートが図示する例のヴォーカルとドラムの場合には、ヴォーカルが左でドラムが右に配置される。また、特に図示しないが、左右逆の配置でもよいし、ヴォーカルが上でドラムが下の上下2分割で配置してもよい。
ここで重要なのは、慣習的にドラムは必ずヴォーカルの前に位置することはなく、そのような違和感を感じる配置、つまりドラムが上でボーカルが下の上下2分割の配置は行わない。また、特に図示しないが、ヴォーカル以外の2つの演奏パート、例えばベースとドラムだけを表示する場合には、慣習的にベースがドラムの右および下に位置することがない。このため、ベースが左でドラムが右の左右2分割、またはベースが上でドラムが下の上下2分割のいずれかの配置となる。
もし、ヴォーカルとドラムとベースの3つの演奏パートを表示する場合には、図7(c)に示すように、ヴォーカルの左にベースが位置し、ヴォーカルの下にドラムが位置する。この配置では表示領域を上下左右の4分割となるため、上記図4の基本形と比較して各演奏パートの演奏中画像をより大きく表示できる。このように、複数の演奏パートを表示する場合、どのような組み合わせの2つの演奏パート間においてもそれらの間の配置関係性だけは維持しつつ表示領域を最大限に生かせる配置、大きさで表示する。
ヴォーカルとドラムとベースとギターの4つの演奏パートを表示する場合には、図7(d)に示すように、ヴォーカルの下にベースが位置し、ヴォーカルの右にギターが位置し、ヴォーカルの右下にドラムが位置する。これは、ヴォーカル、ドラム、ベース、及びギターの組み合わせの4ピースコラボの場合の基本形の配置となる。ギターがヴォーカルの横に位置しているのは、ベースと比較して目立つ演奏パートであることを考慮した結果である。
以上のようにステップSS30の手順で、抽出した演奏中画像を、それらの数とパート種別情報に応じて当該コラボ画像の表示領域中における位置と大きさを変更するよう配置して合成する。この合成時には、抽出した演奏中画像の数と種別に応じて各演奏パート間の配置関係性を考慮するようそれぞれの大きさや配置のパターンをその時点で決定してもよいし、あらかじめテーブルなどに全ての演奏パートの組み合わせに対応する配置パターンを記憶しておき、それに従って決定してもよい。
これにより、個々の演奏パート間の配置関係性だけは維持しつつ、抽出できたパートの演奏中画像だけでコラボ画像の表示領域全体を最大限に活用したコラボ画像の合成が可能となり、各演奏パートの視認性が向上する。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 カラオケシステム
4 エレキギター
10 カラオケ装置
13、14 モニタ
25 カメラ(パート画像撮影手段)
58 サーバ
58a 大容量記憶装置(パート画像記録手段)

Claims (4)

  1. 所定の楽曲に対してマイナスワン演奏の対象とするマイナスワン演奏パートのパート種別を、ユーザからの手動による操作入力により指定するパート種別手動指定手段と、
    前記マイナスワン演奏パートの演奏者の演奏中画像を撮影するパート画像撮影手段と、
    を有するカラオケ装置と、
    前記カラオケ装置の前記パート画像撮影手段で撮影した前記演奏中画像を、前記所定の楽曲の曲識別情報及び前記マイナスワン演奏パートのパート種別情報に対応付けて記録するパート画像記録手段
    を有するサーバと、
    で構成されるカラオケシステムであって、
    前記カラオケ装置及び前記サーバのいずれか一方において、
    楽曲とマイナスワン演奏パートを指定してマイナスワン演奏する際に、指定した楽曲の曲識別情報に対応し、且つ、指定した前記マイナスワン演奏パート以外のパートのパート種別情報に対応してすでに記録されている演奏中画像を前記パート画像記録手段から抽出し、それら抽出した前記演奏中画像を所定の配置規則に従って碁盤目状に配置した共演画像を合成する共演画像合成手段を備え、
    前記カラオケ装置は、
    前記共演画像合成手段で合成した前記共演画像を表示する共演画像表示手段を備えており、
    前記共演画像合成手段は、
    前記抽出した演奏中画像を、演奏中画像の数と種別に応じて各演奏パート間の組み合わせに対応させた配置パターンを記憶したテーブルを参照して、それらの数と前記パート種別情報に応じて当該共演画像の表示領域中における位置と大きさを変更するよう配置することを決定して合成する
    ことを特徴とするカラオケシステム。
  2. 前記共演画像合成手段は、今回のマイナスワン演奏中において撮影された演奏中画像を、同じ楽曲の次回以降のマイナスワン演奏時に反映させて合成することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
  3. 前記共演画像合成手段は、前記抽出した演奏中画像を、当該共演画像の表示領域中におけるそれぞれの規定位置に配置して合成することを特徴とする請求項1又は2記載のカラオケシステム。
  4. 所定の楽曲に対してマイナスワン演奏の対象とするマイナスワン演奏パートのパート種別を、ユーザからの手動による操作入力により指定するパート種別指定手段と、
    前記マイナスワン演奏パートの演奏者の演奏中画像を撮影するパート画像撮影手段と、
    外部のサーバに対して、前記パート画像撮影手段で撮影した前記演奏中画像を、前記所定の楽曲の曲識別情報及び前記マイナスワン演奏パートのパート種別情報に対応付けて記録させるよう送信する演奏中画像送信手段と
    を有するカラオケ装置であって、
    マイナスワン演奏する楽曲とマイナスワン演奏パートを指定した際に、前記サーバにおいて、指定された楽曲の曲識別情報に対応し、且つ、指定された前記マイナスワン演奏パート以外のパートのパート種別情報に対応してすでに記録されている演奏中画像を抽出し、それら抽出した前記演奏中画像を、演奏中画像の数と種別に応じて各演奏パート間の組み合わせに対応させた配置パターンを記憶したテーブルを参照して、それらの数と前記パート種別情報に応じて当該共演画像の表示領域中における位置と大きさを変更しつつ碁盤目状に配置するよう合成された共演画像を当該サーバから受信して表示する共演画像表示手段を備えていることを特徴とするカラオケ装置。
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