JP5803629B2 - 調質圧延装置および調質圧延方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼帯等の金属帯の調質圧延を行う調質圧延装置および調質圧延方法に関する。
一般に、調質圧延は、冷間圧延後、焼鈍後あるいはめっき処理後などの鋼帯等の金属帯(以下、鋼帯と記載)に調質圧延機によって例えば伸び率1%程度の軽圧下を施すことであり、鋼帯の形状を矯正したり、鋼帯の降伏点伸び、引張強さ、伸びなどの機械的性質を調整したり、鋼帯に歪みを付与したり、所望の表面品質を付与するために鋼帯の表面粗さを調整したりすることを目的としている。特に、近年、鋼帯の高付加価値化にともなって、鋼帯の表面品質のさらなる向上が求められている。
圧延時にロールの表面に異物が混入すると、鋼帯にロールマークと呼ばれる疵が発生する。そのため、鋼帯の表面品質の向上のために、ロールの表面に水もしくは潤滑油を噴射して、ロールの表面に付着する異物を除去することが行われている。
また、鋼帯の連続焼鈍ライン等のプロセスラインにおいては、調質圧延装置の下流側で、表面検査装置による自動検査によって鋼帯の表面の疵を検出し、上流側にフィードバックして、疵の発生原因を除去することが行われている。
例えば、特許文献1には、鋼板の調質圧延時に鋼板に純水を噴射し、しかる後に鋼板を強制乾燥することにより、プロセスラインでのロールマークの発生を抑制してしかも自動表面検査装置が誤認識しがちな液残りの発生を防止することが記載されており、調質圧延時に、鋼帯とワークロールとの噛込み部に純水を噴射して異物を除去することが記載されている。
また、特許文献2には、ロール表面に付着する亜鉛粉、鉄粉等の異物の除去を行う際に、ロール表面に500kg/cm以上の高圧流体を直接吹きつけることにより、ロール表面の異物を除去することができることが記載されている。
また、特許文献3には、表面検査装置で欠陥を検出し、欠陥の周期性から欠陥発生個所を特定することが記載されている。
特開平10−71402号公報 特開昭61−147901号公報 特開2009−265087号公報
ところで、鋼帯の表面品質に関しては、異物の混入による表面の疵のみならず、表面の汚れを低減することが求められている。ここで、鋼帯の製造ラインにおいては、鋼帯の搬送方向に黒い筋状の汚れ(図4参照)が発生するという問題があった。この筋状汚れは、一旦発生すると、ロール交換や潤滑油の流量アップなどのプロセス改善を実施するまで連続的に発生するため、早期に発見し、対策を講じることは品質向上、生産性の向上の点からきわめて重要である。しかしながら、特許文献1〜3等では、この筋状汚れについては考慮されていなかった。
本発明者らの検討によると、この筋状汚れは調質圧延の際に発生することがわかった。具体的には、調質圧延は、圧下率が低いため、形状の不均一や、荷重のかかり方に不均一があると、ロールと鋼帯との間に部分的に隙間が発生しやすく、この隙間により潤滑油がロール上に筋状に残留する。残った潤滑油に含まれる汚物が汚れとなって、ロール上に残るため、鋼帯を圧延する際に、汚れが筋状に転写されてしまうことにより筋状汚れが発生することがわかった。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、調質圧延の際に発生する筋状汚れを低減し、品質不良率を削減すると共に、筋状汚れを低減するための潤滑油の使用量を削減して品質向上とコスト削減を両立することができる調質圧延装置および調質圧延方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、搬送される鋼帯を調質圧延するワークロールと、前記鋼帯の搬送方向上流側から、前記ワークロールと前記鋼帯の表面に潤滑油を供給する入側潤滑油供給手段と、前記鋼帯の搬送方向下流側から、前記ワークロールの表面に潤滑油を供給する出側潤滑油供給手段と、前記ワークロールの後段に配置され、前記鋼帯の表面を検査する表面検査手段と、前記表面検査手段において筋状汚れが検出された場合に、前記出側潤滑油供給手段が潤滑油を供給するように制御し、筋状汚れが検出されなかった場合に、前記出側潤滑油供給手段が潤滑油の供給を停止するように制御する供給量制御手段とを有することを特徴とする調質圧延装置を提供する。
このような本発明において、前記表面検査手段が、前記鋼帯の表面の画像を撮像する固体撮像素子と、前記固体撮像素子が撮像した画像を解析し、筋状汚れの有無を検出する画像解析手段とを有することが好ましい。
また、前記画像解析手段は、前記固体撮像素子が撮像した画像において、所定の濃度範囲にあり、かつ、アスペクト比が所定の閾値以上の領域を筋状汚れと判定するのが好ましい。
また、前記ワークロールを支える支持ロールを有し、前記出側潤滑油供給手段は、前記鋼帯の搬送方向下流側から、前記ワークロールと前記支持ロールとの間に潤滑油を供給することが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明は、所定の搬送経路で搬送される鋼帯を、ワークロールによって調質圧延する調質圧延工程と、前記鋼帯の搬送方向上流側から、前記ワークロールと前記鋼帯の表面に潤滑油を供給する入側潤滑油供給工程と、前記鋼帯の搬送方向下流側から、前記ワークロールの表面に潤滑油を供給する出側潤滑油供給工程と、前記調質工程の後段で、前記鋼帯の表面を検査し、筋状汚れの有無を検出する表面検査工程とを有し、前記出側潤滑油供給工程は、前記表面検査工程において、筋状汚れが検出された場合に潤滑油を供給し、筋状汚れが検出されなかった場合に潤滑油の供給を停止することを特徴とする調質圧延方法を提供する。
ここで、前記表面検査工程において、固体撮像素子を用いて前記鋼帯の表面の画像を撮像し、撮像した画像を解析して、筋状汚れの有無を検出するのが好ましい。
また、前記表面検査工程において、所定の濃度範囲にあり、かつ、アスペクト比が所定の閾値以上の領域を筋状汚れと判定するのが好ましい。
また、前記出側潤滑油供給工程において、前記鋼帯の搬送方向下流側から、前記ワークロールと前記ワークロールを支える支持ロールとの間に潤滑油を供給することが好ましい。
上記構成を有する本発明は、鋼帯の搬送方向下流側から、ワークロールの表面に潤滑油を供給する出側潤滑油供給手段と、ワークロールの後段に配置され、鋼帯の表面を検査する表面検査手段と、表面検査手段において筋状汚れが検出された場合に、出側潤滑油供給手段が潤滑油を供給するように制御し、筋状汚れが検出されなかった場合に、潤滑油の供給を停止するように制御する供給量制御手段とを有するので、調質圧延の際に発生する筋状汚れを低減し、品質不良率を削減することができる。また、筋状汚れを低減するための潤滑油の使用量を削減して品質向上とコスト削減を両立することができる。
本発明の調質圧延装置を有する連続焼鈍ラインの一例を概念的に示す図である。 図1に示す調質圧延装置の概略図である。 筋状汚れを説明するための調質圧延装置の概略図である。 筋状汚れが発生した鋼帯の概略図である。
以下、本発明の調質圧延装置および調質圧延方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の調質圧延装置を有する連続焼鈍ラインの一例を概念的に示す。
図1に示す連続焼鈍ライン12は、払出しリール14a、14bと、溶接機16と、クリーニング部18と、焼鈍炉20と、調質圧延装置10と、巻取りリール22a、22bとを有して構成される。
ここで、図示例においては、本発明の調質圧延装置10が、焼鈍ライン12に組み込まれる構成としたが、本発明はこれに限定はされず、連続溶融亜鉛めっきライン等の他の連続ラインに組み込まれていてもよいし、単独の調質圧延ラインであってもよい。
また、本発明の調質圧延装置10が処理する鋼帯Sにも、特に限定はない。
払出しリール14は、コイル状に巻かれた鋼帯Sを払い出す。鋼帯Sは、払出しリール14から引き出されて、長手方向に搬送される。
ここで、図示例においては、2つの払出しリール14aおよび14bを有し、一方の払出しリール14aからの払い出しが終わると、他方の払出しリール14bからの払い出しが開始され、先の鋼帯Sの尾端と、後の鋼帯Sの先端とを、溶接機16が溶接して、連続的に鋼帯Sの処理を行うものである。
なお、複数の払出しリールを有するものに限定はされず、1つの払出しリールから鋼帯Sを払い出すものであってもよい。
溶接機16は、先に払い出された鋼帯Sの尾端と、後に払い出される鋼帯Sの先端とを溶接し一体にするためのものである。これにより、1つの払出しリールに装填されるコイルの長さよりも長い鋼帯Sを連続的に処理することができる。
クリーニング部18は、鋼帯Sの表面に付着した油や汚れなどを洗浄して除去する部位である。クリーニング部18による鋼帯Sの洗浄方法には、特に限定はなく、電解脱脂やアルカリ脱脂等の、鋼帯の処理装置で用いられている各種の洗浄方法が利用可能である。
焼鈍炉20は、洗浄された鋼帯Sを焼鈍する部位である。焼鈍炉20は、加熱、均熱、冷却を行う、通常の焼鈍炉である。
調質圧延装置10は、本発明の調質圧延装置であって、焼鈍炉20で焼鈍された鋼帯Sを調質圧延すると共に、鋼帯Sの表面を検査して、検査結果に基づいて調質圧延の際の潤滑油の供給を制御するものである。
図2に調質圧延装置10の概略図を示す。
調質圧延装置10は、調質圧延機24と、表面検査手段26とを有する。
調質圧延機24は、鋼帯Sを調質圧延するものである。
図2に示すように、調質圧延機24は、補助ロール28a〜28d、ワークロール30a、30b、中間ロール32a、32b、バックアップロール34a、34b、入側潤滑油供給手段36a、36b、出側潤滑油供給手段38a、38bとを有する。
図2に示すように、調質圧延機24は、一対のワークロール30a、30bと、ワークロール30a、30bを支えるための中間ロール32a、32bおよびバックアップロール34a、34bとを有する6段式の調質圧延機であり、一対のワークロール30a、30bの間を通過する鋼帯Sを圧延する。
なお、ワークロール等の構成は、6段式に限定されるものではなく、ワークロールとバックアップロールとからなる4段式であってもよく、あるいは、一対のワークロールからなる2段式であってもよい。
補助ロール28a、28bは、鋼帯Sの搬送方向において、ワークロール30a、30bの上流側(入側)に配置され、補助ロール28bが鋼帯Sを所定の高さに押し上げている。
同様に、補助ロール28c、28dは、ワークロール30a、30bの下流側(出側)に配置され、補助ロール28cが鋼帯Sを所定の高さに押し上げている。
補助ロール28a〜28dによって、鋼帯Sを押し上げることにより、絞りの発生を防止し、また、反りや板形状を調整している。
入側潤滑油供給手段36aおよび36bは、潤滑油を噴射するノズルを有し、それぞれ、鋼帯Sの搬送方向上流側(入側)から、鋼帯Sとワークロール30aおよび30bとの間に潤滑油(調質圧延液)を供給するものである。すなわち、入側潤滑油供給手段36aおよび36bは、それぞれ鋼帯Sの表面側および裏面側に調質圧延液を供給する。
調質圧延液を鋼帯Sとワークロール(30a、30b)との間に供給することにより、ワークロールと鋼帯Sとの間の異物が混入することを防止し、ロールマークと呼ばれるが疵が発生することを防止している。
入側潤滑油供給手段36a、36bが供給する調質圧延液には、特に限定はなく、調質圧延で用いられる各種の調質圧延液(潤滑油、圧延油)が利用可能である。
出側潤滑油供給手段38a、38bは、調質圧延液を噴射するノズルを有し、それぞれ、鋼帯Sの搬送方向下流側(出側)から、ワークロール30aと中間ロール32aとの間、および、ワークロール30bと中間ロール32bとの間に潤滑油(調質圧延液)を供給するものである。
出側潤滑油供給手段38a、38が供給する調質圧延液としては、入側潤滑油供給手段36a、36bが供給する調質圧延液と同様のものを利用すればよい。
なお、図示例においては、出側潤滑油供給手段38a、38は、それぞれワークロールと中間ロールとの間に調質圧延液を供給したが、本発明は、これに限定はされず、ワークロールの表面に調質圧延液を供給してもよい。
また、出側潤滑油供給手段38a、38bは、後述する表面検査手段26による鋼帯Sの表面の検査結果に応じて、筋状汚れが発見された場合には、調質圧延液を供給するように制御され、筋状汚れが発見されなかった場合には、調質圧延液の供給を停止するように制御されている。
この点に関しては、後に詳述する。
前述のとおり、鋼帯の表面品質に関しては、異物の混入による表面の疵のみならず、表面の汚れを低減することが求められている。この表面の汚れの一つとして、鋼帯の搬送方向に発生する黒い筋状汚れがある。図4に、筋状汚れが発生した鋼帯Sの表面の概略図を示す。図4において、矢印の方向が鋼帯Sの搬送方向である。
調質圧延においては、異物の混入による疵を防止するために、鋼帯の搬送方向上流側(入側)から、鋼帯とロールとの間に調質圧延液を供給(噴射)して、鋼帯やロール表面の異物を除去することが行われている。しかしながら、鋼帯の入側から、鋼帯とロールとの間に調質圧延液を供給しても、筋状汚れを削減することはできなかった。
本発明者らの検討によると、この筋状汚れは、調質圧延の際に発生することがわかった。調質圧延は、他の圧延と比べて、圧下率が低いので、ワークロール30a、30bや鋼帯Sの形状の不均一や、荷重のかかり方の不均一があると、ワークロール30a、30bと鋼帯Sとの間に部分的な隙間が発生する。そのため、異物除去のために、入側から調質圧延液を供給すると、この隙間部分を調質圧延液が通過して、ワークロール30a、30b上に調質圧延液が残留し、調質圧延液に含まれる汚物や、調質圧延液が劣化したものが汚れとなり、ワークロール上に残り、さらに、中間ロールや、バックアップロールにも転写されることがわかった。図3に、調質圧延機を搬送方向から見た概略図を示す。図3に示す調質圧延機は、ロールの円周上に筋状の汚れが付着した状態を示す図である。この状態で鋼帯Sが圧延されると、この汚れが鋼帯Sの表面に転写して、図4に示すような、鋼帯Sの搬送方向に連続した筋状の汚れとなることがわかった。
このように筋状汚れは、ワークロールと鋼帯との隙間が一因であるので、入側から調質圧延液を供給しても削減することができなかった。
これに対して、本発明は、鋼帯の搬送方向下流側(出側)から、ワークロール30a、30bの表面に潤滑油を供給(噴射)するので、隙間部分を通過してワークロール30a、30b上に残った調質圧延液を洗い流すことができ、鋼帯Sに筋状汚れが発生することを防止することができる。
ここで、筋状汚れは、上述のように、ワークロールや鋼帯Sの形状の不均一や、荷重のかかり方の不均一等によって、ワークロールと鋼帯Sとの間に部分的な隙間が生じることが原因であるので、必ずしも、常時、発生するものではない。そのため、出側においても、出側潤滑油供給手段が、常時、調質圧延液を供給すると、調質圧延液の使用量が増大し、製造コストが高くなってしまう。
これに対して、本発明は、調質圧延の後に、鋼帯Sの表面を検査し、筋状汚れの有無を検出して、筋状汚れが検出された場合に、出側から潤滑油を供給し、筋状汚れが検出されなかった場合に出側からの潤滑油の供給を停止するので、調質圧延液の使用量を必要最小限にすることができ、また、早期に筋状汚れの発生を検出して、その発生原因を除去することができるので、品質向上とコスト削減を両立することができる。
ここで、図示例においては、鋼帯Sの表面側および裏面側の両方に、出側潤滑油供給手段38a、38bを配置したが、これに限定はされず、いずれか一方のみに配置するようにしてもよい。鉛直方向の上側の面である表面側の方が、筋状汚れが発生しやすいので、少なくとも表面側の出側潤滑油供給手段38aを配置することが好ましく、両面側に配置するのがさらに好ましい。
表面検査手段26は、調質圧延機24の後段に配置され、調質圧延された鋼帯Sの表面(表面側および裏面側の表面)を検査し、筋状汚れを検出するためのものである。
表面検査手段26は、CCD40a、40bと、解析手段42と、制御手段44と、電磁弁46とを有する。
CCD40a、40bは、固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)を有するカメラであり、調質圧延された鋼帯Sの表面を撮像するためのものである。
図2に示されるように、CCD40aは、鋼帯Sの表面側に配置され、鋼帯Sの表面側の表面を撮像する。また、CCD40bは、鋼帯Sの裏面側に配置され、鋼帯Sの裏面側の表面を撮像する。
CCD40a、40bは、それぞれ撮像した鋼帯Sの表面の画像データを解析手段42に供給する。
なお、図示例においては、表面の検査手段として固体撮像素子であるCCDカメラを用いたが、これに限定はされず、各種の公知の撮像手段が利用可能である。解像度、撮像で得られるデータや器具の汎用性、また、コスト等の点で、CCDカメラを用いることが好ましい。
また、図示例においては、鋼帯Sの表面側および裏面側のそれぞれにCCD40aおよび40bを配置したが、本発明はこれに限定はされず、表面側および裏面側のいずれか一方のみにCCDを配置する構成としてもよい。鉛直方向の上側の面である表面側の方が、筋状汚れが発生しやすいので、少なくとも表面側にCCD40aを配置することが好ましく、両面側に配置するのがさらに好ましい。
また、CCD40a、40bが撮像する領域に照明光を照射する光源を配置してもよい。
解析手段42は、CCD40aおよび40bがそれぞれ撮像した画像データを解析して、鋼帯Sの表面の筋状汚れの有無を検出するものである。
本発明において、解析手段42による筋状汚れ検出のための画像の解析方法に特に限定はない。例えば、解析手段42は、鋼帯Sの表面を撮像した画像データから、濃度が所定の範囲にある領域を抽出して、この領域の縦横のアスペクト比が所定の閾値を超えた場合を筋状汚れとして検出する。あるいは、濃度が所定の範囲にある領域を抽出して、この領域の長さ(鋼帯Sの搬送方向の長さ)が所定の閾値を超えた場合を筋状汚れとして検出してもよい。
解析手段42は、筋状汚れの検出結果を制御手段44に供給する。
制御手段44は、解析手段42から供給される筋状汚れの検出結果に応じて、電磁弁46の動作を制御するものである。
すなわち、解析手段42による鋼帯Sの画像データの解析の結果、鋼帯Sの表面側または裏面側のいずれか一方に、筋状汚れが検出された場合に、電磁弁46を開くように制御し、表面側および裏面側の両方共に、筋状汚れが検出されなかった場合には、電磁弁を閉じるように制御する。
電磁弁46は、出側潤滑油供給手段38aおよび38bの調質圧延液供給の開閉を行うもので、電磁弁が開いた場合に、出側潤滑油供給手段(38a、38b)が、ワークロールと中間ロールとの間に調質圧延液を供給する。電磁弁が閉じた場合には、出側潤滑油供給手段(38a、38b)は、調質圧延液の供給を停止する。
なお、図示例においては、一つの電磁弁46で、二つの出側潤滑油供給手段38aおよび38bの開閉を行ったがこれに限定はされず、出側潤滑油供給手段38aおよび38bそれぞれに電磁弁を設けて、表面側で筋状汚れが検出された場合に、表面側の出側潤滑油供給手段38aの電磁弁を開いて調質圧延液を供給するようにして、裏面側で筋状汚れが検出された場合に、裏面側の出側潤滑油供給手段38bの電磁弁を開いて調質圧延液を供給するようにしてもよい。
このように、本発明は、鋼帯Sの表面を検査して、筋状汚れの有無を検出して、出側潤滑油供給手段からの潤滑油の供給を制御するので、調質圧延液の使用量を必要最小限にすることができ、また、早期に筋状汚れの発生を検出して、その発生原因を除去することができるので、品質向上とコスト削減を両立することができる。
巻取りリール22は、調質圧延装置10で調質圧延された鋼帯Sを巻き取るものである。図示例においては、2つの巻取りリール22aおよび22bを有し、一方の巻取りリール22aで所定の長さを巻き取ったら、図示しない切断機で鋼帯Sを切断して、切断後の鋼帯Sを他方の巻取りリール22bで巻き取ることにより、長尺な鋼帯Sを所定の長さごとに連続的に巻き取るものである。
なお、複数の巻取りリールを有するものに限定はされず、1つの巻取りリールで鋼帯Sを巻き取るものであってもよい。
次に、調質圧延装置10の作用を説明する。
焼鈍炉20によって焼鈍された鋼帯Sは、補助ロール28a〜28dを通過し、一対のワークロール30a、30bの間、および、CCD40aとCCD40bとの間を通過する、所定の搬送経路で案内される。
鋼帯Sは、まず、補助ロール28bによって、所定の高さに押し上げられた後、ワークロール30a、30bの間で調質圧延される。その際、ワークロール(30a、30b)の入側では、鋼帯Sの表面およびワークロール30a、30bの表面に、入側潤滑油供給手段36a、36bによって、調質圧延液が供給され、鋼帯Sおよびワークロール30a、30b上の異物が除去される。また、ワークロール(30a、30b)の出側では、出側潤滑油供給手段が、表面検査手段26(制御手段44)からの指示に応じて、ワークロール30aと中間ロール32aとの間、およびワークロール30bと中間ロール32bとの間に、調質圧延液を供給し、筋状汚れの原因を洗い流す。
ワークロール30a、30bの間で調質圧延された鋼帯Sは、補助ロール28bによって、所定の高さに押し上げられ、形状等の調整がされた後、CCD40aおよび40bの間に搬送される。
CCD40a、40bは、鋼帯Sの表面側および裏面側を撮像し、撮像した画像データを解析手段42に供給する。解析手段42は、CCD40a、40bが撮像した画像データから筋状汚れを検出し、検出結果を制御手段44に供給する。制御手段44は、解析手段42から送られた検出結果から、鋼帯Sの表面側または裏面側のいずれか一方に、筋状汚れが検出された場合に、電磁弁46を開くように制御して、出側潤滑油供給手段38a、38bが調質圧延液を供給するように制御する。一方、表面側および裏面側の両方共に、筋状汚れが検出されなかった場合には、電磁弁を閉じるように制御して、出側潤滑油供給手段38a、38bからの調質圧延液の供給を停止する。
CCD40a、40bの間を搬送された鋼帯Sは、次の工程に供される。図示例においては、巻取りリール22に巻き取られる。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1]
図1に示す連続焼鈍ライン12を用いて、鋼帯Sの処理を行った。
鋼帯Sは、材質SPCCとし、板厚0.8mm、板幅1200mmとした。
ライン速度は、250mpmとし、長さ5000mの処理を行った。
また、調質圧延液としては、一般的な調質圧延液を用いた。
入側潤滑油供給手段36a、36bの調質圧延液の供給量は、10L/minとした。
出側潤滑油供給手段38a、38bが調質圧延液を供給する際の調質圧延液の供給量は、10L/minとした。
CCD40a、40bの撮像頻度は、1Hzとした。
解析手段42においては、明度が正常部の2/3以下で、かつ、アスペクト比が5以上の領域を筋状汚れとして検出した。
処理後の鋼帯Sの外観を評価(目視および表面検査手段による画像解析)したところ、わずかに筋状汚れが発生したが、すぐに消失した。不良率は0.5%であった。
また、調質圧延液の使用量は、15L/minであった。
[参考例1]
参考例1として、表面検査手段26の結果に基づく調質圧延液量制御を行わず、出側潤滑油供給手段38a、38bが常時、調質圧延液を供給する構成とした以外は、実施例1と同様にして処理を行い、外観の評価を行った。
評価の結果、不良率は0%であった。また、調質圧延液の使用量は、20L/minであった。
[比較例1]
比較例1として、出側潤滑油供給手段38a、38bが調質圧延液を供給しない構成とした以外は、実施例1と同様にして処理を行い、外観の評価を行った。
評価の結果、筋状汚れが発生した後は、筋状汚れが消失しなかった。不良率は45%であった
以上、実施例1と比較例1からわかるように、本発明の調質圧延装置および方法は、表面検査工程において筋状汚れが検出された場合に、鋼帯の搬送方向下流側から、ワークロールと中間ロールとの間に潤滑油を供給し、筋状汚れが検出されなかった場合に潤滑油の供給を停止するので、筋状汚れを低減することができ、品質不良率を大幅に削減することができることがわかる。
また、実施例1は、参考例1と比較して潤滑油の使用量が25%少ないことからわかるように、本発明は、筋状汚れの検出有無に応じて、潤滑油の供給を行うので、潤滑油の使用量を大幅に削減することができることがわかる。
以上、本発明の調質圧延装置および調質圧延方法について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
10 調質圧延装置
12 連続焼鈍ライン
14a、14b 払出しリール
16 溶接機
18 クリーニング部
20 焼鈍炉
22a、22b 巻取りリール
24 調質圧延機
26 表面検査手段
28a、28b、28c、28d 補助ロール
30a、30b ワークロール
32a、32b 中間ロール
34a、34b バックアップロール
36a、36b 入側潤滑油供給手段
38a、38b 出側潤滑油供給手段
40a、40b CCD
42 解析手段
44 制御手段
46 電磁弁
S 鋼帯

Claims (8)

  1. 搬送される鋼帯を調質圧延するワークロールと、
    前記鋼帯の搬送方向上流側から、前記ワークロールと前記鋼帯の表面に潤滑油を供給する入側潤滑油供給手段と、
    前記鋼帯の搬送方向下流側から、前記ワークロールの表面に潤滑油を供給する出側潤滑油供給手段と、
    前記ワークロールの後段に配置され、前記鋼帯の表面を検査する表面検査手段と、
    前記表面検査手段において、濃度が所定の範囲にあり、かつ、アスペクト比が所定の閾値以上である筋状汚れが検出された場合に、前記出側潤滑油供給手段が潤滑油を供給するように制御し、筋状汚れが検出されなかった場合に、前記出側潤滑油供給手段が潤滑油の供給を停止するように制御する供給量制御手段とを有することを特徴とする調質圧延装置。
  2. 前記表面検査手段が、前記鋼帯の表面の画像を撮像する固体撮像素子と、前記固体撮像素子が撮像した画像を解析し、筋状汚れの有無を検出する画像解析手段とを有する請求項1に記載の調質圧延装置。
  3. 前記画像解析手段は、前記固体撮像素子が撮像した画像において、濃度が所定の範囲にあり、かつ、アスペクト比が所定の閾値以上の領域を筋状汚れと判定する請求項2に記載の調質圧延装置。
  4. 前記ワークロールを支える支持ロールを有し、
    前記出側潤滑油供給手段は、前記鋼帯の搬送方向下流側から、前記ワークロールと前記支持ロールとの間に潤滑油を供給する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の調質圧延装置。
  5. 所定の搬送経路で搬送される鋼帯を、ワークロールによって調質圧延する調質圧延工程と、
    前記鋼帯の搬送方向上流側から、前記ワークロールと前記鋼帯の表面に潤滑油を供給する入側潤滑油供給工程と、
    前記鋼帯の搬送方向下流側から、前記ワークロールの表面に潤滑油を供給する出側潤滑油供給工程と、
    前記調質工程の後段で、前記鋼帯の表面を検査し、濃度が所定の範囲にあり、かつ、アスペクト比が所定の閾値以上である筋状汚れの有無を検出する表面検査工程とを有し、
    前記出側潤滑油供給工程は、前記表面検査工程において筋状汚れが検出された場合に、潤滑油を供給し、筋状汚れが検出されなかった場合に潤滑油の供給を停止することを特徴とする調質圧延方法。
  6. 前記表面検査工程において、固体撮像素子を用いて前記鋼帯の表面の画像を撮像し、撮像した画像を解析して、筋状汚れの有無を検出する請求項5に記載の調質圧延方法。
  7. 前記表面検査工程において、濃度が所定の範囲にあり、かつ、アスペクト比が所定の閾値以上の領域を筋状汚れと判定する請求項6に記載の調質圧延方法。
  8. 前記出側潤滑油供給工程において、前記鋼帯の搬送方向下流側から、前記ワークロールと前記ワークロールを支える支持ロールとの間に潤滑油を供給する請求項5乃至7のいずれか一項に記載の調質圧延方法。
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