以下に、本願の開示する通信装置、携帯端末、情報生成プログラム、情報生成方法、および情報生成システムの各実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
実施例1に係るシステムについて説明する。図1は、実施例1に係るシステムを説明するための図である。図1の例では、携帯端末3のユーザが、出発する地点である出発地点90から、目的の地点である目的地91まで移動する場合を示す。図1の例では、ユーザは、出発時に携帯端末3に目的地を入力する。そして、ユーザは、携帯端末3のナビゲーション機能により検索された出発地点90から目的地91までのルートに従って、移動する。
携帯端末3は、後述のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fを有する。携帯端末3では、ユーザから目的地が入力されると、GPS信号受信機3dで受信されたGPS信号を、GPS信号処理エンジン3eで処理させる。GPS信号処理エンジン3eでの処理により、携帯端末3の位置が検出される。そして、携帯端末3のナビエンジン3fは、検出された位置を示す位置情報と、地図情報と、交通情報と、目的地とを用いてルート探索を実行する。この結果、携帯端末3の後述の表示装置3pでは、ルート探索の結果得られたルートを示すナビ画面が表示される。
図1の例では、ユーザは、出発地点90から目的地91までの移動途中に移動体80を利用する。図1の例では、移動体80としてバスを用いた場合を示す。すなわち、図1の例では、ユーザは、出発地点90から、バスの停留所の地点である乗車地点92まで徒歩で移動する。そして、図1の例では、ユーザは、乗車地点92で移動体80に乗車する。続いて、図1の例では、ユーザは、乗車地点92から、移動体80を降車する停留所の地点である降車地点93まで移動体80により移動する。その後、図1の例では、ユーザは、降車地点93から目的地91まで徒歩で移動する。
図1の例では、携帯端末3は、出発地点90から乗車地点92までの移動中は、携帯端末3の3G送受信機3aにより3G網4と接続中である。また、図1の例では、携帯端末3の後述のWifi送受信機3bは、出発地点90から乗車地点92までの移動中の間、通信不能に設定される。例えば、Wifi送受信機3bの電源は、出発地点90から乗車地点92までの移動中の間、オフにされる。従来では、出発地点90から乗車地点92までの間は携帯端末のWifi送受信機によるスキャンに電力を消費していたが、携帯端末3は、Wifi送受信機3bによるスキャンを行わない。このため、携帯端末3によれば、消費電力が削減される。
次に、携帯端末3は、乗車地点92において、Wifi送受信機3bの電源をオンにする。そして、携帯端末3は、乗車地点92において、移動体80の通信装置2に対して、後述のRFID(Radio Frequency IDentification)送受信機3cによって、Wifi通信の関連付けに用いられる情報を含む接続依頼を送信し、Wifi送受信機3bの通信装置2と携帯端末3とのWifi通信の関連付けを行う。そして、携帯端末3は、通信装置2から携帯端末3の認証を受けて、Wifi通信を確立し、アイドル接続の状態となる。ここで、接続依頼には、携帯端末3のMAC(Media Access Control)アドレスとSIM(Subscriber Identity Module)と機種情報とが含まれる。
乗車地点92から降車地点93までの間は、携帯端末3は、3G送受信機3aの電源をオフにして、3G送受信機3aを通信不能な状態にする。そして、乗車地点92から降車地点93までの間は、携帯端末3は、Wifi送受信機3bにより、通信装置2を介してインターネット接続を行う。これにより、3G送受信機3aは、乗車地点92から降車地点93までの間、インターネット接続および通話が不能な状態となる。ここで、通信装置2は、乗車地点92から降車地点93までの間のハンドオーバを、携帯端末3の代わりに行う。
これにより、携帯端末3は、ハンドオーバを繰り返す必要はなく、消費電力が削減される。また、携帯端末3は、通話の際には、Wifi送受信機3bにより、通信装置2を介して通話することができる。なお、携帯端末3は、乗車地点92から降車地点93までの間の通話の際に、通信装置2に基地局情報を問い合わせて、3G送受信機3aを通信可能な状態に設定して、品質のよい通話をすることもできる。
また、乗車地点92において、通信装置2は、乗車地点92から降車地点93までの間に携帯端末3で使用可能な電力量であるEBUSを算出する。
一方、乗車地点92において、通信装置2は、下記に説明する条件で、乗車地点92から降車地点93までの間に、携帯端末3で消費される電力量Est1を算出する。すなわち、通信装置2は、GPS信号受信機3dおよびGPS信号処理エンジン3eの電源をオフにし、通信装置2から送信された位置情報、地図情報および交通情報に基づいて、最小の頻度でナビエンジン3fにナビ画面などのナビ情報を生成させる場合の電力量Est1を算出する。
そして、通信装置2は、電力量EBUSと電力量Est1とを比較する。電力量EBUSが電力量Est1以上である場合には、乗車地点92から降車地点93までの間、ナビエンジン3fへの電源をオンにしても、使用電力量Est1は、使用可能な電力量EBUSを超えない。このため、通信装置2は、ナビエンジン3fをナビ情報を生成するエンジンとして決定する。
一方、電力量EBUSが電力量Est1より小さい場合には、乗車地点92から降車地点93までの間、ナビエンジン3fへの電源をオンにすると、使用電力量Est1は、使用可能な電力量EBUSを超えてしまう。このため、通信装置2は、通信装置2のナビエンジン2fをナビ情報を生成するエンジンとして決定する。なお、通信装置2は、携帯端末3がナビエンジンを搭載していない場合には、電力量EBUSと電力量Est1との比較を行わずに、ナビエンジン2fをナビ情報を生成するエンジンとして決定することができる。これにより、ナビエンジンを搭載していない携帯端末でもナビ機能を利用することができる。
そして、携帯端末3は、ナビ情報を生成するエンジンとしてナビエンジン3fが決定された場合には、次のような処理を行う。すなわち、携帯端末3は、GPS信号受信機3dおよびGPS信号処理エンジン3eの電源をオフにし、通信装置2から送信された位置情報、地図情報および交通情報に基づいて、ナビエンジン3fにナビ情報を生成させる。したがって、システム1によれば、GPS信号受信機3dおよびGPS信号処理エンジン3eで消費される電力量を削減することができる。なお、システム1は、情報生成システムの一例である。
また、携帯端末3は、ナビ情報を生成するエンジンとしてナビエンジン2fが決定された場合には、次のような処理を行う。すなわち、携帯端末3は、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにし、通信装置2のナビエンジン2fで生成されたナビ情報を通信装置2から受信する。このように、携帯端末3は、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにし、通信装置2で生成されたナビ情報を受信する。したがって、システム1によれば、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eおよびナビエンジン3fで消費される電力量を削減することができる。
そして、携帯端末3は、降車の際には、通信装置2に基地局情報を問い合わせて、3G送受信機3aの電源をオンにして、3G送受信機3aを通信可能な状態に設定し直すことができる。携帯端末3は、降車地点93において、Wifi送受信機3bの電源をオフにして、通信装置2の後述のWifi送受信機2bとの接続を解除する。そして、携帯端末3は、降車地点93から目的地91までの間、Wifi送受信機3bによるスキャンは行わず、3G送受信機3aにより、基地局4aと接続し、アイドル接続の状態となって、3G網4との通信を行う。また、携帯端末3は、降車の際には、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eおよびナビエンジン3fの電源がオンとなるようにし、ナビ情報を出力する。
従来では、降車地点93から目的地91までの間は、携帯端末のWifi送受信機によるスキャンに電力を消費していたが、上述したように、携帯端末3は、Wifi送受信機3bによるスキャンを行わない。このため、システム1によれば、消費電力が削減される。
このように、本実施例にかかる携帯端末3は、Wifi送受信機3bによるスキャンに使用する電力を削減でき、ハンドオーバに使用する電力を削減することができる。また、本実施例にかかるシステム1によれば、携帯端末3のバッテリレベルに応じて、ナビの精度と消費電力量とのバランスがとることができる。
図2は、実施例1にかかる通信システムの構成の一例を示す図である。図2に示すように、システム1は、通信装置2と、携帯端末3とを有する。システム1は、携帯端末3を携帯するユーザが、通信装置2が搭載された移動体80に乗車した際に、通信装置2と携帯端末3とでWifi送受信機による通信が可能となった場合に構築されるシステムである。
通信装置2は、移動体80に搭載される車載機器である。通信装置2は、3G送受信機2aと、Wifi送受信機2bと、RFID送受信機2cと、GPS信号受信機2dと、GPS信号処理エンジン2eと、ナビエンジン2fと、記憶装置2gとを有する。さらに、通信装置2は、I/O(Input/Output)インターフェース2hと、交通情報受信機2iと、プロセッサ2jとを有する。これらの3G送受信機2a、Wifi送受信機2b、RFID送受信機2c、GPS信号受信機2d、GPS信号処理エンジン2e、ナビエンジン2f、記憶装置2g、I/Oインターフェース2h、交通情報受信機2iは、バス2kを介して接続されている。また、バス2kには、プロセッサ2jが接続されている。よって、バス2kに接続されている各機器は、互いに通信が可能である。通信装置2が搭載される移動体80の一例としては、バス、自動車、オートバイ、自転車、タクシー、電車、船舶、飛行機などが挙げられる。通信装置2は、移動体80外の無線通信網と接続する。また、通信装置2は、移動体80内の携帯端末3と、移動体80内の無線通信網により接続する。以下、移動体80外の無線通信網を、「外部無線通信網」と表記し、移動体80内の無線通信網を、「内部無線通信網」と表記する。
外部無線通信網としては、例えば、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)、CDMA2000、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの3G通信方式により通信が行われる外部無線通信網が挙げられる。なお、外部無線通信網として、3G通信方式以降の次世代通信方式により通信が行われる移動体通信網を採用することもできる。外部無線通信網により、携帯端末3は、通話とデータ通信の双方が可能となる。本実例では、外部無線通信網として3G網を例に挙げて説明する。
また、内部無線通信網の一例としては、例えば、移動体内に設けられた無線LANスポットが挙げられる。内部無線通信網は、外部無線通信網よりも消費電力量が少ないネットワークである。本実例では、内部無線通信網として、Wifiを用いた場合を例に挙げて説明する。
3G送受信機2aは、3Gアンテナを用いて、後述する3G網4の基地局4aと通信を行う。
Wifi送受信機2bは、Wifiアンテナを用いて、Wifi通信を行う。例えば、Wifi送受信機2bは、携帯端末3のWifi送受信機3bとWifi通信を行う。
RFID送受信機2cは、RFIDアンテナを用いて、通信を行う。例えば、RFID送受信機2cは、携帯端末3のRFID送受信機3cと通信を行う。
GPS信号受信機2dは、GPS衛星からのGPS信号を受信し、GPS信号処理エンジン2eに送信する。例えば、図1の例では、GPS信号受信機2dは、出発地点90から目的地91までの間では、電源がオンであるため、次のような処理を行う。すなわち、GPS信号受信機2dは、GPS衛星からのGPS信号を受信し、GPS信号処理エンジン2eにGPS信号を送信する。
GPS信号処理エンジン2eは、GPS信号受信機2dから送信されたGPS信号に対して、GPS信号処理エンジン2eの位置を検出するための処理を実行して、位置を検出し、位置を示す位置情報を生成する。ここで、GPS信号処理エンジン2eは、通信装置2内に備えられているため、GPS信号処理エンジン2eの位置を通信装置2の位置とみなすことができる。例えば、図1の例では、GPS信号処理エンジン2eは、出発地点90から目的地91までの間では、電源がオンであるため、次のような処理を行う。すなわち、GPS信号処理エンジン2eは、GPS信号から、通信装置2の位置を示す位置情報を生成する。また、図1の例では、GPS信号処理エンジン2eは、乗車地点92から降車地点93までの間では、電源がオフにされる。そのため、GPS信号処理エンジン2eでは、電力の消費が削減される。
ナビエンジン2fは、ナビ画面などのナビ情報を生成する。例えば、ナビエンジン2fは、目的地、地図情報、位置情報、交通情報に基づいて、位置情報が示す位置から目的地までのルート探索を行う。例えば、図1の例では、ナビエンジン2fは、出発地点90から目的地91までの間では、次のような処理を行う。すなわち、ナビエンジン2fは、目的地、地図情報25、交通情報受信機2iで受信された交通情報、GPS信号処理エンジン2eで生成された位置情報に基づいて、位置情報が示す位置から目的地までのルート探索を行う。そして、ナビエンジン2fは、ルート探索の結果得られたルートが表示されたナビ画面などのナビ情報を、所定の更新頻度で生成する。なお、ナビエンジン2fは、生成部の一例である。
記憶装置2gは、第一の情報生成プログラム21、第一のテーブル22、データベース23、第二のテーブル24、地図情報25を記憶する。
第一の情報生成プログラム21は、ナビ情報の生成を制御するための第一の情報生成処理を実行するためのプログラムである。
第一のテーブル22には、携帯端末3と通信装置2とが接続され、プロセッサ2jで後述する仮想端末が生成されるごとに、生成された仮想端末の情報が登録されたレコードが追加される。図3は、第一のテーブルの一例を示す図である。図3の例では、第一のテーブル22は、エントリ項目のそれぞれに対応付けて、SIM番号項目と、MACアドレス項目と、IP(Internet Protocol)アドレス項目と、機種情報項目とを有する。
エントリ項目には、携帯端末3と通信装置2とが接続され、通信装置2で仮想端末が生成された順番が登録される。ここで、順番は、「エントリ」とも称される。すなわち、エントリは、仮想端末に一意に割り振られた番号である。
SIM番号項目には、携帯端末3のSIM番号が仮想端末のSIM番号として登録される。MACアドレス項目には、携帯端末3の固有のMACアドレスが仮想端末のMACアドレスとして登録される。MACアドレスとは、データの送信元または宛先を識別するアドレスであり、イーサネット(登録商標)の場合、48ビットの符号である。IPアドレス項目には、通信装置2が携帯端末3の仮想端末に割り当てたIPアドレスが登録される。機種情報項目には、携帯端末3から通信装置2に送信された、携帯端末3の機種を識別する機種情報が仮想端末の機種情報として登録される。機種情報の一例としては、携帯端末3の製造者名、機種名を特定するコードが挙げられる。
図3の例では、1番目のレコードに、生成された順番が「1」である仮想端末のSIM番号が「820050000000134」である場合が示されている。また、図3の例では、1番目のレコードに、生成された順番が「1」である仮想端末のMACアドレスが「3E:A9:10:00:6F:78」である場合が示されている。また、図3の例では、1番目のレコードに、生成された順番が「1」である仮想端末のIPアドレスが、「10.120.22.10」である場合が示されている。また、図3の例では、1番目のレコードに、生成された順番が「1」である仮想端末の機種情報が、「F801i」である場合が示されている。
データベース23には、機種情報が示す携帯端末3の機種毎に、携帯端末3で使用されるOS(Operating System)およびアプリケーションを示す情報が登録される。図4は、データベースの一例を示す図である。図4の例では、データベース23は、機種情報項目のそれぞれに対応付けて、対応OS項目と、対応アプリケーション項目とを有する。
機種情報項目には、携帯端末3の機種情報が登録される。対応OS項目には、各機種情報によって識別される携帯端末3で使用されるOSを示す情報が登録される。対応アプリケーション項目には、各機種情報によって識別される携帯端末3で使用されるアプリケーションを示す情報が登録される。ここで、対応OS項目に登録された情報が示すOSは、記憶装置2gに記憶されている。そのため、対応OS項目に登録された情報から、その情報が示すOSを記憶装置2gから取得可能である。同様に、対応アプリケーション項目に登録された情報が示すアプリケーションは、記憶装置2gに記憶されている。そのため、対応アプリケーション項目に登録された情報から、その情報が示すアプリケーションを記憶装置2gから取得可能である。
図4の例では、1番目のレコードに、機種情報「F801i」が示す携帯端末3で使用されるOSが「OS1」であり、アプリケーションが「A1」である場合が示されている。
第二のテーブル24には、機種情報が示す携帯端末3の機種毎に、消費される電力量に関する情報が登録される。図5は、第二のテーブルの一例を示す図である。図5の例では、第二のテーブル24のレコードは、機種情報項目と、3G送受信機の消費電力項目と、Wifi送受信機の消費電力項目と、GPS信号受信機およびGPS信号処理エンジンの消費電力項目とを有する。これに加えて、図5の例では、第二のテーブル24のレコードは、ナビエンジンの消費電力項目と、表示制御装置の消費電力項目と、ナビ画面の更新頻度項目とを有する。
機種情報項目には、携帯端末3の機種情報が登録される。3G送受信機の消費電力項目には、各機種情報によって識別される携帯端末3の3G送受信機3aで消費される電力[w]が登録される。Wifi送受信機の消費電力項目には、各機種情報によって識別される携帯端末3のWifi送受信機3bで消費される電力[w]が登録される。GPS信号受信機およびGPS信号処理エンジンの消費電力項目には、各機種情報によって識別される携帯端末3のGPS信号受信機3dおよびGPS信号処理エンジン3eで消費される電力[w]が登録される。ナビエンジンの消費電力項目には、各機種情報によって識別される携帯端末3のナビエンジン3fでナビ情報を生成するごとに消費される電力量[J/update]が登録される。表示制御装置の消費電力項目には、各機種情報によって識別される携帯端末3の表示制御装置3oで、ナビ情報の一例であるナビ画面を表示するごとに消費される電力量[J/update]が登録される。ナビ画面の更新頻度項目には、ナビ画面を更新させる単位時間あたりの回数[update]が登録される。なお、かかる回数の一例としては、携帯端末3の開発段階で、携帯端末3を開発する開発者によって定められた回数が挙げられる。
図5の例では、1番目のレコードに、機種情報「F801i」が示す携帯端末3の3G送受信機3aで消費される電力が、「P3G」である場合が示されている。また、図5の例では、1番目のレコードに、機種情報「F801i」が示す携帯端末3のWifi送受信機3bで消費される電力が、「Pwifi」である場合が示されている。また、図5の例では、1番目のレコードに、機種情報「F801i」が示す携帯端末3のGPS信号受信機3dおよびGPS信号処理エンジン3eで消費される電力が、「PGPS」である場合が示されている。また、図5の例では、1番目のレコードに、機種情報「F801i」が示す携帯端末3のナビエンジン3fでナビ画面を生成するごとに消費される電力量が、「ENavi」である場合が示されている。また、図5の例では、1番目のレコードに、機種情報「F801i」が示す携帯端末3の表示制御装置3oでナビ画面を表示するごとに消費される電力量が、「EDisp」である場合が示されている。また、図5の例では、1番目のレコードに、機種情報「F801i」が示す携帯端末3のナビ画面を更新させる単位時間あたりの回数が、「FUpdt」である場合が示されている。
地図情報25は、道路、施設などの位置や名称を含む情報である。地図情報25は、ナビ情報の生成などに用いられる。
I/Oインターフェース2hは、外部装置に接続され、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/Oインターフェース2hとして、例えば、シリアルポート、USBポートなどを用いることができる。
交通情報受信機2iは、道路上に設けられたビーコン局から、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報などの交通情報を受信する。なお、交通情報受信機2iは、ビーコン局から受信する交通情報よりも広い範囲の交通道路状況を示すFM多重放送を受信することができる。
プロセッサ2jは、通信装置2全体の制御を行う。例えば、プロセッサ2jは、記憶装置2gに記憶された第一の情報生成プログラム21を取得し、取得した第一の情報生成プログラム21を実行し、第一の情報生成処理を実行する。図6は、第一の情報生成プログラムを実行するプロセッサを有する通信装置を機能的に表した機能ブロックの一例を示す図である。図6に示すように、通信装置2は、通信制御部201と、電力量算出部202と、情報取得部203と、決定部204と、頻度算出部205と、制御部206とを有する。
通信制御部201は、まず、携帯端末3の代わりとなる仮想端末3vを生成する。なお、仮想端末は、「エミュレータ」とも称される。仮想端末3vは、携帯端末3の代わりに、3G網4へのハンドオーバを行う。これにより、携帯端末3は、自らハンドオーバを行わないため、ハンドオーバによって電力を消費することが抑制され、消費電力を削減することができる。
具体例について説明する。図7は、通信システムで実行される処理を説明するための図である。図7の例では、通信装置2のRFID送受信機2cからの電波を検出した場合に、通信制御部201は、携帯端末3のWifi送受信機3bの電源をオンにする。そして、携帯端末3のRFID送受信機3cは、Wifi通信の確立に用いられる情報、例えば、携帯端末3のMACアドレス、SIM、機種情報などを通信装置2に送信する。これにより、携帯端末3のWifi送受信機3bと通信装置2のWifi送受信機2bとのWifi通信が確立される。また、RFID送受信機3cは、乗車地点92におけるバッテリ3mの残りの使用可能な電力量EBattを通信装置2に送信する。また、RFID送受信機3cは、携帯端末3のナビ機能が利用され、目的地が入力されている場合には、目的地を通信装置2に送信する。また、RFID送受信機3cは、自端末がナビエンジンを搭載しているか否かを示す情報を通信装置2に送信する。以下では、自端末がナビエンジンを搭載しているか否かを示す情報を、「搭載情報」と表記する。また、通信制御部201は、3G送受信機3aの電源をオフにする。なお、図7の例は、移動体80内に、OS1によって動作する携帯端末3が2台存在し、OS2によって動作する携帯端末3が1台存在する場合を示す。
通信制御部201は、携帯端末3から送信された機種情報を受信した場合には、機種情報に対応するOS、アプリケーションを第一のテーブル22を参照して取得する。そして、通信制御部201は、取得したOS、アプリケーションを用いて携帯端末3の仮想端末3vを生成する。図7の例では、通信制御部201は、OS1によって動作する仮想端末3vを2台、OS2によって動作する仮想端末3vを1台生成する。
図7の例では、仮想端末3vは、ハンドオーバを行う指示を3G送受信機2aに送信する。3G送受信機2aは、かかる指示を受信すると、3G網4へのハンドオーバを行う。ここで、通信制御部201は、3G送受信機2aによるハンドオーバの結果をWifi通信で携帯端末3のWifi送受信機3bに送信するようにWifi送受信機2bを制御する。これにより、仮想端末3vは、3G送受信機2aを介して、ハンドオーバを行うことができる。仮想端末3vは、ハンドオーバにより得られた、最も電波強度が強い基地局4aを所定時間ごとに検出する。そして、仮想端末3vは、3G送受信機2aを介して、検出した基地局4aと通信を行う。このように、通信装置2は、携帯端末3aの代わりに、ハンドオーバを行う。
また、図7の例では、携帯端末3が、インターネット5のサーバ5aと接続する場合には、仮想端末3vは、携帯端末3の代わりに、3G網4を経由してインターネット5のサーバ5aと通信を行う。さらに、Wifi送受信機2bが携帯端末3と通信を行う。すなわち、携帯端末3は、Wifi送受信機2b、仮想端末3vおよび3G送受信機2aを介して、サーバ5aと通信を行う。このように、通信装置2が、携帯端末3とインターネット5のサーバ5aとの通信を中継することにより、携帯端末3は、インターネット通信が可能となる。
また、電力量算出部202は、携帯端末3と通信装置2とのWifi通信が確立された場合に、携帯端末3と通信装置2とのWifi通信が可能な状態の間における携帯端末3で使用可能な電力量を算出する。具体例を挙げて説明する。先の図1の例において、乗車地点92では、携帯端末3は、携帯端末3の後述するバッテリ3mの残りの電力量EBattを、RFID送受信機3cによって、通信装置2に送信する。電力量算出部202は、電力量EBattを受信すると、受信した電力量EBattから、降車地点93から目的地91までの間に携帯端末3により消費される電力量EBFを減じた電力量EBUS(EBatt−EBF)を算出する。電力量EBUSは、乗車地点92から降車地点93までの移動体80で移動中の時間に携帯端末3で使用可能な電力量である。すなわち、電力量EBUSは、携帯端末3と通信装置2とのWifi通信が確立されている間に、携帯端末3で使用可能な電力量である。
また、乗車地点92において、携帯端末3は、目的地が入力されている場合には、目的地を、RFID送受信機3cによって、通信装置2に送信する。また、乗車地点92において、携帯端末3は、搭載情報を、RFID送受信機3cによって、通信装置2に送信する。
図1の例では、電力量算出部202は、電力量EBFを次のようにして算出する。すなわち、電力量算出部202は、上記の接続依頼に含まれる携帯端末3の機種情報をキーとして、かかる機種情報が機種情報項目に登録されたレコードを第二のテーブル24から検索する。検索の結果、レコードが得られた場合には、電力量算出部202は、電力量EBFを下記の式(1)を用いて算出する。
EBF=TBF×(P3G+PGPS)+(ENavi+EDisp)×(TBF×FUpdt) 式(1)
ただし、TBFは、降車地点93から目的地91までの移動時間である。また、P3Gは、得られたレコードの3G送受信機の消費電力項目に登録された電力である。また、PGPSは、得られたレコードのGPS信号受信機およびGPS信号処理エンジンの消費電力項目に登録された電力である。また、ENaviは、得られたレコードのナビエンジンの消費電力項目に登録された電力量である。また、EDispは、得られたレコードの表示制御装置の消費電力項目に登録された電力量である。また、FUpdtは、得られたレコードのナビ画面の更新頻度項目に登録された回数である。
情報取得部203は、ナビ情報を生成する際に用いられる情報を取得する。例えば、情報取得部203は、記憶装置21に記憶された地図情報25を取得する。また、情報取得部203は、交通情報受信機2iから、交通情報を取得する。また、情報取得部203は、GPS信号処理エンジン2eから、通信装置2の位置を示す位置情報を取得する。また、情報取得部203は、携帯端末3から送信された目的地を取得する。
なお、情報取得部203は、後述の決定部204において、搭載情報が、自端末がナビエンジンを搭載していないことを示すと判定された場合には、次のような処理を行う。すなわち、情報取得部203は、目的地をユーザから取得するための画面、すなわち目的地の入力を促す画面を表示する指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3に送信する。これにより、携帯端末3の表示装置3pには、目的地をユーザから取得する画面が表示される。そして、携帯端末3にユーザから目的地が入力されると、携帯端末3は、目的地をWifi送受信機3bにより通信装置2に送信する。
決定部204は、まず、携帯端末3から送信された搭載情報が、自端末がナビエンジンを搭載していることを示すか否かを判定する。搭載情報が、自端末がナビエンジンを搭載していることを示す場合には、決定部204は、電力量EBUSが所定量以上であるか否かを判定する。決定部204は、電力量EBUSが所定量より小さい場合には、次のような処理を行う。すなわち、決定部204は、ナビエンジン2f、および、後述のナビエンジン3fのうち、ナビエンジン2fを、携帯端末3の表示装置3pに表示されるナビ情報を生成するナビエンジンとして決定する。また、決定部204は、電力量EBUSが所定量以上である場合には、次のような処理を行う。すなわち、決定部204は、ナビエンジン2f、および、ナビエンジン3fのうち、ナビエンジン3fを、携帯端末3の表示装置3pに表示されるナビ情報を生成するナビエンジンとして決定する。
ここで、所定量の一例について説明する。ナビ情報を生成する頻度、ナビ情報を更新する頻度は、各機種のハードウェアやソフトウェアに応じた範囲内で、変更することができる。例えば、ナビ情報を生成する頻度、ナビ情報の更新する頻度を、最小値FUpdt_minとした場合には、表示されるナビ情報の更新頻度が小さいため、ナビ機能の品質は落ちる。しかしながら、この場合、ナビエンジン2f,3fで、単位時間当たりでの、ナビ情報を生成する回数が少ないため、ナビエンジン2f,3fでの消費電力が削減される。一方、ナビ情報を生成する頻度、ナビ情報を更新する頻度を、最大値FUpdtとした場合には、表示されるナビ情報の更新頻度が大きいため、ナビ機能の品質は良好となる。しかしながら、この場合、ナビエンジン2f,3fで、単位時間当たりでの、ナビ情報を生成する回数が多いため、ナビエンジン2f,3fでの消費電力が削減されない。このように、頻度と、消費電力の削減量との関係は、トレードオフの関係にある。また、携帯端末3と通信装置2とが通信可能な状態である場合には、携帯端末3での処理の負担を減らすために、通信装置2で処理を行うことが考えられる。
そこで、決定部204は、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオフにさせ、頻度を最小値FUpdt_minにした場合に、携帯端末3で消費される電力量を算出する。この場合、決定部204は、通信装置2から送信された位置情報、地図情報、交通情報などに基づいてナビエンジン3fでナビ情報が生成される場合の消費電力量Est1を算出する。決定部204は、算出した電力量Est1と、上記の使用可能な電力量EBUSとを比較する。すなわち、決定部204は、算出した電力量Est1を上記の所定量としている。ここで、所定量Est1は、下記の式(2)に基づいて算出される。
Est1=TBUS×Pwifi
+(ENavi+EDisp)×(TBUS×FUpdt_min) 式(2)
ただし、TBUSは、乗車地点92から降車地点93までの移動時間である。また、Pwifiは、得られたレコードのWifi送受信機の消費電力項目に登録された電力である。
決定部204は、このようにして得られた所定量Est1と、電力量EBUSとを比較する。そして、決定部204は、電力量EBUSが所定量Est1より小さい場合には、ナビエンジン3fでナビ情報の生成が困難であるため、次のような処理を行う。まず、決定部204は、電力量EBUSが所定量Est1より小さい場合には、電力量EBUSと、所定量Est2とを比較する。ここで、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにさせ、頻度を最小値FUpdt_minにした場合に、携帯端末3で消費される電力量が、所定量Est2である。決定部204は、通信装置2から送信されたナビ画面が携帯端末3の表示装置3pに表示される場合の消費電力量Est2を下記の式(3)に基づいて算出する。
Est2=TBUS×Pwifi+EDisp×(TBUS×FUpdt_min) 式(3)
そして、決定部204は、電力量EBUSが、所定量Est2より小さい場合には、携帯端末3でナビ情報を表示させること、すなわちナビ機能を利用することが困難であると判定する。この場合、決定部204は、フラグ(図示せず)にNULL値を設定する。なお、このフラグは、携帯端末3ごとに対応する。また、電力量EBUSが、所定量Est2以上である場合には、決定部204は、ナビエンジン2fを、携帯端末3の表示装置3pに表示されるナビ情報を生成するナビエンジンとして決定する。
また、決定部204は、電力量EBUSが所定量Est1以上である場合には、ナビエンジン3fでナビ情報の生成が可能であるため、次のような処理を行う。すなわち、決定部204は、ナビエンジン3fを、携帯端末3の表示装置3pに表示されるナビ情報を生成するナビエンジンとして決定する。
そして、決定部204は、ナビエンジン2fを決定した場合には、記憶装置2gのフラグに「1」の値を設定する。また、決定部204は、ナビエンジン3fを決定した場合には、フラグに「0」の値を設定する。なお、決定部204は、携帯端末3から送信された搭載情報が、ナビエンジンを搭載していないことを示す場合には、上述した電力量EBUSと所定量Est2との比較結果に応じて、上記と同様の処理を行ってフラグに値を設定する。
頻度算出部205は、電力量算出部202により算出された電力量EBUSが所定量Est1より小さい場合には、次のような情報に基づいて、ナビ情報の表示を更新する頻度である更新頻度を算出する。すなわち、電力量EBUS、Wifi通信が可能な状態の時間TBUS、Wifi送受信機3bで消費される電力が、更新頻度を算出する際に用いられる。また、携帯端末3の表示装置3pに表示させるナビ情報を更新する表示制御装置3oにおけるナビ情報の1回の更新で消費される電力量も、更新頻度を算出する際に用いられる。
また、頻度算出部205は、電力量算出部202により算出された電力量EBUSが所定量Est1以上である場合には、次のような情報に基づいて、更新頻度を算出する。すなわち、電力量EBUS、Wifi通信が可能な状態の時間TBUS、Wifi送受信機3bで消費される電力が、更新頻度を算出する際に用いられる。また、ナビエンジン3fでナビ情報を生成するごとに消費される電力量も、更新頻度を算出する際に用いられる。また、携帯端末3の表示装置3pに表示させるナビ情報を更新する表示制御装置3oにおけるナビ情報の1回の更新で消費される電力量も、更新頻度を算出する際に用いられる。
頻度算出部205は、電力量EBUSが、所定量Est2以上である場合には、電力量EBUSと、所定量Est3とを比較する。ここで、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにさせ、頻度を最大値FUpdtにした場合に、携帯端末3で消費される電力量が、所定量Est3である。所定量Est3は、頻度算出部205により算出される。この場合、頻度算出部205は、通信装置2から送信されたナビ情報が携帯端末3の表示装置3pに表示される場合の消費電力量を算出する。所定量Est3は、下記の式(4)に基づいて算出される。
Est3=TBUS×Pwifi+EDisp×(TBUS×FUpdt) 式(4)
そして、頻度算出部205は、電力量EBUSが、所定量Est3より小さい場合には、下記の式(5)に基づいて、頻度Fを算出する。
F=(EBUS−(TBUS×Pwifi))/(EDisp×TBUS) 式(5)
一方、頻度算出部205は、電力量EBUSが、所定量Est3以上である場合には、頻度Fを最大値FUpdtとすることで、頻度Fを算出する。
このようにして、頻度算出部205は、携帯端末3での消費電力量が、バッテリ3mの使用可能な電力量を超えない範囲で、できる限り高い範囲の頻度Fを算出する。すなわち、頻度算出部205は、消費電力量が使用可能な電力量を超えない範囲で、品質の高いナビ機能を実現することができる頻度Fを算出する。したがって、システム1によれば、バッテリ3mの状態に応じて、適切な精度のナビ機能を実現することができる。
また、頻度算出部205は、電力量EBUSが所定量Est1以上である場合には、電力量EBUSと、所定量Est4とを比較する。ここで、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオフにさせ、頻度を最大値FUpdtにした場合に、携帯端末3で消費される電力量が、所定量Est4である。所定量Est4は、頻度算出部205により算出される。この場合、頻度算出部205は、通信装置2から送信された位置情報、地図情報、交通情報、および携帯端末3に入力された目的地などに基づいてナビエンジン3fでナビ情報が生成される場合の消費電力量を算出する。所定量Est4は、下記の式(6)に基づいて算出される。
Est4=TBUS×Pwifi
+(ENavi+EDisp)×(TBUS×FUpdt) 式(6)
そして、頻度算出部205は、電力量EBUSが、所定量Est4以上である場合には、頻度Fを最大値FUpdtとすることで、頻度Fを算出する。
一方、頻度算出部205は、電力量EBUSが、所定量Est4より小さい場合には、下記の式(7)に基づいて、頻度Fを算出する。
F=(EBUS−(TBUS×Pwifi))/(EDisp+ENavi)×TBUS) 式(7)
このようにして、頻度算出部205は、携帯端末3での消費電力量が、バッテリ3mの使用可能な電力量を超えない範囲で、できる限り高い範囲の頻度Fを算出する。すなわち、頻度算出部205は、消費電力量が使用可能な電力量を超えない範囲で、品質の高いナビ機能を実現することができる頻度Fを算出する。したがって、システム1によれば、バッテリ3mの状態に応じて、適切な精度のナビ機能を実現することができる。
制御部206は、決定部204によりナビエンジン2fが決定された場合には、ナビエンジン3fへの電力の供給を停止し、ナビエンジン2fで生成されたナビ情報を出力するように携帯端末3を制御する。これに加えて、制御部206は、決定部204によりナビエンジン2fが決定された場合には、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eへの電力の供給を停止するように携帯端末3を制御する。
具体例を挙げて説明する。例えば、制御部206は、まず、フラグの値を取得する。フラグの値が「NULL」である場合には、制御部206は、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにする指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3へ送信する。これにより、携帯端末3では、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源がオフにされる。そして、制御部206は、携帯端末3から接続終了依頼を受信すると、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオンにする指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3へ送信する。これにより、携帯端末3では、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源がオンにされる。したがって、システム1によれば、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eおよびナビエンジン3fで消費される電力量を削減することができる。
また、フラグの値が「1」である場合には、すなわち、決定部204によりナビエンジン2fが決定された場合には、制御部206は、次のような処理を行う。すなわち、制御部206は、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにする指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3へ送信する。そして、制御部206は、ナビ情報を、頻度算出部205により算出された頻度Fで生成する指示をナビエンジン2fへ送信する。これにより、ナビエンジン2fは、頻度Fでナビ情報を生成するようになる。そして、制御部206は、ナビエンジン2fで生成されたナビ情報を、頻度Fで表示する指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3に送信する。そして、制御部206は、時間間隔1/Fでナビ情報をナビエンジン2fから取得する。そして、制御部206は、取得したナビ情報を時間間隔1/FでWifi送受信機2bにより携帯端末3へ送信する。これにより、携帯端末3では、Wifi通信により通信装置2から送信されるナビ情報が表示装置3pに表示され、頻度Fが示す更新頻度で更新される。そして、制御部206は、携帯端末3から接続終了依頼を受信すると、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオンにする指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3へ送信する。したがって、システム1によれば、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eおよびナビエンジン3fで消費される電力量を削減することができる。また、システム1によれば、ナビエンジンを搭載しない携帯端末であっても、ナビ情報を出力することができる。
また、フラグの値が「0」である場合には、すなわち、決定部204によりナビエンジン3fが決定された場合には、制御部206は、次のような処理を行う。すなわち、制御部206は、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオフにする指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3に送信する。これにより、携帯端末3は、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオフにする。そして、制御部206は、ナビ情報を、頻度算出部205により算出された頻度Fで生成する指示をWifi送受信機2bによりナビエンジン3fへ指示を送信する。これにより、ナビエンジン3fは、頻度Fでナビ情報を生成するようになる。そして、制御部206は、時間間隔1/Fで、GPS信号処理エンジン3eから位置情報を取得する。さらに、制御部206は、時間間隔1/Fで、地図情報25を取得する。これに加えて、制御部206は、時間間隔1/Fで、交通情報を交通情報受信機2iから取得する。そして、制御部206は、取得した位置情報、地図情報25、交通情報を、時間間隔1/Fで、Wifi送受信機2bにより携帯端末3へ送信する。これにより、携帯端末3のナビエンジン3fでは、Wifi通信により通信装置2から送信される位置情報、地図情報25、交通情報などに基づいて時間間隔1/Fで、ナビ情報が生成される。そして、携帯端末3の表示装置3pでは、ナビ情報が頻度Fが示す更新頻度で更新される。そして、制御部206は、携帯端末3から接続終了依頼を受信すると、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオンにする指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3へ送信する。したがって、システム1によれば、GPS信号受信機3dおよびGPS信号処理エンジン3eで消費される電力量を削減することができる。
このように、システム1によれば、携帯端末3と通信装置2との間で、3G通信よりも消費電力が少ないWifi通信が可能な場合に、携帯端末3の使用可能な電力量が閾値を超えた場合には、携帯端末3での消費電力を削減することができる。
また、システム1によれば、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fなどで消費される電力量を削減することができる。また、システム1によれば、ナビエンジンを搭載しない携帯端末であっても、ナビ情報を出力することができる。
図2の説明に戻り、携帯端末3は、ユーザにより携帯される端末である。携帯端末3の一例としては、PDA(Personal Digital Assitant)、スマートフォンなどの端末が挙げられる。携帯端末3は、3G送受信機3aと、Wifi送受信機3bと、RFID送受信機3cと、GPS信号受信機3dと、GPS信号処理エンジン3eと、ナビエンジン3fと、記憶装置3gと、I/Oインターフェース3hと、プロセッサ3iとを有する。さらに、携帯端末3は、ユーザインターフェース3jと、SIMカード3kと、電力供給制御部3lと、バッテリ3mと、表示制御装置3oと、表示装置3pとを有する。これらの3G送受信機3a、Wifi送受信機3b、RFID送受信機3c、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3f、記憶装置3g、I/Oインターフェース3h、プロセッサ3iは、バス3nを介して接続されている。また、ユーザインターフェース3j、SIMカード3k、電力供給制御部3l、表示制御装置3oもバス3nに接続されている。よって、これらのバス3nに接続された各機器は、互いに通信が可能である。
3G送受信機3aは、3Gアンテナを用いて、3G網4の基地局4aと通信を行う。図1の例では、3G送受信機3aは、乗車地点92から降車地点93までの間では、電源がオフであるため、電力の消費が削減される。
Wifi送受信機3bは、Wifiアンテナを用いて、Wifi通信を行う。例えば、Wifi送受信機3bは、Wifiアンテナを用いて、通信装置2のWifi送受信機2bとWifi通信を行う。図1の例では、Wifi送受信機3bは、出発地点90から乗車地点92までの間、および、降車地点93から目的地91までの間では、電源がオフであるため、電力の消費が削減される。
RFID送受信機3cは、RFIDアンテナを用いて、通信を行う。例えば、RFID送受信機3cは、RFIDアンテナを用いて、通信装置2のRFID送受信機2cと通信を行う。
GPS信号受信機3dは、GPS衛星からのGPS信号を受信し、GPS信号処理エンジン3eに送信する。GPS信号処理エンジン3eは、GPS信号受信機3dから送信されたGPS信号に対して、GPS信号処理エンジン3eの位置を検出するための処理を実行して、位置を検出し、位置を示す位置情報を生成する。ここで、GPS信号処理エンジン3eは、携帯端末3内に備えられているため、GPS信号処理エンジン3eの位置を携帯端末3の位置とみなすことができる。図1の例では、GPS信号受信機3dおよびGPS信号処理エンジン3eは、乗車地点92から降車地点93までの間では、電源がオフであるため、GPS信号受信機3dおよびGPS信号処理エンジン3eでは、電力の消費が削減される。
ナビエンジン3fは、ナビ画面などのナビ情報を生成する。例えば、ナビエンジン3fは、位置情報、目的地、地図情報、交通情報に基づいて、位置情報が示す位置から目的地までのルート探索を行う。そして、ナビエンジン3fは、ルート探索の結果得られたルートが表示されたナビ画面などのナビ情報を生成する。図1の例では、出発地点90から乗車地点92までの間、および、降車地点93から目的地91までの間、ナビエンジン3fは、目的地、位置情報、並びに3G送受信機3aにより外部のサーバから取得した地図情報および交通情報に基づいて、ナビ情報を生成する。また、ナビエンジン3fは、乗車地点92から降車地点93までの移動体80の乗車中の間で、電源がオフの場合には、ルート探索の処理を含む各種処理を実行しない。そのため、ナビゲーション3fでは、電力の消費が削減される。また、ナビエンジン3fは、ルート探索の結果得られたルートが表示されたナビ画面などのナビ情報を、所定の更新頻度または通信装置2から指示された更新頻度で生成する。なお、ナビエンジン3fは、生成部の一例である。
記憶装置3gは、第二の情報生成プログラム31を記憶する。
第二の情報生成プログラム31は、ナビ情報の生成を制御するための第二の情報生成処理を実行するためのプログラムである。
I/Oインターフェース3hは、外部装置に接続され、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/Oインターフェース3hとして、例えば、シリアルポート、USBポートなどを用いることができる。
プロセッサ3iは、携帯端末3全体の制御を行う。例えば、プロセッサ3iは、記憶装置3gに記憶された第二の情報生成プログラム31を取得し、取得した第二の情報生成プログラム31を実行する。図8は、第二の情報生成プログラムを実行するプロセッサを有する携帯端末を機能的に表した機能ブロックの一例を示す図である。図8の例では、携帯端末3は、通信制御部301と、情報取得部302と、制御部303とを有する。
先の図7の例では、携帯端末3のRFID送受信機3cは、通信装置2のRFID送受信機2cからの電波を検出した場合には、Wifi通信の確立に用いられる情報、例えば接続依頼を携帯端末3に送信する。接続依頼には、携帯端末3のMACアドレス、SIM、機種情報が含まれる。そして、通信制御部301は、携帯端末3のWifi送受信機3bの電源をオンにする。これにより、通信装置2のWifi送受信機2bと携帯端末3のWifi送受信機3bとのWifi通信が確立される。また、通信装置2のRFID送受信機2cからの電波を検出した場合には、通信制御部301は、携帯端末3の3G送受信機3aの電源をオフにする。
また、携帯端末3のRFID送受信機3cは、通信装置2のRFID送受信機2cからの電波を検出した場合には、搭載情報、電力量EBattを携帯端末3に送信する。さらに、携帯端末3のRFID送受信機3cは、通信装置2のRFID送受信機2cからの電波を検出した場合には、目的地が入力されている場合には、目的地を携帯端末3に送信する。これにより、通信装置2では、携帯端末3の仮想端末3vが生成される。
情報取得部302は、ナビ情報を生成する際に用いられる情報を取得する。例えば、情報取得部302は、GPS信号処理エンジン3eから位置情報を取得する。また、情報取得部302は、3G送受信機3aを介して外部のサーバから取得した地図情報および交通情報を取得する。また、情報取得部302は、通信装置2から送信された位置情報、交通情報、地図情報を取得する。
また、情報取得部302は、通信装置2から送信された指示、ナビ情報なども取得する。
制御部303は、自端末の使用可能な電力量EBUSが、所定量Est1よりも小さい場合に、自端末と通信可能な通信装置2で生成されたナビ情報を取得する。また、制御部303は、自端末の使用可能な電力量EBUSが、所定量Est1よりも小さい場合に、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fへの電力の供給を停止する。また、制御部303は、電力量EBUSが、所定量Est1以上である場合に、通信装置2から送信された位置情報、交通情報、地図情報に基づいて、ナビ情報を生成するようにナビエンジン3fを制御する。
具体例について説明する。制御部303は、通信装置2から送信された指示が、目的地をユーザから取得するための画面を表示する指示を受信した場合には、目的地の入力を促す画面を表示する指示を後述の表示制御装置3oに送信する。これにより、表示制御装置3oは、目的地の入力を促す画面を表示装置3pに表示させる。図9は、目的地の入力を促す画面の一例である。図9の例では、目的地の入力を促す画面700には、「目的地を入力して下さい。入力後は、送信ボタンを押して下さい。」というメッセージが含まれている。図9の例では、ユーザは、テキストボックス701に目的地を入力できる。図9の例では、テキストボックス701に目的地が入力された後に、ユーザによって送信ボタン702が押されると、制御部303は、Wifi送受信機3bにより、目的地を通信装置2へ送信する。
また、制御部303は、通信装置2から送信された指示が、機器の電源をオフにする指示である場合には、指示に従って、機器の電源をオフにする。例えば、先の図1の乗車地点92において、通信装置2から送信された指示が、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにする指示である場合には、制御部303は、次のような処理を行う。すなわち、制御部303は、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにする指示を後述の電力供給制御部3lに送信する。これにより、電力供給制御部3lは、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにする。したがって、システム1によれば、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eおよびナビエンジン3fで消費される電力量を削減することができる。また、先の図1の乗車地点92において、通信装置2から送信された指示が、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオフにする指示である場合には、制御部303は、次のような処理を行う。すなわち、制御部303は、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオフにする指示を後述の電力供給制御部3lに送信する。これにより、電力供給制御部3lは、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオフにする。したがって、システム1によれば、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eで消費される電力量を削減することができる。
また、制御部303は、通信装置2から送信された指示が、機器の電源をオンにする指示である場合には、指示に従って、機器の電源をオンにする。例えば、先の図1の降車地点93において、通信装置2から送信された指示が、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオンにする指示である場合には、制御部303は、次のような処理を行う。すなわち、制御部303は、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオンにする指示を電力供給制御部3lに送信する。これにより、電力供給制御部3lは、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオンにする。また、先の図1の降車地点93において、通信装置2から送信された指示が、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオンにする指示である場合には、制御部303は、次のような処理を行う。すなわち、制御部303は、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオンにする指示を電力供給制御部3lに送信する。これにより、電力供給制御部3lは、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオンにする。
また、制御部303は、通信装置2から送信された指示が、ナビ情報を頻度Fで生成する指示である場合には、ナビ情報を頻度Fで生成する指示をナビエンジン3fに送信する。これにより、ナビエンジン3fは、ナビ情報を頻度Fで生成するようになる。
また、制御部303は、通信装置2から送信された指示が、ナビ情報を頻度Fで表示する指示である場合には、ナビ情報を頻度Fで表示する指示を表示制御装置3oに送信する。これにより、表示制御装置3oは、送信装置2から送信されるナビ情報を頻度Fで表示装置3pに表示させるようになる。したがって、システム1によれば、ナビエンジンを有しない携帯端末であっても、ナビ情報を出力することができる。すなわち、ナビエンジンを有しない携帯端末であってもナビ機能を利用することができる。
また、制御部303は、通信装置2から送信された位置情報、地図情報、交通情報を受信した場合には、位置情報、地図情報、交通情報をナビエンジン3fに送信する。これにより、ナビエンジン3fでは、位置情報、地図情報、交通情報に基づいてナビ情報が生成される。
また、制御部303は、通信装置2から送信されたナビ情報を受信した場合には、ナビ情報を表示制御装置3oに送信する。これにより、表示制御装置3oは、ナビ情報を表示装置3pに表示させる。
ユーザインターフェース3jは、ユーザからのデータの入出力を制御する。ユーザインターフェース3jには、ディスプレイやキーボードやマイクやスピーカを採用することができる。SIMカード3kは、携帯端末3固有のSIM(Subscriber Identity Module)番号を記憶している。SIM番号の一例としては、電話番号を特定するための固有のID番号(International Mobile Subscriber Identity:IMSI)が挙げられる。
電力供給制御部3lは、バッテリ3mから携帯端末3の各機器に供給される電力を制御する。また、電力供給制御部3lは、プロセッサ3iからの指示を受けて、各機器の電源をオンしたり、オフしたりする。バッテリ3mは、携帯端末3の各機器を動作させるための電力を、電力供給制御部3lを介して、各機器に供給する。
表示制御装置3oは、表示装置3pの表示内容を制御する。例えば、表示制御装置3oは、ナビエンジン3fでナビ情報が生成されるたびに、生成されたナビ情報を表示するように表示装置3pを制御する。また、表示制御装置3oは、通信装置2からナビ情報を受信するたびに、受信したナビ情報を表示するように表示装置3pを制御する。また、表示制御装置3oは、ナビ情報を頻度Fで表示する指示を受けると、ナビ情報を頻度Fで表示装置3pに表示させる。表示装置3pは、各種情報を表示する。表示装置3pの一例としては、液晶ディスプレイが挙げられる。
先の図1の乗車地点92において、携帯端末3は、乗車地点92から降車地点93までの間で、携帯端末3のバッテリ3mの使用可能な電力量EBUSが閾値を超えていない場合には、次のような処理を行う。すなわち、携帯端末3は、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにする。この間、携帯端末3は、通信装置2から送信されるナビ情報を表示する。
これにより、携帯端末3は、乗車地点92から降車地点93までの間で使用可能な電力量EBUSが閾値を超えていない場合には、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fでの消費電力を削減することができる。また、携帯端末3は、ナビエンジンを有していない場合でも、ナビ情報を出力することができる。
一方、乗車地点92において、携帯端末3は、乗車地点92から降車地点93までの間に、携帯端末3のバッテリ3mの使用可能な電力量EBUSが閾値を超えた場合には、次のような処理を行う。すなわち、携帯端末3は、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオフにする。この間、携帯端末3は、通信装置2から送信されるナビ情報を生成する際に用いられる情報を取得し、取得した情報を用いてナビ情報を生成し、生成したナビ情報を表示する。
これにより、携帯端末3は、電力量EBUSが閾値を超えた場合には、乗車地点92から降車地点93までの間、ナビ情報を生成する際に用いられる情報を取得する機器、例えば、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eでの消費電力を削減することができる。
(通信装置2と携帯端末3とのWifi通信の接続)
ここで、図10〜図18を用いて、通信装置2と携帯端末3とのWifi通信の接続から、切断までの一連の処理、並びに第一の情報生成処理および第二の情報処理について説明する。具体的には、まず、図10を用いて、図1にて示した乗車地点92における通信装置2と携帯端末3とのWifi通信の接続について説明する。すなわち、図10では、図1にて示した通信装置2と携帯端末3とのWifi通信の関連付け、通信装置2による携帯端末3の認証、および通信装置2と携帯端末3間のWifi通信の確立について説明する。
図10は、通信装置と携帯端末とのWifi通信の接続の詳細を示すシーケンス図である。図10では、携帯端末3が移動体80内にあり、Wifi通信の接続依頼を行った場合を例に挙げる。
ここで、携帯端末3のRFID送受信機3cの通信圏内に、通信装置2のRFID送受信機2cが存在する状態になり、互いのRFID送受信機2c,3cにより通信可能な状態に移行したとする。例えば、携帯端末3のユーザが、携帯端末3のRFID送受信機3cを、通信装置2のRFID送受信機2cに近づけることにより、通信可能な状態に移行する。
携帯端末3のRFID送受信機3cは、通信装置2のRFID送受信機2cとの通信可能な状態になると、通信装置2のRFID送受信機2cに接続依頼、使用可能な電力量EBatt、搭載情報を送信する(ステップS701)。ここで、接続依頼は、携帯端末3のMACアドレスとSIMと機種情報とを含む。また、目的地が携帯端末3に入力されている場合には、RFID送受信機3cは、ステップS701で、目的地も通信装置2のRFID送受信機2cに送信する。
通信装置2のRFID送受信機2cは、受信した接続依頼を携帯端末3の携帯端末情報として、通信装置2のプロセッサ2jに転送するとともに、電力量EBatt、搭載情報や目的地なども通信装置2のプロセッサ2jに転送する(ステップS702)。次に、通信装置2のプロセッサ2jは、受信した携帯端末情報のうちのMACアドレスをWifi送受信機2bに転送する(ステップS703)。MACアドレスを受信したWifi送受信機2bは、MACアドレスに対応するIPアドレスを割り振る(ステップS704)。これにより、通信装置2は、通信装置2と携帯端末3とのWifi通信の関連付けを行う。
そして、通信装置2のプロセッサ2jは、携帯端末情報のうちSIMと機種情報とを3G送受信機2aに転送する(ステップS705)。通信装置2の3G送受信機2aは、基地局4aを介して認証機関(例えば、携帯端末3の通信事業者)にSIMと機種情報との正当性を問い合わせて、携帯端末3を認証する。
また、通信装置2のWifi送受信機2bは、割り振られたIPアドレスと、SIMと、MACアドレスとからなるレコードの保存依頼を、通信装置2のプロセッサ2jに送信する(ステップS706)。携帯端末3が認証されなかった場合は、通信装置2のプロセッサ2jは、受信したレコードの保存依頼を廃棄して、携帯端末3とのWifi通信の接続は行わない。
携帯端末3が認証された場合、通信装置2のプロセッサ2jは、保存依頼を受信すると、保存依頼に含まれるSIMとMACアドレスとIPアドレスとをレコードとして第一のテーブル22に保存する(ステップS707)。また、通信装置2のプロセッサ2jは、保存依頼に含まれるIPアドレスを接続情報としてRFID送受信機2cに転送する(ステップS708)。そして、通信装置2のプロセッサ2jは、機種情報から携帯端末3のOSを特定し、特定したOSに対応する仮想端末3vを生成し、携帯端末3のエミュレーションを開始する(ステップS709)。
そして、通信装置2のRFID送受信機2cは、受信した接続情報を、携帯端末3のRFID送受信機3cに送信する(ステップS710)。接続情報は、SSID(Service Set IDentifier)と、チャンネルと、IPアドレスを含む。
これにより、携帯端末3は、Wifi送受信機3bによる通信装置2のWifi送受信機2bのスキャンを行わずに、Wifi通信を確立するための接続情報を受信することができる。そのため、携帯端末3は、従来、Wifi送受信機3bによる通信装置2のWifi送受信機2bのスキャンに使用していた消費電力を削減することができる。
このあと、携帯端末3のRFID送受信機3cは、受信した接続情報を、携帯端末3のプロセッサ3iに転送する(ステップS711)。そして、携帯端末3のプロセッサ3iは、接続情報を受信すると、電力供給制御部3lに3G送受信機3aの電源をオフにする指示を送信することにより、3G送受信機3aの電源をオフにする(ステップS712)。
また、携帯端末3のプロセッサ3iは、電力供給制御部3lにWifi送受信機3bの電源をオンにする指示を送信し、Wifi送受信機3bに接続情報を転送する(ステップS713)。そして、携帯端末3のWifi送受信機3bは、接続情報に基づいて、通信装置2とWifi通信を接続して、通信装置2を介してインターネット通信を行う(ステップS714)。
そして、通信装置2のプロセッサ2jは、第一の情報生成処理を実行する(ステップS715)。また、携帯端末3のプロセッサ3iは、第二の情報生成処理を実行する(ステップS716)。
このように、通信装置2と携帯端末3とは、通信装置2と携帯端末3間のWifi通信を確立する。そのため、携帯端末3は、通信装置2を介して、インターネット通信を行うことができるようになる。
これにより、携帯端末3は、通信装置2に仮想端末3vを生成させて、従来、携帯端末3が3G網4との通話品質を守るために行っていたハンドオーバを、通信装置2に肩代わりさせる。そのため、携帯端末3は、ハンドオーバを行わなくてよくなり、3G送受信機3aを通信不能に設定して、消費電力量の低減を図ることができる。
さらに、携帯端末3のユーザは、確立させたWifi通信により、通信装置2を中継して、3G網4と通信することができるため、3G送受信機3aを通信不能に設定しても、インターネット通信および通話を行うことができる。
次に、通信装置2のプロセッサ2jによって実行される第一の情報生成処理について説明する。図11は、実施例1に係る第一の情報生成処理の手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、電力量算出部202は、電力量EBUSを算出する(ステップS101)。決定部204は、携帯端末3から送信された搭載情報が、自端末がナビエンジンを搭載していることを示すか否かを判定する(ステップS102)。自端末がナビエンジンを搭載していないことを示す場合(ステップS102否定)には、情報取得部203は、目的地をユーザから取得するための画面を表示する指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3に送信する(ステップS103)。これにより、携帯端末3の表示装置3pには、目的地をユーザから取得する画面が表示される。情報取得部203は、携帯端末3から送信された目的地を受信したか否かを判定する(ステップS104)。目的地を受信していない場合(ステップS104否定)には、情報取得部203は、再び目的地を受信したか否かを判定する。一方、目的地を受信した場合(ステップS104肯定)には、ステップS107へ進む。
自端末がナビエンジンを搭載していることを示す場合(ステップS102肯定)には、決定部204は、電力量Est1を算出する(ステップS105)。決定部204は、電力量EBUSが、電力量Est1以上であるか否かを判定する(ステップS106)。電力量EBUSが、電力量Est1より小さい場合(ステップS106否定)には、決定部204は、電力量Est2を算出する(ステップS107)。決定部204は、電力量EBUSが、電力量Est2以上であるか否かを判定する(ステップS108)。電力量EBUSが、電力量Est2より小さい場合(ステップS108否定)には、決定部204は、携帯端末3でナビ情報を表示させること、すなわちナビ機能を利用することが困難であるため、次のような処理を行う。すなわち、決定部204は、フラグにNULL値を設定し(ステップS109)、ステップS120へ進む。
一方、電力量EBUSが、電力量Est2以上である場合(ステップS108肯定)には、決定部204は、ナビエンジン2fを、携帯端末3の表示装置3pに表示されるナビ情報を生成するナビエンジンとして決定し、フラグに「1」を設定する(ステップS110)。そして、頻度算出部205は、電力量Est3を算出する(ステップS111)。そして、頻度算出部205は、電力量EBUSが、電力量Est3以上であるか否かを判定する(ステップS112)。電力量EBUSが、電力量Est3以上である場合(ステップS112肯定)には、頻度算出部205は、頻度Fを最大値FUpdtとすることで、頻度Fを算出する(ステップS113)。一方、電力量EBUSが、電力量Est3より小さい場合(ステップS112否定)には、頻度算出部205は、上記の式(5)によって、頻度Fを算出する(ステップS114)。
一方、電力量EBUSが所定量Est1以上である場合(ステップS106肯定)には、決定部204は、ナビエンジン3fを、携帯端末3の表示装置3pに表示されるナビ情報を生成するナビエンジンとして決定し、フラグに「0」を設定する(ステップS115)。そして、頻度算出部205は、電力量Est4を算出する(ステップS116)。そして、頻度算出部205は、電力量EBUSが、電力量Est4以上であるか否かを判定する(ステップS117)。電力量EBUSが、電力量Est4以上である場合(ステップS117肯定)には、頻度算出部205は、頻度Fを最大値FUpdtとすることで、頻度Fを算出する(ステップS118)。一方、電力量EBUSが、電力量Est4より小さい場合(ステップS117否定)には、頻度算出部205は、上記の式(7)によって、頻度Fを算出する(ステップS119)。
制御部206は、フラグの値を取得する(ステップS120)。制御部206は、フラグの値が「NULL」であるか否かを判定する(ステップS121)。フラグの値が「NULL」である場合(ステップS121肯定)には、制御部206は、次のような処理を行う。すなわち、制御部206は、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにする指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3へ送信する(ステップS122)。そして、制御部206は、携帯端末3から接続終了依頼を受信したか否かを判定する(ステップS123)。接続終了依頼を受信していない場合(ステップS123否定)には、制御部206は、再び、ステップS123で接続終了依頼を受信したか否かを判定する。一方、接続終了依頼を受信した場合(ステップS123肯定)には、制御部206は、次のような処理を行う。すなわち、制御部206は、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオンにする指示を携帯端末3へ送信し(ステップS124)、処理を終了する。
一方、フラグの値が「NULL」でない場合(ステップS121否定)には、制御部206は、フラグの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS125)。フラグの値が「1」である場合(ステップS125肯定)には、次のような処理を行う。すなわち、制御部206は、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fの電源をオフにする指示をWifi送受信機2bにより携帯端末3へ送信する(ステップS126)。そして、制御部206は、ナビ情報を、頻度算出部205により算出された頻度Fで生成する指示をナビエンジン2fへ送信する(ステップS127)。続いて、制御部206は、ナビエンジン2fで生成されたナビ情報を、頻度Fで表示する指示を携帯端末3に送信する(ステップS128)。そして、制御部206は、携帯端末3から接続終了依頼を受信したか否かを判定する(ステップS129)。接続終了依頼を受信した場合(ステップS129肯定)には、ステップS124へ進む。一方、接続終了依頼を受信していない場合(ステップS129否定)には、制御部206は、時刻Tの値を0に設定し、時刻Tをカウントするタイマーをスタートさせる(ステップS130)。制御部206は、時刻Tが1/F以上であるか否かを判定する(ステップS131)。時刻Tが1/F以上でない場合(ステップS131否定)には、制御部206は、再び、ステップS131で、時刻Tが1/F以上であるか否かを判定する。一方、時刻Tが1/F以上である場合(ステップS131肯定)には、制御部206は、ナビ情報をナビエンジン2fから取得する(ステップS132)。そして、制御部206は、取得したナビ情報を携帯端末3へ送信し(ステップS133)、ステップS130に戻る。
一方、フラグの値が「1」でない場合(ステップS125否定)には、フラグの値が「0」であるため、制御部206は、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオフにする指示を携帯端末3に送信する(ステップS134)。そして、制御部206は、ナビ情報を、頻度算出部205により算出された頻度Fで生成する指示をナビエンジン3fへ指示を送信する(ステップS135)。制御部206は、携帯端末3から接続終了依頼を受信したか否かを判定する(ステップS136)。接続終了依頼を受信した場合(ステップS136肯定)には、制御部206は、次のような処理を行う。すなわち、制御部206は、携帯端末3のGPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eの電源をオンにする指示を携帯端末3へ送信し(ステップS137)、処理を終了する。一方、接続終了依頼を受信していない場合(ステップS136否定)には、制御部206は、時刻Tの値を0に設定し、時刻Tをカウントするタイマーをスタートさせる(ステップS138)。制御部206は、時刻Tが1/F以上であるか否かを判定する(ステップS139)。時刻Tが1/F以上でない場合(ステップS139否定)には、制御部206は、再び、ステップS139で、時刻Tが1/F以上であるか否かを判定する。一方、時刻Tが1/F以上である場合(ステップS139肯定)には、制御部206は、位置情報、地図情報25、交通情報などのナビ情報を生成する際に用いられる情報を取得する(ステップS140)。そして、制御部206は、取得した情報を携帯端末3へ送信し(ステップS141)、ステップS138に戻る。
次に、携帯端末3のプロセッサ3iによって実行される第二の情報生成処理について説明する。図12は、実施例1に係る第二の情報生成処理の手順を示すフローチャートである。第二の情報生成処理が実行されるタイミングとしては、例えば、通信装置2から送信された、上述した指示、ナビ情報、ナビを生成する際に用いられる情報を携帯端末3が受信したタイミングが挙げられる。
図12に示すように、制御部303は、通信装置2から受信した情報が、指示であるか否かを判定する(ステップS201)。指示である場合(ステップS201肯定)には、制御部303は、受信した指示が、目的地をユーザから取得するための画面を表示する指示であるか否かを判定する(ステップS202)。目的地をユーザから取得するための画面を表示する指示である場合には(ステップS202肯定)には、制御部303は、目的地の入力を促す画面を表示する指示を表示制御装置3oに送信する(ステップS203)。制御部303は、ユーザから目的地が入力されたか否かを判定する(ステップS204)。ユーザから目的地が入力されていない場合(ステップS204否定)には、制御部303は、再び、ステップS204で、ユーザから目的地が入力されたか否かを判定する。一方、ユーザから目的地が入力された場合(ステップS204肯定)には、制御部303は、入力された目的地を通信装置2へ送信し(ステップS205)、処理を終了する。
一方、目的地をユーザから取得するための画面を表示する指示でない場合には(ステップS202否定)には、制御部303は、受信した指示が、機器の電源をオフにする指示であるか否かを判定する(ステップS206)。機器の電源をオフにする指示である場合(ステップS206肯定)には、制御部303は、指示に基づいて、機器の電源をオフにし(ステップS207)、処理を終了する。
また、機器の電源をオフにする指示でない場合(ステップS206否定)には、制御部303は、受信した指示が、機器の電源をオンにする指示であるか否かを判定する(ステップS208)。機器の電源をオンにする指示である場合(ステップS208肯定)には、制御部303は、指示に基づいて、機器の電源をオンにし(ステップS209)、処理を終了する。
また、機器の電源をオンにする指示でない場合(ステップS208否定)には、制御部303は、受信した指示が、ナビ情報を頻度Fで生成する指示であるか否かを判定する(ステップS210)。ナビ情報を頻度Fで生成する指示である場合(ステップS210肯定)には、制御部303は、ナビ情報を頻度Fで生成する指示をナビエンジン3fに送信し(ステップS211)、処理を終了する。
また、ナビ情報を頻度Fで生成する指示でない場合(ステップS210否定)には、制御部303は、受信した指示が、ナビ情報を頻度Fで表示する指示であるか否かを判定する(ステップS212)。ナビ情報を頻度Fで表示する指示である場合(ステップS212肯定)には、制御部303は、ナビ情報を頻度Fで表示する指示を表示制御装置3oに送信し(ステップS213)、処理を終了する。また、ナビ情報を頻度Fで表示する指示でない場合(ステップS212否定)にも、処理を終了する。
一方、指示でない場合(ステップS201否定)には、制御部303は、通信装置2から受信した情報が、ナビ情報を生成する際に用いられる情報であるか否かを判定する(ステップS214)。ナビ情報を生成する際に用いられる情報である場合(ステップS214肯定)には、制御部303は、受信した位置情報、地図情報、交通情報などのナビ情報を生成する際に用いられる情報をナビエンジン3fに送信し(ステップS215)、処理を終了する。
また、ナビ情報を生成する際に用いられる情報でない場合(ステップS214否定)には、制御部303は、通信装置2から受信した情報が、ナビ情報であるか否かを判定する(ステップS216)。ナビ情報である場合(ステップS216肯定)には、制御部303は、ナビ情報を表示制御装置3oに送信し(ステップS217)、処理を終了する。また、ナビ情報でない場合(ステップS216否定)も、処理を終了する。
続いて、図13を用いて、通信装置2を中継したインターネット通信の詳細について説明し、図14〜図16を用いて、通信装置2を中継した通話の詳細について説明する。
(携帯端末3によるインターネット通信)
まず、図13を用いて、図10にてステップS714に示した通信装置2とのWifi通信を確立した携帯端末3による通信装置2を介したインターネット通信の詳細について説明する。すなわち、図1にて示した乗車地点92から降車地点93までの間におけるインターネット通信の詳細について説明する。
図13は、携帯端末によるインターネット通信の詳細を示すシーケンス図である。図13では、通信装置2が、3G送受信機2aにより、基地局4aからサーバ5aを送信元とするコンテンツを受信した場合を例に挙げ、通信装置2による携帯端末3へのコンテンツの転送について説明する。また、図13では、携帯端末3による通信装置2を介したサーバ5aを宛先とするコンテンツの基地局4aへの送信について説明する。
すなわち、図13では、携帯端末3のWifi送受信機3bと通信装置2のWifi送受信機2bと3G送受信機2aと基地局4aと3G網4とインターネット5とを経由する携帯端末3とサーバ5aとのインターネット通信について説明する。
図13に示すように、サーバ5aを送信元とするコンテンツを基地局4aから受信した3G送受信機2aは、通信装置2のプロセッサ2jにコンテンツを転送する(ステップS801)。次に、通信装置2のプロセッサ2jは、転送されたコンテンツをルーティングする(ステップS802)。ルーティングの一例としては、第一のテーブル22を参照して、受信したコンテンツの宛先IPアドレスとして、携帯端末3に割り振られたIPアドレスを付与することが挙げられる。
そして、通信装置2のプロセッサ2jは、Wifi送受信機2bにルーティングしたコンテンツを転送する(ステップS803)。コンテンツを受信したWifi送受信機2bは、端末装置3のWifi送受信機3bへコンテンツを送信する(ステップS804)。このようにして、通信装置2は、サーバ5aを送信元とするコンテンツを中継して、携帯端末3へ送信する。
そして、携帯端末3のWifi送受信機3bは、受信したコンテンツを携帯端末3のプロセッサ3iへ転送する(ステップS805)。次に、携帯端末3のプロセッサ3iは、転送されたコンテンツに基づき、表示装置3pの表示内容を更新する指示を表示制御装置3oに送信する(ステップS806)。ここで、携帯端末3のユーザは、更新された表示装置3pの内容に基づいて、サーバ5aを宛先とするコンテンツを送信するように携帯端末3を操作したとする。
そして、携帯端末3のプロセッサ3iは、ユーザからの操作を受けて、コンテンツをWifi送受信機3bに送信する(ステップS807)。コンテンツを受信したWifi送受信機3bは、受信したコンテンツを通信装置2のWifi送受信機2bへ送信する(ステップS808)。このようにして、携帯端末3は、通信装置2へサーバ5aを宛先とするコンテンツを送信する。
そして、通信装置2のWifi送受信機2bは、通信装置2のプロセッサ2jへコンテンツを転送する(ステップS809)。コンテンツを転送された通信装置2のプロセッサ2jは、3G送受信機2aにコンテンツを転送する(ステップS810)。そして、3G送受信機2aは、コンテンツを基地局4aに送信する。これにより、基地局4aに送信されたコンテンツはサーバ5aへと送信される。
このように、通信装置2と携帯端末3とが互いのWifi送受信機2b,3bを経由して接続されている。また、通信装置2は、3G送受信機2aにより基地局4aを介して、サーバ5aと通信できる。そのため、通信装置2は、携帯端末3とサーバ5aとのインターネット通信を中継することができる。これにより、携帯端末3は、3G送受信機3aを通信不能に設定してもインターネット通信を行うことができる。また、携帯端末3は、3G送受信機3aを通信不能に設定して、3G網4へのハンドオーバを行わないようにして消費電力を削減できる。
(通信装置2とWifi通信の接続中の携帯端末3への移動体80外の携帯端末4bからの電話発信)
次に、図14〜図16を用いて、通信装置2とWifi通信の接続中の携帯端末3による通話について説明する。すなわち、図1にて示した乗車地点92から降車地点93までの間における通話の詳細について説明する。具体例を挙げて説明すると、携帯端末3と移動体80外の携帯端末4bとの電話着信通知または電話発信依頼の送受信または通話内容の送受信を、通信装置2に中継させる。
ここで、通信装置2と携帯端末3との間における通話内容は、例えば、VoIP(Voice over Internet Protocol)技術により送受信される。例えば、通話内容の音声データをパケットに変換した上で、通信装置2と携帯端末3とがパケット送受信を行うことで、通話内容が送受信される。これにより、電話着信通知、電話発信依頼、または通話内容を通信装置2に中継させることにより、携帯端末3は、3G送受信機3aを通信不能に設定したまま、携帯端末4bとの通話を行うことができる。
すなわち、図14〜図16では、携帯端末3のWifi送受信機3bと通信装置2のWifi送受信機2bと3G送受信機2aと基地局4aと3G網4とを経由する経路により、携帯端末3と携帯端末4bとが通話を行う。ここで、まず、図14を用いて、通信装置2とWifi通信の接続中の携帯端末3に対して移動体80外の携帯端末4bからの電話発信があった場合について説明する。
図14は、通信装置とWifi通信の接続中の携帯端末への移動体外の携帯端末からの電話発信の詳細を示すシーケンス図である。ここで、携帯端末3の3G送受信機3aは通信不能な状態に設定されている。そのため、移動体80外の携帯端末4bからの携帯端末3への電話発信により、通信装置2内の仮想端末3vが、3G送受信機2aにより移動体80外の携帯端末4bからの電話着信通知を受信することになる。なお、電話着信通知は、電話の発信者番号を有する。
携帯端末4bからの電話着信通知を受信すると、図14に示すように、通信装置2の3G送受信機2aは、電話着信通知を通信装置2のプロセッサ2jに転送する(ステップS901)。次に、通信装置2のプロセッサ2jは、転送された電話着信通知をルーティングする(ステップS902)。
そして、通信装置2のプロセッサ2jは、Wifi送受信機2bにルーティングした電話着信通知を転送する(ステップS903)。電話着信通知を受信したWifi送受信機2bは、端末装置3のWifi送受信機3bへ電話着信通知を送信する(ステップS904)。
そして、携帯端末3のWifi送受信機3bは、受信した電話着信通知を携帯端末3のプロセッサ3iへ転送する(ステップS905)。次に、携帯端末3のプロセッサ3iは、転送された電話着信通知に基づき、表示装置3pの表示内容を更新する指示を表示制御装置3oに送信する(ステップS906)。
そして、携帯端末3のプロセッサ3iは、ユーザからの操作を受けて、通話開始依頼をWifi送受信機3bに送信する(ステップS907)。通話開始依頼を受信したWifi送受信機3bは、受信した通話開始依頼を通信装置2のWifi送受信機2bへ送信する(ステップS908)。
そして、通信装置2のWifi送受信機2bは、通信装置2のプロセッサ2jへ通話開始依頼を転送する(ステップS909)。通話開始依頼を転送された通信装置2のプロセッサ2jは、3G送受信機2aに通話開始依頼を転送する(ステップS910)。そして、携帯端末3と携帯端末4bとは通話を開始することができる。次に、図15を用いて、携帯端末4bとの通話を開始した携帯端末3による通話の詳細について説明する。
図15は、携帯端末との通話を開始した携帯端末による通話の詳細を示すシーケンス図である。図15に示すように、携帯端末3のプロセッサ3iは、Wifi送受信機3bに、通話内容を転送する(ステップS1001)。次に、通話内容を受信した携帯端末3のWifi送受信機3bは、通信装置2のWifi送受信機2bに通話内容を送信する(ステップS1002)。
そして、通話内容を受信したWifi送受信機2bは、通信装置2のプロセッサ2jに通話内容を転送する(ステップS1003)。次に、通信装置2のプロセッサ2jは、3G送受信機2aに通話内容を転送する(ステップS1004)。通話内容を受信した3G送受信機2aは、通話内容を携帯端末4bに送信し、また、携帯端末4bから応答された通話内容をプロセッサ2jに送信する(ステップS1005)。
次に、通信装置2のプロセッサ2jは、受信した通話内容をルーティングする(ステップS1006)。そして、通信装置2のプロセッサ2jは、ルーティングした通話内容をWifi送受信機2bに転送する(ステップS1007)。次に、通信装置2のWifi送受信機2bは、通話内容を携帯端末3のWifi送受信機3bに送信する(ステップS1008)。
そして、通話内容を受信した携帯端末3のWifi送受信機3bは、通話内容をプロセッサ3iに送信する(ステップS1009)。通話内容を受信した携帯端末3のプロセッサ3iは、通話内容をユーザインターフェース3jを用いて発音する(ステップS1010)。そして、この処理を繰り返すことにより、携帯端末3と携帯端末4bとは、通話を行うことができる。
これにより、携帯端末3は、3G送受信機3aを通信不能に設定したまま、通話を行うことができるため、消費電力を削減することができる。次に、図16を用いて、通信装置2とWifi通信の接続中の携帯端末3が、移動体80外の携帯端末4bへ電話発信した場合について説明する。
(通信装置2とWifi通信の接続中の携帯端末3による移動体80外の携帯端末4bへの電話発信)
図16は、通信装置とWifi通信の接続中の携帯端末による移動体外の携帯端末への電話発信の詳細を示すシーケンス図である。ここで、携帯端末3の3G送受信機3aは通信不能な状態に設定されている。そのため、携帯端末3は、3G送受信機3aにより基地局4aを介して携帯端末4bに直接電話発信せずに、通信装置2を介して電話発信することになる。ここでは、携帯端末3のユーザが、移動体80外の携帯端末4bへ電話をかける操作を行った場合を例に挙げる。
図16に示すように、携帯端末3のプロセッサ3iは、Wifi送受信機3bに、電話発信依頼を転送する(ステップS1101)。次に、電話発信依頼を受信した携帯端末3のWifi送受信機3bは、通信装置2のWifi送受信機2bに電話発信依頼を送信する(ステップS1102)。
そして、電話発信依頼を受信したWifi送受信機2bは、通信装置2のプロセッサ2jに電話発信依頼を転送する(ステップS1103)。次に、通信装置2のプロセッサ2jは、3G送受信機2aに電話発信依頼を転送する(ステップS1104)。電話発信依頼を受信した3G送受信機2aは、通話開始通知をプロセッサ2jに送信する(ステップS1105)。
次に、通信装置2のプロセッサ2jは、受信した通話開始通知をルーティングする(ステップS1106)。そして、通信装置2のプロセッサ2jは、ルーティングした通話開始通知をWifi送受信機2bに転送する(ステップS1107)。次に、通信装置2のWifi送受信機2bは、通話開始通知を携帯端末3のWifi送受信機3bに送信する(ステップS1108)。
そして、通話開始通知を受信した携帯端末3のWifi送受信機3bは、通話開始通知をプロセッサ3iに送信する(ステップS1109)。そして、携帯端末3と携帯端末4bとは通話を開始する。具体的には、上述した図15の処理を繰り返すことにより、携帯端末3と携帯端末4bとは、通話を行うことができる。
(通信装置2と携帯端末3とのWifi通信の接続切断)
次に、図17および図18を用いて通信装置2と携帯端末3とのWifi通信の接続切断について説明する。ここでは、図1にて示した降車地点93において、携帯端末3のユーザが移動体80から降りる際に、携帯端末3が通信装置2に接続終了依頼を送信した場合を例に挙げて、Wifi通信の接続切断について説明する。
図17は、通信装置と携帯端末とのWifi通信の接続切断の詳細を示すシーケンス図である。図17に示すように、携帯端末3のRFID送受信機3cは、通信装置2のRFID送受信機2cに接続終了依頼を送信する(ステップS1201)。接続終了依頼は、例えば、通信装置2に基地局情報の送信を要求し、仮想端末3vの削除を要求する依頼である。また、接続終了依頼には、携帯端末3のMACアドレスとSIM番号とが含まれている。
通信装置2のプロセッサ2jは、RFID送受信機2cから転送された接続終了依頼を受信する(ステップS1202)。次に、通信装置2のプロセッサ2jは、Wifi送受信機2bに接続終了依頼のうちMACアドレスを転送する(ステップS1203)。MACアドレスを受信したWifi送受信機2bは、受信したMACアドレスに割り振られているIPアドレスを解除する(ステップS1204)。そして、Wifi送受信機2bは、通信装置2のプロセッサ2jに、第一のテーブル22から受信したMACアドレスに対応するレコードを削除する停止依頼を転送する(ステップS1205)。
通信装置2のプロセッサ2jは、停止依頼を受信すると、第一のテーブル22からMACアドレスに対応するレコードを削除する(ステップS1206)。次に、通信装置2のプロセッサ2jは、3G送受信機2aに接続終了依頼を転送する(ステップS1207)。接続終了依頼を受信した3G送受信機2aは、最適な基地局4aを識別する基地局情報をプロセッサ2jに送信する(ステップS1208)。最適な基地局4aとは、3G網4の複数の基地局4aのうち、3G送受信機2aに受信される電波強度が最も強い基地局4a(最も通信品質がよい基地局4a)である。
そして、通信装置2のプロセッサ2jは、仮想端末3vを削除して、エミュレーションを終了する(ステップS1209)。また、通信装置2のプロセッサ2jは、受信した基地局情報をRFID送受信機2cに送信する(ステップS1210)。次に、通信装置2のRFID送受信機2cは、基地局情報を携帯端末3のRFID送受信機3cに送信する(ステップS1211)。そして、図18のステップS1301へ進む。
図18は、通信装置と携帯端末とのWifi通信の接続切断の詳細を示すシーケンス図である。図18に示すように、基地局情報を受信した携帯端末3のRFID送受信機3cは、基地局情報をプロセッサ3iに送信する(ステップS1301)。そして、携帯端末3のプロセッサ3iは、電力供給制御部3lに3G送受信機3aの電源をオンにする指示を送信し、3G送受信機3aに基地局情報を転送する(ステップS1302)。
次に、携帯端末3の3G送受信機3aは、基地局情報によって特定される最適な基地局4aとの通信を開始する(ステップS1303)。そして、携帯端末3のプロセッサ3iは、電力供給制御部3lにWifi送受信機3bの電源をオフにする指示を送信し、Wifi送受信機3bに接続終了依頼を送信する(ステップS1304)。
これにより、通信装置2は、携帯端末3の依頼に応じて、基地局情報を送信することができる。そのため、携帯端末3は、3G網4内の最適な基地局4aへ接続することができる。また、通信装置2は、携帯端末3に対応する仮想端末3vを削除して、携帯端末3との混信を防止できる。
(通話品質を向上させる場合の携帯端末3による通話)
次に、図19〜22を用いて、通話品質を向上させる場合の携帯端末3による通話について説明する。ここでは、通話品質を向上させるために、通信装置2とのWifi通信の接続を切断して、携帯端末3は自身の3G送受信機3aにより移動体80外の携帯端末4bとの通話を行う。すなわち、携帯端末3の3G送受信機3aと基地局4aと3G網4とを経由する経路により、携帯端末3と携帯端末4bとが通話を行う。
まず、図19および図20を用いて、通信装置2とWifi通信の接続中の携帯端末3に対して移動体80外の携帯端末4bからの電話発信があった場合の携帯端末3の通話について説明する。
(通話品質を向上させる場合の携帯端末3への移動体80外の携帯端末4bからの電話発信の具体例)
図19は、通話品質を向上させる場合の携帯端末への移動体外の携帯端末からの電話発信の具体例を示す説明図である。図19では、通信装置2と携帯端末3とのWifi通信が確立され、通信装置2で仮想端末3vが生成された状態である。
移動体80外の携帯端末4bから、携帯端末3への電話着信通知が発信された場合、まず、(1)移動体80外の携帯端末4bから基地局4aへ電話着信通知が送信される。電話着信通知は、3G網4を経由して、移動体80の周辺の基地局4aから送信される。この際、携帯端末3の3G送受信機3aは通信不能な状態に設定されているため、(2)通信装置2内の仮想端末3vに電話着信通知が送信されることになる。
通信装置2は、電話着信通知を受信すると、(3)携帯端末3に基地局情報を送信し、(4)仮想端末3vを削除する。そして、通信装置2と携帯端末3とのWifi通信の接続を切断する。これにより、携帯端末3は自ら3G網4へ接続して通話することが可能となり、また、仮想端末3vとの混信を防止できる。
基地局情報を受信した携帯端末3は、3G送受信機3aを通信可能な状態に設定して、自ら3G網4へ接続して、(5)基地局4aから電話着信通知を受信し、通話を開始する。このように、携帯端末3は、電話の着信を受けることができる。その後、携帯端末3は、自ら3G網4へ接続して通話を行う。これにより、携帯端末3は、自身の3G送受信機3aにより、基地局4aを介して3G網4へ接続し、携帯端末4bとの通話品質のよい通話を行うことができる。
なお、通話終了後、携帯端末3が通信装置2に仮想端末3vの生成を依頼するようにし、携帯端末3の3G送受信機3aを通信不能な状態に再設定するようにしてもよい。これにより、再度通信装置2が3G網4へのハンドオーバを携帯端末3の代わりに行うようになり、携帯端末3の消費電力を削減できる。
(通話品質を向上させる場合の携帯端末3への移動体80外の携帯端末4bからの電話発信の詳細)
図20は、図19において示した通話品質を向上させる場合の携帯端末への移動体外の携帯端末からの電話発信の詳細を示すシーケンス図である。ここで、携帯端末3の3G送受信機3aは通信不能な状態に設定されている。そのため、移動体80外の携帯端末4bからの携帯端末3への電話発信により、通信装置2内の仮想端末3vが、3G送受信機2aにより移動体80外の携帯端末4bからの電話着信通知を受信することになる。なお、電話着信通知は、電話の発信者番号を有する。
携帯端末4bからの電話着信通知を受信すると、図20に示すように、通信装置2の3G送受信機2aは、電話着信通知と最適な基地局4aの基地局情報を通信装置2のプロセッサ2jに転送する(ステップS1501)。
次に、通信装置2のプロセッサ2jは、3G送受信機2aに接続終了依頼を転送する(ステップS1502)。そして、電話着信通知と基地局情報とをWifi送受信機2bに転送する(ステップS1503)。
次に、通信装置2のプロセッサ2jは、仮想端末3vを削除して、携帯端末3のエミュレーションを終了する(ステップS1504)。そして、転送された電話着信通知と基地局情報とを受信したWifi送受信機2bは、携帯端末3のWifi送受信機3bに電話着信通知と基地局情報を送信する(ステップS1505)。
次に、電話着信通知と基地局情報を受信した携帯端末3のWifi送受信機3bは、携帯端末3のプロセッサ3iに電話着信通知と基地局情報を転送する(ステップS1506)。そして、携帯端末3のプロセッサ3iは、電力供給制御部3lに3G送受信機3aの電源をオンにする指示を送信し、転送された電話着信通知と基地局情報とを、3G送受信機3aに転送し(ステップS1507)、3G送受信機3aを有効化する。
次に、3G送受信機3aは、基地局情報によって特定される最適な基地局4aとの通信を開始する(ステップS1508)。そして、3G網4から直接電話着信通知を受信して、通話を開始する(ステップS1509)。これにより、携帯端末3は、自身の3G送受信機3aにより、基地局4aを介して3G網4へ接続し、携帯端末4bとの通話品質のよい通話を行うことができる。なお、Wifi通信の接続自体は継続し、インターネット接続にのみ使用するようにしてもよい。
次に、図21および図22を用いて、通信装置2とWifi通信の接続中の携帯端末3が移動体80外の携帯端末4bへ電話発信する場合の携帯端末3の通話について説明する。
(通話品質を向上させる場合の携帯端末3による移動体80外の携帯端末4bへの電話発信の具体例)
図21は、通話品質を向上させる場合の携帯端末による移動体外の携帯端末への電話発信の具体例を示す説明図である。図21では、通信装置2と携帯端末3とのWifi通信が確立され、通信装置2で仮想端末3vが生成された状態である。
ここで、携帯端末3のユーザが、移動体80外の携帯端末4bへ電話をかける操作を行ったとする。ユーザからの操作により、移動体80外の携帯端末4bへ、携帯端末3から電話発信依頼を発信する場合、まず、(1)携帯端末3は、通信装置2へ仮想端末3vの停止依頼を送信する。
停止依頼を受信した通信装置2は、(2)基地局情報を携帯端末3へ送信し、(3)仮想端末3vを削除する。そして、通信装置2と携帯端末3とのWifi通信の接続を切断する。これにより、携帯端末3は自ら3G網4へ接続して通話することが可能となり、また、仮想端末3vとの混信を防止できる。
基地局情報を受信した携帯端末3は、3G送受信機3aを通信可能な状態に設定して、自ら3G網4へ接続して、(4)基地局4aへ電話発信依頼を送信し、(5)電話発信依頼は3G網4を経由して移動体80外の携帯端末4bへ送信される。このように、携帯端末3は、電話の発信をすることができる。その後、携帯端末3は、自ら3G網4へ接続して通話する。これにより、携帯端末3は、自身の3G送受信機3aにより、基地局4aを介して3G網4へ接続し、携帯端末4bとの通話品質のよい通話を行うことができる。
なお、通話終了後、携帯端末3が通信装置2に仮想端末3vの生成を依頼するようにし、携帯端末3の3G送受信機3aを通信不能な状態に再設定するようにしてもよい。これにより、再度通信装置2が3G網4へのハンドオーバを携帯端末3の代わりに行うようになり、携帯端末3の消費電力を削減できる。
(通話品質を向上させる場合の携帯端末3による移動体80外の携帯端末4bへの電話発信の詳細)
図22は、図21において示した通話品質を向上させる場合の携帯端末による移動体外の携帯端末への電話発信の詳細を示すシーケンス図である。ここでは、携帯端末3のユーザが、移動体80外の携帯端末4bへ電話をかける操作を行ったとする。
ユーザからの操作により、図22に示すように、携帯端末3のプロセッサ3iは、Wifi送受信機3bに、電話発信依頼を転送する(ステップS1701)。次に、電話発信依頼を受信した携帯端末3のWifi送受信機3bは、通信装置2のWifi送受信機2bに電話発信依頼を送信する(ステップS1702)。電話発信依頼は、例えば、通信装置2に基地局情報の送信を要求し、仮想端末3vの削除を要求する依頼である。
そして、電話発信依頼を受信したWifi送受信機2bは、通信装置2のプロセッサ2jに電話発信依頼を転送する(ステップS1703)。次に、通信装置2のプロセッサ2jは、3G送受信機2aに接続終了依頼を転送する(ステップS1704)。接続終了依頼を受信した3G送受信機2aは、最適な基地局4aを識別する基地局情報をプロセッサ2jに送信する(ステップS1705)。
そして、通信装置2のプロセッサ2jは、受信した基地局情報をWifi送受信機2bに送信する(ステップS1706)。また、通信装置2のプロセッサ2jは、仮想端末3vを削除して、エミュレーションを終了する(ステップS1707)。次に、通信装置2のWifi送受信機2bは、基地局情報を携帯端末3のWifi送受信機3bに送信する(ステップS1708)。
次に、基地局情報を受信した携帯端末3のWifi送受信機3bは、基地局情報をプロセッサ3iに送信する(ステップS1709)。そして、携帯端末3のプロセッサ3iは、電力供給制御部3lに3G送受信機3aの電源をオンにする指示を送信し、3G送受信機3aに基地局情報を転送する(ステップS1710)。
次に、携帯端末3の3G送受信機3aは、基地局情報によって特定される最適な基地局4aとの通信を開始する(ステップS1711)。そして、3G網4に直接電話発信依頼を送信して、通話を開始する(ステップS1712)。これにより、携帯端末3は、自身の3G送受信機3aにより、基地局4aを介して3G網4へ接続し、携帯端末4bとの通話品質のよい通話を行うことができる。なお、Wifi通信の接続自体は継続し、インターネット接続にのみ使用するようにしてもよい。
上述してきたように、本実施例に係る通信装置2は、自装置と異なる他の装置のWifi送受信機3bと通信を行うWifi送受信機2bを有する。また、通信装置2は、Wifi送受信機3bとWifi送受信機2bとが通信可能な状態における携帯端末3の使用可能な電力量EBUSを算出する。また、通信装置2は、EBUSが所定量より小さい場合には、ナビエンジン2fを携帯端末3で出力されるナビ情報を生成する生成部として決定する。また、通信装置2は、ナビエンジン2fを決定した場合には、ナビエンジン3fへの電力の供給を停止し、ナビエンジン2fで生成されたナビ情報を出力するように携帯端末3を制御する。したがって、通信装置2によれば、消費電力を削減することができる。
また、通信装置2は、ナビエンジンが搭載されていない携帯端末に対しては、ナビエンジン2fを、携帯端末3で出力されるナビ情報を生成する生成部として決定する。したがって、通信装置2によれば、ナビエンジンが搭載されていない携帯端末であっても、ナビ機能を利用可能にさせることができる。
また、通信装置2は、携帯端末3での消費電力量が、バッテリ3mの使用可能な電力量を超えない範囲で、できる限り高い範囲の頻度Fを算出する。すなわち、通信装置2は、消費電力量が使用可能な電力量を超えない範囲で、品質の高いナビ機能を実現することができる頻度Fを算出する。したがって、通信装置2によれば、バッテリ3mの状態に応じて、適切な精度のナビ機能を実現することができる。
また、本実施例に係る携帯端末3は、自端末の使用可能な電力量EBUSが所定量より小さい場合に、自端末とWifi通信可能な通信装置2で生成されたナビ情報を取得する。また、携帯端末3は、自端末の使用可能な電力量EBUSが所定量より小さい場合に、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3e、ナビエンジン3fへの電力の供給を停止する。また、携帯端末3は、自端末の使用可能な電力量EBUSが所定量以上である場合に、自端末とWifi通信可能な通信装置2から、ナビ情報を生成する際に用いられる情報を取得し、取得した情報に基づいてナビ情報を生成するようにナビエンジン3fを制御する。これに加えて、携帯端末3は、自端末の使用可能な電力量EBUSが所定量以上である場合に、GPS信号受信機3d、GPS信号処理エンジン3eへの電力の供給を停止する。したがって、携帯端末3によれば、消費電力を削減することができる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
例えば、降車地点93において、移動体80から降車した場合に、携帯端末3が、通信装置2のGPS信号処理エンジン2eで生成された位置情報を取得し、取得した位置情報を用いてナビ情報を生成して、ナビ機能を再開するようにしてもよい。これにより、GPS信号処理エンジン3eなどでの初期化で消費される電力量が削減される。
また、携帯端末3で出力されるナビ情報を生成するナビエンジンとして、携帯端末3のナビエンジン3fが決定された場合であっても、所定時間以上、ナビエンジン3fが使用されない場合には、次のようにしてもよい。すなわち、携帯端末3で出力されるナビ情報を生成するナビエンジンを、通信装置2のナビエンジン2fに変更してもよい。これにより、携帯端末3のナビ機能の使用状況に合わせて、消費される電力量を削減することができる。
また、携帯端末3で出力されるナビ情報を生成するナビエンジンとして、ナビエンジン2fが決定された場合であっても、ユーザの指示に応じて、携帯端末3で出力されるナビ情報を生成するナビエンジンを、ナビエンジン3fに変更することもできる。これにより、携帯端末3のナビ機能の精度が通信装置2のナビ機能の精度より高い場合には、ナビ機能の精度を高くすることができ、ひいては、サービスの品質が良好となる。
交通状況の変化などにより、時間TBUSが更新されて新たな値になった場合には、システム1は、上記で算出したEBUS、Est1、Est2、Est3、Est4、Fなどの各値を更新して、更新後の値を用いて、ナビ情報の生成の制御を行うことができる。これにより、交通状況などに応じて、ナビ情報の生成の制御を行うことができる。
また、実施例1において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。また、本実施例において説明した各処理のうち、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、各種の負荷や使用状況などに応じて、各実施例において説明した各処理の各ステップでの処理を任意に細かくわけたり、あるいはまとめたりすることができる。また、ステップを省略することもできる。
また、各種の負荷や使用状況などに応じて、各実施例において説明した各処理の各ステップでの処理の順番を変更できる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、情報取得部302と、制御部303とを統合し、制御部とすることができる。