JP5802553B2 - ペプチジルジアシルグリセリド - Google Patents

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    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators

Description

関連出願の相互参照
この出願は、2008年4月24日に出願され、名称を「ペプチジルジアシルグリセリド」とする米国仮出願第61/047,464号を基礎とする優先権を主張し、それは、出典明示して本明細書に組み込まれる。
特許に係る政府の権利:
適用なし。
共同研究契約書に関わる当事者
適用なし。
コンパクトディスクで提出した資料の出典明示による組込み
適用なし。
ジアシルグリセロールの生物学的役割は文献に十分に記載されている。例えば、ジアシルグリセロールは、トリグリセリドとして脂質の輸送に関与すること、およびアポリポタンパク質のごとき可溶性タンパク質と共同して、コレステロールの輸送体であることがよく知られている。ジアシルグリセロールは、細胞内シグナリング機能を有することも知られている。細胞内膜結合イノシトール−4,5−二リン酸ホスファチジルは酵素ホスホリパーゼCの作用で切断されて2つの細胞内メッセンジャー分子、三リン酸イノシトールおよび膜結合ジアシルグリセロール(特に、1−ステアロイル−2−アラキドノイルグリセロール)を放出する。ジアシルグリセロールは、転写因子NFκBを活性化して、種々のサイトカインおよびケモカインの遺伝子発現をアップレギュレートするプロテインキナーゼCを活性化する。ペプチジル−2,3−ジアシルグリセリド、すなわちPDAGは、免疫機能に関連している。より詳しくは、PDAGは免疫反応を刺激する役割を持っている。米国特許出願11/459,772(米国特許公開番号2007/0197436)および、本発明の背景を明らかにし、または、生物学的メカニズムに関するさらなる詳細を提供するためにここで用いられる他の刊行物は、出典明示して本明細書に組み込まれる。
米国特許出願11/459,772(米国特許公開番号2007/0197436)
ここに記載される本発明の具体例は、免疫反応を刺激するであろう化合物を含み、約5から約25個のアミノ酸が脂質に共有結合した免疫反応性ペプチドを含む。いくつかの具体例において、脂質は一般式(I):
Figure 0005802553
(式中、X、XおよびXは、水素、C〜C25脂肪酸およびペプチドから選択され、X、XおよびXのうち少なくとも一つがペプチドである。)で示されるグリセリドである。これらの具体例の脂肪酸は飽和、不飽和またはポリ不飽和脂肪酸であり、ペプチドは、そのペプチドのC末端でエステル結合によって脂質と共有結合していてよい。
特定の具体例において、免疫反応性ペプチドは、XLYDKGYTSKEQKDCVGIXもしくはXLYDKGYTPKEQKDCVGIX(式中、Xは不存在、または、天然産生アミノ酸もしくはその模倣体(mimetics)、誘導アミノ酸もしくは非アミノ酸補欠分子族である。)で表されるアミノ酸配列または、それらの逆位体(inversion)もしくは模倣体(mimetics)のものである。
本発明の具体例の化合物は、医薬上許容される賦形剤をさらに含むことができ、有効量の化合物に一致する単位剤形で提供することができ、これらの具体例は医薬組成物と考えることができる。
本発明のさらなる具体例は、脂質に共有結合した約5〜約25個のアミノ酸を有するペプチドで構成された有効量の剤を、それを必要とする対象に投与し、ついで、免疫反応を刺激することを含むであろう方法を含む。本発明の具体例のペプチドは、XLYDKGYTSKEQKDCVGIXもしくはXLYDKGYTPKEQKDCVGIX(式中、Xは不存在、または、天然産生アミノ酸もしくはその模倣体、誘導アミノ酸もしくは非アミノ酸補欠分子族である。)で表されるアミノ酸配列または、それらの逆位体もしくは模倣体のペプチドまたはペプチド断片を含む。
本発明の具体例の剤は、一般式(I):
Figure 0005802553
(式中、X、XおよびXは、水素、C〜C25脂肪酸およびペプチドから選択され、X、XおよびXのうち少なくとも一つがペプチドである。)で示されるグリセリドを含むことができる。具体例の脂肪酸は飽和、不飽和またはポリ不飽和脂肪酸であってよい。ペプチドは、そのペプチドのC末端でエステル結合によって脂質と共有結合していてよい。剤を投与して自然免疫反応を刺激することができ、限定されないが、γδT細胞、単球、NK細胞、好中球、CD5+B細胞およびそれらの組合せを含む組織在住免疫細胞を刺激することができる。いくつかの具体例において、組織在住免疫細胞は、そのペプチドに接触したときに、刺激される。
本発明の具体例の剤は、式(I)のグリセリドを含むことができ、その剤を投与して自然免疫反応を刺激することができる。限定されないが、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、ヘパトサイトおよびそれらの組合せを含む非免疫細胞を刺激することができる。いくつかの具体例において、組織細胞は、そのペプチドに接触したときに、刺激される。
本発明の特定の具体例において、刺激された免疫反応は、当該剤の投与後少なくとも1から3日間免疫反応を刺激することを含み、特定の他の具体例において、免疫反応を一週間以上刺激することができる。
本発明のなお他の具体例において、剤は対象の脂肪細胞に沈着させることができ、剤は、経腸、非経口および局所デリバリー、乳腺注入、ならびにそれらの組合せを含むいずれの方法によっても投与することができる。非経口投与は、限定されないが、関節内、滑膜内、髄腔内、動脈内、静脈内、筋肉内、皮下およびそれらの組合せを含むことができる。経腸投与は、限定されないが、口腔内、経口、経直腸およびそれらの組合せを含むことができ、局所投与は、限定されないが、経鼻、呼吸器内、皮膚上、経皮デリバリーおよびそれらの組合せを含むことができる。
本発明のいくつかの具体例において、剤は、疾患形成剤(a disease forming agent)に暴露する前に投与することができ、これらの具体例において、疾患の発症または進行を実質的に防止することができる。他の具体例において、剤は疾患の前に投与することができる。剤は、疾患形成剤に暴露した後にデリバリーすることができ、これらの具体例において、疾患の進行を実質的に抑止することができる。なおさらなる具体例において、剤は疾患の発症後に対象にデリバリーして、その疾患の重篤度を軽減し、または、その疾患の経過を逆転させることができる。
本発明の具体例のさらなる方法は、上記した本発明の剤および組成物を用いて、感染を治療する方法、免疫反応を刺激する方法、疾患を予防する方法、感染を予防する方法および、疾患を治療し、かつ、二次感染を予防する方法のごときこれらの組み合わせを含む。
本発明の具体例は、さらに、本発明の化合物に指向された抗体ならびに、本発明の具体例の抗体を投与することによって、限定されないが、全身性炎症、慢性炎症性疾患および、敗血症、非敗血症傷害、外傷、外科手術またはそれらの組合せによる炎症のごとき炎症を治療する方法を含む。本発明の具体例の抗体は、限定されないが、腸内、非経口および局所デリバリーを含む当該分野で知られているいずれかの方法によって対象に投与することができる。
本発明の具体例の抗体は、限定されないが、タンパク質のごとき蛍光マーカーまたはプローブを作製する量子ドットのごとき選択可能マーカーに連結することもでき、そのようなプローブを用いる方法は、生物学的、細胞または組織試料および当該ペプチドと相互作用する細胞またはタンパク質のごとき、試料中のペプチドを検出し同定する。
本発明の本質および利点をより十分に理解するため、以下の詳細な説明を付随する図面と合わせて参照すべきである。
PDAG(図1A)および本発明の精製1−ペプチジル−2,3−ジアシルグリセリド(図1B)を含む血清フラクションの代表的なHPLCクロマトグラムを示す。
カプリン誘導PDAG由来のフラグメントのESI質量スペクトル(図2A)および本発明のアミノ酸配列を確認する多価イオン種(m/z 845.45)のMS/MS質量スペクトル(図2B)を示す。
ジヒドロキシ安息香酸マトリクスにおける精製PDAGのPSD MALDI−TOF質量スペクトルを示す。
図4は、穏和な酸加水分解後のPDAG加水分解生成物のPSD MALDI−TOF質量スペクトルを示し、表は、本発明のPDAG分子全体を説明する重要なペプチドフラグメントに対する主要なイオン帰属を示す。
図5は、IL−6mRNAおよびPDAGとともにインキュベートされた線維芽細胞におけるIL−6タンパク質発現の刺激を示す。
図6は、PDAGが線維芽細胞においてNALP3mRNA発現を刺激するが、NFκBではしないことを示す。
図7は、PDAGおよびPDAGペプチド(25ng/mlおよび50ng/ml)の双方とも感染した単球から肺炎菌(Chlamydia pneumoniae)のクリアランス(clearance)を誘発することを示す。
図8は、PDAGがHepDES 19細胞においてB型肝炎ウイルス複製を抑制することを示す。
図9は、PDAGが、熱殺菌した結核菌(M. tuberculosis)(FCA)を接種したウサギにおける抗原特異的IgM産生の2倍増加を誘発することを示す。
図10は、PDAG投与が致死量のサルモネラ菌(Salmonella typhimurium)で感染したマウスにおける疾患の進行を著しく遅延させることを示す。
ここでおよび付随する特許請求の範囲で用いられるとき、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈中に明確に断りがない限り、複数の参照を含むことに留意すべきである。かくして、例えば、「細胞」との言及は、1以上の細胞または当業者に知られているその等価物である。断りがない限り、ここで用いられるすべての技術的および科学的用語は、当業者が普通に理解するものと同一の意味を有する。ここに記載されるものと同一または等価ないずれの方法および物質を本発明の具体例の実施または試験に用いることができるが、好ましい方法、装置および物質をこれから記載する。ここで言われる全ての刊行物は出典明示して本明細書に組み込まれる。ここでのものはいずれも、本発明が先行発明による開示に先駆けたものではないことを認めると解釈されるべきではない。
「アジュバント」は、抗原の免疫刺激特性すなわち薬物の医薬生理効果を促進するいずれかの物質をいう。
ここで用いられるとき、用語「約」は、使用されている数字のプラスマイナス10%の数値を意味する。したがって、約50%とは、45%〜55%を意味する。
用語「模倣体(mimetic)」、「ペプチド模倣体(peptide mimetic)」および「ペプチド模倣体(peptidomimetic)」は、ここでは、交換可能に用いられ、概略、選択された天然ペプチドまたはタンパク機能性ドメイン(例えば、結合モチーフまたは活性サイト)の三次結合構造または活性を模倣するタンパク質、部分的ペプチドまたは非ペプチド分子をいう。これらのペプチド模倣体は、さらに下記するように、組替えまたは化学的修飾ペプチド、ならびに、小分子薬物模倣体のごとき非ペプチド剤を含む。
ここで用いられるとき、用語「医薬上許容される塩、エステル、アミド、およびプロドラッグ」は、堅実な医学的判断の範囲において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなく患者の組織と接触する使用に適切であり、合理的な利益/危険比率を釣り合わせ、それらの意図する使用につき有効な発明の化合物のカルボン酸塩、アミノ酸付加塩、エステル、アミド、およびプロドラッグ、ならびに、可能であれば、本発明の化合物の双性イオン形態をいう。
ここで用いられるとき、用語「生理学的に耐えうる」およびそれらの文法的変形は、それらが組成物、担体、希釈物および試薬をいうとき、交換可能に用いられ、吐き気、めまい、紅斑、または胃の不調のごとき望ましくない生理学的影響の最小限の発生があろうとなかろうとそれらの材料をほ乳類に投与できることを示している。好ましい具体例において、治療上の目的で人間の患者またはその他の動物に投与するとき、その治療用組成物は抗原性ではない。
「与える」とは、標的組織の内もしくは上に直接治療薬を投与するための、または、患者に治療薬を投与するための治療手段と併せて用いられるとき、これによって、治療上陽性効果を標的とされる組織に与えることをいう。
ここで用いられるとき、「対象」または「患者」は、限定されないが、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、サル、ウサギ、ラット、マウス等を含む動物またはほ乳類をいう。
本発明の目的についての「疾患」とは、例えば、ウイルス粒子、細菌性病原体などのごときいずれかの感染因子をいう。「罹患した対象」を参照して用いるとき、「罹患した」とは、感染因子に感染したいずれかのヒトまたは動物対象をいう。「罹患した対象」は、例えば、公知の症状のごとき、感染の兆候を示すかもしれないし、示さないかも知れない。
ここで用いられるとき、「試料」は、本発明の方法によって試験し得る生体試料を含み、限定されないが、血清、血漿、全血、脳髄液、リンパ液、種々の外分泌(尿、呼吸器、腸または尿路性器の分泌物、涙等)などのごとき体液を含む。
ここで用いられるとき、用語「治療薬」とは、患者の望まない状態または疾患を治療し、闘い、軽減し、予防し、または、改善するために使用する剤を意味する。本発明の具体例は、自然免疫反応または炎症反応の調節を刺激することを対象とする。
用語「治療上有効な」または「有効な」は、ここで用いられるとき、交換可能に用いることができ、本発明の具体例の治療組成物、例えば、1以上のペプチジルジアシルグリセリドまたはそれらの模倣体の一定量をいう。例えば、1−ペプチジル−2,3−ジアシルグリセリドまたはそれらの模倣体を含む、治療上有効量の組成物は所望する硬化を達成する、すなわち、その組成物が投与された動物において自然免疫反応を有効に刺激するように計算された所定量である。
用語「単位用量」は、本発明の治療組成物を参照して用いられるとき、対象に対するユニタリー投与量として適当な物理的に分離した単位をいい、各単位は、必要な希釈剤、すなわち、賦形剤、担体または媒体と共に、所望の治療効果を発揮するように計算された所定量の有効物質を含有する。
本発明のひとつの具体例は、1−ペプチジル−2,3−ジアシルグリセリドすなわちPDAGに向けられる。本発明の他の具体例は、PDAGを含有する組成物、PDAGの一部を含有する組成物、PDAGペプチドの類似体(analogues)を含有する組成物およびPDAGのペプチド模倣体を含有する組成物を含む。
本発明の具体例において、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体を対象に与えることができ、限定されないが、免疫反応を誘発するごとき、治療効果を刺激することができ、特定の具体例において、免疫反応は、そのように与えられた対象において自然免疫反応であり得る。PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体は、本発明の他の具体例において、疾患の治療中の対象、健康な対象または健康であって、疾患、疾患形成粒子もしくは罹患したヒトおよび/または動物にさらされているかもしれない対象に投与することができる。PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体、ならびに、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体が健康な対象に与えられる本発明の具体例において、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体は対象の免疫系の予防的活性化、および特定の具体例において、自然免疫の予備活性化を促進することができる。
理論に拘泥するつもりはないが、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体は、本発明の具体例において、対象に投与されるとき、その対象の組織常在性免疫細胞を活性化することができる。いくつかの具体例において、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体は免疫反応を開始することができ、他の具体例において、免疫反応は自然免疫反応であり得る。
本発明の具体例は、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体ならびに、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体を含有する治療薬を、限定されないが、非経口、経腸または局所投与のごとき、投与する方法も含む。
本発明の他の具体例は、PDAGに対する特異性を持つ抗体、および、対象中でPDAGの全身または局所濃縮を激減することにおいてそのような抗体を使用する方法を含む。特定の具体例において、PDAGに特異的な抗体を与えられた対象は、限定されないが、全身性炎症、慢性炎症性疾患、動脈硬化性疾患、リウマチ性疾患、自己免疫性疾患等のごとき免疫性疾患の症状を示すであろう。
本発明のさらに他の具体例は、蛍光標識されたPDAG、PDAGの類似体、およびPDAGに対して特異性を持つ蛍光標識された抗体または抗体フラグメント、ならびに、そのような蛍光標識されたPDAG、PDAGの類似体および抗体を作製する方法を含む。蛍光標識されたPDAG、PDAGの類似体および抗体は、本発明の具体例において、イン・ビトロおよびイン・ビボの双方で免疫系の様相および免疫学を評価するための診断ツールとして用いることができ、いくつかの具体例において、対象は、限定されないが、慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、動脈硬化性疾患、糖尿病などに一致する症状を示す対象を含むであろう。
本発明の様々な具体例に記載されるPDAGは脂質部分に共有結合された少なくともひとつのペプチド部分を有するペプチジルジアシルグリセリドを含み、一般式1−ペプチジル−2,3−ジアシルグリセリドで表される。ある具体例において、脂質部分は1−ステアロイル−2−アラキドノイルグリセロールである。
本発明の具体例に記載されるPDAGは、一般式(I):
Figure 0005802553
(式中、X、XおよびXは、水素、ペプチド、ペプチド模倣体もしくはペプチド類似体または、約1から約20個の炭素原子を有する飽和、不飽和もしくはポリ不飽和脂肪酸である。)で示されるものであろう。本発明のいくつかの具体例において、X、XおよびXのうち少なくとも一つはペプチド、ペプチド模倣体またはペプチド類似体であって、それ以外では、X、XおよびXのうち1を超えるものがペプチド、ペプチド模倣体、ペプチド類似体である。
本発明のペプチド部分は、約5から約25個のアミノ酸から構成され、1以上の天然産出、非天然産出および化学的修飾アミノ酸を含むことができる。これらのペプチド部分は約1000から約3000amuの重さであり得る。本発明で包含されるペプチドまたはその模倣体は、免疫を活性化する所望の効果を与えるいずれかのアミノ酸配列を含み得る。ペプチド部分は脂質部分に結合される前に作製および/または単離することができ、例えば、ヒト、動物、細菌源等のごとき天然起源から合成および単離することができ、または、当該分野で知られているいずれかの方法で合成することができる。そのように合成され単離されたペプチド、ペプチド模倣体およびペプチド類似体は、例えば、ろ過、クロマトグラフィー等のごとき当業者に知られた方法によって精製または濃縮することができる。ペプチド部分はペプチドのカルボキシ末端のカルボン酸にてエステル化によって脂質部分に供給的に結合することができ、いくつかの具体例において、ペプチド部分はペプチドのカルボキシ末端のカルボン酸にてホスホエステルを介して脂質部分に結合することができる。
PDAGのペプチド部分の配列は、具体例に応じて変化するであろう。例えば、ひとつの具体例において、ペプチド配列はXLYDKGYTSKEQKDCVGIXもしくはXLYDKGYTPKDCVGIXまたは、それらの合成等価物、ペプチド類似体もしくはペプチド模倣体である。そのような具体例において、Xは不存在、または、いずれかの天然産生アミノ酸もしくはその模倣体、誘導アミノ酸もしくは非アミノ酸補欠分子族であり、特定の具体例において、N−末端のほとんどのアミノ酸はN−アセチルアラニン(acA)である。理論に拘泥するつもりはないが、ここで提示したペプチド配列は、より大きな分類のペプチドの代表であり、それらは、単独でまたは、例えば、PDAGのような脂質部分と組み合わせて投与したとき、ほ乳類、特に、ヒトにおける免疫反応を誘発する。かくして、実質的に、そのような機能を行ういずれの起源から単離されたいずれのペプチドも、本発明の具体例に包含され、例えば、限定されないが、動物、ほ乳類、ヒト、霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、トリ、は虫類、昆虫、微生物、細菌などの起源から単離されたPDAGと関連するペプチドを含む。
脂質部分と共有結合してPDAGを構成するペプチド、ペプチド模倣体またはペプチド類似体を考慮することができ、以下、「PDAG脂質ペプチド」という。
例えば、PDAGは、以下のようにして合成することができる。PDAGペプチドまたはPDAGペプチド模倣体は、例えば、延長したHBTU/HOBtカップリングサイクルおよび予備充填したWang樹脂を用いるFMOC合成プロトコルのごとき固相合成法を用いて、作製することができる。合成後、ペプチド側鎖保護基を除去し、ペプチドをリエージェントK(Reagent-K)で樹脂から切り離すことができる。ペプチドは、ついで、例えば、ジエチルエーテル抽出および凍結乾燥を用いて合成バッファーから抽出することができる。逆相C−18精製を用いて、得られた粗製ペプチドをさらに精製することができ、MALDI−TOFキャラクタリゼーションでアミノ酸配列を確認することができる。
PDAGペプチドまたはペプチド模倣体は、ツーステッププロセスを用いてPDAGの脂質部分に共有結合することができ、まず、PDAGペプチドを脱保護ステップなしで上記のように合成する。C末端カルボン酸を、ついで、例えば、ジシクロヘキシルカルビミド(dicyclohexylcarbimide)で活性化し、ペプチドをジアシルグリセリドおよび、ジメチルアミノピリジン(DMAP)のごとき触媒剤の存在下でインキュベートすることができる。エステル化はインキュベーションステップ中に起こり、ペプチジルジアシルグリセリドを形成する。ペプチド側鎖保護基は、ついで、リエージェントKで除去することができ、ペプチジルジアシルグリセリド生成物をクロマトグラフィーで単離精製することができる。ついで、MLADI−TOFまたはESI−MSキャラクタリゼーションを用いて、精製物の構造を確認することができる。
本発明の具体例のPDAGのペプチド部分は、例えば、20の遺伝学的にコードされるアミノ酸(すなわち、Dアミノ酸)の天然産出側鎖の1以上を、非天然産出アミノ酸と、非天然産出側鎖の例は、限定されないが、アルキル、低級アルキル、4−、5−、6−、から7員のアルカリル、アミド、アミド低級アルキル、アミドジ(低級アルキル)、低級アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシおよびそれらの低級エステル誘導体、および、4−、5−、6−、から7員のヘテロ環と置換するなどによって改変して、ペプチド模倣体を生成することができる。例えば、プロリン残基の環サイズを5員環から4、6または7員に変化させてプロリン類似体を作製することができる。環基は飽和または不飽和でよく、不飽和であれば、芳香族または非芳香族であり得る。ヘテロ環基は、例えば、窒素、酸素および/またはイオウのごとき1以上のヘテロ原子を含有し得、限定されないが、フラザニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル(例えば、モルホリノ)、オキサゾリル、ピペラジニル(例えば、1−ピペラジニル)、ピペリジル(例えば、1−ピペリジル、ピペリジノ)、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル(例えば、1−ピロリジニル)、ピロリニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、チオモルホリニル(例えば、チオモルホリノ)、およびトリアゾリルを含む基を形成することができる。これらのヘテロ環基は置換されていても非置換であってもよい。置換されたヘテロ環基は、限定されないが、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、酸素、または置換もしくは非置換のフェニルのごとき置換基を含有することができる。PDAGペプチドのペプチド模倣体は、例えば、リン酸化、スルホン化、ビオチン化などによって化学修飾されているアミノ酸残基を有することもできる。
対応する本来のペプチドと同一または同様の所望する生物学的活性を有するが、より良い溶解性、安定性および/または加水分解もしくはタンパク質分解に対する感受性を有するペプチド模倣体を構築するために、様々な技術が利用可能である。それゆえ、ペプチド模倣体化合物のこれらの特性は治療アプリケーションでのこれらの使用を促進する。なぜならば、それらは増大した細胞透過性、細胞受容体に対するより大きなアフィニティーおよび/またはアビディティー(avidity)および延長した生物学的半減期を有するからである。特定のペプチド模倣体化合物は本発明のペプチドのアミノ酸配列に基づく。しばしば、ペプチド模倣体化合物は、選択されたペプチドの3次元構造に基づく3次元構造(すなわち、「ペプチドモチーフ」)を有する合成化合物である。ペプチドモチーフは、ペプチド模倣体化合物に所望する生物学的活性、すなわち、免疫反応を促進または刺激することを付与し、ここに、模倣体化合物の結合活性は実質的に減じられず、しばしば、その模倣体がモデルとした本来のペプチドの活性と同一またはそれを超える。
ペプチド模倣体設計方針は、当該分野で容易に入手可能である。ひとつの分類のペプチド模倣体は、部分的または完全に非ペプチドの骨格を含有するが、原子対原子でペプチド骨格を模倣し、同様に本来のアミノ酸残基の側鎖の機能を模倣する側鎖を含む。エステル、チオエステル、チオアミド、レトロアミド、還元カルボニル、ジメチレンおよびケトメチレン結合のごときいくつかの型の化学結合は、プロテアーゼ抵抗性ペプチド模倣体の構築におけるペプチド結合のために通常有用な置換基であると、当該分野で知られている。もうひとつの分類のペプチド模倣体は、別のペプチドまたはタンパク質に結合する小さな非ペプチド分子であるが、必ずしも本来のペプチドの構造模倣体ではない。さらにもうひとつの分類のペプチド模倣体は、コンビナトリアル化学および大規模な化学ライブラリーから生じる。これらは、通常、新規テンプレートであり、本来のペプチドとは構造的に関連がないが、非ペプチド土台の上に位置した必要な機能性基を所持し、元来のペプチドの「局所的」模倣体として働く。
理論に拘泥するつもりはないが、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体またはPDAGの模倣体は、活性化PDAG(「PDAG」)を生成する標的組織内で活性化することができる。ついで、「PDAG」部分を、前記したように、免疫細胞および/または非免疫細胞の中または上に特異的受容体分子に結合して、限定されないが、IL−6、IL−8、MCP−1、MIP−1αおよびβ、INF−γ、TNF−α、グランザイム、ならびに、マクロファージ、貪食NK細胞または好中球を補充、活性化するRANTESのごときサイトカインの放出を開始し、他の刺激性サイトカインおよびペプチドの放出を刺激することができる。サイトカインの放出は、CD5B細胞(組織常在性B1細胞としても知られる)も刺激して、免疫グロブリン(IgM、強力なオプソニン化免疫グロブリン)および、IgAまたはIgGのごとき他のB細胞誘導免疫グロブリン、サイトカインおよびケモカインを産生するであろう。それゆえ、本発明の具体例は、PDAGペプチド、PDAGペプチドの一部、PDAGペプチドの類似体およびPDAGペプチドのペプチド模倣体を含み、それらは、対象に投与すると、標的組織内に不活性形態で(すなわち、脂質部分に共有結合して)存在し、長時間にわたって脂質タンパク質リパーゼの作用によって活性化され、それによって、増加したPDAGペプチド濃度の維持および、長時間にわたる対象の標的細胞中での免疫活性化可能とする。活性PDAGペプチドの徐放は持続的自然免疫系活性化を可能とし、それによって、予防的治療を施した対象に、長時間にわたって免疫学的に攻撃したとき、促進された闘病能力を付与するか、または、治療的処置した対象にPDAGの長期作動組成を付与する。
本発明のさらなる具体例において、1を超えるPDAGペプチドを脂質部分に共有結合させることができる。理論に拘泥するつもりはないが、PDAGペプチドまたはペプチド模倣体の有効放出の持続時間は、脂質部分に結合したPDAGペプチドまたはペプチド模倣体の個数に直接関連するであろう。それゆえ、3つのPDAGペプチド部分が単一の脂質部分に結合されたPDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体またはPDAGの模倣体は、同じように投与された、たった一つのPDAG部分が単一の脂質部分に結合されたPDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体またはPDAGの模倣体よりも長い時間にわたってPDAGペプチドを放出することができる。
いくつかの具体例において、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体は、直接対象にデリバリーすることができ、他において、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体は医薬上許容される担体と組み合わせて、対象にデリバリーするか与えることができる医薬組成物を作製することができる。
本発明の具体例において、様々な投与経路が利用可能である。選択された特定の態様は、選択された化学治療薬、治療される状態の重篤度および治療効果に必要な用量に依存する。本発明の方法は、一般的に言えば、医学的に許容されるいかなる態様の投与、すなわち、臨床学的に許容されない副作用を生じることなく有効レベルの活性化合物を生成するいかなる態様を用いても実施することができる。そのような態様の投与は、限定されないが、経口、経腸、局所、経鼻、皮内、吸入、腹腔内、または非経口の経路を含む。用語「非経口」は、皮下、静脈内、粘膜内または注入を含む。静脈内、皮下、または経粘膜の経路が、本発明の目的に対して特に適切である。
本発明の具体例の医薬組成物は、例えば、塩中酢酸、塩中クエン酸、塩中ホウ酸、塩中リン酸等のごとき緩衝剤および、所望により、塩化ベンズアルコニウム、クロロブタノール、パラベン類、チメロサール等のごとき保存剤を含むことができる。
医薬組成物は、単位剤形で簡便に提供することができ、薬学の分野で周知の方法のいずれかで調剤することができる。全ての方法は、有効成分を1以上の副成分を構成する担体と一緒にするステップを含むであろう。一般に、組成物は、有効成分を液状担体、微細化固形担体または双方と均一かつ緊密に一緒し、ついで、必要であれば、製品を形成することによって調剤する。
様々な他の担体物質は、有利には、鼻内スプレーで適量供給することもできる。溶液は、少量の塩化ナトリウムを水性媒体に溶解することによって穏和な食塩水とすることができる。塩濃度は約0.1〜2.0%の範囲であってよく、好ましくは、約0.65%程度である。界面活性剤、ビタミン類、ビタミン誘導体、抗ヒスタミン剤、湿潤剤、保存剤、保湿剤、乳化剤、香料等のごとき他の物質も通常の濃度で存在させることができる。適当な物質の多数の開示を、水性媒体での有効濃度の記載とともに、文献に見出すことができる。
当業者はそれらの既知の機能に対して適当な物質および濃度を決定するのに困難性はない。
鼻腔へのスプレーでのデリバリーはいかなる従来のスプレー技術または装置によってもよい。
本発明の具体例は、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体の滅菌水性調剤が好ましくは受容者の血液と等張である非経口投与に適した組成物も提供する。この水性調剤は、適当な分散剤または湿潤剤と懸濁剤とを用いて知られている方法で調剤することができる。滅菌注射可能調剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能溶液また懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオールの溶液とすることもできる。なかでも、用いることができる許容される媒体および溶媒は、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌不揮発性油が従来溶媒または懸濁媒体として用いられる。この目的のため、いかなる口当たりの良い不揮発性油も用いることができ、合成のモノ−またはジグリセリドを含む。さらに、オレイン酸のごとき脂肪酸を注射可能な製剤に用いることができる。経口、皮下、静脈内、筋肉内等の投与に適した担体調製物はRemington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PAに見出すことができ、その全体が出典明示して本明細書に組み込まれる。
本発明の具体例のデリバリーシステムは、時限放出、遅延放出または徐放デリバリーシステムを含むように設計することができる。PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体を、さらなる免疫刺激または免疫促進剤と組み合わせて用いることもできる。そのようなシステムを用いて、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体およびPDAGの模倣体の反復投与を回避して対象の便宜を増大させ、本発明の特定の組成物に特に適しているであろう。
PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体ならびに、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体を含む医薬組成物は、免疫反応を促進するか、刺激する有効量で、ある具体例においては、自然免疫反応を刺激する有効量で、投与することができる。
一般に、臨床試験における規定実験を用いて、各剤または医薬組成物の最適効果のための特定範囲および投与プロトコルを決定することができる。PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体ならびに、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体を含む医薬組成物の特定の対象への投与は、その対象の状態および初期投与に対する敏感性に依存して、有効かつ安全な範囲内で調整することができる。しかしながら、最終的な投与プロトコルは、対象の年齢、状態および体格、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体および、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体を含む医薬組成物の薬効、治療の継続時間ならびに治療する疾患の重篤度を考慮する担当医の判断よって規制することができる。
本発明の具体例において、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体ならびに、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体を含む医薬組成物は、鼻内スプレーまたは吸入によって投与することができる。鼻内スプレー用または吸入用調剤に関して、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体ならびに、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体を含む医薬組成物の有効な溶解または分散のための粉砕粒子サイズは、約0.1から約20ミクロン、約0.2から約10ミクロン、および、特定の具体例においては、約0.2から約5ミクロン程度である。PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、またはPDAGの模倣体の水性媒体への投入は、まず、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、またはPDAGの模倣体を、例えば、4%濃度のラクトン溶液のごとき溶液に分散させることが助けとなるであろう。一旦完全に混合され、分散され、および/または溶解されれば、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、またはPDAGの模倣体は、約0.001%から約2.0%、約0.01%から約0.35%、および、特定の具体例においては、約0.10%の濃度で存在するであろう(ここにおいて、全てのパーセンテージは断りがない限り、重量あたりである)。
他の具体例において、PDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、またはPDAGの模倣体を経口投与して、2から4の分割用量にて、約25μmから約2000μg/日、または、特定の具体例においては、約50から約250μg/日の範囲で、総血液レベルを達成することができる。いくつかの具体例において、間欠療法(例えば、3週間中の1週間または4週間中の3週間)を用いることができる。
対象における反応が初期用量の適用で不充分な場合、より高い用量(すなわち、別のより局所的なデリバリー経路によるより有効的に高い用量)を、患者の忍耐力が許容する限度まで、採用することができる。一日あたり複数用量を用いて、化合物の適当な全身レベルを達成することができる。一般に、最大容量を用いることができる。最大容量は、堅実な医学的判断による最高の安全用量とみなすことができる。しかしながら、対象が、医学的理由、心理学的理由または実質的にいずれかの他の理由で、低容量または耐え得る用量に固執することを、当業者は理解する。
本発明の他の具体例において、少なくとも一つのPDAG、PDAGの一部、PDAGの類似体、PDAGの模倣体、またはPDAGペプチドは、抗原性ペプチドまたはワクチンを対象に投与する前に、抗原性ペプチドと共有結合させるか、または、抗原性ペプチドもしくはワクチンと単に混合させることができる。理論に拘泥するつもりはないが、PDAGまたはPDAGペプチドの添加は、抗原性ペプチドまたはワクチンの投与時点で自然免疫系を刺激することによって、抗原性ペプチドまたはワクチンの免疫原性を促進することができる。1以上のPDAGもしくはPDAGペプチドまたはPDAGもしくはPDAGペプチド抗原もしくはワクチン混合物を対象に投与して、その対象において長期適合性免疫反応を誘発することができる。
本発明のさらなる具体例において、抗体を天然産出のPDAGおよびPDAGペプチドに対して生起することができ、なおさらなる具体例において、そのように生起した抗体を対象に投与して、抗体が生起されたPDAGの濃度を激減させることができる。理論に拘泥するつもりはないが、抗体を激減させるPDAGおよび/またはPDAGペプチドの投与は、例えば、敗血症、動脈硬化、リウマチ性疾患、自己免疫疾患、炎症性腸疾患、1型糖尿病等のごとき管理されていない全身性炎症を発症している対象に対する利益のある治療方針であろう。同様の具体例において、抗体を激減させるPDAGおよびPDAGペプチドを用いて、例えば、外傷、広範にわたる外科処置による炎症等のごとき非敗血症性損傷を治療することができる。
本発明の具体例のPDAGおよびPDAGペプチドに対する抗体は、当業者に周知の方法によって、ウサギ、マウス、ヤギ、ウマその他の種において生起することができる。例えば、PDAGまたはPDAGペプチドに対するモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ融合技術を用いて生起することができ、選択されたハイブリドーマは、モノクローナル抗体の継続的な生成のために、細胞培養中またはバイオリアクター中で維持することができる。いくつかの具体例において、モノクローナル抗体のPDAGペプチド特異的結合領域は、全抗体の特異的化学的切断または当該分野で知られている組換え法によって選択的に生成することができる。他の具体例において、特異的PDAG結合領域をヒト抗体のFc領域に結合して、抗体を激減させるPDAGのヒト対象への投与のためにヒト化キメラを産生することができる。キメラ抗体は当該分野で周知であり、合成、半合成または組換え法を用いて産生することができる。ヒト化PDAGキメラ抗体はヒト対象に用いるのに有利である。なぜならば、ヒト対象中で実質的に二次抗体反応が生じないからである。
本発明のなお他の具体例において、蛍光標識されたPDAG、PDAGペプチドまたはPDAG抗体を作製することができる。そのような具体例において、限定されないが、フィコエリスリン(PE)、赤色蛍光染料およびフルオレッセインイソチオシアネート(FITC)、緑色蛍光染料のごとき蛍光染料を活性化し、PDAGのペプチジル部分のN−末端、PDAGペプチドの遊離スルヒドリルもしくはアミノもしくはカルボキシル、またはPDAG抗体の遊離アミノ基に結合することができる。
そのようなコンジュゲートを作製する方法は当該分野でよく知られ、例えば、PDAGまたはPDAGペプチドを、トランス−4−(マレイミジルメチル)シクロヘキセン−1−カルボン酸スクシンイミジルのチオール反応性延長鎖類似体(LC−SMCC)に結合し、サイズ排除クロマトグラフィーで未反応のLC−SMCCを誘導体化PDAGペプチドから分離して、そのペプチドを活性化することによって、そのN−末端を介して蛍光染料を結合することができる。R−PEまたはFITCのピリジルジスルヒドの遊離チオールへの誘導体は、R−PEまたはFITCをトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)中で10から15分間インキュベートすることによって活性化することができる。精製したLC−SMCC−PDAGペプチド誘導体は、ついで、活性化R−PEまたはFITCと合わせて、4℃にて一晩混合することができる。反応は、いかなる残存チオール基をもキャップするN−エチルマレイミド(NEM)の添加で停止することができる。R−PEまたはFITC−PDAGコンジュゲートはサイズ排除クロマトグラフィーで精製し、凍結乾燥して最終生成物を得ることができる。
本発明の他の具体例において、蛍光標識PDAまたはPDAGペプチドを用いて組織試料を分析することができる。例えば、蛍光標識PDAGまたはPDAGペプチドを、生体外で対象の試料と混合して、蛍光標識PDAGまたはPDAGペプチドと結合する免疫細胞を検出し定量することができる。なお他の具体例において、PDAGまたはPDAGペプチドに対する抗体を用いて、PDAGまたはPDAGペプチドのレベルを、対象からの生体外試料中で、蛍光顕微鏡法、ELISA等のごとき方法を用いて、検出し定量することができる。そのような分析方法は当業者に周知である。
実施例1
この実施例は、本発明におけるPDAGの単離および構造解析を記載する。PDAGは、7〜10kDa分子量カットオフ透析カセット(Slide -A-Lyzer, Pierce Biotechnology, Inc.)越しで蒸留水に対して透析し、真空エバポレーションにより濃縮し、ついで、透析物を凍結乾燥することによって、調査規模の量で、凝血の血清フラクションから規定的に単離することができる。
粗製血清フラクションは、サイズ排除クロマトグラフィーまたはサイズ排除樹脂もしくはフィルター越しの通過によるろ過によってさらに精製して、塩類その他の低分子不純物を除去する。最終精製は、有機溶媒抽出および逆相HPLCによって達成する。この手順は、精製後に、生物学的活性研究を実行し、生活性成分の化学的キャラクタリゼーションを開始するのに十分な材料を提供する。LC/MS分析は、PDAG成分を2〜3kDaのリポペプチドであると特徴付けした。総質量アバンダンス(total mass abundance)に基づく定量分析はPDAG純度がHPLC後で>98%であることを示す。HPLC/ESIタンデム質量分析を用いて、そのペプチドのアミノ酸配列を確認し、本発明におけるPDAGの脂質部分を同定することができる。精製した非霊長類PDAGの代表的なHPLCプロファイルを図1に図示する。HPLCクロマトグラフィーをUltimate 3000 HPLC (Dionex, Sunnyvale, CA)で行った。カラムは、Zorbax C8 1x150 mm (Agilent, Santa Clara, CA)であった。水中の200μmの試料を200μmループに注入した。勾配は5〜65%の溶媒Aから溶媒Bに60分間かけ、その後90%溶媒Bで5分間洗浄した。溶媒Aは5%アセトニトリル+0.1%TFAであり、溶媒Bは90%アセトニトリル+0.1%TFAで、フローレートは50μl/分であった。検出は214nmおよび280nmであった。
ヤギ血清(2L)を抽出して、約100μgの精製PDAGを得た。図1Aは、メタノール:クロロホルム可溶フラクション(テクニカルグレードのPDAG)の代表的なクロマトグラムである。約10.4分にて溶出するピークは親PDAGであり、約9.4分と4.8分との間で溶出するピークは親PDAGの加水分解生成物であると決定された。2.9分にて溶出するピークは主にオリゴ糖を含有すると特徴付けられた(データ示さず)。精製PDAG(10.4分ピーク)は分取用逆相クロマトグラフィーで収集し、溶媒は真空除去した。これらの結果を図1Aおよび1Bに描写する。
実施例2
この実施例は、本来のPDAGの構造解析を記載する。精製PDAGのエドマン分解配列解析は、(X1)LYDKGYTSKEQKDCVGI(X2)のアミノ酸配列を同定し、推定PDAGペプチドの分子量を1883.57amuと算出した。XおよびXは、同定されない誘導アミノ酸または非アミノ酸補欠分子族であった。液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS)を用いて、精製PDAGを分析し、(a)N−末端およびC−末端補欠分子族を同定し、(b)ペプチドのアミノ酸配列を確認した。PDAG親ピーク(10.4分)のESI−MSは、3つの主要イオンフラグメントを明らかにした。最も豊富なもの(フラグメントA)は、トリプトファン(m/z)であると決定され、PDAG−トリプトファン付加体としてPDAGと共に溶出する。
二番目に豊富なイオン、フラグメントB(MW1688.8)の質量スペクトルは、ふたつの多価イオンを有していた。m/z564.00のイオンは[M+3H]3+であり、845.45のイオンは[M+2H] 2+である。m/z845.5イオンのMS/MS生成イオン質量スペクトルは、アミノ酸配列acALYDKGYTSKEQKD(m/z1688.8)を有していた。この配列は、XがN−アセチルアラニン(acA)のエドマン分解配列解析由来の最初の13個のアミノ酸に一致する。フラグメントBについての質量スペクトルを図2Aおよび2Bに提示する。
PDAGへの構造帰属に対するさらなる実験証拠として、一連のMALDI−TOF質量分析実験を行った。PDAGはトリプトファン:PDAG付加体(推定200:1)として単離されるので、PDAGは添加マトリックスの有無でMALDI−TOF MSによって分析した。無傷のPDAGに相当する分子イオンは観察されなかったが、PDAG分子全体を説明する4つの主要イオンフラグメントが、マトリックス添加なし(トリプトファンがマトリックスとして働く。)の陽イオンスペクトル中に検出された。高質量フラグメント(m/z1282.71)が、N−末端フラグメントイオン[acALYDKGYTSKE]+ 由来の中和NHの喪失から生じた。低質量フラグメント(m/z1133.30)は、C−末端ジアシルグリセロール("DAG") [DCVGI-(DAG)]+を含有するy−イオンに一致する。ベースピーク(m/z1208.47)は、内部z−イオンフラグメント[KEQKDCVGI]W+のトリプトファン付加体に一致する。対応するy−イオン(+15amu)がm/z1223.61に観察される。m/z1207.53のy−イオンはC−末端フラグメント[TSKEQKDCVGI]+である。
トリプトファン:PDAG付加体とジヒドロキシ安息香酸(DHB)との共結晶化およびMALDI−TOF質量分析による再分析は、拡張した一連のイオンフラグメントを与え、これらもPDAGの構造全体を説明する(図3)。
血清誘導化PDAG生成物は、酸性条件下で特に加水分解され易く、このことは、ESIまたはMALDIイオン化条件のいずれかで分子イオンを獲得するのが困難であることを説明する。図1Aにおいて、4.83と9.36分との間で溶出するピークは、10.42分で溶出する親PDAGピークの加水分解生成物である(データ示さず)。したがって、精製PDAGを温和な酸加水分解、インサイチュN−末端スルホン化に次いで、加水分解生成物の分析に付して、PDAGの構造全体を説明した。PDAGの温和な酸加水分解後に生じたN−末端スルホン化ペプチドフラグメントのPSD MALDTDI−TOF分析は、すでに観察されたペプチドフラグメントに一致する複数のy−イオンを示し、PDAGの完全な構造を説明する(図4)。かくして、推定PDAG構造acALYDKGYTSKEQKDCVGI-DAGは、天然産物のエドマン分解配列解析、ESI−MS/MS配列解析およびPSD MALDI−TOF MS分析に一致する。
PDAGにおけるペプチドに対する推定配列を仮定し、NCBI BLAST調査ツールBLASTP (Altshul, 1997)を用いて、相同配列について非重複配列データベースを調査した。PDAGペプチドは、一過性受容体電位チャネル関連タンパク質1(TRPC1)における558−574位のアミノ酸の内部配列に対して同一の配列相同性を有する。他の既知のタンパク質またはペプチドと明らかな相同性は記述されていなかった。ウシ、マウスおよびヒトのTRPC1由来の557−574位のアミノ酸配列と推定PDAGの脂質部分ペプチド配列との比較は、ウシPDAGの9−セリンがプロリンで置換されていたことを除けば、同一のアミノ酸配列であることを明らかにした。
実施例3
pDAGペプチドは、標準固相合成プロトコルと、AAPPTEC 348 Sigma (Advanced Automated Peptide Protein Technologies, Inc., Louisville, KY)ペプチドシンセサイザーを用いるH−イソロイシン−2−クロロトリチル樹脂に結合する延長HGTUとで合成した。樹脂[Ala-Leu-Tyr(But)- Asp(OBut)-Lys(Boc)-Gly-Tyr(But)-Thr(But)-Ser(But)-Lys(Boc)-Glu(OBut)-Gln(Trt)- Lys(Boc)-Asp(OBut)-Cys(Trt)-Val-Gly-Ile-RESIN]に結合した完全保護ペプチド配列を、ジクロロメタンで洗浄して得た。ペプチド結合樹脂を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(20%)およびN,N−ジメチルアセトアミド(70%)中の10%無水酢酸の添加によって、ペプチドのN−末端アラニンにてアセチル化した。室温にて2時間後、樹脂をろ過し、N,N−ジメチルアセトアミドとジクロロメタンとで連続して洗浄し、次いで、凍結乾燥した。アセチル化した完全保護ペプチドを、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールのジクロロメタン中の1:4溶液20mlを用いて、樹脂から切り離した。室温にて2時間後、樹脂をろ過し、前記切り離し溶液2mlで洗浄した。ろ液を、ロータリーエバポレーターを用いて真空で蒸発乾燥した。試料を質量分析で分析して、m/z3286に予測質量を確認した(データは示さず)。
1−ステアロイル−2−アラキドニル−sn−グリセロール(Sigma Aldrich)を、ジシクロヘキシルカルボジイミド/ジメチルアミノピリジン(DCC/DMAP)カップリング反応を用いて、完全保護アセチル化ペプチドのC−末端イソロイシンカルボキシルに結合させた。1−ステアロイル−2−アラキドニル−sn−グリセロール(5ml)を2mlのジクロロメタンに溶解し、2mlのジクロロメタンに溶解した2等量の完全保護アセチル化ペプチドおよび2mlのジクロロメタンに溶解した1等量のDMAPと混合した。反応を室温にて一晩進行させた。反応混合物を真空乾燥し、保護基を、8mlの脱保護溶液(2.5%1,2−エタンジオール、94%トリフルオロ酢酸、0.1%トリイソプロピルシラン、および2.5%水)でインサイチュ除去した。脱保護溶液の存在下、室温にて2時間のインキュベーション期間後、反応混合物をろ過し、ろ液をロータリーエバポレーターで真空蒸発乾燥した。
粗生成物の精製を、Jupiter(R) Proteo (Phenomenex, Inc., Torrance, CA)カラムおよび、5%〜95%の溶媒Bを1ml/分のフローレートにて20分間かけて形成した2つの移動相勾配(溶媒A:水中0.1%TFA、溶媒B:アセトニトリル中0.1%TFA)を用いる逆相分取スケールHPLCで達成した。pDAG生成物は、これらの条件下、22.9分にて溶出した。粗生成物(63mg)を4mlのアセトニトリルおよび2mlの水に溶解し、前記分取スケールカラムに充填した。22.9分にて溶出するピークを22.5mlの移動相(95%アセトニトリル/0.1%TFA)中に収集した。溶出物を真空で蒸発乾燥し、pDAGペプチドの最終質量は2.5mg(4%収率)であり、純度は、HPLC分析で98.9%と決定された。
実施例4
線維芽細胞を合成PDAGで24時間刺激した。RNAをその線維芽細胞から抽出し、IL−6転写物をリアルタイムPCRで測定し、IL−6タンパク質をELISAによって培地中で測定した。本発明者らは、100pg/mlのPDAGが線維芽細胞を刺激して、対照(未処理細胞)と比較してIL−6mRNAレベルを増大させた、P=0.001.同様に、PDAG処理線維芽細胞の培地中で約2倍のIL−6タンパク質(P=0.0001)が測定された。これらの結果を図5に提示する。
実施例5
mRNAを100pg/mlの合成PDAGと共に一晩インキュベートした初代ヒト線維芽細胞から抽出した。NALP3およびNFκB転写物を測定した。NALP3転写物は1.75倍(P=0.007)に増加することが見出されたが、NFκB転写物は増加しなかった(P=0.4)。これらの結果を図6に提示する。
実施例6
THP−1単球(5×10/ウェル)を、24ウェルマイクロプレート中の10%FBS入りハンクス緩衝生理食塩水1(Hank's Buffered Saline 1)中で培養した。細胞を2.5×10のAR39クラミジア肺炎(AR39 Chlamydia pneumoniae (CPn))菌細胞で感染して、MOI=1を獲得し、感染細胞は、毎日培地を交換しながら感染後72時間維持した。細胞は、感染の24時間前または感染の24時間後に、PDAG媒体(DMSO中0.01%Tween-20)またはPDAG(25ng/mlおよび50ng/ml)でのいずれかで処理した。72時間のインキュベーション期間後、細胞を収穫し、Cytofix/Cytoperm (BD Pharmingen)で透過可能にし、マウスα−CPNモノクローナルIgG(clone 61C75)を添加し、ついで、透過化細胞を1時間培養した。インキュベーション後、細胞を洗浄し、FITC標識α−マウスIgGを添加し、1時間インキュベートした。細胞を再び収穫し、洗浄した。感染細胞の定量はフローサイトメトリーで測定した。細胞の生存率をトリパンブルー色素排除法(trypan blue exclusion)で決定した。これらの結果を図7に提示する。
実施例7
テトラサイクリン誘発性HBV−安定細胞株、HepDES19細胞 (Guo, 2007)をペニシリンおよびストレプトマイシン(Invitrogen)、10%FBS、500μg/mlのG418 (Invitrogen) ならびに1μg/mlのテトラサイクリン (Sigma- Aldrich, St. Louis, MO)入りのDMEM/F-12培地中で維持した。HepDES19細胞中でのHBV複製を開始するため、テトラサイクリンを培地から取り出し、その細胞をウイルスDNA分析前4〜5日間培養した。細胞をpDAGで処理するため、ペプチドをテトラサイクリン無し培地に添加し、毎日細胞培養上に塗布した。溶媒DMSOの濃度は毎日の処理において、0.01%に調整した。
HBVコアDNAを、前記したように(Guo, 2009)、pDAG−処理HepDES19細胞から抽出した。簡便には、ひとつの35mm皿からの細胞を37℃にて10分間、0.5mlの溶解バッファー(10 mM Tris-HCl pH 8.0, 10 mM EDTA, 1% NP40 および 2% スクロース)で溶解した。細胞デブリスおよび核を遠心によって除去し、上清を130lの1.5M NaCl入りの35%ポリエチレングリコール(PEG-8000)と混合した。氷上で1時間インキュベーションした後、4℃にて5分間、10,000rpmにて遠心して、ヌクレオカプシドをペレット化し、その後、200μlの消化バッファー[0.5 mg/ml プロナーゼ (Calbiochem), 0.5% SDS, 150 mM NaCl, 25 mM Tris-HCl pH 8.0, および 10 mM EDTA]中、37℃にて1時間消化した。消化混合物を、フェノールで2回抽出し、DNAをエタノールで沈降させ、TEバッファー(10 mM Tris-HCl, pH 8.0, 1 mM EDTA)に溶解した。DNA試料を、1.5%寒天ゲルへの電気泳動によって分割した。ゲルを、ついで、室温にて10分間0.2N HCl中での脱プリン化に付し、そして、0.5M NaOHおよび1.5M NaClを含有する溶液中で変性し、その後、1 M Tris-HCl (pH7.4) および 1.5 M NaClを含有するバッファー中で中和した。DNAを、ついで、20×SSCバッファー中Hybond-XL膜(GE Healthcare)上にブロットした。膜をα−32P−UTP(800Ci/mmol, Perkin Elmer)−標識HBVマイナスストランド特異的完全長リボプローブで探針した。ハイブリダイゼーションを、5mlのEKONOハイブリダイゼーションバッファー(Genotech)中、65℃にて1時間のプレハイブリダイゼーションおよび65℃にて一晩のハイブリダイゼーションで行い、その後、65℃にて、0.1×SSCおよび0.1%SDSで1時間洗浄した。膜をホスホイメージャースクリーン(phosphorimager screen)に付し、ハイブリダイゼーション信号を明らかにし、QuantityOne ソフトウェア (Bio-Rad)で定量した。
実施例8
メスのニュージーランドシロウサギを、本来のPDAG入り(n=3)となし(n=3)のFCAで接種した。血液試料を接種の一日前(バックグラウンド)および、接種後に3、5、7、10、12、14および17日目にも採取した。血清を、結核菌(M. tuberculosis)IgM産生につき、ELISAで3回分析した。接種後の各日の抗体価から、1日目の抗体価を用いてバッククラウンドを差し引いた。接種後5日目までに、FCA+PDAGで接種したウサギのIgM力価は、FCAのみを受けたウサギの抗体価と比べて著しく増大した(P=0.0004)。これらの結果を図9に描写する。
実施例9
スイスウェブスターマウスに致死量、5×103cfu/マウスのサルモネラ菌(Salmonella typhimurium)を与えた。それらのマウスのうち15匹が、致死量摂取の24時間前に5μg/mlのPDAGで処理された。マウスはそのまま10日間毎日観察された。対照群で4日目に死亡が確認されたが、PDAG処理群では7日目まで確認されなかった。10日目まで、PDAG処理群において12匹のマウスが生き続けたが、未処理群では全てが死亡した。P<0.0001。これらの結果を図10に描写する。
特定の具体例を参照して本発明を説明してきたが、当業者は、例えば、本明細書に記載された特定の条件において、そこから多くの変形がなされることを認識し、本発明による開示は、本発明のいくつかの好ましい具体例および目的および利点を、本発明のより広い範囲および概念から逸脱することなく、示すのみであることが理解され納得されるであろう。本発明によるこれらの発見は、当業者が想定するであろう化合物の多くのさらなる可能性のあるアプリケーションを例示するのみで、かくして、本発明を全く限定するものではないことが理解され納得される。したがって、本発明の他の目的および利点は、詳細な説明と特許請求の範囲から当業者に明らかである。

Claims (28)

  1. 一般式(I):
    Figure 0005802553
    (式中、X、XおよびXは、水素、C〜C25脂肪酸、ペプチドおよびそれらの組合せから選択され、X、XおよびXうちいずれか一つがペプチドである。)を有し、前記ペプチドが、X 4 -ALYDKGYTSKEQKDCVGI-(式中、X 4 はN−アセチル−である。)で表されるアミノ酸配列を有する、化合物。
  2. 有効量の請求項1の化合物を含む、抗原性ペプチドの免疫原性を促進する医薬組成物。
  3. 医薬上許容される緩衝剤または生理学上許容される担体を有する、請求項2の医薬組成物。
  4. 緩衝剤が、塩中酢酸、塩中クエン酸、塩中ホウ酸、塩中リン酸およびそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項3の医薬組成物。
  5. 担体製剤が、口腔内、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、頬側または眼内経路、経直腸、非経口、経全身、経膣、局所、口腔内または鼻内スプレーおよびそれらの組合せに適した群から選択される、請求項3の医薬組成物。
  6. ピル、錠剤、トローチ、被覆錠剤、顆粒剤、カプセル剤、硬または軟ゼラチンカプセル剤、水性液剤、アルコール性液剤、油性液剤、シロップ剤、乳液剤、懸濁液剤、香錠、坐剤、注射用液、軟膏、チンキ剤、クリーム、ローション、粉剤、スプレー剤、経皮治療システム、鼻内スプレー、エアロゾル混合物、マイクロカプセル、インプラント、ロッドまたは膏薬の形態である、請求項2の医薬組成物。
  7. 非経口製剤が、湿潤剤、懸濁化剤、希釈剤、溶剤またはそれらの組合せを含有する、請求項5の医薬組成物。
  8. 希釈剤が1,3−ブタンジオールである、請求項7の医薬組成物。
  9. 溶剤が、水、リンガー液、等張性塩化ナトリウム剤および滅菌不揮発性油よりなる群から選択される、請求項7の医薬組成物。
  10. 不揮発性油が合成のモノ−またはジグリセリドを含む、請求項9の医薬組成物。
  11. 注射用液が脂肪酸を含有する、請求項6の医薬組成物。
  12. 保存剤を有する、請求項2の医薬組成物。
  13. 保存剤が、塩化ベンズアルコニウム、クロロブタノール、パラベン類、チメロソールおよびそれらの組合せよりなる群から選択される、請求項12の医薬組成物。
  14. 担体が、鼻内スプレーにおいて、生理食塩水を与える、請求項5の医薬組成物。
  15. 生理食塩水が0.1%から2.0%である、請求項14の医薬組成物。
  16. 生理食塩水が0.65%である、請求項14の医薬組成物。
  17. スプレー製剤が、当該化合物の有効な分散のための粉砕粒子サイズを有する、請求項5の医薬組成物。
  18. 粒子サイズが0.1から20ミクロンである、請求項17の医薬組成物。
  19. 粒子サイズが0.2から10ミクロンである、請求項17の医薬組成物。
  20. 粒子サイズが0.2から5ミクロンである、請求項17の医薬組成物。
  21. 界面活性剤、ビタミン類、ビタミン誘導体、抗ヒスタミン、湿潤剤、保存剤、保湿剤、乳化剤、香料よりなる群から選択される添加物を含有する、請求項2の医薬組成物。
  22. 医薬デリバリーシステムであって、
    a.請求項2の医薬組成物;ならびに
    b.時限放出、遅延放出、徐放およびそれらの組合せよりなる群から選択される放出手段
    を含む医薬デリバリーシステム。
  23. 請求項2の医薬組成物を調剤する方法であって、
    a.化合物を得ること;および
    b.前記化合物を担体と均一に合体すること、ここに、担体は液体または固体のいずれかであること
    を含む方法。
  24. 合体が、前記化合物を4%ラクトン溶液に分散させることによって支援される、請求項23の方法。
  25. 1−ペプチジル−2,3−ジアシルグリセリドを合成する方法であって、
    a.固相法によって請求項1の化合物を合成すること、ここに、合成は脱保護ステップを有さないこと;
    b.C−末端カルボン酸を活性化すること;
    c.ジアシルグリセリドおよび触媒剤とインキュベートすること、ここに、インキュベーションは1−ペプチジル−2,3−ジアシルグリセリドを生成すること;および
    d.ペプチド側鎖保護基をリエージェントKで切断すること
    を含む方法。
  26. ジシクロヘキシルカルボジイミドで活性化する、請求項25の方法。
  27. 触媒剤がジメチルアミノピリジンである、請求項25の方法。
  28. 1−ペプチジル−2,3−ジアシルグリセリドがクロマトグラフィーで精製される、請求項25の方法。
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