JP5801974B1 - 多層エマルションの製造方法、及びカプセルの製造方法 - Google Patents

多層エマルションの製造方法、及びカプセルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便で、所望の粒径で粒度分布の狭い、整粒された多層エマルションの製造方法、それに好適な多層エマルション、得られた多層エマルションを乾燥させるカプセルの製造方法、及びカプセルを提供する。【解決手段】n層構造であり(nは3以上の整数である。)、整粒された多層エマルションの製造方法であって、第1層を形成する第1相と、第2層を形成する第2相を混合し、乳化して第1相/第2相型の2層エマルションを調製する第1次乳化工程、(j−1)層エマルションと、第j層を形成する第j相を混合し、乳化して、j層エマルションを調製する第(j−1)次乳化工程(ここで、jは3以上n以下の整数である。)、及びk層エマルションを加圧してコイル状細管内に流通させて(k−1)層エマルションの液適の粒径を整える整粒工程を含む(ここで、kは3以上n以下の少なくとも1つの整数である。)、整粒された多層エマルションの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、整粒された多層エマルションの製造方法、カプセルの製造方法、多層エマルション、及びカプセルに関する。
エマルションは、互いに溶け合わない液体がそれぞれ分散質と分散媒になった分散系溶液である。基本的なエマルションとしては2層構造のO/W型(水中油型)やW/O型(油中水型)などがあり、マーガリンなどの食料品や化粧品などに用いられている。多層エマルションは、このO/W型やW/O型が分散質となったエマルションであり、W/O/W型(水中油中水型)やO/W/O型(油中水中油型)などがある。
多層エマルションの製造方法としては、二段階乳化方法が知られている。例えば、O/W/O型の場合、まず一段階目でO/W型を調製し(1次乳化)、その後に、二段階目として、これを油相に分散させて調製する(2次乳化)。
O/W/O型エマルションの製造方法として、例えば特許文献1には、特定のアミノ酸モノ塩を含有する水相中に油性成分を添加し、高圧乳化処理又は超音波処理してO/W型エマルジョン(エマルション)を調整する工程と、該O/W型エマルジョンを、有機変性粘土鉱物とHLB7以下の乳化剤とを含む油性成分に分散乳化する工程とからなる製造方法が記載されている。
また、W/O/W型エマルションの製造方法として、例えば特許文献2には、ディスパー等の乳化機を用いて攪拌混合してW/O型エマルジョンを調整する工程と、アルキル変性カルボキシビニルポリマー含む水相を中和した後、この水相とW/O型エマルジョンとを乳化して複合化する工程を含む方法が記載されている。W/O/W型に乳化する方法として、ディスパー等の乳化機を用いた攪拌混合が記載されている。
また、特許文献3には、多層エマルジョンの調製方法として、1次乳化したエマルションを多孔質膜に透過させることにより微細なエマルションを製造する方法が記載されている。
特開平11−76799号公報 特開平11−33391号公報 特開2001−179077号公報
しかし、安定して多層エマルションを製造するには、乳化剤の選択や一次乳化のエマルションの微細化や安定化が必要であり、高度な技術が必要とされる。また、従来から知られている大部分の多層エマルションは、例えば1層目や2層目の液滴が大きかったり、その大きさが不均一である。
特許文献1は、O/W型エマルションを、ナノマイザーなどで高圧乳化処理してO/W/O型エマルジョンを製造することを開示するが、液滴の均一性について十分に開示されていない。
特許文献2は、W/O型エマルジョンを混合した水相をホモミキサーで攪拌混合・乳化しながら中和させ、W/O/W型複合エマルジョンを得ることを開示するが、液滴の均一性について十分に開示されていない。
また、特許文献3に記載のような多孔質膜を用いる方法は、膜の製造上の制約により、孔の大きさは十ミクロン程度までが限界であることや、孔が小さいほど膜に多層エマルジョンの液を通過させるための圧力が高くなるという問題、多層エマルジョンの層数が増えるほど孔の大きさの異なるガラス多孔質膜を用意する必要になるが、多層エマルジョンの粒径を変更するにはガラス多孔質膜の孔の大きさを変更する必要があるという問題などがあり、多孔質膜を用意する必要があり、装置も大がかりなものとなるため、液滴の粒径が整った多層エマルジョンを大量に短時間で簡便に製造することは困難である。
また、本発明者は、ナノマイザーやホモミキサーといった高速回転攪拌器を用いて、界面活性剤の存在下、多層エマルションの調製を試みたところ、高速で攪拌することによって、2層エマルションについては微細なものを調製できたものの、多層エマルションを高速攪拌器で調製しようとしても多層状態が破壊され粒度分布が狭くすることができなかった。また、粒径を特定の大きさに調整することもできなかった。これは、高速回転攪拌では、空気を巻き込みエアゾールエマルションとして、界面活性剤を消費してしまうためと考えられる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その課題は、簡便で、所望の粒径で粒度分布の狭い、整粒された多層エマルションの製造方法、それに好適な多層エマルション、得られた多層エマルションを乾燥させるカプセルの製造方法、及びカプセルを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討し、粒径の整っていない3層エマルションを、加圧してコイル状流路に通したところ、驚くべき事に、多層構造が破壊されずにエマルションの液滴の粒径が整うことを見出した。本発明者は、更に検討を行い本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するため本発明は、以下の態様を含む。
(1)n層構造であり(nは3以上の整数である。)、整粒された多層エマルションの製造方法であって、
第1層を形成する第1相と、第2層を形成する第2相を混合し、乳化して第1相/第2相型の2層エマルションを調製する第1次乳化工程、
(j−1)層エマルションと、第j層を形成する第j相を混合し、乳化して、j層エマルションを調製する第(j−1)次乳化工程(ここで、jは3以上n以下の整数である。)、及び
k層エマルションを加圧してコイル状細管内に流通させて(k−1)層エマルションの液適の粒径を整える整粒工程を含む(ここで、kは3以上n以下の少なくとも1つの整数である。)、整粒された多層エマルションの製造方法。
(2)前記第(j−1)次乳化工程は、j層エマルションを加圧して直管状流路に流通させ、流路壁面の背圧による液液剪断によって乳化と分散を行なう液液剪断乳化分散工程を含む、前記(1)に記載の整粒された多層エマルションの製造方法。
(3)前記第(j−1)次乳化工程は、j層エマルションを加圧してノズルに流通させて、乳化と分散を行なうノズル乳化分散工程を更に含む、前記(1)又は(2)に記載の整粒された多層エマルションの製造方法。
(4)前記ノズルの出口側で、液圧を多段階で減圧して、出口部で大気に解放してもバブリングが発生しない圧力にまで下げる多段階減圧を行う、前記(3)に記載の整粒された多層エマルションの製造方法。
(5)前記の整粒された多層エマルションの第3層目の粒径が2mm未満である、前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の整粒された多層エマルションの製造方法。
(6)前記コイル状細管の配管内径は0.09mm〜2.0mmである、前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の整粒された多層エマルションの製造方法。
(7)前記整粒された多層エマルションはO1/W1/O2/W2型多層エマルションであ
前記O1は非水溶液であり、
前記W1は界面活性剤1を含有する水溶液であり、
前記O2は界面活性剤2とポリエステル樹脂を含有する非水溶液であり、
前記W2はポリビニルアルコールを含有する水溶液であり、
前記O1の前記W1に対する割合が体積比で、2/4〜4/4であり、
前記界面活性剤1の前記O1に対する率が1.5〜3.5重量%であり、
前記O2の前記W1とO1の和に対する割合が体積比で、2/4〜4/4であり、
前記界面活性剤2のW2に対する率が1.5〜3.5重量%であり、
前記ポリエステル樹脂のO2に対する率が5〜15重量%であり
前記ポリビニルアルコールのW2に対する率が0.4〜0.6重量%であり、
前記O2の液滴の層の平均粒径が5μm未満である、前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の整粒された多層エマルションの製造方法
(8)O1及び/又はO2は更に油溶性顔料を含有する、前記(7)に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
(9)O1は更に農薬を含有する、前記(7)に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
(10)O1は更に大豆油を含有する、前記(7)に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
(11)W1は更にヒアルロン酸含有する、前記(10)に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
(12)O1及び/又はO2は更にカーボンブラックを含有する、前記(7)に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
(13)前記(1)〜(12)のいずれか1つに記載の製造方法で整粒された多層エマルションを製造する工程、及びその多層エマルションを乾燥する工程を含む、カプセルの製造方法。
本発明によれば、簡便で、所望の粒径で粒度分布の狭い、整粒された多層エマルションの製造方法、それに好適な多層エマルション、得られた多層エマルションを乾燥させるカプセルの製造方法、及びカプセルを提供できる。
本発明に係る多層エマルションの製造方法の一態様を示す概念図である。 実施例1−1に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+2パス)後の顕微鏡写真である。 実施例1−1に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+3パス)後の顕微鏡写真である。 実施例1−1に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+4パス)後の顕微鏡写真である。 実施例1−1に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+5パス)後の顕微鏡写真である。 実施例1−2に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+1パス)の顕微鏡写真である。 実施例1−2に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+2パス)後の顕微鏡写真である。 実施例1−3に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1パス)後の粒度分布の測定結果である。 実施例1−3に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+5パス)後の粒度分布の測定結果である。 実施例1−3に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+5+5パス)後の粒度分布の測定結果である。 実施例1−3に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+5+5パス)後の顕微鏡写真である。 実施例1−4に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1パス)後の粒度分布の測定結果である。 実施例1−4に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+5パス)後の粒度分布の測定結果である。 実施例1−4に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+5+5パス)後の粒度分布の測定結果である。 実施例1−4に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+5+5+30パス)後の粒度分布の測定結果である。 実施例1−4に係るO/W/O型多層エマルションの製粒(1+5+5+30パス)後の顕微鏡写真である。 比較例1に係るO/W/O型多層エマルションの粒度分布の測定結果である。 比較例1に係るO/W/O型多層エマルションの顕微鏡写真である。 比較例2に係るO/W/O型多層エマルションの粒度分布の測定結果である。 比較例2に係るO/W/O型多層エマルションの顕微鏡写真である。 実施例4に係る未製粒のS/O/W/O/W型多層エマルションの顕微鏡写真である。 実施例4に係るS/O/W/O/W型多層エマルションの2パス後の顕微鏡写真である。
本発明の、n層構造であり(nは3以上の整数である。)、整粒された多層エマルションの製造方法は、
第1層を形成する第1相と、第2層を形成する第2相を混合し、乳化して第1相/第2相型の2層エマルションを調製する第1次乳化工程、
(j−1)層エマルションと、第j層を形成する第j相を混合し、乳化して、j層エマルションを調製する第(j−1)次乳化工程(ここで、jは3以上n以下の整数である。)、及び
k層エマルションを加圧してコイル状細管内に流通させて(k−1)層エマルションの液適の粒径を整える整粒工程を含む(ここで、kは3以上n以下の少なくとも1つの整数である。)。
本発明に係る多層エマルションは、n層構造(nは3以上の整数である。)のエマルションである。
エマルションは、互いに溶け合わない液体がそれぞれ分散質(分散相、液滴)と分散媒(連続相)になった分散系溶液である。互いに溶け合わない液体としては、水と油、アルコールと油、水と溶融樹脂、互いに非相溶性の2種類の樹脂などが挙げられる。分散質や分散媒は固体粒子を含有することができる。
n層構造(nは3以上の整数である。)とは、分散媒の水相中に油相の液滴が分散したO1/W1型エマルション(水中油型)や、分散媒の油相中に水相の液滴が分散したW1/O1型エマルション(油中水型)等の2層構造の液滴が、それぞれ分散媒のW2又はO2に分散した、W1/O1/W2型エマルション(水中油中水型)やO1/W1/O2型エマルション(油中水中油型)等で表せるn層(n=3)の構造、さらにこれらのエマルションが分散媒O2又はW2に分散したW1/O1/W2/O2型エマルション(水中油中水型)やO1/W1/O2/W2型エマルション(油中水中油型)等で表せるn層(n=4)の構造等である。
多層エマルションは、最内層から順に第1相、第2相、第3相の順に形成されている。具体的には、3層構造である3層エマルションの場合、最内層(第1層)を形成する液相が第1相、中間層(第2層)を形成する液相が第2相、最外層(第3層)を形成する液相が第3相である。また、W1/O1/W2型(水中油中水型)エマルションの場合は、第1相が水相(W1)、第2相が油相(O1)、第3相が水相(W2)である。4層以上の多層エマルションについても同様にして、n層エマルション(nは3以上の整数である。)の第j層を形成する液相が第j相(jは3以上n以下の整数である。)である。図1は、多層エマルションの製造方法の一態様を示す概念図であり、O1/W1/W2/O2型の多層エマルションの層と相の関係を示している。第1相の油溶性顔料/トルエン溶液1と第2相の界面活性剤水溶液2を混合し乳化し製粒して2層エマルション3を得る。その2層エマルション3と第3相の界面活性剤/トルエン溶液4を混合し乳化し製粒して3層エマルション5を得、その3層エマルション5と第4相の界面活性剤水溶液6を混合し乳化し製粒して4層エマルション7を得る。
本発明に係る多層エマルション中の液滴(分散質)は、その液滴の最外層を形成する分散媒中に複数個、例えば2個、3個、4個、5以上の整数個、の液滴を含有することができ、それらは異なる種類の分散質であってもよい。このような多層エマルションを特に多層複合エマルションと表すことがある。
本発明において、整粒された多層エマルションとは、多層(n層)エマルションの(n−1)層の液滴の粒度分布が0.5μm(d50)、1.5μm(d90)であるエマルションをいう。粒度分布は、0.3μm(d50)、0.8μm(d90)であると好ましく、0.1μm(d50)、0.3μm(d90)であるとより好ましい。また、(n−1)層の液滴の平均粒径は、0.5μm超であると好ましく、0.3μm超であるとより好ましい。また、(n−1)層の液滴の平均粒径は、5μm以下であると好ましく、1μm以下であるとより好ましい。
なお、2層エマルションと第3層を形成する第3相とを回転剪断で混合乳化すると、平均粒径20μm、2層の液滴の粒度分布が10μm程度の3層エマルションが得られるが、更に高速で攪拌し回転剪断を行うと、3層エマルションの層構造が破壊され始め、3層構造の粒径を小さくしたり、粒径を均一化したりすることが困難になる。
本発明の製粒された多層エマルションの製造方法では、まず、第1層を形成する第1相と、第2層を形成する第2相を混合し、乳化して第1相/第2相型の2層エマルションを調製する(第1次乳化工程)。例えば、2層マルションがO/W型エマルション又はW/O型エマルションであれば、油相と水相、必要により界面活性剤を混合し、乳化する。
乳化方法は、特に限定されず、例えば、高速撹拌装置による撹拌が挙げられるが、液中に気泡が発生しない撹拌方法が好ましい。気泡が発生しないと、界面活性剤の消費が抑えられ、また剪断の効率が高い。泡が発生しない高速撹拌装置としては、例えば、アイビーエスエム製M−Revo、双日マシナリー製泡レスミキサーが挙げられ、たとえ5000rpm程度の回転数で攪拌することにより調製できる。回転数が高いほど液滴の粒径が小さくなり、撹拌時間が長いほど液滴の粒度分布がシャープになる。
その後、得られた第1相/第2相型の2層エマルションと、第2相と溶け合わない液体である第3相を混合し、乳化して、3層エマルションを調製する(第2次乳化工程)。第3相は、3層エマルションの第3層を形成する。第2次乳化工程における、乳化方法は、特に限定されず、例えば、第1次乳化工程と同様に、例えば高速撹拌装置による撹拌が挙げられる。ただし、第2次乳化工程では、高速で攪拌しすぎたり、長時間攪拌しすぎると、多層状態が破壊され、粒度分布が狭くすることが困難である。多層状態が破壊されない程度の乳化は、例えば、高速撹拌装置(双日マシナリー製、泡レスミキサー)を用いて1000〜2000rpmで3〜6分間、好ましくは1500rpmで4〜5分間の条件で行うことができる。
そのため、本発明では、この第2次乳化工程を予備的に行った後、粒度分布が広いままの3層エマルションを、加圧してコイル状細管内に流通させる。コイル状細管内で、3層エマルションは、粒径が整う。これは、コイル状細管内で、エマルションの液滴に背圧と回転力がかかり、凝集複合化が起きるためと考えられる。
イル状細管は、中心径が、5mm〜15mmの範囲であると好ましく、8mm〜12mmの範囲であるとより好ましい。具体的には、例えば10mmが挙げられる。コイル状細管は、配管内径(以下、単に「内径」と表すことがある。)が、多層エマルションの液滴より大きく、多層エマルションが固体粒子を含むときは、固体粒子の粒径より大きければ特に限定されないが、0.09mm〜2.0mmの範囲であると好ましく、0.1mm〜2.0mmの範囲であるとより好ましく、0.15mm〜1.0mmの範囲であると更に好ましく、0.13mm〜1.0mmの範囲であると特に好ましく、0.2mm〜0.4mmの範囲であるとより特に好ましい。具体的には、例えば0.2mm、0.3mm、0.4mmが挙げられる。コイル状細管は、全長が、1cm〜50cmの範囲であると好ましく、5cm〜30cmの範囲であるとより好ましく、10cm〜20cmの範囲であるとより特に好ましい。コイル状細管は、巻き数が、全長10cm当たり10〜30巻であると好ましく、15〜25巻であるとより好ましい。なお、コイル状細管の流路長は、前記の全長と巻き数の積になる。また、多層エマルションの液滴の最外層の粒径は、コイル状細管の中心径、全長、巻数、及び配管内径よりも、多層エマルションの最外層の界面活性剤の割合が影響する傾向にある。また、多層エマルションの液滴の最外層の粒径の均一化は、コイル状細管の全長及び配管内径が影響する傾向にある。コイル状細管は、その周りを熱媒や冷媒(冷却水など)などを流すことができるジャケットで覆うことができる。冷媒を流すときは、コイル状細管内の液の水や有機溶媒などが突沸しないように、冷媒の温度を、10℃〜20℃にすることが好ましい。
3層エマルションのコイル状細管内の流速は、特に限定されないが、60ml/min〜300ml/minの範囲であると好ましく、120ml/min〜270ml/minの範囲であるとより好ましく、150ml/min〜240ml/minの範囲であるとより特に好ましい。また、3層エマルションのコイル状細管内の内温は、特に限定されないが、1℃〜99℃の範囲であると好ましく、5℃〜30℃の範囲であるとより好ましく、10℃〜20℃の範囲であるとより特に好ましい。エマルションの液相として溶融樹脂を用いる場合には、コイル状細管内の内温は、用いる樹脂の融点又はガラス転移温度以下であると好ましい。コイル状細管内は、数十MPa以上、より具体的には100MPa以上圧力をかけると80℃以上となるので、自熱で製粒することもできる。
3層エマルションの加圧条件は、特に限定されないが、コイル状細管の入口で、50〜200MPaの範囲であると好ましく、80〜150MPaの範囲であるとより好ましく、100〜120MPaの範囲であるとより特に好ましい。コイル状細管の出口の圧力は、特に限定されないが、大気圧であると好ましい。3層エマルションの圧力は、コイル状細管の内径、流路長、3層エマルションの粘度などにより異なるが、3層エマルションをコイル状細管に圧送する加圧ポンプの流量調整などにより調整できる。
3層エマルションのコイル状細管内への流通は、1回以上であれば特に限定されないが、繰り返すことができる。回数が多いほど3層エマルション中の2層エマルションの液滴の粒度が揃う。
特定の経路長のコイル状細管を1回流通させる代わりに、経路長を短くしたコイル状細管の流通を複数回行うことができる。流路長を短くしたコイル状細管の流通を複数回行うと、加圧放圧を繰り返すこととなり、液滴の粒径が小さくなると共に、液滴の粒度が揃う傾向にある。
(平均粒径の調整)
3層エマルション中の2層エマルションの液滴の粒径を小さくする場合は、第2次乳化工程において、前述の高速撹拌装置による撹拌等に代えて、又は前述の高速撹拌装置による撹拌に加えて、3層エマルションを加圧して直管状流路に流通させ、流路壁面の背圧による液液剪断によって乳化と分散を行なう液液剪断乳化分散工程を行うことが好ましい。直管状流路では、配管の内壁と流体との間に、流れと反対向きの摩擦力が生じ、エマルションの液滴は高圧液/液剪断によって微細化・分散化傾向に移行すると考えられる。そのため、液液剪断乳化分散工程では、3層エマルション中の2層エマルション構造が破壊されずに、2層エマルションの液滴の粒径が小さくなる傾向にある。
直管状流路の内径は特に限定されないが、0.09mm〜2.0mmの範囲であると好ましく、0.13mm〜1.0mmの範囲であるとより好ましく、0.2mm〜0.4mmの範囲であるとより特に好ましい。具体的には、例えば0.2mm、0.3mm、0.4mmが挙げられる。直管状流路の流路長は特に限定されないが、0.1mm〜500mmの範囲であると好ましく、10mm〜300mmの範囲であるとより好ましく、100mm〜200mmの範囲であるとより特に好ましい。具体的には、例えば50mm、100mm、20mmが挙げられる。
直管状流路は、独立して用いることもできるが、前述のコイル状細管の入口側又は出口側、好ましくは入口側に連通して接続して用いることもできる。
また、3層エマルション中の2層エマルションの液滴の粒径を、より早く小さくする場合は、第2次乳化工程において、前述の高速撹拌装置による撹拌等に代えて、又は前述の高速撹拌装置による撹拌に加えて、3層エマルションを加圧してノズルに流通させて、乳化と分散を行なうノズル乳化分散工程を行うことが好ましい。ノズル部分は、流路の断面積が小さくなるので、ポンプ吐出圧が運動エネルギに変換されて、ジェット流などが生成する。ノズル乳化分散工程では、前述の液液剪断乳化分散工程に比べて、液滴の粒径が小さくなる傾向にある。
ノズルは特に限定されないが、ノズルの出口側で、液圧を多段階で減圧して、出口部で大気に解放してもバブリングが発生しない圧力にまで下げる多段階減圧を行うものが好ましい。このようなノズルとしては、例えば、株式会社美粒製のダイヤモンドノズルが挙げられる。ダイヤモンドノズルは、0.4mmの長さの流路をダイヤモンドが上下で挟む構造となっており、そこを3層エマルションが通過するときに2層エマルションの液滴の分散や破砕が生じうる。流路は、0.1mm〜1mmを設定でき、直径(幅)としては、0.09〜0.13mmを設定できる。このダイヤモンドノズルは、従来の衝突型高圧乳化装置のエネルギのかかり方と類似するが、多段階で高圧から常圧へ戻すため、キャビテーションが起きにくく、2層エマルションの液滴の分散や破砕が少ない。ノズルと別に、前記の多段階減圧を行うこともでき、たとえば、内径の異なる管を、小大中などの順に多段階に連結する方法などが挙げられる。
ノズルは、独立して用いることもできるが、前述のコイル状細管の入口側又は出口側、好ましくは入口側に連通して接続して用いたり、前述の直管状流路の入口側又は出口側、好ましくは入口側に連通して接続して用いたりすることができる。
このようにして、本願発明に係る、整粒された多層エマルションの製造方法では、容易に、粒度分布の狭い、整粒された3層エマルションを製造できる。
同様にして、整粒された又は未整粒の3層エマルションと、第3相と混じり合わない第4相を、混合し、乳化して、4層エマルションを調製する第3次乳化工程を行い、得られた4層エマルションを加圧してコイル状細管内に流通させて3層エマルションの液適の粒径を整える整粒工程を行い、必要により液液剪断乳化分散工程やノズル乳化分散工程を行い、整粒された4層エマルションを製造することができる。
3次乳化工程の条件は多層状態を破壊しない条件であれば特に限定されないが、例えば、高速撹拌装置(双日マシナリー製、泡レスミキサー)を用いて好ましくは50〜1000rpmで3〜6分間、より好ましくは100〜500rpmで4〜5分間の攪拌を行うことができる。
更に同様にして、整粒された5層エマルションなど、n層構造(nは3以上の整数である。)の整粒された多層エマルションを製造できる。
(j−1)層エマルションと、第j層を形成する第j相を混合し、乳化して、j層エマルションを調製する第(j−1)次乳化工程(ここで、jは3以上n以下の整数である。nは3以上の整数である。)の条件は、多層状態を破壊しないようにするため、jが大きいほど、穏やかに乳化することが好ましい。
次に、本発明の整粒された多層エマルションの製造方法に好適な多層エマルションの組成について説明する。
(水相成分)
本発明に係る分散質又は分散媒の水相に用いられる水としては、特に限定されず、水道水、浄水、蒸留水、イオン交換水などを用いることができる。
水相には、染料、紫外線吸収剤、農薬成分、医薬成分、化粧成分、カーボンブラック、その他添加剤などを含有させることができる。
水相に染料を含有させる場合、染料は水溶性であると好ましい。
水相に染料を含有させる場合、染料と共に紫外線吸収剤を添加することにより、染料等の劣化が抑制され、耐光性が向上するため好ましい。なお、紫外線吸収剤は、後述のとおり油相に添加することができ、また、水相及び油相の両方に含有させることもできる。
染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料が挙げられる。
直接染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、19、22、32、38、51、71;C.I.ダイレクトエロー4、26、44、50;C.I.ダイレクトレッド1、4、23、31、37、39、75、80、81、83、225、226、227;C.I.ダイレクトブルー1、15、71、86、106、119が挙げられる。
酸性染料としては、例えば、C.I.アシッドブラック1、2、24、26、31、52、107、109、110、119、154;C.I.アシッドエロー7、17、19、23、25、29、38、42、49、61、72、78、110、141、127、135、142;C.I.アシッドレッド8、9、14、18、26、27、35、37、51、52、57、82、87、92、94、111、129、131、138、186、249、254、265、276、289;C.I.アシッドバイオレッド15、17;C.I.アシッドブルー1、7、9、15、22、23、25、40、41、43、62、78、83、90、93、103、112、113、158;C.I.アシッドグリーン3、9、16、25、27が挙げられる。
食用染料は、その大部分が直接染料または酸性染料に含まれるが、含まれないものの例としては、C.I.フードエロー3があげられる。
塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシックエロー1、2、21;C.I.ベーシックオレンジ2、14、32;C.I.ベーシックレッド1、2、9、14;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7;C.I.ベーシックグリーン4;C.I.ベーシックブラウン12;C.I.ベーシックブラック2、8が挙げられる。
これらの染料は、1種単独、又は2種以上を併用できる。
水相中に染料を含有させる場合、水相中の染料の配合量は特に限定されないが、水相に対して1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。染料濃度が1質量%以上であると粘度に優れる。また、50質量%未満であるとトナーに使用した場合の吐出性に優れる。なお、水相に染料を含有させるときは、水溶性染料の溶解助剤を更に含有させることができる。
農薬成分としては、例えば、従来公知の殺虫剤、除草剤、殺菌剤、土壌改質剤及び植物調節剤が挙げられるが、より具体的にはメチルカルバミン酸3,5−ジメチルフェニルが挙げられる。
これらの農薬成分は、1種単独、又は2種以上を併用できる。
水相中に農薬成分を含有させる場合、水相中の農薬成分の配合量は特に限定されないが、水相に対して1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
医薬成分としては、例えば、解熱鎮痛消炎薬、滋養強壮保健薬、向精神薬、抗うつ薬、抗不安薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善剤、脳循環改善剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、制吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、アレルギー用薬、抗ヒスタミン剤、歯科口腔用薬、強心剤、不整脈用剤、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、血液凝固阻止剤、高脂血症用剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、糖尿病用剤、骨粗しょう症用剤、抗リウマチ薬、骨格筋弛緩薬、鎮けい剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、抗悪性腫瘍剤が挙げられるが、より具体的にはアセチルサリチル酸が挙げられる。
これらの医薬成分は、1種単独、又は2種以上を併用できる。
水相中に医薬成分を含有させる場合、水相中の農薬の配合量は特に限定されないが、水相に対して1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
化粧品成分としては、例えば、ヒアルロン酸、窒化ホウ素、ビタミン類(ビタミンC、ビタミンE、マルチビタミン等)、アルブチン、エラグ酸、CoQ10、コラーゲンが挙げられる。
これらの化粧品成分は、1種単独、又は2種以上を併用できる。
水相中に化粧品成分を含有させる場合、水相中の化粧品成分の配合量は特に限定されないが、水相に対して1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
水相には、必要に応じて親水性有機溶媒を少量添加することができる。親水性有機溶媒としては、水相に容易に溶解するものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン等のアルコール類;アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類;ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。
親水性有機溶媒を使用する場合、親水性有機溶媒の水相全量に対する濃度は、1〜70質量%であると好ましく、10〜50質量%であるとより好ましい。水相中の親水性有機溶媒の濃度がこれらの上限未満であると、水相と油相のエマルションを得ることが容易となる。
水相に含有させる紫外線吸収剤は、水溶性のものであれば特に限定されない。紫外線吸収剤の例としては、酸化セリウム(III、IV)、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2、2’、4、4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩;4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;、フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびその塩、フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸およびその塩等のベンゾイミダゾール系化合物;3−(4’−メチルベンジリデン)−d、l−カンファー、3−ベンジリデン−d、l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステルが挙げられる。
紫外線吸収剤の配合量は特に限定されないが、水相全量に対して0.01〜50質量%が好ましく、0.03〜30質量%がより好ましく、0.05〜10質量%が特に好ましい。
その他添加剤の例としては、公知のpH調整剤、消泡剤、磁性粉、フィラー、フロック形成剤、硬化剤、レベリング剤、流動性促進剤、流動性制御剤、可塑剤、安定化剤、気体発生防止剤、酸化防止剤、光安定化剤、増粘剤、カーボンナノチューブが挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で配合できる。
これらの水相に含有させることができる成分は、液体であっても固体であってもよい。固体の場合、微粒子であると好ましく、その粒径は2.0mm以下であると好ましい。
(油相成分)
本発明に係る分散質又は分散媒の油相としては、有機溶媒、植物性油、動物性油、溶融樹脂などが挙げられる。中でも有機溶媒が好ましい。有機溶媒は、特に限定されないが、他の油相成分を溶解することができ、かつ水と混和しない揮発性の有機溶媒であると好ましく、沸点が130℃以下の無極性溶媒であるとより好ましい。有機溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、1.2−ジクロロエタン、トルエン、n−ヘキサン、イソオクタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−テトラデカンが挙げられ、トルエン、クロロホルムが好ましく、トルエンがより好ましい。これらは1種単独、又は2種以上を併用できる。
植物性油としては、菜種油、オリーブオイル、大豆油、ひまわり油等が挙げられる。これらは1種単独、又は2種以上を併用できる。
動物性油としては、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルチミン酸、ステアリン酸等が挙げられる。これらは1種単独、又は2種以上を併用できる。
溶融樹脂としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、アクリル樹脂等が挙げられる。溶融樹脂を含むエマルションは、溶融樹脂をSとして表し、S/W/O型多層エマルションなどのように表すことができる。なお、溶融樹脂が冷却されて固化した後は、前記のエマルションであれば、溶融樹脂の粒子を含む水相と油相とのエマルションなどになるが、これをS/W/O型(2層)エマルションなどと表すことがある。
油相には、必要に応じて、結着樹脂、紫外線吸収剤、ワックス、電荷制御剤、医薬成分、農薬成分、化粧品成分、顔料、食用油脂、カーボンブラック、その他添加剤を含有させることができる。
結着樹脂としては、有機溶媒に可溶な樹脂であれば特に限定されない。具体的には、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、スチレンとメタクリル酸又はそのエステルとの共重合体、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エステルガム、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、テルペン−フェノール共重合物、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物、フェノール樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースやこれらの共重合体や各種誘導体などがあげられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でもポリエステル樹脂が好ましい。
油相に結着樹脂を含有させる場合、その含有量は油相全量に対し0.1〜30質量%であると好ましく、1〜20質量%であるとより好ましい。結着樹脂の含有量がこの上限より少ないと油相成分の粘度が高くなりすぎず、乳化分散時に十分微細で均一な粒径のエマルションが得られる。
油相に含有させる紫外線吸収剤は、油溶性であると好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム(III、IV);パラアミノ安息香酸(PABA)、PABAモノグリセリンエステル、N、N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N、N−ジエトキシPABAエチルエステル、N、N−ジメチルPABAエチルエステル、N、N−ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2、5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2、4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2、5−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、3、4、5−トリメトキシケイ皮酸3−メチル−4−[メチルビス(トリメチルシリキシ)シリル]ブチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3、3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、オクトクリレンが挙げられる。
紫外線吸収剤の配合量は特に限定されないが、水相全量に対して0.01〜50質量%が好ましく、0.03〜30質量%がより好ましく、0.05〜10質量%が特に好ましい。
なお、紫外線吸収剤は、油相に含有させる他、水溶性のものを水相に含有させることもでき、紫外線吸収剤を水相及び油相の両方に含有させることもできる。
ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、ポリエチレン変性ワックス、ポリプロピレン変性ワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合体;ヒマワリワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうなどの植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペテロラタムなどの鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいはさらに直鎖のアルキル基を有する直鎖アルキルカルボン酸類などの飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは長鎖アルキルアルコールなどの飽和アルコール;ソルビトールなどの多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド;メチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N'−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリレートなどのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化合物;植物性油脂を水素添加することによって得られる水酸基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。これらのワックスは、1種単独、又は2種以上を併用することもできる。
本発明に係るワックスの融点は特に限定されないが、融点が50〜140℃であることが好ましく、60〜120℃であることがより好ましい。融点がこの範囲にあると、本発明に係る多層エマルションからトナーを調製したときに、トナーの定着性と耐オフセット性のバランスが優れる。融点がこれらの下限より高いと、耐ブロッキング性が向上し、これらの上限より低いと耐オフセット効果に優れる。なお本発明においては、ワックスの融点は、示差熱分析(以後、DSCと略称する)において測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度である。
油相中のワックスの含有量は、含有する水相全量に対して1〜50重量%が好ましい。
電荷制御剤としては、例えば、この分野で常用される正帯電性および負帯電性の公知の電荷制御剤が挙げられる。
正帯電性の電荷制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
負帯電性の電荷制御剤としては、例えば、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、ベンジル酸誘導体の金属化合物、サリチル酸等のカルボン酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩、ホウ素錯体または錯塩、負帯電性樹脂型電荷制御剤が挙げられる。なお、金属としては特に限定されないが、例えば、亜鉛、マンガン、鉄、カルシウム、ジルコニウム、アルミニウム、クロム、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
これらの電荷制御剤は油相に含有させることもできるが、それに変えて、または併用して、トナーを調製する際に、後述の本発明に係るマイクロカプセルとは別に、電荷制御剤を加えることができる。
油相に含有させる医薬成分としては、例えば、前述の水相に含有させる医薬成分として例示したものが挙げられる。油相に含有させる医薬成分としては、油溶性のものが好ましい。これらの医薬成分は、1種単独、又は2種以上を併用できる。油相中に医薬成分を含有させる場合、油相中の医薬成分の配合量は特に限定されないが、油相に対して1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
油相に含有させる農薬成分としては、例えば、前述の水相に含有させる農薬成分として例示したものが挙げられる。油相成分に含有させる農薬成分としては、油溶性のものが好ましい。これらの農薬成分は、1種単独、又は2種以上を併用できる。油相中に農薬成分を含有させる場合、油相中の農薬成分の配合量は特に限定されないが、油相に対して1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
油相に含有させる化粧品成分としては、例えば、前述の水相に含有させる化粧品成分として例示したものが挙げられる。油相成分に含有させる化粧品成分としては、油溶性のものが好ましい。これらの化粧品成分は、1種単独、又は2種以上を併用できる。油相中に化粧品成分を含有させる場合、油相中の化粧品成分の配合量は特に限定されないが、油相に対して1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
顔料としては、例えば、有機顔料、無機顔料、カーボンブラックが挙げられ、より具体的には、例えばオリエント化学工業社製OIL SCARLET308、OIL BLUE613、OIL YELLOW129が挙げられる。油相に含有させる顔料としては、油溶性のものが好ましい。これらの顔料は、1種単独、又は2種以上を併用できる。油相中に顔料を含有させる場合、油相中の顔料の配合量は特に限定されないが、油相に対して1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
食用油脂としては、例えば、前述の植物性油、動物性油、機械油等のうち食用のものが挙げられる。より具体的には、例えば大豆油、菜種油が挙げられる。
油相に含有させることができる、その他添加剤としては、例えば、前述の水相に含有させることができる、その他添加剤として例示したものが挙げられる。これらのその他添加剤は、1種単独、又は2種以上を併用できる。
これらの油相に含有させることができる成分は、液体であっても固体であってもよい。固体の場合、微粒子であることが好ましく、その粒径は500μm以下であることが好ましい。
(界面活性剤)
本発明に係る多層エマルションの製造方法においては、油相と水相とでエマルションを調製するために、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤は、両親媒性物質であり、水相と油相との間の界面活性剤においては、HLB値(Hydrophile−Lipophile Balance)で親水性の程度を0から20の数値で表すことができる。HLB値が高い界面活性剤は、親水性が高く、水相の連続相中に油相の液滴が分散するO/W型エマルション(水中油型)の調製に好適に用いることができる。
HLB値が低い界面活性剤は、親油性が高く、油相の連続相中に水相の液滴が分散するW/O型用エマルション(油中水型)の調製に好適に用いることができる。
(W/O型エマルション用界面活性剤)
本発明に係る多層エマルションの製造方法においては、水相、又は最外層が水相のエマルションを液滴にして、油相を連続相とするW/O型エマルションを調製する際は、界面活性剤を用いて乳化分散することが好ましい。また、界面活性剤は、分散媒(連続相)となる油相に溶解させておくことが好ましい。界面活性剤は、W/O型エマルションを形成できるものであれば限定されないが、HLB値が10以下であるものが好ましく、7以下であるものがより好ましく、5以下であるものが特に好ましい。
界面活性剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、およびレシチン類等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステル類としては、例えば、モノグリセリンモノカプリル酸エステル、モノグリセリンモノカプリン酸エステル、モノグリセリンジカプリル酸エステル、モノグリセリンジカプリン酸エステル、モノグリセリンジラウリン酸エステル、モノグリセリンジミリスチン酸エステル、モノグリセリンジステアリン酸エステル、モノグリセリンジオレイン酸エステル、モノグリセリンジエルカ酸エステル、モノグリセリンジベヘニン酸エステル等のモノグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリンカプリル酸コハク酸エステル、モノグリセリンステアリン酸クエン酸エステル、モノグリセリンステアリン酸酢酸エステル、モノグリセリンステアリン酸コハク酸エステル、モノグリセリンステアリン酸乳酸エステル、モノグリセリンステアリン酸ジアセチル酒石酸エステル、モノグリセリンオレイン酸クエン酸エステル等のモノグリセリン脂肪酸有機酸エステル等の脂肪酸の部分グリセリド;
ヘキサグリセリンモノカプリル酸エステル、ヘキサグリセリンジカプリル酸エステル、デカグリセリンモノカプリル酸エステル、トリグリセリンモノラウリン酸エステル、テトラグリセリンモノラウリン酸エステル、ペンタグリセリンモノラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、トリグリセリンモノミリスチン酸エステル、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル、ペンタグリセリントリミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、ジグリセリンモノオレイン酸エステル、トリグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、ペンタグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、ジグリセリンモノステアリン酸エステル、トリグリセリンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、ペンタグリセリンモノステアリン酸エステル、ペンタグリセリントリステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンジステアリン酸エステル、デカグリセリントリステアリン酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;
テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ペンタグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステル類としては、例えば、ショ糖の水酸基の1つ以上に、炭素数が各々6〜18、好ましくは6〜12の脂肪酸をエステル化したものが挙げられ、より具体的には、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステル類としては、例えば、ソルビタン類の水酸基の1つ以上に、炭素数が各々6〜18、好ましくは6〜12の脂肪酸をエステル化したものが挙げられ、より具体的には、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル等が挙げられる。
レシチン類としては、例えば、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、ジセチルリン酸、ステアリルアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトールアミン、カルジオリピン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール、リゾレシチン、及びこれらの混合物が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種を単独又は2種以上を併用することもできる。分散媒(連続相)となる油相に含有させる界面活性剤の濃度は特に限定されないが、油相に対する濃度が0.001〜10重量%であると好ましく、0.01〜7重量%であるとより好ましく、0.1〜5重量%であると特に好ましい。
(O/W型エマルション用界面活性剤)
本発明に係る多層エマルションの製造方法においては、油相、又は最外層が油相のエマルションを液滴にして、水相を連続相とするO/W型エマルションを調製する際は、界面活性剤を用いて乳化分散することが好ましい。また、界面活性剤は、分散媒(連続相)となる水相に溶解させておくことが好ましい。界面活性剤としては、O/W型エマルションを形成できるものであれば限定されないが、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、HLB値が5以上の界面活性剤が好ましく、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコールが好ましい。界面活性剤としては、W/O型エマルションの調製の説明で、界面活性剤でとして例示したものと同じものが挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種を単独又は2種以上を併用することもできる。
分散媒(連続相)となる水相に含有させる界面活性剤の濃度は特に限定されないが、水相に対する濃度が0.001〜10重量%であると好ましく、0.01〜7重量%であるとより好ましく、0.1〜5重量%であると特に好ましい。
第1相が油相であり第2相が水相である第1相/第2相型の2層エマルション、又は、第(j−1)相が油相であり第j相が水相であるj層エマルションを調製する際の、油相に対する水相の仕込み割合、すなわち油相(W/O型エマルション用界面活性剤を含む)に対する水相の仕込み割合は特に限定されないが、水相/油相の質量比が0.01/99.99〜70/30であるのが好ましく、0.1/99.9〜50/50であるのがより好ましく、0.3/99.7〜30/70であるのが特に好ましい。水相と油相の質量比が70/30未満の場合は、油相中の水相分散滴の肥大化が防げ、油相と水相の転相現象を防止でき、安定したW/Oエマルションを調製すること容易である。
次に、本発明の製粒された多層エマルションの製造方法によって調製できた、多層エマルションの具体例を示す。
即ち、本発明の製粒された多層エマルションの製造方法によって、O1/W1/O2/W2型多層エマルションであって、前記O1は非水溶液であり、前記W1は界面活性剤1を含有する水溶液であり、前記O2は界面活性剤2とポリエステル樹脂を含有する非水溶液であり、前記W2はポリビニルアルコールを含有する水溶液であり、前記O1の前記W1に対する割合が体積比で、2/4〜4/4であり、前記界面活性剤1の前記O1に対する率が1.5〜3.5重量%であり、前記O2の前記W1とO1の和に対する割合が体積比で、2/4〜4/4であり、前記界面活性剤2のW2に対する率が1.5〜3.5重量%であり、前記ポリエステル樹脂のO2に対する率が5〜15重量%であり前記ポリビニルアルコールのW2に対する率が0.4〜0.6重量%であり、前記O2の液滴の層の平均粒径が5μm未満である、O1/W1/O2/W2型多層エマルションを製造することができた。
このようにO1、W1、O2、W2の構成にすることにより、5μm以下の粒径のO1/W1/O2/W2型多層エマルションを、前述の製造方法によって容易にO1/W1/O2/W2型多層エマルションを調製することができる。
(カプセル)
本発明の製粒された多層エマルションの製造方法に、更に、多層エマルションを乾燥する工程を行うことによってカプセルを製造することができる。乾燥方法は特に限定されないが、例えば、多層エマルションが、水相と油相を含み、その最外層の連続相が水相の場合は、多層エマルションを静置して液滴を沈降させ、デカンテーションと、真水による洗浄を繰り返し、更に加温して、油相の溶媒を除去して油相を硬化させ、噴霧乾燥などを行うことによりカプセル(マイクロカプセルやナノカプセルなど)の粉末を得ることができる。
(実施例)
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。実施例および比較例における、粒径、粒度分布は、以下の方法で測定した。
(粒径、粒度分布粒子径)
画像解析式粒子径分布測定装置(日機装株式会社製、マイクロトラックSIA)を用いて、粒度分布、平均粒子径を測定した。
(実施例1−1)
染料(オリエント化学工業株式会社製、油溶性顔料elixa Blue648)の10重量%トルエン溶液150gを、界面活性剤としてのモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(花王株式会社製、レオドールTW−L120)5gを水200gに溶解した水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpmで5分間、分散混合し、乳化して、O/W型エマルションを得た(第1次乳化)。
得られたO/W型エマルションを、界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業株式会社製、SYグリスターCR−310)11gとポリエステル樹脂(ユニチカ株式会社製、UE−9900、Tg:90〜100℃)45gをトルエン400gに溶解したトルエン溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(双日マシナリー製、泡レスミキサー)を用いて1500rpmで5分間、分散混合し、乳化して、O/W/O型多層エマルションを得た(第2次乳化)。
得られたO/W/O型多層エマルションは、平均粒径15μm、粒度分布18μm(d50)、30μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O型多層エマルションを、ポンプ(株式会社美粒製、BERYU MINI、ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、直線配管(内径0.2mm、全長100mm)及びその下流側に連通したコイル状細管(内径0.2mm、全長100mm、中心径10mm、巻数30巻)に、流量200cm/分の条件で1回流通(以降「パスする」などということがある。)させて製粒した。
更に、このO/W/O型多層エマルションを、ポンプ(ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.2mm、全長100mm、中心径10mm、巻数30巻)3本を直列に連結した流路に、流量200cm/分の条件で、5パスして製粒し、O/Wの液滴が平均粒径5μm、粒度分布6.7μm(d50)、9μm(d90)である、製粒されたO/W/O型多層エマルションを得た。この2パス後のエマルションの写真を図2に、3パス後のエマルションの写真を図3に、4パス後のエマルションの写真を図4に、5パス後のエマルションの写真を図5に示す。1パス後では1μm以下のO/W型の液滴やその液滴が複数集まった約20μmの大きなO/W型の液滴など様々な液滴があり、5パス後には1μm以下のO/W型の液滴が複数集まって、粒径が約5μm程度に揃っていることが判る。
得られた製粒されたO/W/O型多層エマルション1400gを、ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、ゴーセノールKL−05)12gを2400gの水に溶解した0.5%PVA水溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(双日マシナリー製、泡レスミキサー)を用いて500rpmで5分間、分散混合し、乳化して、コア層に油溶性顔料を導入した未製粒のO/W/O/W型多層エマルションを得た。
得られた未製粒のO/W/O/W型多層エマルションを、ポンプ(株式会社美粒製、BERYU MINI、ポンプ吐出圧80MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻数45巻)に、流量200cm/分の条件で3パスして製粒し、平均粒径10μm、粒度分布12μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/O/W型多層エマルションを得た。
(実施例1−2)
実施例1−1の第二次乳化と同様にして得た不均一なO/W/O型多層エマルションを、ポンプ(株式会社美粒製、BERYU MINI、ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、直線配管(内径0.3mm、全長100mm)及びその下流側に連通したコイル状細管(内径0.3mm、全長100mm、中心径10mm、巻数25巻)に、流量180cm/分の条件で1パスして製粒した。
更に、このO/W/O型多層エマルションを、ポンプ(ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.2mm、全長100mm、中心径10mm、巻数25巻)3本を直列に連結した流路に、流量180cm/分の条件で2パスして製粒した。この1パス後のO/W/O型多層エマルションの写真を図6に、2パス後のO/W/O型多層エマルションの写真を図7に示す。2パス後には粒子径が10μ程度に均一化されていることが判る。
(実施例1−3)
実施例1−1の第二次乳化と同様にして得た不均一なO/W/O型多層エマルションを、ポンプ(株式会社美粒製、BERYU MINI、ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、ダイヤモンドノズル(美粒製、断面が直方体の内孔を有する直管であり、内孔の上下がダイヤモンド製であり上下の幅0.09mm、左右幅0.1mm、長さ0.1mmのノズル)及びその下流側に連通したコイル状細管(内径0.2mm、全長100mm、中心径10mm、巻数30巻)3本を直列に連結した流路に、流量240cm/分の条件で、1パスして製粒した。1パス後の粒度分布の測定結果を図8に示す。
更に、この製粒した染料を、ポンプ(ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長100mm、中心径10mm、巻数25巻)3本を直列に連結した流路に、流量180cm/分の条件で5パスして製粒した。この5パス後の粒度分布の測定結果を図9に示す。
更に、この製粒した染料を、ポンプ(ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.3mm、全長100mm、中心径10mm、巻数25巻)3本を直列に連結した流路に、流量180cm/分の条件で、5パスして製粒した。5パス後の粒度分布の測定結果を図10に、顕微鏡写真を図11に示す。
(実施例1−4)
実施例1−1の第二次乳化と同様にして得た不均一なO/W/O型多層エマルションを、ポンプ(株式会社美粒製、BERYU MINI、ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、ダイヤモンドノズル(美粒製、断面が直方体の内孔を有する直管であり、内孔の上下がダイヤモンド製であり上下の幅0.09mm、左右幅0.1mm、長さ0.1mmのノズル)及びその下流側に連通したコイル状細管(配管内径0.3mm、全長100mm、中心径0.2mm、巻数30巻)3本を直列に連結した流路に、流量200cm/分の条件で、1パスして製粒した。1パス後の粒度分布の測定結果を図12に示す。
更に、この製粒した染料を、ポンプ(ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.3mm、全長100mm、中心径10mm、巻数25巻)3本を直列に連結した流路に、流量180cm/分の条件で5パスして製粒した。この5パス後の粒度分布の測定結果を図13に示す。
更に、この製粒した染料を、ポンプ(ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.2mm、全長100mm、中心径10mm、巻数25巻)3本を直列に連結した流路に、流量180cm/分の条件で5パスして製粒した。この5パス後の粒度分布の測定結果を図14に示す。
更に、この製粒した染料を、ポンプ(ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.2mm、全長100mm、中心径10mm、巻数25巻)3本を直列に連結した流路に、流量180cm/分の条件で30パスして製粒した。30パス後の粒度分布の測定結果を図15に、顕微鏡写真を図16に示す。
(比較例1)
染料(オリエント化学工業株式会社製、油溶性顔料elixa Blue648)の10重量%トルエン溶液150gを、界面活性剤としてのモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(花王株式会社製、レオドールTW−L120)5gを水200gに溶解した水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpmで5分間、分散混合し、乳化してO/W型エマルションを得た。
次いで、得られたO/W型エマルションを、界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業株式会社製、SYグリスターCR−310)11gとポリエステル樹脂(ユニチカ株式会社製、UE−9900、Tg:90〜100℃)45gをトルエン400gに溶解したトルエン溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(双日マシナリー製、泡レスミキサー)1500rpmで5分間、分散混合し、乳化して、未製粒のO/W/O型多層エマルションを得た。
得られた未製粒のO/W/O型多層エマルションを、衝突型高圧乳化装置(吉田機械興業社製、商品名;卓上実験機L−ES)を用いて、ポンプ吐出圧100MPa、200ml/minの条件で製粒した。1パス後のエマルションの粒度分布の測定結果を図17に、顕微鏡写真を図18に示す。エマルションが破壊されていることが判る。
(比較例2)
比較例1と同様にして得た未製粒のO/W/O型多層エマルションを、衝突型高圧乳化装置(スギノマシン社製、商品名;スターバーストminimo)を用いて、ポンプ吐出圧100MPa、200ml/minの条件で製粒した。1パス後のエマルションの粒度分布の測定結果を図19に、顕微鏡写真を図20に示す。エマルションが破壊されていることが判る。
(実施例2)
界面活性剤(RHEODOL TW−L120)5gを溶解した水200gに、トルエン溶液150gを注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpmで5分間、分散混合し、乳化してO/W型エマルションを得た。
得られたO/W型エマルションを、染料(オリエント化学工業株式会社製 油溶性顔料elixa Blue648)の10%トルエン溶液100g、界面活性剤(阪本薬品工業製、ポリグリセリン脂肪酸エステル、SYグリスターCR−310)11g、及びポリエステル樹脂(ユニチカ製、UE−9900)45gをトルエン300gに溶解したトルエン溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて1500rpmで5分間分散混合し、乳化して未製粒のO/W/O型多層エマルションを得た。
得られた未製粒のO/W/O型多層エマルションを、実施例1−1と同様にしてポンプ吐出圧100MPa、流量200ml/minの条件で製粒し、O/Wの液滴が平均粒径0.3μm、粒度分布0.35μm(d50)、0.55μm(d90)である、製粒されたO/W/O型多層エマルションを得た。
得られた製粒されたO/W/O型多層エマルション1400gを、ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、ゴーセノールKL−05)12gを2400gの水に溶解した0.5%PVA水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて500rpmで5分間、分散混合し、乳化してシェル層に油溶性顔料を導入したO/W/O/W型多層エマルションを得た。
得られたO/W/O/W型多層エマルションは、平均粒径17μm、粒度分布23μm(d50)、37μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O/W型多層エマルションを、ポンプ(ポンプ吐出圧80MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻45数巻)に、流量100ml/minの条件で2パスして製粒し、O/W/O型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布12μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/O/W型多層エマルションを得た。
(実施例3)
染料(オリエント化学工業株式会社製、油溶性顔料elixa Blue648)の10重量%トルエン溶液150gを、界面活性剤としてのモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(花王株式会社製、レオドールTW−L120)5gを水200gに溶解した水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpmで5分間、分散混合し、乳化してO/W型エマルションを得た。
得られたO/W型エマルションを、染料(オリエント化学工業製、油溶性顔料elixa Blue648)の10%トルエン溶液100g、界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業株式会社製、SYグリスターCR−310)11g、ポリエステル樹脂(ユニチカ株式会社製、UE−9900、Tg:90〜100℃)45gをトルエン300gに溶解したトルエン溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて1500rpmで5分間、分散混合し、乳化してO/W/O型多層エマルションを得た。
得られた未製粒のO/W/O型多層エマルションを、実施例1−1と同様にしてポンプ吐出圧100MPa、流量200ml/minの条件で製粒し、O/Wの液滴が平均粒径0.3μm、粒度分布0.4μm(d50)、0.75μm(d90)である、製粒されたO/W/O型多層エマルションを得た。
得られた製粒されたO/W/O型多層エマルション1400gを、ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、ゴーセノールKL−05)12gを2400gの水に溶解した0.5%PVA水溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(双日マシナリー製、泡レスミキサー)を用いて500rpmで5分間、分散混合し、乳化して、コアシェル層両方に油溶性顔料を導入したO/W/O/W型多層エマルションを得た。
得られたO/W/O/W型多層エマルションは、平均粒径25μm、粒度分布27μm(d50)、38μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O/W型多層エマルションを、ポンプ(株式会社美粒製、BERYU MINI、ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻45数巻)に、流量200ml/minで2パスして製粒し、O/W/O型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布12μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/O/W型多層エマルションを得た。
(液中乾燥)
製粒したO/W/O/W型多層エマルションを2時間程度静置し、O/W/O/W型多層エマルションが沈降したら、上層部をデカンテーションにて除去し、残分に真水を加えて軽く攪拌し、そのまま静置した。その後、同様にデカンテーションをして、真水を加えて静置する操作を5回繰り返し、ポリビニルアルコールを完全に除去した。その後、スリーワンモーターを用いて100rpm程度で攪拌しながら、トルエン(関東化学)をゆっくりと除去した。トルエンが除去されることにより、O/W/O/W型多層エマルション中のシェル層が硬化し、さらに噴霧乾燥することにより、O/W/O/W型多層エマルションのマイクロカプセル粉末を得た。
(実施例4)
カーボンブラック(旭カーボン株式会社製、SB260)の1w%トルエン分散懸濁液30gをトルエン150gに混合し、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpm、5分間、分散混合して分散懸濁液を得た。
この分散懸濁液を、界面活性剤(RHEODOL TW−L120)5gを溶解した水200gに注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpm、5分間、分散混合し、乳化してS/O/W型エマルションを得た。得られたカーボンブラックのS/O/W型エマルションを、別に用意した界面活性剤(阪本薬品工業製、ポリグリセリン脂肪酸エステル、SYグリスターCR−310)11gとポリエステル樹脂(UE−9900)45gをトルエン400gに溶解したトルエン溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて1500rpmで、5分間、分散混合し、乳化してS/O/W/O型多層エマルションを得た。
得られた、S/O/W/O型多層エマルションを、ポンプ(株式会社美粒製、BERYU MINI、ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、直線配管(内径0.4mm、全長100mm)及びその下流側に連通したコイル状細管(内径0.4mm、全長100mm、中心径10mm、巻数15巻)に、流量120cm/分の条件で10パスして製粒した。
更に、このS/O/W/O型多層エマルションをポンプ(ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、ダイヤモンドノズル(美粒製、断面が直方体の内孔を有する直管であり、内孔の上下がダイヤモンド製であり上下の幅0.09mm、左右幅0.1mm、長さ0.1mmのノズル、及びその下流側に連通させた、コイル状細管(内径0.4mm、全長100mm、中心径10mm、巻数15巻)に、流量120cm/分の条件で10パスして製粒した。
更に、このS/O/W/O型多層エマルションをポンプ(ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.3mm、全長100mm、中心径10mm、巻数15巻)3本を直列に連結した流路に、流量120cm/分の条件で4パスして製粒し、S/O/W型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布12μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたS/O/W/O型多層エマルションを得た。
製粒したS/O/W/O型多層エマルション1400gを、ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、ゴーセノールKL−05)12gを2400gの水に溶解した0.5%PVA水溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(双日マシナリー製、泡レスミキサー)を用いて500rpmで5分間、分散混合し、乳化して、コア層にカーボンブラック分散液を導入したS/O/W/O/W型多層エマルションを得た。得られたS/O/W/O/W型多層エマルションは不均一であった。得られた未製粒のS/O/W/O/W型多層エマルションの顕微鏡写真を図21に示す。
この粒径の未製粒のS/O/W/O/W型多層エマルションを、ポンプ(株式会社美粒製、BERYU MINI、ポンプ吐出圧80MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻数45巻)に、流量100ml/minの条件で製粒し、O/W/S/O型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布13μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/S/O/W型多層エマルションを得た。この製粒されたO/W/S/O/W型多層エマルションの顕微鏡写真を図22に示す。
(実施例5)
トルエン150gを、界面活性剤(花王ケミカル株式会社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、RHEODOL TW−L120)5gを水200gに溶解した水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpm、5分間、分散混合し、乳化してO/W型エマルションを得た。
得られたO/W型エマルションを、界面活性剤(阪本薬品工業製、ポリグリセリン脂肪酸エステル、SYグリスターCR−310)11gとカーボンブラック(産総研スーパーグロース法SWCNT)の1w%トルエン分散懸濁液30gとポリエステル樹脂(UE−9900)45gをトルエン400gに溶解したトルエン溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて1500rpm、5分間、分散混合してO/W/S/O型多層エマルションとして乳化した。
得られたO/W/S/O型多層エマルションは、平均粒径15μm、粒度分布18μm(d50)、34μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/S/O型多層エマルションを、ポンプ(ポンプ吐出圧80MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻数45巻)に、流量100ml/minで2パスし、O/W型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布13μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/S/O型多層エマルションを得た。
得られたO/W/S/O型多層エマルション1400gを、別に用意したポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、ゴーセノールKL−05)12gを2400gの水に溶解した0.5%PVA水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて1500rpm、5分間、分散混合してシェル層にカーボンブラック分散液を導入したO/W/S/O/W型多層エマルションを得た。
得られたO/W/S/O/W型多層エマルションは、平均粒径15μm、粒度分布19μm(d50)、30μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/S/O/W型多層エマルションを、ポンプ(ポンプ吐出圧80MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻数45巻)に、流量100ml/minの条件で3パスして製粒し、O/W/S/O型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布13μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/S/O/W型多層エマルションを得た。
(実施例6)
カーボンブラック(旭カーボン株式会社製、SB260)の1w%トルエン分散懸濁液30gをトルエン150gに混合し、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpmで5分間、分散混合し、乳化して分散懸濁液を得た。この分散懸濁液を、界面活性剤(RHEODOL TW−L120)5gを水200gに溶解した水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpmで5分間、分散混合し、乳化してS/O/W型多層エマルションを得た。
得られたカーボンブラックのS/O/W型多層エマルションを、界面活性剤(SYグリスターCR−310)11g、カーボンブラック(旭カーボン株式会社製、SB260)の1w%トルエン分散懸濁液30g、ポリエステル樹脂(UE−9900)45gをトルエン400gに溶解したトルエン溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(泡レスミキサー)、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて1500rpm、5分間、分散混合して、S/O/W/S/O型多層エマルションとして乳化した。
得られたS/O/W/S/O型多層エマルションは、平均粒径17μm、粒度分布20μm(d50)、40μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なS/O/W/S/O型多層エマルションを、実施例1−1と同様にしてポンプ吐出圧80MPa、流量100ml/minの条件で製粒し、S/O/W型の液滴が平均粒径5μm、粒度分布7μm(d50)、9μm(d90)である、製粒されたS/O/W/S/O型多層エマルションを得た。
その後、前述のS/O/W/O型多層エマルション1400gを、別に用意したポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、ゴーセノールKL−05)12gを2400gの水に溶解した0.5%PVA水溶液に注ぎ、コア層及びシェル層にカーボンブラック分散液を導入したS/O/W/S/O/W型多層エマルションを得た。
得られたS/O/W/S/O/W型多層エマルションは、平均粒径18μm、粒度分布23μm(d50)、40μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なS/O/W/S/O/W型多層エマルションを、ポンプ(ポンプ吐出圧80MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻数45巻)に、流量100ml/minの条件で2パスして製粒し、S/O/W/S/O型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布13μm(d50)、16μm(d90)である、製粒されたS/O/W/S/O/W型多層エマルションを得た。
(実施例7)
農薬(メチルカルバミン酸3,5−ジメチルフェニル)5gをトルエン100gに溶解し、界面活性剤(RHEODOL TW−L120)5gを水200gに溶解した水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpm、5分間、分散混合し、乳化してO/W型エマルションを得た。
得られたO/W型エマルションを、界面活性剤(SYグリスターCR−310)11gとポリエステル樹脂(UE−9900)45gをトルエン400gに溶解したトルエン溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて1500rpm、5分間、分散混合して分散混合して、O/W/O型多層エマルションとして乳化した。
得られたO/W/O型多層エマルションは、平均粒径20μm、粒度分布25μm(d50)、40μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O型多層エマルションを、実施例1−1と同様にしてポンプ吐出圧100MPa、流量200ml/minの条件で製粒し、O/W型の液滴が平均粒径12μm、粒度分布22μm(d50)、25μm(d90)である、製粒されたO/W/O型多層エマルションを得た。
その後、前述のO/W/O型多層エマルション1400gを、別に用意したポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、ゴーセノールKL−05)12gを水2400gに溶解した0.5%PVA水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて500rpm、5分間、分散混合して、コア層に農薬を導入したO/W/O/W型多層エマルションを得た。
得られたO/W/O/W型多層エマルションは、平均粒径22μm、粒度分布25μm(d50)、44μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O/W型多層エマルションを、ポンプ(ポンプ吐出圧)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻数45巻)に、流量200ml/minの条件で2パスして製粒し、O/W/O型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布12μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/O/W型多層エマルションを得た。
(実施例8)
大豆油の20%トルエン溶液150gを、界面活性剤(RHEODOL TW−L120)5gを水200gに溶解した水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpm、5分間、分散混合し、乳化してO/W型エマルションを得た。
得られたO/W型エマルション溶液を、界面活性剤(SYグリスターCR−310)11gとポリエステル樹脂(UE−9900)45gをトルエン400gに溶解したトルエン溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて1500rpm、5分間、分散混合し、乳化してO/W/O型多層エマルション溶液を得た。
得られたO/W/O型多層エマルションは、平均粒径20μm、粒度分布23μm(d50)、38μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O型多層エマルションを、実施例1−1と同様にしてポンプ吐出圧100MPa、200ml/minの条件で製粒し、O/W型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布12μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/O型多層エマルションを得た。
得られた製粒されたO/W/O型多層エマルション1400gを、ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、ゴーセノールKL−05)12gを2400gの水に溶解した0.5%PVA水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて500rpm、5分間、分散混合して、コア層に大豆油を導入したO/W/O/W型多層エマルションを得た。
得られたO/W/O/W型多層エマルションは、平均粒径18μm、粒度分布24μm(d50)、37μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O/W型多層エマルションを、ポンプ(ポンプ吐出圧100MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻数45巻)に、流量200ml/minの条件で2パスして製粒し、O/W/O型の液滴が平均粒径11μm、粒度分布12μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/O/W型多層エマルションを得た。
(実施例9)
大豆油の20%トルエン溶液150gを、ヒアルロン酸(化粧品用)1gと界面活性剤(RHEODOL TW−L120)5gを溶解した水200gに注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpm、5分間、分散混合し、乳化して、油層に大豆油、水層にヒアルロン酸を含むO/W型エマルションを得た。
得られたO/W型エマルション溶液を、別に用意した界面活性剤(SYグリスターCR−310)11gとポリエステル樹脂(UE−9900)45gをトルエン400gに溶解して得たトルエン溶液に注ぎ込み、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて1500rpm、5分間、分散混合し、乳化してO/W/O型多層エマルションを得た。
得られたO/W/O型多層エマルションは、平均粒径14μm、粒度分布16μm(d50)、38μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O型多層エマルションを、実施例1−1と同様にしてポンプ吐出圧100MPa、流量200ml/minの条件で製粒し、O/W型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布12μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/O型多層エマルションを得た。
得られた整粒されたO/W/O型多層エマルション1400gを、ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、ゴーセノールKL−05)12gを2400gの水に溶解した0.5%PVA水溶液に注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて500rpm、5分間、分散混合して乳化し、コア層に大豆油、シェル層とコア層の間の水層にヒアルロン酸を導入したO/W/O/W型多層エマルションを得た。
得られたO/W/O/W型多層エマルションは、平均粒径25μm、粒度分布30μm(d50)、47μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O/W型多層エマルションを、ポンプ(ポンプ吐出圧80MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻数45巻)に、流量120ml/minの条件で2パスして製粒し、O/W/O型の液滴が平均粒径13μm、粒度分布14μm(d50)、18μm(d90)である、製粒されたO/W/O/W型多層エマルションを得た。
(実施例10)
低Tgポリエステル樹脂(ユニチカ製、商品名エリーテルUE−3320、ガラス転移温度40℃)36.75gを有機溶媒(トルエン関東化学社製)100.35gに溶解したトルエン溶液150gを、界面活性剤(RHEODOL TW−L120)を2.5wt%で含有する水溶液196gに注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて5000rpm、5分間、分散混合し、乳化して、油相に低Tgポリエステル樹脂を含むO/W型エマルションを得た。
次いで、得られたO/W型エマルションを、界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業製、SYグリスターCR−310)11gと高Tgポリエステル樹脂(ユニチカ社製、商品名エリーテルUE−9900、ガラス転移温度132℃)45gをトルエン400gに溶解したトルエン溶液へ注ぎ込み、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて1500rpm、5分間、分散混合してO/W/O型多層エマルション溶液として乳化した。
得られたO/W/O型多層エマルションは、平均粒径14μm、粒度分布16μm(d50)、25μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O型多層エマルションを、実施例1−1と同様にしてポンプ吐出圧100MPa、流量200ml/minの条件で製粒し、O/W型の液滴が平均粒径0.3μm、粒度分布0.4μm(d50)、0.7μm(d90)である、製粒されたO/W/O型多層エマルションを得た。
得られたO/W/O型多層エマルション800gを、ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、ゴーセノールKL−05)を水に溶解した0.5wt%PVA水溶液2401gに注ぎ、高速撹拌装置(泡レスミキサー)を用いて500rpm、5分間、分散混合してコア層に低Tgポリエステル樹脂、シェル層に高Tgポリエステル樹脂を導入したO/W/O/W型多層エマルションを得た。
得られたO/W/O/W型多層エマルションは、平均粒径15μm、粒度分布23μm(d50)、31μm(d90)であり粒径が不均一であった。この粒径の不均一なO/W/O/W型多層エマルションを、ポンプ(ポンプ吐出圧80MPa)で加圧し、コイル状細管(内径0.4mm、全長300mm、中心径10mm、巻数45巻)に、流量150ml/minの条件で2パスして製粒し、O/W/O型の液滴が平均粒径10μm、粒度分布12μm(d50)、15μm(d90)である、製粒されたO/W/O/W型多層エマルションを得た。
1 油溶性顔料/トルエン溶液
2 界面活性剤水溶液
3 2層エマルション
4 界面活性剤/トルエン溶液
5 3層エマルション
6 界面活性剤水溶液
7 4層エマルション

Claims (13)

  1. n層構造であり(nは3以上の整数である。)、整粒された多層エマルションの製造方法であって、
    第1層を形成する第1相と、第2層を形成する第2相を混合し、乳化して第1相/第2相型の2層エマルションを調製する第1次乳化工程、
    (j−1)層エマルションと、第j層を形成する第j相を混合し、乳化して、j層エマルションを調製する第(j−1)次乳化工程(ここで、jは3以上n以下の整数である。)、及び
    k層エマルションを加圧してコイル状細管内に流通させて(k−1)層エマルションの液適の粒径を整える整粒工程を含む(ここで、kは3以上n以下の少なくとも1つの整数である。)、整粒された多層エマルションの製造方法。
  2. 前記第(j−1)次乳化工程は、j層エマルションを加圧して直管状流路に流通させ、流路壁面の背圧による液液剪断によって乳化と分散を行なう液液剪断乳化分散工程を含む、請求項1に記載の整粒された多層エマルションの製造方法。
  3. 前記第(j−1)次乳化工程は、j層エマルションを加圧してノズルに流通させて、乳化と分散を行なうノズル乳化分散工程を更に含む、請求項1又は2に記載の整粒された多層エマルションの製造方法。
  4. 前記ノズルの出口側で、液圧を多段階で減圧して、出口部で大気に解放してもバブリングが発生しない圧力にまで下げる多段階減圧を行う、請求項3に記載の整粒された多層エマルションの製造方法。
  5. 前記の整粒された多層エマルションの第3層目の粒径が2mm未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の整粒された多層エマルションの製造方法。
  6. 前記コイル状細管の配管内径は0.09mm〜2.0mmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の整粒された多層エマルションの製造方法。
  7. 前記整粒された多層エマルションはO1/W1/O2/W2型多層エマルションであ
    前記O1は非水溶液であり、
    前記W1は界面活性剤1を含有する水溶液であり、
    前記O2は界面活性剤2とポリエステル樹脂を含有する非水溶液であり、
    前記W2はポリビニルアルコールを含有する水溶液であり、
    前記O1の前記W1に対する割合が体積比で、2/4〜4/4であり、
    前記界面活性剤1の前記O1に対する率が1.5〜3.5重量%であり、
    前記O2の前記W1とO1の和に対する割合が体積比で、2/4〜4/4であり、
    前記界面活性剤2のW2に対する率が1.5〜3.5重量%であり、
    前記ポリエステル樹脂のO2に対する率が5〜15重量%であり
    前記ポリビニルアルコールのW2に対する率が0.4〜0.6重量%であり、
    前記O2の液滴の層の平均粒径が5μm未満である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
  8. O1及び/又はO2は更に油溶性顔料を含有する、請求項7に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
  9. O1は更に農薬を含有する、請求項7に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
  10. O1は更に大豆油を含有する、請求項7に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
  11. W1は更にヒアルロン酸含有する、請求項10に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
  12. O1及び/又はO2は更にカーボンブラックを含有する、請求項7に記載の整粒された多層エマルションの製造方法
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法で整粒された多層エマルションを製造する工程、及びその多層エマルションを乾燥する工程を含む、カプセルの製造方法。
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