JP5801813B2 - ジアンヒドロヘキシトールのジアルキルカーボネートを調製するための方法 - Google Patents

ジアンヒドロヘキシトールのジアルキルカーボネートを調製するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類の新規調製方法、この方法により得られた特定の新規ジアルキルカーボネート類、および合成ポリマーの調製における、詳細にはポリカーボネート類およびポリカルバメート類の合成向けの(コ)モノマーとして、またはカーボネート官能基と反応することのできる反応性末端基を含むポリマーの分子量を増大させるための鎖延長剤としての、ジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類の使用に関する。
ポリカーボネート類は、ジオール類およびジフェニルカーボネート、ホスゲンまたはジホスゲンの重縮合によって従来得られる非晶質熱可塑性材料である。
ジフェニルカーボネートを使用した場合に不可避的に形成されるフェノール、またはホスゲン、ジホスゲンの毒性は、ポリカーボネート類の合成における大きな不利点となっている。
短期で再生可能な生物学的資源に由来するポリマー材料の開発は、油などの化石資源の枯渇およびそのコストの上昇に直面して生態学的かつ経済的な急務となってきた。
このような状況下で、植物(多)糖類に由来するジアンヒドロヘキシトールを重縮合反応においてジヒドロキシル化モノマーとして使用することは、石油化学由来のモノマーの代用品としての将来性ある取り組みであるように思われる。
イソソルビド系ポリカーボネートの調製については、欧州特許第2033981号明細書中で記述されている。この文書は、イソソルビド、少なくとも1つの第2の脂環式ジオールおよびジフェニルカーボネートの混合物の重縮合について記述している。上述の通り、この方法は、重合反応の副産物としてフェノールを生成するという不利点を示した。
2006年の「Macromolecules」中、9061〜9070の「Cyclic and Noncyclic Polycarbonates of Isosorbide (1,4:3,6−dianhydro−D−glucitol)」という題のSaber Chattiによる研究論文は、イソソルビド系重縮合物の合成のためのさまざまな経路を想定している。第1の合成経路は、100℃〜200℃の温度で、4モル当量のジメチルまたはジエチルカーボネートの存在下およびカリウム第3ブトキシド(KOtBu)、錫ジオクタノエート(SnOct)およびチタンテトラブトキシド(Ti(OBu))から選択された触媒の存在下でイソソルビドを加熱することからなるが、ここではイソソルビドポリカーボネート類を得ることができないことが記載されている。この研究論文の著者らによると、2時間超の間200℃で反応させた後、未反応イソソルビドが回収される。この失敗は、出願人企業により確認されており、出願人は、カリウム第3ブトキシド、錫ジオクタノエートまたはチタンテトラブトキシドの存在下でイソソルビドとジメチルカーボネートの混合物を加熱した結果として、高い割合のイソソルビドアルキルエーテル類と低い割合のイソソルビドメチルカーボネートを含むか、さらにはイソソルビドメチルカーボネートの割合がゼロでさえある混合物がもたらされるということを観察した。したがって、これら3つの触媒は、同時にあるいは単にエステル化触媒であり、本発明で所望されているような単にエステル交換触媒であるわけではないということが判明している。これらが、ジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類を選択的に形成することを可能にすることはなく、したがって、間接的にはポリマー(ポリカーボネート類)の調製を目的として使用できない。
Saber Chattiによる研究論文は、他の2つの合成経路について記載しているが、これらは両方共、毒性、そして実際には高度の毒性さえ有する反応物質または溶媒(ホスゲン、ジホスゲン、ピリジン、イソソルビドビクロロホルメート)の使用を必要とするという不利点を有する。
ジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類の調製については、米国特許出願公開第2004/241553号明細書中にも記載されている。この文書には、ジアンヒドロヘキシトールとクロロホルメートエステルとの反応によるジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)の製造のための方法が記載されている。この製造方法には、毒性化合物すなわちクロロホルメートエステルが関与するという大きな不利点がある。
特開平6−261774号公報にも同様に、ジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)の調製方法について記載されている(実施例5)。しかしながら、この調製方法にも同様に、毒性クロロホルム実体が関与している。
欧州特許第2033981号
本発明は、さらに特定の反応条件下で使用された場合にこれまで単離されたことの全くないものをいくつか含めた一部の特別に選択された触媒が、事実上定量的な収量でかつ毒性反応物質を使用することなく、ジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類を得ることを可能にするという発見事実に基づくものである。
ここで、出願人企業は、「事実上定量的な」という用語により、70%超、好ましくは75%以上そしてさらにより好ましくは80%以上のジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)収量、あるいは90%超のジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)とオリゴマーの収量を意味している。本発明の新規な方法を用いて純粋または事実上純粋な形態でジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類を入手することにより、毒性反応物質を使用することなく、ジアンヒドロヘキシトール類、詳細にはイソソルビドに基づくポリカーボネート類の調製が可能になる。本発明のジアンヒドロヘキシトールジ(エチルカーボネート)類は、フェノールまたはそれよりも少ないレベルでメタノールなどの毒性副産物を全く発出することなく、ポリカーボネート類またはポリカルバメート類を合成することさえ可能にする。
本発明の内容は、したがって、構造式(I)
Figure 0005801813
(式中、各Rは独立して、直鎖または分岐アルキル基、好ましくはC1−6アルキル基、詳細にはメチルまたはエチル基を表わす)のジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類の調製方法であって、
(a)− 少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールと;
− 存在するジアンヒドロヘキシトールの量との関係において少なくとも2モル当量の、構造式R−O−C(=O)−O−R(Rは上述の意味を有する)の少なくとも1つのジアルキルカーボネートと;
− エステル交換触媒と、
を含む出発反応混合物を調製するステップと;
(b)得られたアルコールまたはそれが反応混合物中に存在する成分のうちの別の成分と共に形成する共沸混合物を反応混合物から分離するのに充分な数の理論的蒸留トレイを含む精留塔を好ましくは備えた反応装置内において、エステル交換反応により形成されたアルコールR−OHの沸点以上または得られたアルコールR−OHが反応混合物中に存在する成分のうちの別の成分と共に形成する共沸混合物の沸点以上で、かつ最高でも反応混合物の沸点に等しい温度まで、反応混合物を加熱するステップと;
を順番に含む方法である。
本発明において使用される「1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール」または「ジアンヒドロヘキシトール」という用語は、イソソルビド(D−グルシトールの脱水により得られる)、イソマンニド(D−マンニトールの脱水により得られる)およびイソイジド(D−イジトールの脱水により得られる)を包含する。
ステップ(a)で調製された反応混合物は、1つ以上のジアンヒドロヘキシトール類を含むことができるが好ましくは、唯1つのジアンヒドロヘキシトール、詳細には他の2つの立体異性体よりも大量にかつより低価格で入手可能であるイソソルビドを含む。
本発明の中核となる反応は、エステル交換反応である。二官能性誘導体すなわち、2つのヒドロキシル官能基がアルキルカーボネートR−O−(C=O)−O−官能基に変換されているジアンヒドロヘキシトール分子の充分な画分を得るためには、出発反応媒質内に、ジアンヒドロヘキシトールが担持するヒドロキシル官能基と少なくとも同じモル数のジアルキルカーボネート、換言するとジアンヒドロヘキシトールのモル数の2倍のモル数のジアルキルカーボネートを導入することが必要である、ということは容易に理解されるものである。
しかしながら、2:1(ジアルキルカーボネート:ジアンヒドロヘキシトール)のモル比の使用は、一般的に最適ではない。これは、反応中に形成されたジアンヒドロヘキシトールモノ(アルキルカーボネート)およびジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)がなお未反応のジアンヒドロヘキシトールと反応し得、その結果ダイマーまたはオリゴマーの形成がもたらされるからである。このダイマーまたはオリゴマーの形成は、大幅に余剰のジアルキルカーボネートを使用することにより効果的に阻害され得る。以下の応用例は、ジエチルカーボネートまたはジメチルカーボネートの余剰分が多くなればなるほど、オリゴマーの画分は低くなるということを具体的に示している。40超のモル余剰は、オリゴマー画分をおよそ5%、好ましくはおよそ1%に制限することを可能にする。
しかしながら、非常に大量のジアルキルカーボネート余剰分の使用には不利な点がないわけではない。これには生産設備の望ましくない増設が常に関与するからである。さらに、最初に使用されるジエチルキルカーボネートの余剰分が多くなればなるほど、エステル交換反応の終りでこの反応物質を得られた生成物から蒸発によって除去するために、より多くのエネルギーを利用しなければならないことが考えられる。したがって、各々の場合について、大幅に余剰のジアルキルカーボネートを必要とするジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)の最適な含有量と、つねに所望される生産コストの削減の間の妥協点を見出すことが賢明である。
したがって、ステップ(a)で調整された出発反応混合物は、ジアンヒドロヘキシトールの量との関係において2.1〜100モル当量、好ましくは5〜60モル当量そして詳細には10〜40モル当量のジアルキルカーボネートを含むことが有利である。
メタノールの場合がそうであるように、エステル交換反応により生成されたアルコールが、出発ジメチルカーボネートと共沸混合物を形成する場合、この混合物の蒸発が反応物質を「消費する」。このような場合、ジアルキルカーボネート当量の最少数が、2という理論値より大きいということは明白である。当然のことながら、この最少数は、共沸混合物の割合に左右され、共沸混合物中のジアルキルカーボネートの画分が増大するにつれて増加するものである。したがってMeOH/DMC(70/30)共沸混合物の場合、出発反応混合物中に導入する必要のあるDMC当量の最少数は2.9に等しい。
本発明の方法において使用されるエステル交換触媒は、好ましくは、
− 酸触媒;
− アルカリ金属およびアルカリ土類金属カーボネート類およびヒドロゲンカーボネート類;
− アルカリ金属およびアルカリ土類金属ヒドロキシド類;
− アルカリ金属およびアルカリ土類金属ホスフェート類、ヒドロゲンホスフェート類およびジヒドロゲンホスフェート類;
− アンモニウムカーボネート類、アンモニウムヒドロゲンカーボネート類、アンモニウムヒドロキシド類、アンモニウムホスフェート類、アンモニウムヒドロゲンホスフェート類およびアンモニウムジヒドロゲンホスフェート類から選択されたアンモニウム塩;および
− アミン類、詳細には芳香族アミン類およびアルキルアミン類
の1つ以上から選択される。
当該のアンモニウム塩は、第1級、第2級、第3級または第4級アンモニウム塩であり得る。
アミンは、第1級、第2級または第3級、詳細には第2級または第3級アミンであり得る。
ステップ(a)で調製された出発反応混合物は、ジアンヒドロヘキシトールの量との関係において好ましくは0.1〜10モル当量、詳細には1〜5モル当量そして非常に詳細には1〜3モル当量のエステル交換触媒を含む。
エステル交換触媒としては、硫酸、パラ−トルエンスルホン酸、燐酸、カリウムカーボネート、ナトリウムカーボネート、バリウムカーボネート、セシウムカーボネート、カリウムヒドロゲンカーボネート、ナトリウムヒドロゲンカーボネート、リチウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、ナトリウムヒドロキシド、カルシウムヒドロキシド、ヒドロタルサイト類、ナトリウムホスフェート、カリウムホスフェート、ピリジン、トリエチルアミンおよびジイソプロピルアミンに言及してよい。
さらにより好ましくは、本発明の方法において使用されるエステル交換触媒は、本発明に関わるエステル交換反応に専ら特異的な触媒;カリウムカーボネート、カリウムヒドロキシドおよびリチウムヒドロキシド、の1つ以上から選択される。
これらの触媒は同様に、反応媒質に不溶性であり、不均一相触媒作用を実施するという利点も示す。こうしてこれらは、単純な濾過プロセスによって回収可能であり、したがって再循環が容易である。
出発反応混合物は、任意には、例えば反応中に形成されたメタノールまたはエタノールなどのアルコールR−OHと共沸混合物を形成する有機溶媒などの有機溶媒を含み得る。しかしながら、本発明の方法の好ましい実施形態において、出発反応混合物は、上述のもの以外の溶媒または成分を含まず、好ましくは、少なくとも1つの1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール、ジアルキルカーボネートおよびエステル交換触媒で構成されている。
反応混合物はその後、撹拌システム、任意には精留塔そして加熱システムが具備された反応装置内に導入され、
− エステル交換反応によって形成されたアルコールR−OHの沸点以上、または
− アルコールR−OHが反応媒質の一成分例えばジアルキルカーボネートまたは添加された溶媒と共に形成する共沸混合物の沸点以上、
のいずれかである温度まで加熱される。
「沸点」とは、当然のことながら、設備圧力における溶媒または共沸混合物の沸点のことである。
「加熱温度」は、本明細書では、反応混合物中で温度センサーにより測定される温度を意味する。エステル交換反応は、加熱温度が上昇するにつれて速くなる。しかしながら、当然のことながら、反応混合物の沸点より高く反応混合物を加熱することは不可能である。反応媒質の沸点に等しい温度またはこの温度よりもせいぜい数度低い温度、例えばこの温度よりも多くとも2℃低い温度でエステル交換反応を実施することが特に有利である。
大気圧より高い値までシステムの作動圧力を上昇させることが有利であり得る。これは、こうして(沸点の上昇によって)反応速度が改善されるかまたは、形成されたアルコールまたは共沸混合物と出発ジアルキルカーボネートの間の温度差が増大し、このため精留による分離を容易にし、精留塔の理論的トレイの数を削減することができるかもしれないからである。
例えば、0〜20バールの間の絶対圧力での作動を想定することが可能である。
ジメチルカーボネート(DMC)とジアンヒドロヘキシトールを反応させた場合、形成されたメタノールは、DMCと共に、62.7℃に等しい沸点をもつ共沸混合物を形成する。DMCの沸点は90℃に等しい。こうして、本発明に係る方法をDMCで実施する場合、加熱温度は、およそ68℃〜95℃、好ましくは85℃〜90℃の間である。
エタノール(沸点78.3℃)は、メタノールとは対照的に、ジエチルカーボネート(DEC)と共沸混合物を形成しない。したがって、本発明に係る方法がDECから出発して実施される場合、加熱温度はおよそ83℃〜130℃、好ましくは121〜126℃の間である。
本発明の方法の管理を最適化するためには、反応の進行度を監視し、所定の進行度に達した時点で直ちに加熱を停止することが有用である。したがって本発明に係る方法は、反応の進行の監視ステップをさらに含んでいる。例えば、形成されたアルコールその他の量を監視するか、あるいは精留塔の最上部の蒸気の温度を注視することが可能である。この蒸気温度が、アルコールまたはアルコールを含む共沸混合物の沸点からジアルキルカーボネートの沸点まで急速に上昇した場合、これは、一般にジアンヒドロヘキシトールのヒドロキシル基の全ての消費に続いて反応が完了したことの合図である。
本発明で利用されるエステル化反応の進行度は、式
Figure 0005801813
により定義され、式中
Nt=時間tにおいて反応媒質中に残留するジアンヒドロヘキシトールヒドロキシル官能基の数、
Ni=ジアンヒドロヘキシトールヒドロキシル官能基の当初の数、
である。
反応混合物の加熱(ステップ(b))は、有利には、少なくとも95%、少なくとも98%そして理想的には100%に等しい反応進行度まで続行される。
100%に等しい進行度は、反応混合物がジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)のみを含むことを意味していないということを指摘しておくことが重要である。これは、詳細には、例えば20または10以下という比較的低いジアルキルカーボネート/ジアンヒドロヘキシトールモル比が用いられる場合に反応混合物が一定のオリゴマー画分(オリゴカーボネート類)を含むからである。これらのオリゴマーは、標的とされる主要反応生成物であるジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)から必ずしも分離される必要がない。これは、例えばポリカーボネートまたは他の合成ポリマーの合成の場合などの一部の利用分野については、オリゴマーがジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)の機能と同等の機能を果たすことができるからである。
本発明に関わる方法は、好ましくは、反応混合物の他の成分の一部分または全てから得られたジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)を分離する少なくとも1つのステップをさらに含む。
反応媒質に不溶性である固体触媒を使用する場合、第1の分離ステップは一般に、前記媒質中で懸濁状態にある固体触媒を取り出し再循環させるように意図された、反応媒質の濾過である。
触媒粒子が除去された反応混合物はその後、好ましくは真空下での未反応ジアルキルカーボネートの蒸発に付される。ジアルキルカーボネートの蒸発後、固体が得られる場合があり、この生成物は、適切な溶媒から1回以上再結晶され得る。これは、イソソルビドジ(メチルカーボネート)、イソマンニドジ(メチルカーボネート)およびイソイジドジ(メチルカーボネート)の場合であり、これらは例えばイソプロパノールから再結晶され得る。
あるいは、ジ(エチルカーボネート)誘導体についてそうであるように、反応生成物がジアルキルカーボネートの蒸発後に液体である場合、蒸留によりオリゴマーまたはモノ(エチルカーボネート)誘導体からそれを分離することができる。
本発明の好ましい実施形態によると、オリゴマーからのアンヒドロヘキシトールじ(アルキルカーボネート)の分離は、短経路形態のワイプドフイルム蒸発器上で実施することができる。アンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)は蒸発させられ、一方オリゴマーは未蒸発残渣中で回収される。
したがって、本発明の主題は有利には、ジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類の調製のための方法において、ステップ(b)で得たジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)を、前記ステップ(b)中に反応しなかったジアルキルカーボネートの蒸発によって濃縮させるステップ(c)をさらに含むことを特徴とする方法にある。
本発明は同様に、ジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類の調製方法において、ステップ(c)で濃縮したジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)の精製ステップ(d)をさらに含むことを特徴とする方法にも関する。
本発明の具体的な実施形態によると、オリゴマー富有残渣は有利にも、反応混合物に再循環可能である。したがって、例えば、前記残渣は、最小量のアルカノールの存在下で反応装置内に再導入される。出願人企業は、これらの具体的条件の下で、本発明に係るエステル交換反応の可逆性を実証した。反応装置の最上部におけるオリゴマー富有残渣のこのような添加は、ジアンヒドロヘキシトールおよびジアルキルカーボネートの生産をもたらし、こうして、本発明に係るジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)の調製のための反応に適した条件が再び組合わされることになる。
したがって、本発明は有利には、ジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類の調製方法において、精製ステップ(d)から結果として得た残渣が、ステップ(a)の反応混合物に再循環されることを特徴とする方法にも関する。
本発明に係る方法は、原則的に、導入部で言及した3つのジアンヒドロヘキシトール類を用いて同等の成功率で差別なく実施可能であるが、これらの中でも入手可能性およびコスト上の理由で、イソソルビドが選好される。
ジアルキルカーボネートとして、好ましくはジエチルカーボネートが選択される。
出願人企業が知るかぎり、これまでのところ、イソソルビドジ(メチルカーボネート)のみが生産され単離されている(特開平6−261774号公報、実施例5)。
対照的に、ジアンヒドロヘキシトールジ(エチルカーボネート)類、すなわちイソソルビドジ(エチルカーボネート)、イソマンニドジ(エチルカーボネート)およびイソイジドジ(エチルカーボネート)、そしてイソイジドジ(メチルカーボネート)およびイソマンニドジ(メチルカーボネート)も、これまでのところ単離されておらず、したがって本発明の別の主題を構成する。これらの新規化合物のうち、ジアンヒドロヘキシトールジ(エチルカーボネート)類そして詳細にはイソソルビドジ(エチルカーボネート)は、毒性揮発性有機化合物が一切不在であっても本発明に係るそれらの調製が可能であることのみならず、ポリマー合成におけるこれらのジアンヒドロヘキシトール誘導体の使用が、原則的にエタノールすなわち非毒性とみなされている有機化合物しか放出しないという利点を示すことを理由として、特に有利なものとみなされている。
したがって、ジアンヒドロヘキシトールジ(エチルカーボネート)類の合成を結果としてもたらす本発明に係る方法の変形形態は、いかなる毒性化合物も使用または形成することなくイソソルビド系ポリカーボネート類またはより一般的にジアンヒドロヘキシトール系ポリカーボネート類の合成を想定することを初めて可能にし、このことは、これまで提供されてきた方法と比べ著しい進歩である。
本発明にしたがって調製されるジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類はさらに、交互ジアンヒドロヘキシトール系コポリマーの合成を可能にする。このような合成はこれまで不可能であった。これは、欧州特許第2033981号明細書中に記述されているジアンヒドロヘキシトール系のコポリマーの合成には、エステル交換触媒の存在下でのジアンヒドロヘキシトール、第2の脂環式ジヒドロキシル化化合物およびジカーボネートの混合物の反応が含まれるからである。しかしながら、この合成は結果として、鎖に沿ったコモノマー単位の均質な分布を有する交互コポリマーではなく、ランダムコポリマーの生産をもたらす。
したがって、本発明の別の主題は、本発明の方法にしたがって調製されたジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類の1つ以上の、ポリカーボネート類、ポリカルバメート類またはポリチオカーボネート類の調製、好ましくは交互ポリカーボネート類またはポリカルバメート類の調製におけるモノマーまたはコモノマーとしての使用にある。
本発明の別の主題は、本発明による化合物のうちの1つ、または本発明による方法により得ることのできる化合物の、カーボネート官能基すなわちヒドロキシル官能基、アミン官能基、チオール官能基、エステル官能基またはオキサゾリン官能基と反応できる不安定水素を有する官能性側基または末端基を担持するポリマー向けの鎖延長剤、架橋剤(bridging agent)、グラフト剤および架橋剤(crosslinking agent)としての使用にある。
実施例1:本発明に係るイソソルビドジ(メチルカーボネート)の調製
43gのイソソルビド(0.29モル)、次に1069gのジメチルカーボネート(=イソソルビドとの関係において40モル当量)および123gのカリウムカーボネートを、サーモスタット制御された熱交換流体入りの浴によって加熱されかつパドル式機械的撹拌システム、反応媒質の温度制御システムおよび還流ヘッドが上に付いた精留塔が備わっている1.5リットル容量の反応装置内に導入する。反応混合物を全還流で1時間加熱し、この時間の終了時点で、塔最上部における蒸気の温度は64℃に達し、その後、形成したメタノールの除去を開始する。その後、反応媒質の加熱を68℃〜95℃の温度で13時間維持し、この時間の終了時点で、塔最上部における蒸気の温度は90℃に達し、この温度(ジメチルカーボネートの沸点)で安定する。これは、エステル交換反応が完了したことそしてもはやメタノールは形成されていないことの合図である。反応媒質を濾過して、懸濁したカリウムカーボネートをそこから除去する。無色透明の溶液は、95%のイソソルビドジ(メチルカーボネート)、1%のイソソルビドモノ(メチルカーボネート)および4%のオリゴマーを含む。そこには、未反応のイソソルビドは無い。百分率は、ガスクロマトグラフィ分析による面積分布に対応する(この場合ジアルキルカーボネートである溶媒は除外される)。
実施例2:本発明に係るイソソルビドジ(メチルカーボネート)の調製
ジメチルカーボネートを40当量ではなく20当量だけ使用するという点を唯一の差異として、実施例1を反復する。触媒粒子を除去した後に得られた反応媒質の組成は、下表1に提示されている。
実施例3:本発明に係るイソソルビドジ(メチルカーボネート)の調製
ジメチルカーボネートを40当量ではなく10当量だけ使用するという点を唯一の差異として、実施例1を反復する。触媒粒子を除去した後に得られた反応媒質の組成は、下表1に提示されている。
実施例4:本発明に係るイソソルビドジ(エチルカーボネート)の調製
25gのイソソルビド(0.17モル)、次に826gのジエチルカーボネート(=イソソルビドとの関係において40モル当量)および70gのカリウムカーボネートを、実施例1で使用したものと同一の反応装置内に導入する。反応混合物を全還流で1時間加熱し、その後、形成したエタノールの除去を開始する。その後、反応媒質の加熱を126℃の温度で3時間維持し、この時間の終了時点で、塔最上部における蒸気の温度は126℃(ジエチルカーボネートの沸点)に達する。これは、エステル交換反応が完了したことそしてもはやエタノールは形成されていないことの合図である。反応媒質を濾過して、懸濁したカリウムカーボネートをそこから除去する。無色透明である得られた溶液は、96.6%のイソソルビドジ(エチルカーボネート)、0.3%のイソソルビドモノ(エチルカーボネート)および3.1%のオリゴマーを含む。そこには、未反応のイソソルビドは無い。百分率は、ガスクロマトグラフィ分析による面積分布に対応する(この場合ジエチルカーボネートである溶媒は除外される)。
実施例5:本発明に係るイソソルビドジ(エチルカーボネート)の調製
ジエチルカーボネートを40当量ではなく10当量だけ使用するという点を唯一の差異として、実施例4を反復する。触媒粒子を除去した後に得られた反応媒質の組成は、下表1に提示されている。
Figure 0005801813
これらの結果は、本発明に係る方法が、事実上定量的な収量でイソソルビドジ(メチルカーボネート)およびイソソルビドジ(エチルカーボネート)を得ることを可能にするということを示している。化学量論的に大幅に余剰のジアルキルカーボネートを使用することによって、およそ95重量%の二官能性誘導体を含む生成物を得ることが可能となる。
化学量論的余剰がより少なく(10当量)なると、確かにオリゴカーボネート類の画分が大きくなるが、これらのオリゴカーボネート類は結晶化または蒸留によってイソソルビドジ(アルキルカーボネート)類から容易に分離可能である。
実施例6:本発明に係るイソソルビドジ(メチルカーボネート)の調製
430gのイソソルビド(0.29モル)、次に10.602kgのジメチルカーボネート(=イソソルビドとの関係において40モル当量)および1220gのカリウムカーボネートを、サーモスタット制御された熱交換流体入りの浴によって加熱されかつパドル式機械的撹拌システム、反応媒質の温度制御システムおよび還流ヘッドが上に付いた精留塔が備わっている20リットル容量の反応装置内に導入する。
反応混合物をおよそ90℃の温度で加熱し、その間、形成されたメタノールを連続的に除去した。5時間後、塔最上部における蒸気の温度は90℃に達し、この温度(ジメチルカーボネートの沸点)で安定する。これは、エステル交換反応が完了したことそしてもはやメタノールは形成されていないことの合図である。反応媒質を濾過して、懸濁したカリウムカーボネートをそこから除去する。無色透明の溶液は、95.9%のイソソルビドジ(メチルカーボネート)、0.1%のイソソルビドモノ(メチルカーボネート)および4%のオリゴマーを含む。そこには、未反応のイソソルビドは無い。百分率は、ガスクロマトグラフィ分析による面積分布に対応する(溶媒は除外される)。
実施例7:本発明にしたがって得られたイソソルビドジ(メチルカーボネート)の精製
未反応のジメチルカーボネートの蒸発後、実施例6にしたがって得た生成物645gを、短経路形態のワイプドフイルム蒸発器上で高真空(<1mbar)下で蒸留する。蒸発器のジャケットを160℃まで加熱し、内部凝縮器をおよそ80℃の温度に維持する。生成物を、180g/時の流速で70℃で導入する。
以下のものが得られる:
− 99重量%超のイソソルビドジ(メチルカーボネート)を含み、かつオリゴマーの痕跡を全く含まない白色固体の形をした蒸留物;および
− 95重量%のオリゴマーを含む蒸留残渣。
実施例8:本発明に係るエステル交換反応の可逆性
実施例7にしたがって得られた残渣に対応するオリゴマー6.8gを、磁気撹拌器が備わり、電気マントルにより加熱されかつ還流凝縮器が上に付いた250ml入りの3つ口丸底フラスコ内に導入する。その後、前記3つ口丸底フラスコ内に173gのジメチルカーボネート、19.6gのカリウムカーボネートおよび3.2gのメタノールを導入する。3時間90℃の温度で、反応媒質を還流状態に維持する。カリウムカーボネートを濾過した後、14%のイソソルビドジ(メチルカーボネート)、51%のイソソルビドモノ(メチルカーボネート)、34%のイソソルビドそして1%のオリゴマーを含む無色透明の溶液が得られる。これらの百分率は、面積分布型ガスクロマトグラフィ分析の結果として得られる(この場合ジエチルカーボネートである溶媒は除外される)。
実施例9:エステル交換触媒の特異性の研究
本発明に係るエステル交換反応中の触媒の特異性を評価するために、触媒を以下の通り変更するという点を唯一の差異として、実施例6を反復する:すなわち、実施例1中の通りのカリウムカーボネート3当量またはイソソルビドの量と等価の量(重量対重量)で3当量のカリウムヒドロキシドまたはリチウムヒドロキシドまたはヒドロタルサイトのいずれかが使用される。使用されるヒドロタルサイトは、500℃で一晩予備か焼される。これは、共にSued−Chemieにより販売されているヒドロタルサイトSorbacid(登録商標)911またはSorbacid(登録商標)944のいずれかである。
ジメチルカーボネートの蒸発の後、イソソルビドジ(メチルカーボネート)(イソDMC)、イソソルビドモノ(メチルカーボネート)(イソMMC)、イソソルビド、オリゴマー、ジメチルイソソルビド(DMI)、モノメチルイソソルビド(MMI)およびメチルイソソルビドメチルカーボネート(MI−MC)の(面積分布としての)百分率を、面積分布型ガスクロマトグラフィにより判定する(この場合ジエチルカーボネートである溶媒は除外される)。
Figure 0005801813
ヒドロタルサイト類とは対照的に、カリウムカーボネート、カリウムヒドロキシドおよびリチウムヒドロキシドは、本発明に係るエステル交換反応のために特異的な触媒である。
実施例10:ポリマーの調製における本発明に係る化合物の使用
実施例6にしたがって得た50.6g(0.19モル)の量のイソソルビドジ(メチルカーボネート)、12.3g(0.20モル)のエチレングリコールおよび0.2773g(8.5×10−4モル)のセシウムカーボネートを、サーモスタット制御された熱交換流体入りの浴によって加熱されかつパドル式機械的撹拌システム、反応媒質の温度制御システム、窒素導入用パイプ、凝縮器および凝縮物収集用容器に連結された蒸留ヘッド、ならびに調節を伴って真空下に置くためのシステムが備わった100ml容量の反応装置内に導入する。このアセンブリを25l/時の窒素流下に置き、反応媒質を熱交換流体により加熱する。115℃、140℃および165℃で30分間の静止期を設けながら、温度を漸進的に上昇させる。各静止期の間の温度上昇は、30分以内で実施する。反応中、メタノールの蒸留を観察する。165℃の静止期の終了時に、アセンブリを1時間30分の間真空下に置いて(3mbarの残留圧力)、蒸留を続行し、その間165℃の温度を維持する。反応媒質の冷却後、粘性あるポリマーが得られる。

Claims (11)

  1. 構造式(I)
    Figure 0005801813
    (式中、各Rは独立して、直鎖または分岐アルキル基を表わす)のジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)類の調製方法であって、
    (a)− 少なくとも1つのジアンヒドロヘキシトールと;
    − 存在するジアンヒドロヘキシトールの量との関係において少なくとも2モル当量の、構造式R−O−C(=O)−O−R(Rは上述の意味を有する)の少なくとも1つのジアルキルカーボネートと;
    カリウムカーボネート、カリウムヒドロキシドおよびリチウムヒドロキシド、の1つ以上から選択されるエステル交換触媒と、
    を含む出発反応混合物を調製するステップと;
    (b)得られたアルコールまたはそれが反応混合物中に存在する成分のうちの別の成分と共に形成する共沸混合物を反応混合物から分離するのに充分な数の理論的蒸留トレイを含む精留塔を備えた反応装置内で、エステル交換反応により形成されたアルコールR−OHの沸点以上または得られたアルコールR−OHが反応混合物中に存在する成分のうちの別の成分と共に形成する共沸混合物の沸点以上で、かつ最高でも反応混合物の沸点に等しい温度まで、反応混合物を加熱するステップと;
    を順番に含む方法。
  2. 前記出発反応混合物が、前記反応媒質中に当初存在したジアンヒドロヘキシトールの前記量との関係において2.1〜100モル当量のジアルキルカーボネートを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(a)で調製される前記出発反応混合物が、ジアンヒドロヘキシトールの前記量との関係において、0.1〜10モル当量の前記エステル交換触媒を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記反応の進行を監視するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップ(b)における前記加熱が、少なくとも95%に等しい前記反応の進行度に至るまで続行され、前記反応の前記進行度は、式
    Figure 0005801813
    により定義され、式中
    Nt=時間tにおいて前記反応媒質中に残留するジアンヒドロヘキシトールヒドロキシル官能基の数、
    Ni=ジアンヒドロヘキシトールヒドロキシル官能基の当初の数、
    であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記反応混合物の前記他の成分の一部分または全てから得られた前記ジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)を分離する少なくとも1つのステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ジアンヒドロヘキシトールがイソソルビドであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ジアルキルカーボネートがジエチルカーボネートであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. ステップ(b)で得たジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)を、前記ステップ(b)中に反応しなかった前記ジアルキルカーボネートの蒸発によって濃縮させるステップ(c)をさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. ステップ(c)で濃縮した前記1つまたは複数のジアンヒドロヘキシトールジ(アルキルカーボネート)の精製ステップ(d)をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  11. 前記精製ステップ(d)から結果として得た前記残渣がステップ(a)の反応混合物に再循環されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
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