JP5801551B2 - ハイブリッド電気自動車の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド電気自動車の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5801551B2
JP5801551B2 JP2010267141A JP2010267141A JP5801551B2 JP 5801551 B2 JP5801551 B2 JP 5801551B2 JP 2010267141 A JP2010267141 A JP 2010267141A JP 2010267141 A JP2010267141 A JP 2010267141A JP 5801551 B2 JP5801551 B2 JP 5801551B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slip
control
target
wheel
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010267141A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012116307A (ja
Inventor
邦夫 坂田
邦夫 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mercedes Benz Group AG
Original Assignee
Daimler AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daimler AG filed Critical Daimler AG
Priority to JP2010267141A priority Critical patent/JP5801551B2/ja
Publication of JP2012116307A publication Critical patent/JP2012116307A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5801551B2 publication Critical patent/JP5801551B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、ハイブリッド電気自動車の制御装置に関するものである。
例えば低μ路等において、自動車を制動させる際には、ブレーキペダルの踏み方や路面μの状態によっては駆動輪がロックすることがある。例えば、路面が凍結して路面μがきわめて低くなっていれば、ブレーキペダルを踏み込むと駆動輪がロックすることがある。
同様に、例えば低μ路等において、自動車を発進又は加速させる際にも、アクセルペダルの踏み方や路面μの状態によっては駆動輪が空転することがある。例えば、左右駆動輪の一方の路面が凍結して路面μがきわめて低くなっていれば、アクセルペダルを踏み込むとこの一方の駆動輪が空転することがある。
駆動輪がロックすると車両の制動性が大きく低下し、ドライバビリティの悪化を招き、最悪の場合、車両の姿勢変化を招いて車両の制動に支障を来たしてしまう。
同様に、駆動輪が空転すると車両の発進性や加速性が低下し、ドライバビリティの悪化を招き、最悪の場合、駆動輪のスタックを招いて車両の走行に支障を来たしてしまう。
駆動輪のロックを抑制する技術としては、いわゆる、アンチスロックブレーキシステム(ABS)がある。
また、駆動輪の空転を抑制する技術としては、いわゆる、アンチスピンレギュレータ(ASR)と呼ばれるものが開発されている。このASRでは、駆動輪のブレーキ及びエンジン(内燃機関)のトルクを制御することにより、駆動輪の空転を抑制する。
一方、近年、走行駆動源として、エンジンと電動発電機(以下、単に、モータとも言う)とを装備したパラレル式のハイブリッド電気自動車が開発されており、このハイブリッド電気自動車においても、上記と同様に、路面状況やドライバのアクセル操作によって駆動輪が空転することがあり、このような駆動輪の空転を抑制したい。
例えば、特許文献1には、駆動源としてエンジンとモータとを備え、発進時に、アクセル開度に応じた指示トルクにてモータでトルクをアシストするものにおいて、このトルクアシスト中に車輪のスリップが検知された場合、モータのアシストトルクを車輪のスリップが検知されないときに比べ減少させる技術が提案されている。これにより、発進時にモータによるトルクアシストを行う場合のアシストトルク指示値を最適化し、発進時の応答性と車両挙動の安定とを両立させることができる。
特開2008−68704号公報
パラレル式のハイブリッド電気自動車では、上述のように、駆動輪のスリップ(ロック又は空転)が発生した際に、モータに正もしくは負のトルクを付加することによりスリップを抑制させることができる。特に、モータはエンジンに比べて制御応答性が高いという特性から、駆動輪のスリップを速やかに抑制させることが可能になる。
一方、このような駆動輪のスリップを抑制する制御では、ドライバ要求トルクと駆動輪にかかるトルクが不一致になるため、車両のドライバビリティの観点からは、このような制御はできるだけ早く終了させたい。
しかし、制御の終了のさせ方によっては、車両の挙動安定性を低下させるおそれもあるので、制御の終了条件が成立したからといって即座に制御することができない場合がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、駆動源としてエンジンとモータとを備えたハイブリッド電気自動車において、駆動輪のスリップに対してモータのトルク制御を用いて適切にスリップの抑制を行ない且つかかるモータのトルク制御を適切に終了させることができるようにした、ハイブリッド電気自動車の制御装置を提供することを1つの目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明のハイブリッド電気自動車の制御装置は、走行駆動源としてのエンジン及びモータと、前記エンジンと前記モータとの間に介装され前記エンジンを駆動系から切り離すクラッチと、変速機を介して前記走行駆動源からの出力トルクが伝達される駆動輪とを備えたハイブリッド電気自動車の制御装置であって、前記駆動輪のスリップを検出するスリップ検出手段と、前記車両の車体速と前記駆動輪の車輪速とから前記駆動輪の実スリップ率又は該実スリップ率に対応するパラメータ値である実スリップ対応値(実スリップ率又は従動輪と駆動輪との実回転速度差)を算出するスリップ対応値算出手段と、前記スリップ検出手段により前記駆動輪のスリップが検出されたら、前記駆動輪のスリップ率又は該スリップ率に対応するパラメータ値であるスリップ対応値の目標値帯域を設定し、前記スリップ対応値算出手段により算出された前記実スリップ対応値が前記目標値帯域になるように少なくとも前記モータの出力トルクを制御する、目標スリップ制御を行なう出力トルク制御手段とを備え、前記出力トルク制御手段は、前記目標スリップ制御中に前記実スリップ対応値が安定する第1の制御終了条件が成立したら前記目標スリップ制御を緩やかに終了し、前記目標スリップ制御中にドライバの加速要求中であることをオア条件として含む第2の制御終了条件が成立したら前記第1の制御終了条件が成立していなくても前記目標スリップ制御を速やかに終了することを特徴としている。
前記出力トルク制御手段は、前記車両のアクセルペダル踏込状態に基づいて前記ドライバの加速要求を判定することが好ましい。
前記第1の制御終了条件は、前記実スリップ対応値が前記目標値帯域内にある状態が予め設定された時間継続することであることが好ましい。
前記第2の制御終了条件には、前記変速機の切り替え操作中であることもオア条件として含まれることが好ましい。
前記駆動輪のスリップは、前記駆動輪のロックによるスリップ及び前記駆動輪の空転によるスリップを含むことが好ましい。
前記出力トルク制御手段は、前記スリップ対応値算出手段により算出された前記実スリップ対応値と、前記目標値帯域との差に基づくフィードバック制御(例えば、PID制御)によって前記モータの出力トルクを制御することが好ましい。
本発明のハイブリッド電気自動車の制御装置によれば、駆動輪のスリップが検出されたら、駆動輪のスリップ率又は該スリップ率に対応するパラメータ値であるスリップ対応値の目標値帯域を設定し、実スリップ対応値が目標値帯域になるように少なくともモータの出力トルクを制御するので、応答性のよいモータの出力トルクを利用して駆動輪のスリップ率を適切に制御することができる。
そして、目標スリップ制御中に実スリップ対応値が安定する第1の制御終了条件が成立したら目標スリップ制御を緩やかに終了する。この場合は、目標スリップ制御を実施していることに起因して実スリップ対応値が安定しているので、目標スリップ制御を終了すると実スリップ対応値が再び不安定となる、つまり、駆動輪のスリップが顕著になることが考えられるので、目標スリップ制御を緩やかに終了することによって、このような場合にも対応しやすくなる。
また、ドライバの加速要求中であることをオア条件として含む第2の制御終了条件が成立したら目標スリップ制御を速やかに終了する。目標スリップ制御中であっても、ドライバの加速要求があれば、駆動輪のスリップ抑制よりもドライバの要求トルクを優先して速やかに目標スリップ制御を終了することにより、ドライバビリティの悪化を防ぐことができる。
この場合、目標スリップ制御を速やかに終了した結果、再び駆動輪のスリップが増大することが考えられるが、ドライバの加速要求がなくなれば再び目標スリップ制御を実施し、一方、駆動輪のスリップが増大しても敢えてドライバの加速要求が続けば、ドライバの加速意思を尊重し、目標スリップ制御は実施しない。
車両のアクセルペダル踏込状態に基づいてドライバの加速要求を判定すると、ドライバの加速要求を速やか且つ適切に判定することができる。
また、第1の制御終了条件を、実スリップ対応値が目標値帯域内にある状態が予め設定された時間継続することとすれば、スリップ対応値の安定を適切に判定することができる。
第2の制御終了条件に、変速機の切り替え操作中であることもオア条件として含めれば、変速機の切り替え操作中には速やかに目標スリップ制御が終了され、変速機の切り替え操作を支障なく行なうことができる。
また、走行駆動源の出力トルク制御に、実スリップ対応値と目標値との差に基づくフィードバック制御(例えば、PID制御)を用いることにより、モータの出力トルクを適切に制御することができる。
本発明の一実施形態にかかるハイブリッド電気自動車の動力系及びその制御装置の構成図である。 本発明の一実施形態にかかるロックスリップ率(スリップ対応値)の特性及びその目標値を説明するグラフである。 本発明の一実施形態にかかる空転スリップ率(スリップ対応値)の特性及びその目標値を説明するグラフである。 本発明の一実施形態にかかる制御を説明するフローチャートである。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1は本実施形態にかかるハイブリッド電気自動車の動力系及びその制御装置の構成図、図2は本制御装置のブロック図、図3は本制御にかかるスリップ率の特性及びその目標値を説明するグラフ、図4はその制御を説明するフローチャートである。これらの図を参照して説明する。
〔動力系の構成〕
まず、本実施形態にかかる制御装置が適用されるハイブリッド電気自動車の動力系の構成を説明する。
本実施形態にかかるハイブリッド電気自動車は、例えば、トラック又はバスといった商用車であり、中でも、乗用車に比べて車体の大きい大型車,中型車であり、ディーゼルエンジンを搭載している。
図1に示すように、車両(ここでは、車両前部)には、駆動系として、エンジン(内燃機関)1,クラッチユニット2,モータ(電動発電機)3及び変速機(トランスミッション)4を備えており、更に、変速機4は、プロペラシャフト5,リアディファレンシャル(リアデフ)6,ドライブシャフト7,7を介して駆動輪である後輪8,8と動力伝達可能に接続されている。なお、前輪9,9は従動輪となっている。
本実施形態では、変速機4に、いわゆるデュアルクラッチ式変速機(以下、DCTとも言う)が用いられている。このDCTは、クラッチと変速ギヤ機構とが、奇数段と偶数段との二系統に分かれており、2つのクラッチを掛け替えることにより極めて短時間(クラッチの掛け替え時間のみ)で変速を行なうことができる。
つまり、クラッチユニット2には、第1クラッチ2Aと第2クラッチ2Bとが同一軸線上に並んで配設されている。これらの第1クラッチ2A及び第2クラッチ2Bは、図示しないクラッチアクチュエータによってそれぞれの接続及び遮断が独立して行われるようになっている。
また、変速機4には、2速,4速,6速の偶数段の変速段のギヤ対を装備した第1変速ギヤ機構4Aと、1速,3速,5速の奇数段の変速段のギヤ対を装備した第2変速ギヤ機構4Bとが、同一軸線上に並んで配設されている。
第1クラッチ2A及び第2クラッチ2Bの各入力側はエンジン1の出力軸1Aに接続され、第1クラッチ2Aの出力側は第1変速ギヤ機構4Aの入力軸(第1入力軸)40Aに、第2クラッチ2Bの出力側は第2変速ギヤ機構4Bの入力軸(第2入力軸)40Bに、それぞれ接続されている。
第1入力軸40Aは中空軸であり、第2入力軸40Bの外周に同軸状に配置される。第1入力軸40Aには2速ドライブギヤ42a,4速ドライブギヤ44a,6速ドライブギヤ46aが回転自在に装備され、第2入力軸40Bの第1入力軸40Aの端部から突出した部分には1速ドライブギヤ41a,3速ドライブギヤ43a,5速ドライブギヤ45aが回転自在に装備されている。
なお、モータ3は、クラッチユニット2と第1,第2変速ギヤ機構4A,4Bとの間の第1入力軸40Aの外周に装備されている。つまり、第1入力軸40Aの外周には、モータ3の回転子(ロータ)31Aが固設され、この回転子3Aの外周には、図示しない変速機ケーシングに支持されて固定子(ステータ)3Bが回転子3Aと対向して配置され、力行時には電力供給を受けて回転子3Aを回転させ、回生時には回転子3A側の回転によって発電し、回転子3A側に発電負荷に応じた制動力を付与する。
また、第1入力軸40A及び第2入力軸40Bの隣には、カウンタ軸40Cが入力軸40A,40Bと平行に配備されている。カウンタ軸40Cには、2速ドリブンギヤ42b,4速ドリブンギヤ44b,6速ドリブンギヤ46b及び1速ドリブンギヤ41b,3速ドリブンギヤ43b,5速ドリブンギヤ45bが固設され、それぞれ対応する変速段のドライブギヤと噛合している。このカウンタ軸40Cは、ギヤ対48を介してプロペラシャフト5と連結されており、カウンタ軸40Cは、プロペラシャフト5と連動する。
上記のように、各ドライブギヤ41a〜46aはいずれも入力軸40A又は40Bに回転自在に軸支されているが、それぞれ同期装置47a〜47dを通じて、各入力軸40A,40Bと一体に回転するようになっている。2速ドライブギヤ42aを例示して説明すると、同期装置47aは、入力軸40A又は40Bに一体回転し且つ軸方向にスライド可能に装備されたスリーブ47slと、このスリーブ47slをスライド駆動する図示しないアクチュエータと、各ドライブギヤにそれぞれ固設されたクラッチギヤ47cgとからなり、スリーブ47slがスライドしてクラッチギヤ47cgと係合すると、係合したクラッチギヤ47cgが固設されたドライブギヤが対応する入力軸40A又は40Bと一体回転する。
したがって、例えば2速段を達成する場合、2速ドライブギヤ42aのクラッチギヤ47cgに、対応するスリーブ47slをスライドさせて係合させれば、2速ドライブギヤ42aが入力軸40Aと一体に回転するようになり、この時、第1クラッチ2Aが接続されていれば、エンジン1,第1クラッチ2A,第1入力軸40A,2速ドライブギヤ42a,2速ドリブンギヤ42b,カウンタ軸40C,ギヤ対48,プロペラシャフト5,リアデフ6,ドライブシャフト7,7,駆動輪8,8という動力伝達経路が形成され、エンジン1の回転は、2速段に応じた変速比で変速されて駆動輪8,8に伝達される。
同様に、4速段,6速段の場合も、各クラッチギヤ47cgに対応するスリーブ47slを係合させ第1クラッチ2Aを接続させれば達成することができる。
1速段,3速段,4速段の場合も、同様に、各クラッチギヤ47cgに対応するスリーブ47slを係合させ第2クラッチ2Bを接続させれば達成することができる。
したがって、例えば、2速段から3速段にシフトアップするには、2速ドライブギヤ42aのクラッチギヤ47cgに、対応するスリーブ47slを係合させ、第1クラッチ2Aを接続した2速段走行状態において、第2クラッチ2Bを遮断した状態で、3速ドライブギヤ43aのクラッチギヤ47cgに、対応するスリーブ47slを係合させておいて、第1クラッチ2Aを切り離しつつ第2クラッチ2Bを接続していく、いわゆるクラッチ掛け替えを行なう。2速段走行中に、切替先の変速段(この場合、3速段)のクラッチギヤ47cgとスリーブ47slとの係合を予め実施しておくことができるので、トルク伝達に影響する変速動作はクラッチ掛け替えのみとなり、実質的に速やかな変速(変速段の切替)を行なえる。
このように、第1クラッチ2Aと第2クラッチ2Bとの一方を接続する際には、他方を遮断するが、本駆動系の場合、第1入力軸40Aにモータ3が装備されているので、第1クラッチ2Aと第2クラッチ2Bとの両方を遮断しても、モータ3とは動力伝達できるので、両クラッチ2A,2Bを遮断して、モータ3単独による駆動トルクでの走行や、エンジンブレーキを利用することなく回生制動主体の制動を実現することができる。
なお、モータ3は、インバータ31によって作動を制御される。インバータ31は、力行時には、バッテリ(例えば、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池の単電池(セル)が複数個直列接続された電池群)32からモータ3に電力を供給して出力トルクを発生させる電動機として機能させ、回生制動時には、車両の運動エネルギを用いて電力を発電(回生発電)する発電機としてモータ3を機能させ、回生発電による電力を、通常状態ではバッテリ32の充電に用いる。
〔制御系の全体構成〕
上述のエンジン1,クラッチ2A,2B,モータ3,バッテリ32及びインバータ31の制御又は管理は、コンピュータを用いた電子制御によって行なわれるようになっている。
エンジン1を制御するためにエンジンECU61が、モータ3を操作するインバータ31を制御するためにインバータECU62が、バッテリ32を管理するためにバッテリECU63が、それぞれ設けられ、これらのエンジンECU61,インバータECU62,バッテリECU63及びクラッチ2を制御するために、車両ECU60が設けられている。
これらの各ECU60,61,62,63は、CPU,ROM,RAM,入出力回路等からなるコンピュータであって、適宜の機器類が付設又は接続されている。
車両ECU60は、車両の走行状態(例えば、車速,加速度)や、駆動輪8のスリップ状態や、車両への駆動又は制動指令の状態(例えば、アクセル操作量やブレーキ操作量)や、バッテリ32の充電量(以下、充電量の値を「SOC」で示す)等に基づいて、エンジンECU61,インバータECU62,バッテリECU63及びクラッチ2A,2Bを制御する。
また、バッテリECU63には、バッテリ32の充放電電流を検出するバッテリ電流センサ51と、バッテリ32の充放電電圧を検出するバッテリ電圧センサ52と、バッテリ32の充放電回数を検出するバッテリ充放電カウンタ54とが接続されており、バッテリ32の充電量SOCは、このバッテリECU63によって、バッテリ32の充放電時の電流,電圧に基づいて算出される。したがって、バッテリECU63は、バッテリ充電量検出手段に相当する。
これらの各センサ51,52やカウンタ54は、バッテリ32の各セルに接続され、この各セルの電流,電圧,充放電回数を検出してもよいし、幾つかのセルに対して一つのセンサが接続され、この幾つかのセルの電流,電圧,充放電回数を検出してもよいし、これらの各セルに対してまたは幾つかのセルに対して1つのセンサを接続することを適宜組み合わせて各センサを配設してもよい。
また、インバータECU62は、インバータ31を制御することにより、インバータ31に接続されたモータ3,バッテリ32の電力の授受を管理する。例えば、モータ3の回生発電による発電電力を、通常状態であればバッテリ32の充電にあてるが、バッテリ32の充電が不可能な場合には、他の電力消費機器へ供給しうる。
車両ECU60は、駆動時には、アクセル操作量に基づいて、車両に必要な駆動トルクを設定すると共に、エンジン1とモータ3との何れを使用するか或いは両方を使用するかを設定し、エンジン1とモータ3との両方を使う場合には駆動トルクの配分を行なう。エンジンECU61やインバータECU62は、車両ECU60により設定された駆動トルクを出力するようにエンジン1又はモータ3の作動を制御する。
例えば車両の発進時には、基本的には、クラッチ2を切ってモータ3のみの駆動トルクを用い、その後の走行時には、エンジン1を始動させてクラッチ2を接続して、エンジン1の駆動トルクを主体に、モータ3の駆動トルクを補助的に用いて走行する。ただし、バッテリ32の充電量が不足している場合や、バッテリ32の温度が所定温度以上に昇温している場合には、発進時や走行時にモータ3を用いずエンジン1のみを用いて走行する。
また、制動時には、基本的には、クラッチ2を切って駆動輪8の回転エネルギをモータ3のみに送って回生発電を行なう。この回生発電による電力は、通常は、バッテリ32の充電に用いられる。
ただし、バッテリ32の充電量SOCが上限又は上限の近傍に達している場合や、バッテリ32の温度が所定温度以上に昇温している場合には、回生発電による電力をバッテリ32の充電に用いることはできない。
つまり、バッテリ32は充電量が過剰に高くなると劣化が促進される。また、充電量が過剰に低下しても劣化を招く。そこで、車両ECU60は、バッテリ32の充電量も管理する。
そして、本装置の場合、車両ECU60は、上記のハイブリッド電気自動車特有の各制御に加えて、駆動輪8のスリップ状態を、クラッチ2A,2Bの断接状態及び車両の走行状態に基づいて制御するスリップ制御を実施する点が特徴的である。このスリップ制御について、以下に説明する。
〔スリップ制御〕
まず、このスリップ制御は、駆動輪8のロック時及び空転時における駆動輪8のスリップ率又はこのスリップ率に対応するパラメータ値であるスリップ対応値について、目標値を設定し、実際のスリップ対応値(実スリップ対応値)がこの目標値になるように制御するものである。ここでは、スリップ対応値がスリップ率λ自体である場合を説明する。そこで、ここでは、スリップ制御について、スリップ率制御と呼ぶ。
なお、駆動輪8のロック時における駆動輪8のスリップ率λは、車体速Vと駆動輪8の車輪速Vdwとから下式(1)によって定義される。なお、ここでは、車体速Vは従動輪(前輪)9の車輪速Vfwから求めることとする。
λ=(V−Vdw)/V ・・・(1)
また、駆動輪8の空転時における駆動輪8のスリップ率λは、車体速Vと駆動輪8の車輪速Vdwとから下式(2)によって定義される。なお、ここでも、車体速Vは従動輪(前輪)9の車輪速Vfwから求めることとする。
λ=(V−Vdw)/Vdw・・・(2)
スリップ対応値としては、このスリップ率λ,λ以外に、ロック時スリップ率λに対応するパラメータ値として、例えば、駆動輪8の車輪速Vdwと従動輪9の車輪速Vfwとの回転速度差ΔV(=Vdw−Vfw)を用いてもよく、空転時スリップ率λに対応するパラメータ値として、例えば、駆動輪8の車輪速Vdwと車体速Vとの回転速度差ΔV(=Vdw−V)を用いてもよい。
車両ECU60には、かかるスリップ率制御のために、車両の走行状態が発進状態か加速状態かを判定する車両状態判定手段60aと、駆動輪8のスリップを検出するスリップ検出手段60bと、車体速Vと駆動輪8の車輪速Vdwとから駆動輪8の実スリップ率λを算出するスリップ率算出手段(スリップ対応値算出手段)60cと、駆動輪8のスリップ時に、駆動輪8のスリップ率λの目標値である目標スリップ率λtbを設定する目標スリップ率設定手段(目標値設定手段)60dと、駆動輪8のスリップ率λが目標スリップ率λtbになるようにモータ3及びエンジン1の出力トルク(回生時等の負のトルクも含む)を制御する出力トルク制御手段(モータ制御手段及びエンジン制御手段)60eと、目標スリップ率制御の終了を判定する終了判定手段60hとを、何れもコンピュータソフトウェアによる機能要素として備えている。
また、車両ECU60には、かかるスリップ率制御のために、駆動輪8の車輪速Vdwを検出する車輪速センサ55と、車体速Vに相当する従動輪(前輪)9の車輪速Vfwを検出する車輪速センサ56とから、それぞれの検出信号が入力されるようになっている。なお、各クラッチ2A,2Bのそれぞれの断接状態を検出する手段としては、各クラッチ2A,2Bの可動要素のストロークを検出するストロークセンサでもよい。
車両状態判定手段60aは、車体速Vから、車両の発進と走行中の加速とを判定する。つまり、車体速Vの増加状態が予め設定された時間以上継続すると車両が加速中であると判定し、この時、車両の加速開始時の車体速Vが予め設定された微小閾値(車両の停止を判定する閾値)V未満であれば、この加速を発進と判定し、車体速Vが微小閾値V以上であれば、この加速を走行中の加速と判定する。
スリップ検出手段60bは、車輪速センサ55により検出される駆動輪8の車輪速Vdwの時間変化率ΔVdwの大きさ|ΔVdw|が予め設定された基準変化率ΔVdw1を超えたら、駆動輪8にスリップが発生していると判定する。つまり、駆動輪8のロックによるスリップ開始時には、駆動輪8の車輪速Vdwが瞬時に急減するのでこれをとらえて、駆動輪8のスリップを判定する。また、駆動輪8の空転によるスリップ開始時には、駆動輪8の車輪速Vdwが瞬時に急増するのでこれをとらえて、駆動輪8のスリップを判定する。判定閾値である基準変化率ΔVdw1は、駆動輪8が路面をグリップしているときの時間変化率の最大値(車両の最大加速度に対応する)よりも大きい値が設定される。なお、このスリップ判定がされたら、その後、スリップ率制御を終えるまでは、駆動輪8はスリップしているものと判定を続行する。なお、このスリップ判定については、駆動輪8の車輪速Vdwと従動輪9の車輪速Vfwとの差ΔV(=Vdw−Vfw)の大きさ|ΔV|(=|(Vdw−V)|)が基準差ΔV1を超えたら、駆動輪8にスリップが発生していると判定してもよい。
スリップ率算出手段60cは、車体速Vと駆動輪8の車輪速Vdwとから、上記の式(1)によってロック時における駆動輪8の実スリップ率λraを算出する。また、上記の式(2)によって空転時における駆動輪8の実スリップ率λrbを算出する。
目標スリップ率設定手段60dは、スリップ検出手段60bにより駆動輪8のスリップが検出されたら、ロック時には、図2に示すように予め設定された目標スリップ率帯域λtaを設定し、空転時には、車両状態判定手段60aにより判定された車両の走行状態に基づいて、駆動輪8の目標スリップ率帯域λtbを設定する。
つまり、ロック時の目標スリップ率λtaは、図2に示すように、路面μとタイヤ横力Fyとの両方が一定以上のレベルの帯域を、目標スリップ率帯域λtaに設定する。なお、この目標スリップ率帯域λtaは、車両に搭載されるアンチロックブレーキシステム(ABS)の一般的な作動領域も含まれるので、ABSが装備されていれば、目標スリップ率帯域λta及びその周辺でABSも作動し、目標スリップ率制御がABSと協働して車輪のスリップ(ロック)を抑制することになる。
また、空転時の目標スリップ率λtbは、図3に示すように、車両の走行状態が発進状態か加速状態かによって設定される、複数の目標スリップ率帯域λtbが用意されている。第1の目標スリップ率帯域λtb1は、発進時の目標スリップ率帯域λtbである。第2の目標スリップ率帯域λtb2は、加速時の目標スリップ率帯域λtbである。車両の発進時の目標スリップ率帯域λtbである第1の目標スリップ率帯域λtb1はスリップ率λが大きい(即ち、スリップが少ない)領域に設定され、一方、車両の加速時の目標スリップ率帯域λtbである第2の目標スリップ率帯域λtb2はスリップ率λが小さい(即ち、スリップが大きい)領域に設定されている。
これは、車両の発進時には、駆動輪8のスリップを確実に抑えて発進することが最も重要であるため、車両の発進時の目標スリップ率帯域λtb1は、スリップ率λが大きい(即ち、スリップが少ない)領域に設定されている。
一方、車両の走行時には、駆動輪8のタイヤは適度に滑っているときに最大摩擦力を発揮する特性があるので、駆動輪8のスリップをある程度許容した方が、加速性を良好にすることができる。このため、車両の加速時の目標スリップ率帯域λtb2は、スリップ率λが小さい(即ち、スリップが大きい)領域に設定されている。
出力トルク制御手段60eは、駆動輪8のスリップ時に、スリップ率算出手段60cにより算出された実スリップ率λが目標スリップ率設定手段60dにより設定された目標スリップ率帯域λ内になるようにモータ3及びエンジン1の出力トルクを制御する。
ここでは、実スリップ率λが目標スリップ率帯域λから外れたら、実スリップ率λと目標スリップ率帯域λとの偏差、つまり、実スリップ率λが目標スリップ率帯域λ内に入るのに必要な値Δλに基づくフィードバック制御によって、モータ3及びエンジン1の出力トルクを制御する。
出力トルク制御手段60eでは、モータ3のみを使用した走行であれば、目標出力トルクTが全てモータ3で達成されるように、インバータECU62に指令信号を出力し、エンジン1のみを使用した走行であれば、目標出力トルクTが全てエンジン1で達成されるように、エンジンECU61に指令信号を出力する。また、モータ3とエンジン1とを共に使用した走行であれば、目標出力トルクTがエンジン1とモータ3との各分担目標トルクに割り振って、エンジンECU61,インバータECU62にそれぞれ指令信号を出力する。
終了判定手段60hは、目標スリップ率制御の終了を判定する駆動輪8の実スリップ率λが目標スリップ率帯域λの状態が予め設定された所定時間以上継続した場合(第1の制御終了条件が達成された場合)には、目標スリップ率制御を終了するものと判定する。この第1の制御終了条件により目標スリップ率制御を終了する場合は、目標スリップ率制御を緩やかに終了する。つまり、駆動源(特に、モータ3)の出力トルクを目標スリップ率制御のためのトルクから、ドライバの要求するトルク(アクセルペダル操作量に対応するトルク)に、小さな勾配で復帰させる。
また、終了判定手段60hは、上記の目標スリップ率制御が達成される終了条件(第1の制御終了条件)以外の終了条件(第2の制御終了条件)が達成された場合にも、目標スリップ率制御を終了するものと判定する。この第2の制御終了条件には、目標スリップ率制御中にドライバの加速要求があったこと、変速機の切り替え操作中であること、関連する機器等の何らかのフェールが発生したこと、が含まれる。これらの何れかが成立すれば、第2の制御終了条件が達成されたことになる。なお、ドライバの加速要求は、アクセルペダル操作量に基づいて判定する。
この第2の制御終了条件により目標スリップ率制御を終了する場合は、目標スリップ率制御を速やかに終了する。つまり、駆動源(特に、モータ3)の出力トルクを目標スリップ率制御のためのトルクから、ドライバの要求するトルク(アクセルペダル操作量に対応するトルク)に、大きな勾配で復帰させる。
〔作用,効果〕
本発明の一実施形態にかかるハイブリッド電気自動車の制御装置は、上述のように構成されているので、例えば図4に示すように、目標スリップ率制御が実施される。なお、図4に示す処理は所定の制御周期で実施されるものとする。
図4に示すように、まず、車両ECU60は、車輪速センサ56により検出される従動輪9の車輪速を車体速Vとして取得し、車輪速センサ55により検出される駆動輪8の車輪速Vdwを取得する(ステップS10)。
次に、スリップ検出手段60bにより、駆動輪8にロックによるスリップが発生しているかを判定する(ステップS20)。ここで、駆動輪8にロックによるスリップが発生していれば、スリップ率算出手段60cにより、車体速Vと駆動輪8の車輪速Vdwとから駆動輪8のロック時における実スリップ率λを算出する(ステップS60)。そして、予め設定された駆動輪8のロック対応の目標スリップ率λtaを設定する(ステップS90)。
一方、駆動輪8にロックによるスリップが発生していなければ、スリップ検出手段60bにより、駆動輪8に空転によるスリップが発生しているかを判定する(ステップS30)。ここで、駆動輪8に空転によるスリップが発生していれば、スリップ率算出手段60cにより、車体速Vと駆動輪8の車輪速Vdwとから駆動輪8の空転時における実スリップ率λを算出する(ステップS40)。
次に、車両状態判定手段60aにより判定された車両の走行状態が発進状態であるか加速状態であるかを判定し(ステップS50)、この判定結果から、駆動輪8の空転対応の目標スリップ率λtbを設定する。
つまり、車両の発進時には、目標スリップ率帯域λtbとして第1の目標スリップ率帯域λtb1を設定する(ステップS70)。また、車両の加速時には、目標スリップ率帯域λtbとして第2の目標スリップ率帯域λtb2を設定する(ステップS80)。
こうして目標スリップ率帯域λta,λtbが設定されると、出力トルク制御手段60eは、駆動輪8のスリップ時に、スリップ率算出手段60cにより算出された実スリップ率λが目標スリップ率設定手段60dにより設定された目標スリップ率帯域λta,λtb内になるように駆動源(特に、モータ3)の出力トルクを制御する(ステップS100)。
この出力トルク制御には、実スリップ率λと目標スリップ率帯域λta,λtbとの偏差、即ち、実スリップ率λが目標スリップ率帯域λta,λtb内に入るのに必要な値Δλに基づくフィードバック制御(例えば、PID制御)を用いる。
このように、本スリップ率制御では、駆動輪8のスリップが検出されたら、状況に応じた駆動輪8の目標スリップ率λを設定し、実スリップ率λが目標スリップ率λになるように駆動源の出力トルクを制御するので、駆動輪8のスリップ率を適切に制御することができる。
特に、車両が発進状態の場合の目標スリップ率λを、車両が加速状態の場合の目標値よりも低スリップ側(スリップ率なら高い側)に設定するので、発進時には、駆動輪8のスリップを確実に抑えて発進することができ、走行中の加速時には、スリップをある程度許容することにより、走行性能を良好に確保しながら駆動輪8のスリップを抑えることができる。
また、目標スリップ率λを、幅を持った帯域として設定することにより、制御を安定させることができる。
このような目標スリップ率制御中に、終了判定手段60hは、第1の制御終了条件、つまり、目標スリップ率制御が達成されることによる制御終了の条件が成立したかを判定する(ステップS110)。
ここで、第1の制御終了条件が成立しなければ、終了判定手段60hは、第2の制御終了条件、つまり、目標スリップ率制御中にドライバの加速要求があったこと、変速機の切り替え操作中であること、関連する機器等の何らかのフェールが発生したこと、の何れかが成立したかを判定する(ステップS120)。
出力トルク制御手段60eは、第2の制御終了条件が成立したら、駆動源(特に、モータ3)の出力トルクを目標スリップ率制御のためのトルクから、ドライバの要求するトルク(アクセルペダル操作量に対応するトルク)に、大きな勾配で速やかに復帰させて(ステップS130)、駆動源の出力トルクがドライバの要求するトルクに達したかを判定し(ステップS162)、出力トルクがドライバ要求トルクに達したら、目標スリップ率制御を終了する(ステップS170)。
このような制御によって、目標スリップ率制御中であっても、ドライバの加速要求があれば、駆動輪のスリップ抑制よりもドライバの要求トルクを優先して速やかに目標スリップ制御を終了することにより、ドライバビリティの悪化を防ぐことができる。
また、目標スリップ率制御中に、変速機の切り替え操作が行なわれる場合は、速やかに目標スリップ制御が終了され、変速機の切り替え操作を支障なく行なうことができる。
さらに、目標スリップ率制御中に関連する機器等の何らかのフェールが発生した場合も目標スリップ率制御による弊害(たとえばスリップ率を算出するための車輪速が異常値を示した場合,目標スリップ率制御中のトルクも異常値を示すおそれがあり,この場合は正常な制御ができなくなる)のおそれを速やかに回避することができる。
一方、ステップS110において、第1の制御終了条件が成立したら、出力トルク制御手段60eは、駆動源(特に、モータ3)の出力トルクを目標スリップ率制御のためのトルクから、ドライバの要求するトルク(アクセルペダル操作量に対応するトルク)に、小さな勾配で緩やかに復帰させる(ステップS140)。
次に、終了判定手段60hは、出力トルクを小さな勾配で緩やかに復帰させているときに、第2の制御終了条件が成立したか否かを判定し(ステップS150)、第2の制御終了条件が成立していない場合(ステップS150のNO)には、出力トルク制御手段60eは、小さな勾配で緩やかなトルク復帰を継続して、駆動源の出力トルクがドライバの要求するトルクに達したかを判定し(ステップS162)、出力トルクがドライバ要求トルクに達したら、目標スリップ率制御を終了する(ステップS170)。
この場合は、目標スリップ制御を実施していることに起因して実スリップ率が安定しているので、目標スリップ率制御を終了すると実スリップ率が再び不安定となる、つまり、駆動輪のスリップが顕著になるおそれが考えられるので、目標スリップ率制御を緩やかに終了することによって、このような場合にも対応しやすくなる。
また、終了判定手段60hは、出力トルクを小さな勾配で緩やかに復帰させているときに、第2の制御終了条件が成立した場合(ステップS150のYES)には、出力トルク制御手段60eは、駆動源の出力トルクを目標スリップ率制御のためのトルクから、ドライバの要求するトルクに、大きな勾配で速やかに復帰させて(ステップS160)、駆動源の出力トルクがドライバの要求するトルクに達したかを判定し(ステップS162)、出力トルクがドライバ要求トルクに達したら、目標スリップ率制御を終了する(ステップS170)。
上述のように出力トルクを小さな勾配で緩やかに復帰させている最中に、第2の制御終了条件が成立した場合には、駆動源の出力トルクを目標スリップ率制御のためのトルクから、ドライバの要求するトルクに、大きな勾配で速やかに復帰させることにより、ドライバビリティの悪化を防ぐことができる。
〔その他〕
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、かかる実施形態の一部を変更したり、かかる実施形態の一部のみを適用したりして、実施することができる。
例えば、上記の実施形態では、駆動輪のスリップとして、駆動輪のロックによるスリップ及と駆動輪の空転によるスリップとを共に対象としているが、これらのいずれかを対象に制御してもよい。
また、上記の実施形態では、クラッチと変速ギヤ機構とが、奇数段と偶数段との二系統に分かれたデュアルクラッチ式変速機が例示されているが、本発明は、クラッチが1つのみで変速ギヤ機構も分かれていないシングルクラッチ式変速機にも適用しうるものである。
また、上記の実施形態では、大型又は中型の商用車への適用例を説明したが、本発明の対象はかかる自動車に限定されず、また、自動車以外の車両(例えば、鉄道車両)への適用も可能である。
また、車両に搭載されるエンジンもディーゼルエンジンに限定されない。
1 エンジン(内燃機関)
2 クラッチユニット
2A 第1クラッチ
2B 第2クラッチ
3 モータ(電動発電機)
4 変速機(トランスミッション)
4A 第1変速ギヤ機構
4B 第2変速ギヤ機構
5 プロペラシャフト
6 リアディファレンシャル(リアデフ)
7 ドライブシャフト
8 駆動輪(後輪)
9 従動輪(前輪)
31 インバータ
32 バッテリ
40A 第1入力軸
40B 第2入力軸
55 車輪速センサ(駆動輪)
56 車輪速センサ(従動輪)
60 車両ECU
60a 車両状態判定手段
60b スリップ検出手段
60c スリップ率算出手段(スリップ対応値算出手段)
60d 目標スリップ率設定手段(目標値設定手段)
60e 出力トルク制御手段(モータ制御手段及びエンジン制御手段)
60h 終了判定手段
61 エンジンECU
62 インバータECU
63 バッテリECU

Claims (6)

  1. 走行駆動源としてのエンジン及びモータと、前記エンジンと前記モータとの間に介装され前記エンジンを駆動系から切り離すクラッチと、変速機を介して前記走行駆動源からの出力トルクが伝達される駆動輪とを備えたハイブリッド電気自動車の制御装置であって、
    前記駆動輪のスリップを検出するスリップ検出手段と、
    前記車両の車体速と前記駆動輪の車輪速とから前記駆動輪の実スリップ率又は該実スリップ率に対応するパラメータ値である実スリップ対応値を算出するスリップ対応値算出手段と、
    前記スリップ検出手段により前記駆動輪のスリップが検出されたら、前記駆動輪のスリップ率又は該スリップ率に対応するパラメータ値であるスリップ対応値の目標値帯域を設定し、前記スリップ対応値算出手段により算出された前記実スリップ対応値が前記目標値帯域になるように少なくとも前記モータの出力トルクを制御する、目標スリップ制御を行なう出力トルク制御手段とを備え、
    前記出力トルク制御手段は、前記目標スリップ制御中に前記実スリップ対応値が安定する第1の制御終了条件が成立したら前記目標スリップ制御を緩やかに終了し、前記目標スリップ制御中にドライバの加速要求中であることをオア条件として含む第2の制御終了条件が成立したら前記第1の制御終了条件が成立していなくても前記目標スリップ制御を速やかに終了することを特徴とする、ハイブリッド電気自動車の制御装置。
  2. 前記出力トルク制御手段は、前記車両のアクセルペダル踏込状態に基づいて前記ドライバの加速要求を判定する
    ことを特徴とする、請求項1記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  3. 前記第1の制御終了条件は、前記実スリップ対応値が前記目標値帯域内にある状態が予め設定された時間継続することである
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  4. 前記第2の制御終了条件には、前記変速機の切り替え操作中であることもオア条件として含まれる
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  5. 前記駆動輪のスリップは、前記駆動輪のロックによるスリップ及び前記駆動輪の空転によるスリップを含む
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項記載のハイブリッド電気自動車の制御装置。
  6. 前記出力トルク制御手段は、前記スリップ対応値算出手段により算出された前記実スリップ対応値と、前記目標値帯域との差に基づくフィードバック制御によって前記モータの出力トルクを制御する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のハイブリッド電気自動車の制御装
    置。
JP2010267141A 2010-11-30 2010-11-30 ハイブリッド電気自動車の制御装置 Active JP5801551B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010267141A JP5801551B2 (ja) 2010-11-30 2010-11-30 ハイブリッド電気自動車の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010267141A JP5801551B2 (ja) 2010-11-30 2010-11-30 ハイブリッド電気自動車の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012116307A JP2012116307A (ja) 2012-06-21
JP5801551B2 true JP5801551B2 (ja) 2015-10-28

Family

ID=46499694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010267141A Active JP5801551B2 (ja) 2010-11-30 2010-11-30 ハイブリッド電気自動車の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5801551B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101756033B1 (ko) 2016-08-26 2017-07-07 현대자동차주식회사 하이브리드 차량의 tcs 작동 중 엔진클러치 접합 제어 방법
JP6756310B2 (ja) * 2017-07-18 2020-09-16 株式会社アドヴィックス 車両の駆動トルク制御装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63192929A (ja) * 1987-02-04 1988-08-10 Mitsubishi Motors Corp スロツトル弁制御式車両用駆動力制御装置
JPH07108633B2 (ja) * 1987-11-30 1995-11-22 日産自動車株式会社 車両用駆動力制御装置
JP3832405B2 (ja) * 2002-08-29 2006-10-11 トヨタ自動車株式会社 原動機の制御装置および原動機の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012116307A (ja) 2012-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5879788B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5679072B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5569654B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5565468B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5488712B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5706274B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2009120189A (ja) ハイブリッド電気自動車の制御装置
JP2012116272A (ja) ハイブリッド電気自動車の回生制御装置
US9487205B2 (en) Controller of hybrid system
WO2012057040A1 (ja) 電動車両の制御装置
KR20200117113A (ko) 하이브리드 차량의 파워-오프 다운시프트를 위한 능동 변속 제어 방법
WO2014103571A1 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2007261415A (ja) ハイブリッド自動車の制御装置
JP5706141B2 (ja) ハイブリッド電気自動車の制御装置
JP6554030B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5801551B2 (ja) ハイブリッド電気自動車の制御装置
JP5956714B2 (ja) ハイブリッド自動車の制御装置
US8419591B2 (en) Vehicle drive system
JP2012116409A (ja) ハイブリッド電気自動車のクラッチ断接判定装置
JP7287175B2 (ja) 四輪駆動車両の制御装置
JP5696502B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2012218689A (ja) 車両制御装置
JP5736720B2 (ja) モータ制御装置
JP2012086653A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
KR20200123297A (ko) 하이브리드 차량의 정지전 다운시프트 제어 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131011

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20131011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140826

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20141118

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20141121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150317

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150818

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5801551

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250