以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の注文システム10の全体構成が示されている。図2〜図4は、注文画面100,160,180での操作例の説明図である。また、図5には、顧客設定記憶手段41の構成が示され、図6には、注文データベース42の構成が示され、図7には、保有データベース43のレコード構成が示されている。さらに、図8には、注文システム10による注文受付処理の流れがフローチャートで示されている。
図1において、注文システム10は、金融商品(例えば、株式、投資信託、債券等の有価証券や商品先物取引に係る商品等)の注文を受け付けて執行する注文サーバ20と、顧客が操作する顧客端末50とが、通信回線1を介して接続されて構成されている。また、注文サーバ20には、相場情報提供システム60が通信回線2を介して接続され、市場システム70が通信回線3を介して接続され、金融機関システムであるA銀行システム80AおよびB銀行システム80Bが通信回線4,5を介して接続されている。
ここで、顧客端末50は、1台に限らず、通常は、多数の顧客からのアクセスがあれば、複数台となるので、通信回線1は、ネットワークとされ、例えば、インターネット等の外部ネットワーク、あるいは外部ネットワークとLANやイントラネット等の内部ネットワークとの組み合わせであり、有線若しくは無線であるか、またはその混在型であるかの別は問わない。なお、顧客端末50が、無線通信を行うタブレット端末やスマートフォン等であれば、通信回線1のうちの少なくとも顧客端末50に至る最後の箇所では、無線通信が行われることになる。
また、通信回線2は、専用線でもよく、ネットワークでもよい。相場情報提供システム60が、注文サーバ20のサイト運営者(本実施形態では、例えば、証券会社)が運用・管理している他のシステム(自社内の他のシステム)である場合には、通信回線2は、イントラネットや社内LAN等の内部ネットワークでもよい。また、相場情報提供システム60が、市場システム70自体である場合には、通信回線2,3は、同じものを指していることになる。
さらに、通信回線4,5は、専用線でもよく、ネットワークでもよい。A銀行システム80AまたはB銀行システム80Bが、注文サーバ20のサイト運営者(本実施形態では、例えば、証券会社)のグループ会社が運用・管理するシステムである場合には、通信回線4,5は、イントラネットや社内LAN等の内部ネットワークでもよい。
注文サーバ20は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、金融商品の注文を受け付けて執行する処理を実行する処理手段30と、この処理手段30に接続されて注文を取り扱う処理に必要なデータを記憶する相場情報記憶手段40、顧客設定記憶手段41、注文データベース42、および保有データベース43とを備えて構成されている。この注文サーバ20は、より具体的には、例えば、WebサーバやWebアプリケーションサーバを含んで構成されている。
処理手段30は、相場情報取得手段31と、預金残高取得手段32と、顧客設定受付手段33と、注文受付手段34と、執行手段35とを含んで構成され、さらに、執行手段35は、発注手段36と、入出金手段37とを含んで構成されている。
相場情報取得手段31は、相場情報提供システム60から通信回線2を介して各金融商品の価格を含む相場情報を定期的に取得し、取得した相場情報を、金融商品の銘柄識別情報と関連付けて相場情報記憶手段40に逐次記憶させる処理を実行するものである。ここで、相場情報とは、例えば、現在値、高値、安値、始値、終値、出来高、前日比等である。従って、相場情報記憶手段40には、常に各金融商品の最新の相場情報が記憶されている。
預金残高取得手段32は、A銀行システム80AおよびB銀行システム80Bから通信回線4,5を介してA銀行およびB銀行に開設された顧客の預金口座の残高を含む情報を、定期的に、または残高が更新(注文サーバ20による入出金とは別の要因での更新を含む。)される都度に取得し、取得した残高を含む情報を、顧客識別情報(顧客コード)および口座識別情報(金融機関コードおよび口座番号)と関連付けて保有データベース43(図7参照)に記憶させる処理を実行するものである。なお、この預金残高取得手段32による残高等の取得処理が行われる預金口座は、本システムによる金融商品の売買に係る決済に用いるための預金口座として顧客により事前に指定されて顧客設定記憶手段41(図5参照)に記憶されている預金口座だけである(但し、図5においては、この図示は省略されている)。
顧客設定受付手段33は、顧客端末50からの顧客の表示要求に応じて顧客の設定情報を入力するための顧客設定入力画面の表示用データを、通信回線1を介して顧客端末50へ送信するとともに、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる顧客の設定情報を、顧客識別情報(顧客コード)と関連付けて顧客設定記憶手段41(図5参照)に記憶させる処理を実行するものである。ここで、顧客の設定情報とは、銘柄乗換え注文で売買後に生じる残金の入金先の預金口座の口座識別情報(金融機関コードおよび口座番号)、顧客により指定された1つまたは複数の金融商品の注目銘柄の銘柄識別情報、注目銘柄の選定条件(例えば、サイト運営者に一任、前日比XX円以上等)などである。また、顧客の設定情報には、本システムによる金融商品の売買に係る決済に用いるための預金口座の口座識別情報(金融機関コードおよび口座番号)も含まれる。
注文受付手段34は、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる注文画面の表示要求信号を受信したときに、注文対象の金融商品を示すアイコンおよび金融機関の預金口座を示すアイコンが表示された注文画面100,160,180(図2〜図4参照)の表示用データを作成し、作成した表示用データを、通信回線1を介して顧客端末50へ送信し、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる売り注文および/または買い注文の注文データ(ドラッグ操作により指定されたドラッグ元アイコンに対応する金融商品または金融機関の預金口座についての銘柄識別情報または口座識別情報と、ドロップ操作により指定されたドロップ先アイコンに対応する金融商品または金融機関の預金口座についての銘柄識別情報または口座識別情報とを含む。)を受信し、受信した注文データに対し、注文識別情報を自動付与し、受信した注文データを、注文識別情報および顧客識別情報(顧客コード)と関連付けて注文データベース42(図6参照)に記憶させる処理を実行するものである。
ここで、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)の表示用データは、Web画面の表示用データであり、例えばHTML5等のような動的な表現ができる言語で作成されたデータである。
より具体的には、注文受付手段34は、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)の表示用データを作成する際には、注文画面の表示要求を行った顧客の顧客識別情報を用いて保有データベース43(図7参照)に記憶されている当該顧客の保有する全ての金融商品についての銘柄識別情報(銘柄コード)および保有数量、並びに当該顧客が開設している全ての金融機関の預金口座の口座識別情報(金融機関コードおよび口座番号)および残高を取得し、さらに、取得した当該顧客の保有する金融商品の銘柄識別情報を用いて相場情報記憶手段40に記憶されている当該金融商品の相場情報を取得する。そして、当該顧客の保有する全ての金融商品について、それぞれの金融商品を示すアイコンを作成し、かつ、これらの各アイコンの中に、当該金融商品の銘柄名、保有数量、および相場情報の表示部を作成し、この表示部を含むアイコンを、注文画面100,160,180において、売却対象の金融商品を示すアイコンを表示する「手持ち銘柄」表示部110に配置する。また、当該顧客が開設している全ての金融機関の預金口座(但し、注文サーバ20に登録している口座に限る。)について、それぞれの金融機関の預金口座を示すアイコンを作成し、かつ、これらの各アイコンの中に、当該預金口座の口座識別情報(金融機関名称および口座番号)および残高の表示部を作成し、この表示部を含むアイコンを、注文画面100,160,180において、預金口座を示すアイコンを表示する「銀行口座」表示部130に配置する。
また、注文受付手段34は、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)の表示用データを作成する際には、注文画面の表示要求を行った顧客の顧客識別情報を用いて顧客設定記憶手段41(図5参照)に記憶されている当該顧客の設定情報を取得し、取得した設定情報に従って、表示する1つまたは複数の注目銘柄を決定し、決定した各注目銘柄の銘柄識別情報を用いて相場情報記憶手段40に記憶されている当該注目銘柄の相場情報を取得し、それぞれの注目銘柄の金融商品を示すアイコンを作成し、かつ、これらの各アイコンの中に、当該注目銘柄の銘柄名および相場情報の表示部を作成し、この表示部を含むアイコンを、注文画面100,160,180において、購入対象の金融商品を示すアイコンを表示する「注目銘柄」表示部120に配置する。
この際、注文受付手段34は、顧客設定記憶手段41(図5参照)に、顧客により指定された1つまたは複数の注目銘柄の金融商品の銘柄識別情報が記憶されている場合には、それらの全ての金融商品を、表示する注目銘柄として決定する。また、注文受付手段34は、顧客設定記憶手段41(図5参照)に、相場情報を利用して指定された選定条件(例えば、前日比XX円以上等)が記憶されている場合には、相場情報記憶手段40に記憶されている各金融商品の相場情報を用いて、その選定条件に合致する金融商品を抽出し、抽出した全ての金融商品を、表示する注目銘柄として決定する。さらに、注文受付手段34は、顧客設定記憶手段41(図5参照)に、選定条件として、注目銘柄の選定をサイト運営者(本実施形態では、例えば証券会社)に一任するという内容を示す情報が記憶されている場合には、サイト運営者(証券会社)により注目銘柄として選定された1つまたは複数の金融商品の銘柄識別情報を、図示されないサイト運営者選択銘柄記憶手段から取得し、取得した全ての金融商品を、表示する注目銘柄として決定する。
さらに、注文受付手段34は、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)が表示されている顧客端末50から通信回線1を介して定期的に送信されてくる表示更新要求信号を受信し、注文画面100,160,180に表示された各アイコンに対応する金融商品の最新の相場情報を相場情報記憶手段40から取得し、取得した最新の相場情報を、銘柄識別情報とともに、通信回線1を介して顧客端末50へ送信する処理を実行する。なお、各アイコンの中に表示された相場情報の更新のための送信だけではなく、保有データベース43(図7参照)に記憶された保有数量や預金口座の残高も顧客端末50へ送信し、各アイコンの中のこれらの表示も最新の数値に更新するようにしてもよい。
なお、注文受付手段34は、顧客が信用取引を行っている場合には、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)のいずれかの場所、例えば、「手持ち銘柄」表示部110や「銀行口座」表示部130に、取引の上限金額を示す信用枠を表示してもよい。この信用枠の算出処理は、例えば、保有データベース43(図7参照)に記憶された金融商品の保有数量のうち信用取引用の担保銘柄として顧客により指定されている金融商品の保有数量、あるいは保有データベース43(図7参照)に記憶された預金口座の残高のうち信用取引口座として顧客により指定されている預金口座の残高を用いて行うことができる。また、注文受付手段34は、信用取引が行われた場合には、信用取引建玉金額を、顧客識別情報と関連付けて図示されない信用取引建玉金額記憶手段に記憶させておき、この信用取引建玉金額の分だけ、信用枠を減少させる。
また、注文受付手段34は、図2に示すように、「手持ち銘柄」表示部110に表示された売却対象の金融商品を示すアイコンから「注目銘柄」表示部120に表示された購入対象の金融商品を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ(1)の操作が行われた場合には、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品の銘柄識別情報を、売却銘柄の銘柄識別情報として含む売り注文の注文データ、およびドロップ先アイコンに対応する金融商品の銘柄識別情報を、購入銘柄の銘柄識別情報として含む買い注文の注文データを受信する処理を実行する。
そして、注文受付手段34は、図2に示すように、「乗換え発注確認」表示部140に表示された銘柄乗換え注文の売買後の残金を示すアイコン143から「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ(2)の操作が行われた場合には、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる、ドロップ先アイコンに対応する預金口座の口座識別情報を、残金の入金先となる預金口座の口座識別情報として受信する処理を実行する。なお、この残金の入金先となる預金口座の口座識別情報は、本実施形態では、売り注文の注文データに含めて注文データベース42(図6参照)に記憶させるものとする。
また、注文受付手段34は、図2に示すように、前述したドラッグ&ドロップ(1)の操作が行われた後に、続けて「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコンから前述したドラッグ&ドロップ(1)の操作でのドロップ先アイコンと同じアイコンへのドラッグ&ドロップ(3)の操作が行われた場合には、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる、ドラッグ元アイコンに対応する預金口座の口座識別情報を、買付資金の不足分を引き落とす預金口座の口座識別情報として受信する処理を実行する。なお、この買付資金の不足分を引き落とす預金口座の口座識別情報は、本実施形態では、買い注文の注文データに含めて注文データベース42(図6参照)に記憶させるものとする。
さらに、注文受付手段34は、図3に示すように、「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコンから「注目銘柄」表示部120に表示された購入対象の金融商品を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ(4)の操作が行われ、さらに、このドラッグ&ドロップ(4)の操作が行われた直後に表示された「買い発注確認」表示部170において、ドロップ先アイコンに対応する金融商品の購入数量の入力部171に、顧客により購入数量が入力された場合には、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる、ドラッグ元アイコンに対応する預金口座の口座識別情報を、買付代金の引き落とし口座の口座識別情報として含むとともに、ドロップ先アイコンに対応する金融商品の銘柄識別情報および入力された購入数量を、購入銘柄の銘柄識別情報および購入数量として含む買い注文の注文データを受信する処理を実行する。
また、注文受付手段34は、図4に示すように、「手持ち銘柄」表示部110に表示された売却対象の金融商品を示すアイコンから「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ(5)の操作が行われ、かつ、このドラッグ&ドロップ(5)の操作が行われた直後に表示された「売り発注確認」表示部190において、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品の売却数量の入力部192に、売却数量が入力されなかった場合には、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品の銘柄識別情報および保有数量の全部の数量を、売却銘柄の銘柄識別情報および売却数量として含むとともに、ドロップ先アイコンに対応する預金口座の口座識別情報を、売付代金の入金口座の口座識別情報として含む売り注文の注文データを受信する処理を実行する。
一方、注文受付手段34は、図4に示すように、「手持ち銘柄」表示部110に表示された売却対象の金融商品を示すアイコンから「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ(5)の操作が行われ、かつ、このドラッグ&ドロップ(5)の操作が行われた直後に表示された「売り発注確認」表示部190において、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品の売却数量の入力部192に、顧客により売却数量が入力された場合には、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品の銘柄識別情報および入力された売却数量を、売却銘柄の銘柄識別情報および売却数量として含むとともに、ドロップ先アイコンに対応する預金口座の口座識別情報を、売付代金の入金口座の口座識別情報として含む売り注文の注文データを受信する処理を実行する。
なお、注文受付手段34は、「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコンから「銀行口座」表示部130に表示された別の金融機関の預金口座を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ操作が行われ、かつ、このドラッグ&ドロップ操作が行われた直後に、顧客により金額データが入力された場合には、ドラッグ元アイコンおよびドロップ先アイコンに対応する各預金口座の口座識別情報および入力された金額データを、金融商品の売り注文や買い注文の注文データではなく、ドラッグ元アイコンに対応する預金口座からドロップ先アイコンに対応する預金口座への資金移動のための金額データとして受信する処理を実行してもよい。
執行手段35は、注文データベース42(図6参照)に記憶された売り注文および/または買い注文の注文データを用いて、注文受付手段34により受け付けた銘柄乗換え注文(売り注文および買い注文)、売り注文、または買い注文を執行する処理を実行するものであり、発注手段36と、入出金手段37とを含んで構成されている。
発注手段36は、注文データベース42(図6参照)に記憶された売り注文および/または買い注文の注文データを用いて、売りの発注データ(注文識別情報、顧客識別情報、売却銘柄の銘柄識別情報、売却数量、売買区分、成行・指値の別等を含む。)および/または買いの発注データ(注文識別情報、顧客識別情報、購入銘柄の銘柄識別情報、購入数量、売買区分、成行・指値の別等を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線3を介して市場システム70へ送信するとともに、市場システム70から通信回線3を介して送信されてくる約定データ(注文識別情報、顧客識別情報、銘柄識別情報、約定数量、約定単価、売買区分等を含む。)を受信する処理を実行するものである。なお、銘柄乗換え注文の場合には、売りおよび買いの双方の発注データを作成・送信するが、この際、現物売買であれば、売り注文の約定後に、買い注文を発注し、信用取引であれば、売買同時に発注することが可能である。
入出金手段37は、注文データベース42(図6参照)に記憶された注文データや発注手段36により受信した約定データを用いて、金融機関の預金口座に対し、決済を含む入出金のための処理を実行するものである。
より具体的には、入出金手段37は、注文受付手段34により金融商品の銘柄乗換え注文(売り注文および買い注文)を受け付けた場合に、注文データベース42(図6参照)に記憶された売り注文の注文データに、連係情報として、対になる買い注文の注文識別情報とともに、残金の入金口座の口座識別情報が記憶されていれば、売付金額を買付金額に充当する際に最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味することにより生じた残金の金額データを、入金データとして、残金の入金口座の口座識別情報とともに、その預金口座が開設されている金融機関システムへ通信回線4,5を介して送信する処理を実行する。
また、入出金手段37は、注文受付手段34により金融商品の銘柄乗換え注文(売り注文および買い注文)を受け付けた場合に、注文データベース42(図6参照)に記憶された買い注文の注文データに、連係情報として、対になる売り注文の注文識別情報とともに、買付資金の不足分の引き落とし口座の口座識別情報が記憶されていれば、売付金額を買付金額に充当する際に最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味することにより生じた買付資金の不足分の金額データを、出金データとして、不足分の引き落とし口座の口座識別情報とともに、その預金口座が開設されている金融機関システムへ通信回線4,5を介して送信する処理を実行する。
さらに、入出金手段37は、注文受付手段34により単独の買い注文(銘柄乗換え注文を構成しない買い注文)を受け付けた場合に、注文データベース42(図6参照)に記憶された買い注文の注文データに、連係情報として、引き落とし口座の口座識別情報が記憶されていれば、買付金額の金額データを、出金データとして、引き落とし口座の口座識別情報とともに、その預金口座が開設されている金融機関システムへ通信回線4,5を介して送信する処理を実行する。
そして、入出金手段37は、注文受付手段34により単独の売り注文(銘柄乗換え注文を構成しない売り注文)を受け付けた場合に、注文データベース42(図6参照)に記憶された売り注文の注文データに、連係情報として、入金口座の口座識別情報が記憶されていれば、売付金額の金額データを、入金データとして、入金口座の口座識別情報とともに、その預金口座が開設されている金融機関システムへ通信回線4,5を介して送信する処理を実行する。なお、売却の場合の入金処理を、受渡日(約定日から起算して4営業日目)に行うのは、通常の取引の場合と同様である。
また、入出金手段37は、売り注文や買い注文が約定し、入出金処理が完了したら、保有データベース43(図7参照)に記憶されている顧客の保有する金融商品の数量および顧客が開設している金融機関の預金口座の残高を更新する処理も実行する。
なお、入出金手段37は、金融商品の売りや買いの発注を伴わない単なる預金口座間の資金移動のための処理を実行してもよい。この場合は、入出金手段37は、注文受付手段34から、ドラッグ元アイコンおよびドロップ先アイコンに対応する各預金口座の口座識別情報および顧客により入力された金額データを受け取り、受け取った金額データを、出金データとして、ドラッグ元アイコンに対応する預金口座の口座識別情報とともに、その預金口座が開設されている金融機関システムへ通信回線4,5を介して送信し、さらに、受け取った金額データを、入金データとして、ドロップ先アイコンに対応する預金口座の口座識別情報とともに、その預金口座が開設されている金融機関システムへ通信回線4,5を介して送信する処理を実行する。
相場情報記憶手段40は、相場情報取得手段31により取得した各金融商品の価格を含む相場情報(株式の場合には、例えば、現在値、高値、安値、始値、終値、出来高、前日比等)を、金融商品の銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて記憶するものである。この相場情報記憶手段40に記憶される相場情報は、相場情報取得手段31により定期的に更新されるようになっている。
顧客設定記憶手段41は、図5に示すように、顧客設定受付手段33により受け付けた顧客の設定情報を、顧客識別情報(顧客コード)と関連付けて記憶するものである。ここで、顧客の設定情報とは、銘柄乗換え注文で売買後に生じる残金の入金先の預金口座の口座識別情報(金融機関コードおよび口座番号)、顧客により指定された1つまたは複数の金融商品の注目銘柄の銘柄識別情報、注目銘柄の選定条件(例えば、サイト運営者に一任、前日比XX円以上等)などである。また、図5において、図示は省略されているが、本システムによる金融商品の売買に係る決済に用いるための預金口座として顧客により事前に指定された預金口座の口座識別情報(金融機関コードおよび口座番号)も記憶している。
注文データベース42は、図6に示すように、注文受付手段34により受け付けた売り注文および/または買い注文の注文データを、注文識別情報および顧客識別情報(顧客コード)と関連付けて記憶するものである。
ここで、売り注文の注文データには、例えば、売却銘柄の銘柄識別情報、売却数量、売買区分、指値・成行の別、連係情報等が含まれる。売り注文の注文データの連係情報としては、金融商品の銘柄乗換え注文を構成する売り注文の場合には、対になる買い注文の注文識別情報、および売付金額を買付金額に充当する際に最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味することにより生じた残金の入金口座の口座識別情報があり、銘柄乗換え注文ではない単独の売り注文の場合には、入金口座の口座識別情報がある。
また、買い注文の注文データには、例えば、購入銘柄の銘柄識別情報、購入数量、売買区分、指値・成行の別、連係情報等が含まれる。買い注文の注文データの連係情報としては、金融商品の銘柄乗換え注文を構成する買い注文の場合には、対になる売り注文の注文識別情報、および売付金額を買付金額に充当する際に最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味することにより生じた買付資金の不足分の引き落とし口座の口座識別情報があり、銘柄乗換え注文ではない単独の買い注文の場合には、引き落とし口座の口座識別情報がある。
保有データベース43は、図7に示すように、顧客の保有する金融商品の数量を、顧客識別情報(顧客コード)および銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて記憶するとともに、顧客が開設している金融機関の預金口座(顧客により事前指定されて注文サーバ20に登録されている口座に限る。)の残高を、顧客識別情報(顧客コード)および口座識別情報(金融機関コードおよび口座番号)と関連付けて記憶するものである。
以上において、処理手段30に含まれる各手段31〜37は、注文サーバ20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、各記憶手段40,41および各データベース42,43は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、フラッシュ・メモリ、EEPROM、DVD、CD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等、その他の記録媒体を採用してもよい。
さらに、注文サーバ20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
顧客端末50は、コンピュータにより構成され、顧客による入力操作のための入力手段と、顧客が参照する画面を表示するためのディスプレイ装置とを備えている。このうち、入力手段としては、画面上でドラッグ&ドロップ操作を行うことができるように、キーボードのみならず、例えば、マウス、ポインティングペン、タッチパネル、タッチパッド等のポインティングデバイスが設けられている。この顧客端末50として、無線通信が可能な携帯型のタブレット端末やスマートフォン等を好適に用いることができる。
相場情報提供システム60は、各金融商品の価格を含む相場情報を提供するコンピュータにより構成されたシステムである。この相場情報提供システム60は、市場システム70自体であってもよく(本実施形態では、説明の便宜上、相場情報提供システム60と市場システム70とを分けて記載している。)、市場システム70から取得した相場情報を配信する二次情報源としての情報ベンダーのシステムであってもよく、あるいはサイト運営者(本実施形態では、証券会社)内の他のシステムであってもよい。
市場システム70は、コンピュータにより構成され、例えば、証券取引所システム、PTS市場を形成する証券会社のシステム、商品取引所システム等である。
A銀行システム80AおよびB銀行システム80Bは、コンピュータにより構成され、顧客が預金口座を開設しているか、またはこれから開設する金融機関システムである。
このような本実施形態においては、以下のようにして注文システム10により注文の受付および発注処理が行われる。
図8において、顧客は、顧客端末50を操作し、顧客設定入力画面の表示要求信号を、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信する。注文サーバ20では、顧客設定受付手段33により、顧客設定入力画面の表示要求信号を受信すると、顧客の設定情報を入力するための顧客設定入力画面の表示用データを、通信回線1を介して顧客端末50へ送信する。すると、顧客端末50には、顧客設定入力画面(不図示)が表示されるので、顧客は、この顧客設定入力画面で、設定情報を入力し、入力した設定情報を、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信する(ステップS1)。注文サーバ20では、顧客設定受付手段33により、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる顧客の設定情報を受信し、受信した顧客の設定情報を、顧客識別情報(顧客コード)と関連付けて顧客設定記憶手段41(図5参照)に記憶させる(ステップS2)。顧客の設定情報の内容は、既に詳述しているので、ここでは説明を省略する。
続いて、注文サーバ20において、預金残高取得手段32により、A銀行システム80AおよびB銀行システム80Bから通信回線4,5を介してA銀行およびB銀行に開設された顧客の預金口座の残高を含む情報を取得し、取得した残高を含む情報を、顧客識別情報(顧客コード)および口座識別情報(金融機関コードおよび口座番号)と関連付けて保有データベース43(図7参照)に記憶させる(ステップS3)。なお、説明の便宜上、ステップS3に記載しているが、このステップS3のタイミングに限らず、預金残高取得手段32による預金口座の残高の取得処理は、定期的に、または残高が更新される都度に行われる。
さらに、注文サーバ20において、相場情報取得手段31により、相場情報提供システム60から通信回線2を介して各金融商品の価格を含む相場情報(株式の場合には、例えば、現在値、高値、安値、始値、終値、出来高、前日比等)を取得し、取得した相場情報を、金融商品の銘柄識別情報(銘柄コード)と関連付けて相場情報記憶手段40に記憶させる(ステップS4)。なお、説明の便宜上、ステップS4に記載しているが、このステップS4のタイミングに限らず、相場情報取得手段31による相場情報の取得処理は、定期的に繰り返し行われ、相場情報記憶手段40には、最新の相場情報が記憶されている状態になっている。
それから、顧客は、顧客端末50を操作し、注文画面の表示要求信号を、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信する(ステップS5)。注文サーバ20では、注文受付手段34により、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる注文画面の表示要求信号を受信すると(ステップS6)、例えばHTML5等のような動的な表現ができる言語を用いて注文画面(Web画面)の表示用データを作成し、作成した表示用データを、通信回線1を介して顧客端末50へ送信する(ステップS7)。すると、顧客端末50には、図2〜図4に示すような注文画面100,160,180が表示される(ステップS8)。
図2〜図4において、注文画面100,160,180には、売却対象の金融商品を示すアイコンを表示する「手持ち銘柄」表示部110と、購入対象の金融商品を示すアイコンを表示する「注目銘柄」表示部120と、金融機関の預金口座を示すアイコンを表示する「銀行口座」表示部130とが設けられている。なお、最初は、図2〜図4の注文画面100,160,180のそれぞれの右側の区画の「乗換え発注確認」表示部140、「買い発注確認」表示部170、「売り発注確認」表示部190の各表示はなく、この右側の区画は空白とされているか、あるいは区画自体がない状態となっている。つまり、最初は、図2〜図4の注文画面100,160,180は、同じものである。この右側の区画に後から表示される表示部140,170,190は、右側に限らず、左側、上側、下側のいずれの区画に表示してもよく、最初から表示されている表示部110,120,130の上に重畳的に表示してもよく(従って、表示部110,120,130の一部が隠れて見えなくなるか、透明・半透明のスケルトン重畳表示であれば、見えにくくなる。)、表示部110,120,130とは別のウィンドウに表示してもよい。また、「乗換え発注確認」表示部140、「買い発注確認」表示部170、「売り発注確認」表示部190の追加表示と同時に、最初から表示されている表示部110,120,130を縮小表示してもよい。
「手持ち銘柄」表示部110には、注文画面の表示要求を行った顧客の保有する金融商品を示すアイコンが表示されている。図2〜図4の例では、有価証券として、C社株を示すアイコン111、D社株を示すアイコン112、E社株を示すアイコン113が表示され、商品先物取引に係る商品として、アラビカコーヒーを示すアイコン114が表示されている。この「手持ち銘柄」表示部110の作成は、注文サーバ20において、注文受付手段34により、次のようにして行われる。先ず、注文画面の表示要求を行った顧客の顧客識別情報を用いて、保有データベース43(図7参照)に記憶されている当該顧客の保有する全ての金融商品についての銘柄識別情報(銘柄コード)および保有数量を取得し、さらに、取得した当該顧客の保有する金融商品の銘柄識別情報を用いて、相場情報記憶手段40に記憶されている当該金融商品の相場情報を取得する。そして、当該顧客の保有する全ての金融商品について、それぞれの金融商品を示すアイコンを作成し、かつ、これらの各アイコンの中に、当該金融商品の銘柄名、保有数量、および相場情報の表示部を作成し、この表示部を含むアイコンを、「手持ち銘柄」表示部110に配置する。図2〜図4の例では、相場情報として、現在値(PTS市場の場合には、前日の終値)および前日比が表示されているが、例えば4本値や出来高等、他の情報を表示してもよい。このアイコンの中の相場情報の表示により、顧客は、あたかも株価ボード(商品価格ボード)を見ているような状態となる。
「注目銘柄」表示部120には、顧客または顧客から選定を依頼(一任)されたサイト運営者(本実施形態では、証券会社)が注目する注目銘柄の金融商品を示すアイコンが表示されている。図2〜図4の例では、有価証券として、F社株を示すアイコン121、G社株を示すアイコン122が表示され、商品先物取引に係る商品として、金を示すアイコン123が表示されている。この「注目銘柄」表示部120の作成は、注文サーバ20において、注文受付手段34により、次のようにして行われる。先ず、注文画面の表示要求を行った顧客の顧客識別情報を用いて、顧客設定記憶手段41(図5参照)に記憶されている当該顧客の設定情報を取得し、取得した設定情報に従って、表示する1つまたは複数の注目銘柄を決定し、決定した各注目銘柄の銘柄識別情報を用いて、相場情報記憶手段40に記憶されている当該注目銘柄の相場情報を取得する。そして、全ての注目銘柄について、それぞれの注目銘柄の金融商品を示すアイコンを作成し、かつ、これらの各アイコンの中に、当該注目銘柄の銘柄名および相場情報の表示部を作成し、この表示部を含むアイコンを、「注目銘柄」表示部120に配置する。この際、顧客設定記憶手段41(図5参照)に、顧客により指定された1つまたは複数の注目銘柄の金融商品の銘柄識別情報が記憶されている場合には、注文受付手段34により、それらの全ての銘柄識別情報の金融商品を、表示する注目銘柄として決定する。また、顧客設定記憶手段41(図5参照)に、相場情報を利用して指定された選定条件(例えば、前日比XX円以上等)が記憶されている場合には、注文受付手段34により、相場情報記憶手段40に記憶されている各金融商品の相場情報を用いて、その選定条件に合致する金融商品を抽出し、抽出した全ての金融商品を、表示する注目銘柄として決定する。さらに、顧客設定記憶手段41(図5参照)に、選定条件として、注目銘柄の選定をサイト運営者(本実施形態では、証券会社)に一任するという内容を示す情報が記憶されている場合には、注文受付手段34により、サイト運営者(証券会社)により注目銘柄として選定された1つまたは複数の金融商品の銘柄識別情報を、図示されないサイト運営者選択銘柄記憶手段から取得し、取得した全ての銘柄識別情報の金融商品を、表示する注目銘柄として決定する。図2〜図4の例では、相場情報として、現在値(PTS市場の場合には、前日の終値)、前日比、および気配情報が表示されているが、例えば4本値や出来高等、他の情報を表示してもよい。このアイコンの中の相場情報の表示により、顧客は、あたかも株価ボード(商品価格ボード)を見ているような状態となる。
「銀行口座」表示部130には、注文画面の表示要求を行った顧客が開設している金融機関の預金口座を示すアイコンが表示されている。図2〜図4の例では、A銀行α口座を示すアイコン131、B銀行β口座を示すアイコン132が表示されている。この「銀行口座」表示部130の作成は、注文サーバ20において、注文受付手段34により、次のようにして行われる。先ず、注文画面の表示要求を行った顧客の顧客識別情報を用いて、保有データベース43(図7参照)に記憶されている当該顧客が開設している全て(保有データベース43に記憶されているものの全てという意味である。)の金融機関の預金口座の口座識別情報(金融機関コードおよび口座番号)および残高を取得する。なお、保有データベース43に記憶されている当該顧客の預金口座は、顧客が開設している預金口座のうち、顧客が事前に指定して注文サーバ20の顧客設定記憶手段41(図5参照)に登録されている預金口座だけである(但し、図5では、この図示は省略されている)。そして、当該顧客が開設している全ての金融機関の預金口座(但し、注文サーバ20に登録している口座に限る。)について、それぞれの金融機関の預金口座を示すアイコンを作成し、かつ、これらの各アイコンの中に、当該預金口座の口座識別情報(金融機関名称および口座番号)および残高の表示部を作成し、この表示部を含むアイコンを、「銀行口座」表示部130に配置する。このアイコンの中の残高の表示により、顧客は、あたかも預金通帳を見ているような状態となる。
そして、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)が表示されている顧客端末50から通信回線1を介して定期的に表示更新要求信号が送信されるので、注文サーバ20では、注文受付手段34により、この表示更新要求信号を受信すると、注文画面100,160,180に表示された各アイコンに対応する金融商品の最新の相場情報を相場情報記憶手段40から取得し、取得した最新の相場情報を、銘柄識別情報とともに、通信回線1を介して顧客端末50へ送信する(ステップS9)。顧客端末50では、注文サーバ20から通信回線1を介して送信されてくる最新の相場情報を受信し、各アイコンの中に表示された相場情報を更新する(ステップS10)。この更新機能は、注文画面の表示用データの中に埋め込まれている。なお、説明の便宜上、ステップS9,S10に記載しているが、このステップS9,S10のタイミングに限らず、相場情報の更新は、定期的に繰り返し行われる。また、相場情報の更新だけではなく、保有数量や預金口座の残高の更新を行ってもよい。
続いて、図2に示すように、「手持ち銘柄」表示部110、「注目銘柄」表示部120、および「銀行口座」表示部130が表示されている状態の注文画面100において、顧客が、「手持ち銘柄」表示部110に表示された売却対象の金融商品を示すアイコンから「注目銘柄」表示部120に表示された購入対象の金融商品を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ(1)の操作を行うと(ステップS11)、その操作を受けて、注文画面100の右側の区画には、「乗換え発注確認」表示部140が表示される。つまり、ドラッグ&ドロップ(1)の操作により、金融商品の銘柄乗換え注文における売却銘柄および購入銘柄の指定が行われたことになる。
なお、「乗換え発注確認」表示部140を顧客端末50の画面上に表示する処理は、主として注文サーバ20側で行ってもよく、主として顧客端末50側で行ってもよい。前者の場合には、ドラッグ&ドロップ(1)の操作を受けて顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる「乗換え発注確認」表示要求信号を、注文受付手段34により受信し、「乗換え発注確認」表示部140の表示用データを作成し、通信回線1を介して顧客端末50へ送信すればよい。後者の場合には、注文画面100の表示用データを顧客端末50に送信する段階で、またはそれよりも以前の段階で、注文サーバ20から顧客端末50に送信されて顧客端末50に搭載されたプログラム(例えばWebブラウザのアドオン)により、「乗換え発注確認」表示部140を表示してもよく、注文画面100の表示用データを記述した言語自体に、それらを表示する機能が備わっている場合には、注文画面100の表示用データの中に記述された命令でそれらを表示してもよい。
図2において、「乗換え発注確認」表示部140には、顧客のドラッグ&ドロップ(1)の操作により指定された売却銘柄および購入銘柄の各銘柄名が表示されるとともに、購入銘柄の購入数量の表示部141が設けられている。この購入銘柄の購入数量は、ドラッグ&ドロップ(1)の操作が行われたときに、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品の保有数量に、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品の価格(現在値)を乗じることにより得られた売付金額を、ドロップ先アイコンに対応する金融商品の価格(現在値)で除することにより算出されたドロップ先アイコンに対応する金融商品の数量またはこの数量に最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味した数量である。この購入銘柄の購入数量の算出処理は、注文サーバ20側で行ってもよく、顧客端末50側で行ってもよく、前者の場合には、注文受付手段34により、保有データベース43(図7)に記憶された保有数量や相場情報記憶手段40に記憶された価格(現在値)および最小売買単位数量記憶手段(不図示)に記憶された最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を用いて算出処理を行い、その算出結果を、通信回線1を介して顧客端末50に送信すればよく、後者の場合には、アイコンの中の表示に用いられている保有数量や価格(現在値)および注文画面100の表示用データの中に埋め込まれている最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を用いて算出処理を行えばよい。
例えば、図2に示すように、D社株を売って、F社株を買うためのドラッグ&ドロップ(1)の操作が行われた場合には、D社株の保有数量である14,000株に、D社株の株価(現在値)である205円を乗じることにより、2,870,000円という売付金額を算出し、この売付金額を、F社株の株価(現在値)である562円で除することにより、5,106株を算出する。そして、F社株の単元株が1,000株であるから、これを加味してF社株の購入数量=5,000株を算出する。
また、図2において、「乗換え発注確認」表示部140には、最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味することにより生じた残金の表示部142が設けられるとともに、顧客設定記憶手段41(図5参照)に記憶された事前指定された残金の入金先となる預金口座の口座識別情報(金融機関名称および口座番号)が表示されている。上記の例では、購入数量=5,000株であり、購入単価が562円であるから、F社株の買付金額は2,810,000円であり、一方、D社株の売付金額は2,870,000円であるので、残金は、2,870,000円−2,810,000円=60,000円となる。そして、この60,000円の残金の入金先の預金口座は、A銀行α口座に事前指定されている。
さらに、図2において、「乗換え発注確認」表示部140には、残金の入金先の預金口座を事前指定された口座から他の口座へ変更することができるように、残金を示すアイコン143が表示されている。この残金を示すアイコン143の中には、「残金」の文字によるアイコン設置目的表示とともに、残金を示す金額の表示部があるが、前述した残金の表示部142があるので、アイコン143の中の金額の表示は省略してもよい。但し、顧客がイメージし易くなるので、金額の表示も行うことが好ましい。なお、残金の入金先の預金口座について事前指定が行われていない場合には、残金を示すアイコン143は、残金の入金先の変更のためというよりは、残金の入金先の指定(事前ではなく、その場での指定)のために設けられていることになる。
例えば、図2に示すように、残金を示すアイコン143からB銀行β口座を示すアイコン132へのドラッグ&ドロップ(2)の操作が行われると、残金の入金先は、事前指定されたA銀行α口座から、ドロップ先アイコンに対応する預金口座であるB銀行β口座に変更され、残金の入金先が変更された旨の表示部144が追加表示される(図2中の★印)。なお、「乗換え発注確認」表示部140は、前述したように、「銀行口座」表示部130のあるウィンドウとは別のウィンドウに表示してもよいが、この場合には、残金を示すアイコンは、「銀行口座」表示部130のあるウィンドウに、事前に(つまり、ドラッグ&ドロップ(1)の操作が行われる前から)表示しておいてもよい。
また、最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味して購入数量を算出する際に、購入数量が、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品の売付金額を、ドロップ先アイコンに対応する金融商品の価格(現在値)で除した数量よりも大きくなるようにした場合には、買付資金の不足分が生じるが、「乗換え発注確認」表示部140には、このときの買付資金の不足分に相当する金額の表示部145と、このときの購入数量(不足分を追加投資すれば、購入できる数量)の表示部146とが設けられている。上記の例では、D社株の売付金額である2,870,000円を、F社株の株価(現在値)である562円で除すると、5,106株となり、これにF社株の単元株の1,000株を加味すると、F社株の購入数量=6,000株が算出される。また、F社株の購入数量である6,000株に、F社株の株価(現在値)である562円を乗じると、F社株の買付金額は3,372,000円となり、一方、D社株の売付金額は2,870,000円であるから、買付資金の不足分は、3,372,000円−2,870,000円=502,000円となる。
従って、この表示部145,146の表示を見た顧客が、図2に示すように、前述したドラッグ&ドロップ(1)の操作を行った後に、続けて「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコンから前述したドラッグ&ドロップ(1)の操作でのドロップ先アイコンと同じアイコンへのドラッグ&ドロップ(3)の操作を行うと、購入数量が、表示部141に表示された数量から、表示部146に表示された数量に変更されるとともに、ドラッグ&ドロップ(3)の操作に係るドラッグ元アイコンに対応する金融機関の預金口座が、買付資金の不足分の引き落とし口座に指定され、購入数量が変更された旨の表示部147が追加表示される(図2中の★印)。
また、図2において、「乗換え発注確認」表示部140には、注文サーバ20への注文データの送信を行うための「発注」ボタン148と、既に行ったドラッグ&ドロップ操作による入力指定を、すべて取り消し、「乗換え発注確認」表示部140の表示を消すための「クリア」ボタン149とが設けられている。
図2に示した注文画面100において、最後に、顧客が「発注」ボタン148を押下操作すると、金融商品の銘柄乗換え注文のための売り注文および買い注文の注文データが、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信される(ステップS11)。
ここで、ドラッグ&ドロップ(1)の操作が行われた後に、他のドラッグ&ドロップ操作を行うことなく「発注」ボタン148の押下操作が行われた場合には、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信される売り注文の注文データは、売却銘柄の銘柄識別情報として、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品(上記の例では、D社株)の銘柄識別情報を含むとともに、売却数量として、ドラッグ元アイコン(上記の例では、D社株のアイコン112)の中に表示されていた保有数量(上記の例では、14,000株)を含み、また、連係情報として、残金入金用の口座識別情報(上記の例では、事前指定されたA銀行α口座のコード)を含み、さらに、売買区分=「売」、指値・成行の別=「成行」等を含む。また、買い注文の注文データは、購入銘柄の銘柄識別情報として、ドロップ先アイコンに対応する金融商品(上記の例では、F社株)の銘柄識別情報を含むとともに、購入数量として、「乗換え発注確認」表示部140の表示部141に表示された購入数量(上記の例では、5,000株)を含み、さらに、売買区分=「買」、指値・成行の別=「成行」等を含む。なお、本実施形態では、指値・成行の別は、すべて成行としているが、例えば、右クリックをした状態でドラッグ&ドロップ(1)の操作を行うことによりドロップ時に表示されるメニューで指値・成行の別を指定してもよい。
また、ドラッグ&ドロップ(1)の操作が行われた後に、残金の入金先を変更するためのドラッグ&ドロップ(2)の操作が行われ、その後、「発注」ボタン148の押下操作が行われた場合には、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信される売り注文の注文データは、売却銘柄の銘柄識別情報として、ドラッグ&ドロップ(1)の操作に係るドラッグ元アイコンに対応する金融商品(上記の例では、D社株)の銘柄識別情報を含むとともに、売却数量として、ドラッグ&ドロップ(1)の操作に係るドラッグ元アイコン(上記の例では、D社株のアイコン112)の中に表示されていた保有数量(上記の例では、14,000株)を含み、また、連係情報として、ドラッグ&ドロップ(2)の操作に係るドロップ先アイコンに対応する預金口座の口座識別情報(上記の例では、「乗換え発注確認」表示部140の表示部144に表示された変更後のB銀行β口座のコード)を、残金の入金用の口座識別情報として含み、さらに、売買区分=「売」、指値・成行の別=「成行」等を含む。また、買い注文の注文データは、購入銘柄の銘柄識別情報として、ドラッグ&ドロップ(1)の操作に係るドロップ先アイコンに対応する金融商品(上記の例では、F社株)の銘柄識別情報を含むとともに、購入数量として、「乗換え発注確認」表示部140の表示部141に表示された購入数量(上記の例では、5,000株)を含み、さらに、売買区分=「買」、指値・成行の別=「成行」等を含む。
さらに、ドラッグ&ドロップ(1)の操作が行われた後に、続けて購入数量を変更する(大きくする)ためのドラッグ&ドロップ(3)の操作が行われ、その後、「発注」ボタン148の押下操作が行われた場合には、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信される売り注文の注文データは、売却銘柄の銘柄識別情報として、ドラッグ&ドロップ(1)の操作に係るドラッグ元アイコンに対応する金融商品(上記の例では、D社株)の銘柄識別情報を含むとともに、売却数量として、ドラッグ&ドロップ(1)の操作に係るドラッグ元アイコン(上記の例では、D社株のアイコン112)の中に表示されていた保有数量(上記の例では、14,000株)を含み、さらに、売買区分=「売」、指値・成行の別=「成行」等を含む。また、買い注文の注文データは、購入銘柄の銘柄識別情報として、ドラッグ&ドロップ(1)の操作に係るドロップ先アイコンに対応する金融商品(上記の例では、F社株)の銘柄識別情報を含むとともに、購入数量として、「乗換え発注確認」表示部140の表示部147に表示された変更後の購入数量(上記の例では、6,000株)を含み、また、連係情報として、ドラッグ&ドロップ(3)の操作に係るドラッグ元アイコンに対応する預金口座の口座識別情報(上記の例では、A銀行α口座のコード)を、買付資金の不足分の引き落とし用の口座識別情報として含み、さらに、売買区分=「買」、指値・成行の別=「成行」等を含む。
なお、図2に示す注文画面100では、複数の手持ち銘柄を売って、1つの注目銘柄を買うという金融商品の銘柄乗換え注文を受け付けることもできる。この場合には、顧客は、「手持ち銘柄」表示部110に表示された複数の売却対象の金融商品を示すアイコンをポインティング操作等で選択(選択されたアイコンは、例えば太枠表示や色彩変更等により、選択されていないアイコンと区別できるようにしておくことが好ましい。)してから、それらのアイコンをまとめて「注目銘柄」表示部120に表示された1つの購入対象の金融商品を示すアイコンに向けてドラッグ&ドロップ(1)の操作を行えばよい。すると、1対1の場合と同様に、「乗換え発注確認」表示部140が表示される。なお、選択されたアイコンをまとめてドラッグ操作する場合には、選択されたアイコンのいずれを掴んでもよく(ドラッグ操作中におけるポインティングデバイスや指等によるグリップ位置は、選択されたアイコンのうちのいずれでもよく)、ドロップ操作する場合には、ポインティングデバイスや指等によるグリップ位置を、ドロップ先アイコンの位置までもってきて、そこでリリースすればよい。また、複数のアイコンを選択する際には、「手持ち銘柄」表示部110において、そこに表示されているアイコンを、ドラッグ&ドロップ操作により並べ替えることができるようにしてもよく、この並べ替えにより、選択したい複数のアイコンを隣接配置してから、シフトキーおよびカーソルキー(上下左右の4方向の矢印が描かれた各キー)を用いて複数のアイコンを選択してもよい。
例えば、図2において、C社株およびD社株の2銘柄を売って、F社株を買うためのドラッグ&ドロップ(1)の操作が行われた場合には、「乗換え発注確認」表示部140には、「(売)C社株,D社株→(買)F社株」と表示される。この際、C社株の売付金額=2,000株×4,300円=8,600,000円と、D社株の売付金額=14,000株×205円=2,870,000円とを合計すると、合計の売付金額=11,470,000円となるので、この合計の売付金額を、F社株の株価(現在値)である562円で除することにより、20,409株を算出する。そして、F社株の単元株が1,000株であるから、これを加味してF社株の購入数量=20,000株を算出し、この20,000株を「乗換え発注確認」表示部140の表示部141に表示する。そして、残金の入金先を変更するためのドラッグ&ドロップ(2)の操作や、購入数量を変更する(大きくする)ためのドラッグ&ドロップ(3)の操作も、1対1の場合と同様に受け付けることができる。上記の例では、「乗換え発注確認」表示部140の表示部146に表示される変更後の購入数量は、21,000株となり、表示部145に表示される買付資金の不足分に相当する金額=21,000株×562円−11,470,000円=332,000円となる。
また、図3に示すように、「手持ち銘柄」表示部110、「注目銘柄」表示部120、および「銀行口座」表示部130が表示されている状態の注文画面160において、顧客が、「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコンから「注目銘柄」表示部120に表示された購入対象の金融商品を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ(4)の操作を行うと(ステップS11)、その操作を受けて、注文画面160の右側の区画には、「買い発注確認」表示部170が表示される。つまり、ドラッグ&ドロップ(4)の操作により、金融商品の買い注文における購入銘柄および買付金額の引き落とし口座の指定が行われたことになる。
なお、「買い発注確認」表示部170を顧客端末50の画面上に表示する処理は、前述した「乗換え発注確認」表示部140の場合と同様に、主として注文サーバ20側で行ってもよく、主として顧客端末50側で行ってもよい。
図3において、「買い発注確認」表示部170には、顧客のドラッグ&ドロップ(4)の操作により指定された購入銘柄の銘柄名が表示されるとともに、その購入銘柄の購入数量の入力部171が設けられている。そして、顧客が、この入力部171に、購入銘柄の購入数量を入力すると、入力された購入銘柄の購入数量と、ドロップ先アイコンの中に表示された購入銘柄の株価(現在値)とを乗じることにより買付金額が算出され、買付金額の表示部172に、算出された買付金額が表示される。この買付金額の算出処理は、顧客端末50側で行ってもよく、注文サーバ20側で行ってもよい。例えば、図3に示すように、G社株を買うためのドラッグ&ドロップ(4)の操作が行われた後に、「買い発注確認」表示部170の入力部171に、顧客により購入数量として1,000株が入力された場合には、入力されたG社株の購入数量の1,000株と、G社株の株価(現在値)の3,600円とを乗じることにより、買付金額は3,600,000円となる。なお、この買付金額の3,600,000円が、買付金額の引き落とし口座であるA銀行α口座の残高の75,000,000円以下であることは、顧客が確認すればよいが、算出された買付金額が、引き落とし口座の残高を超える場合には、その旨の警告表示を行うようにしてもよい。
また、図3において、「買い発注確認」表示部170には、ドラッグ&ドロップ(4)の操作に係るドラッグ元アイコンに対応する金融機関の預金口座の口座識別情報(金融機関名称および口座番号)を、確認のために、買付金額の引き落とし口座の表示部173に表示する。
さらに、図3において、「買い発注確認」表示部170には、注文サーバ20への注文データの送信を行うための「発注」ボタン174と、既に行ったドラッグ&ドロップ(4)の操作による入力指定や入力部171への入力を、すべて取り消し、「買い発注確認」表示部170の表示を消すための「クリア」ボタン175とが設けられている。
図3に示した注文画面160において、最後に、顧客が「発注」ボタン174を押下操作すると、金融商品の買い注文の注文データが、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信される(ステップS11)。
ここで、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信される買い注文の注文データは、購入銘柄の銘柄識別情報として、ドラッグ&ドロップ(4)の操作に係るドロップ先アイコンに対応する金融商品(上記の例では、G社株)の銘柄識別情報を含むとともに、「買い発注確認」表示部170の入力部171に入力された購入数量を含み、また、連係情報として、ドラッグ&ドロップ(4)の操作に係るドラッグ元アイコンに対応する預金口座の口座識別情報(上記の例では、A銀行α口座のコード)を、買付金額の引き落とし用の口座識別情報として含み、さらに、売買区分=「買」、指値・成行の別=「成行」等を含む。
さらに、図4に示すように、「手持ち銘柄」表示部110、「注目銘柄」表示部120、および「銀行口座」表示部130が表示されている状態の注文画面180において、顧客が、「手持ち銘柄」表示部110に表示された売却対象の金融商品を示すアイコンから「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ(5)の操作を行うと(ステップS11)、その操作を受けて、注文画面180の右側の区画には、「売り発注確認」表示部190が表示される。つまり、ドラッグ&ドロップ(5)の操作により、金融商品の売り注文における売却銘柄および売付金額の入金口座の指定が行われたことになる。
なお、「売り発注確認」表示部190を顧客端末50の画面上に表示する処理は、前述した「乗換え発注確認」表示部140や「買い発注確認」表示部170の場合と同様に、主として注文サーバ20側で行ってもよく、主として顧客端末50側で行ってもよい。
図4において、「売り発注確認」表示部190には、顧客のドラッグ&ドロップ(5)の操作により指定された売却銘柄の銘柄名が表示されるとともに、その売却銘柄の保有数量の全部を売却する場合の売付金額の表示部191が設けられている。この全部売却の場合の売付金額は、ドラッグ&ドロップ(5)の操作に係るドラッグ元アイコンの中に表示されている保有数量と時価(現在値)とを乗じることにより算出される。この全部売却の場合の売付金額の算出処理は、顧客端末50側で行ってもよく、注文サーバ20側で行ってもよい。例えば、図4に示すように、E社株を売るためのドラッグ&ドロップ(5)の操作が行われたとすると、E社株の保有数量の6,000株と、時価(現在値)の480円とを乗じることにより、全部売却の場合の売付金額は、2,880,000円となる。
また、図4において、「売り発注確認」表示部190には、ドラッグ&ドロップ(5)の操作に係るドロップ先アイコンに対応する金融機関の預金口座の口座識別情報(金融機関名称および口座番号)を確認のために表示する売付金額の入金口座の表示部192が設けられている。
さらに、図4において、「売り発注確認」表示部190には、顧客のドラッグ&ドロップ(5)の操作により指定された売却銘柄について、その保有数量の全部を売却するのではなく、一部を売却する場合における売却数量の入力部193が設けられている。そして、顧客が、この入力部193に、売却銘柄の売却数量を入力すると、入力された売却銘柄の売却数量と、ドラッグ元アイコンの中に表示された売却銘柄の株価(現在値)とを乗じることにより、一部売却の場合の売付金額が算出され、売付金額の表示部194に、算出された売付金額が表示される。この売付金額の算出処理は、顧客端末50側で行ってもよく、注文サーバ20側で行ってもよい。例えば、図4に示すように、E社株を売るためのドラッグ&ドロップ(5)の操作が行われた後に、「売り発注確認」表示部190の入力部193に、顧客により売却数量として3,000株が入力された場合には、入力されたE社株の売却数量の3,000株と、E社株の株価(現在値)の480円とを乗じることにより、一部売却の場合の売付金額は、1,440,000円となる。なお、売却数量の入力部193に入力した、または入力する売却数量が、ドラッグ元アイコンの中に表示された売却銘柄の保有数量以下であることは、顧客が確認すればよいが、入力された売却数量が保有数量を超える場合には、その旨の警告表示を行うようにしてもよい。
また、図4において、「売り発注確認」表示部190には、注文サーバ20への注文データの送信を行うための「発注」ボタン195と、既に行ったドラッグ&ドロップ(5)の操作による入力指定や入力部193への入力を、すべて取り消し、「売り発注確認」表示部190の表示を消すための「クリア」ボタン196とが設けられている。
図4に示した注文画面180において、最後に、顧客が「発注」ボタン195を押下操作すると、金融商品の売り注文の注文データが、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信される(ステップS11)。
ここで、ドラッグ&ドロップ(5)の操作が行われた後に、売却数量の入力部193への入力が行われることなく「発注」ボタン195の押下操作が行われた場合には、全部売却となるので、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信される売り注文の注文データは、売却銘柄の銘柄識別情報として、ドラッグ&ドロップ(5)の操作に係るドラッグ元アイコンに対応する金融商品(上記の例では、E社株)の銘柄識別情報を含むとともに、売却数量として、ドラッグ元アイコン(上記の例では、E社株のアイコン)の中に表示された保有数量(上記の例では、6,000株)を含み、また、連係情報として、ドラッグ&ドロップ(5)の操作に係るドロップ先アイコンに対応する預金口座の口座識別情報(上記の例では、B銀行β口座のコード)を、売付金額の入金用の口座識別情報として含み、さらに、売買区分=「売」、指値・成行の別=「成行」等を含む。
また、ドラッグ&ドロップ(5)の操作が行われた後に、売却数量の入力部193への入力が行われ、その後、「発注」ボタン195の押下操作が行われた場合には、一部売却となるので、通信回線1を介して注文サーバ20へ送信される売り注文の注文データは、売却銘柄の銘柄識別情報として、ドラッグ&ドロップ(5)の操作に係るドラッグ元アイコンに対応する金融商品(上記の例では、E社株)の銘柄識別情報を含むとともに、売却数量として、「売り発注確認」表示部190の入力部193に顧客により入力された売却数量(上記の例では、3,000株)を含み、また、連係情報として、ドラッグ&ドロップ(5)の操作に係るドロップ先アイコンに対応する預金口座の口座識別情報(上記の例では、B銀行β口座のコード)を、売付金額の入金用の口座識別情報として含み、さらに、売買区分=「売」、指値・成行の別=「成行」等を含む。
続いて、注文サーバ20では、注文受付手段34により、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる売り注文および/または買い注文の注文データを受信し、受信した注文データに対し、注文識別情報を自動付与し、受信した注文データを、注文識別情報および顧客識別情報(顧客コード)と関連付けて注文データベース42(図6参照)に記憶させる(ステップS12)。この際、銘柄乗換え注文(売り注文および買い注文の双方)の注文データを受信した場合には、注文受付手段34により、対になる注文データのうちの一方の注文データの連係情報に、他方の注文データに自動付与した注文識別情報を格納しておく。例えば、図6に示した注文データベース42の例において、注文識別情報が「T0001」の売り注文および「T0002」の買い注文が、銘柄乗換え注文を構成する場合には、「T0001」の注文データの連係情報に「T0002」を格納するとともに、「T0002」の注文データの連係情報に「T0001」を格納しておく。
その後、注文サーバ20において、発注手段36により、注文データベース42(図6参照)に記憶された売り注文および/または買い注文の注文データを用いて、売りの発注データ(注文識別情報、顧客識別情報、売却銘柄の銘柄識別情報、売却数量、売買区分、成行・指値の別等を含む。)および/または買いの発注データ(注文識別情報、顧客識別情報、購入銘柄の銘柄識別情報、購入数量、売買区分、成行・指値の別等を含む。)を作成し、作成した発注データを、通信回線3を介して市場システム70へ送信するとともに、市場システム70から通信回線3を介して送信されてくる約定データ(注文識別情報、顧客識別情報、銘柄識別情報、約定数量、約定単価、売買区分等を含む。)を受信する(ステップS13)。なお、銘柄乗換え注文の場合には、売りおよび買いの双方の発注データを作成・送信するが、この際、現物売買であれば、売り注文の約定後に、買い注文を発注し、信用取引であれば、売買同時に発注することが可能である。
続いて、注文サーバ20において、入出金手段37により、注文データベース42(図6参照)に記憶された注文データや発注手段36により受信した約定データを用いて、金融機関の預金口座に対し、決済を含む入出金のための処理を実行する(ステップS14)。なお、約定データに含まれる約定単価と、注文時の単価(アイコンの中に表示された価格)とが異なる場合には、その差分の金額は、サイト運営者(本実施形態では、例えば証券会社)が負担するようにしてもよく、この場合には、注文データに、注文時の単価(アイコンの中に表示された価格)を含ませておき、注文データベース42(図6参照)に格納しておけばよい。
より具体的には、注文データベース42(図6参照)に銘柄乗換え注文を構成する売り注文および買い注文の注文データが記憶されている場合に、その売り注文の注文データに、連係情報として、残金の入金口座の口座識別情報が記憶されていれば、入出金手段37により、売付金額から買付金額を差し引いた残金の金額データを、入金データとして、残金の入金口座の口座識別情報とともに、その預金口座が開設されている金融機関システムへ通信回線4,5を介して送信する(ステップS14)。
また、注文データベース42(図6参照)に銘柄乗換え注文を構成する売り注文および買い注文の注文データが記憶されている場合に、その買い注文の注文データに、連係情報として、買付資金の不足分の引き落とし口座の口座識別情報が記憶されていれば、入出金手段37により、買付資金の不足分の金額データを、出金データとして、不足分の引き落とし口座の口座識別情報とともに、その預金口座が開設されている金融機関システムへ通信回線4,5を介して送信する(ステップS14)。
さらに、注文データベース42(図6参照)に銘柄乗換え注文を構成しない単独の買い注文の注文データが記憶されている場合には、その買い注文の注文データに、連係情報として、引き落とし口座の口座識別情報が記憶されているので、入出金手段37により、買付金額の金額データを、出金データとして、引き落とし口座の口座識別情報とともに、その預金口座が開設されている金融機関システムへ通信回線4,5を介して送信する(ステップS14)。
そして、注文データベース42(図6参照)に銘柄乗換え注文を構成しない単独の売り注文の注文データが記憶されている場合には、その売り注文の注文データに、連係情報として、入金口座の口座識別情報が記憶されているので、入出金手段37により、売付金額の金額データを、入金データとして、入金口座の口座識別情報とともに、その預金口座が開設されている金融機関システムへ通信回線4,5を介して送信する(ステップS14)。なお、売却の場合の入金処理を、受渡日(約定日から起算して4営業日目)に行うのは、通常の取引の場合と同様である。
また、入出金手段37により、保有データベース43(図7参照)に記憶されている顧客の保有する金融商品の数量および顧客が開設している金融機関の預金口座の残高について、売却を行った場合には、売却数量の分だけ保有数量を減少させ、購入を行った場合には、購入数量の分だけ保有数量を増加させ、入金データを送信した場合には、その入金額の分だけ残高を増加させ、出金データを送信した場合には、その出金額の分だけ残高を減少させる更新処理を実行する(ステップS14)。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、注文システム10では、1回のドラッグ操作およびドロップ操作により、金融商品の売買に伴う複数の処理を実行するための情報の入力指定をまとめて行うことができるので、顧客による入力操作の手間を軽減することができる。
また、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品または金融機関の預金口座については、売却または出金のための処理が実行されるので、存在していたものが無くなる、失われる、放出される、持ち去られる、出ていく、減少するといったマイナスイメージの処理が執行され、一方、ドロップ先アイコンに対応する金融商品または金融機関の預金口座については、購入または入金のための処理が実行されるので、発生する、入手する、取得する、持ってくる、入ってくる、増加するといったプラスイメージの処理が執行されることになる。このため、顧客は、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)で自分のイメージに沿ったドラッグ&ドロップ操作を行うことで、イメージ通りの処理結果をもたらす注文操作を行うことができる。
さらに、視覚的な簡易な操作で金融商品の注文を行うことができるので、初心者でも、注文操作を容易に行うことができ、取引の活性化を図ることができる。そして、顧客端末50を店頭等に置けば、顧客に対し、視覚に訴える取引のデモンストレーションを行うことができるので、新規顧客の獲得に繋げることもできる。
また、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)内の「手持ち銘柄」表示部110に表示された売却対象の金融商品を示すアイコン111〜114の中には、保有数量および相場情報が表示され、「注目銘柄」表示部120に表示された購入対象の金融商品を示すアイコン121〜123の中には、相場情報が表示されているので、顧客は、各アイコンの中に表示された相場情報を参照しながら、売り注文および/または買い注文の対象銘柄や売買タイミングを判断することができる。このため、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)に表示された各金融商品を示すアイコンが、株価ボード(商品価格ボード)の役割を果たすことから、顧客にとっては、あたかも株価ボード(商品価格ボード)を見ながら売買注文のための判断を行っているのと同様な効果を得ることができ、適切な判断を行うことができる。
そして、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)内の「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコン131,132の中には、預金口座の残高が表示されているので、顧客は、各アイコンの中に表示された預金口座の残高を参照しながら、どれぐらいの投資(出金)が可能なのか、どれぐらいの入金をしておく必要があるのか、どの預金口座から出金するのがよいのか、どの預金口座に入金するのがよいのかを容易に判断することができる。このため、注文画面100,160,180(図2〜図4参照)に表示された各金融機関の預金口座を示すアイコンが、預金通帳の役割を果たすことから、顧客にとっては、あたかも預金通帳を見ながら売り注文や買い注文のための判断を行っているのと同様な効果を得ることができ、適切な判断を行うことができる。
特に、顧客が、複数の金融機関の預金口座を開設している場合には、各預金口座の残高を見比べながら、買い注文の場合の買付資金の引き落とし口座や、売り注文の場合の売付金額の入金口座を選択し、選択した預金口座を示すアイコンをドラッグ操作することにより、買い注文や売り注文を行うことができるので、引き落とし口座や入金口座を事前指定しておく場合に比べ、より適切な処理を、簡単な操作で実現することができる。つまり、事前指定した預金口座の残高は、変動するので、それ以外の預金口座に対し、引き落としや入金を行ったほうがよいときも生じるからである。そして、選択の自由度が増すと、通常は、操作が複雑になりがちであるが、本発明では、図3に示すように、引き落とし口座の選択指定は、ドラッグ&ドロップ(4)の操作により、購入銘柄の選択指定と同時に行うことができ、図4に示すように、入金口座の選択指定は、ドラッグ&ドロップ(5)の操作により、売却銘柄の選択指定と同時に行うことができるので、顧客の手間が増えることはない。
さらに、注文画面100(図2参照)の「乗換え発注確認」表示部140には、購入銘柄の購入数量の表示部141および残金の表示部142が設けられているので、顧客は、発注前(「発注」ボタン148を押下操作する前)に、最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味することにより小さめに算出された購入銘柄の購入数量およびそのときに生じる残金の金額を確認することができる。このため、ドラッグ&ドロップという簡易な操作と確認作業との組み合わせで、より確実に顧客の意図に沿った注文を行うことができる。
また、注文画面100(図2参照)の「乗換え発注確認」表示部140には、残金を示すアイコン143が表示されているので、図2中のドラッグ&ドロップ(2)の操作により、残金の入金先となる預金口座の指定を行うことができ、顧客の手間を、より一層軽減することができる。つまり、残金の入金先となる預金口座が事前指定されている場合には、その変更を容易に行うことができ、事前指定されていない場合には、その場で容易に指定することができる。
さらに、注文画面100(図2参照)の「乗換え発注確認」表示部140には、最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味することにより大きめに購入数量を算出した場合において、それにより生じた買付資金の不足分に相当する金額の表示部145と、その大きめに算出された購入数量(不足分を追加投資すれば、購入できる数量)の表示部146とが設けられているので、顧客は、購入数量を大きめに変更するか否かの判断を容易に行うことができるとともに、購入数量を大きめに変更すると判断した際に、図2中のドラッグ&ドロップ(3)の操作により、買付資金の不足分を引き落とす預金口座の指定を容易に行うことができる。
そして、注文画面160(図3参照)の「買い発注確認」表示部170には、購入銘柄の購入数量の入力部171と、入力された購入数量を用いて算出された買付金額の表示部172とが設けられているので、顧客は、購入銘柄として指定した金融商品を示すアイコンの中に表示された相場情報や、引き落とし口座として指定した預金口座を示すアイコンの中に表示された残高を参照しながら、購入数量を自在に入力指定することができるとともに、入力した購入数量だと、どれぐらいの買付金額になるのかも、すぐに容易に確認することができる。このため、より適切な購入数量を指定して自分の投資意図に沿った買い注文を行うことができる。
また、注文画面180(図4参照)の「売り発注確認」表示部190には、売却銘柄の保有数量の全部を売却する場合の売付金額の表示部191が設けられているので、顧客は、発注前(「発注」ボタン195を押下操作する前)に、全部売却の場合の売付金額を確認することができる。このため、ドラッグ&ドロップという簡易な操作と確認作業との組み合わせで、より確実に顧客の意図に沿った注文を行うことができる。
さらに、注文画面180(図4参照)の「売り発注確認」表示部190には、売却銘柄について保有数量の一部を売却する場合における売却数量の入力部193と、入力された売却数量を用いて算出された一部売却の場合の売付金額の表示部194とが設けられているので、顧客は、売却銘柄として指定した金融商品を示すアイコンの中に表示された相場情報、保有数量や、入金口座として指定した預金口座を示すアイコンの中に表示された残高を参照しながら、売却数量を自在に入力指定することができるとともに、入力した売却数量だと、どれぐらいの売付金額になるのかも、すぐに容易に確認することができる。このため、より適切な売却数量を指定して自分の投資意図に沿った売り注文を行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
<金融商品以外の商品について>
例えば、前記実施形態では、金融商品を注文対象としていたが、本発明は、金融商品以外の商品を注文対象とする場合にも適用することができる。
図9には、本発明の注文システム200により顧客端末50に表示された注文画面210の一例が示されている。この注文システム200は、顧客端末50と通信回線1を介して接続された注文サーバにより、金融商品以外の商品の注文の受付処理および注文した商品を変更する注文変更の受付処理、並びに注文(当初の注文および変更後の注文を含む。)を執行する処理を実行するシステムである。
図9において、注文画面210には、既に注文して注文データベースに記憶されている商品を表示するための「注文した商品」表示部220と、変更可能な代替商品を表示するための「代替商品」表示部230とが設けられている。
図9の例では、「注文した商品」表示部220には、「X国旅行」という商品を示すアイコン221と、「Qコンサート」という商品を示すアイコン222とが表示されている。これらのアイコン221,222の表示用データは、後述する注文受付手段により、後述する注文データベースに記憶された当該顧客(アクセスしている顧客)の注文データと、後述する商品データベースに記憶された当該商品(表示されている商品)に関する情報とを用いて作成されている。
また、「代替商品」表示部230には、「Y国旅行」という商品を示すアイコン231と、「Z国旅行」という商品を示すアイコン232と、「Rコンサート」という商品を示すアイコン233と、「Sコンサート」という商品を示すアイコン234と、既に注文した商品を取り消すための例えばゴミ箱等の形状をした「注文取消」を示すアイコン235とが表示されている。この「代替商品」表示部230に表示される商品は、サイト運営者が自己の基準で選定した商品でもよく、サイト運営者が顧客設定記憶手段に記憶されている顧客の設定情報(価格帯、日程、ホテルグレード等の選定条件)に従って選定(本システムまたは連携する他のシステムによる自動選定)した商品でもよい。各アイコン231〜234の表示用データは、後述する注文受付手段により、上記の選定結果と、後述する商品データベースに記憶された当該商品(表示されている商品)に関する情報とを用いて作成されている。
そして、各商品を示すアイコン221,222,231〜234の中には、後述する商品データベースに記憶された当該商品の価格またはその他の商品価値の変動要因に関する情報が表示されている。例えば、商品が旅行手配の場合には、商品価値の変動要因に関する情報として、価格、日程、航空会社、ホテル、為替レート、安全性等が表示されている。また、商品がコンサートチケットの場合には、商品価値の変動要因に関する情報として、価格、公演日、場所、ジャンル等が表示されている。
図9の注文画面210において、顧客が、「注文した商品」表示部220に表示された商品を示すアイコン(例えば、「X国旅行」という商品を示すアイコン221)から、「代替商品」表示部230に表示された商品を示すアイコン(例えば、「Z国旅行」という商品を示すアイコン232)へのドラッグ&ドロップ操作を行うと、「変更内容確認」表示部240が表示されるので、顧客は、この「変更内容確認」表示部240に表示された変更内容を確認し、自分の意図した通りであれば、「OK」ボタン241を押下操作する。すると、ドラッグ元アイコンに対応する商品の銘柄識別情報(商品コード)が、注文を取り消される商品の銘柄識別情報(商品コード)として、また、ドロップ先アイコンに対応する商品の銘柄識別情報(商品コード)が、注文変更後の新たな商品の銘柄識別情報(商品コード)として、それぞれ顧客端末50から通信回線1を介して注文システム200の注文サーバへ送信され、注文サーバにおいて、後述する注文データベースに記憶された注文データの書き換え処理が行われる。
なお、「変更内容確認」表示部240の表示位置は、図9の例では、ドロップ先アイコンの近傍とされているが、特にこの位置に限定されるものではなく、前記実施形態の「乗換え発注確認」表示部140(図2参照)、「買い発注確認」表示部170(図3参照)、「売り発注確認」表示部190(図4参照)と同様に、いずれの位置でもよい。すなわち、図9の例のように表示部220,230の表示区画に重畳的に表示する必要はなく、表示部220,230の外側(上下左右のいずれでもよい。)でもよく、重畳的に表示する場合には、透明・半透明のスケルトン重畳表示としてもよく、表示部220,230とは別のウィンドウに表示してもよい。
また、既に注文している商品が不要な場合には、注文の変更ではなく、注文の取消を行うために、「注文した商品」表示部220に表示された商品を示すアイコン(例えば、「Qコンサート」という商品を示すアイコン222)から、「代替商品」表示部230に表示された「注文取消」を示すアイコン235へのドラッグ&ドロップ操作を行う。この場合には、ドラッグ&ドロップ操作後に表示される「変更内容確認」表示部240には、注文取消の旨の表示が行われるので、顧客は、それを確認し、「OK」ボタン241を押下操作する。すると、ドラッグ元アイコンに対応する商品の銘柄識別情報(商品コード)が、注文を取り消される商品の銘柄識別情報(商品コード)として、顧客端末50から通信回線1を介して注文システム200の注文サーバへ送信され、注文サーバにおいて、後述する注文データベースに記憶された注文データの取消処理が行われる。
従って、注文システム200は、以上のような処理を実現するために、以下のような構成とされている。
注文システム200を構成する注文サーバは、商品の価格またはその他の商品価値の変動要因に関する情報を、商品の銘柄識別情報(商品コード)と関連付けて記憶する商品データベースを備えている。この商品データベースは、アイコンの中に表示することにより顧客に提供するための情報を記憶するものであるから、前記実施形態の相場情報記憶手段40に相当する役割を果たすものである。
また、注文システム200を構成する注文サーバは、顧客が注文した商品の銘柄識別情報(商品コード)を含む注文データを、顧客識別情報(例えば、名前、住所、電話番号、電子メールアドレス、あるいはこれらの組合せ等であり、得意顧客の場合には、付与した顧客コード等である。)と関連付けて記憶する注文データベースを備えている。この注文データベースは、「注文した商品」表示部220に表示する既に注文済みの商品を記憶するという点で、前記実施形態の保有データベース43(図7参照)に相当する役割を果たすとともに、注文変更後の新たな商品を記憶するという点で、すなわち、ドラッグ&ドロップ操作による入力指定が反映されたデータを記憶するという点で、前記実施形態の注文データベース42(図6参照)に相当する役割も果たすものである。
さらに、注文システム200を構成する注文サーバは、注文の受付処理および注文した商品を変更する注文変更の受付処理を実行する注文受付手段を備えている。
この注文受付手段による注文の受付処理は、顧客による当初の注文(変更される前の注文)を受け付け、受け付けた注文の注文データ(商品の銘柄識別情報(商品コード)を含む。)を、顧客識別情報と関連付けて注文データベースに記憶させる処理である。
また、この注文受付手段による注文変更の受付処理は、注文対象の商品(既に注文されている商品および注文変更対象の代替商品)を示すアイコンが表示され、かつ、このアイコンの中に、商品データベースに記憶された当該商品の価格またはその他の商品価値の変動要因に関する情報が表示された注文画面210の表示用データを、通信回線1を介して顧客端末50へ送信し、顧客端末50から通信回線1を介して送信されてくる顧客のドラッグ操作およびドロップ操作により指定されたドラッグ元アイコンおよびドロップ先アイコンに対応する各商品の銘柄識別情報(商品コード)を受信し、注文データベースに記憶された当該顧客の注文データに含まれる商品の銘柄識別情報(商品コード)を、ドラッグ元アイコンに対応する商品の銘柄識別情報(商品コード)から、ドロップ先アイコンに対応する商品の銘柄識別情報(商品コード)に変更することにより、注文した商品の変更を受け付ける処理である。従って、この注文システム200の注文受付手段は、前記実施形態の注文受付手段34に対応する機能を有している。
そして、注文システム200を構成する注文サーバは、注文データベースに記憶された注文(当初の注文および変更後の新たな注文を含む。)を執行する処理を実行する執行手段を備えている。この注文システム200の執行手段は、前記実施形態の執行手段35に対応する機能を有している。例えば、商品が旅行手配の場合には、ホテルや航空券の予約、現地サービスへの手配等に関する処理であり、商品がコンサートチケットの場合には、チケットの発行や発送に関する処理である。
このような注文システム200によれば、1回のドラッグ&ドロップ操作により、注文した商品の変更(銘柄乗換え)に伴う複数の処理、すなわち既に注文した商品についてその注文を取り消す処理、およびそれに代わる新たな商品を注文する処理を実行するための情報の入力指定をまとめて行うことができるので、顧客による入力操作の手間を軽減することができる。
また、ドラッグ元アイコンに対応する商品ついては、その商品の注文を取り消す処理が実行され、一方、ドロップ先アイコンに対応する商品については、その商品を注文する処理が実行されるので、前記実施形態の場合と同様に、顧客は、注文画面210で自分のイメージに沿ったドラッグ&ドロップ操作を行うことで、イメージ通りの処理結果をもたらす注文変更操作を行うことができる。
さらに、視覚的な簡易な操作で、注文した商品の変更を行うことができるので、初心者でも、注文変更操作を容易に行うことができ、電子商取引の活性化を図ることもできる。
そして、各商品を示すアイコン221,222,231〜234の中には、商品の価格またはその他の商品価値の変動要因に関する情報が表示されているので、顧客は、アイコンの中に表示された情報を参照しながら、注文を変更するか否か、あるいはどの商品に変更するかを判断することができる。このため、商品の価値変動をもたらす外的要因やその他の情報を的確に把握しつつ、注文した商品の変更を容易に行うことができ、前記実施形態の金融商品の銘柄乗換えの場合と同様に、顧客の手間を軽減することができる。
<手持ち銘柄の保有数量の一部を売却しての銘柄乗換えについて>
また、前記実施形態では、図2に示したように、銘柄乗換えの場合には、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品について保有数量の全部を売却することが前提となっていたが、保有数量の一部を売却できる構成としてもよい。この場合には、図2に示した「乗換え発注確認」表示部140において、図4に示した「売り発注確認」表示部190における売却数量の入力部193に相当する入力部、すなわち、図2における顧客のドラッグ&ドロップ(1)の操作により指定された売却銘柄について、その保有数量の全部を売却するのではなく、一部を売却する場合における売却数量の入力部を設けておけばよい。そして、顧客が、この入力部に、売却銘柄の売却数量を入力すると、入力された売却銘柄の売却数量と、ドラッグ元アイコンの中に表示された売却銘柄の株価(現在値)とを乗じることにより、一部売却の場合の売付金額が算出され、この売付金額を、ドロップ先アイコンに対応する金融商品の価格(現在値)で除することにより算出されたドロップ先アイコンに対応する金融商品の数量またはこの数量に最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味した数量が、図2に示した「乗換え発注確認」表示部140における購入銘柄の購入数量の表示部141に相当する表示部に表示されるようにすればよい。この一部売却の場合の売付金額の算出処理や購入銘柄の購入数量の算出処理は、前記実施形態の場合と同様に、注文サーバ20側で行ってもよく、顧客端末50側で行ってもよい。
例えば、前記実施形態の図2に示すように、D社株を売って、F社株を買うためのドラッグ&ドロップ(1)の操作が行われ、さらに、一部売却に係る売却数量の入力部に、D社株の保有数量である14,000株のうちの一部である8,000株が入力された場合には、D社株の売却数量の8,000株に、D社株の株価(現在値)である205円を乗じることにより、1,640,000円という売付金額を算出し、この売付金額を、F社株の株価(現在値)である562円で除することにより、2,918株を算出する。そして、F社株の単元株が1,000株であるから、これを加味してF社株の購入数量=2,000株を算出し、算出した2,000株を、図2に示した「乗換え発注確認」表示部140における購入銘柄の購入数量の表示部141に相当する表示部に表示する。
また、前記実施形態の場合と同様に、図2に示した「乗換え発注確認」表示部140における残金の表示部142に相当する表示部も設けておくことができる。例えば、上記のように、D社株の一部売却に係る売付金額が、1,640,000円であれば、F社株の買付金額は、2,000株×562円=1,124,000円であるから、残金は、1,640,000円−1,124,000円=516,000円となるので、この516,000円を、図2に示した「乗換え発注確認」表示部140における残金の表示部142に相当する表示部に表示する。また、前記実施形態の場合と同様に、残金の入金先を変更するための残金を示すアイコン143に相当するアイコンを設けておくこともできる。
さらに、前記実施形態の場合と同様に、図2に示した「乗換え発注確認」表示部140における残金の入金先が変更された旨の表示部144に相当する表示部を設けてもよい。また、前記実施形態の場合と同様に、最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味して購入数量を算出する際に、購入数量が、ドラッグ元アイコンに対応する金融商品の一部売却に係る売付金額を、ドロップ先アイコンに対応する金融商品の価格(現在値)で除した数量よりも大きくなるようにした場合には、買付資金の不足分が生じるが、このときの買付資金の不足分に相当する金額の表示部145に相当する表示部や、このときの購入数量(不足分を追加投資すれば、購入できる数量)の表示部146に相当する表示部を設けてもよく、さらには、購入数量が変更された旨の表示部147に相当する表示部を設けてもよい。
なお、図2において、複数の売却銘柄を示すアイコンをドラッグ元アイコンとして選択した場合には、図2に示した「乗換え発注確認」表示部140において、図4に示した「売り発注確認」表示部190における売却数量の入力部193に相当する入力部を、各売却銘柄に対応させて複数個設けておけばよく、このようにすることで、複数の売却銘柄のそれぞれについて一部売却としたり、あるいは一部の売却銘柄については、全部売却とし、残りの売却銘柄については、一部売却とすること等ができるようになる。
<売却銘柄の追加による買付資金の不足分の補填について>
また、前記実施形態では、図2に示した「乗換え発注確認」表示部140において、最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味して購入数量を大きめに算出した場合に生じる買付資金の不足分について、その買付資金の不足分に相当する金額の表示部145と、このときの購入数量(不足分を追加投資すれば、購入できる数量)の表示部146とが設けられ、図2に示すように、ドラッグ&ドロップ(1)の操作を行った後に、これらの表示部145,146の表示を見た顧客が、続けて「銀行口座」表示部130に表示された金融機関の預金口座を示すアイコンから、ドラッグ&ドロップ(1)の操作でのドロップ先アイコンと同じアイコンへのドラッグ&ドロップ(3)の操作を行うことにより、買付資金の不足分の引き落とし口座を指定することができるようになっていたが、この買付資金の不足分の確保のためのドラッグ&ドロップ(3)の操作を、次のような2つの別パターンの操作としてもよい。
ドラッグ&ドロップ(3)の第1の別パターンの操作は、買付資金の不足分を、ドラッグ&ドロップ(1)の操作で指定した売却銘柄以外の売却銘柄(複数銘柄でもよい。)の売付金額により補填する場合に行われる。この場合には、顧客は、ドラッグ&ドロップ(1)の操作を行った後に、「乗換え発注確認」表示部140の表示部145,146の表示を見て、「手持ち銘柄」表示部110に表示された売却対象の金融商品を示すアイコンのうちのドラッグ&ドロップ(1)の操作でのドラッグ元アイコン以外のアイコン(複数のアイコンでもよい。)から、ドラッグ&ドロップ(1)の操作でのドロップ先アイコンへのドラッグ&ドロップ(3)の操作を行う。これにより、ドラッグ&ドロップ(3)の操作でのドラッグ元アイコン、すなわちドラッグ&ドロップ(1)の操作でのドラッグ元アイコン以外のアイコンに対応する金融商品(複数の金融商品でもよい。)が、売却銘柄として追加指定されることになる。図2の例では、F社株の購入数量=6,000株とするための買付資金の不足分=502,000円であるが(表示部145,146参照)、この不足分をE社株の売却により補填するのであれば、ドラッグ&ドロップ(3)の操作によりE社株を示すアイコンをドラッグ元アイコンとして指定すればよく、この場合には、E社株を2,000株(E社株の単元株は、1,000株とする。)売却し、E社株の売付金額=480円×2,000株=960,000円が得られるので、この売付金額の960,000円のうち502,000円が買付資金の不足分に充当され、残金の458,000円(=960,000円−502,000円)については、事前指定されている預金口座に入金されるか、あるいはドラッグ&ドロップ(2)の操作により残金の入金先が変更されていれば、その変更後の預金口座に入金される。つまり、この場合には、残金が生じるように、追加指定された売却銘柄であるE社株の売却数量が大きめに算出されるので、1,000株ではなく、2,000株と算出される。
ドラッグ&ドロップ(3)の第2の別パターンの操作は、買付資金の不足分を、ドラッグ&ドロップ(1)の操作で指定した売却銘柄以外の売却銘柄(複数銘柄でもよい。)の売付金額および預金口座の残高により補填する場合に行われる。この場合には、顧客は、ドラッグ&ドロップ(1)の操作を行った後に、「乗換え発注確認」表示部140の表示部145,146の表示を見て、「手持ち銘柄」表示部110に表示された売却対象の金融商品を示すアイコンのうちのドラッグ&ドロップ(1)の操作でのドラッグ元アイコン以外のアイコン(複数のアイコンでもよい。)および「銀行口座」表示部130に表示された預金口座を示すアイコンをポインティング操作等で選択し、これらのアイコンをまとめてドラッグ操作し、ドラッグ&ドロップ(1)の操作でのドロップ先アイコンと同じアイコンに落とすというドラッグ&ドロップ(3)の操作を行う。これにより、ドラッグ&ドロップ(3)の操作での複数のドラッグ元アイコンのうちの一部のアイコン、すなわちドラッグ&ドロップ(1)の操作でのドラッグ元アイコン以外のアイコンに対応する金融商品(複数の金融商品でもよい。)が、売却銘柄として追加指定されるとともに、ドラッグ&ドロップ(3)の操作での複数のドラッグ元アイコンのうちの残りのアイコンに対応する預金口座が、引き落とし口座として指定されることになる。図2の例では、F社株の購入数量=6,000株とするための買付資金の不足分=502,000円であるが(表示部145,146参照)、この不足分をE社株の売却およびA銀行α口座の残高により補填するのであれば、ポインティング操作等によりE社株を示すアイコンおよびA銀行α口座を示すアイコンを選択し、ドラッグ&ドロップ(3)の操作によりこれらのE社株を示すアイコンおよびA銀行α口座を示すアイコンをドラッグ元アイコンとして指定すればよく、この場合には、E社株を1,000株(E社株の単元株は、1,000株とする。)売却し、E社株の売付金額=480円×1,000株=480,000円が得られるので、この売付金額の480,000円が買付資金の不足分に充当され、さらに、それでも足りない金額分の22,000円(=502,000円−480,000円)については、A銀行α口座の残高で補填される。つまり、この場合には、残金が生じないように、追加指定された売却銘柄であるE社株の売却数量が小さめに算出されるので、2,000株ではなく、1,000株と算出される。なお、図2の注文画面100において、売却対象の金融商品を示すアイコンおよび預金口座を示すアイコンを同時に選択する際には、「手持ち銘柄」表示部110において、そこに表示されている売却対象の金融商品を示すアイコンを、ドラッグ&ドロップ操作により並べ替えたり、「銀行口座」表示部130において、そこに表示されている預金口座を示すアイコンを、ドラッグ&ドロップ操作により並べ替えることにより、同時に選択したいアイコンを隣接配置できるようにしてもよく、このようにした場合には、シフトキーおよびカーソルキーを用いて複数のアイコンを同時に選択することができる。
<1銘柄から複数銘柄、複数銘柄から複数銘柄への銘柄乗換えについて>
また、前記実施形態では、図2において、「手持ち銘柄」表示部110に表示された1つの銘柄から、「注目銘柄」表示部120に表示された1つの銘柄への銘柄乗換えだけではなく、「手持ち銘柄」表示部110に表示された複数の銘柄から、「注目銘柄」表示部120に表示された1つの銘柄への銘柄乗換えを行うこともできる旨の説明が記載されていたが、1対1や多対1に限らず、1対多や多対多、すなわち「手持ち銘柄」表示部110に表示された1つの銘柄から、「注目銘柄」表示部120に表示された複数の銘柄への銘柄乗換えを行うことができるようにしたり、「手持ち銘柄」表示部110に表示された複数の銘柄から、「注目銘柄」表示部120に表示された複数の銘柄への銘柄乗換えを行うことができるようにしてもよい。
ここで、1対多や多対多の場合には、「注目銘柄」表示部120に表示された複数の銘柄を示すアイコンを、ドロップ&ドロップ(1)の操作でのドロップ先アイコンとして指定することになる。しかし、プログラミング言語上、例えば、複数のドロップ先アイコンの選択指定がドラッグ操作の開始により消えてしまう、あるいは複数のドラッグ元アイコンの選択指定と複数のドロップ先アイコンの選択指定とを同時に行うことはできない、すなわち独立した複数箇所での選択指定は行うことができない等の理由により、「注目銘柄」表示部120に表示された複数の銘柄を示すアイコンを同時に選択し、そこに(それらのアイコンのうちのいずれかに)ドロップ操作することができないときには、図2のドラッグ&ドロップ(1)の操作を複数回連続して行えばよい。すなわち、1対多の場合には、「手持ち銘柄」表示部110に表示された1つの銘柄を示すアイコンから、「注目銘柄」表示部120に表示された1つの銘柄を示すアイコンへの図2のドラッグ&ドロップ(1)の操作を、ドロップ先を替えながら複数回連続して行えばよく、この場合には、各ドラッグ&ドロップ(1)の操作において、ドラッグ元アイコンは毎回同じであるが、ドロップ先アイコンは操作毎に異なるものとなる。また、多対多の場合には、「手持ち銘柄」表示部110に表示されている選択された複数の銘柄を示すアイコンから、「注目銘柄」表示部120に表示された1つの銘柄を示すアイコンへの図2のドラッグ&ドロップ(1)の操作を、ドロップ先を替えながら複数回連続して行えばよく、この場合には、各ドラッグ&ドロップ(1)の操作において、選択された複数のドラッグ元アイコンは毎回同じであるが、ドロップ先アイコンは操作毎に異なるものとなる。
また、1対多や多対多の場合において、「手持ち銘柄」表示部110に表示された銘柄を売却して得られた売付金額を、「注目銘柄」表示部120に表示された複数の銘柄の買付資金としてどのように配分するかは、例えば、自動的に均等の配分(例えば、2銘柄を購入するなら、1/2ずつの配分)としてもよく、最適な配分方法をシステムが自動的に判断してもよく、あるいは代表的な配分方法の幾つかをシステムが自動的に提示して顧客に選択させるようにしてもよい。ここで、「最適な配分方法」とは、例えば、残金の金額または買付資金の不足分の金額が最も小さくなる配分方法や、最も均等に近い配分方法等であり、どのような観点での最適とするかは、システムで予め定めておけばよく、また、「代表的な配分方法」とは、可能な配分方法のうち「最適な配分方法」に近い所定数以内の配分方法、あるいは可能な配分方法の全部である。
1対多の場合、例えば、図2において、D社株を売って、F社株およびG社株を買う場合には、D社株を示すアイコンから、選択されたF社株およびG社株を示す各アイコン(のうちのいずれかのアイコン)へのドラッグ&ドロップ(1)の操作を行うか、あるいはプログラミング言語上、それが困難であれば、D社株を示すアイコンからF社株を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ(1)の操作と、D社株を示すアイコンからG社株を示すアイコンへのドラッグ&ドロップ(1)の操作とを連続して行えばよい。図2の例では、D社株の売付金額=205円×14,000株=2,870,000円であるから、F社株およびG社株の買付資金として1/2ずつ(2,870,000円÷2=1,435,000円)を割り当てるとすると、F社株の購入数量(単元株=1,000株)は、2,000株(1,435,000円÷562円=2,553株よりも小さくなるように算出した数量)となるが、G社株の購入数量(単元株=1,000株)は、0株(1,435,000円÷3,600円=398株よりも小さくなるように算出した数量)となってしまう。そこで、システムが、最適な配分方法または代表的な配分方法として、F社株の購入数量=5,000株(買付金額=2,810,000円)、G社株の購入数量=0株(買付金額=0円)という配分(残金=60,000円)を判断し、顧客に提示することができる。これは、購入銘柄としてG社株を指定していないのと同じことである。この例では、G社株の単元株=1,000株であり、この最小の1,000株を購入するには、3,600円×1,000株=3,600,000円が最低限必要であるから、元々、D社株の売付金額=2,870,000円だけでは購入することができないG社株を、顧客が購入銘柄として指定しているからである。なお、残金の入金先の口座は、前記実施形態の図2の場合と同様に、事前指定された預金口座でもよく、ドラッグ&ドロップ(2)の操作による変更後の預金口座でもよい。
一方、上記の1対多の場合の例において、図2に示した「乗換え発注確認」表示部140の表示部145,146のような表示を行い、前記実施形態の図2の場合と同様にして、買付資金の不足分を、預金口座の残高から引き落として補填することもできる。例えば、F社株およびG社株の買付資金として1/2ずつ(2,870,000円÷2=1,435,000円)を割り当てるとすると、F社株の購入数量(単元株=1,000株)は、3,000株(1,435,000円÷562円=2,553株よりも大きくなるように算出した数量)となり、G社株の購入数量(単元株=1,000株)は、1,000株(1,435,000円÷3,600円=398株よりも大きくなるように算出した数量)となり、買付金額の合計は、562円×3,000株+3,600円×1,000株=5,286,000円となるので、D社株の売付金額=2,870,000円であるから、買付資金の不足分は、5,286,000円−2,870,000円=2,416,000円となる。買付資金の不足分を引き落とす預金口座の指定は、前記実施形態の図2の場合と同様に、ドラッグ&ドロップ(3)の操作で行えばよい。また、システムが、最適な配分方法または代表的な配分方法として、例えば、F社株の購入数量=1,000株(買付金額=562,000円)、G社株の購入数量=1,000株(買付金額=3,600,000円)という配分(買付資金の不足分=1,292,000円)や、F社株の購入数量=2,000株(買付金額=1,124,000円)、G社株の購入数量=1,000株(買付金額=3,600,000円)という配分(買付資金の不足分=1,854,000円)、あるいはF社株の購入数量=6,000株(買付金額=3,372,000円)、G社株の購入数量=0株(買付金額=0円)という配分(買付資金の不足分=502,000円)等を判断し、顧客に提示することができる。
多対多の場合、例えば、図2において、C社株およびD社株を売って、F社株およびG社株を買う場合には、C社株を示すアイコンおよびD社株を示すアイコンをポインティング操作等により同時に選択し、これらのC社株およびD社株を示す2つのアイコンをまとめてドラッグ操作し、既に選択されているF社株およびG社株を示す各アイコン(のうちのいずれかのアイコン)へドロップ操作するドラッグ&ドロップ(1)の操作を行うか、あるいはプログラミング言語上、それが困難であれば、C社株を示すアイコンおよびD社株を示すアイコンをポインティング操作等により同時に選択し、これらのC社株およびD社株を示す2つのアイコンをまとめてドラッグ操作し、F社株を示すアイコンへドロップ操作するドラッグ&ドロップ(1)の操作と、C社株およびD社株を示す2つのアイコンをまとめてドラッグ操作し、G社株を示すアイコンへドロップ操作するドラッグ&ドロップ(1)の操作とを連続して行えばよい。図2の例では、C社株の売付金額=4,300円×2,000株=8,600,000円、D社株の売付金額=205円×14,000株=2,870,000円であり、合計の売付金額=1,1470,000円であるから、F社株およびG社株の買付資金として1/2ずつ(1,1470,000円÷2=5,735,000円)を割り当てるとすると、F社株の購入数量(単元株=1,000株)は、10,000株(5,735,000円÷562円=10,204株よりも小さくなるように算出した数量)となり、G社株の購入数量(単元株=1,000株)は、1,000株(5,735,000円÷3,600円=1,593株よりも小さくなるように算出した数量)となる。また、システムが、最適な配分方法または代表的な配分方法として、例えば、F社株の購入数量=7,000株(買付金額=3,934,000円)、G社株の購入数量=2,000株(買付金額=7,200,000円)という配分(残金=336,000円)や、F社株の購入数量=14,000株(買付金額=7,868,000円)、G社株の購入数量=1,000株(買付金額=3,600,000円)という配分(残金=2,000円)等を判断し、顧客に提示することができる。残金の金額を小さくするという観点では、これらの2つの代表的な配分方法のうち、後者の配分方法が、最適な配分方法ということになる。なお、残金の入金先の口座は、前記実施形態の図2の場合と同様に、事前指定された預金口座でもよく、ドラッグ&ドロップ(2)の操作による変更後の預金口座でもよい。
一方、上記の多対多の場合の例において、図2に示した「乗換え発注確認」表示部140の表示部145,146のような表示を行い、前記実施形態の図2の場合と同様にして、買付資金の不足分を、預金口座の残高から引き落として補填することもできる。例えば、F社株およびG社株の買付資金として1/2ずつ(1,1470,000円÷2=5,735,000円)を割り当てるとすると、F社株の購入数量(単元株=1,000株)は、11,000株(5,735,000円÷562円=10,204株よりも大きくなるように算出した数量)となり、G社株の購入数量(単元株=1,000株)は、2,000株(5,735,000円÷3,600円=1,593株よりも大きくなるように算出した数量)となり、買付金額の合計は、562円×11,000株+3,600円×2,000株=13,382,000円となるので、C社株およびD社株の合計の売付金額=1,1470,000円であるから、買付資金の不足分は、13,382,000円−1,1470,000円=1,912,000円となる。買付資金の不足分を引き落とす預金口座の指定は、前記実施形態の図2の場合と同様に、ドラッグ&ドロップ(3)の操作で行えばよい。また、システムが、最適な配分方法または代表的な配分方法として、例えば、F社株の購入数量=8,000株(買付金額=4,496,000円)、G社株の購入数量=2,000株(買付金額=7,200,000円)という配分(買付資金の不足分=226,000円)や、F社株の購入数量=15,000株(買付金額=8,430,000円)、G社株の購入数量=1,000株(買付金額=3,600,000円)という配分(買付資金の不足分=560,000円)等を判断し、顧客に提示することができる。買付資金の不足分を小さくするという観点では、これらの2つの代表的な配分方法のうち、前者の配分方法が、最適な配分方法ということになる。
<複数の預金口座の指定について>
前記実施形態および以上の変形の形態の説明では、引き落とし口座となる預金口座や、入金先の預金口座は、事前指定の場合およびドラッグ&ドロップ操作による事後指定の場合(後述する売却銘柄や購入銘柄とまとめて選択指定する場合を含む。)のいずれの場合でも1つだけ指定されていたが、複数の預金口座を指定してもよい。複数の預金口座を引き落とし口座として指定した場合には、各預金口座から均等に引き落とすか、あるいは事前に指定された順番(図5の顧客設定記憶手段41に順番を記憶させておけばよい。)で引き落とす、すなわち、順位の一番高い預金口座から引き落としを開始し、その預金口座から引き落とせなかったら、次の順番の預金口座から引き落とすという処理を繰り返せばよい。また、複数の預金口座を入金口座として指定した場合には、各預金口座へ均等に入金するか、あるいは事前に指定された配分(図5の顧客設定記憶手段41に配分を記憶させておけばよい。)で入金すればよい。例えば、図2において、A銀行α口座を示すアイコンおよびB銀行β口座を示すアイコンの双方を、引き落とし口座となる預金口座や、入金先の預金口座として指定することができる。
<買付資金の不足分を引き落とす預金口座を、売却銘柄とまとめてドラッグ元として選択指定する場合について>
前記実施形態および以上の変形の形態の説明では、最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味して購入数量を大きめに算出した場合に生じる買付資金の不足分については、図2のドラッグ&ドロップ(1)の操作の後に行われるドラッグ&ドロップ(3)の操作により指定されたドラッグ元アイコンに対応する預金口座から引き落とすようになっていたが、必ずしもこのように段階的なドラッグ&ドロップ操作を行う必要はなく、買付資金の不足分を引き落とす1つまたは複数の預金口座を示すアイコンを、図2に示した「手持ち銘柄」表示部110に表示されている1つまたは複数の売却対象の金融商品を示すアイコンと同時に選択し、これらの1つまたは複数の売却銘柄を示すアイコンおよび買付資金の不足分の引き落とし用の1つまたは複数の預金口座を示すアイコンをまとめてドラッグ操作し、これらを同時に、購入銘柄を示すアイコンにドロップ操作するようにしてもよい。このようにした場合には、購入銘柄の購入数量は、買付資金の不足分が生じるように大きめに算出されることになる。つまり、残金が生じるような小さめの購入数量の算出処理は行わなくてよい。例えば、図2において、C社株を示すアイコン、D社株を示すアイコン、およびA銀行α口座を示すアイコンをポインティング操作等により同時に選択し、これらのC社株、D社株、およびA銀行α口座を示す3つのアイコンをまとめてドラッグ操作し、既に選択されているF社株およびG社株を示す各アイコン(のうちのいずれかのアイコン)へドロップ操作するドラッグ&ドロップ(1)の操作を行うか、あるいはプログラミング言語上、それが困難であれば、C社株を示すアイコン、D社株を示すアイコン、およびA銀行α口座を示すアイコンをポインティング操作等により同時に選択し、これらのC社株、D社株、およびA銀行α口座を示す3つのアイコンをまとめてドラッグ操作し、F社株を示すアイコンへドロップ操作するドラッグ&ドロップ(1)の操作と、C社株、D社株、およびA銀行α口座を示す3つのアイコンをまとめてドラッグ操作し、G社株を示すアイコンへドロップ操作するドラッグ&ドロップ(1)の操作とを連続して行えばよい。
<残金を入金する預金口座を、購入銘柄とまとめてドロップ先として選択指定する場合について>
前記実施形態および以上の変形の形態の説明では、最小売買単位数量(株式の場合には、単元株)を加味して購入数量を小さめに算出した場合に生じる残金については、事前指定された預金口座に入金するか、あるいは図2のドラッグ&ドロップ(1)の操作の後に行われるドラッグ&ドロップ(2)の操作による変更後の預金口座(事前指定が行われておらず、ドラッグ&ドロップ(2)の操作により初めて指定される場合も含む。)に入金するようになっていたが、必ずしもこのように事前指定したり、あるいは段階的なドラッグ&ドロップ操作を行う必要はなく、残金を入金する1つまたは複数の預金口座を示すアイコンを、図2に示した「注目銘柄」表示部120に表示されている1つまたは複数の購入対象の金融商品を示すアイコンと同時に、ドロップ先として選択してもよい。このようにした場合には、購入銘柄の購入数量は、残金が生じるように小さめに算出されることになる。つまり、買付資金の不足分が生じるような大きめの購入数量の算出処理は行わなくてよい。例えば、図2において、C社株を示すアイコンおよびD社株を示すアイコンをポインティング操作等により同時に選択し、これらのC社株およびD社株を示す2つのアイコンをまとめてドラッグ操作し、既に選択されているF社株、G社株、およびB銀行β口座を示す各アイコン(のうちのいずれかのアイコン)へドロップ操作するドラッグ&ドロップ(1)の操作を行うか、あるいはプログラミング言語上、それが困難であれば、C社株を示すアイコンおよびD社株を示すアイコンをポインティング操作等により同時に選択し、これらのC社株およびD社株を示す2つのアイコンをまとめてドラッグ操作し、F社株を示すアイコンへドロップ操作するドラッグ&ドロップ(1)の操作と、C社株およびD社株を示す2つのアイコンをまとめてドラッグ操作し、G社株を示すアイコンへドロップ操作するドラッグ&ドロップ(1)の操作と、C社株およびD社株を示す2つのアイコンをまとめてドラッグ操作し、B銀行β口座を示すアイコンへドロップ操作するドラッグ&ドロップ(1)の操作とを連続して行えばよい。
<複数のアイコンの選択指定について>
前記実施形態および以上の変形の形態の説明では、複数のアイコンの選択指定については、ポインティング操作等による選択指定、選択したい複数のアイコンをドラッグ&ドロップ操作により隣接配置してからのカーソルキー等を用いた選択指定等が記載され、選択されたアイコンは、例えば太枠表示や色彩変更等により、選択されていないアイコンと区別する表示が行われる旨が記載されていたが、複数のアイコンの選択指定方法や、選択されたアイコンの識別表示方法は、これらに限定されるものではなく、例えば、各アイコンの周囲に、チェックボックスを設けておき、選択するアイコンにチェックを入れるといった方法でもよい。この方法の場合には、プログラミング言語上の制約、例えば、複数のドロップ先アイコンの選択指定がドラッグ操作の開始により消えてしまう、あるいは複数のドラッグ元アイコンの選択指定と複数のドロップ先アイコンの選択指定とを同時に行うことはできない、すなわち独立した複数箇所での選択指定は行うことができない等の理由による制約は受けない。なお、ここでいう複数のアイコンの選択指定には、複数の金融商品を示すアイコンの選択指定、1つまたは複数の金融商品を示すアイコンおよび1つまたは複数の預金口座を示すアイコンの選択指定、複数の預金口座を示すアイコンの選択指定が含まれる。