JP4435139B2 - 金融商品取引管理装置、プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、外国為替等、金融商品の取引を管理、支援する技術に関する。
外国為替等の金融商品の取引方法として、注文時の価格で取引を行う成行注文の他に、指値注文が知られている。この指値注文とは、予め顧客から売買値段の指定を受ける注文形態のことであり、金融商品の取扱業者は対象となる金融商品が指定された金額まで下がったときに当該金融商品の買い注文を行い、あるいは、指定された金額まで上がったときに当該金融商品の売り注文を行う。従来、この金融商品の指値注文をコンピュータシステムを用いて行う発明が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−99787号公報
ここで、金融商品の指値注文においては、イフダンオーダー(順位のある2つの注文を同時に出し、第一順位の注文(以下「第一注文」と称する。)が成立したら、自動的に第二順位の注文(以下「第二注文」と称する。)が有効になる注文形式のこと。本明細書において同じ。)が行われることも多い、しかし、引用文献1に記載の発明においては、イフダンオーダーの指値注文に対応できないという問題がある。また、一の顧客が特定の金融商品について複数のイフダンオーダーを行う場合もある。しかし、引用文献1に記載の発明においては、システムを利用する顧客が複数のイフダンオーダーを個別に注文していかねばならず、顧客の注文手続が煩雑になるという問題がある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、金融商品の指値注文において、システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく複数のイフダンオーダーを行うことができ、システムを利用する顧客の利便性を高めることができる金融商品取引管理装置を提供することを課題としている。
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、オンライン端末としてのクライアント端末を用いて行われる、相場価格が変動する金融商品の売買取引を管理する金融商品取引管理装置であって、前記クライアント端末の表示手段に、売買を希望する前記金融商品の種類を選択するための売買希望入力手段、前記金融商品の持高としてのポジションごとの金額を入力するための金額入力欄、前記金融商品の購入注文価格又は販売注文価格を入力するための第一注文価格入力欄、前記金融商品の販売注文価格又は購入注文価格を入力するための第二注文価格入力欄、各入力手段及び入力欄にて選択・入力された情報としての、前記金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を確定して該確定された前記売買注文申込情報を前記クライアント端末から送信させる承認手段をそれぞれ画面表示させるフロントページ配信手段と、前記クライアント端末から送信された前記売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付手段と、該注文入力受付手段が受け付け、かつ前記承認手段がクリックされることで確定された前記売買注文申込情報に基づいて、前記売買希望入力手段によって選択された前記金融商品の、前記金額入力欄に記載された金額を一の前記ポジションとする注文情報を生成する注文情報生成手段と、前記注文情報生成手段が生成した前記注文情報を記録する注文情報記録手段と、前記注文情報に基づいて前記金融商品の約定を行う約定情報生成手段と、前記金融商品の前記相場価格情報を取得する価格情報受信手段とを備え、前記注文入力受付手段は、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が前記第一注文価格入力欄に入力された価格以下である場合又は前記第二注文価格入力欄に入力された価格以上である場合には前記注文情報の生成を拒絶する処理を行い、前記注文情報生成手段は、前記承認手段の一のクリックによって前記クライアント端末から送信された一の前記売買注文申込情報に基づいて、同一種類の前記金融商品を前記第一注文価格入力欄に入力された価格について買いの指値注文を行う第一注文情報及び前記第二注文価格入力欄に入力された価格について売りの指値注文を行う第二注文情報からなる注文情報群を複数生成し、前記注文情報記録手段には前記注文情報群が記録され、前記約定情報生成手段は、前記第一注文情報が買いの指値注文である場合であって、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が下落して前記第一注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、前記注文情報記録手段に記録された前記注文情報群を形成する個々の前記注文情報のうち前記第一注文情報に基づいて前記約定を行うと共に、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が前記第一注文価格入力欄に入力された価格以下まで一旦下落したのちに上昇して前記第二注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、前記第二注文情報に基づいて前記金融商品の前記約定を行うことで、前記第一注文情報に基づく前記金融商品の約定と前記第二注文情報に基づく前記金融商品の約定とを繰り返すことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、オンライン端末としてのクライアント端末を用いて行われる、相場価格が変動する金融商品の売買取引を管理する金融商品取引管理装置であって、前記クライアント端末の表示手段に、売買を希望する前記金融商品の種類を選択するための売買希望入力手段、前記金融商品の持高としてのポジションごとの金額を入力するための金額入力欄、前記金融商品の販売注文価格又は購入注文価格を入力するための第一注文価格入力欄、前記金融商品の購入注文価格又は販売注文価格を入力するための第二注文価格入力欄、各入力手段及び入力欄にて選択・入力された情報としての、前記金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を確定して該確定された前記売買注文申込情報を前記クライアント端末から送信させる承認手段をそれぞれ画面表示させるフロントページ配信手段と、前記クライアント端末から送信された前記売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付手段と、該注文入力受付手段が受け付け、かつ前記承認手段がクリックされることで確定された前記売買注文申込情報に基づいて、前記売買希望入力手段によって選択された前記金融商品の、前記金額入力欄に記載された金額を一の前記ポジションとする注文情報を生成する注文情報生成手段と、前記注文情報生成手段が生成した前記注文情報を記録する注文情報記録手段と、前記注文情報に基づいて前記金融商品の約定を行う約定情報生成手段と、前記金融商品の前記相場価格情報を取得する価格情報受信手段とを備え、前記注文入力受付手段は、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が前記第一注文価格入力欄に入力された価格以上である場合又は前記第二注文価格入力欄に入力された価格以下である場合には前記注文情報の生成を拒絶する処理を行い、前記注文情報生成手段は、前記承認手段の一のクリックによって前記クライアント端末から送信された一の前記売買注文申込情報に基づいて、同一種類の前記金融商品を前記第一注文価格入力欄に入力された価格について売りの指値注文を行う第一注文情報及び前記第二注文価格入力欄に入力された価格について買いの指値注文を行う第二注文情報からなる注文情報群を複数生成し、前記注文情報記録手段には前記注文情報群が記録され、前記約定情報生成手段は、前記第一注文情報が売りの指値注文である場合であって、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が上昇して前記第一注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、前記注文情報記録手段に記録された前記注文情報群を形成する個々の前記注文情報のうち前記第一注文情報に基づいて前記約定を行うと共に、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が前記第一注文価格入力欄に入力された価格以上まで一旦上昇したのちに下落して前記第二注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、前記第二注文情報に基づいて前記金融商品の前記約定を行うことで、前記第一注文情報に基づく前記金融商品の約定と前記第二注文情報に基づく前記金融商品の約定とを繰り返すことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3に記載の構成に加え、前記約定情報生成手段は、一旦生成された前記金融商品の注文における特定の前記注文情報群を形成する前記第一注文情報又は前記第二注文情報のうち何れか一方に対するキャンセル要求があった場合、該キャンセル要求のあった前記注文情報が含まれる前記注文情報群を全てキャンセル処理することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3に記載の構成に加え、前記約定情報生成手段は、一旦生成された前記金融商品の注文における特定の前記注文情報群を形成する前記第一注文情報又は前記第二注文情報のうち何れか一方に対するキャンセル要求があった場合、該キャンセル要求のあった前記注文情報が含まれる前記注文情報群を生成した前記売買注文申込情報に基づいて生成された全ての前記注文情報群をキャンセル処理することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至の何れか一つに記載の構成に加え、前記約定情報生成手段は、一旦生成された前記金融商品の注文における特定の前記注文情報群を形成する前記第一順位の前記注文情報又は前記第二順位の前記注文情報のうち何れか一方に対するキャンセル要求があった場合、該キャンセル要求のあった前記注文情報が含まれる前記注文情報群を生成した前記売買注文申込情報に基づいて生成された全ての前記注文情報群をキャンセル処理することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一つに記載の構成に加え、前記金融商品は外国為替であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを請求項1乃至7の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置として機能させることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、金融商品取引管理装置は、クライアント端末の表示手段に、売買を希望する金融商品の種類を選択するための売買希望入力手段、金融商品の持高としてのポジションごとの金額を入力するための金額入力欄、金融商品の購入注文価格又は販売注文価格を入力するための第一注文価格入力欄、金融商品の販売注文価格又は購入注文価格を入力するための第二注文価格入力欄、各入力手段及び入力欄にて選択・入力された情報としての、金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を確定して確定された売買注文申込情報をクライアント端末から送信させる承認手段をそれぞれ画面表示させるフロントページ配信手段と、クライアント端末から送信された売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付手段と、注文入力受付手段が受け付け、かつ承認手段がクリックされることで確定された売買注文申込情報に基づいて、売買希望入力手段によって選択された金融商品の、金額入力欄に記載された金額を一のポジションとする注文情報を生成する注文情報生成手段と、注文情報生成手段が生成した注文情報を記録する注文情報記録手段と、金融商品の相場価格情報を取得する価格情報受信手段とを備え、注文入力受付手段は、価格情報受信手段において取得された金融商品の相場価格が第一注文価格入力欄に入力された価格以下である場合又は第二注文価格入力欄に入力された価格以上である場合には注文情報の生成を拒絶する処理を行い、注文情報生成手段は、承認手段の一のクリックによってクライアント端末から送信された一の売買注文申込情報に基づいて、同一種類の金融商品を第一注文価格入力欄に入力された価格について買いの指値注文を行う第一注文情報及び第二注文価格入力欄に入力された価格について売りの指値注文を行う第二注文情報からなる注文情報群を複数生成することにより、金融商品を売買する際、クライアント端末側で一の注文手続きを行うことで、同一種類の複数価格の金融商品を複数のイフダンオーダーによって注文できる。これにより、指値注文を行う顧客の利便性を向上させることができる。また、注文情報記録手段には注文情報群が記録され、約定情報生成手段は注文情報に基づいて金融商品の約定を行うことにより、クライアント端末から受信した一の指示に基づいて、コンピュータシステム上で複数のイフダンオーダーによる取引を実現できる。これにより、金融商品の指値注文において、システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく複数のイフダンオーダーを行うことを可能にし、システムを利用する顧客の利便性を高めることができる。
請求項1に記載の発明によれば、約定情報生成手段は、第一注文情報が買いの指値注文である場合であって、価格情報受信手段において取得された金融商品の相場価格が下落して第一注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、注文情報記録手段に記録された注文情報群を形成する個々の注文情報のうち第一注文情報に基づいて約定を行うと共に、価格情報受信手段において取得された金融商品の相場価格が第一注文価格入力欄に入力された価格以下まで一旦下落したのちに上昇して第二注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、第二注文情報に基づいて金融商品の約定を行うことで、第一注文情報に基づく金融商品の約定と第二注文情報に基づく金融商品の約定とを繰り返すことにより、クライアント端末から受信した一の指示に基づいて、コンピュータシステム上で複数のイフダンオーダーによる取引を実現できる。これにより、金融商品の指値注文において、システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく複数のイフダンオーダーを行うことを可能にし、システムを利用する顧客の利便性を高めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、クライアント端末の表示手段に、売買を希望する金融商品の種類を選択するための売買希望入力手段、金融商品の持高としてのポジションごとの金額を入力するための金額入力欄、金融商品の販売注文価格又は購入注文価格を入力するための第一注文価格入力欄、金融商品の購入注文価格又は販売注文価格を入力するための第二注文価格入力欄、各入力手段及び入力欄にて選択・入力された情報としての、金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を確定して該確定された売買注文申込情報をクライアント端末から送信させる承認手段をそれぞれ画面表示させるフロントページ配信手段と、クライアント端末から送信された売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付手段と、該注文入力受付手段が受け付け、かつ承認手段がクリックされることで確定された売買注文申込情報に基づいて、売買希望入力手段によって選択された金融商品の、金額入力欄に記載された金額を一のポジションとする注文情報を生成する注文情報生成手段と、注文情報生成手段が生成した注文情報を記録する注文情報記録手段と、金融商品の相場価格情報を取得する価格情報受信手段とを備え、注文入力受付手段は、価格情報受信手段において取得された金融商品の相場価格が第一注文価格入力欄に入力された価格以上である場合又は第二注文価格入力欄に入力された価格以下である場合には注文情報の生成を拒絶する処理を行い、注文情報生成手段は、承認手段の一のクリックによってクライアント端末から送信された一の売買注文申込情報に基づいて、同一種類の金融商品を第一注文価格入力欄に入力された価格について売りの指値注文を行う第一注文情報及び第二注文価格入力欄に入力された価格について買いの指値注文を行う第二注文情報からなる注文情報群を複数生成することにより、金融商品を売買する際、クライアント端末側で一の注文手続きを行うことで、同一種類の複数価格の金融商品を複数のイフダンオーダーによって注文できる。これにより、指値注文を行う顧客の利便性を向上させることができる。また、注文情報記録手段には注文情報群が記録され、約定情報生成手段は注文情報に基づいて金融商品の約定を行うことにより、クライアント端末から受信した一の指示に基づいて、コンピュータシステム上で複数のイフダンオーダーによる取引を実現できる。これにより、金融商品の指値注文において、システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく複数のイフダンオーダーを行うことを可能にし、システムを利用する顧客の利便性を高めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、第一注文情報が売りの指値注文である場合であって、価格情報受信手段において取得された金融商品の相場価格が上昇して第一注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、注文情報記録手段に記録された注文情報群を形成する個々の注文情報のうち第一注文情報に基づいて約定を行うと共に価格情報受信手段において取得された金融商品の相場価格が第一注文価格入力欄に入力された価格以上まで一旦上昇したのちに下落して第二注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、第二注文情報に基づいて金融商品の約定を行うことで、第一注文情報に基づく金融商品の約定と第二注文情報に基づく金融商品の約定とを繰り返すことにより、クライアント端末から受信した一の指示に基づいて、コンピュータシステム上で複数のイフダンオーダーによる取引を実現できる。これにより、金融商品の指値注文において、システムを利用する顧客が煩雑な注文手続を行うことなく複数のイフダンオーダーを行うことを可能にし、システムを利用する顧客の利便性を高めることができる。
請求項に記載の発明によれば、特定顧客の預金残高情報を記録する顧客口座情報記録手段を備え、フロントページ配信手段は、クライアント端末の表示手段にポジションの数を選択するための注文個数選択欄を画面表示させ、注文入力受付手段は、第一注文価格入力欄、第二注文価格入力欄、注文個数選択欄にそれぞれ入力された値に基づいて注文価格情報を算出すると共に概注文価格情報を注文情報の属性情報として記録し、注文情報生成手段は、預金残高情報と注文情報注文価格情報とを比較し、預金残高情報の値が注文価格情報の値以上である場合、注文情報群を生成することにより、支払いが確実にできる場合にのみイフダンオーダーによる指値注文を受け付け、支払い不能による商取引上の支障が生ずることなくシステムを運用できる。
請求項4に記載の発明によれば、約定情報生成手段は、一旦生成された金融商品の注文における特定の注文情報群を形成する第一注文情報又は第二注文情報のうち何れか一方に対するキャンセル要求があった場合、キャンセル要求のあった注文情報が含まれる注文情報群を全てキャンセル処理することにより、イフダンオーダーによる指値注文の取扱が煩雑化することを防止できる。これにより、システムを利用する顧客の利便性を一層高めつつ、システム構成及びシステムにおける情報処理の複雑化を防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、約定情報生成手段は、一旦生成された金融商品の注文における特定の注文情報群を形成する第一注文情報又は第二注文情報のうち何れか一方に対するキャンセル要求があった場合、キャンセル要求のあった注文情報が含まれる注文情報群を生成した売買注文申込情報に基づいて生成された全ての注文情報群をキャンセル処理することにより、イフダンオーダーによる指値注文の取扱が煩雑化することを防止できる。これにより、システムを利用する顧客の利便性を一層高めつつ、システム構成及びシステムにおける情報処理の複雑化を防止できる。
請求項に記載の発明によれば、金融商品は外国為替であることにより、イフダンオーダーによって指値注文する需要の高い金融商品について本発明を適用し、システムを利用する顧客の利便性を一層高めることができる。
請求項に記載の発明によれば、本発明の金融商品取引管理装置をプログラム化し、多様なコンピュータハードウェア上で実現させることができる。
以下、この発明の一の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の金融商品取引管理システムのシステム構成図及び機能ブロック図である。同図に示すとおり、金融商品取引管理システム1Aは、金融商品取引管理装置1と、n個(n≧1)のクライアント端末2〜2とを備えており、金融商品取引管理装置1とクライアント端末2〜2は、WAN(Wide Area Network)としてのインターネット3を介して相互に交信可能である。本実施形態の金融商品取引管理システム1Aは、金融商品として外国為替を取扱う。
金融商品取引管理装置1は、金融商品の取扱業者が管理し運用するサーバコンピュータであり、Webサーバ機能、大容量のデータを保存するデータベース機能を備えている。クライアント端末2,・・・,2は、金融商品の売買を行う個人又は法人が所持し使用する、データ通信機能を有する通信端末であって、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末等がこれに該当する。クライアント端末2,・・・,2は、マウスやキーボード等各種指示を入力するために用いられる操作部21,・・・,21、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり操作部21,・・・,21から入力された各種指示等や各種画像を表示する表示部22,・・・,22を有している。なお、クライアント端末2,・・・,2、操作部21,・・・,21、表示部22,・・・,22は同じ構成を持つので、以下、区別する必要がある場合を除き、クライアント端末2、操作部21、表示部22とする。
図1には図示しないが、金融商品取引管理装置1は少なくとも1のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、及び、CPUの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)、起動用ブートプログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)、各種プログラムやデータ等が記録されるハードディスク等の補助記憶装置、データの送受信に用いる通信インターフェース等が設けられている。補助記憶装置には、OS(Operating System)用プログラム、各種アプリケーションプログラム、データベースに記録されたデータ等が記録されており、これらのプログラムやデータはCPUの演算処理により、ハードウェア資源と協働して各種機能を実現する。
図1に示す通り、金融商品取引管理装置1は、上述した各種プログラムとハードウェア資源とに基づいて実現される機能手段としてのデータ処理部10、及び、データ処理部10にて処理される各種データが記録されるデータベース18を有する。データ処理部10は金融商品取引管理装置1において用いる各種データの生成、加工等の処理を行うものであり、更に、同じく機能手段としてのフロントページ配信部11、注文入力受付部(注文入力受付手段)12、入出金情報生成部13、約定情報生成部(約定情報生成手段)14、口座情報生成部15、注文情報生成部(注文情報生成手段)16、データベース(DB)接続基底部17、価格情報受信部19を有している。
注文入力受付部12は、クライアント端末2から入力された各種の注文に関するデータを受け付け、金融商品の注文を成立させるために必要な各種処理を行う。
入手金情報生成部13は、クライアント端末2から入出金のリクエストを受け付け、リクエストに基づいて入出金の一覧表を作成する。
注文情報生成部16は、注文入力受付部12が処理した情報に基づいて、成立した金融商品の注文に関する情報を生成する。ここでの注文には、いわゆる成行注文、指値注文に加え、イフダンオーダーも含まれる。
約定情報生成部14は、注文情報生成部16が生成した注文に基づく約定処理、及び、完了した約定処理に関する情報を顧客のクライアント端末2に送るための処理を行う。なお、ここでの「約定」とは、顧客の注文に基づいて金融商品の売買を成立されるための各種の手続並びに処理のことをいう。
口座情報生成部15は、顧客の預金残高情報を生成し、当該預金残高情報を証拠金情報(即ち、注文の約定を実現できることを裏付けるための情報)として管理する機能を有する。なお、口座情報生成部15において生成される預金残高に関する情報は、現実の預金残高と整合性を取るために、銀行等の金融機関が提供する、顧客の現実の預金残高に関する情報と定期的に照合される。
データベース接続基底部17は、データ処理部10において生成、加工処理されたデータとデータベース18にて記録されるデータとの変換(例えば論理的データ構造と物理的データ構造との相互変換)を行うと共に、データ処理部10とデータベース18との間でデータを交信するために必要な処理を行う。
データベース18は、金融商品取引管理装置1にて用いられるデータを記録する。本実施形態におけるデータベース18はリレーショナルデータベースによって形成するが、例えばオブジェクトデータベース等、大量のデータの記録や書換えに適したものであればどのような形式を用いてもよい。データベース18には、注文テーブル(注文情報記録手段)181、顧客口座情報テーブル182、通過ペア注文条件テーブル183、シーケンス番号テーブル184が記録されている。シーケンス番号テーブル184には注文情報(後述)ごとに一意に付されるシーケンス番号が記録される。注文テーブル181、顧客テーブル182、通過ペア注文条件テーブル183の詳細については後述する。
フロントページ配信部11は、クライアント端末2の表示部22にされる画像データを作成し、作成した画像データをクライアント端末2に送信する。
価格情報受信部19は、金融商品取引管理装置1にて扱う金融商品の価格についての情報を取得し、取得した情報に対し、データ処理部10にて用いるために必要な処理を行う。本実施形態においては、価格情報受信部19は外為の相場価格の情報を取得する。
図2Aは注文テーブル181のフィールド定義の模式図、図2Bは顧客口座情報テーブル182のフィールド定義の模式図、図2Cは通貨ペア注文条件テーブル183のフィールド定義の模式図である。これらの図に示す通り、各テーブル181,182,183は項目数分のフィールドを有し、フィールドの名称(フィールド名)、文字や数値や日時等のデータ型(型)、ビット長等のデータ長(長さ)、空欄不可指定(Not Null)、デフォルト値の有無(デフォルト値)、データの項目名(備考)等が規定される。
上述の金融商品取引管理装置1においては、金融商品の指値取引が行われる際、一の予約注文によって、同一種類の複数の金融商品の指値注文を複数のイフダンオーダーによって行うことができる。
次に、本実施形態の金融商品取引管理システム1Aにおけるイフダンオーダーによる指値注文の取引手順について説明する。
図3は、本実施形態の金融商品取引管理装置1における、イフダンオーダーによる指値注文を成立させる際の処理手順を示すフローチャートである。以下、同図に基づいて注文時の処理手順を説明する。
金融商品取引管理システム1Aを利用する顧客は、クライアント端末2を用いて金融商品取引管理装置1にアクセスする。金融商品取引管理装置1のフロントページ配信部11は、アクセスのあったクライアント端末2の表示部22に、図5に示す入力画面40を表示させる。顧客は、操作部21を用いて入力画面40に注文内容のデータを入力する(ステップS1)。具体的には、入力画面40に対して下記(1)〜(5)の処理が行われることになる。
(1)顧客は、入力画面40の上側から取引可能な通貨ペア(この入力画面40では5種類の通貨ペア)ごとに設けられた売買希望入力ボタン41〜41の中から売買を希望する通貨ペアを選択しクリックする。例えば日本円で米国ドルを購入することを希望する顧客は、入力画面40の米国ドル購入ボタン41aをクリックする。
(2)次に顧客は、売買希望入力ボタン41〜41の下側に設けられた売買形態選択ボタン群42から自らが希望する売買形態が表示されたボタンを選択しクリックする。図5の入力画面40は、売買形態選択ボタン群42の中から新規注文(即ち、新しくポジション(外貨の持高)を持つための注文)を選択する新規選択ボタン42aがクリックされた状態を示している。なお、本実施形態の金融商品取引管理装置1は新規注文にのみイフダンオーダーを適用するものとし、システム構成の簡素化、並びに顧客にとって利用し易いシステムの形成を図っている。
(3)次に顧客は、売買形態選択ボタン群42の下側に設けられた注文条件・数量指定ボタン群43の中からイフダンオーダーを指定するイフダンオーダー指定ボタン43aをクリックする。なお、本実施形態の金融商品取引管理装置1においてはイフダンオーダー指定ボタン43a以外の選択ボタンがクリックされてもイフダンオーダーは行えないものとしている。
(4)イフダンオーダー指定ボタン43aがクリックされると、入力画面40に条件設定欄44が出現する。条件設定欄44には、第一注文の価格を入力する第一注文価格入力欄44a、第二注文の価格を入力する第二注文価格入力欄44b、一注文における一ポジションごとの金額を入力する金額入力欄44c、注文するポジションの数(この数は、後述する「注文情報群」の数に一致する。)を選択する注文個数選択欄44d、注文の有効期限を選択する有効期限選択欄44e、注文の形式が基本的な注文形式なのか特殊な注文形式なのかを選択する応用注文選択欄44fが設けられており、顧客は、各入力欄44a,44b,44cに希望する数値を入力し、各選択欄44d,44e,44fから希望する数値や期限や注文形式を選択する。図5の入力画面40においては、各入力欄44a,44b,44c及び各選択欄44d,44eに、第一注文の価格が116.00ドル、第二注文の価格が120.00ドル、一ポジションが10万ドル、注文するポジションの数が9個、有効期限が無期限、注文形式が、ポジションの数だけイフダンオーダーが繰り返される(リピート)形式である注文が記入、選択された状態を示している。
(5)各入力欄44a,44b,44c及び各選択欄44d,44e,44fに対する入力及び選択が完了したのち、顧客が入力画面40の最下に設けられた注文確認ボタン45aをクリックすると、入力画面40に入力されたデータはクライアント端末2から金融商品取引管理装置1に送信され、後述するステップS2の手順が行われる。なお、顧客が注文確認ボタン45aに代えてリセットボタン45bをクリックすると、上記(1)〜(4)の処理は取り消され、入力画面40は上記(1)が行われる前の状態に戻る。
上記(5)において注文確認ボタン45aをクリックされ、送信されたデータが金融商品取引管理装置1に供給されると、金融商品取引管理装置1の注文入力受付部12は、入力された注文の内容を確認する。具体的には、有効期限選択欄44eにおいて選択された期限、応用注文選択欄44fにおいて選択された注文形式を確認し、さらに、供給されたデータの注文価格について検査を行う(ステップS2)。具体的には、売買希望入力ボタン41〜41において選択された通貨ペアの第一注文価格入力欄44aに入力された第一注文の価格と、価格情報受信部19が受信した現在の為替相場価格との対比が行われる。注文入力受付部12は、顧客が利益を得られる場合のみ、即ち、外国通貨を買う場合は第一注文の価格が現在の為替相場価格よりも低く、かつ第二注文の価格が現在の為替相場価格よりも高い場合のみを、外国通貨を売る場合は第一注文の価格が現在の為替相場価格よりも高く、かつ第二注文の価格が現在の為替相場価格よりも低い場合のみを、それぞれ適正価格と判断する。
第一注文の価格及び第二注文の価格が適正価格と判断された場合(ステップS3の“No”)、口座情報生成部15が顧客口座情報テーブル182の当該顧客の証拠金情報を取得する。具体的には、図2Bに示す“amnt”フィールド182aに記録された数値データが証拠金情報として取得される。
注文入力受付部12は、取得された証拠金情報と顧客の注文総額(即ち、各入力欄44a,44b,44cに入力された数値及び注文個数選択欄44dから選択された数値に基づいて算出される注文総額)とを対比し、証拠金の額が注文総額以上であるか否かを確認する。注文情報生成部16は、証拠金の額が注文総額以上である場合(ステップS5の“No”)の場合にのみ、後述する「注文情報群」を生成する。これにより、顧客が確実に支払いができる場合にのみイフダンオーダーによる指値注文を受け付けることができる。
証拠金の額が注文総額以上である場合(ステップS5の“No”)、注文入力受付部12は、通貨ペア注文条件テーブル183に記録されたデータ等を元に、注文条件が上述したもの以外のイフダンオーダーの各種条件を満たしているか否かを確認する(ステップS6)。
イフダンオーダーの各種条件を満たしていない場合(ステップS7の“Yes”)、注文入力受付部12は入力された注文をエラーとして扱い、注文の受付を拒絶する(ステップS10)。
イフダンオーダーの各種条件を満たしている場合であって(ステップS7の“No”)、注文条件が上述のイフダンオーダーによる指値注文に必要な条件を全て満たしているものと判定された場合、フロントページ配信部11は、クライアント端末2の表示部22に、確認画面(図示せず)を表示させる。確認画面(図示せず)には入力画面40にて顧客によって入力、選択された注文条件が列記されており、列記された内容で間違いない場合にクリックする承認ボタン(図示せず)が設けられている。
顧客が操作部21の操作により承認ボタン(図示せず)をクリックすると、金融商品取引管理装置1の注文情報生成部16はステップS1にて入力されたデータに基づいて注文情報を生成する(ステップS8)。具体的には、上記手順において入力された複数のデータを、注文価格を単位としてまとめ、各情報の単位に、シーケンス番号テーブル184に記録された注文にシーケンス番号を付与することで各注文情報を形成する。なおこのとき、シーケンス番号テーブル184には、注文情報に使用されたシーケンス番号を未使用の番号と識別するための情報が付与される。一回のステップS8の手順にて形成される複数の注文情報は、同一種類の複数の金融商品を二つの価格(即ち、第一注文の価格と第二注文の価格)で一定の商品数ごとに指値注文する注文情報群(以下単に「注文情報群」と称する。)を形成する。注文情報群は一つずつ形成され、最大で注文個数選択欄44dに入力された数だけ形成されることになる(詳しくは後述する)。
注文情報生成部16は、生成された注文情報群を注文テーブル181に記録する(ステップS9)。具体的には、図2Aに示す各フィールドに、該当する注文情報(即ち“備考”カラム181aの項目に対応するデータ)が記録される。例えば、ステップS8にて付与されたシーケンス番号は“ord_seq”フィールド181bに記録される。“cust_seq”フィールド181cには顧客ごとに一意に定められた顧客番号が、“style_id”フィールド181dには商品名が記録される。“ccy_pair_id”フィールド181eには通貨ペア毎に一意に定められたID番号が記録される。このID番号と通貨ペアとの組合わせはデータベース中に別途設けられたIDテーブル(図示せず)中に記録されている。“buy_sell_id”フィールド181fには売り注文、買い注文のいずれであるかを示すデータ、“ord_rate”フィールド181gには注文価格、“limit_time”フィールド181hには注文価格が記録される。“ord_cond”フィールド181iには注文種別がイフダンオーダーであることを示す“1”が記録される。“new_close”フィールド181jには新規注文、継続注文のいずれであるかを示すデータが記録される。“ifd_ord_seq”フィールド181kにはイフダンオーダーのシーケンス番号が記録される。以上の手順より、本実施の形態におけるイフダンオーダーによる指値注文の注文処理は完了する。
注文処理が完了すると、注文情報生成部16はまず最初の注文情報群(以下「第一の注文情報群」と称する。)を生成する。なお、この生成された時点において、注文情報群に含まれる、第一順位の注文情報としての第一注文情報50aは有効な注文情報(顧客から正式に依頼された指値注文のこと。本明細書において同じ。)として生成されているが、同じ注文情報群に含まれる、第二順位の注文情報としての第二注文情報は、無効な注文情報(即ち、顧客から正式に依頼を受けていない注文情報のこと。本明細書において同じ。)として生成されている。
フロントページ配信部11は、クライアント端末2の表示部22に図6の(a)にイメージ図を示す第一成立注文表示画面50Aを表示させる。同図に示す通り、第一成立注文表示画面50Aには、生成された第一の注文情報群に含まれる第一注文情報51aが表形式で表示される。
図6の(a)に示す第一注文情報51aは、注文価格が1ドル116.00円(即ち第一注文価格入力欄44aに入力された価格)である。また、注文金額は10万円(即ち金額入力欄44cに入力された金額)である。
なお、ステップS3において第一注文情報51aの注文価格、及び第二注文情報の注文価格のうち少なくとも何れか一方が不適正な価格と判断された場合(ステップS3の“Yes”)、又は、ステップS5において証拠金の額が注文総額未満であった場合(ステップS5の“Yes”)、注文入力受付部12は入力された注文をエラーとして扱い、注文を拒絶する(ステップS10)。
図4は、本実施形態の金融商品取引管理装置1における、イフダンオーダーによる指値注文の成立後の処理手順を示すフローチャートである。以下、同図に基づいて処理手順を説明する。
注文処理の完了後、金融商品取引管理装置1の価格情報受信部19は為替相場の情報取得を継続する。そして、相場価格と特定ポジションの注文価格とが一致すると、約定情報生成部14が当該ポジションの注文を約定させる(ステップS21)。
図7に、本実施形態の金融商品取引管理システム1Aにおける、指値注文に基づく約定を模式的に表したタイムチャートを示す。例えば、同図に示す通り、イフダンオーダーによる指値注文の注文処理が完了した時点t1での米国ドルの相場購入価格71が1ドル118.00円であったとする。指値注文完了後に米国ドルの相場価格が下がり、相場購入価格71が1ドル116.00円になった時点t2において、約定情報生成部14は第一注文情報51aを約定させる処理を行う。
第一注文情報51aに基づく指値注文が約定すると、約定情報生成部14はデータベース18中の対応するデータを書き換える。具体的には、注文テーブル181の当該指値注文に関する注文情報のデータが削除され、顧客口座情報テーブル182の“amnt”フィールド182aのデータが約定した価格分だけ増減される。
次に、第一注文情報51aに基づく指値注文が約定すると、約定情報生成部14は、第一の注文情報群における第二注文情報51bを無効な注文情報から有効な注文情報に変更する(ステップS22)。そして、フロントページ配信部11はクライアント端末2の表示部22に、第一成立注文表示画面50Aに代えて、図6の(b)にイメージ図を示す第二成立注文表示画面50Bを表示させる。同図に示す通り、第二成立注文表示画面50Bには、第一の注文情報群中の第二注文情報51bが表形式で表示される。
図6の(b)に示す第二注文情報51bは、注文価格が1ドル120.00円(即ち第二注文価格入力欄44bに入力された価格)である。また、注文金額は10万円(即ち金額入力欄44cに入力された金額)である。
この後、図7に示すように、米国ドルの相場購入価格が上昇し、特定時点t3において米国ドルの相場購入価格71が1ドル120.00円になると、約定情報生成部14は第二注文情報51bに基づく指値注文を約定させる処理を行う(ステップS23)。そして、約定情報生成部14はデータベース18中の対応するデータを書き換える。これにより、顧客はt2時点の買い注文とt3時点の売り注文の差額分の利益を得られることになる。
第二注文情報51bに基づく指値注文が約定すると、口座情報生成部15が再度顧客口座情報テーブル182の当該顧客の証拠金情報を取得する。そして、注文入力受付部12は、再度、取得された証拠金情報と顧客の注文総額とを対比し、証拠金の額が注文総額以上であるか否かを確認する(ステップS25)。証拠金の額が注文総額を下回る場合(ステップS26の“Yes”)には、注文総額以上になるまで処理は保留され、証拠金の額が注文総額以上である場合(ステップS26の“No”)、注文情報生成部16は新たな注文情報群(以下「第二の注文情報群」と称する。)を生成する(ステップS27)。注文情報生成部16は、ステップS9と同様に、生成された第二の注文情報群を注文テーブル181に記録する(ステップS28)。ステップS26において第二の注文情報群が生成されると、フロントページ配信部11はクライアント端末2の表示部22に、第二成立注文表示画面50Bに代えて、第二の注文情報群の第一注文情報に基づく第一成立注文表示画面(図示せず)を表示させる。そして、ステップS21以降の処理が繰り返される。
当該処理は、注文個数選択欄44dに入力されたポジションの個数分の注文情報群が形成され、また、ステップS21,S23の処理が入力されたポジションの個数分繰り返されるまで継続し(ステップS24の“No”)、これによって、図7に示す時点t4,t5,・・・の処理が行われる。そして、ステップS21,S23の処理が上記入力されたポジションの個数分繰り返された後(ステップS24の“Yes”)、全ての処理手順が終了する。
なお、約定せずに注文期限51cが経過した指値注文は全て取り消され、注文テーブル181から削除される。
なお、本実施形態の金融商品取引管理装置1は、クライアント端末2から一度成立した指値注文の価格及び金額の変更の要求があった場合、当該要求が不正要求であるものとして入力エラー扱いで処理する。これにより、価格や金額の頻繁な要求で金融商品の売買元である銀行側の業務が過大になることを防止できる。
一方、図5に示すクライアント端末2の入力画面40において注文キャンセルボタン46がクリックされて、一度成立したイフダンオーダーのキャンセル要求があった場合、金融商品取引管理装置1の約定情報生成部14は、キャンセル要求のあったイフダンオーダーに含まれる注文情報群を抽出し、この注文情報群のうち約定未成立の注文情報を全てキャンセルされたものとして処理する。例えば、図7におけるt3とt4の間の時点で、クライアント端末2から第二の注文情報群に対するキャンセル要求、あるいは第一注文情報に対するキャンセル要求があった場合、第二の注文情報群はキャンセルされ、第三の注文情報群以降の注文情報群は生成されることなく処理が終了する。キャンセルされた注文情報群のデータや注文情報のデータは、注文テーブル181から削除される。
このように、一のキャンセル要求で、キャンセル要求のあった注文情報群を全てキャンセル処理し、また、キャンセル要求のあった注文情報が含まれる注文情報群を生成した売買注文申込情報に基づいて生成された全ての注文情報群をキャンセル処理することにより、イフダンオーダーによる指値注文の取扱が煩雑化することを防止できる。
なお、クライアント端末2から受けた注文が通常の成行注文(注文した時点の相場価格で金融商品の売買を行う取引方法)である場合には、ステップS8にて注文情報が生成されると即座に約定情報生成部14が当該注文を約定させ、ステップS9の処理、及びステップS21以降の処理は行われない。
以上示した通り、本実施形態の金融商品取引管理システム1Aにおいては、同一種類の金融商品における複数のイフダンオーダーの指値注文を一の注文手続によって行うことができるため、システムを利用する顧客の利便性を高めることができる。
なお、上記実施形態の金融商品取引管理システム1Aは、金融商品として外国為替を取扱うものとしたが、これに限定されず、他の金融商品、例えば株式、債券を取扱う金融商品取引管理システムにおいても本発明を適用できる。
上記実施形態は本発明の例示であり、本発明が上記実施の形態に限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。
本実施形態の金融商品取引管理システムにおけるシステム構成図及び金融商品取引管理装置の機能ブロック図である。 同上金融商品取引管理装置の注文テーブルのフィールド定義の模式図である。 同上金融商品取引管理装置の顧客口座情報テーブルのフィールド定義の模式図である。 同上金融商品取引管理装置の通貨ペア注文条件テーブルのフィールド定義の模式図である。 同上金融商品取引管理装置における、イフダンオーダーによる指値注文を成立させる際の処理手順を示すフローチャートである。 同上金融商品取引管理装置における、イフダンオーダーによる指値注文の成立後の処理手順を示すフローチャートである。 クライアント端末の表示部に表示される入力画面のイメージ図である。 (a)同上金融商品取引管理装置がクライアント端末の表示部に表示させる第一成立注文表示画面のイメージ図、(b)同じく第二成立注文表示画面のイメージ図である。 同上金融商品取引管理装置における、イフダンオーダーによる指値注文に基づく約定処理を模式的に表したタイムチャートである。
符号の説明
1A・・・金融商品取引管理システム
1・・・金融商品取引管理装置
2、2〜2・・・クライアント端末
12・・・注文入力受付部(注文入力受付手段)
14・・・約定情報生成部(約定情報生成手段)
16・・・注文情報生成部(注文情報生成手段)
51a・・・第一注文情報(第一順位の注文情報)
51b・・・第二注文情報(第二順位の注文情報)
181・・・注文テーブル(注文情報記録手段)

Claims (7)

  1. オンライン端末としてのクライアント端末を用いて行われる、相場価格が変動する金融商品の売買取引を管理する金融商品取引管理装置であって、
    前記クライアント端末の表示手段に、売買を希望する前記金融商品の種類を選択するための売買希望入力手段、前記金融商品の持高としてのポジションごとの金額を入力するための金額入力欄、前記金融商品の購入注文価格又は販売注文価格を入力するための第一注文価格入力欄、前記金融商品の販売注文価格又は購入注文価格を入力するための第二注文価格入力欄、各入力手段及び入力欄にて選択・入力された情報としての、前記金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を確定して該確定された前記売買注文申込情報を前記クライアント端末から送信させる承認手段をそれぞれ画面表示させるフロントページ配信手段と、
    前記クライアント端末から送信された前記売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付手段と、
    該注文入力受付手段が受け付け、かつ前記承認手段がクリックされることで確定された前記売買注文申込情報に基づいて、前記売買希望入力手段によって選択された前記金融商品の、前記金額入力欄に記載された金額を一の前記ポジションとする注文情報を生成する注文情報生成手段と、
    前記注文情報生成手段が生成した前記注文情報を記録する注文情報記録手段と、
    前記注文情報に基づいて前記金融商品の約定を行う約定情報生成手段と、
    前記金融商品の前記相場価格情報を取得する価格情報受信手段とを備え、
    前記注文入力受付手段は、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が前記第一注文価格入力欄に入力された価格以下である場合又は前記第二注文価格入力欄に入力された価格以上である場合には前記注文情報の生成を拒絶する処理を行い、
    前記注文情報生成手段は、前記承認手段の一のクリックによって前記クライアント端末から送信された一の前記売買注文申込情報に基づいて、同一種類の前記金融商品を前記第一注文価格入力欄に入力された価格について買いの指値注文を行う第一注文情報及び前記第二注文価格入力欄に入力された価格について売りの指値注文を行う第二注文情報からなる注文情報群を複数生成し、
    前記注文情報記録手段には前記注文情報群が記録され、
    前記約定情報生成手段は、前記第一注文情報が買いの指値注文である場合であって、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が下落して前記第一注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、前記注文情報記録手段に記録された前記注文情報群を形成する個々の前記注文情報のうち前記第一注文情報に基づいて前記約定を行うと共に、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が前記第一注文価格入力欄に入力された価格以下まで一旦下落したのちに上昇して前記第二注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、前記第二注文情報に基づいて前記金融商品の前記約定を行うことで、前記第一注文情報に基づく前記金融商品の約定と前記第二注文情報に基づく前記金融商品の約定とを繰り返すことを特徴とする金融商品取引管理装置。
  2. オンライン端末としてのクライアント端末を用いて行われる、相場価格が変動する金融商品の売買取引を管理する金融商品取引管理装置であって、
    前記クライアント端末の表示手段に、売買を希望する前記金融商品の種類を選択するための売買希望入力手段、前記金融商品の持高としてのポジションごとの金額を入力するための金額入力欄、前記金融商品の販売注文価格又は購入注文価格を入力するための第一注文価格入力欄、前記金融商品の購入注文価格又は販売注文価格を入力するための第二注文価格入力欄、各入力手段及び入力欄にて選択・入力された情報としての、前記金融商品の売買注文を行うための売買注文申込情報を確定して該確定された前記売買注文申込情報を前記クライアント端末から送信させる承認手段をそれぞれ画面表示させるフロントページ配信手段と、
    前記クライアント端末から送信された前記売買注文申込情報を受け付ける注文入力受付手段と、
    該注文入力受付手段が受け付け、かつ前記承認手段がクリックされることで確定された前記売買注文申込情報に基づいて、前記売買希望入力手段によって選択された前記金融商品の、前記金額入力欄に記載された金額を一の前記ポジションとする注文情報を生成する注文情報生成手段と、
    前記注文情報生成手段が生成した前記注文情報を記録する注文情報記録手段と、
    前記注文情報に基づいて前記金融商品の約定を行う約定情報生成手段と、
    前記金融商品の前記相場価格情報を取得する価格情報受信手段とを備え、
    前記注文入力受付手段は、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が前記第一注文価格入力欄に入力された価格以上である場合又は前記第二注文価格入力欄に入力された価格以下である場合には前記注文情報の生成を拒絶する処理を行い、
    前記注文情報生成手段は、前記承認手段の一のクリックによって前記クライアント端末から送信された一の前記売買注文申込情報に基づいて、同一種類の前記金融商品を前記第一注文価格入力欄に入力された価格について売りの指値注文を行う第一注文情報及び前記第二注文価格入力欄に入力された価格について買いの指値注文を行う第二注文情報からなる注文情報群を複数生成し、
    前記注文情報記録手段には前記注文情報群が記録され、
    前記約定情報生成手段は、前記第一注文情報が売りの指値注文である場合であって、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が上昇して前記第一注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、前記注文情報記録手段に記録された前記注文情報群を形成する個々の前記注文情報のうち前記第一注文情報に基づいて前記約定を行うと共に、前記価格情報受信手段において取得された前記金融商品の前記相場価格が前記第一注文価格入力欄に入力された価格以上まで一旦上昇したのちに下落して前記第二注文価格入力欄に入力された価格と等しくなった場合、前記第二注文情報に基づいて前記金融商品の前記約定を行うことで、前記第一注文情報に基づく前記金融商品の約定と前記第二注文情報に基づく前記金融商品の約定とを繰り返すことを特徴とする金融商品取引管理装置。
  3. 特定顧客の預金残高情報を記録する顧客口座情報記録手段を備え、
    前記フロントページ配信手段は、前記クライアント端末の表示手段に前記ポジションの数を選択するための注文個数選択欄を画面表示させ、
    前記注文入力受付手段は、第一注文価格入力欄、第二注文価格入力欄、前記注文個数選択欄にそれぞれ入力された値に基づいて注文価格情報を算出すると共に概注文価格情報を前記注文情報の属性情報として記録し、
    前記注文情報生成手段は、前記預金残高情報と前記注文情報の前記注文価格情報とを比較し、前記預金残高情報の値が前記注文価格情報の値以上である場合、前記注文情報群を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の金融商品取引管理装置。
  4. 前記約定情報生成手段は、一旦生成された前記金融商品の注文における特定の前記注文情報群を形成する前記第一注文情報又は前記第二注文情報のうち何れか一方に対するキャンセル要求があった場合、該キャンセル要求のあった前記注文情報が含まれる前記注文情報群を全てキャンセル処理することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置。
  5. 前記約定情報生成手段は、一旦生成された前記金融商品の注文における特定の前記注文情報群を形成する前記第一注文情報又は前記第二注文情報のうち何れか一方に対するキャンセル要求があった場合、該キャンセル要求のあった前記注文情報が含まれる前記注文情報群を生成した前記売買注文申込情報に基づいて生成された全ての前記注文情報群をキャンセル処理することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置。
  6. 前記金融商品は外国為替であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置。
  7. コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
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