JP5800717B2 - ミスト状物質除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ミスト状物質及び水溶性ガス状物質を除去するミスト状物質除去装置に関するものである。
たとえば、食品工場、洗浄工場及び機械工場などで使用される冷熱空調機器においては、食品加工過程や洗浄過程で発生する腐食性物質により、熱交換器の銅製配管が腐食し、冷媒漏れが発生する事例が報告されている。そこで、熱交換器を構成する配管表面への表面処理を施し、腐食性物質による熱交換器の配管などの腐食を抑制している。
このような腐食抑制方法は、配管表面に腐食性物質が直接付着することを防止する表面処理を実施するため、防食性能が高い。しかし、熱交換器の銅製配管が溶接部や曲管部を有している場合には均一な表面処理を実施することは難しい。すなわち、均一な表面処理を実施することができず、熱交換器の防食性能が低減してしまう可能性がある。
腐食の原因物質を調査したところ、次亜塩素酸ナトリウムやオイルなどのミスト状物質と、硫化水素、有機酸などの水溶性のガス状物質が腐食因子であることが分かった。すなわち、熱交換器の腐食抑制のためにはミスト状物質及び水溶性ガス状物質を除去することが効果的である。
ここで、空気中のミスト状物質及びガス物質を除去する方法としては、たとえば、本体内部の吸込口側に設けて放電線と、放電線の下流側に設けられた集塵フィルタと、集塵フィルタ内面の上端と下端に集塵フィルタを固定するための2つの軸及び軸を回転させる駆動部からなる回転ロータと、集塵フィルタの下部の一部を浸漬させるために水を入れた水槽とを有する湿式電気集塵装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術は、下部が水に含浸して設けられ、回転ロータの作用によって自身が回転することで含浸する箇所が移動する集塵フィルタと、放電線との間でコロナ放電を発生させることにより空気中のミスト状物質及びガス状物質を除去するものである。
その他に、灰分と酸性ガス状物質を含む排ガスを下部から取り込んで上部より排出するケーシング内に、互いに対向して縦に配列された放電極と集塵極とを備える電機集塵部を設け、両極間のコロナ放電による排ガス中の灰分粒子を負に帯電させる一方、集塵極を平板と平板の下部側に垂設される網状体とで構成した湿式電気集塵装置が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の技術は、集塵極に水とアルカリ試剤を含む処理液を放射して下向きに拡がる水流膜を形成し、当該水流膜を網状体に流下・移行させて網状体の網目及び網状体を構成する線材の表面にも水流膜を形成するものである。そして、特許文献2に記載の技術は、水流膜によって負に帯電した灰分粒子を捕捉させ、排ガス中の酸性ガス状物質を吸収するものである。
特許第2960267号公報(たとえば、明細書の段落[0023]、[0024]及び図1参照) 特許第3187205号公報(たとえば、図1及び図2参照)
特許文献1に記載の技術は、集塵フィルタが、回転ロータ集塵フィルタ下部に備える水槽に含浸されて、集塵フィルタが水分を保持している状態でミスト状物質及びガス状物質を補足するため水溶性であるガス状物質については捕捉できるが、ミスト状物質の捕捉効率が低減してしまう可能性があった。
特許文献2に記載の技術もまた、集塵極に水流膜を形成して浮遊物を捕捉するものであるため、ミスト状物質の捕捉効率が低減してしまう可能性があった。また、特許文献2に記載の技術は、浮遊物を捕捉する集塵極(水流膜)と、当該集塵局に供給される空気との流れ方向が平行である分、集塵極と空気との接触面積が減少してしまい、浮遊物の除去効率が低減、特に酸性ガス状物質の除去性能が低減してしまう可能性があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、空気中に含まれるミスト状物質とガス状物質との両方を効率的に捕捉することを可能とするミスト状物質除去装置を提供することを目的としている。
本発明に係るミスト状物質除去装置は、放電部及び当該放電部に対向して設けられる対向部から構成され、空気中の浮遊物を帯電させる荷電部と、荷電部の下流側に設けられ、浮遊物を捕捉する第1通気性吸水フィルタと、荷電部を介して第1通気性吸水フィルタに空気を供給する送風機と、対向部と略同電位であり帯電された浮遊物を第1通気性吸水フィルタに引き寄せる第1電極と、第1通気性吸水フィルタに水を供給する水供給部と、水供給部から第1通気性吸水フィルタに供給する水の量を制御する制御部と、第1電極の下流側に設けられ、浮遊物を捕捉する第2通気性吸水フィルタと、対向部と略同電位であり、帯電された浮遊物を第2通気性吸水フィルタに引き寄せる第2電極と、を有し、水供給部は、第2通気性吸水フィルタに水を供給可能であり、制御部は、第1通気性吸水フィルタの乾燥状態と湿潤状態とを生成させ、第1通気性吸水フィルタを乾燥状態にする場合には、第2通気性吸水フィルタを湿潤状態とし、第1通気性吸水フィルタを湿潤状態にする場合には、第2通気性吸水フィルタを乾燥状態とする
本発明に係るミスト状物質除去装置によれば、第1通気性吸水フィルタの乾燥状態と湿潤状態とを切り替えることができるため、空気中に含まれるミスト状物質と、ガス状物質との両方を効率的に通気性吸水フィルタで捕捉することができる。
本発明の実施の形態1に係るミスト状物質除去装置の概要構成の一例を示す図である。 通気性吸水フィルタへの水供給量に対するミスト状物質の一過性除去特性についての説明図である。 通気性吸水フィルタへの水供給量に対するガス状物質の一過性除去特性についての説明図である。 図1に示す通気性吸水性フィルタに水を供給するタイミングの説明図である。 印加電圧極性による放電電流と排出オゾン濃度を示した図である。 印加電圧極性による一過性ミスト状物質除去率を示した図である。 図1に示すミスト状物質除去装置の構成の変形例である。 本発明の実施の形態2に係るミスト状物質除去装置の概要構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係るミスト状物質除去装置の概要構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態4に係るミスト状物質除去装置の概要構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態5に係るミスト状物質除去装置の概要構成の一例を示す図である。 図11に示す回転ロータの回転速度の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るミスト状物質除去装置100の概要構成の一例を示す図である。まず、図1を参照してミスト状物質除去装置100の構成について説明する。
なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図1を含め、以下の図面に図示された矢印は、空気の流れを表している。
以下の説明において、ミスト状物質とはたとえば、空気中の次亜塩素酸ナトリウムやオイルなどを指し、ガス状物質とは、たとえば、空気中の硫化水素、有機酸などの水溶性物質を指すものとする。
本実施の形態1に係るミスト状物質除去装置100は、空気中に含まれる浮遊物(塵埃、ウイルス、カビ、菌、ミスト状物質、ガス状物質など)を捕捉する機能を有するものであり、当該浮遊物のうち、特にミスト状物質とガス状物質とを効率的にフィルタで捕捉する改良が加えられたものである。
[ミスト状物質除去装置100の構成]
ミスト状物質除去装置100は、空気が流れ、各種機器が配置される風路筐体20を有している。この風路筐体20には、上流側(風上側)から、放電部1及び対向部2と、通気性吸水フィルタ5と、送風機8とが順に配置されている。
また、ミスト状物質除去装置100は、放電部1に電圧を供給する高電圧電源4と、通気性吸水フィルタ5から滴下する水を貯留するドレンパン7と、通気性吸水フィルタ5に水を供給する水供給部6と、送風機8や水供給部6などの各種機器を制御する制御部50とを有している。なお、放電部1及び対向部2によって、空気中のミスト状物質を荷電(帯電)させる荷電部3を構成している。
なお、荷電部3、通気性吸水フィルタ5、送風機8、高電圧電源4、ドレンパン7、水供給部6及び制御部50は、所定の支持体によって固定される構成としてもよい。たとえば、予め設置されているダクトなどを所定の支持体とし、荷電部3、通気性吸水フィルタ5、送風機8、高電圧電源4、ドレンパン7、水供給部6及び制御部50をこの支持体に設けてミスト状物質除去装置100を構成してもよい。この所定の支持体は、用途にあわせて適宜選択すればよい。本実施の形態1では、荷電部3、通気性吸水フィルタ5、送風機8、高電圧電源4、ドレンパン7、水供給部6及び制御部50が設けられる風路筐体20を有するものとして説明する。
(放電部1)
放電部1は、高電圧電源4に接続され、高電圧電源4から供給される電圧が印加される電極である。なお、放電部1は、対向部2とともに、送風機8から送り込まれるミスト状物質を荷電させるものである。すなわち、放電部1は、対向部2との間でコロナ放電を発生させて、ミスト状物質にイオンや電荷を与えるものである。この放電部1は、風路筐体20内であって通気性吸水フィルタ5の上流側に設けられている。
放電部1は、たとえば、線径0.1mm〜0.3mm程度の細線で構成される金属線の両端を金属製ばねで固定したもので構成するとよい。これにより、放電部1と対向部2との間での均一なコロナ放電を実現することができるため、ミスト状物質の荷電効率を向上させ、ミスト状物質の捕捉性能を向上させることができる。
なお、放電部1の長期間の使用により放電部1を構成する金属線が撓んでしまい、均一放電を実現できなくなる可能性がある。そのため、放電部1を構成する金属線の両端を金属製ばねで固定することで、金属線に一定の張力を常に作用させ、撓みを抑制し、均一放電を実現している。
放電部1は、風路筐体20に供給される空気に含まれる腐食物質がさらされるため、耐食性が高い金属で構成するとよい。たとえば、放電部1は、腐食物質に応じて、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、タングステン、ニッケル及びタンタルなどで構成するとよい。
放電部1と対向部2との空間距離(ギャップ長)は、5mm以上10mm以下程度に設定するとよい。ここで、放電部1と対向部2とのギャップ長が、5mm未満であると放電開始電圧を低下させることができるため、高電圧電源4の負荷を低減することができるが、放電部1と対向部2のギャップ長が短いことにより、風路筐体20に供給される空気の圧力損失が大きくなり、送風機8の電力負荷が高くなる。
また、放電部1と対向部2とのギャップ長が、10mm以上であると風路筐体20に供給される空気の圧力損失を抑制し、送風機8の電力負荷を低減することができるが、放電部1と対向部2とのギャップ長が長いことにより、高電圧電源4の負荷が大きくなるとともに、及びミスト状物質への荷電効率を維持させるために高い電圧に入力が必要となり絶縁設計が困難となってしまう。
そこで、放電部1と対向部2との空間距離(ギャップ長)を5mm以上10mm以下程度に設定し、高電圧電源4の負荷の低減及び送風機8の電力負荷の低減を両立することを可能としている。
(対向部2)
対向部2は、接地電位に接続された電極である。なお、対向部2は、放電部1とともに、送風機8から送り込まれるミスト状物質を荷電させるものである。すなわち、対向部2は、放電部1との間でコロナ放電を発生させて、空気中に含まれるミスト状物質にイオンや電荷を与えるための接地電極である。この対向部2は、風路筐体20内であって通気性吸水フィルタ5の上流側に設けられている。
対向部2は、たとえば板状の電極で構成するとよい。対向部2を板状の電極で構成すると、放電部1との間に均一なコロナ放電を発生させることができるため、ミスト状物質の荷電効率を向上させることができる。また、対向部2を板状の電極で構成すると、放電領域も増加することから、ミスト状物質の荷電効率を向上させることができる。このように、ミスト状物質の荷電効率を向上させることにより、ミスト状物質の捕捉性能を向上させることができる。
対向部2は、放電部1と同様に、風路筐体20に供給される空気に含まれる腐食物質がさらされるため、耐食性が高い金属で構成するとよい。すなわち、対向部2は、腐食物質に応じて、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、タングステン、ニッケル及びタンタルなどで構成するとよい。
なお、本実施の形態1では、対向部2が接地されている場合を例に説明したがそれに限定されるものではない。すなわち、放電部1と対向部2との間に所定の電圧が印加されるのであれば、対向部2は接地されていなくてもよい。
(荷電部3)
荷電部3は、放電部1と対向部2とを一定間隔で積層して構成したものである。すなわち、金属線の両端を金属製ばねで固定して構成した放電部1と、板状の電極で構成した対向部2とを、所定のギャップ長を空けながら複数積層して構成したものである。なお、荷電部3の積層数及びサイズは、荷電部3に供給される風量に応じて設定するとよい。
(通気性吸水フィルタ5)
通気性吸水フィルタ5は、ミスト状物質及びガス状物質などを捕捉するものである。通気性吸水フィルタ5は、荷電部3の下流側であって、送風機8の上流側に設けられている。通気性吸水フィルタ5の下流側の面には、接地電極70が密着して設けられている。すなわち、荷電部3で荷電されたミスト状物質が接地電極70にクーロン力で引き寄せられるため、通気性吸水フィルタ5は、ミスト状物質の捕捉をしやすくなっている。なお、接地電極70は、たとえば空気流れ方向に垂直な面に開口を有する部材などで構成するとよい。これにより、通気性吸水フィルタ5を接地するとともに、風路抵抗が増大することを抑制することができる。また、接地電極70は、通気性吸水フィルタ5に密着して設けられるものとして説明したが、それに限定されるものではなく、たとえば、所定間隔を空けて設けてもよいし、通気性吸水フィルタ5内に設けられていてもよい。
通気性吸水フィルタ5は、吸水性を有する材質で構成するのであれば、特に限定されるものではない。たとえば、通気性吸水フィルタ5は、不織布などで構成するとよい。また、通気性吸水フィルタ5の構造は、蜂の巣構造であるハニカム構造体などを採用するとよい。これにより、通気性吸水フィルタ5の圧力損失を低減することができる。なお、通気性吸水フィルタ5の構造をハニカム構造体とする場合において、ハニカム構造のセルサイズは、許容圧力損失に応じて設定すればよい。
通気性吸水フィルタ5には、水供給部6から水が間欠的に供給される。ここで、通気性吸水フィルタ5に水が供給されて通気性吸水フィルタ5が濡れている状態を湿潤状態と定義する。また、通気性吸水フィルタ5に供給された水が乾燥した状態を乾燥状態と定義する。
通気性吸水フィルタ5は、湿潤状態において、特にガス状物質を効率的に捕捉することが可能となっている。これは、ガス状物質が、水を含有する通気性吸水フィルタ5の表面に接触し、通気性吸水フィルタ5の表層に存在する水膜層へ溶解されるためである。なお、通気性吸水フィルタ5に含むことができず、漏れ出した水は、ドレンパン7に貯留されるようになっている。
また、通気性吸水フィルタ5は、乾燥状態において、特にミスト状物質を効率的に捕捉することが可能となっている。これは、通気性吸水フィルタ5が乾燥している分、ガス状物質と比較すると水分を多く含むミスト状物質を捕捉しやすいためである。
(送風機8)
送風機8は、風路筐体20内に空気を取り込むものである。送風機8は、通気性吸水フィルタ5の下流側に設けられている。このように、通気性吸水フィルタ5の下流側に設けられていると、空気中に含まれるミスト状物質及びガス状物質の腐食成分が通気性吸水フィルタ5で除去される分、送風機8の腐食を抑制することができ、送風機8の長寿命化させることができる。
(高電圧電源4)
高電圧電源4は、放電部1に電圧を供給するものである。すなわち、高電圧電源4は、放電部1に接続されており、高電圧電源4に接続された放電部1と接地電位に接続された対向部2との間にコロナ放電を発生させるための電圧を供給するものである。高電圧電源4は、風路筐体20を流れる圧力損失とならないように、たとえばミスト状物質除去装置100のうち風路筐体20の外部に設けられているとよい。
高電圧電源4の印加電圧の極性は、特に限定されるものではなく、たとえば、直流電圧、交流電圧及びパルスなどを採用するとよい。なお、高電圧電源4の印加電圧に交流電圧を採用すると、荷電部3から正イオン及び負イオンの両方を放出するため、電気中和によりミスト状物質への荷電効率が低下し、ミスト状物質の捕捉性能が低減してしまう可能性がある。また、高電圧電源4の印加電圧にパルス電圧を採用するとコストアップを招いてしまう。そこで、高電圧電源4の印加電圧としては、直流電圧を採用するとよい。
高電圧電源4が放電部1へ供給する電圧値としては、5kV以上10kV未満程度とするとよい。図5及び図6の説明で後述するが、高電圧電源4が放電部1へ供給する電圧値が、5kV未満であると、荷電部3のギャップ長によっては放電電流が流れないことからミスト状物質を荷電しにくい。
高電圧電源4が放電部1へ供給する電圧値が、10kV以上であると、高電圧電源4の負荷が大きくなってしまうとともに、絶縁設計が困難となってしまう。また、高電圧電源4が放電部1へ供給する電圧値が、10kV以上であると、放電部1と対向部2との間での放電が、火花放電になりミスト状物質の荷電ができなくなる。
そこで、高電圧電源4が放電部1へ供給する電圧値としては、5kV以上10kV未満程度とすることで、ミスト状物質の確実な荷電、高電圧電源4の負荷抑制、及び絶縁設計上の困難性解消を実現することができる。
(ドレンパン7)
ドレンパン7は、通気性吸水フィルタ5から漏れ出した水を貯留するものである。ドレンパン7は、たとえば通気性吸水フィルタ5に下側に設けられている。このドレンパン7は、たとえば貯留されている水を排水する機構などを有していてもよいし、貯留されている水を水供給部6へ搬送する循環機構などを有していてもよい。
(水供給部6)
水供給部6は、通気性吸水フィルタ5に水を供給するためのものである。水供給部6は、通気性吸水フィルタ5上部に複数のノズルを有するヘッダーを設けて水を供給するように構成してもよい。また、水供給部6は、通気性吸水フィルタ5の上部に複数の開口が形成され、シャワー状に水を拡散することが可能な給水体を採用してもよい。これにより、通気性吸水フィルタ5に水を均一に供給することが可能となり、特にミスト状物質を効率的に捕捉することが可能となる。
水供給部6は、通気性吸水フィルタ5に供給する水として、水道水、軟水及び硬水などのいずれを採用してもよい。ここで、通気性吸水フィルタ5に供給する水として、塩化物イオンやカルシウムイオンなどを含まない純水を採用した場合には、通気性吸水フィルタ5と、通気性吸水フィルタ5の下流側の面に設けられる接地電極70との電気的な導通がなくなる。これにより、荷電されたミスト状物質には、通気性吸水フィルタ5からのクーロン力が作用せず、通気性吸水フィルタ5にミスト状物質が捕捉されにくくなる。したがって、通気性吸水フィルタ5に供給する水としては、イオン分を含む水道水、軟水及び硬水などを採用することが望ましく、コスト面を踏まえるとイオン分を含む水道水を採用することが望ましい。
(制御部50)
制御部50は、送風機8のファンの回転数、水供給部6の通気性吸水フィルタ5への水の供給量、高電圧電源4への電圧供給などを制御するものである。制御部50は、送風機8、水供給部6、高電圧電源4などに電気的に接続されている。この制御部50は、制御基板上に設けられている、たとえばマイコンなどに対応するものである。
[通気性吸水フィルタ5への水供給方法]
図2は、通気性吸水フィルタ5への水供給量に対するミスト状物質の一過性除去特性についての説明図である。図3は、通気性吸水フィルタ5への水供給量に対するガス状物質の一過性除去特性についての説明図である。図4は、図1に示す通気性吸水フィルタ5に水を供給するタイミングの説明図である。なお、図2及び図3の図中の網掛け部は通風時の通気性吸水フィルタ5の水蒸散量に対応する。図2〜図4を参照して、通気性吸水フィルタ5への水供給方法について説明する。
図2に示す結果は次のような条件で得たものである。すなわち、荷電部3には風速1m/sの空気を供給し、放電部1には正極性電圧6.5(kV)を印加し、ミスト状物質には次亜塩素酸ナトリウム溶液200(ppm)を超音波噴霧器で噴霧した。そして、ミスト状物質除去装置100の出口及び入口において中心粒子径1(μm)の粒子数測定を実施し、出口における中心粒子径1(μm)の粒子数と、入口における中心粒子径1(μm)の粒子数との比率によりミスト状物質の一過性除去率を算出している。
図2に示すように、ミスト状物質の一過性除去率は、通気性吸水フィルタ5への水供給量に応じて変化し、水供給量が少ないほど高い除去率であることがわかる。また、通気性吸水フィルタ5の水蒸散量を超える水供給量の場合は、一過性除去率は飽和傾向であった。図2に示す結果から、通気性吸水フィルタ5への水供給量を、通気性吸水フィルタ5の水蒸散量以下に設定することにより、ミスト状物質の一過性除去率を高めることができることがわかる。
図3に示す結果は次のような条件で得たものである。すなわち、荷電部3には風速(1m/s)の空気を供給し、放電部1には正極性電圧6.5(kV)を印加し、ガス状物質にはガラス瓶に入った酢酸溶液99(%)に酢酸濃度が1(ppm)になるように乾燥空気を通気した空気をミスト状物質除去装置100内に供給した。そして、ミスト状物質除去装置100の出口及び入口においてガス検知管による酢酸濃度測定を実施し、出口における濃度と入口における濃度との比率により、ガス状物質の一過性除去率を算出している。なお、対象ガスを酢酸ガスとした理由は、ガス状物質の腐食原因物質として最も腐食事例が多いためである。
図3に示すように、ガス状物質の一過性除去率は、通気性吸水フィルタ5への水供給量に応じて変化し、水供給量が少ないほど低い一過性除去率であることがわかる。また、通気性吸水フィルタ5の水蒸散量を超える水供給量の場合は、一過性除去率は飽和傾向であった。図3に示す結果から、通気性吸水フィルタ5への水供給量を、通気性吸水フィルタ5の水蒸散量以上に設定することにより、ガス状物質の一過性除去率を高めることができることがわかる。
図2及び図3の結果にあるように、本実施の形態1に係るミスト状物質除去装置100は、通気性吸水フィルタ5を湿潤状態にすることと、通気性吸水フィルタ5を乾燥状態とすることを交互に実施し、空気中に含まれるミスト状物質とガス状物質との両方を効率的に通気性吸水フィルタ5で捕捉する。
そこで、ミスト状物質除去装置100の制御部50は、図4に示すように、間欠的に水を供給するように水供給部6を制御して、湿潤状態と乾燥状態とが交互に入れ替わるようにしている。
図4では、水供給部6の運転オンと運転オフとを一定時間毎に切り替えた場合を例として説明しているがそれに限定されるものではない。たとえば、水を供給してから湿潤状態になるまでの時間ラグや水の供給を停止してから乾燥状態になるまでの時間ラグを考慮するとよい。すなわち、図4では水供給部6の運転オンと運転オフとの時間間隔を同じとしているが、湿潤状態と乾燥状態とが実現されている時間が同じ位になるように、水供給部6の運転オンと運転オフの時間を設定するとよいということである。これにより、ミスト状物質及びガス状物質を確実、且つ効率的に通気性吸水フィルタ5で捕捉することができる。
また、水供給部6の運転オンと運転オフの時間は、ミスト状物質が多い環境では乾燥状態が長くなるように設定し、ガス状物質が多い環境では湿潤状態が長くなるように設定するとよい。これにより、ミスト状物質及びガス状物質を確実、且つ効率的に通気性吸水フィルタ5で捕捉することができる。また、ミスト状物質及びガス状物質を通気性吸水フィルタ5及び通気性吸水フィルタ5に形成される水膜層で捕捉、溶解除去させることができ、通気性吸水フィルタ5から再放出してしまうことを抑制することができる。
[高電圧電源4の印加電圧極性]
図5は、印加電圧極性による放電電流と排出オゾン濃度を示した図である。より詳細には、図5は、荷電部3に風速1(m/s)の空気を供給した場合の結果であり、そして、高電圧電源4に直流正極性電圧、及び直流負極性電圧を用いた場合における荷電部3の平均放電電流、及び排出オゾン濃度について示した図である。図6は、印加電圧極性による一過性ミスト状物質除去率を示した図である。
なお、図5及び図6における「黒塗りの四角」が高電圧電源4に直流正極性電圧を供給した場合の平均放電電流値を示し、図5における「白塗りの四角」が高電圧電源4に直流正極性電圧を供給した場合の排出オゾン濃度を示している。
また、図5及び図6における「黒塗りダイヤ」が高電圧電源4に直流負極性電圧を供給した場合の平均放電電流値を示し、図5における「白塗りのダイヤ」が高電圧電源4に直流負極性電圧を供給した場合の排出オゾン濃度を示している。
図5及び図6を参照して、荷電部3に供給する電圧について説明する。
まず、図5に示すように、同一の印加電圧値に対して、印加電圧に対する平均放電電流値には大きな違いは見られないことがわかる。一方、図5に示すように、同一の印加電圧値に対して、相対的に直流負極性電圧の排出オゾン濃度が高いことがわかる。ここで、オゾンは非常に活性が高く、有害物質、菌、ウイルス等の分解・不活化に寄与する反面、腐食性が強く、人体への影響もあるため室内環境基準値として50(ppb)以下の排出濃度に抑えることが制定されている。このため、排出オゾン濃度を低減するためには、荷電部3への入力電圧は直流正極性電圧の入力とするとよいことがわかる。
図6に示すように、直流正極性電圧を印加した場合と、直流負極性電圧とを印加した場合とでは、共に平均放電電流が増加すると、ミスト状物質の一過性除去率が増加することがわかる。
図6から、直流正極性電圧と直流負極性電圧とによる一過性除去率の大きな違いはないこともわかる。すなわち、印加電圧極性によるミスト状物質の一過性除去率は印加電圧極性によらないということである。ここで、上述の図5で説明したように、排出オゾン濃度においては、高電圧電源4は直流正極性電圧を採用することが好ましい。
図5及び図6の結果より、排出オゾン濃度の低減及び一過性ミスト状物質除去率の向上をするためには、荷電部3への入力電圧は直流正極性電圧の入力とするとよいことがわかる。
[動作説明]
高電圧電源4を駆動して荷電部3に所定の直流電圧を供給する。これにより、高電圧電源4に接続された放電部1と、接地電位に接続した対向部2との間でコロナ放電が発生し、荷電部3から気相中にイオン、又は電子が放出される。
また、送風機8の作用によって風路筐体20内に供給された空気に含まれるミスト状物質は、荷電部3からイオン、又は電子を与えられて荷電される。送風機8の作用によって風路筐体20内に供給された空気に含まれるガス状物質については、ミスト状物質と比較して粒子径が著しく小さいため、荷電されない。
荷電されたミスト状物質と荷電されないガス状物質とは、荷電部3を通過した後に、通気性吸水フィルタ5に到達する。ここで、通気性吸水フィルタ5が乾燥状態である場合には、特に、ミスト状物質が通気性吸水フィルタ5で捕捉される。また、通気性吸水フィルタ5が湿潤状態である場合には、特に、ガス状物質が通気性吸水フィルタ5で捕捉される。
通気性吸水フィルタ5を通過した清浄された空気は、送風機8を介して風路筐体20から排出され、たとえば室内などの空調対象空間に供給される。
[実施の形態1の変形例]
実施の形態1では、図1に示すように熱交換器が設けられていないミスト状物質除去装置100の例について説明した。ここで、ミスト状物質除去装置100が空調冷熱機器に搭載される場合も想定される。このように、ミスト状物質除去装置100が空調冷熱機器に搭載される場合には、熱交換器9が設けられる。ここで、熱交換器9を設置する位置としては、通気性吸水フィルタ5の下流側であって、送風機8の上流側とするとよい。これにより、空気中に含まれるミスト状物質及びガス状物質が、通気性吸水フィルタ5で捕捉されるため、熱交換器9が腐食してしまうことを抑制することができる。
なお、たとえば冷熱空調機器の輸送過程で、熱交換器9を構成する銅製配管とフィン部材との接触が起こり、熱交換器9に形成した防食のための表面処理層が剥離する場合がある。このような場合においても、空気中に含まれるミスト状物質及びガス状物質が、通気性吸水フィルタ5で捕捉されるため、熱交換器9が腐食してしまうことを抑制することができる。
[実施の形態1に係るミスト状物質除去装置100の有する効果]
本実施の形態1に係るミスト状物質除去装置100は、通気性吸水フィルタ5に間欠的に水が供給されるため、空気中に含まれるミスト状物質と、ガス状物質との両方を効率的に通気性吸水フィルタ5で捕捉することができる。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係るミスト状物質除去装置100bの概要構成の一例を示す図である。なお、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付している。また、図8に図示された矢印は、空気の流れを表している。
高効率にミスト状物質及びガス状物質の両者を除去するためには通気性吸水フィルタ5への水供給量、及び水供給のタイミングが重要である。そこで、実施の形態2に係るミスト状物質除去装置100bは、実施の形態1に係るミスト状物質除去装置100の構成に加えて、センサ10を備えたものである。そして、ミスト状物質除去装置100bは、このセンサ10の出力に基づいて、水供給部6から通気性吸水フィルタ5に供給する水の量を変化させて、高効率にミスト状物質及びガス状物質の両者を除去することを可能としている。
センサ10は、空気中に含まれるミスト状物質の粒子数/所定のガス状物質のガス濃度/温度/相対湿度のいずれか1種類、又は2種類、又は3種類、又はすべてを検知するものである。センサ10には、制御部50に接続されている。すなわち、制御部50は、センサ10の検出結果に基づいて、水供給部6を制御して通気性吸水フィルタ5への水の供給量を調整する。なお、センサ10は各々単独に設けてもよいし、1つに設けてもよい。
たとえば、ミスト状物質のミスト粒子数が一定以上検知された場合には、制御部50は、水供給部6からの水供給量を少なくとも通気性吸水フィルタ5の蒸散量以下となるように水供給部6を制御する。これにより、通気性吸水フィルタ5が乾燥状態となり、ミスト状物質を効率的に通気性吸水フィルタ5で捕捉可能となる。
また、所定のガス状物質のガス濃度が一定以上である場合には、制御部50は、水供給部6からの水供給量を、通気性吸水フィルタ5の蒸散量以上となるように水供給部6を制御する。これにより、通気性吸水フィルタ5が湿潤状態となり、ガス状物質を効率的に通気性吸水フィルタ5で捕捉、溶解除去させることが可能となる。
さらに、温度及び相対湿度の検出結果に基づいて、ミスト状物質が発生しやすい環境であるか、ガス状物質が発生しやすい環境であるかが判定可能である。そこで、制御部50は、たとえば、所定の温度及び所定の湿度以上である場合には、ミスト状物質が多く発生しやすいものと判定し、水供給部6からの水供給量を少なくとも通気性吸水フィルタ5の蒸散量以下となるように水供給部6を制御するとよい。これにより、通気性吸水フィルタ5が乾燥状態となり、ミスト状物質を効率的に通気性吸水フィルタ5で捕捉可能となる。
[実施の形態2に係るミスト状物質除去装置100bの有する効果]
本実施の形態2に係るミスト状物質除去装置100bは、実施の形態1に係るミスト状物質除去装置100の有する効果に加えて、センサ10が設けられる分、空気中に含まれるミスト状物質とガス状物質との両方とを効率的に通気性吸水フィルタ5で捕捉することができる。
実施の形態3.
図9は、実施の形態3に係るミスト状物質除去装置100cの概要構成の一例を示す図である。なお、実施の形態3では実施の形態1、2との相違点を中心に説明し、実施の形態1、2と同一部分には、同一符号を付している。また、図9に図示された矢印は、空気の流れを表している。
実施の形態3に係るミスト状物質除去装置100cは、ミスト状物質を捕捉する効率、及びガス状物質を捕捉する効率を同時に向上させる改良が加えられたものである。すなわち、ミスト状物質除去装置100cは、通気性吸水フィルタ5の下流側に、もう一つ通気性吸水フィルタ5Bを備えたものである。なお、通気性吸水フィルタ5Bについても、接地電極71が設けられている。
そして、ミスト状物質除去装置100cは、上流側の通気性吸水フィルタ5が乾燥状態である場合には、下流側の通気性吸水フィルタ5Bを湿潤状態とする(第1の状態)。また、上流側の通気性吸水フィルタ5が湿潤状態である場合には、下流側の通気性吸水フィルタ5Bを乾燥状態とする(第2の状態)。ここで、第1の状態と第2の状態とは、図6のように間欠的に切り替えるものとする。これにより、通気性吸水フィルタ5及び通気性吸水フィルタ5Bにそれぞれ水が供給され、水洗により通気性吸水フィルタ5及び通気性吸水フィルタ5Bフィルタの洗浄が可能となる分、通気性吸水フィルタ5及び通気性吸水フィルタ5Bの長寿命化を図ることができる。
[実施の形態3に係るミスト状物質除去装置100cの有する効果]
本実施の形態3に係るミスト状物質除去装置100cは、実施の形態1に係るミスト状物質除去装置100の有する効果に加えて、下流側の通気性吸水フィルタ5Bが設けられるため、ミスト状物質を捕捉する効率、及びガス状物質を捕捉する効率を同時に向上させることができる。
実施の形態4.
図10は、実施の形態4に係るミスト状物質除去装置100dの概要構成の一例を示す図である。なお、実施の形態4では実施の形態1〜3との相違点を中心に説明し、実施の形態1〜3と同一部分には、同一符号を付している。また、図10の風路筐体20の両側に図示された矢印は空気の流れを表し、捕捉電極11に付された矢印は捕捉電極の回転方向を表している。
実施の形態4に係るミスト状物質除去装置100dは、実施の形態1に係るミスト状物質除去装置100の通気性吸水フィルタ5の代わりに、捕捉電極11を回転させる回転ロータ12、ドレンパン7に一部が浸漬して設けられる捕捉電極11、及び回転ロータ12の回転数を制御する回転ロータ制御機構13が設けられたものである。
回転ロータ12は、風路筐体20の上側と、風路筐体20の下側とのそれぞれ一つずつ設けられている。回転ロータ12は、捕捉電極11の内側のうち風路筐体20の上側に位置する箇所と、捕捉電極11の内側のうち風路筐体20の下側に位置する箇所とを支持するように設けられている。これにより、回転ロータ12がたとえば時計周りに回転させられることで、回転ロータ12は、捕捉電極11の上流部11aが風路筐体20内を上側に移動させ、下流部11bが風路筐体20内を下側に移動させることができる。
捕捉電極11は、ミスト状物質及びガス状物質などを捕捉するものである。捕捉電極11は、荷電部3の下流側であって、送風機8の上流側に設けられている。捕捉電極11は、捕捉電極11のうち、風路筐体20の下側に配置されるドレンパン7に位置する部分は、ドレンパン7内に貯留された水に浸漬して設けられている。
捕捉電極11は、回転ロータ12の作用により風路筐体20内で回転し、水を貯蔵するドレンパン7に順次含浸される。これにより、捕捉電極11に付着したミスト状物質及びガス状物質が順次ドレンパン7にて水洗浄され、捕捉電極11の捕捉性能を回復させることができるようになっている。
捕捉電極11は、接地電位に接続されており、荷電部3で荷電されたミスト状物質がクーロン力で引き寄せられ、ミスト状物質の捕捉をしやすくなっているものである。捕捉電極11は吸水性を有する材質で構成するのであれば特に限定されるものではなく、たとえば、不織布などで構成するとよい。また、捕捉電極11には、通気性が必要となるため、圧力損失が小さく吸水性が高いフィルタなどを採用してもよい。
回転ロータ制御機構13は、回転ロータ12の回転速度、及び回転方向を制御するものである。なお、図11では回転ロータ制御機構13が、制御部50と別体である場合を例に図示したが、同体であってもよい。回転ロータ制御機構13は、回転ロータ12の回転方向を同一方向に固定してもよいし、一定時間毎に回転ロータ12の回転方向を変えてもよい。また、本実施の形態4に係るミスト状物質除去装置100dは、実施の形態3に係るセンサ10を組み合わせてもよい。
[実施の形態4に係るミスト状物質除去装置100dの有する効果]
本実施の形態4に係るミスト状物質除去装置100dは、実施の形態1に係るミスト状物質除去装置100と同様の効果を有する。すなわち、ミスト状物質除去装置100dは、回転ロータ12が時計回りのときにおいて、上流部11aが湿潤状態となり、下流部11bが乾燥状態となる。これにより、ミスト状物質除去装置100dは、上流部11aでガス状物質を特に効率的に捕捉可能であり、下流部11bでミスト状物質を特に効率的に捕捉可能となっている。
また、ミスト状物質除去装置100dは、回転ロータ12が反時計回りのときにおいて、上流部11aが乾燥状態となり、下流部11bが湿潤状態となる。これにより、ミスト状物質除去装置100dは、上流部11aでミスト状物質を特に効率的に捕捉可能であり、下流部11bでガス状物質を特に効率的に捕捉可能となっている。
実施の形態5.
図11は、実施の形態5に係るミスト状物質除去装置100eの概要構成の一例を示す図である。図12は、図11に示す回転ロータ12及び回転ロータ12Bの回転速度の説明図である。なお、実施の形態5では実施の形態1〜4との相違点を中心に説明し、実施の形態1〜4と同一部分には、同一符号を付している。また、図11の風路筐体20の両側に図示された矢印は空気の流れを表し、捕捉電極11に付された矢印は捕捉電極11及び捕捉電極11Bの回転方向を表している。
実施の形態5に係るミスト状物質除去装置100eは、実施の形態4に係るミスト状物質除去装置100dの回転ロータ12、捕捉電極11及び回転ロータ制御機構13の下流側に、もう一つ回転ロータ12B、捕捉電極11B及び回転ロータ制御機構13Bが設けられたものである。
ミスト状物質除去装置100eは、回転ロータ12と回転ロータ12Bとを異なる回転数で駆動することにより、効率的にミスト状物質及びガス状物質を捕捉することが可能となっている。
図12に示すように、回転ロータ12及び回転ロータ12Bは、回転速度が高い期間と、回転速度が低い期間とが交互になるように駆動する。そして、回転ロータ12の回転数を高くする期間には回転ロータ12Bの回転速度を低くし、回転ロータ12の回転数が低くする期間には回転ロータ12Bの回転速度を高くする。
これにより、回転ロータ12の回転数を高くする期間には、捕捉電極11がドレンパン7の水に浸漬される頻度が高くなることで湿潤状態となり、効率的にガス状物質を捕捉することができる。一方、捕捉電極11Bはドレンパン7の水に浸漬される頻度が低くなることで乾燥状態となり、効率的にミスト状物質を捕捉することができる。
また、回転ロータ12の回転数を低くする期間には、捕捉電極11がドレンパン7の水に浸漬される頻度が低くなることで乾燥状態となり、効率的にミスト状物質を捕捉することができる。一方、捕捉電極11Bはドレンパン7の水に浸漬される頻度が高くなることで湿潤状態となり、効率的にガス状物質を捕捉することができる。
なお、回転ロータ12及び回転ロータ12Bの回転速度は、異なる速度であればよく、実環境に応じて決定すればよい。また、回転ロータ12と回転ロータ12Bとの回転方向は、同一方向でもよいし、逆方向であってもよい。また、本実施の形態5に係るミスト状物質除去装置100eは、実施の形態3に係るセンサ10を組み合わせてもよい。
[実施の形態5に係るミスト状物質除去装置100eの有する効果]
本実施の形態5に係るミスト状物質除去装置100eは、実施の形態4に係るミスト状物質除去装置100dと同様の効果を有する。すなわち、ミスト状物質除去装置100dは、回転ロータ12の回転数が高いときには、回転ロータ12Bの回転数を低くし、回転ロータ12の回転数が低いときには、回転ロータ12Bの回転数を高くするものである。これにより、捕捉電極11及び捕捉電極11Bのいずれか一方が湿潤状態となり、他方が乾燥状態となるので、ミスト状物質及びガス状物質を効率的に捕捉可能となっている。
1 放電部、2 対向部、3 荷電部、4 高電圧電源、5 通気性吸水フィルタ(第1通気性吸水フィルタ)、5B 通気性吸水フィルタ(第2通気性吸水フィルタ)、6 水供給部、7 ドレンパン、8 送風機、9 熱交換器、10 センサ、11a 上流部(第1領域)、11b 下流部(第2領域)、11 捕捉電極(第1捕捉電極)、11B 捕捉電極(第2捕捉電極)、12 回転ロータ(第1回転ロータ)、12B 回転ロータ(第2回転ロータ)、13、13B 回転ロータ制御機構(制御部)、20 風路筐体、21 接地電極、50 制御部、70 接地電極(第1接地電極)、72 接地電極(第2接地電極)、100、100b、100c、100d、100e ミスト状物質除去装置。

Claims (6)

  1. 放電部及び当該放電部に対向して設けられる対向部から構成され、空気中の浮遊物を帯電させる荷電部と、
    前記荷電部の下流側に設けられ、前記浮遊物を捕捉する第1通気性吸水フィルタと、
    前記荷電部を介して前記第1通気性吸水フィルタに空気を供給する送風機と、
    前記対向部と略同電位であり、前記帯電された浮遊物を第1通気性吸水フィルタに引き寄せる第1電極と、
    前記第1通気性吸水フィルタに水を供給する水供給部と、
    前記水供給部から前記第1通気性吸水フィルタに供給する水の量を制御する制御部と、
    前記第1電極の下流側に設けられ、前記浮遊物を捕捉する第2通気性吸水フィルタと、
    前記対向部と略同電位であり、前記帯電された浮遊物を第2通気性吸水フィルタに引き寄せる第2電極と、
    を有し、
    前記水供給部は、
    前記第2通気性吸水フィルタに水を供給可能であり、
    前記制御部は、
    前記第1通気性吸水フィルタの乾燥状態と湿潤状態とを生成させ、
    前記第1通気性吸水フィルタを乾燥状態にする場合には、前記第2通気性吸水フィルタを湿潤状態とし、
    前記第1通気性吸水フィルタを湿潤状態にする場合には、前記第2通気性吸水フィルタを乾燥状態とする
    ことを特徴とするミスト状物質除去装置。
  2. 放電部及び当該放電部に対向して設けられる対向部から構成され、空気中の浮遊物を帯電させる荷電部と、
    ドレン水を貯留するドレンパンと、
    前記ドレンパンに一部が浸漬するように前記荷電部の下流側に設けられ、前記荷電部の下流側に位置する第1領域及び当該第1領域の下流側に位置する第2領域を有し、前記対向部と略同電位である第1捕捉電極と、
    前記第1捕捉電極の前記第1領域側に位置する部分を前記第2領域側に移動させ、前記第2領域側に位置する部分を前記第1領域側に移動させる第1回転ロータと、
    前記第1捕捉電極の前記第1領域側に位置する部分と前記第2領域側に位置する部分との一方が乾燥状態となり、他方が湿潤状態となるように前記第1回転ロータを制御する制御部と、を有する
    ことを特徴とするミスト状物質除去装置。
  3. 前記荷電部の上流側に設けられ、前記荷電部に取り込まれる空気中のミスト状物質の粒子数を検知する粒子数センサを有し、
    前記制御部は、
    前記粒子数センサの検出結果に基づいて前記ミスト状物質の粒子数が所定値以上であると判定した場合には、前記第1回転ロータの回転速度を所定値未満とする
    ことを特徴とする請求項に記載のミスト状物質除去装置。
  4. 前記荷電部の上流側に設けられ、前記荷電部に取り込まれる空気中のガス状物質の濃度を検知するガス濃度センサを有し、
    前記制御部は、
    前記ガス濃度センサの検出結果より、ガス状物質の濃度が所定値以上であると判定した場合には、前記第1回転ロータの回転速度を前記所定値以上とする
    ことを特徴とする請求項又はに記載のミスト状物質除去装置。
  5. 前記ドレンパンに一部が浸漬するように前記第1捕捉電極の下流側に設けられ、前記第1捕捉電極の下流側に位置する第1領域及び当該第1領域の下流側に位置する第2領域を有し、前記対向部と略同電位である第2捕捉電極と、
    前記第2捕捉電極の前記第1領域側に位置する部分を前記第2領域側に移動させ、前記第2領域側に位置する部分を前記第1領域側に移動させる第2回転ロータとを有し、
    前記制御部は、
    前記第1回転ロータの回転速度と前記第2回転ロータの回転速度とが異なるように制御する
    ことを特徴とする請求項に記載のミスト状物質除去装置。
  6. 前記制御部は、
    前記第1回転ロータの回転速度が第1回転数であるときには、前記第2回転ロータの回転速度を前記第1回転数より低い第2回転数とし、
    前記第1回転ロータの回転速度が前記第2回転数であるときには、前記第2回転ロータの回転速度を前記第1回転数とする
    ことを特徴とする請求項に記載のミスト状物質除去装置。
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