JP2006102651A - 空気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液体中に取り込まれた外気中の塵、埃等の帯電した粒子を効率良く排除し、液体の比抵抗値が低下することを未然に防止することができ、電流リークによる運転コストの上昇を抑制することができる空気浄化装置を提供する。
【解決手段】 外気を取り込む外気取り込み手段と、取り込んだ外気中にて放電を行う放電手段と、空間に電界を発生させる電界発生手段と、放電手段で帯電した外気中に含まれる粒子を回収する粒子回収手段とを備える空気浄化装置において、粒子回収手段は、イオン交換処理後の液体と取り込んだ外気とを接触させ、帯電した粒子を液体中に回収する。
【選択図】 図1
【解決手段】 外気を取り込む外気取り込み手段と、取り込んだ外気中にて放電を行う放電手段と、空間に電界を発生させる電界発生手段と、放電手段で帯電した外気中に含まれる粒子を回収する粒子回収手段とを備える空気浄化装置において、粒子回収手段は、イオン交換処理後の液体と取り込んだ外気とを接触させ、帯電した粒子を液体中に回収する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、外気中から塵、埃等を排除し、外気から悪臭を取り除くことができる空気浄化装置に関する。
従来、空気中の粉塵、埃、化学物質等を除去する方法として、電気集塵装置とスクラバー装置(気体洗浄装置)とを組み合わせた湿式の電気集塵装置が、特に工業分野においては、良く用いられている。
例えば、特許文献1には、灰溶融炉の湿式排ガス処理装置が開示されている。図5は、特許文献1に開示されている従来の灰溶融炉の湿式排ガス処理装置の一部である湿式電気集塵機の内部構造を示す模式図である。
図5において、湿式電気集塵機4は、上部タンク4aと、下部タンク4bと、上部タンク4a及び下部タンク4bを連結する直立筒状の陽極4cと、陽極4c内を上下に貫通する細い電線からなる陰極4dとを備えている。陰極4dは、両端が1対の碍子4fにより、上部タンク4a及び下部タンク4bと絶縁されている。
4eは、陽極4c及び陰極4dに接続されており、両極4c、4d間に数万ボルトの高電圧を印加する高圧電源である。高圧電源4eの陽極側はアースされている。
4gは、吸収液8を噴霧するスプレーノズルである。4hは、下部タンク4bに設けてある排ガス入口、4iは、上部タンク4aに設けてある排ガス出口である。湿式電気集塵機4により、排ガス中に残った微細なダストが除去される。
特許文献1では、湿式電気集塵機4に導かれた排ガス6は、下部タンク4bに設けてある排ガス入口4hに流入し、陽極4c内を上昇し、上部タンク4aに設けてある排ガス出口4iから排出される。吸収液8は、陽極4c上方に設けてあるスプレーノズル4gから噴霧され、陽極4c内を下降する。吸収液8の一部は、上部タンク4aからオーバーフローし、陽極4cの内壁に沿って流下する。
高圧電源4eの高電圧により、陰極4dから陽極4cに向ってコロナ放電が行われ、微細なダスト及び吸収液の水滴はマイナスに帯電し、陽極4cに吸着される。吸着した水滴は、陽極4c上端から壁面に沿って流下する吸収液8により洗い流される。
特開平11−207137号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている従来の湿式電気集塵機では、高電圧による放電が行われることから、漏電のおそれがあるという問題点があった。例えば、陰極4dと陽極4cとの間の壁面、碍子部4f等に噴霧された吸収液8等が付着し、電流リーク経路を形成することにより、過大な電流が流れるおそれがある。また、噴霧された吸収液8等が空気中で電流パスを形成し、過大な電流が流れるおそれも残されている。
特に、処理する気体中に、液体に溶け込んだ場合にイオン化する塵、埃等が含まれている場合、液体の比抵抗値は低下し、電流リークを起こしやすくなる。したがって、このような電流リーク、すなわち漏電により無駄な電流が流れ、運転コストの上昇を生じるおそれがあった。
一方、このような問題を解消すべく、常に清浄な液体として水道水を連続して供給することにより、液体の比抵抗値を下げる方法も考えられる。しかし、使用する水量が増加することから、コストが増大するおそれがあるという問題点があった。
また、湿式電気集塵装置から放出される空気の湿度は一般に高く、一般の居住空間に使用する場合、人体にとって快適な湿度範囲に調整することが難しいという問題点も残されていた。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、液体中に取り込まれた外気中の塵、埃等の帯電した粒子を効率良く排除することにより、液体の比抵抗値が低下することを未然に防止することができ、電流リークによる運転コストの上昇を抑制することができる空気浄化装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る空気浄化装置は、外気を取り込む外気取り込み手段と、取り込んだ外気中にて放電を行う放電手段と、空間に電界を発生させる電界発生手段と、前記放電手段で帯電した外気中に含まれる粒子を前記電界発生手段で発生した電界による電気集塵により回収する粒子回収手段とを備える空気浄化装置において、前記粒子回収手段は、イオン交換処理後の液体と取り込んだ外気とを接触させ、帯電した粒子を液体中に回収するよう構成してあることを特徴とする。
本発明に係る空気浄化装置では、液体をイオン交換する手段を介することにより、液体中に取り込まれた塵、埃等の帯電した粒子を排除した後の清浄な液体を、取り込んだ外気と接触させる。これにより、液体中に取り込まれた外気中の塵、埃等の帯電した粒子を効率良く排除することにより、液体の比抵抗値が低下することを未然に防止することができ、電流リークによる運転コストの上昇を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る空気浄化装置は、前記粒子回収手段は、イオン交換した液体を帯電した粒子が浮遊する雰囲気中に噴霧する手段を備え、周壁に付着した液体を回収するよう構成してあることを特徴とする。
本発明に係る空気浄化装置では、イオン交換した液体を帯電した粒子が浮遊する雰囲気中に噴霧することにより、外気中に浮遊している塵、埃等の帯電した粒子を噴霧された液体により容易に回収することが可能となる。
また、本発明に係る空気浄化装置は、周壁に凹凸面を形成してあり、周壁に付着した液体は、前記凹凸面を経由して流れ落ちるよう構成してあることを特徴とする。
本発明に係る空気浄化装置では、外気中に浮遊している塵、埃等の帯電した粒子を周壁に設けてある凹凸面を経由して取り込むことにより、確実に回収することが可能となる。
また、本発明に係る空気浄化装置は、前記粒子回収手段は、貯留手段に貯留してある液体を用い、前記貯留手段に貯留した液体の表面を攪拌する手段、又は前記貯留手段に貯留してある液体の表面を振動させる手段又は霧化させる手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る空気浄化装置では、貯留してある液体の表面に外気を吹きつけることにより、塵、埃等の帯電した粒子を液体中に取り込むため、外気と液体表面とが接触する表面積を増加させるべく液体の表面を攪拌、振動又は霧化させる。これにより、液体表面と吹きつけられる外気とが接触する表面積が増大し、外気中の塵、埃等の帯電した粒子を効率良く排除することが可能となる。
また、本発明に係る空気浄化装置は、前記液体を循環させるポンプを備え、該ポンプにより液体が循環する経路上に液体をイオン交換する手段を配置してあることを特徴とする。
本発明に係る空気浄化装置では、塵、埃等の帯電した粒子を取り込んだ液体を外気と接触させる前にイオン交換処理を施すことができ、液体中に取り込まれた塵、埃等の帯電した粒子を排除した後の清浄な液体を、取り込んだ外気と接触させる。これにより、液体中に取り込まれた外気中の塵、埃等の帯電した粒子を効率良く排除することにより、液体の比抵抗値が低下することを未然に防止することができ、電流リークによる運転コストの上昇を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る空気浄化装置は、前記ポンプにより液体が循環する経路上に、液体に含まれる不純物を除去するフィルタを備えることを特徴とする。
本発明に係る空気浄化装置では、フィルタにより不純物を排除することができ、液体中に取り込まれた塵、埃等の帯電した粒子を排除した後の清浄な液体を、取り込んだ外気と接触させることが可能となる。
また、本発明に係る空気浄化装置は、前記粒子回収手段は、外部から液体を供給する液体供給手段と、外部へ液体を排出する液体排出手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る空気浄化装置では、外部から清浄な液体を常時注入し、塵、埃等の帯電した粒子を取り込んだ液体を外部へ排出することができる。これにより、液体中に塵、埃等の帯電した粒子が取り込まれていない清浄な液体を、外気と接触させることができ、外気中の塵、埃等の帯電した粒子を効率良く排除することにより、液体の比抵抗値が低下することを未然に防止することができ、電流リークによる運転コストの上昇を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る空気浄化装置は、液体をイオン交換する手段を通過した液体の比抵抗値を、1MΩ・cm以上とする手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る空気浄化装置では、イオン交換処理を施した液体の比抵抗値を、1MΩ・cm以上とする手段を有することにより、電流リークが生じにくく、無駄な電流の増加による運転コストの上昇を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る空気浄化装置は、液体をイオン交換する手段を通過した液体の電気抵抗を測定する手段と、測定した電気抵抗が所定の条件を満たすか否か判断する手段と、該手段が所定の条件を満たすと判断した場合、所定の条件を満たす旨を表示する手段、又は液体の交換を行う手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る空気浄化装置では、イオン交換処理を施した液体の比抵抗値が、所定の条件、例えば1MΩ・cm以上である旨を表示することができ、使用時の状態を目視により確認すること、又は液体の交換を自動的に行うことにより液体の清浄度を一定以上に維持することが可能となる。
本発明に係る空気浄化装置によれば、液体をイオン交換する手段を介することにより、液体中に取り込まれた塵、埃等の帯電した粒子を排除した後の清浄な液体を、取り込んだ外気と接触させることにより、液体中に取り込まれた外気中の塵、埃等の帯電した粒子を効率良く排除することにより、液体の比抵抗値が低下することを未然に防止することができ、電流リークによる運転コストの上昇を抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態につき図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気浄化装置の内部構造を示す模式図である。図1において、101は外気取入口に配置したフィルタであり、外気に含まれる不純物を排除する。102は送風ファン(外気取り込み手段)であり、不純物を排除された外気を集塵筒115へと誘導する。108は外気の排気口であり、浄化された外気を排気する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気浄化装置の内部構造を示す模式図である。図1において、101は外気取入口に配置したフィルタであり、外気に含まれる不純物を排除する。102は送風ファン(外気取り込み手段)であり、不純物を排除された外気を集塵筒115へと誘導する。108は外気の排気口であり、浄化された外気を排気する。
また、以下の構成の電界発生手段を備えている。集塵筒115の内部中央には放電電極104が配置してあり、集塵筒115の内周面には、対向電極105が配置してある。106は高電圧発生回路であり、放電電極104と対向電極105との間に電界を生じさせ、外気に含まれる微細な塵、埃等の粒子を帯電させる。
107は液体噴霧装置であり、液槽(貯留手段)103に貯留してある水を、集塵筒115の内部に向けて霧状に噴出する。109はイオン交換器であり、液槽103に貯留してある水を液体噴霧装置107へ誘導する誘導経路の中途に配置してある。イオン交換器109は、イオン交換膜を有しており、正又は負に帯電している塵、埃等の帯電粒子を効果的に取り除く。
液槽103へは、弁112aを開口して、給水用の蛇口111から清浄な水を供給することができる。液槽103の水は、弁112bを開口して排水管113から外部へ排水することができる。また、イオン交換器109における帯電粒子を吸着した排水も、排水管110を介して外部へ排水することができる。
イオン交換器109でイオン交換された水は、液体噴霧装置107から集塵筒115の内部へ霧状に散布され、その中を、フィルタ101及び送風ファン102を経由した外気が通過する。外気に含まれる塵、埃等の帯電粒子は、液体噴霧装置107で霧化された水と接触し、霧化された水に取り込まれる。
放電電極104にて放電することにより、液体噴霧装置107で霧化された水及び外気に含まれる塵、埃等の粒子は帯電しており、放電電極104と対向電極105との間に生じている電界により加速されて集塵筒115の内周面に付着し、液槽103へ流れ落ちることにより回収することができる。
また、液体噴霧装置107で霧化された水も放電により帯電しており、同様に集塵筒115の内周面に付着し、液槽103へ流れ落ちることにより回収することができる。したがって、外気の排気口108から排気される浄化された外気の湿度を低下させることが可能となる。
また、液槽103に貯留する水は、弁112の開閉を定期的に行うことにより入れ替え可能であり、貯留する水の水質の劣化による悪臭発生の防止、空気清浄能力の低下の防止を図ることが可能となる。
なお、イオン交換器109は、ポンプ及びフィルタを内蔵しており、比抵抗値が1MΩ・cm以上である水を液体噴霧装置107へ誘導し、液体噴霧装置107から集塵筒115の内部へ霧状に噴霧することが可能である。イオン交換器109でのイオン交換により分離されたイオンを多く含んだ水は、排出管110を介して外部へ排水される。
図2は、本発明の実施の形態1に係る空気浄化装置のイオン交換器109の内部構造を示す模式図である。図2において、201は除塵用フィルタ、202はポンプである。また、203は陰電極、204は陰イオン交換膜、205は陽イオン交換膜、206は陽電極である。
液槽103から給水口207を介してイオン交換器109へ入ってきた水は、陽電極205及び陰電極203により生じる電界により帯電し、溶け込んでいるイオン、例えば塩素イオン(Cl- )、ナトリウムイオン(Na+ )、硫化水素により発生したイオン(HS- )等が内部で移動する。
イオン移動時において、ナトリウムイオン等の陽イオンは、陽イオン交換膜206を容易に透過することができるが、塩素イオン等の陰イオンは透過することが困難である。同様に塩素イオン等の陰イオンは、陰イオン交換膜204を容易に透過することができるが、ナトリウムイオン等の陽イオンは透過することが困難である。したがって、陽イオン交換膜206と陰イオン交換膜204との間には、陽イオン及び陰イオンが集積する。
陽イオン及び陰イオンが集積した、陽イオン交換膜206と陰イオン交換膜204との間の溶液は、排水管110を介して外部へ排出することができ、排水口208からは、イオン濃度の低い水、すなわち比抵抗値が低下していない水が、液体噴霧装置107へと排水される。
以上のように本実施の形態1によれば、イオン交換膜を使用していることから、外気中の臭い成分、塵、埃等の汚れ成分は、イオン化する成分については排水管110から排出することが可能であり、清浄な水の給水量、頻度等を減少することができ、運転コストの低減を図ることが可能となる。
なお、本発明の実施の形態1に係る空気浄化装置では、放電電極104に太さ100μmのタングステン製のワイヤを用いており、約5kVのマイナスの電圧を印加している。集塵筒115は円筒形状であり、その内周面に対向電極105を配置している。なお、放電電流は約1mAであり、液体噴霧装置107から集塵筒115内部へ水の噴霧を行った場合であっても、電流リークが生じることはなく、安定した放電及び集塵を行うことができた。
また、本発明の実施の形態1に係る空気浄化装置では、イオン交換器109を通過した水の比抵抗値を測定するセンサを備え、水質の管理をできるようにしてもよい。また、弁112をタイマ等の計時手段と連動させ、定期的に水の交換を行うようにしても良い。さらに、比抵抗値を測定するセンサと連動し、弁112の開閉を制御する弁制御手段(図示せず)を備えることにより、水質の低下を防ぎ、空気浄化機能を維持するようにしても良い。
なお、イオン交換器109から排水される水の比抵抗値を1MΩ・cm以上の値とした場合、例えば幅10cm、厚さ1mm、長さ10cmの水による電流リークパスが形成されたとき、電極間の抵抗値は略10MΩとなる。一方、放電に要する電圧は略5kVであることから、電流リークパスに流れる電流は0.5mAとなり、消費電力に大きな影響を与える値ではなく、低消費電力化に有効である。
また、放電電極104に印加する電源には、過大な電流が流れることを防止するため、直列抵抗を設けることが多い。この場合、電流リークが生じるときには放電電極104における電圧が低下し、放電電圧が低下する又は放電が停止するおそれがある。
斯かる懸念を解消すべく、イオン交換器109から排水される水の比抵抗値を測定し、測定した比抵抗値が例えば1MΩ・cm以上であるか否かを判断し、比抵抗値が1MΩ・cm以上である場合には正常である旨を、比抵抗値が1MΩ・cmより小さい場合には異常である旨を、それぞれ使用者が目視確認できるように表示することが望ましい。また、比抵抗が所定の条件を具備する場合、例えば比抵抗値が1MΩ・cmより小さい場合には自動的に水の供給又は排出を行うことにより、水質を改善し、良好な空気清浄機能を維持することができるようにすることがより好ましい。
なお、比抵抗値が1MΩ・cm以上である場合、上述した効果を十二分に奏することができるのに対し、比抵抗値が1MΩ・cmより小さい場合であっても、上述した効果を奏することができないわけではない。また、イオン交換器109から排水した水と、外部から供給した清浄な水とを混合して、液体噴霧装置107から集塵筒115内部へ水を噴霧しても良い。
また、本実施の形態1では、放電電極104と液体噴霧装置107とは別の構成要素として説明しているが、放電電極104を導電性の筒状に形成し、その内部にイオン交換器109から排水された水を供給して、外部表面に設けた複数の微細孔から水を噴霧する方式であっても、同様の効果を奏することが期待できる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る空気浄化装置の内部構造を示す模式図である。本実施の形態2は、実施の形態1と類似した構成であるが、不純物を排除された外気が誘導される集塵筒近傍の構成が相違する。なお、実施の形態1と構成、機能が同一である部分については、同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
図3は、本発明の実施の形態2に係る空気浄化装置の内部構造を示す模式図である。本実施の形態2は、実施の形態1と類似した構成であるが、不純物を排除された外気が誘導される集塵筒近傍の構成が相違する。なお、実施の形態1と構成、機能が同一である部分については、同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
集塵筒315の内部中央には放電電極304が配置してあり、集塵筒315の内周面には、対向電極305が配置してある。306は高電圧発生回路であり、放電電極304と対向電極305との間に電界を生じさせ、外気に含まれる微細な塵、埃等の粒子を帯電させる。
集塵筒315の内周面には凹凸形状を設けており、塵、埃等の帯電粒子を取り込む水は、イオン交換器109でイオン交換された水が供給部207を通じて供給される。供給部207は、集塵筒115の内部へ水を霧状に散布するものではなく、集塵筒315の内周の凹凸面に沿って、液槽(貯留手段)103に向かって流れ込む。
フィルタ101及び送風ファン102を経由した外気は集塵筒315の内部を通過し、放電電極304にて放電することにより、外気に含まれる塵、埃等の粒子が帯電する。そして、放電電極304と対向電極305との間に生じている電界により加速されて集塵筒315の内周面に付着し、液槽103へ流れ落ちることにより回収することができる。
以上のように本実施の形態2によれば、水を霧化して噴霧していないことから、放電電極304に水が付着することがなく、電流リークパスが形成される可能性をより減少することが可能となる。
また、本実施の形態2によれば、集塵筒315の内周面を流れる水は、凹凸形状の液面を形成することから、集塵筒315の内部を通過する外気との接触表面積が大きくなり、外気中の化学物質をより吸収しやすく、脱臭等の効果をより高めることが可能となる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る空気浄化装置の内部構造を示す模式図である。本実施の形態3は、実施の形態1と類似した構成であるが、不純物を排除された外気の誘導方向及び外気が誘導される集塵筒近傍の構成が相違する。なお、実施の形態1と構成、機能が同一である部分については、同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
図4は、本発明の実施の形態3に係る空気浄化装置の内部構造を示す模式図である。本実施の形態3は、実施の形態1と類似した構成であるが、不純物を排除された外気の誘導方向及び外気が誘導される集塵筒近傍の構成が相違する。なお、実施の形態1と構成、機能が同一である部分については、同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
図4において、101は外気取入口に配置したフィルタであり、外気に含まれる不純物を排除する。102は送風ファンであり、不純物を排除された外気が集塵筒418を直線的に通過するよう誘導する。集塵筒418の下側には水を貯留してある液槽(貯留手段)407を配置している。
集塵筒418の送風ファン102の近傍には放電電極403が配置してあり、集塵筒418の液槽側には対向電極406が、反対側には加速電極405が、それぞれ配置してある。404は高電圧発生回路であり、放電電極403を放電させることにより、加速電極405と対向電極406との間に電界を生じさせ、外気に含まれる微細な塵、埃等の粒子を帯電させる。
109はイオン交換器であり、液槽407に貯留してある水を循環し、イオン濃度の低い水、すなわち比抵抗値が低下していない水を貯留するよう制御する。イオン交換器109は、イオン交換膜を有しており、正又は負に帯電している塵、埃等の帯電粒子を効果的に取り除く。
送風ファン102により取り込まれた外気は、負電位を印加された放電電極403の放電により発生した負電荷(負イオン)の照射を受け、通過する外気に含まれる塵、埃等の粒子は負に帯電する。負の帯電した粒子は負電位を印加された加速電極405及び対向電極406により生じる電界の作用を受け、対向電極406に接触している液槽407に貯留してある水に取り込まれる。
なお、対向電極406は、例えば接地電位又は正電位を有し、負に帯電した塵、埃等の粒子がクーロン力の作用を受ける。また、液槽407に貯留してある水は、イオン交換器109によりイオン濃度が低下しており、比抵抗値が高くなっていることから、液槽407に貯留してある水が飛散し、放電電極403、加速電極405等に付着した場合であっても、電流リークの発生を抑制することが可能となる。
また、本実施の形態3では、液槽407に貯留してある水を攪拌する撹拌手段417を備えており、液槽407に貯留してある水の表面が波を形成する、又は水が微小な飛沫となって液面から離脱させることが可能になる。したがって、集塵筒418を通過する外気に含まれる塵、埃、化学物質等を、より確実に液槽407に貯留してある水へ取り込むことが可能になる。
なお、本実施の形態3は、放電による電気集塵を行うことから、飛散した水の粒子は放電により帯電し、電界により加速されて再び液槽407に戻される。したがって、放電電極403を飛散した水で濡らすことを抑制することができ、電流リークを抑制することが可能となる。
なお、本実施の形態3では、攪拌手段417は、回転するスクリュー状の攪拌子を用いることを想定して説明しているが、撹拌手段417の構成は特に限定されるものではなく、液槽407に貯留してある水の表面を波立たせる、飛沫を飛散させる、又は霧化させることが可能な構成であれば、例えば振動子を用いる構成であっても良い。
以上説明した実施の形態1乃至3に係る空気浄化装置を、建築物、車両、各種装置に搭載することにより、それらの内部あるいは周囲の空気環境を浄化することが可能となることは言うまでもない。
101 フィルタ
102 送風ファン(外気取り込み手段)
103、407 液槽(貯留手段)
104、304、403 放電電極
105、305、406 対向電極
106、306、404 高電圧発生回路
107 液体噴霧装置
109 イオン交換器(イオン交換手段)
307 供給器
115、315、418 集塵筒
405 加速電極
417 撹拌手段
102 送風ファン(外気取り込み手段)
103、407 液槽(貯留手段)
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105、305、406 対向電極
106、306、404 高電圧発生回路
107 液体噴霧装置
109 イオン交換器(イオン交換手段)
307 供給器
115、315、418 集塵筒
405 加速電極
417 撹拌手段
Claims (9)
- 外気を取り込む外気取り込み手段と、取り込んだ外気中にて放電を行う放電手段と、空間に電界を発生させる電界発生手段と、前記放電手段で帯電した外気中に含まれる粒子を前記電界発生手段で発生した電界による電気集塵により回収する粒子回収手段とを備える空気浄化装置において、
前記粒子回収手段は、イオン交換処理後の液体と取り込んだ外気とを接触させ、帯電した粒子を液体中に回収するよう構成してあることを特徴とする空気浄化装置。 - 前記粒子回収手段は、イオン交換した液体を帯電した粒子が浮遊する雰囲気中に噴霧する手段を備え、周壁に付着した液体を回収するよう構成してあることを特徴とする請求項1記載の空気浄化装置。
- 周壁に凹凸面を形成してあり、周壁に付着した液体は、前記凹凸面を経由して流れ落ちるよう構成してあることを特徴とする請求項2記載の空気浄化装置。
- 前記粒子回収手段は、貯留手段に貯留してある液体を用い、前記貯留手段に貯留した液体の表面を攪拌する手段、又は前記貯留手段に貯留してある液体の表面を振動させる手段又は霧化させる手段を備えることを特徴とする請求項1記載の空気浄化装置。
- 前記液体を循環させるポンプを備え、該ポンプにより液体が循環する経路上に液体をイオン交換する手段を配置してあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の空気浄化装置。
- 前記ポンプにより液体が循環する経路上に、液体に含まれる不純物を除去するフィルタを備えることを特徴とする請求項5記載の空気浄化装置。
- 前記粒子回収手段は、外部から液体を供給する液体供給手段と、外部へ液体を排出する液体排出手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の空気浄化装置。
- 液体をイオン交換する手段を通過した液体の比抵抗値を、1MΩ・cm以上とする手段を備えることを特徴とする請求項1記載の空気浄化装置。
- 液体をイオン交換する手段を通過した液体の電気抵抗を測定する手段と、測定した電気抵抗が所定の条件を満たすか否か判断する手段と、該手段が所定の条件を満たすと判断した場合、所定の条件を満たす旨を表示する手段、又は液体の交換を行う手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の空気浄化装置。
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