JP5798498B2 - オイルフィルタ - Google Patents

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本発明は、内燃機関等の機械において用いられることができるオイルフィルタに関する。
内燃機関等の機械の潤滑装置においては、一般に、オイルフィルタが取り付けられる。オイルフィルタは、オイル内の汚染物などの不要物を取り除くために用いられ得る。
特許文献1は、オイルフィルタの一例を開示する。このオイルフィルタは、化学的に活性なフィルタ・エレメントを有し、このエレメントは複数の繊維で構成される不織ウェブを含む。フィルタ繊維の内部空洞に化学試薬が供給される。内燃機関での燃焼により生じる酸を中和したり、すすを潤滑油内で沈殿させたりするための試薬が用いられることができる。
特表2003−532536号公報
不織布状の部材(以下、不織部材)つまり繊維を絡み合わせることで形成された部材は、試薬などのろ過物を担持することができる。しかし、不織部材は、その目が粗過ぎる場合にはそのような物質の不織部材からの流出が生じ易く、また、その目が細かすぎる場合にはオイルが不織部材を通過し難く、圧力損失が大きくなる、という特徴を有することができる。
そこで、本発明はかかる点に鑑みて創案されたものであり、ろ過物の流出を抑制可能にすると共に、オイルの適切な通過を可能にする、オイルフィルタを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
ケーシング内に設けられた不織部材と、
該不織部材に位置づけられた複数のろ過物と
を備え、
該不織部材は、空隙率の異なる部分を有する、
オイルフィルタを提供する。
好ましくは、不織部材は、オイル流れ方向に並ぶ、空隙率の異なる2つ以上の層部分を有する。
さらに好ましくは、不織部材は、上流側層部分と、オイル流れ方向において該上流側層部分の下流側に隣接する下流側層部分とを有し、該上流側層部分の空隙率は、該下流側層部分の空隙率よりも大きいとよい。
本発明の実施形態に係るオイルフィルタの構成を示す概略図である。 図1の円II内の拡大模式図である。 図1のオイルフィルタの第2層部分と第3層部分とにおけるオイルの流れを表した模式図である。 実施例1における、オイル中の全塩基価(a)、全酸価(b)、スラッジプリカーサ量(c)の変化を示した図である。 実施例2における、オイルフィルタにおける油圧と油量との関係を表した図である。 実施例3における、ハイドロタルサイト様化合物の添加による、オイル中の酸価の変化を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の単なる一例であって、当業者であれば、適宜設計変更可能である。
本発明の実施形態に係るオイルフィルタ10は図1に示される。図1では、オイルの流れ方向が矢印で表されていて、以下、「上流側」および「下流側」という用語はオイル流れ方向に関して用いられ得る。
オイルフィルタ10は、図示しない内燃機関(以下、エンジン)のオイル流路に設置される。オイルフィルタ10は、オイルフィルタのケーシング12と、そのケーシング内に配置されるフィルタ要素またはろ材としての不織部材14とを備えている。なお、ケーシング12は、入口ポート12aと、出口ポート12bとを有する。
不織部材14は、繊維が規則的に織られることで作成されたものではなく、繊維を絡み合わせることで形成された部材である。この不織部材は、空隙率(単位体積あたりのすき間の割合)の異なる部分を有する。本発明は、不織部材が2つ以上、複数の空隙率の異なる部分を有することを許容するが、本実施形態における不織部材14は3つの空隙率の異なる部分を有する。
不織部材14は、空隙率の異なる層部分を有し、これらはオイル流れ方向に並ぶ。ここでは、オイル流れ方向において、上流側から順に、不織部材14は、第1層部分16、第2層部分18、および、第3層部分20を有する。オイルフィルタ10では、第1層部分16、第2層部分18、第3層部分20は、それぞれ、別個独立した部材として構成されて、それらが直列的に並べられる、つまり積層されることで、1つの部材14とされている。しかし、第1層部分16、第2層部分18および第3層部分20のうちの全部または任意の2つは、予め一体的に形成されて、部材14の全部または一部として用いられてもよい。例えば、第2層部分18および第3層部分20を有する1つの部材が形成されて、それが第1層部分16に相当する部材と組み合わされることで、不織部材14とされることもできる。
第1層部分16は、隣接した第2層部分18に比べて、小さな空隙率を有する。第2層部分18は、隣接した第3層部分20よりも大きな空隙率を有する。不織部材14では、第1層部分16が上流側端部に位置し、第3層部分20が下流側端部に位置し、これら部分16、20に挟まれるように第2層部分18が位置する。なお、第2層部分18は本発明における上流側層部分に相当し、第3層部分20は本発明における下流側層部分に相当する。
これら層部分16、18、20を有する不織部材14には、ろ過物(ろ過体)としての反応物(反応体)22が複数位置づけられて担持されている。図1に概念的に表されているように、ここでは、複数の反応物22は粒子状である。これら複数の反応物粒子22は、実質的に、第2層部分18および第3層部分20に位置し得る。なお、後述するように、反応物粒子22は、オイル中の不要成分または物質を捉えて、オイル中からそのような成分または物質を除去する機能(ろ過機能)を有する。
第1層部分16および第3層部分20は、それぞれ、不織部材14からの反応物粒子22の漏れ出しまたは流出を防ぐように、形成されている。つまり、これらの層部分16、20は、それぞれ細かな目を有し、結果として空隙率が相対的に小さい。これに対して、第2層部分18は、基本的に、反応物粒子22を十分に担持するように形成されているが、主に、反応物粒子22の凝集を防止して、反応物粒子22の十分な大きさの露出表面を確保すると共に、ある程度のオイル流通性を確保するようにつまりオイルフィルタ10の圧力損失の上昇を抑制するように、形成されている。したがって、第1層部分16および第3層部分20は密層(1つまたは複数の繊維が密に詰まった層)と称され得、これに対して、第2層部分18は粗層(すき間の多い層)と称され得る。
反応物粒子22の大きさによるが、第2層部分18は、第2層部分18の空隙率が第3層部分20の空隙率よりも大きいように構成され、第2層部分18の空隙率は例えば0.70〜0.99(つまり70%〜99%)であるように形成され、第3層部分20の空隙率は例えば0.5〜0.95(つまりは50%〜95%)であるように形成される。なお、「空隙率」は、通常、{1−[層部分の目付量/(層部分の厚さ×層部分を構成する材質の密度)]}の式で算出されるものである。また、不織部材14のオイル流れ方向の厚さは、1mm以上あるとよい。これは、不織部材14、特に第2層部分18に、ある程度の量の反応物粒子22を適切に保持し、その機能を適切に発揮させるためである。なお、不織部材の各繊維の太さ、長さなどは任意であるが、空隙率や、反応物粒子の大きさなどにより適宜設定され得る。例えば、不織部材は、複数の、1〜1000μmの範囲の太さの繊維により概ね構成され、具体的には約25μmの断面直径を有する繊維が用いられることができる。また、不織部材の各繊維の断面形状は円形に限られず、楕円形、多角形(例えば三角形、四角形)、内側に中空を有する形状(例えばドーナツ形)、溝を有する形状(例えばC形状)など、種々の形状であり得る。
反応物粒子22は、第1層部分16に相当する部材(第1層部材)16aと、第2層部分18に相当する部材(第2層部材)18aとの間に挟まれて、または、第2層部材18aの上部に載置されてまたは振りかけられて、それら部材16a、18aまたは第2層部材18aを揺することで、第2層部材18aまたは第2層部分18の中に入れられて、それに担持される。そして、第2層部分18を通過した反応物粒子22は第3層部分20に相当する部材(第3層部材)20aでせき止められて、結果として不織部材14内に保持される。なお、これは、第2層部分18と第3層部分20とを一体的に有する部材を用いる場合にも同様である。
各反応物粒子22は、0.01〜1000μmの大きさの粒径を有するとよい。例えば、反応物粒子22は約3〜200μmの大きさの粒径を有するとよい。しかし、反応物粒子22は、この範囲に含まれない大きさの粒径を有してもよい。そして、反応物粒子22の大きさに応じて、不織部材14の各部分の目の粗さ、つまり空隙率が設計されるとよい。空隙率は、例えばBET法を用いて測定されることができる。
反応物粒子22として用いられ得る反応性物質としては、ハイドロタルサイト様化合物がある。また、炭酸Mg、炭酸Ca、酸化Mg、酸化Ca、水酸化Al等の塩基性化合物が反応性物質として用いられることができる。
ハイドロタルサイト様化合物は、
一般式[M2+ 1-x3+ x(OH)2][An- x/2・mH2O] (1)
であらわされる、二価の金属イオンM2+と三価の金属イオンM3+とを主成分として構成された骨格部分の層と、該層の間に挟まれた陰イオンAn- x/2とを含む層状化合物である。ハイドロタルサイト様化合物は、イオン交換体としての機能を有し、オイル中の酸性成分を吸着し、その代わりに陰イオンを放出する機能を有する。
ハイドロタルサイト様化合物の中には、そのような層の間に、陰イオン成分である、水酸化物イオン(OH-)と炭酸イオン(CO3 2-)とを含むものがある。これら水酸化物イオンおよび炭酸イオンは、ハイドロタルサイト様化合物が水中にまたはオイル中にあるとき、ハイドロタルサイト様化合物が陰イオンを捕捉または吸着することに伴い、ハイドロタルサイト様化合物から放出され得る。
例えば、弱塩基性のハイドロタルサイト様化合物が用いられることができる。弱塩基性ハイドロタルサイト様化合物とは、水素イオン指数(pH)が6〜7の範囲内にあるオイルに対して、1重量%のハイドロタルサイト様化合物と水とからなる混合物を3重量%添加して攪拌した際に、得られたオイルが6〜7の範囲内のpHを示すハイドロタルサイト様化合物である。また、弱塩基性ハイドロタルサイト様化合物は、ここでは3重量%のハイドロタルサイト様化合物と水とからなる混合物が7以上10以下の水素イオン指数を示すハイドロタルサイト様化合物である。
弱塩基性ハイドロタルサイト様化合物は、下記式(2)の組成を有することができる。
Mg8-xAlx(OH)y(CO3z・mH2O (2)
ただし、(2)式中、xは1以上7以下であり、y、zおよびmは正の有理数であり、zはyより大きい。なお、xは、好ましくは2以上5以下である。
(2)式を満たすハイドロタルサイト様化合物としては、「Mg6Al2(OH)(CO316」が挙げられる。このようなハイドロタルサイト様化合物は一般には水和物として存在し得、例えばそれは「Mg6Al2(OH)(CO316・mH2O(ただし、mは正の有理数である。)」と表すことができる。
このような弱塩基性ハイドロタルサイト様化合物は、相対的に、水酸化物イオンを少量含み、炭酸イオンを多く含む。それ故、弱塩基性ハイドロタルサイト様化合物はオイル中で水酸化物イオンを多量に放出することが無い。他方、弱塩基性ハイドロタルサイト様化合物は炭酸イオンを放出するが、これは主に二酸化炭素などの気体になる。したがって、弱塩基性ハイドロタルサイト様化合物は、加水分解する他の物質、例えばZnDTPと一緒に用いられることができる。なお、加水分解する添加剤には、加水分解することで酸性物質を生成する添加剤がある。このような添加剤は、例えば、加水分解することでSO4 2-、NO3 -などの酸性物質、換言すると酸分解物を生成する。上記ハイドロタルサイト様化合物は、好適に、このような添加剤と一緒に用いられることができる。
また、上記式(2)以外の組成を有するハイドロタルサイト様化合物も用いられることもできる。例えば、水酸化物イオンを炭酸イオンよりも多く含むハイドロタルサイト様化合物が用いられることができる。一例としては、「Mg6Al2(CO3)(OH)16」が挙げられる。
本発明の実施形態に係るオイルフィルタ10は、エンジンの潤滑装置内を循環するオイルの劣化を抑制するために用いられることができる。それ故、オイルフィルタ10がエンジンの潤滑装置に適用される場合、上記ハイドロタルサイト様化合物のような反応物は、エンジン運転中のエンジンオイルの温度に耐えられることが必要とされる。
エンジンでは、ブローバイガスが原因で、エンジンオイルの早期劣化が生じ易い。ブローバイガスとは、エンジンのピストンのピストンリングと、シリンダブロックのシリンダボアとの隙間からクランクケース内へ漏れ出るガスのことである。このブローバイガスは多量の炭化水素や水分を含む。このため、ブローバイガスがあまりに多いとそれはエンジンオイルの早期劣化やエンジン内部の錆の原因になる。また、ブローバイガスには炭化水素が含まれているため、それをこのまま大気に解放することは環境上好ましくない。そのため、多くのエンジンは既知のブローバイガス環流装置(不図示)を備えていて、一般にブローバイガスはヘッドカバー内を介して強制的に吸気系統へ戻されて燃焼室に供給される。
このようなブローバイガス中には、例えばNOx、SOxおよび水分が含まれている。そして、例えば、エンジンヘッドカバーがエンジンからの熱を伝達されづらくかつその外面が外気に晒されて冷却風等によって冷却されるので、ヘッドカバーの内面には結露等による凝縮水が生じやすい。よって、特にヘッドカバー内では、それらの反応により、酸性物質、例えば硝酸、硫酸ができやすい。これら酸性物質は、潤滑油つまりエンジンオイルに混ざり得、エンジン内部におけるスラッジプリカーサおよびスラッジの発生、付着、堆積を促し得る。
これに対して、ハイドロタルサイト様化合物は陰イオンを吸着する能力を有するので、それら酸性物質、例えば硝酸イオン、硫酸イオンをオイル中から吸着することができる。したがって、ハイドロタルサイト様化合物は、オイル劣化を抑制することに貢献することができる。なお、上記したような塩基性化合物も、これら酸性物質に対して有効である。
なお、反応物粒子22は、上記した物質に限定されず、種々のろ過物またはろ過物粒子が用いられることができる。ろ過物またはろ過物粒子としては、オイルから不要物を除去する化学的機能または機械的機能を有する物質が用いられ得る。また、1つの不織部材14に備えられる複数のろ過物は、1種類のろ過物から構成されることに限定されず、複数種類のろ過物から構成されてもよい。
オイルフィルタ10の効果・作用を以下に説明する。
オイルフィルタ10の不織部材14は、上記したように、繊維を絡み合わせることで形成された部材である。したがって、不織部材14は繊維間にすき間を保つ能力に優れ、不織部材14に押圧力が作用した場合であっても、不織部材14が潰れてすき間の少ないまたは無い状態になり難く、また、繊維間にすき間のある状態に復元する能力に優れる。したがって、従来のろ紙部材を単に採用するオイルフィルタに比べて、オイルフィルタ10は、オイルの流通性において優れる。
また、オイルフィルタ10の不織部材14は、上記構成を備えるので、図2に概念的に示すように、繊維14a間または繊維14a内に、特に、第2層部分18に、反応物粒子22を保持することができる。不織部材14は潰れ難いので、オイルフィルタ10は反応性物質22の凝集を抑制し、反応性物質22による酸性物質の吸着能力を十分に発揮させることができる。
さらに、オイルフィルタ10の不織部材14は、上記の如く、第1層部分16、これの下流側に隣接した第2層部分18、およびこれの下流側に隣接した第3層部分20を有する。したがって、第2層部分18に比しての第1層部分16でのオイルの通過し難さにより、不織部材14でのオイルの拡がりが好適になる。これは、第3層部分20でも同様である。第2層部分18に比しての第3層部分20でのオイルの通過のし難さにより、図3に概念的に示すように、第2層部分18から第3層部分20に向けてオイルが流れるとき、オイルが好適に幅方向(オイル流れ方向に直交する方向)に拡がることができる。細かな反応物粒子22またはそれから分離または溶出した粒子は密層である第3層部分20で可能な限り保持され得るので、第3層部分20には反応物粒子22または同様の物質が存在し得る。それ故、第3層部分20に拡がったオイルはさらに好適にそれら物質の機能または作用によりろ過されることができる。
なお、不織部材14は第1層部分16を有さなくてもよく、この場合、不織部材14は第2層部分18および第3層部分20と、それらに担持された複数の反応物粒子とにより構成され得る。ただし、不織部材14の周囲に従来のろ紙部材が全体的にまたは部分的に備えられることもできるが、好ましくは、オイル流れ方向の両端部において不織部材14はそのろ紙部材を備えない。
なお、第3層部分の下流側に反応物粒子22が通過不能であり、且つ、オイル通過可能である第4層部分を設けてもよい。この第4層部分の材質としては、不織布、紙、織物、編物等の繊維体、ウレタン等の樹脂連泡体、樹脂多孔質フィルムなどを挙げることができる。
以下に、本発明に関する実施例を説明する。
(実施例1)
実機試験を行った。この試験では、上記オイルフィルタ10に相当する本発明に関するオイルフィルタ(以下、発明例)を作製して、その性能を以下の条件で評価した。比較のために、従来のろ紙部材間に反応物粒子を挟みこむことで形成されたろ材をフィルタ要素として用いたオイルフィルタ(以下、従来例)を作製して、それも同条件で評価した。
実験では、上記オイルフィルタをエンジンのオイル流路に設置した。市街地走行パターンでの運転による、エンジンオイル(トヨタ自動車株式会社製のキャッスル(登録商標)のSL5W30)の全塩基価、全酸価、およびスラッジプリカーサ量の変化を調べた。ポンプによるオイルフィルタへのオイル送出圧力は180kPaとした。なお、実機エンジンのオイル含有量3Lに対して、各オイルフィルタにおけるハイドロタルサイト様化合物粒子(Mg6Al2(CO3)(OH)16:和光純薬工業株式会社製、粒径:約3〜100μm)の含有量は20gとした。ただし、全塩基価および全酸価は、JIS K 2501に規定されている、中和価の測定方法に基づいて、測定した。また、スラッジプリカーサ量は、吸収光度法を用いて測定した。その結果が、図4に示される。
図4では、本発明に係る発明例のオイルフィルタを用いた実験結果が実線で示され、従来例のオイルフィルタを用いた実験結果が点線で示されている。図4から明らかなように、運転時間つまり換算走行距離が長くなるに伴い、発明例のオイルフィルタを用いた場合のオイルは、従来例のオイルフィルタを用いた場合のオイルよりも、高い全塩基価を有し、低い全酸価を有し、少ないスラッジプリカーサを有した。したがって、発明例のオイルフィルタは、従来例のオイルフィルタに比べて、オイルからの酸性物質の除去の点で優れ、スラッジプリカーサの生成抑制機能つまりオイル劣化抑制機能の点で優れることが明らかになった。これは、発明例のオイルフィルタは、従来例のオイルフィルタに比べて、オイルの拡がりの点で優れ、ハイドロタルサイト様化合物粒子を適切に保持してそれらの流出が生じ難く、また、ハイドロタルサイト様化合物粒子の凝集が生じ難いという特性を有するためであろう。
(実施例2)
上記実施例1と概ね同様にして、発明例のオイルフィルタと、従来例のオイルフィルタとを作製して、それぞれにおける油圧と油量との関係を調べた。ただし、本実験では、各オイルフィルタに10gのハイドロタルサイト様化合物粒子(発明例1と同じ)を添加した。その結果が、図5に示される。なお、図5では、オイルの温度ごとにそれらの関係が表されている。
図5から明らかなように、発明例のオイルフィルタは、従来例のオイルフィルタに比べて、同一の油圧に対して、より多くのオイル(例えば6〜8倍の量のオイル)の通過を許容した。このように、発明例のオイルフィルタは、従来例のオイルフィルタに比べて、オイルの流通性に極めて優れる。
(実施例3)
さらなる実機試験の結果をここで説明する。その結果を図6に示す。
この試験では、ハイドロタルサイト様化合物として上記実施例1、2の化合物とは異なる化合物である、「Mg6Al2(OH)(CO316」の組成のハイドロタルサイト様化合物(和光純薬工業株式会社製、以下「弱HT」)を用いて、この弱HTでのオイル中でのスラッジ生成抑制効果を評価した。
この試験では、所定量の弱HT粒子を収容したオイルフィルタを作製して、所定時期にエンジンに組み入れた。実験で用いたオイルフィルタには、平均粒径が5〜15μmの弱HTの粉末が80g収容された。そして、実験車両の市街地走行距離が15,000kmに達したときに、当該オイルフィルタは実験車両に導入された。
図6には、弱HTを有するオイルフィルタを上記所定時期に導入した場合の実験車両のエンジンにおけるオイルの酸価の変化がその走行距離に対して表されている。さらに、図6には、そのようなオイルフィルタを導入しなかった場合つまり弱HT無しでの実験車両のエンジンにおけるオイルの酸価の変化が同様に表されている。なお、図6では、オイルフィルタを導入した時が矢印で表されている。
図6から明らかなように、走行距離の増加にしたがって、オイル中の酸価は増大した。これに対して、オイルフィルタを導入した場合つまり弱HTが有る場合には、その導入直後からオイルの酸価が低下し、その後のオイルの酸価の上昇速度が遅くなった。このように、エンジンの潤滑装置のオイル中に弱HTを導入することは、オイル中の酸価を低減することに貢献し、これによりスラッジの生成等を抑制できる。
このように、上記実施例1、2で用いたハイドルタルサイト様化合物以外の組成のハイドロタルサイト様化合物でも、オイルの劣化を好適に抑制することができる。そして、これら種々の組成のハイドロタルサイト様化合物は、本発明に係るオイルフィルタの不織部材に担持されて用いられることができる。
以上、本発明を、上記実施形態、その変形例および実験例に基づいて説明した。しかし、本発明は、それら実施形態等に限定されず、他の実施形態を許容する。本発明には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。
10 オイルフィルタ
12 ケーシング
14 不織部材
16 第1層部分
18 第2層部分(上流側層部分)
20 第3層部分(下流側層部分)
22 反応物粒子(ろ過物粒子)

Claims (3)

  1. ケーシング内に設けられた不織部材と、
    該不織部材に位置づけられた複数のろ過物と
    を備えるオイルフィルタであって、
    前記ろ過物は、0.01から1000μmの大きさの粒径を有するろ過物を含み、
    該不織部材は、空隙率の異なる部分を有し、
    前記不織部材は、前記ろ過物が担持される上流側層部分と、オイル流れ方向において該上流側層部分の下流側に隣接する下流側層部分とを有し、
    該上流側層部分の空隙率は該下流側層部分の空隙率よりも大きく、
    該下流側層部分は、前記ろ過物の該オイルフィルタからの流出を防ぐように、形成されている、
    オイルフィルタ。
  2. 前記不織部材は、オイル流れ方向に並ぶ、空隙率の異なるつ以上の層部分を有する、請求項1に記載のオイルフィルタ。
  3. 前記不織部材は、1から1000μmの範囲の太さの繊維により構成され、
    前記上流側層部分は該上流側層部分の空隙率が0.70から0.99であるように形成され、
    前記下流側層部分は該下流側層部分の空隙率が0.50から0.95であるように形成される、
    請求項1または2に記載のオイルフィルタ。
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