本発明が適用された遊技機の一例であるスロットマシンの実施例を図面にもとづいて説明する。図1は、スロットマシンを示す正面図である。図2は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す正面図である。図3は、スロットマシンの内部構造を示す概略縦断面図である。図4は、(a)は球循環装置の構造を示す概略側面図、(b)は(a)の正面図である。なお、以下の説明においては、図1のスロットマシン1の正面に対峙したときの左右上下方向を基準として説明する。
図1〜図4に示すように、本実施例のスロットマシン1は、四角枠状に形成された基枠110と、基枠110の左側辺に回転可能に枢支された前面枠111と、前面枠111の左側辺に回動可能に枢支され、該前面枠111の前面を開閉可能とする前面扉112と、から主に構成されている。
前面枠111には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉112に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、それぞれ「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」(図示略)、「チェリー」、「オレンジ」(図示略)、「ブドウ」(図示略)、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図5参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33R(図5参照)と、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応して配置される複数のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉112における透視窓3の上方位置には、演出画像等を表示するための液晶表示器51(図1参照)が配置されている。また、透視窓3の下方位置には、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されている遊技球数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、賭数の設定に用いた遊技球を精算する(賭数の設定に用いた分の遊技球を返却させるBET精算)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉112には、クレジットとして記憶されているクレジット球数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出された球数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、賭数の設定が可能な状態を点灯により報知するBET要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20、ウェイト中LED19が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
また、遊技用表示部13には、スロットマシン1に並設されたカードユニット300に受付中のプリペイドカード(図示略)または会員カード(図示略)から読み出された有価価値の残額が表示される残額表示器26、残額表示器26に表示された有価価値の残額の範囲で遊技球の貸出を受ける際に操作される球貸スイッチ27、並設されたカードユニット300に受付中のプリペイドカードまたは会員カードを返却させる際に操作される返却スイッチ28が設けられている。なお、本実施例では、返却スイッチ28の操作にもとづいて、クレジットに記憶されている遊技者所有のクレジット球数が受付中のプリペイドカードまたは会員カードに記録されるようになっている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図5参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図5参照)がそれぞれ設けられている。
前面枠111の前面および前面扉112の背面には、図5に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、前面扉112の開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されている遊技球を遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36bが設けられている。
図2に示すように、前面枠111の前面には、前述したリール2L、2C、2Rが組み付けられてなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図5参照)、電源基板101が設けられている。電源基板101には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や前述の打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出球率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
また、前面枠111におけるリールユニット2の下方左側には、後述するように貸出要求にもとづいて遊技球を払い出すとともに、該払い出した遊技球を検出するとともにスロットマシンの内部(前面枠111の背面側)に取り込み、その後揚送して循環使用する球循環装置120が設けられている。
図4に示すように、球循環装置120は、遊技球を払い出す払出装置200と、払出装置200の下部から下方に向けて垂設された後、背面側に向けて屈曲される取込通路220と、取込通路220を流下した遊技球を揚送するための揚送装置230と、揚送装置230の上部から上方に向けて延設される揚送通路221と、揚送通路221の上端から前面側に向けて延設された後、下方に向けて屈曲される供給通路222と、から主に構成され、これら各装置および各通路にて遊技球の貸出用循環経路が形成されている。
なお、本実施例では、取込通路220、揚送通路221、供給通路222はそれぞれ5条の通路から構成されているが、5条の通路に限定されるものではなく、例えば1条の通路あるいは6条以上の通路にて構成してもよい。
払出装置200には、供給通路222の各条に対応して、払出モータ201にて回転駆動するスプロケット206が設けられている。また、スプロケット206の下方には、貸出球等の払出に基づき、各スプロケット206にて排出された遊技球の通過を個別に検出するための払出球検出スイッチ202が各条に対応して設けられており、各スプロケット206の回転により排出された遊技球が各払出球検出スイッチ202にて検出された後、払出装置200の下部から下方に向けて延設される取込通路220に排出されるようになっている。
本実施例では、供給通路222の各条に対応して配置される各スプロケット206は、払出モータ201により同期して回転駆動され、1回転で2球の遊技球を払い出すようになっているが、それぞれを個別の払出モータにより駆動されるようにしてもよい。
払出装置200から払い出された遊技球は、取込通路220を流下する途中で取込球検出スイッチ203にて検出された後、背面側に向けて誘導されて揚送装置230に供給される。取込通路220の下流側は、前面枠111を貫通して該前面枠111の背面側まで延設されている。また、各取込球検出スイッチ203は、各払出球検出スイッチ202の下流側に遊技球10球分の間隔をあけて配置されており、後述するように双方の球検出スイッチ202,203にて検出されることで1球が貸し出されたと判定されるようになっている。
揚送装置230は、取込通路220の各条に対応して、揚送モータ212にて回転駆動するスプロケット231が設けられている。スプロケット231の上流側には、各スプロケット231を回転させるための揚送球検出スイッチ204が各条に対応して設けられており、後述するように、揚送球検出スイッチ204にて遊技球が検出されたことにもとづいてスプロケット231が所定時間回転する。そして、揚送通路221内には複数の遊技球が上下方向にわたり滞留しているため、取込通路220から供給された遊技球がスプロケット231により揚送通路221に移送されると、該揚送通路221の最上位に位置する遊技球が押出されて供給通路222に排出されるようになっている。
また、揚送装置230には、球抜き通路232が形成されており、球詰まり等が発生したときに通路内に残留している遊技球を全て排出できるように構成されている。また、揚送通路221の途中には清浄装置240が設けられ、揚送途中で遊技球が清浄されるようになっている。
本実施例では、取込通路220の各条に対応して配置される各スプロケット231は、揚送モータ212により同期して回転駆動されるようになっているが、それぞれを個別の揚送モータにより駆動するようにしてもよい。
揚送通路221の上端から連設される供給通路222は、前面枠111を貫通して前方に向けて漸次下方に傾斜して延設される。下方に向けて屈曲された後は前後に蛇行して設けられていることで、多量の遊技球を上下に重畳させてスペース効率よく待機させることができる。また、供給通路222には、払出装置200に所定数の遊技球が供給されていることを検出するための供給球検出スイッチ205が設けられている。本実施例では、供給通路222の各条にそれぞれ50球の遊技球が供給されたことが供給球検出スイッチ205にて検出されるようになっており、50球×5条=250球の遊技球が払出装置200の上流側に待機されていることを条件に、貸出処理が実行されるようになっている。
このように構成される球循環装置120は、図1、図3に示すように、供給通路222、払出装置200、取込通路220が前面枠111の前面側に配置され、揚送装置230、揚送通路221、供給通路222の上流側が前面枠111の背面側に配置されるように、前面枠111の下部左側に固設される。また、この球循環装置120内には予め取込通路220及び揚送通路221内に例えば500球ほどの遊技球が封入されている。
また、各通路220,221,222は、透光性を有する合成樹脂材にて形成される筒状部材にて構成されており、遊技球を遊技者から取り出し不能、かつ、視認可能とされている。特に取込通路220の垂直部220aは、前面扉112の下部に配置され、当該スロットマシンのタイトルや機種名等が表示されるタイトルパネル105の背面に近接して設けられている。
詳しくは、タイトルパネル105は非透光性を有しており、その背面に当該スロットマシンのタイトルや機種名等が印刷されたシートパネル105aが配設されている。シートパネル105aは、全体的に装飾が施されており、その一部には透明な取込用透視窓106が形成されている。取込通路220の垂直部220aはこの取込用透視窓106に臨むように配設されているため、前面扉112が閉鎖されている状態でも、取込用透視窓106を透して取込通路220の垂直部220aを目視することが可能である。また、この取込通路220の垂直部220aは透光性を有する合成樹脂材にて形成されているため、取込通路220内を遊技球が通過する状況を目視にて確認することが可能である。
なお、球循環装置120は、各通路220,221,222から遊技球は球抜き通路232からしか取り出せない構造とされていたが、例えば取込通路220の垂直部220aの一部に遊技球を取り出し可能な開口を形成するとともに、取込用透視窓106を開閉可能に設け、取込用透視窓106を開放することにより遊技球を取り出すことが可能となるようにしてもよい。
また、本実施例では、取込用透視窓106は取込通路220の垂直部220aを通過する遊技球を視認可能とする窓部とされていたが、供給通路222に待機されている遊技球を視認可能とする窓部を設けてもよい。
このように本実施例では、遊技者による貸出要求に基づいて、球循環装置120の払出装置200により遊技球の払い出しが行われるが、払い出された遊技球は遊技者に触れられることなく検出された後、前面枠111の背面側に取り込まれるとともに、取り込まれた遊技球は揚送装置230により揚送され、再度払出装置200に供給される。
なお、本実施例では、取込用透視窓106はタイトルパネル105に設けられていたが、球循環装置120や取込用透視窓106の配設位置は種々に変更可能であり、取込用透視窓106は透視窓3の側方や上方位置等にしてもよい。
本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、有価価値が記録されたプリペイドカードや会員カードを受付けるカードユニット300と並設されている。カードユニット300は、対応するスロットマシン1との間で遊技球の貸出に関する各種通知データの送受が可能とされており、前述した球貸スイッチ27の操作に基づくカードユニット300からの要求に応じて、受付中のプリペイドカードや会員カードに記録された有価価値を用いて遊技球の貸出を行うことが可能とされている。
カードユニット300の前面には、図1に示すように、プリペイドカードや会員カードを挿入するためのカード挿入口301、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、表示部303が設けられている。カード挿入口301は、カードユニット300に内蔵されるカードリーダライタ(図示略)のカードスロット(図示略)に連設されており、このカード挿入口301を介してプリペイドカードや会員カードをカードスロットに挿入可能とされている。なお、カードリーダライタ(図示略)は、カード挿入口301から挿入される会員カード並びにプリペイドカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ、景品球数データ等の記録情報の読み出し並びに書き込みを行う。
この本実施例に使用されるプリペイドカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップを有するプリペイドカードまたは会員カードを使用しており、これらプリペイドカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードIDが予め記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、カードユニット300においてプリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データや、遊技者が獲得した景品球数データ等の各種データが記憶されている。尚、本実施例のプリペイドカードは、遊技場内に設置された図示しない発行機において、購入、発行される。
また、カードユニット300内の上部位置には、紙幣挿入口302に連設され、該紙幣挿入口302に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を装置略中央部に設けられている制御ユニット(図示略)に出力する紙幣識別ユニット(図示略)が設けられており、該紙幣識別ユニットにて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
制御ユニット(図示略)には、前述したように、対応するスロットマシン1に設けられた残額表示器26や、貸出ボタンの操作を検知する球貸スイッチ27や、受付け中のプリペイドカードや会員カードを返却させる際に操作される返却スイッチ28が接続されている。
また、紙幣識別ユニット(図示略)による貨幣識別情報、並びにカードリーダライタ(図示略)からのカード挿入情報等を受けて、制御ユニットに接続されている多機能ランプ内に設けられたフルカラーLED(図示略)等の各LED、カードリーダライタ(図示略)、表示制御基板(図示略)の制御、残額表示器の表示制御等、全体の動作制御、並びにカード挿入口301に挿入されたプリペイドカードや会員カードに対して管理コンピュータ(図示略)と連携して利用の可/不可を判別するカード受付け処理や、受付け中の会員カード或いはプリペイドカードから読み出したプリペイド残額データ、若しくはRAM(図示略)に記憶されたプリペイド残額データから特定されるプリペイド残額を使用した球貸を行う貸出処理(図33参照)や、返却スイッチの28の操作により、クレジットに記憶されているクレジット球数を景品球数としてプリペイドカードや会員カードに書き込むとともに、受付け中のプリペイドカードや会員カードの返却するクレジット精算処理や、受付け中のプリペイドカードや会員カードに残存するプリペイド残額への貨幣投入による入金を行う入金処理(図示略)を実行する。
なお、本実施例では、プリペイドカードや会員カードに記録されている景品球数を用いた再プレイ処理は実行できないが、例えば受け付けたプリペイドカードや会員カードに所定数以上の景品球数が記録されている場合に、表示部303に再プレイスイッチを表示し、該再プレイスイッチが操作された場合に所定数の景品球数をクレジットに加算して再プレイできるようにしてもよい。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、クレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4の4種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた球数が遊技者に対して付与され、全てクレジットに加算される。尚、有効化された複数の入賞ライン上に遊技球の払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出球数を合計し、合計した球数が遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与される遊技球の払出球数には、上限(本実施例では75球)が定められており、合計した払出球数が上限を超える場合には、上限球数の遊技球が付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図5は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図5に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述した設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、ドア開放検出スイッチ25、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、BET要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、リールモータ32L、32C、32Rが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L,32C,32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
払出制御基板60には、前述した払出球検出スイッチ202、取込球検出スイッチ203、揚送球検出スイッチ204、供給球検出スイッチ205、払出リセットスイッチ210が接続されており、これら接続されたスイッチの検出信号が入力されるようになっている。尚、取込球検出スイッチ203は、遊技制御基板40及び払出制御基板60の双方に接続されており、この取込球検出スイッチ203からの検出信号は、遊技制御基板40及び払出制御基板60の双方に入力されるようになっている。
また、払出制御基板60には、前述した払出モータ201、揚送モータ212、エラー報知LED211等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、払出制御基板60に搭載された後述の払出制御部61による制御に基づいて駆動されるようになっている。
払出制御基板60には、メイン制御部41と同様にCPU、ROM、RAM、I/Oポートを備えたマイクロコンピュータからなる払出制御部61、払出制御基板60に接続されたスイッチから入力された検出信号が入力されるスイッチ検出回路62、払出モータ201等の駆動制御を行うモータ回路63、各種LED等の駆動制御を行う表示駆動回路64等、が搭載されており、払出制御部61は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41から出力される信号や通知、払出制御基板60に接続された払出リセットスイッチ210からの検出信号を受けてエラー状態をリセットする制御を行う。
また、払出制御基板60は、接続端子板70を介して並設されるカードユニット300と接続されており、払出制御部61は、カードユニット300に搭載された制御ユニット(図示略)からの要求に応じて、球循環装置120の払出装置200から該貸出要求に基づく球数分の遊技球を払い出させる貸出制御を行う。
なお、この貸出制御が実行されることにより取込球検出スイッチ203にて検出された取込球数は、遊技者所有の有価価値としてメイン制御部41のRAM41cに設定されたクレジットカウンタ(クレジット球数を示すカウンタ)に加算される。
払出制御部61は、メイン制御部41と同様に内部タイマ(図示略)を備えており、払出制御部61のCPUは内部タイマの出力に基づいて割込処理を基本処理に割り込んで定期的に実行可能とされている。尚、払出制御部61のRAMは、メイン制御部41のRAMと異なり、バックアップ電源が供給されることはなく、停電時において記憶されたデータが保持されないようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉112に配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dなどを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時または電源遮断時にサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に直接または中継基板を介して接続された演出スイッチ54(図1参照)や役物のセンサ(図示略)等のスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98が搭載されており、サブ制御部91は、メイン制御部から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じて遊技球の払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、遊技球の払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に電断処理(サブ)を実行する。電断処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
尚、本実施例では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブ制御部91は、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、RTワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、遊技球の払出球数、BB中の遊技球払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。非初期化ワークは、RAM異常エラーや設定変更時にも初期化されないデータが格納されるワークである。非初期化ワークには、さらに内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納される設定値ワーク、演出制御基板90へ送信されるコマンドが一時的に格納されるコマンドバッファ(コマンドバッファ内のコマンドは次回コマンドが格納されるまで維持されるので、最後に送信されたコマンドが常に格納されることとなる)、外部出力基板1000に対して出力される遊技球IN信号、遊技球OUT信号、RB中信号、BB中信号、ドア開放信号、設定変更信号、貸出禁止エラー信号、差球エラー信号のうち外部出力基板1000から出力されるセキュリティ信号を構成するドア開放信号、設定変更信号、貸出エラー信号、差球エラー信号の出力状態(on/offの状態)が格納されるセキュリティワークが割り当てられている。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、非初期化領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。
このように本実施例では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなるが、この際、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ、設定値ワーク、セキュリティワークに格納されているデータは初期化されることがなく、保持されるようになっている。そして、この際、コマンドバッファにはRAM異常エラー発生時において最後に送信されたコマンドが、設定値ワークにはRAM異常エラー発生時の設定値が、セキュリティワークには、RAM異常エラー発生時のドア開放信号、設定変更信号、貸出禁止エラー信号、差球エラー信号の出力状態がそれぞれ格納された状態で保持されるので、これらのデータからRAM異常発生時において何らかのエラーコマンドが送信されているか、設定値の値が変更されていないか、ドア開放信号、設定変更信号、貸出禁止エラー信号、差球エラー信号の出力状態がどのような状態であったか、を特定することが可能となり、RAM異常の原因を特定すること、さらには、何らかの不正行為が行われた可能性を特定することができる。
さらに、RAM異常エラーを解消するために、設定値の変更操作を行っても、非初期化領域は初期化されることがなく、意図的に非初期化領域の格納データを初期化することは不可能であるため、不正行為によってRAM異常エラーが生じた場合でもその痕跡としてコマンドバッファ、設定値ワーク、セキュリティワークの格納データを残すことができる。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化される。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、遊技球の払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
このスロットマシン1における役としては、特別役としてビッグボーナスが、再遊技役としてリプレイが、小役としてブドウ、スイカ、チェリー、10枚役、2枚役、1枚役等が定められている。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
図6に示すように、遊技制御基板40と払出制御基板60との間では、図7に示す各種データの送受が行われるとともに、払出制御部61から遊技制御基板40に対して、カードユニット300と接続されている旨を示すカードユニット接続中信号が出力される。また、払出制御基板60とカードユニット300との間では、図7に示す各種データの送受が行われるとともに、カードユニット300の制御ユニット(図示略)から払出制御基板60に対して、カードユニット300が正常に接続されている旨を示すカードユニット接続確認信号(VL)が出力される。
また、スロットマシン1に搭載された残額表示器26、返却スイッチ28及び球貸スイッチ27はカードユニット300に接続されており、残額表示器26は、制御ユニットの制御に基づき出力される残数表示制御信号に基づき駆動されるとともに、返却スイッチ28の検出信号(返却操作検出信号)及び球貸スイッチ27の検出信号(貸出操作検出信号)は、カードユニット300に入力される。
そして、カードユニット300に搭載された制御ユニットは、球貸スイッチ27が検出されることで、受付中のプリペイドカードまたは会員カードから読み出された有価価値が残存することを条件に、スロットマシン1に対して、貸出単位分(本実施例では250球)の遊技球の貸出を要求する貸出要求通知を出力する。なお、本実施例では貸出単位が250球とされているが、貸出単位球数は種々に変更可能である。
また、返却スイッチ28が検出されることで、スロットマシン1に対してクレジットカウンタに記憶されているクレジット球数の精算を要求するクレジット精算要求通知を出力する処理を行う。そして、このクレジット精算要求通知に対して、クレジット球数を示すクレジット球数通知を受信した場合、クレジット球数通知に示される球数を景品球数として受付中のプリペイドカードまたは会員カードに記録するとともに、記録が完了したらクレジット精算の完了を指定するクレジット精算完了通知を送信した後、受付中のプリペイドカードまたは会員カードを返却させる処理を行う。
図7は、遊技制御基板40、払出制御基板60、カードユニット300の間で送受される通知の名称およびその内容を示す図である。
図7に示すように、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41は、払出制御基板60に対して、貸出制御の実行を禁止することを指定する貸出禁止通知、貸出制御の実行禁止を解除することを指定する貸出禁止解除通知、クレジット精算要求に応じてクレジットカウンタに記憶されている球数を示すクレジット球数通知を出力する。貸出禁止通知は、BET処理、BET精算処理、クレジット精算処理またはゲームが開始されたときに出力され、貸出禁止解除通知は、BET処理、BET精算処理、クレジット精算処理またはゲームが終了したときに出力される。すなわち、これらBET処理中、BET精算処理中、クレジット精算処理中、ゲーム中における貸出制御の実行が禁止される。
一方、払出制御部61は、遊技制御基板40に対して、貸出要求に基づく貸出制御を開始したことを指定する貸出開始通知、貸出制御を終了したことを指定する貸出終了通知、クレジット精算を要求することを指定するクレジット精算要求通知、クレジット精算が完了したことを指定するクレジット精算完了通知を出力する。
すなわち、払出制御部61が貸出制御を開始してから終了するまでの間、メイン制御部41は、取込球検出スイッチ203の検出にもとづいてクレジットカウンタの値を加算する処理を繰り返すだけで他の処理に移行しないため、ゲームの進行が禁止される。
また、払出制御部61がカードユニット300からクレジット精算要求通知を受け付けてから、クレジットカウンタに記憶されていた遊技者所有のクレジット球数が精算(減算)され景品球数としてプリペイドカードや会員カードに記録されるまでの間、メイン制御部41はクレジット精算完了通知を受信するまで他の処理に移行しないため、ゲームの進行が禁止される。
このように、クレジットカウンタの値が加算される貸出制御や、クレジットカウンタの値が減算されるクレジット精算制御が行われる場合にゲームの進行が禁止されることで、例えば貸出制御や精算制御が実行されているときに、賭数の設定が行われてクレジットカウンタの値を減算したり、あるいは入賞が発生してクレジットカウンタの値を加算する必要が生じて、制御が複雑化することを回避することができる。
カードユニット300は、スロットマシン1の払出制御基板60に対して、貸出制御の実行の要求を指定する貸出要求指定、クレジットの精算要求を指定するクレジット精算要求通知、クレジットの精算完了を指定するクレジット精算完了通知を出力する。
また、払出制御部61は、カードユニット300に対して、貸出要求に基づく貸出制御の終了を指定する貸出終了通知、クレジット精算要求にもとづくクレジット球数を指定するクレジット球数通知を出力する。
また、本実施例では、球循環装置120の払出装置200から払い出された払出球を、払出球検出スイッチ202と取込球検出スイッチ203とで検出しており、メイン制御部41が貸出制御を禁止している間(ゲーム中等)にこれら払出球検出スイッチ202や取込球検出スイッチ203により遊技球が検出された場合、つまり、貸出制御が実行されているはずがない状況で遊技球が検出された場合、異常検出が発生したとして、エラー報知LED211を点灯し、貸出禁止エラー状態に移行するため、ノイズ等による誤検出や、磁気または電波等による不正検出により、クレジットカウンタが加算された可能性があることを発見することができる。
また、本実施例では、球循環装置120の払出装置200から払い出された払出球を、払出球検出スイッチ202と取込球検出スイッチ203とで検出するとともに、払出球検出スイッチ202により遊技球が検出されたときに、RAMに設けられた差球カウンタ(払出球検出スイッチ202による遊技球の検出数と取込球検出スイッチ203による遊技球の検出数との差分を確認するためのカウンタ)の値を1加算し、取込球検出スイッチ203により遊技球が検出されたときに差球カウンタの値を1減算している。
そして、貸出制御の実行中において、払出球検出スイッチ202による遊技球の検出数と取込球検出スイッチ203による遊技球の検出数との間に所定値以上の差が生じた場合、つまり、差球カウンタの値が所定の閾値(本実施例では20)を越えた場合、球詰まりが生じたか、あるいはいずれかのスイッチが故障する等の異常検出が発生したとして、払出モータ201の駆動を停止して貸出制御を中断させるとともに、エラー報知LED211を点灯し、差球エラー状態に移行するため、球詰まりあるいはスイッチの故障による異常検出が生じた可能性があることを発見することができる。
また、払出制御部61は、差球エラー状態に移行して貸出制御を中断した場合、遊技制御基板40に対して貸出終了通知を送信する。これにより、貸出開始通知の受信にもとづきゲームの進行を禁止していたメイン制御部41は、ゲームの進行を可能に制御するため、差球エラー状態に移行することによりゲームの進行を妨げることを回避できる。
そして、払出制御部61は、差球エラー状態に移行した後、エラーの原因が取り除かれた状態で払出リセットスイッチ210が操作された場合、中断されていた貸出制御を再開させるため、貸し出されていなかった球数が貸し出されるため、遊技者が不利益を被ることが防止される。
また、払出制御部61は、貸出禁止エラー状態や差球エラー状態に移行している状態で払出リセットスイッチ210が操作された場合に、貸出禁止フラグがセットされているとき、つまり、BET処理中、BET精算処理中、クレジット精算処理中、ゲーム実行中のいずれかである場合はエラー状態を解除しないため、制御が複雑になるタイミングで復旧されることが防止されている。
また、本実施例では、貸出制御が終了した時点で、払出球検出スイッチ202による遊技球の検出数と取込球検出スイッチ203による遊技球の検出数とが一致しない場合、つまり、差球カウンタの値が0でない場合、球詰まりが生じたか、あるいはいずれかのスイッチが故障する等の異常検出が発生したとして、エラー報知LED211を点灯し、差球エラー状態に移行して新たな貸出制御を禁止するため、球詰まりあるいはスイッチの故障による異常検出が生じた可能性があることを発見することができる。
図8は、メイン制御部41が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出球数に基づきクレジットの加算等の処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
図9および図10は、メイン制御部41がSd1のステップにおいて実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、まず、RAM41cにおいて賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(Se1)、遊技状態に応じた規定数をRAM41cに設定し(Se2)、RAM41cにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する(Se3)。
Se3のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームであると判定された場合には、BETカウンタの値を1加算し(Se4)、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(Se5)、BETカウンタの値が規定数でなければSe4のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であればSe19のステップに進む。
Se3のステップにおいて当該ゲームがリプレイゲームでないと判定された場合には、BET待ち前の設定を行い(Se6)、貸出禁止解除通知を払出制御基板60に送信した後(Se7)、Se8のステップに進む。BET待ち前の設定では、RAM41cに設定されているBET不可フラグをクリアし、遊技球の投入が可能な状態とする。
Se8のステップでは、払出制御基板60からの貸出開始通知を受信しているか否かを判定し(Se8)、Se8のステップにおいて貸出開始通知を受信していないと判定した場合はさらにクレジット精算要求通知を受信したか否かを判定し(Se9)、Se9のステップにおいてクレジット精算要求通知を受信していない場合はSe19のステップに進む。
Se8のステップにおいて貸出開始通知を受信したと判定した場合は、取込球検出スイッチ203がonであるか否か、つまり遊技球を検出しているか否かを判定し(Se10)、取込球検出スイッチ203がonである場合には、BETカウンタの値が規定数に達しているか否かを判定し(Se11)、規定数に達していなければBETカウンタの値を1加算し(Se12)、規定数に達していればクレジットカウンタの値を1加算する(Se13)。つまり、賭数が規定数に達していない場合にはクレジットよりも優先してBETカウンタの値が加算されるようになっている。
Se10のステップにて取込球検出スイッチ203がonではない場合、つまり、遊技球を検出していない場合、Se12のステップにてBETカウンタの値を1加算した場合、Se13のステップにてクレジットカウンタの値を1加算した場合はSe14に進み、払出制御基板60からの貸出終了通知を受信しているか否かを判定し(Se14)、貸出終了通知を受信した場合は、貸出制御が終了したとしてSe8のステップに戻り、貸出終了通知を受信していない場合は、貸出制御が終了していないとしてSe10のステップに戻り、Se10〜Se14のステップを繰り返し実行する。
このように、Se8のステップにおいて貸出開始通知を受信した場合、Se14のステップにおいて貸出終了通知を受信するまでSe10〜Se14のステップが繰り返し行われ、他の処理に移行することがない。すなわち、貸出制御が開始した場合には該貸出制御が終了するまでゲームが開始されることはないため、ゲームの進行に関わる制御が複雑化することが防止される。
また、Se9のステップにおいてクレジット精算要求通知を受信したと判定した場合、リプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し(Se15)、リプレイゲームである場合にはそのままSe19のステップに進む。
リプレイゲームでない場合には、その時点でのクレジットカウンタの値、つまり、クレジット球数通知を払出制御基板60に送信し(Se16)、クレジットカウンタの値をクリアした後(Se17)、クレジット精算完了通知の受信待ちとし(Se18)、クレジット精算完了通知を受信したらSe8のステップに戻る。
このように、Se9のステップにおいてクレジット精算要求通知を受信した場合、Se18のステップにおいてクレジット精算完了通知を受信するまで他の処理に移行することがない。すなわち、クレジット精算を開始した場合には、該クレジット精算にもとづく一連の処理、つまりカードユニット300がクレジットをプリペイドカードや会員カードに書き込んでカードを返却するまでゲームが開始されることはないため、ゲームの進行に関わる制御が複雑化することが防止される。
次いで、Se19のステップでは、スタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されているか否か、すなわちスタートスイッチ7の立上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。
Se19のステップにおいてスタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されていないと判定された場合には、Se28のステップに進み、スタートスイッチ7のoffからonの変化が検出されていれば、割込を禁止し(Se20)、確定データに基づいて他のスイッチがonの状態か否かを判定し(Se21)、いずれかのスイッチがonの状態であれば割込を許可して(Se23)、Se8のステップに戻る。
Se21のステップにおいて他のスイッチがいずれもonの状態でなければさらにRAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する(Se22)。
Se22のステップにおいてBETカウンタの値が規定数でなければ、割込を許可して(Se23)、Se8のステップに戻り、BETカウンタの値が規定数であれば、乱数値格納ワークの値を内部抽選用の乱数値として抽選用ワークに設定し(Se24)、割込を許可し(Se25)、払出制御基板60に貸出禁止通知を送信し(Se26)、ゲーム開始時の設定を行う(Se27)。そして、Se27のステップの後、BET処理を終了して図8のフローチャートに復帰する。
このようにスタートスイッチ7のoffからonへの変化が検出された後、当該スタートスイッチ7の操作が無効とされるか、有効と判断され、乱数値格納ワークの値を抽選用ワークに設定するまでの間、割込が禁止されるようになっており、この間にタイマ割込処理(メイン)が実行され、乱数値格納ワークの値が書き換わってしまうことが防止されるようになっている。
Se28のステップにおいては、リプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて当該ゲームがリプレイゲームであるか否かを判定し(Se28)、リプレイゲームであればSe19のステップに戻り、スタートスイッチ7の検出待ち状態となる。リプレイゲームでなければ、MAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されているか否か、すなわちMAXBETスイッチ6の立上り示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する(Se29)。Se29のステップにおいてMAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出されていなければ、精算スイッチ10のoffからonの変化が検出されているかいなかを判定し(Se30)、精算スイッチ10のoffからonの変化が検出されていなければ、Se8のステップに戻り、貸出開始通知の受信、クレジット精算要求通知の受信、スタートスイッチ7の検出、MAXBETスイッチ6の検出、精算スイッチ10の検出のいずれかを待つ状態になる。
Se29のステップにおいてMAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出された場合、払出制御基板60に貸出禁止通知を送信し(Se36)、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する(Se37)。BETカウンタの値が規定数であれば、既に規定数の賭数が設定されているため、払出制御基板60に貸出禁止解除通知を送信し(Se41)、Se8のステップに戻る。
Se37のステップにおいてBETカウンタの値が規定数でなければ、クレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し(Se38)、クレジットカウンタの値が0であれば、払出制御基板60に貸出禁止解除通知を送信し(Se41)、Se8のステップに戻る。Se38のステップにおいてクレジットカウンタの値が0でなければ、クレジットカウンタの値を1減算し(Se39)、BETカウンタの値を1加算して(Se40)、Se37のステップに戻る。
このように、Se29のステップにおいてMAXBETスイッチ6のoffからonの変化が検出された場合、Se37〜Se40の処理を繰り返し、BETカウンタが規定数に達するまでクレジットを使用して賭数を設定するが、この賭数を設定している間は貸出禁止通知が送信され、貸出制御が行われることがないので、賭数の設定にもとづくクレジットカウンタの減算と貸出制御にもとづくクレジットカウンタの加算とが混同して処理が複雑化することが防止される。
また、Se30のステップにおいて精算スイッチ10のoffからonの変化が検出されていれば、払出制御基板60に貸出禁止通知を送信した後(Se31)、BETカウンタの値が0か否かを判定し(Se32)、BETカウンタの値が0であればSe35のステップに進み、払出制御基板60に貸出禁止解除通知を送信し(Se35)、Se8のステップに戻る。Se32のステップにおいてBETカウンタの値が0でなければ、BETカウンタの値を1減算し(Se33)、クレジットカウンタの値を1加算した後(Se34)、Se32のステップに戻り、BETカウンタの値が0になるまで、つまり、賭数として設定された球数がクレジットに返却されるまで処理が繰り返される。
このように、Se30のステップにおいて精算スイッチ10のoffからonの変化が検出された場合、Se32〜Se34の処理を繰り返し、BETカウンタの値が0になるまでクレジットに返却されるが、このBET精算処理を実行している間は貸出禁止通知が送信され、貸出制御が行われることがないので、BET精算処理にもとづくクレジットカウンタの加算と貸出制御にもとづくクレジットカウンタの加算とが混同して処理が複雑化することが防止される。
図11は、メイン制御部41がSd5のステップにおいて実行する払出処理の制御内容を示すフローチャートである。
払出処理では、まず、賞球の付与を伴う入賞が発生しているか否かを確認し(Sf1)、賞球の付与を伴う入賞が発生していない場合には、図8に示すSd6のゲーム終了時処理に移行する。
また、Sf1のステップにおいて賞球の付与を伴う入賞が発生している場合には、当該入賞の発生により付与される賞球数を、メイン制御部41のRAM41cに設定された付与カウンタにセットする(Sf2)。そして、クレジットカウンタの値を1加算するとともに(Sf3)、付与カウンタの値を1減算した後(Sf4)、付与カウンタの値が0であるか否かを判定し(Sf5)、付与カウンタの値が0になるまで、Sf3〜Sf5の処理を繰り返し、付与カウンタの値が0となったら、つまり、入賞の発生により付与される賞球数がクレジットに加算されたら、図8に示すSd6のゲーム終了時処理に移行する。
次に、本実施例における払出制御基板60に搭載された払出制御部61が実行する各種制御内容を、図12〜図32に基づいて以下に説明する。
払出制御部61は、電源が投入されてCPUがリセットされると、図12のフローチャートに示す電源投入時処理(払出)を行う。
払出制御部61は、電源投入時処理(払出)では、まず、RAMに記憶されているデータ、すなわち払出制御部61の制御状態を初期化する初期化処理を実行した後(Sp1)、割込禁止を解除し(Sp2)、ループ処理に移行する。
図13は、払出制御部61が割込禁止を解除した後、内部タイマの出力に基づいて定期的に実行する割込処理(払出)の制御内容を示すフローチャートである。
割込処理(払出)では、スイッチ検出処理(Sq1)、接続確認処理(Sq2)、主基板通信処理(Sq3)、貸出制御処理(Sq4)、払出制御処理(Sq5)、モータ制御処理(払出)(Sq6)、揚送制御処理(Sq7)、モータ制御処理(揚送)(Sq8)を順次実行する。
Sq1のステップにおけるスイッチ検出処理では、各種センサやスイッチ、信号の検出状態を取得する処理を実行する。Sq2のステップにおける接続確認処理では、カードユニット300との接続状況を確認する処理を実行する。Sq3のステップにおける主基板通信処理では、遊技制御基板40との間でデータ通信を行う処理を実行する。Sq4のステップにおける貸出制御処理では、カードユニットとの間でデータ通信を行う処理を実行する。Sq5のステップにおける払出制御処理では、払出モータ201の駆動状態を設定する処理を実行する。Sq6のモータ制御処理(払出)では、Sq5のステップおいて設定された払出モータ201の駆動状態に基づいて払出モータ201の位相信号の出力制御を行う処理を実行する。Sq7のステップにおける揚送制御処理では、揚送モータ212の駆動状態を設定する処理を実行する。Sq8のモータ制御処理(揚送)では、Sq7のステップおいて設定された揚送モータ212の駆動状態に基づいて揚送モータ212の位相信号の出力制御を行う処理を実行する。
図14は、払出制御部61がSq1のステップにおいて実行するスイッチ検出処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
スイッチ検出処理では、まず、後述する貸出禁止エラーフラグがセットされているか否か、つまり、貸出制御の実行が禁止されている状態で払出球検出スイッチ202または取込球検出スイッチ203にて遊技球が検出されたことにもとづいて貸出禁止エラー状態に制御されているか否かを判定する(Sk1)。Sk1のステップにおいて貸出禁止エラーフラグがセットされている場合、貸出禁止フラグがセットされているか否か、つまり、遊技制御基板40から貸出禁止通知が受信されている状態か否かを判定し(Sk2)、貸出禁止フラグがセットされていなければ、払出リセットスイッチ210がonであるか否かを判定する(Sk3)。
Sk3のステップにて払出リセットスイッチ210がonである場合、エラー解除操作が行われたとして、貸出禁止エラーフラグをリセットし(Sk4)、エラー報知LED211をoffにしてもとの処理に戻る。また、Sk2のステップにて貸出禁止フラグがセットされている場合またはSk3のステップにて払出リセットスイッチ210がonでない場合はそのままもとの処理に戻る。
このように、貸出禁止エラーフラグのセットにもとづいて貸出禁止エラー状態に移行した場合、貸出禁止フラグがセットされていない、つまり、BET処理中、BET精算処理中、クレジット精算処理中、ゲーム実行中でないときに払出リセットスイッチ210によるリセット操作がなされたことにもとづいて、貸出禁止エラー状態が解除されるようになっている。
Sk1のステップにおいて貸出禁止エラーフラグがセットされていない場合、払出球検出スイッチ202がonであるか否か、つまり遊技球を検出したか否かを判定する(Sk6)。Sk6のステップにおいて遊技球が検出された場合には、貸出禁止フラグがセットされているか否かを判定し(Sk7)、貸出禁止フラグがセットされていなければ、貸出選択処理フラグは1であるか否か、つまり、貸出制御が実行されているか否かを判定し(Sk7+)、貸出選択処理フラグが1である場合、つまり、貸出制御が実行されている場合には差球カウンタの値を1加算して(Sk8)、Sk9のステップに進む。
また、Sk6のステップにおいて遊技球が検出されていない場合には、取込球検出スイッチ203がonであるか否か、つまり遊技球を検出したか否かを判定し(Sk9)、遊技球が検出された場合には、貸出禁止フラグがセットされているか否かを判定し(Sk10)、貸出禁止フラグがセットされていなければ差球カウンタの値を1加算して(Sk11)、Sk12のステップに進む。
Sk12のステップでは、差球カウンタの値が所定の閾値(本実施例では10)以上であるか否かを判定し、10以上であれば球詰まりまたは払出球検出スイッチ202、取込球検出スイッチ203による異常検出が発生しているとして、差球エラーフラグをセットして(Sk13)、もとの処理に戻る。
ここで、取込通路220の各条における払出球検出スイッチ202と取込球検出スイッチ203との間は10球分離間していることで、払出装置200から払い出された遊技球は、取込通路220の各条における払出球検出スイッチ202にて検出された後、取込球検出スイッチ203にて検出されるため、払出装置200から払い出された遊技球が取込球検出スイッチ203を通過した時点で差球カウンタの値は0となる。しかし、払出球検出スイッチ202と取込球検出スイッチ203との間に10球の遊技球が滞留、つまり球詰まりが発生した場合や、ノイズまたは磁石や電波等による不正検出が行われた場合には、払出球検出スイッチ202における遊技球の検出数と取込球検出スイッチ203における遊技球の検出数との差分、つまり、差球カウンタの値が10以上となる。
このように球詰まりが発生した場合、スプロケット206が回転できなくなり払出モータ201に負荷がかかる。よって、このような状況が発生した場合に速やかに払出モータ201の駆動を停止するために、差球カウンタの値が10に到達するまで(例えば差球カウンタの値が5になったとき等)に差球エラーフラグをセットし、これにもとづいて払出モータ201の駆動を停止することが好ましいが、取込通路220の各条の払出球検出スイッチ202および取込球検出スイッチ203の検出状況にもとづいて差球カウンタの値を加算または減算するため、各条における検出タイミングのずれや、取込球検出スイッチ203にて遊技球が検出されるまでに払出球検出スイッチ202が後続球を検出することにより差球カウンタの値が一時的に10に近づくことがある。この場合、閾値を10よりも小さい値とすると、正常であるにも関わらず差球エラーフラグがセットされてしまうことがあるため、本実施例では、閾値を払出球検出スイッチ202における遊技球の検出数と取込球検出スイッチ203における遊技球の検出数との差分である10としている。
なお、本実施例では、閾値を10としているが、種々に変更可能である。また、取込通路220の各条に対応して差球カウンタを設け、各条で個別に球詰まりを検出するようにしてもよく、この場合、閾値を10未満の値とすることが可能となるため、払出モータ201にかかる負荷を低減できる。
また、Sk7またはSk10のステップにて貸出禁止フラグがセットされていた場合は、貸出禁止中であるにも関わらず払出球検出スイッチ202または取込球検出スイッチ203により遊技球が異常検出されたとして、貸出禁止エラーフラグをセットした後(Sk14)、エラー報知LED211を点灯した後(Sk15)、もとの処理に戻る。
また、Sk7+またはSk10+のステップにて貸出選択処理フラグが1ではなかった場合は、貸出制御が実行されていないにも関わらず払出球検出スイッチ202または取込球検出スイッチ203により遊技球が異常検出されたとして、貸出禁止エラーフラグをセットした後(Sk14)、エラー報知LED211を点灯した後(Sk15)、もとの処理に戻る。
図15は、払出制御部61がSq2のステップにおいて実行する接続確認処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
接続確認処理では、まず、VLのonが検出されているか否か、すなわちカードユニット300と接続されているか否かを確認する(Sr1)。そして、Sr1のステップにおいてVLのonが検出されている場合には、カードユニット接続中信号をonとする(Sr2)。また、Sr1のステップにおいてVLのonが検出されていない場合には、カードユニット接続中信号をoffとする(Sr3)。
図16は、払出制御部61がSq3のステップにおいて実行する主基板通信処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
主基板通信処理では、まず、主基板通信処理の種別を示す主基板通信処理選択フラグ(0〜4)を確認し(Ss1)、主基板通信処理選択フラグが0であれば主基板通信処理1を実行し(Ss2)、主基板通信処理選択フラグが1であれば主基板通信処理2を実行し(Ss3)、主基板通信処理選択フラグが2であれば主基板通信処理3を実行し(Ss4)、主基板通信処理選択フラグが3であれば主基板通信処理4を実行し(Ss5)、主基板通信処理選択フラグが4であれば主基板通信処理5を実行する(Ss6)。
図17は、払出制御部61がSs2のステップにおいて実行する主基板通信処理1の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
主基板通信処理1では、まず、遊技制御基板40から貸出禁止通知を受信しているか否かを判定し(Ss11)、貸出禁止通知を受信していれば、貸出禁止フラグをセットし(Ss12)、主基板通信処理選択フラグを1にして(Ss13)、もとの処理に戻る。
Ss11のステップにおいて、貸出禁止通知を受信していなければ、後述する貸出処理フラグが1であるか否かを判定し(Ss14)、貸出処理フラグが1である場合、つまり、カードユニット300から貸出要求通知を受信した場合には、貸出開始通知を遊技制御基板40に送信し(Ss15)、主基板通信処理選択フラグを2にして(Ss16)、もとの処理に戻る。
Ss14のステップにおいて、貸出処理フラグが1でなければ、後述する貸出処理フラグが2であるか否かを判定し(Ss17)、貸出処理フラグが2である場合、つまり、カードユニット300から精算要求通知を受信した場合には、クレジット清算要求通知を遊技制御基板40に送信し(Ss18)、主基板通信処理選択フラグを3にして(Ss19)、もとの処理に戻る。
図18は、払出制御部61がSs3のステップにおいて実行する主基板通信処理2の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
主基板通信処理2では、まず、遊技制御基板40から貸出禁止解除通知を受信しているか否かを判定し(Ss21)、貸出禁止解除通知を受信していれば、貸出禁止フラグをリセットし(Ss22)、主基板通信処理選択フラグを0にして(Ss23)、もとの処理に戻る。
図19は、払出制御部61がSs4のステップにおいて実行する主基板通信処理3の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
主基板通信処理3では、まず、貸出処理選択フラグが0であるか否か、つまり、貸出要求または精算要求待ち状態であるか否かを判定し(Ss31)、貸出処理選択フラグが0でなければ、払出処理選択フラグが3であるか否か、つまり、差球エラーまたは貸出禁止エラー状態であるか否かを判定する(Ss32)。
Ss31のステップにおいて、貸出処理選択フラグが0である場合には、貸出処理が正常に終了したとして、貸出終了処理通知を遊技制御基板40に送信し(Ss33)、主基板通信処理選択フラグを0にして(Ss34)、もとの処理に戻る。また、Ss32において、払出処理選択フラグが3である、つまり、差球エラーまたは貸出禁止エラー状態である場合も、実行中の貸出処理を中断するためにSs33のステップに進み、貸出終了処理通知を遊技制御基板40に送信し(Ss33)、主基板通信処理選択フラグを0にして(Ss34)、もとの処理に戻る。
図20は、払出制御部61がSs5のステップにおいて実行する主基板通信処理4の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
主基板通信処理4では、まず、遊技制御基板40からクレジット球数通知を受信したか否かを判定し(Ss41)、クレジット球数通知を受信した場合には、主基板通信処理選択フラグを4にして(Ss42)、もとの処理に戻る。
図21は、払出制御部61がSs6のステップにおいて実行する主基板通信処理5の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
主基板通信処理5では、まず、貸出処理選択フラグが0であるか否か、つまり、貸出要求または精算要求待ち状態であるか否かを判定し(Ss51)、貸出処理選択フラグが0であれば、精算処理が完了したとして遊技制御基板40にクレジット精算完了通知を送信し(Ss52)、主基板通信処理選択フラグを0にして(Ss53)、もとの処理に戻る。
図22は、払出制御部61がSq4のステップにおいて実行する貸出制御処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
貸出制御処理では、まず、貸出制御処理の種別を示す貸出処理選択フラグ(0〜3)を確認し(St1)、貸出処理選択フラグが0であれば貸出通信処理1を実行し(St2)、貸出処理選択フラグが1であれば貸出通信処理2を実行し(St3)、貸出処理選択フラグが2であれば貸出通信処理3を実行し(St4)、貸出処理選択フラグが3であれば貸出通信処理4を実行する(St5)。
図23は、払出制御部61がSt2のステップにおいて実行する貸出通信処理1の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
貸出通信処理1では、まず、VLのonが検出されているか否か、すなわちカードユニット300と接続されているか否かを確認し(St11)、VLのonが検出されていなければ、もとの処理に戻る。また、St11のステップにおいてVLのonが検出されていれば、貸出禁止フラグがセットされているか否かを判定し(St12)、貸出禁止フラグがセットされていれば、もとの処理に戻る。また、St12のステップにおいて貸出禁止フラグがセットされていなければ、カードユニット300から貸出要求通知を受信したか否か、すなわち、カードユニット300から貸出操作がなされた旨が通知されているか否かを判定し(St13)、貸出要求通知を受信した場合、供給球検出スイッチ205がonであるか否か、つまり、供給通路222に250球の遊技球が待機しているか否かを判定し(St14)、供給球検出スイッチ205がonであれば貸出を開始するために、貸出球数(本実施例では250球)を払出カウンタにセットし(St15)、貸出処理選択フラグを1にして(St16)、もとの処理に戻る。
また、St13のステップにおいて、貸出要求通知を受信してない場合、クレジット精算要求通知を受信したか否かを判定し(St17)、受信していれば貸出処理選択フラグを2にして(St18)、もとの処理に戻り、受信していなければ、そのままもとの処理に戻る。
図24は、払出制御部61がSt3のステップにおいて実行する貸出通信処理2の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
貸出通信処理2では、まず、VLのonが検出されているか否か、すなわちカードユニット300と接続されているか否かを確認し(St21)、VLのonが検出されていなければ、もとの処理に戻る。また、St21のステップにおいてVLのonが検出されていれば、払出カウンタの値が0であるか否か、つまり、払出カウンタにセットされた球数の払出が終了したか否かを判定し(St22)、払出カウンタの値が0である場合、つまり、払出カウンタにセットされた球数の払出が終了した場合には、貸出処理選択フラグを0にして(St23)、もとの処理に戻る。また、St22のステップにおいて、払出カウンタの値が0でない場合、つまり、払出カウンタにセットされた球数の払出が終了していない場合には、もとの処理に戻る。
図25は、払出制御部61がSt4のステップにおいて実行する貸出通信処理3の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
貸出通信処理3では、まず、VLのonが検出されているか否か、すなわちカードユニット300と接続されているか否かを確認し(St31)、VLのonが検出されていなければ、もとの処理に戻る。また、St31のステップにおいてVLのonが検出されていれば、主基板通信処理フラグが3であるか否か、つまり、遊技制御基板40からクレジット球数通知を受信したか否かを判定し(St32)、受信した場合には、カードユニット300にクレジット球数通知を送信し(St33)、貸出処理選択フラグを3にして(St34)、もとの処理に戻る。また、St32のステップにおいて、クレジット球数通知を受信してない場合には、そのままもとの処理に戻る。
図26は、払出制御部61がSt5のステップにおいて実行する貸出通信処理4の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
貸出通信処理4では、まず、VLのonが検出されているか否か、すなわちカードユニット300と接続されているか否かを確認し(St41)、VLのonが検出されていなければ、もとの処理に戻る。また、St41のステップにおいてVLのonが検出されていれば、カードユニット300からクレジット精算完了通知を受信したか否かを判定し(St42)、クレジット精算完了通知を受信した場合は、貸出処理選択フラグを0にして(St43)、もとの処理に戻る。また、St42のステップにおいて、クレジット精算完了通知を受信してない場合は、もとの処理に戻る。
図27は、払出制御部61がSq5のステップにおいて実行する払出制御処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
払出制御処理では、まず、払出球検出スイッチ202の検出状況をチェックして払出球が検出されたか否かを確認し(Su1)、払出球が検出された場合には、払出カウンタの値から1を減算し(Su2)、検出されていなければ、そのままSu3のステップに進む。
次いで、払出制御処理の種別を示す払出制御処理選択フラグ(0〜2)を確認し(Su3)、払出制御処理選択フラグが0であれば払出開始待ち処理を実行し(Su4)、払出制御処理選択フラグが1であれば払出停止待ち処理を実行し(Su5)、払出制御処理選択フラグが2であれば払出通過待ち処理を実行する(Su6)、払出制御処理選択フラグが3であれば払出復旧待ち処理を実行する(Su7)。
図28は、払出制御部61がSu4のステップにおいて実行する払出開始待ち処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
払出開始待ち処理では、まず、払出カウンタの値が0か否か、すなわち未払出球が残存するか否かを確認し(Su11)、払出カウンタの値が0であれば、もとの処理に戻る。また、Su11のステップにおいて払出カウンタの値が0でなければ、払出球があるとして、払出球検出スイッチ202がonであるか否か、つまり遊技球を検出しているか否かを判定し(Su12)、遊技球が検出されていなければ、取込球検出スイッチ203がonであるか否か、つまり遊技球を検出しているか否かを判定する(Su13)。
Su12のステップにおいて払出球検出スイッチ202がonである場合またはSu13のステップにおいて取込球検出スイッチ203がonである場合、つまり、払出動作を開始していないにも関わらず遊技球を検出している場合には、エラー報知LED211を点灯した後(Su17)、払出制御処理選択フラグを3にして(Su18)、もとの処理に戻る。
また、払出球検出スイッチ202および取込球検出スイッチ203のいずれも遊技球を検出していない場合、払出カウンタの値に応じた払出モータ201の回転駆動量、すなわち払出カウンタに設定された値の球数を払い出すのに必要な回転駆動量を設定する(Su14)。そして、払出モータ201の設定をonにして払出モータ201の駆動を開始した後(Su15)、払出制御処理選択フラグを1にして(Su16)、もとの処理に戻る。
図29は、払出制御部61がSu5のステップにおいて実行する払出停止待ち処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
払出停止待ち処理では、まず、回転駆動量分、すなわち払出カウンタの値分の回転が終了したか否かを確認し(Su21)、払出カウンタの値分の回転が終了していなければ、差球エラーフラグがセットされているか否か、つまり、払出動作中に差球カウンタの値が閾値を超えたか否かを判定し(Su22)、差球エラーフラグがセットされていなければ、つまり払出が完了していないため、もとの処理に戻る。
Su21のステップにおいて、払出カウンタの値分の回転が終了している場合、つまり払出動作が正常に終了した場合、または、Su22のステップにおいて差球エラーフラグがセットされている場合、つまり、払出途中で差球エラーが発生した場合は払出モータ201の設定をoffにして払出モータ201の駆動を停止する(Su23)。そして、払出制御部61のRAMに設定された通過待ちタイマカウンタ(払出モータ201の回転により払い出された遊技球が払出球検出スイッチ202にて検出されるまでに要する通過待ち時間を計測するためのカウンタ)に初期値を設定し(Su24)、払出制御処理選択フラグを2にして(Su25)、もとの処理に戻る。
図30は、払出制御部61がSu6のステップにおいて実行する払出通過待ち処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
払出通過待ち処理では、まず、通過待ちタイマカウンタの値を1減算し(Su31)、通過待ちタイマカウンタの値が0か否か、すなわち通過待ち時間が経過したか否かを確認し(Su32)、通過待ちタイマカウンタの値が0でなければ、もとの処理に戻る。また、Su32のステップにおいて通過待ちタイマカウンタの値が0であれば、差球エラーフラグがセットされているか否かを判定し(Su33)、差球エラーフラグがセットされていない場合には、差球カウンタの値が0であるか否かを判定する(Su34)。Su34のステップにおいて、差球カウンタの値が0である場合には、払出が正常に終了したとして、払出処理選択フラグを0にして(Su35)、もとの処理に戻る。
また、Su33のステップにおいて差球エラーフラグがセットされている場合またはSu34のステップにおいて差球カウンタの値が0でない場合には、差球エラーが発生したとして、エラー報知LED211を点灯した後(Su36)、払出処理選択フラグを3にして(Su37)、もとの処理に戻る。
なお、Su34のステップにおいて差球カウンタの値が0でない場合において、差球カウンタの値が1以上であるとき、つまり、上流側の払出球検出スイッチ202による検出球数の方が取込球検出スイッチ203による検出球数よりも多い場合、球詰まりによる検出エラーである可能性が高い。また、0未満である場合、つまり、上流側の払出球検出スイッチ202による検出球数よりも取込球検出スイッチ203による検出球数の方が多い場合、磁気や電波による不正検出にもとづく検出エラーである可能性が高い。よって、例えばSu34のステップにおいて差球カウンタの値が0でない場合に、差球カウンタの値に応じてエラー態様を異ならせてもよい。
図31は、払出制御部61がSu7のステップにおいて実行する払出復旧待ち処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
払出復旧待ち処理では、まず、貸出禁止フラグがセットされているか否か、つまり、BET処理中、BET精算処理中、クレジット精算処理中、ゲーム実行中であるか否かを判定し(Su41)、貸出禁止フラグがセットされている場合には、BET処理中、BET精算処理中、クレジット精算処理中、ゲーム実行中のいずれであるとして、もとの処理に戻る。すなわち、払出リセット操作が行われてもリセット処理は行われない。
また、Su42のステップにおいて、貸出禁止フラグがセットされていない場合には、払出リセットスイッチ210がonであるか否か、つまりリセット操作がなされたか否か判定する(Su42)。Su42において、払出リセットスイッチ210がonである場合には、差球エラーフラグをリセットし(Su43)、エラー報知LEDをoffにした後(Su44)、払出処理選択フラグを0にして(Su45)、もとの処理に戻る。
図32は、払出制御部がSq7のステップにおいて実行する揚送制御処理の詳細な制御内容を示すフローチャートである。
揚送制御処理では、まず、揚送球検出スイッチ204がonであるか否か、つまり遊技球が検出されたか否かを判定し(Sv1)、揚送球検出スイッチ204がonである場合には、揚送モータを駆動し(Sv2)、検出待ちタイマカウンタに初期値(本実施例では例えば10秒)をセットした後(Sv3)、もとの処理に戻る。つまり、遊技球を検出するたびに検出待ちタイマカウンタに初期値がセットされる。
Sv1において、揚送球検出スイッチ204がonではない場合、検出待ちタイマカウンタの値が0か否か、すなわち検出待ち時間が経過したか否かを確認し(Sv4)、検出待ちタイマカウンタの値が0でなければ、検出待ちタイマカウンタの値を1減算した後(Sv6)、もとの処理に戻る。
また、Sv4のステップにおいて検出待ちタイマカウンタの値が0であれば、揚送モータ212の駆動を停止して、もとの処理に戻る。
次に、貸出制御の流れについて図33にもとづいて説明する。
図33(a)は、貸出制御が正常に実行された場合の流れを示している。まず、カードユニット300に搭載された制御ユニットは、球貸スイッチ27が検出されることで、受付中のプリペイドカードまたは会員カードから読み出された有価価値が残存することを条件に、スロットマシン1に対して、貸出単位分(本実施例では250球)の遊技球の貸出を要求する貸出要求通知を送信する。
払出制御部61は、この貸出要求通知を受信したことにもとづいて貸出処理選択フラグを0から1にして、貸出制御を開始するとともに、遊技制御基板40に対して貸出開始通知を送信する。これによりメイン制御部41は、貸出制御が実行されている間、取込球検出スイッチ203の監視およびクレジットカウンタの値の加算処理を繰り返すだけで、他の処理に移行しないため、ゲームの進行が禁止される。
そして、払出制御部61は、貸出制御が正常に終了した場合、貸出処理選択フラグを1から0に戻して、貸出制御を終了するとともに、遊技制御基板40に対して貸出終了通知を送信する。これによりメイン制御部41は他の処理に移行可能となるため、ゲームが開始可能な状態となる。
次に、図33(b)は、貸出制御の途中でエラー状態に移行した場合の流れを示している。カードユニット300に搭載された制御ユニットは、球貸スイッチ27が検出されることで、受付中のプリペイドカードまたは会員カードから読み出された有価価値が残存することを条件に、スロットマシン1に対して、貸出単位分(本実施例では250球)の遊技球の貸出を要求する貸出要求通知を送信する。
払出制御部61は、この貸出要求通知を受信したことにもとづいて貸出処理選択フラグを0から1にして、貸出制御を開始するとともに、遊技制御基板40に対して貸出開始通知を送信する。これによりメイン制御部41は、貸出制御が実行されている間、取込球検出スイッチ203の監視およびクレジットカウンタの値の加算処理を繰り返すだけで、他の処理に移行しないため、ゲームの進行が禁止される。
ここで、250球分の貸出制御が終了するまでに差球エラーが発生した場合、払出制御部61は、貸出処理選択フラグを2から3にし、払出モータ201の駆動を停止して貸出制御を一旦中断させた後、遊技制御基板40に対して貸出終了通知を送信する。これによりメイン制御部41は他の処理に移行可能となるため、差球エラー状態に移行した状態においても、ゲームが開始可能な状態となる。
次いで、差球エラーの原因が解消された状態で、払出リセットスイッチ210が有効に受付けられたことにもとづいて、払出制御部61は、貸出処理選択フラグを3から1にし、払出モータ201を駆動して貸出制御を再開させた後、遊技制御基板40に対して貸出開始通知を送信する。
そして、払出制御部61は、再開した貸出制御が終了した場合、貸出処理選択フラグを1から0に戻して、貸出制御を終了するとともに、遊技制御基板40に対して貸出終了通知を送信する。これによりメイン制御部41は他の処理に移行するため、ゲームが開始可能な状態となる。
図34は、クレジット精算処理の流れを示している。カードユニット300に搭載された制御ユニットは、返却スイッチ28が検出されることで、プリペイドカードまたは会員カードが受け付けられていることを条件に、スロットマシン1に対して、クレジット精算要求通知を送信する。
払出制御部61は、このクレジット精算要求通知を受信したことにもとづいて、貸出処理選択フラグを0から2にして、遊技制御基板40に対してクレジット精算要求通知を送信する。これによりメイン制御部41は、クレジット精算処理が実行されている間、クレジット精算完了通知の監視を繰り返すだけで他の処理に移行しないため、ゲームの進行が禁止される。
次いでメイン制御部41は、クレジット精算要求通知を受信したことにもとづき、クレジットカウンタに記憶されている値であるクレジット球数を示すクレジット球数通知を払出制御基板60に送信するとともに、クレジットカウンタの値を0にする。
払出制御部61は、このクレジット球数通知を受信したことにもとづいて、貸出処理選択フラグを2から3にして、クレジット球数通知をカードユニット300に送信する。
カードユニット300の制御ユニットは、受信したクレジット球数通知から特定されるクレジット球数を、遊技者所有の景品球数として受付中のプリペイドカードまたは会員カードに記録した後、クレジット精算完了通知を払出制御基板60に送信した後、受付中のプリペイドカードまたは会員カードを排出して遊技者に返却する。
これに対し払出制御部61は、クレジット精算完了通知を受信したことにもとづいて、貸出処理選択フラグを3から0に戻して、遊技制御基板40に対してクレジット精算完了通知を送信する。これによりメイン制御部41は、これによりメイン制御部41は他の処理に移行するため、ゲームが開始可能な状態となる。
図35は、貸出禁止状況の流れを示している。
メイン制御部41は、BET処理、BET精算処理、クレジット精算処理、ゲームのいずれかが開始された場合、払出制御基板60に対し貸出禁止通知を送信する。払出制御部61は、貸出禁止通知を受信したことにもとづいて、貸出禁止フラグを設定する。これにより、貸出制御や精算制御が無効化されるとともに、払出球検出スイッチ202および取込球検出スイッチ203による取込球が検出された場合に、貸出禁止エラー状態に移行させる。
そして、BET処理、BET精算処理、クレジット精算処理、ゲームのいずれかが終了した場合、払出制御基板60に対し貸出禁止解除通知を送信する。払出制御部61は、貸出禁止解除通知を受信したことにもとづいて、貸出禁止フラグをリセットする。これにより、貸出制御や精算制御が有効化される。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、貸出要求にもとづく貸出動作により払出装置200から払い出された遊技球は、取込通路220を流下する途中で取込球検出スイッチ203により検出された後に取り込まれるが、取込通路220にて球詰まりが生じたり、ノイズの発生により取込球検出スイッチ203にて遊技球が検出されない等の検出異常が発生したと判定された場合、該判定された時点で差球エラー状態に移行して貸出動作が停止、つまり貸出制御が中断することで、取込球数がクレジットカウンタに加算されない状況であるにも関わらず貸出制御が行われてしまい、遊技者が不利益を被ることを回避することができる。
また、例えばBET処理、BET精算処理、クレジット精算処理、ゲームのうちいずれかが実行中であることにもとづいて貸出制御の実行が禁止されているにも関わらず取込球が検出された場合、つまり、検出されるはずがない状況で取込球が検出された場合には検出異常と判定され、貸出禁止エラー状態に移行することで、取込球検出スイッチ203により取込球が不正に検出または誤検出された可能性があることを発見することができる。
また、例えばBET処理、BET精算処理、クレジット精算処理、ゲームのうちいずれかが実行中であることにもとづいて貸出制御の実行が禁止されている場合は、取込球検出スイッチ203による取込球の検出を無効化するようにしてもよい。具体的には、貸出制御の実行が禁止されている場合は、取込球検出スイッチ203による取込球の検出を監視しないようにしてもよいし、取込球検出スイッチ203により取込球が検出されても、クレジットカウンタの値を1加算しないようにすればよい。このようにすることでも、取込球検出スイッチ203により検出されるはずがない状況で、取込球が不正に検出または誤検出されてしまうことを未然に防ぐことができる。
なお、取込球検出スイッチ203による取込球の検出を無効化するとは、本実施例のように取込球検出スイッチ203による取込球の検出を監視しないようにすることや、取込球検出スイッチ203による取込球の検出信号が出力されないようにすることや、取込球検出スイッチ203による取込球の検出信号が出力されても差球カウンタの値から1減算しないようにすること等を含む。
また、取込通路220にて球詰まりが生じたり、ノイズの発生により取込球検出スイッチ203にて取込球が検出されない場合には、250球分の払出モータ201の回転駆動が終了した段階で差球カウンタの値が0ではない、つまり取込球数と払出球数とが一致せず、差球エラー(検出異常)が発生したと判定されることで、取込球数がクレジットカウンタに加算されない状況であるにも関わらず貸出制御が行われ、遊技者が不利益を被ることを回避することができる。
また、ゲームの進行を制御するメイン制御部41は、実行された貸出制御の途中でエラー状態に移行しても、貸出制御が一旦中断されることで、クレジットカウンタに記憶されたクレジット球数が残存する場合は該残存する球数を用いて賭数を設定してゲームを開始することができる。よって、貸出制御が停止されても、クレジットカウンタに記憶されたクレジット球数を用いてゲームを行うことができるので、ゲームの進行が妨げられることを回避できる。
また、差球エラー状態に移行した後にエラーの原因が解消されたとき、ゲームの進行に応じて定められた所定の復帰条件が成立したこと、つまり、BET処理、BET精算処理、クレジット精算処理、ゲームのいずれも実行されていない状態で払出リセットスイッチ210が操作されたことを条件に、貸出制御を再開させることで、貸出制御が停止された後にエラーの原因が解消されても、BET処理、BET精算処理、クレジット精算処理、ゲームのいずれかが実行されている場合には払出リセットスイッチ210が操作されても貸出制御は再開されないため、ゲームの進行に支障をきたす虞がない。
また、ゲームが開始されてから終了するまでの期間において貸出制御の実行が禁止されることで、ゲームが進行されている間に貸出制御が行われることがないので、ゲーム進行中の制御が複雑化することが防止される。
さらに本実施例では、BET処理、BET精算処理、クレジット精算処理、ゲーム中等、クレジットカウンタの値を加算または減算する処理が行われる間(ゲーム中においては、入賞の発生に応じた球数がクレジットに払い出される間)は、取込球検出スイッチ203による取込球の検出にもとづいてクレジットカウンタの値を加算する貸出処理が行われないため、クレジットカウンタの値の更新処理が複雑化することを防止できる。
また、貸出禁止エラーフラグがセットされていないときでも、払出装置200による貸出制御が実行されていない場合に取込球検出スイッチ203により取込球が検出されたとき、例えば、スイッチ検出処理におけるSk9のステップにおいて取込球検出スイッチ203により取込球が検出されたときに、Sk10+のステップにて貸出選択処理フラグが1ではなかった場合には、エラー報知が行われる。
また、貸出通信処理1のSt13のステップにおける貸出要求通知の受信にもとづいて貸出制御を開始してから払出モータ201によりスプロケット206が回転を開始するまでの間、つまり、払出開始待ち処理のSu13のステップにおいて遊技球が検出された場合や、払出通過待ち処理におけるSu34のステップにおいて差球カウンタの値が0未満である場合、払出モータ201の回転駆動量に応じた球数以上の遊技球が検出されることになる。
すなわち、貸出禁止エラーフラグがセットされていないときでも、払出モータ201が駆動していない場合や、設定された回転駆動量に対応する払出球数よりも多くの球数が検出された場合など、検出されるはずがない状況で取込球が検出された場合には検出異常と判定されることで、取込球検出スイッチ203により取込球が不正に検出または誤検出された可能性があることを発見することができる。
また、貸出禁止エラーフラグがセットされていないときに、取込球検出スイッチ203による取込球の検出を無効化する、例えば、払出制御部61において、スイッチ検出処理のSk6以降の処理を実行する前に貸出処理選択フラグが1であるか否かを判定し、1でない場合にはもとの処理に戻るようにすることで、貸出動作が実行されていないときに取込球検出スイッチ203による取込球の検出が無効化されるため、取込球が検出されるはずがない状況でクレジットカウンタの値が加算されることが防止される。
また、貸出制御が実行されているとき、新たな貸出要求にもとづく貸出制御の実行が禁止されていることで、貸出制御が終了しないうちに新たな貸出要求にもとづく貸出制御が行われることがないので、貸出制御が複雑化することが防止される。
また、供給通路222に250球の遊技球が供給されていない限り貸出制御は開始されないことで、供給通路222に確実に待機している数分の払出動作しか行われないことで、遊技球が供給されずに払出動作が途中で途切れてしまったり、無駄な払出動作を行うことで処理負荷が増大することを回避できる。
また、前記実施例では、貸出要求にもとづいて実行される貸出制御では、250球分の貸出動作が1度に行われるようになっていたが、例えば250球分の貸出要求にもとづき、50球分の貸出動作を5回繰り返して行うようにしてもよい。この場合、供給通路222に50球の遊技球が供給されていることを条件に50球分の貸出動作を行うようにすることで、遊技球が供給されずに払出動作が途中で途切れてしまったり、1回の貸出動作で行う処理内容が多くなりすぎることが回避される。
また、前記実施例では、差球カウンタの値が閾値を越えたとき(スイッチ検出処理のSk12;Yes)に差球エラーフラグがセットされて(スイッチ検出処理のSk13)貸出動作が途中で停止されるようになっていたが、このような処理を実施せずに、上記のように250球分の貸出要求にもとづき、所定の貸出単位数(例えば50球)分の貸出動作を所定回数(例えば5回)繰り返して行う場合において、供給通路222に50球の遊技球が供給されていることを条件に50球分の貸出動作を行うようにするとともに、所定の貸出単位数(例えば50球)分の貸出動作が終了するごとに差球カウンタの値にもとづいて差球エラーか否かを判定するようにしてもよく、このようにすれば、貸出単位数(例えば50球)分の貸出動作が中断されることが防止されるので、復旧処理の制御が複雑化することが回避される。
また、取込通路220は、遊技球を取り出し不能、かつ、視認可能とする取込用透視窓106を備えることで、取込球が払い出されているか否かを取込用透視窓106を透して目視にて確認できるとともに、遊技球が取り出されて不正に検出されること等を防止できる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例では、球循環装置120内には予め取込通路220及び揚送通路221内に例えば500球ほどの遊技球が封入されており、貸出要求にもとづいて実行された貸出制御において払出装置200から払い出され取込通路220に進入した遊技球を揚送装置230にて揚送して循環使用するようになっていた、すなわち、各スロットマシン1内にて遊技球を循環使用していたが、例えばスロットマシン1が設置される遊技機設置島内に貯留された遊技球が各スロットマシン1に供給されるようにするとともに、貸し出された遊技球を取り込んだ後に遊技機設置島内に排出して遊技機設置島内に設けられた揚送装置にて揚送して、遊技機設置島内にて循環させてもよい。
前記実施例では、遊技の制御を行う遊技制御基板40と払出及び貸出の制御を行う払出制御基板60とを別個に設けているが、遊技制御基板40側で全ての制御を行うようにしても良い。また、払出制御基板60側で取込の制御を行ったり、別個に取込制御用の基板を設けて、当該基板が取込の制御を行うようにしても良い。
また、前記実施例では、払出制御基板60とカードユニット300とを接続端子板70を介して接続しているが、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41が遊技の制御に加えて払出及び貸出の制御を行う構成とし、遊技制御基板40とカードユニット300とが直接、または接続端子板70等を介して接続されるようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技制御基板40と払出制御基板60や演出制御基板90とを直接接続しているが、中継基板等を介して接続するようにしても良い。特に、演出制御基板90と接続する際に中継基板を介して接続することで、遊技制御基板40と演出制御基板90との配線接続が容易になるとともに、演出制御基板90から遊技制御基板40に対して不正な信号等が直接入力されることを抑制することができる。
また、前記実施例では、記憶媒体として有価価値が記憶されたプリペイドカードを受け付けて、受け付けたプリペイドカードから読み出された有価価値を用いて遊技球の貸出を遊技機に行わせるカードユニット300を貸出装置として適用しているが、例えば、貨幣を受け付けて、受け付けた貨幣金額に基づく有価価値を装置内に設けられた記憶媒体(例えば、遊技者が取り出せないように内封された記録媒体やRAM等の貸出装置が内蔵するメモリ)に記憶し、この装置内の記憶媒体に記憶された有価価値を用いて遊技球の貸出を遊技機に行わせる貸出装置を適用しても良い。さらに、このようなカードユニット300の機能はスロットマシン1に内蔵されていてもよい。
また、前記実施例では、遊技機としてスロットマシンを適用しているが、遊技者所有の遊技媒体数を記憶する遊技媒体記憶手段を備え、前記遊技媒体記憶手段に記憶されている遊技媒体数を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であれば、その種類に関わらず適用可能であり、例えば所定数の遊技媒体を遊技領域に打ち込むことでゲームを行う雀球遊技機やアレンジボール遊技機等にも適用可能である。